以下の説明は、Qi仕様と同様の電力伝送アプローチを用いるワイヤレス電力伝送システムに適用可能な本発明の実施形態に焦点を当てている。但し、本発明はこの応用例に限定されず、他の多くのワイヤレス電力伝送システムに適用されることが理解されるであろう。
Qi仕様では、電力受信機から電力送信機への通信は、一般的に、電力受信機が電力伝送信号を負荷変調することにより行われる。したがって、以下の説明は、負荷変調が電力伝送信号についてのもの、つまり電力伝送信号が負荷変調のために誘導キャリア信号としても使用される例に焦点を当てる。したがって、この例では、負荷変調により電力受信機から通信されるデータの復調は、電力伝送信号を生成するインダクタの結果として生じる電圧及び/又は電流の変化の変化を測定することによる。
しかし、他の実施形態では、負荷変調に使用される誘導キャリア信号が、電力受信機への電力伝送に使用される電力伝送信号と異なることが理解されるであろう。例えば、幾つかの実施形態では、電力送信機は、電力受信機に電力を供給する電力伝送信号を生成する電力伝送インダクタと、負荷変調のために電力受信機により使用され得る誘導キャリア信号を生成する独立した通信インダクタとを備える。この例では、負荷変調により電力受信機から通信されるデータの復調は、通信インダクタの結果として生じる電圧及び/又は電流の変化の測定による。
図1は、本発明の幾つかの実施形態の1つによる電力伝送システムの一例を示す。この電力伝送システムは、電力送信機101を備え、電力送信機101は、送信機コイル/インダクタ103を含む(又は送信機コイル/インダクタ103に結合される)。さらに、このシステムは、電力受信機105を備え、電力受信機105は、受信機コイル/インダクタ107を含む(又は受信機コイル/インダクタ107に結合される)。
システムは、電力送信機101から電力受信機105へのワイヤレス誘導電力伝送を行う。特に、電力送信機101は、送信機コイル103によって磁束として伝播されるワイヤレス誘導電力信号(簡略して電力信号又は誘導電力信号とも呼ばれる)を生成する。電力信号は、典型的には、約20kHz〜200kHzの間の周波数を有する。送信機コイル103と受信機インダクタ/コイル107とは、疎結合され、それにより、受信機コイル107は、電力送信機101から電力信号(の少なくとも一部)をピックアップする。したがって、電力は、送信機コイル103から受信機コイル107へのワイヤレス誘導結合を介して、電力送信機101から電力受信機105に伝送される。電力信号なる用語は、主に送信機コイル103と受信機コイル107との間での誘導信号/磁界(磁束信号)を表すために使用されるが、同義的に、送信機コイル103に提供される又は受信機コイル107によりピックアップされる電気信号に対する言及とみなされて使用されることを理解されたい。
この例では、電力伝送信号は複数の機能を有し、電力受信機(及び電力受信機によりサポートされる任意の負荷)に電力を提供するだけではなく、負荷変調のための誘導キャリア信号としても機能する。
図1のシステムでは、送信機コイル103によって磁界が発生され、受信機コイル107はこの磁界内にある。したがって、送信機コイル103により誘導される磁束の変化によって受信機コイル107に電流が誘導され、これにより電力が伝送される。
以下、電力送信機101と電力受信機105との動作を、(本明細書で述べる(又は結果として生じる)変形形態及び改良形態を除いて)Qi規格に従った実施形態に特に言及して述べる。特に、電力送信機101と電力受信機105とは、(本明細書で述べる(又は結果として生じる)変形形態及び改良形態を除いて)実質的にQi仕様バージョン1.0又は1.1に適合する。
図2は、図1のシステムの具体例のシステムアーキテクチャをやや詳細に示す。この例では、電力送信機101の出力回路は、送信機インダクタ103を含む共振回路又は共振タンク201を含む(図2では、送信機インダクタ103は明確にするために共振回路201の外側に示されているが、共振回路201の一部と考えられる)。共振回路201は、典型的には直列共振回路又は並列共振回路であり、特に送信機インダクタ103に並列に(又は直列に)結合された共振コンデンサから成る。電力伝送信号は、適当な周波数(典型的には20〜200kHzの周波数範囲)の駆動信号を生成するドライバ203から出力共振回路を駆動することにより生成される。
