JP6447778B2 - 発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置 - Google Patents
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Description
この発進クラッチ制御方法において、まず、車両発進時、傾斜路発進か否かを判断する。次いで、傾斜路発進と判断した場合、車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素のうち、変速機オイルに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を選定する。そして、選定された摩擦締結要素を発進クラッチとして滑り締結する。
即ち、傾斜路の傾きによって、変速機ケースの下方へ変速機オイルが移動する。このため、変速機オイルに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を発進クラッチとして選定するので、変速機オイルによる発進クラッチの冷却性能が確保される。
この結果、傾斜路での車両発進時に、変速機オイルによって発進クラッチを十分冷却でき、発進クラッチが発熱して耐久性が低下することを抑制できる。
実施例1における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置は、1モータ・2クラッチ形式によるFRハイブリッド車両に適用したものである。以下、実施例1のFRハイブリッド車両の発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置の構成を、「全体システム構成」、「自動変速機の概略構成」、「発進クラッチ制御処理構成」に分けて説明する。
図1は、実施例1における発進クラッチ制御装置が適用された後輪駆動によるFRハイブリッド車両を示し、図2は、統合コントローラ10のモード選択部に設定されているEV-HEV選択マップの一例を示す。以下、図1及び図2に基づいて、全体システム構成を説明する。
図3は、実施例1における自動変速機ATの一例をスケルトン図により示し、図4は、自動変速機ATでの変速段ごとの各摩擦締結要素の締結状態を示し、図5は、ATコントローラ7に設定されている自動変速機ATのシフトマップの一例を示す。以下、図3〜図5に基づいて、自動変速機ATの概略構成を説明する。
図6は、実施例1の統合コントローラ10にて実行される発進クラッチ制御処理の流れを示す。この処理は、車両発進時に「START」する。
ここで、「WSCモード」か否かは、統合コントローラ10により判断される。即ち、エンジンEngとモータ/ジェネレータMGが駆動され、第1クラッチCL1が締結され、第2クラッチCL2が滑り締結されていれば、「WSCモード」と判断される。
また、車両発進時に「WSCモード」が選択されるシーンについて説明する(図9等参照)。車両停車時に、ブレーキONの状態にて、ドライバーによってアクセルが踏み込まれていると、エンジンEngが始動されると共に「HEVモード」が選択される。この「HEVモード」を選択した状態で、停車からの車両発進時(ブレーキOFF時)、第2クラッチ入力回転数N2in(駆動源回転数)が第2クラッチ出力回転数N2out(変速機出力回転数)を上回り、発進クラッチ(第2クラッチCL2)にスリップ差回転ΔNが発生する。このため、車両発進時、発進クラッチにスリップ差回転が発生する領域において、「WSCモード」が選択される。即ち、車両発進時、発進クラッチが滑り締結される。なお、「WSCモード」の場合には、バッテリ4のバッテリ充電容量(バッテリSOC)が少ないときでも、モータ/ジェネレータMGにおいて発電することができる。このため、バッテリ充電容量が減少することを抑制できる。
ここで、登坂路発進か否かの判断は、前後Gセンサ22等から統合コントローラ10へ入力される情報に基づき、車両前後方向に傾斜角α(勾配)を持つ勾配路100(図10等参照、傾斜路)を推定する。次いで、推定された勾配路100が登坂路(坂道)判断閾値(例えば、10%勾配)以上のときに、登坂路発進と判断する。なお、登坂路判断閾値は、発進クラッチの変速機オイルATF浸漬具合と勾配路の関係等を予め実験等により求め、このような実験等から得た情報に基づいて設定される。その「勾配路100」とは、例えば、車両発進時に、変速機オイルATFのオイル油面ATF1の傾きにより、発進変速段で締結される複数の摩擦要素のうち、1つの摩擦締結要素(B1)しか変速機オイルATFに漬からず、残りは全く漬からなくなる傾き(α1)を持つ勾配路である。即ち、図10において「α>α1」のとき、「登坂路での後退発進」と判断される。
即ち、勾配路100での車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4(例えば、前進1速段または後退変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4)のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する(図7〜図8と図10参照)。このように選定され、「WSCモード」が選択された車両発進時、滑り締結される発進クラッチが、第2クラッチCL2である。ここで、図7〜図8と図10において、登坂路や平坦路や降坂路にかかわらず、各摩擦締結要素に付した2つの符号のうち1つの符号が、変速機オイルATFのオイル油面ATF1よりも下側にある場合には、摩擦締結要素が変速機オイルATFに浸漬されているものとする。このように変速機オイルATFに浸漬されている摩擦締結要素が、「勾配路100での車両発進時、発進変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素」となる。
ここで、図4に示すように、前進1速段(発進変速段)で締結される摩擦締結要素は、実施例1において1つしかなく、複数ない。このため、上記選定条件は適用されず、前進1速段で締結される摩擦締結要素は、第2ブレーキB2が前進用発進クラッチとして自動的に選定される。
ここで、図4に示すように、後退変速段(発進変速段)で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。登坂路での後退発進時では、この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する(図10参照)。これに該当するのが、3つの摩擦締結要素のうち第1ブレーキB1となる。このため、登坂路での後退発進時、第1ブレーキB1が後退用発進クラッチとして選定される。なお、図10では、変速機オイルATFが、自動変速機ATのギアトレーンの前側位置に偏るので、自動変速機ATのギアトレーンの前側位置に配置される摩擦締結要素が、変速機オイルATFに浸漬されている。
ここで、図4に示すように、後退変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する(図7と図8参照)。平坦路での後退発進時では、変速機オイルATFに浸漬される摩擦締結要素は、3つの摩擦締結要素のうち第4ブレーキB4となるため、第4ブレーキB4が平坦路での後退用発進クラッチとして選定される。また、降坂路での後退発進時では、変速機オイルATFに浸漬される摩擦締結要素は、平坦路と同様に、3つの摩擦締結要素のうち第4ブレーキB4となるため、第4ブレーキB4が平坦路での後退用発進クラッチとして選定される。このように、平坦路または降坂路での後退発進時、第4ブレーキB4が後退用発進クラッチとして選定される。なお、図8では、変速機オイルATFが、自動変速機ATのギアトレーンの後側位置に偏るので、自動変速機ATのギアトレーンの後側位置に配置される摩擦締結要素が、変速機オイルATFに浸漬されている。このときの降坂路における「勾配路100」も、登坂路と同様に、傾き(α1)を持つ勾配路である。また、平坦路での後退発進時においても降坂路での後退発進時においても、同一の摩擦締結要素が発進クラッチとして選定されるので、同一のステップS6とした。
ここで、発進クラッチの温度を推定する方法は、油温センサ23から統合コントローラ10へ入力される「発進クラッチが滑り締結される前後の油温情報」や「発進クラッチのスリップ差回転ΔNの情報」や「発進クラッチのトルク伝達容量の情報」等に基づき、発進クラッチの温度を推定する。
ここで、許容温度閾値は、発進クラッチの耐久性等を予め実験等により求め、その実験等から得た情報に基づいて設定される。例えば、実験は、所定の温度条件下に発進クラッチを置いたら何秒で熱劣化するか等である。
ここで、「WSCモード」が終了したか否かの判断は、統合コントローラ10により判断される。なお、「WSCモード終了」の場合とは、「WSCモード」から「HEVモード」へモード遷移が行われた場合である。即ち、発進クラッチが滑り締結状態から完全締結された場合である。
ここで、「WSCモード」から「EVモード」へのモード遷移が行われる場合には、例えば、第1クラッチCL1が完全締結状態から解放され、発進クラッチが滑り締結状態から完全締結される(図11参照)。または、第1クラッチCL1が完全締結状態から徐々に解放されつつ、発進クラッチが滑り締結状態から徐々に完全締結させる。なお、発進クラッチのトルク伝達容量が完全締結容量よりも小さい場合でも、スリップ差回転ΔNがゼロになると、発進クラッチは自動的に滑り締結状態から完全締結される。
また、「発進クラッチ推定温度≧許容温度閾値」の場合、「WSCモード」から「EVモード」へモード遷移が行われるが、これはドライバーの意図しないモード遷移である。このため、「WSCモード」から「EVモード」へモード遷移が行われる場合、メータパネル等に「ハイブリッドシステムオーバーヒート」等と表示され、ドライバーに知らされる。これにより、ドライバーの違和感が低減される。
実施例1における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置における作用を、「発進クラッチ制御処理作用」と、「後退用発進クラッチ制御作用」と、「後退用発進クラッチ保護作用」と、「発進クラッチ制御の特徴作用」に分けて説明する。
以下、図6のフローチャートに基づき、発進クラッチ制御処理作用を、「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」と、「登坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」、「平坦路または降坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」に分けて説明する。なお、いずれの処理作用においてもステップS1において「WSCモード」と判断されるものとする。また、ステップS1において、「WSCモード」と判断されない場合には、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS11へと進み、ステップS11では、通常のモード遷移が行われ、図6のフローチャートにおいて、ステップS11→エンドへと進む。即ち、「WSCモード」と判断されない場合には、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS11→エンドへと進む。