同様に、電力受信機105の入力回路は、受信機インダクタ107を含む共振回路又は共振タンク205を含む(図2では、受信機インダクタ107は明確にするために共振回路205の外側に示されているが、共振回路205の一部と考えられる)。共振回路205は、典型的には直列又は並列共振回路であり、特に受信機インダクタ107に並列(又は直列)に結合された共振コンデンサから成る。共振回路205は、受信された電力伝送信号、即ち受信機共振回路205により供給された誘導信号を、(典型的には当業者によく知られているようにAC/DC変換を行うことにより)外部負荷209に供給される電力に変換する電力コンバータ207に結合される。典型的には、2つの共振回路201、205は、電力受信機105において十分な信号振幅を得るために互いに近接した共振周波数を有する。
電力伝送を制御するために、システムは、異なる段階、特に選択段階、ピング段階、識別及び構成段階、並びに電力伝送段階を通って進む。より詳細な情報は、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の5章で見ることができる。
例えば、第1の電力受信機105との通信を設定するとき、最初に、電力送信機101は選択段階にあり、この段階で、電力送信機101は、単に電力受信機の存在の可能性に関して監視する。電力送信機101は、例えばQiワイヤレス電力仕様で述べられるように、この目的で様々な方法を使用する。そのような存在の可能性が検出される場合、電力送信機101は、ピング段階に入り、この段階で電力信号が一時的に生成される。電力受信機105は、受信された信号をその電子回路に電源投入するために適用することができる。電力信号を受信した後、電力受信機105は、電力送信機101に初期パケットを通信する。特に、電力送信機101と電力受信機105との間の結合度を示す信号強度パケットが送信される。より詳細な情報は、Qiワイヤレス電力仕様のパート1の6.3.1章で見ることができる。したがって、ピング段階では、電力受信機105が電力送信機101のインターフェースに存在するかどうかが決定される。
信号強度メッセージを受信すると、電力送信機101は、識別及び構成段階に移る。この段階では、電力受信機105は、その出力負荷を切断したままで、負荷変調を使用して電力送信機101に通信する。電力送信機は、この目的で、(負荷変調によって引き起こされる変化は除いて)一定の振幅、周波数及び位相の電力信号を提供する。メッセージは、電力受信機105による要求に従って電力送信機101自体を構成するために、電力送信機101によって使用される。
識別及び構成段階の後、システムは、電力伝送段階に移り、この段階で実際の電力伝送が行われる。特に、電力受信機105は、その電力要件を通信した後、出力負荷を接続し、受信された電力を出力負荷に供給する。電力受信機105は、出力負荷を監視し、特定の動作点の実際の値と所望の値との間の制御誤差を測定する。電力受信機105は、例えば250ミリ秒毎の最小レートで電力送信機101にそのような制御誤差を通信して、これらの誤差、及び電力信号の変更を求める要望、又は変更しないことを求める要望を電力送信機101に示す。
したがって、ワイヤレス電力伝送システムにおいて電力送信機101と電力受信機105との間での電力伝送を準備して制御するために、電力受信機105は、電力送信機101に情報を通信する。そのような通信は、Qi仕様バージョン1.0及び1.1で規格化されている。
物理的レベルで、電力受信機105から電力送信機101への通信チャネルは、ワイヤレス誘導電力信号をワイヤレス誘導キャリアとして使用することによって実施される。電力受信機105は、受信機コイル107の負荷を変調することによりデータメッセージを送信する。これは、電力送信機側で電力信号の対応する変化を引き起こす。負荷変調は、送信機コイル電流の振幅及び/又は位相の変化によって、或いは、代替的に又は付加的に、送信機コイル103の電圧の変化によって検出される。この原理に基づいて、電力受信機105は、データを変調することができ、後にそのデータを電力送信機101が復調することができる。このデータは、バイト及びパケットでフォーマットされる。より詳細な情報は、http://www.wirelesspowerconsortium.com/downloads/wireless−power−specification−part−1.htmlを介して入手可能な「System description, Wireless power Transfer, Volume I: Low Power, Part 1: Interface Definition, Version 1.0 July 2010, published by the Wireless power Consortium」(Qiワイヤレス電力仕様とも呼ばれる)の特に6章:通信インターフェース(又はこの仕様のその後のバージョン)で見ることができる。
したがって、この例では、電力伝送信号はまた負荷変調のための誘導キャリア信号である。しかし、他の実施形態では、電力伝送と負荷変調は分離され、例えば別々のインダクタにより生成される異なる誘導/電磁信号に基づくことが理解されるであろう。
したがって、電力伝送信号が負荷変調にも使用される以下の例では、電力伝送信号はまた負荷変調のための誘導キャリア信号である。しかし、簡略及び明確にするために、信号は電力伝送信号と呼ばれる。
このように図1の構成では、電力受信機105はワイヤレス誘導電力伝送信号を負荷変調する。例えば、電力受信機105は、受信機コイル107に並列に結合されたコンデンサを接続及び切断し、これにより共振、つまり電力受信機105の負荷特性を変化させることにより負荷変調を行う。これらの変化は送信機インダクタ103のインダクタ電流及び電圧の変化をもたらし、電力送信機101により検出され、電力受信機105からの負荷変調データを復調するために使用される。
特に、負荷変調は、電力伝送を適応させるため、特に負荷変調により電力受信機105から受信された電力制御メッセージに基づいて送信される電力レベルを連続的に適応させる電力制御ループを実現するために用いられる。
このように、電力送信機101は、送信機及び受信機コイル103、107間の結合度等の外部パラメータに依存して電力受信機105に送信する電力を適応させるように構成される。多くの実施形態では、この適応は、電力伝送信号の動作周波数を変更することにより行われる。例えば、動作周波数を共振回路201、205の共振周波数からより遠ざけることにより、電力受信機105により受信される電力は減少し、動作周波数を共振回路201、205の共振周波数により近づけることにより、電力受信機105により受信される電力は増加する。
効率的な性能を実現するために、電力受信機105から電力送信機101への高性能負荷変調通信を提供することが重要である。しかし、従来の電力伝送システムでは、通信は幾つかのシナリオ及び状況において次善的なものになりがちで、その結果、通信エラーが増大し、電力伝送性能が次善的であった。これは電力送信機及び電力受信機間の結合が弱い場合に特に関連してくる。
図3は、図1の電力送信機101の幾つかの例示的な要素を示す。電力送信機101は、通信性能を向上させる機能、特に、通信及び復調動作を電流特性に適応させる機能を含む。
図3は、送信機コイル103及び共振コンデンサ305を備える送信機共振回路303に結合されたドライバ301を示す。ドライバ301は、共振コンデンサ305及び送信機コイル103に印加される、変化する、典型的にはAC電圧駆動信号を生成する。他の実施形態では、送信機共振回路303は直列共振回路であり、電圧駆動信号はコンデンサ及びインダクタ間に印加される(これにより送信機コイル103にも駆動信号を供給する)。幾つかの実施形態では、ドライバは送信機コイル103に直接的に(又は間接的に)結合され、電圧駆動信号は送信機コイル103に供給される(これは、送信機コイル103が共振回路の一部である実施形態と、そうでない実施形態(例えば単一の送信機コイル103が、他のいかなるコンポーネントも出力回路の一部となることなくドライバ301に直接的に結合される等)の両方に当てはまる)。
したがって、このシステムでは、ドライバ301は送信機共振回路303/送信機コイル103に供給される電圧駆動信号を生成し、その結果、送信機コイル103は電力受信機105に電力を供給する電力伝送信号を生成する。