まず、図6のフローチャートにおいて、「HEVモード」が選択されている前進発進時には、「WSCモード」と判断され、「前進発進」と判断されると、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS2→ステップS4へと進む。ステップS4では、前進用発進クラッチとして、第2ブレーキB2が選定され、ステップS4からステップS7へと進む。このため、第2ブレーキB2が前進用発進クラッチとして、WSCモードにおいて完全締結状態から滑り締結される。ステップS7では、その発進クラッチの温度が推定され、ステップS7からステップS8へと進む。ステップS8では、発進クラッチ推定温度が、許容温度閾値未満か否かが判断される。「発進クラッチ推定温度<許容温度閾値」の場合には、ステップS8からステップS9へと進む。一方、ステップS8において「発進クラッチ推定温度≧許容温度閾値」と判断されると、ステップS8からステップS10へと進む。
まず、図6のフローチャートにおいて、「HEVモード」が選択されている後退発進時には、「WSCモード」と判断され、「後退発進」と判断されると、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。ステップS3では、登坂路発進か否かが判断される。ここでは、「登坂路発進」と判断され、ステップS3からステップS5へと進む。ステップS5では、登坂路での後退発進時、後退用発進クラッチとして第1ブレーキB1が選定され、ステップS5からステップS7へと進む。このため、第1ブレーキB1が後退用発進クラッチとして、WSCモードにおいて完全締結状態から滑り締結される。即ち、登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ選定では、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS5→…→エンドへと進む流れである。なお、図6のフローチャートにおいて、ステップS7〜ステップS10→エンドへと進む流れは、「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」と同様であるから説明を省略する。
まず、図6のフローチャートにおいて、「HEVモード」が選択されている後退発進時には、「WSCモード」と判断され、「後退発進」と判断されると、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS2→ステップS3へと進む。ステップS3では、登坂路発進か否かが判断される。ここでは、「平坦路発進または降坂路発進」と判断され、ステップS3からステップS6へと進む。ステップS6では、平坦路または降坂路での後退発進時、後退用発進クラッチとして第4ブレーキB4が選定され、ステップS6からステップS7へと進む。このため、第4ブレーキB4が後退用発進クラッチとして、WSCモードにおいて完全締結状態から滑り締結される。即ち、平坦路または降坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ制御では、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS2→ステップS3→ステップS6→…→エンドへと進む流れである。なお、図6のフローチャートにおいて、ステップS7〜ステップS10→エンドへと進む流れは、「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」と同様であるから説明を省略する。
以下、図7〜図10に基づいて、「平坦路または降坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ制御作用」と、「登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ制御作用」に分けて説明する。なお、図7と図8と図10の発進のとき、発進変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である(図4参照)。
平坦路での後退発進の場合には、図7に示すように、第4ブレーキB4が変速機オイルATFに浸漬されている。また、降坂路での後退発進の場合には、図8に示すように、第4ブレーキB4が変速機オイルATFに浸漬されている。しかし、3つの摩擦締結要素のうち第1ブレーキB1と第3クラッチC3は、図7と図8に示すように、変速機オイルATFに完全に浸かっていない。よって、平坦路または降坂路での後退発進時、第4ブレーキB4が後退用発進クラッチとして選定される。このため、その後退用発進クラッチが完全締結状態から滑り締結される際、変速機オイルATFによるクラッチ冷却性能が確保される。
登坂路での後退発進の場合には、図10に示すように、第1ブレーキB1が変速機オイルATFに浸漬されている。しかし、3つの摩擦締結要素のうち第3クラッチC3と第4ブレーキB4は、図10に示すように、変速機オイルATFに完全に浸かっていない。よって、登坂路での後退発進時、第1ブレーキB1が後退用発進クラッチとして選定される。このため、その後退用発進クラッチが完全締結状態から滑り締結される際、変速機オイルATFによるクラッチ冷却性能が確保される。
以下、図11に基づいて、後退用発進クラッチの保護作用について説明する。
前述したように、登坂路での後退発進時では、発進クラッチが滑り締結されている時間が平坦路での後退発進時よりも長いため、発進クラッチ推定温度が許容温度閾値を超えるおそれがある。このような場合、後退用発進クラッチ(例えば、第1ブレーキB1)の熱劣化を防止する必要がある。
また、発進クラッチとして選定された第1ブレーキB1の滑り締結により、第2クラッチ出力回転数N2outが上昇し、車両が発進する。次いで、アクセル開度APOに応じて、第2クラッチ入力回転数N2inと第2クラッチ出力回転数N2outが上昇する。次いで、アクセル開度APOが一定に維持されると、第2クラッチ入力回転数N2inと第2クラッチ出力回転数N2outの上昇が緩やかになる。次いで、時刻t11から時刻t12までの後半では、第2クラッチ入力回転数N2inと第2クラッチ出力回転数N2outが、ほぼ一定になる。このため、スリップ差回転ΔNが、ほぼ一定となる。つまり、実施例1では後退変速段が1速の車両であるから、後退時には変速されない。このため、登坂路が続くと、登坂路では車速が上がらず、スリップ差回転ΔNがほぼ一定となる。また、登坂路では、平坦路や降坂路に比べて大きな駆動力が要求されているので、発進クラッチに要求されるトルク伝達容量は高くなり、高トルクで高スリップ量の状態が継続されると、発進クラッチ推定温度が上昇する。さらに、登坂路が続くと、第1ブレーキB1が変速機オイルATFに浸漬されているとはいえ、滑り締結の時間(時刻t11から時刻t12までの間)が長くなるほど、滑り締結による発熱によって発進クラッチ推定温度が上昇する。
例えば、従来、エンジンとモータジェネレータとの間に第1クラッチを備えると共に、モータジェネレータと駆動輪との間に変速機を備えた車両を比較例とする。この比較例の車両によれば、変速機は、複数の変速段を切り替える複数の摩擦締結要素を内蔵している。また、変速段毎に、複数の摩擦締結要素のうち、3つの摩擦締結要素が締結される。その3つの摩擦締結要素のうち、一つが滑り要素(回転差吸収要素)である第2クラッチとなる。この車両において、EVモードからの変速を伴うエンジン始動時に、第1クラッチを解放状態から締結させるに際して、第2クラッチを完全締結状態から滑り締結させ、回転差吸収要素として用いる。即ち、第2クラッチの滑り締結は、滑り状態を維持することである。
即ち、勾配路100での傾きによって、変速機ケースAT1の下方へ変速機オイルATFが移動する。このため、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を発進クラッチとして選定するので、変速機オイルATFによる発進クラッチの冷却性能が確保される。
この結果、勾配路100での車両発進時に、変速機オイルATFによって発進クラッチが十分冷却され、発進クラッチが発熱して耐久性が低下することが抑制される。
即ち、滑り締結による発熱によって発進クラッチに熱劣化が生じる前に、発進クラッチが完全締結される。
従って、発熱による発進クラッチの熱劣化を防止し、発進クラッチの耐久信頼性を向上させる。
実施例1のハイブリッド車両の発進クラッチ選定方法及び発進クラッチ選定装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
変速機(自動変速機AT)は、複数の変速段(前進変速段、後退変速段)を切り替える複数の摩擦締結要素(C1〜C3,B1〜B4)を有し、
車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素(C1〜C3,B1〜B4)のうち、1つの摩擦締結要素を発進クラッチ(後退用発進クラッチ、第2クラッチCL2)として滑り締結する発進クラッチ制御方法において、
車両発進時、傾斜路(勾配路100)発進か否かを判断し、
傾斜路(勾配路100)発進と判断した場合、車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素(第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4)のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を選定し、
選定された摩擦締結要素(登坂路での後退発進時は第1ブレーキB1、平坦路または降坂路での後退発進時は第4ブレーキB4)を発進クラッチ(後退用発進クラッチ)として滑り締結する(図6〜図8と図10)。
このため、傾斜路(勾配路100)での車両発進時に、変速機オイルATFによって発進クラッチ(後退用発進クラッチ)を十分冷却でき、発進クラッチ(後退用発進クラッチ)が発熱して耐久性が低下することを抑制する発進クラッチ制御方法を提供することができる。
このため、(1)の効果に加え、発熱による発進クラッチ(後退用発進クラッチ)の熱劣化を防止でき、発進クラッチ(前進用発進クラッチ、後退用発進クラッチ)の耐久信頼性を向上させることができる。
変速機(自動変速機AT)は、複数の変速段(前進変速段、後退変速段)を切り替える複数の摩擦締結要素(C1〜C3,B1〜B4)を有し、
車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素(C1〜C3,B1〜B4)のうち、1つの摩擦締結要素を発進クラッチ(後退用発進クラッチ、第2クラッチCL2)として滑り締結する発進クラッチ制御装置において、
車両発進時、傾斜路(勾配路100)発進か否かを判断し、
傾斜路(勾配路100)発進と判断した場合、車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素(第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4)のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を選定し、
選定された摩擦締結要素(登坂路での後退発進時は第1ブレーキB1、平坦路または降坂路での後退発進時は第4ブレーキB4)を発進クラッチ(後退用発進クラッチ)として滑り締結するコントローラ(統合コントローラ10)を有する(図6〜図8と図10)。