ドライバ301は送信機コイル103に供給される電流及び電圧を生成する。ドライバ301は、典型的にはDC電圧から交流信号を生成するインバータの形をとる駆動回路である。図4はハーフブリッジインバータを示す。スイッチS1及びS2は決して同時に閉じられないように制御される。交互にS1が閉じられる間にS2が開かれ、S2が閉じられる間にS1が開かれる。スイッチは所望の頻度で開閉され、それによって出力に交流信号が生成される。典型的にはインバータの出力は共振コンデンサを介して送信機コイルへ接続される。図5はフルブリッジインバータを示す。スイッチS1及びS2は決して同時に閉じられないように制御される。スイッチS3及びS4は決して同時に閉じられないように制御される。交互にスイッチS1及びS4が閉じられる間にS2及びS3が開かれ、そしてS2及びS3が閉じられる間にS1及びS4が開かれ、それによって出力にブロック波信号が生成される。スイッチは所望の頻度で開閉される。
ドライバ301は、電力伝送機能を操作する制御機能を備え、特にQi仕様に従って適切に電力送信機101を操作するように構成されたコントローラを備える送信機コントローラ307に結合される。例えば、送信機コントローラ307は、電力送信機101を制御して識別及び構成段階並びに電力伝送段階を含む様々なQi段階を行わせるように構成される。
この例では、電力送信機101は、ドライバ301により駆動される単一の送信機コイル103を備える。したがって、ワイヤレス誘導電力信号は単一の送信機コイル103により生成される。しかし、他の実施形態では、ワイヤレス誘導電力信号は、例えばドライバにより並列に駆動される複数の送信機コイルにより生成されることが理解されるであろう。特に、ドライバ301の対応する(従属)出力信号により駆動される複数の送信機コイルは、ワイヤレス誘導電力信号を生成するために使用される。例えば、2つの送信機コイルが2つの電力受信機に2つの充電ポイントを提供するように異なる位置に設けられる。2つのコイルにはドライバ301から同じ出力信号が供給される。これによって、複数の充電ポイントをサポートするためにワイヤレス誘導電力信号/磁界の分布を改善することができる。
電力送信機101はさらに、電力受信機105からデータメッセージを受信するように構成された復調器309を備える。特に、復調器309は、ワイヤレス誘導電力信号の負荷変調を復調して、電力受信機105から送信された対応するデータを判定するように構成される。
復調器309は、送信機コイル103を流れる電流及び/又は送信機コイル103にかかる電圧の変化を検出することにより負荷変調を復調するように構成される。
したがって、復調器309は、送信機コイル103を流れるインダクタ電流及び送信機コイル103にかかるインダクタ電圧のうちの少なくとも1つを測定するように構成された測定ユニット311に結合される。
幾つかの実施形態では、インダクタ電流及び/又は電圧は、例えばドライバ301のインバータへの供給電流の変化を測定すること等により間接的に測定される。しかし、特定の例では、インダクタ電流/電圧は、インダクタ電流又は電圧を直接検知することにより測定される。
以下の説明はインダクタ電流に基づいた検出及び復調に焦点を当てているが、代替的又は追加的に、検出及び復調は送信機コイル103の電圧に基づくことが理解されるであろう。
測定ユニット311は、送信機インダクタ103のインダクタ電流及びインダクタ電圧のうちの少なくとも1つの測定(第1の測定とも呼ばれる)を行うように構成される。これらの測定は、インダクタ電流及び/又は電圧のサンプリングとして行われるか、又は幾つかの実施形態では、より長い時間間隔にわたって行われる。以下の説明はまず、測定がインダクタ電流及び/又は電圧のサンプリングに対応する例に焦点を当てる。
これらの測定は、電圧駆動信号に同期される。ワイヤレス電力伝送信号はドライバからの駆動信号に(本質的に)同期される。同様に、ワイヤレス電力伝送信号及び電圧駆動信号は、ドライバ301に供給されるスイッチング駆動信号に(本質的に)同期される。したがって、これらの測定は、電力伝送信号、駆動信号及びスイッチ駆動信号に同期される。
測定ユニット311は、電圧駆動信号に同期された基準信号に対する時間オフセットを用いてインダクタ電流/電圧の測定を行うように構成され、したがって、スイッチ駆動信号及び電力伝送信号にも同期される。基準信号は駆動信号と同じ周波数、及びこれに対する固定時間又は位相オフセットを有する。実際に時間又は位相オフセットは0であり、また実際に基準信号は駆動信号又はスイッチ駆動信号自体であるか、又は例えばこれらの1つから生成される。したがって、独立した基準信号を生成する必要がない。