このため、傾斜路(勾配路100)での車両発進時に、変速機オイルATFによって発進クラッチ(後退用発進クラッチ)を十分冷却でき、発進クラッチ(後退用発進クラッチ)が発熱して耐久性が低下することを抑制する発進クラッチ制御装置を提供することができる。
実施例2における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置は、実施例1と同様に、1モータ・2クラッチ形式によるFRハイブリッド車両に適用したものである。このため、実施例2の構成のうち、「全体システム構成」と「自動変速機の概略構成」については、実施例1と同様であるから説明を省略する。以下、実施例2の「発進クラッチ制御処理構成」について説明する。
図12に基づき、実施例2の統合コントローラ10にて実行される発進クラッチ制御処理の流れを説明する。また、この処理は、実施例1と同様に、車両発進時に「START」する。なお、図12のステップS21〜ステップS24の各ステップは、図6のステップS1〜ステップS4の各ステップと同様であるから説明を省略する。図12のステップS27〜ステップS211は、図6のステップS7〜ステップS11の各ステップと同様であるから説明を省略する。ただし、図12のステップS23において、実施例2の「勾配路100」とは、例えば、車両発進時に、変速機オイルATFのオイル油面ATF1の傾きにより、発進変速段で締結される複数の摩擦要素のうち、少なくとも1つの摩擦締結要素(C3)が変速機オイルATFに漬からなくなる傾き(α2)を持つ勾配路である。このため、実施例2の傾き(α2)は、実施例1の傾き(α1)より緩やかである(α2<α1)。以下、図12のステップS25とステップS26について説明する。
即ち、まず、実施例1と同様に、勾配路100での車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4(例えば、前進1速段または後退変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4)のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する(図13参照)。ここで、図13において、実施例1と同様に、登坂路や平坦路や降坂路にかかわらず、各摩擦締結要素に付した2つの符号のうち1つの符号が、変速機オイルATFのオイル油面ATF1よりも下側にある場合には、摩擦締結要素が変速機オイルATFに浸漬されているものとする。このように変速機オイルATFに浸漬されている摩擦締結要素が、「勾配路100での車両発進時、発進変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素」となる。
ここで、図4に示すように、後退変速段(発進変速段)で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。登坂路での後退発進時では、この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する(図13参照)。これに該当するのが、第1ブレーキB1と第4ブレーキB4となる。このため、登坂路での後退発進時、その複数の中から、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する。そして、図4において、第1ブレーキB1は前進7速段で使用されている。一方、第4ブレーキB4は前進変速段で使用されていない。即ち、第4ブレーキB4が、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素に該当する。従って、第4ブレーキB4が、登坂路(α>α2)での後退用発進クラッチとして選定される。
ここで、図4に示すように、後退変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。平坦路または降坂路での後退発進時では、この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する。これに該当するのが、平坦路での後退発進時では、変速機オイルATFに浸漬される摩擦締結要素は、3つの摩擦締結要素のうち第1ブレーキB1と第4ブレーキB4となる。これは、登坂路と同様であるから、第4ブレーキB4が、平坦路での後退用発進クラッチとして選定される。一方、降坂路での後退発進時では、変速機オイルATFに浸漬される摩擦締結要素は、第4ブレーキB4となる。なお、降坂路における「勾配路100」も、登坂路と同様に、傾き(α2)を持つ勾配路である。従って、第4ブレーキB4が、平坦路または降坂路での後退用発進クラッチとして選定される。
実施例2における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置における作用を、「発進クラッチ制御処理作用」と、「後退用発進クラッチ制御作用」と、「発進クラッチ制御の特徴作用」に分けて説明する。なお、「後退用発進クラッチ保護作用」は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
以下、図12のフローチャートに基づき、発進クラッチ制御処理作用を説明する。