これらの測定は、相対時間オフセット又は同等にこれに対する位相オフセットを有することにより基準信号に同期される(時間オフセット及び位相オフセットという語は当該技術分野における標準的な使用に従い同義と考えられるが、単一の周波数を考慮する場合は直接的な対応のみが適用可能であることに留意されたい)。
タイミングオフセットは、基準信号の周期中のあるポイントから測定間隔中のあるポイントまで、例えば、同じ周期中の最小、最大、正ゼロ交差、又は負ゼロ交差から測定時間間隔の始まり、中間又は終わりまで測定される。時間オフセットを測定する特定のアプローチは実施形態によって異なること、及び任意の適当なアプローチが本発明から逸脱することなく用いられることが理解されるであろう。
測定ユニット311は、基準信号のサイクルで(ひいては駆動信号又はスイッチ駆動信号のサイクルで)第1の測定を行うように構成される。既に述べたように、各測定は単一のサンプリング、又はより長い時間間隔にわたる測定である。但し、各測定の測定時間間隔は、基準信号(駆動信号又はスイッチ駆動信号)の時間周期、即ちサイクル時間/期間を超えない。
多くの実施形態では、測定ユニット311は、基準信号の各サイクルで1つの測定結果を生成するように構成される。しかし、幾つかの実施形態では、測定は、一部のサイクルでのみ、例えば2回又は3回に1回のサイクルでのみ行われることが理解されるであろう。
測定ユニット311は、インダクタ電流/電圧に依存する、又はインダクタ電流/電圧を反映する測定結果を生成する。この値は電力受信機105による電力伝送信号の負荷に依存するため、負荷変調により誘導された負荷変化は測定結果に反映される。したがって、測定結果は復調器309に供給され、復調器309はこれらの測定結果に基づいて負荷変調データを復調することに進む。特に、復調器は測定結果をデータシンボル期間で平均化し、平均値に基づいてどの負荷状態が存在するか、つまりどのデータが受信されているかを決定する。
このシステムでは、測定は、単なるインダクタ電流/電圧の一般的な振幅のランダムな測定ではない。むしろ、測定は、基準信号及び電力伝送信号の一部の時間周期/サイクル時間のみを考慮する同期された測定である。したがって、測定は、単純な振幅又はピーク検出ではなく、一部の時間周期の条件のみを考慮する。さらに、考慮される特定の時間間隔は、基準信号に対する相対時間オフセットにより制御される。
図3の電力送信機101はさらに、基準信号及び測定間の相対時間オフセットを決定及び設定するように構成されたアダプタ313を備える。したがって、(典型的には)電力伝送信号のサイクルのどの部分が復調に使用されているかを動的に適応させ、特にどの時間間隔において、電力受信機105からの負荷変調を復調する目的でインダクタ電流/電圧が考慮されているかを適応させるように構成される。
このように動的に適応/選択された時間周期の一部においてのみインダクタ電流/電圧を考慮することによって、誤り率の低い改善された復調が可能になる。実際に、アダプタ313は、これらが最大復調深さをもたらすように測定の相対時間オフセットを決定するように構成される。
アダプタ313は、第1の時間オフセットとも呼ばれる相対時間オフセットを変更し、これを最大復調深さに対応する最適測定タイミングオフセットに対応するように設定するように構成される。
復調深さは、電力伝送信号の異なる変調負荷の測定間の測定差を反映する。したがって、所定の相対時間オフセットについて、測定ユニット311は、電力受信機が1つの負荷状態を適用しているときに第1の値を測定し、電力受信機が第2の負荷状態を適用するときに第2の値を測定する傾向がある(異なる負荷状態は、例えばそれぞれ負荷コンデンサの接続又は切断に対応する)。第1及び第2の値は相違する傾向にあり、この相違こそが復調器309による負荷変調の区別を可能にする。(例えばフィルタリング又は平均化等の後処理を含む)測定から生じ、復調器309による復調に使用される値の差は、復調深さ、即ち復調差を表す。差が大きいほど復調深さは大きくなる。