まず、図12のフローチャートにおいて、「登坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」を説明する。図12のフローチャートでは、「HEVモード」が選択されている後退発進時には、「WSCモード」と判断され、「後退発進」と判断されると、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS21→ステップS22→ステップS23へと進む。ステップS23では、登坂路発進か否かが判断される。ここでは、「登坂路発進」と判断され、ステップS23からステップS25へと進む。ステップS25では、登坂路での後退発進時、後退用発進クラッチとして第4ブレーキB4が選定され、ステップS25からステップS27へと進む。このため、第4ブレーキB4が後退用発進クラッチとして、WSCモードにおいて完全締結状態から滑り締結される。即ち、登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ選定では、図12のフローチャートにおいて、START→ステップS21→ステップS22→ステップS23→ステップS25→…→エンドへと進む流れである。また、図12のフローチャートにおいて、ステップS27〜ステップS210→エンドへと進む流れは、実施例1の「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」のステップS7〜ステップS10→エンドへと進む流れと同様であるから説明を省略する。なお、図12における「平坦路または降坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」は、上記において、ステップS25がステップS26となることが異なり、その他は同様であるから説明を省略する。また、図12のフローチャートにおいて、「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」は、実施例1と同様であるので説明を省略する。そして、図12のフローチャートにおいて、START→ステップS21→ステップS211→エンドへと進むながれは、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS11→エンドへと進む流れと同様であるから説明を省略する。
以下、図13に基づいて、「登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ制御作用」について説明する。なお、図13の登坂路での後退発進時、発進変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である(図4参照)。
実施例2では、勾配路100での後退発進時、後退用発進クラッチとして複数選定できる場合(登坂路または平坦路での後退発進時では第1ブレーキB1または第4ブレーキB4)には、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素(第4ブレーキB4)が後退用発進クラッチとして選定される(図4と図12)。
従って、仮に、後退用発進クラッチに熱劣化が生じても、前進変速段を形成でき、走行が可能となる。また、実施例2のように、前進変速段では使用されない第4ブレーキB4を後退用発進クラッチとしている場合には、確実に前進変速段を形成できるので、車両走行に与える影響を小さくできる。
実施例2のハイブリッド車両の発進クラッチ選定方法及び発進クラッチ選定装置にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果を得ることができると共に、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、(1)の効果に加え、仮に、発進クラッチ(後退用発進クラッチ)に熱劣化が生じても、前進変速段を形成でき、走行が可能となる。
実施例3における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置は、実施例1と同様に、1モータ・2クラッチ形式によるFRハイブリッド車両に適用したものである。このため、実施例3の構成のうち、「全体システム構成」と「自動変速機の概略構成」については、実施例1と同様であるから説明を省略する。以下、実施例3の「発進クラッチ制御処理構成」について説明する。
図14に基づき、実施例3の統合コントローラ10にて実行される発進クラッチ制御処理の流れを説明する。また、この処理は、実施例3と同様に、車両発進時に「START」する。なお、図14のステップS31〜ステップS34の各ステップは、図6のステップS1〜ステップS4の各ステップと同様であるから説明を省略する。図14のステップS37〜ステップS311は、図6のステップS7〜ステップS11の各ステップと同様であるから説明を省略する。ただし、図14のステップS33において、実施例3の「勾配路100」とは、例えば、車両発進時に、変速機オイルATFのオイル油面ATF1の傾きにより、発進変速段で締結される複数の摩擦締結要素は全て変速機オイルATFに漬かることが想定されるものの、もっとも上方の摩擦締結要素の変速機オイルATFの漬かり具合が不足する虞がある傾き(α3)を持つ勾配路である。変速機オイルATFの漬かり具合が不足するかどうかは、摩擦締結要素の耐摩耗性や発熱を考慮して、摩擦締結要素の変速機オイルATFに漬かる摩擦面の面積の割合で決められる。このため、実施例3の傾き(α3)は、実施例1の傾き(α1)と実施例2の傾き(α2)より緩やかである(α3<α2<α1)。以下、図14のステップS35とステップS36について説明する。
即ち、まず、実施例1と同様に、勾配路100での車両発進時に締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4(例えば、前進1速段または後退変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4)のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する(図15参照)。ここで、図15において、実施例1と同様に、登坂路や平坦路や降坂路にかかわらず、各摩擦締結要素に付した2つの符号のうち1つの符号が、変速機オイルATFのオイル油面ATF1よりも下側にある場合には、摩擦締結要素が変速機オイルATFに浸漬されているものとする。このように変速機オイルATFに浸漬されている摩擦締結要素が、「勾配路100での車両発進時、発進変速段で締結される複数の摩擦締結要素C1〜C3,B1〜B4のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素」となる。