しかし、測定間の差、つまり復調深さは、インダクタ電流/電圧が考慮されるサイクルの一部に依存する。図3のシステムでは、アダプタ313は、第1の時間オフセットとも呼ばれる、基準信号及び測定間の相対時間オフセットを変更するように構成される、つまり、サイクル中にインダクタ電流/電圧が測定される時間を変更することができる。さらに、アダプタ313は、復調深さが最大となる時間を検出する、特に、2つの負荷状態間の差が最大となる時間を決定することができる。対応する時間オフセットは、最大復調深さをもたらすので、最適測定タイミングオフセットと考えられる。アダプタ313は、この最適測定タイミングオフセットを決定し、測定ユニット311及び/又は復調器309にフィードバックし、次に測定ユニット311及び/又は復調器309は、この相対時間オフセットを用いて第1の測定結果を生成し、最大復調深さ、つまり異なる負荷状態の測定結果間の最大差異をもたらす同期された時間測定に基づいて負荷変調を復調することに進む。
このようにアダプタ313は、最大復調深さに対応する最適測定タイミングオフセットに対応設定されるように第1の時間オフセットを変更するように構成される。アダプタ313は、第1の時間オフセットを変更し、第1の時間オフセットの異なる値について復調深さを連続的に決定/測定することができる。次いでアダプタ313は、復調深さが最大となる時間オフセットを検出することができる。そして復調に用いられる時間オフセットはこの時間オフセットに設定される。アダプタ313は、第1の時間オフセットを動的に変更し、最大復調深さが検出される最適測定タイミングオフセットを決定するように構成される。したがって、アダプタ313は、現在経験されている特定の状況に適応するように、負荷復調に使用される測定のタイミングを動的に、多くの実施形態では連続的に適応させる。例えば、アダプタ313は、電力伝送の間、測定タイミングオフセット(第1の時間オフセット)を動的に適応させる。したがって、特定の負荷、周波数、又は電力受信機及び電力送信機間の結合度に適応させる。
一例では、測定ユニット311は、タイミングオフセットを0から基準信号の全時間周期に等しくなるまでゆっくりと掃引する。この掃引の間に、電力受信機105は、例えば負荷変調コンデンサが接続された1つの負荷変調負荷状態に設定される。測定ユニット311は、異なるタイミングオフセットについて測定を行う。それからプロセスは繰り返されるが、今度は電力受信機105が例えば負荷変調コンデンサが切断された別の負荷変調負荷状態に設定される。測定ユニット311は、異なるタイミングオフセットについて再び測定を行う。各タイミングオフセットについて、第1の掃引及び第2の掃引の測定値を引くことにより復調深さが決定される。そして最適タイミングオフセットは、最大復調深さが検出された値に設定される。それから、この値はその後負荷変調の復調についての測定結果を生成するために使用される。
別の例では、測定ユニット311は、電力受信機105が負荷を変調している間に、タイミングオフセットを0から基準信号の全時間周期に等しくなるまでゆっくりと掃引する。この掃引の間に、アダプタ313は、どのタイミングオフセットで復調深さが最適であるかを決定する。
別の例では、測定ユニット311は、電力受信機105が負荷を変調している間に、初期タイミングオフセットを選択し、オフセット基準信号を一方向に動かす。オフセットを動かしている間に、アダプタ313は、復調深さが増加しているか減少しているかを決定する。測定ユニット311は、復調深さが増加する限り同じ方向に動かし続ける。復調深さが減少するときは、測定ユニット311は、オフセットが動いている方向を変更する。これによって、(周波数、負荷及び結合度等の)変化する状況に応じてオフセットを最大復調深さに連続的に適応させることが可能になる。
したがって、特に、アダプタ313は、測定された復調深さに応答して第1の時間オフセットを変更することにより、最適測定タイミングオフセットを動的に適応させるように構成された制御ループを実施する。特に、アダプタ313は、異なる変調負荷に対応する測定結果を動的に、多くの実施形態ではほぼ連続的に比較することにより、復調深さ尺度を計算する。例えば、アダプタ313は、2つの異なる変調負荷についての第1の測定間の差を計算し、この差を復調深さ尺度として使用する(もちろん、異なる実施形態では、例えばフィルタリング又は重み付けされた値等のより複雑な差異尺度が使用される)。多くの実施形態では、この差は適当な特性を有する低域フィルタによりフィルタリングされる。