ここで、図4に示すように、後退変速段(発進変速段)で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。登坂路での後退発進時では、この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する(図15参照)。これに該当するのが、3つの摩擦締結要素の全て、すなわち、第1ブレーキB1と第3クラッチC3と第4ブレーキB4を選定することが可能である。このため、登坂路での後退発進時、その複数のうち、各摩擦締結要素の最下部が変速機オイルATFのオイル油面ATF1に最も近い摩擦締結要素を発進クラッチの選定から除外する。これに該当するのが、図15に示すように、第3クラッチC3であるから、これを発進クラッチの選定から除外する。そして、残りの摩擦締結要素(第1ブレーキB1と第4ブレーキB4)を発進クラッチとして選定する。さらに発進クラッチとして複数選定できるので、その複数の中から、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する。そして、図4において、第1ブレーキB1は前進7速段で使用されている。一方、第4ブレーキB4は前進変速段で使用されていない。即ち、第4ブレーキB4が、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素に該当する。従って、第4ブレーキB4が、登坂路(α>α3)での後退用発進クラッチとして選定される。
ここで、図4に示すように、後退変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である。平坦路または降坂路での後退発進時では、この3つの摩擦締結要素のうち、変速機オイルATFに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を後退用発進クラッチとして選定する。これに該当するのが、平坦路での後退発進時でも降坂路での後退発進時でも、3つの摩擦締結要素の全て、すなわち、第1ブレーキB1と第3クラッチC3と第4ブレーキB4を選定することが可能である。このため、平坦路または降坂路での後退発進時、その複数のうち、各摩擦締結要素の最下部が変速機オイルATFのオイル油面ATF1に最も近い摩擦締結要素を発進クラッチの選定から除外する。これに該当するのが、平坦路での後退発進時では、第3クラッチC3であり、降坂路での後退発進時では、第1ブレーキB1であるから、それぞれ発進クラッチの選定から除外する。そして、残りの摩擦締結要素(平坦路での後退発進時では第1ブレーキB1と第4ブレーキB4、降坂路での後退発進時では第3クラッチC3と第4ブレーキB4)を発進クラッチとして選定する。さらに発進クラッチとして複数選定できるので、その複数の中から、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する。そして、図4において、第1ブレーキB1は前進7速段で使用されている。また、図4において、第3クラッチC3は複数の前進変速段で使用されている。一方、第4ブレーキB4は前進変速段で使用されていない。即ち、第4ブレーキB4が、前進変速段での使用頻度が少ない摩擦締結要素に該当する。従って、第4ブレーキB4が、平坦路での後退用発進クラッチでも降坂路での後退用発進クラッチでも後退用発進クラッチとして選定される。なお、降坂路における「勾配路100」も、登坂路と同様に、傾き(α3)を持つ勾配路である。
実施例3における発進クラッチ制御方法及び発進クラッチ制御装置における作用を、「発進クラッチ制御処理作用」と、「後退用発進クラッチ制御作用」と、「発進クラッチ制御の特徴作用」に分けて説明する。なお、「後退用発進クラッチ保護作用」は、実施例1と同様であるので、説明を省略する。
以下、図14のフローチャートに基づき、発進クラッチ制御処理作用を説明する。
まず、図14のフローチャートにおいて、「登坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」を説明する。図14のフローチャートでは、「HEVモード」が選択されている後退発進時には、「WSCモード」と判断され、「後退発進」と判断されると、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS31→ステップS32→ステップS33へと進む。ステップS33では、登坂路発進か否かが判断される。ここでは、「登坂路発進」と判断され、ステップS33からステップS35へと進む。ステップS35では、登坂路での後退発進時、後退用発進クラッチとして第4ブレーキB4が選定され、ステップS35からステップS37へと進む。このため、第4ブレーキB4が後退用発進クラッチとして、WSCモードにおいて完全締結状態から滑り締結される。即ち、登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ選定では、図14のフローチャートにおいて、START→ステップS31→ステップS32→ステップS33→ステップS35→…→エンドへと進む流れである。また、図14のフローチャートにおいて、ステップS37〜ステップS310→エンドへと進む流れは、実施例1の「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」のステップS7〜ステップS10→エンドへと進む流れと同様であるから説明を省略する。なお、図14における「平坦路または降坂路での後退発進時の発進クラッチ制御処理作用」は、上記において、ステップS35がステップS36となることが異なり、その他は同様であるから説明を省略する。また、図14のフローチャートにおいて、「前進発進時の発進クラッチ制御処理作用」は、実施例1と同様であるので説明を省略する。そして、図14のフローチャートにおいて、START→ステップS31→ステップS311→エンドへと進むながれは、図6のフローチャートにおいて、START→ステップS1→ステップS11→エンドへと進む流れと同様であるから説明を省略する。
以下、図15に基づいて、「登坂路での後退発進時の後退用発進クラッチ制御作用」について説明する。なお、図15の登坂路での後退発進時、発進変速段で締結される摩擦締結要素は、第1ブレーキB1・第3クラッチC3・第4ブレーキB4である(図4参照)。
実施例3では、勾配路100での後退発進時、後退用発進クラッチとして複数選定できる場合(第1ブレーキB1または第3クラッチC3または第4ブレーキB4)には、その複数のうち各摩擦締結要素の最下部が変速機オイルATFのオイル油面ATF1に最も近い摩擦締結要素(登坂路または平坦路での後退発進時では第3クラッチC3、降坂路での後退発進時では第1ブレーキB1)が発進クラッチの選定から除外され、残りの摩擦締結要素(登坂路または平坦路での後退発進時では第1ブレーキB1または第4ブレーキB4、降坂路での後退発進時では第3クラッチC3または第4ブレーキB4)が発進クラッチとして選定される(図14と図15)。
即ち、発進によって車両が走行して、オイル油面ATF1が揺れても、除外される摩擦締結要素よりも変速機オイルATFに浸かっている摩擦締結要素が発進クラッチとして選定される。これにより、その後退用発進クラッチが滑り締結されている車両走行中、変速機オイルATFによるクラッチ冷却性能が確保される。
従って、発進クラッチが滑り締結されている車両走行中、変速機オイルATFによって発進クラッチが十分冷却され、発進クラッチが発熱して耐久性が低下することが抑制される。
従って、仮に、後退用発進クラッチに熱劣化が生じても、前進変速段を形成でき、走行が可能となる。また、実施例3のように、前進変速段では使用されない第4ブレーキB4を後退用発進クラッチとしている場合には、確実に前進変速段を形成できるので、車両走行に与える影響を小さくできる。
実施例3のハイブリッド車両の発進クラッチ選定方法及び発進クラッチ選定装置にあっては、実施例1の(1)〜(3)の効果を得ることができると共に、下記に列挙する効果を得ることができる。
このため、(1)の効果に加え、発進クラッチが滑り締結されている車両走行中、変速機オイルATFによって発進クラッチが十分冷却でき、発進クラッチが発熱して耐久性が低下することが抑制できる。
このため、(1)または(5)の効果に加え、仮に、発進クラッチ(後退用発進クラッチ)に熱劣化が生じても、前進変速段を形成でき、走行が可能となる。
Claims (5)
- 駆動源と駆動輪との間に変速機を備え、
前記変速機は、複数の変速段を切り替える複数の摩擦締結要素を有し、
車両発進時に締結される前記複数の摩擦締結要素のうち、1つの摩擦締結要素を発進クラッチとして滑り締結する発進クラッチ制御方法において、
車両発進時、傾斜路発進か否かを判断し、
傾斜路発進と判断した場合、車両発進時に締結される前記複数の摩擦締結要素のうち、変速機オイルに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を選定し、
選定された摩擦締結要素を発進クラッチとして滑り締結する
ことを特徴とする発進クラッチ制御方法。 - 請求項1に記載された発進クラッチ制御方法において、
前記傾斜路での発進時、前記発進クラッチとして複数選定できる場合には、その複数のうち各摩擦締結要素の最下部が前記変速機オイルのオイル油面に最も近い摩擦締結要素を前記発進クラッチの選定から除外し、残りの摩擦締結要素を発進クラッチとして選定する
ことを特徴とする発進クラッチ制御方法。 - 請求項1または請求項2に記載された発進クラッチ制御方法において、
前記傾斜路での発進時、前記発進クラッチとして複数選定できる場合には、その複数の中から、前進変速段での使用頻度が少ない前記摩擦締結要素を前記発進クラッチとして選定する
ことを特徴とする発進クラッチ制御方法。 - 請求項1から請求項3までの何れか一項に記載された発進クラッチ制御方法において、
前記発進クラッチを滑り締結させるモード中、前記発進クラッチが所定温度以上かどうかを判断し、前記発進クラッチが前記所定温度以上になった場合、前記発進クラッチを滑り締結させるモードから完全締結させるモードへ移行する
ことを特徴とする発進クラッチ制御方法。 - 駆動源と駆動輪との間に変速機を備え、
前記変速機は、複数の変速段を切り替える複数の摩擦締結要素を有し、
車両発進時に締結される前記複数の摩擦締結要素のうち、1つの摩擦締結要素を発進クラッチとして滑り締結する発進クラッチ制御装置において、
車両発進時、傾斜路発進か否かを判断し、
傾斜路発進と判断した場合、車両発進時に締結される前記複数の摩擦締結要素のうち、変速機オイルに浸漬される位置に配置される摩擦締結要素を選定し、
選定された摩擦締結要素を発進クラッチとして滑り締結するコントローラを有する
ことを特徴とする発進クラッチ制御装置。
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