次いでアダプタ313は、(フィルタリングされた)復調深さ尺度の変化を検出する。復調深さ尺度が減少し始める場合は、アダプタ313は、第1の時間オフセットを増大(又は減少)させ、このことが復調深さの増大をもたらすかどうかを検出する。復調深さの増大をもたらす場合は、最大復調深さが検出されるまで、即ち復調深さ尺度が再び減少し始めるまで第1の時間オフセットを増大(又は減少)させることに進む。そうではなく第1の時間オフセットの初期の増大(又は減少)の結果、復調深さ尺度がさらに減少する場合は、アダプタ313は、第1の時間オフセットを別の方向に変化させること、即ちこれによって最大復調深さ尺度がもたらされるまで第1の時間オフセットを減少(又は増大)させることに進む。
幾つかの実施形態では、アダプタ313は、第1の時間オフセットを連続的にジッタするように構成される。このように、第1の時間オフセットは連続的にわずかに変更され、この結果として復調深さが増大されたかどうかが検出される。復調深さが増大された場合は、新しい第1の時間オフセット値が現在の最適測定タイミングオフセットとして設定される。そうでない場合は、最適測定タイミングオフセットは前値に保たれる。第1の時間オフセットのジッタ方向は異なる(即ち第1の時間オフセットをわずかに増大させることもあればわずかに減少させることもある)。
したがって、アダプタ313は、請求項1の制御ループ電力送信機を実施し、アダプタ313は、第1の変調負荷についての第1の測定結果と第2の変調負荷についての第1の測定結果との比較に応答して復調深さを決定するように構成される。このように、制御ループは、異なる変調負荷についての第1の測定から決定される測定された復調深さに基づく。
アダプタ313は、電力伝送動作中、特に電力伝送段階中にこれらの測定を行い、制御ループを動作させる。したがって、アダプタ313は、現在の状況及び特性への連続的な適応をもたらし、システムが使用シナリオの変化に適応する改善された通信性能を提供できるようにする。特に、発明者らは、通信性能及びタイミング特性は動作中に変化する動的特性に依存することを認識した。特に、発明者らは、最適測定時間及び期間は静的ではなく、電力伝送信号の周波数及び負荷、又は電力受信機及び電力送信機間の結合度等の動的に変化する特性に依存することを認識した。
改善された通信は、動作中、特に電力伝送段階中に復調を行うために使用される測定についてのタイミングオフセットを動的に適応させることにより達成される。タイミングを適応させる自動制御ループを実施することで、測定のタイミングを柔軟かつ動的に適応させるシステムを提供することができる。適応は動作中、特に電力伝送中及び復調中に行うことができる。このように、アダプタ313は復調が行われるのと同時にタイミングオフセットを適応させることができる。特に、復調に使用されたのと同じ測定がまたタイミングオフセットを適応させるためにアダプタ313により使用される。多くの実施形態では、負荷変調を復調するために使用される測定(第1の測定)は、制御ループを駆動するために使用される復調深さ尺度を生成するためにも使用される。
測定された復調深さに基づいて第1の時間オフセットを最適測定タイミングオフセットへと駆動する制御ループを実現する他のアプローチが用いられることが理解されるであろう。特に、アダプタ313は、測定された復調深さに応答して第1の時間オフセットを駆動して最大復調深さを生じさせる任意のアルゴリズムを実施する。このように、測定された復調深さが第1の時間オフセットに依存する結果、復調に使用される測定についてタイミングオフセットを動的に駆動できる制御ループがもたらされる。制御ループはさらに、タイミングオフセット、即ち復調に使用される測定のタイミングを現状に対して自動的に最適化することができる。実際、多くの実施形態では、このことは制御ループが最適タイミングインスタントに影響を及ぼす固有の特性を考慮することなく達成され得る。例えば、ループは電力伝送負荷又は電力受信機及び電力送信機間の結合度を検出又は推定する必要はないにもかかわらず、制御ループの動作はそのようなパラメータの変化を反映するようにタイミングオフセットを適応させる。
このように、例えば固定の所定の(例えば設計又は製造中に決定された)タイミングが測定に用いられる(又は、例えば単純な所定のピーク検出が用いられる)アプローチ等とは対照的に、本システムは、大幅に改善された通信性能を提供することができる。実際、後で示されるように、所定の値を使用することによって、幾つかのシナリオでは許容される性能が提供されるが、別のシナリオでは最適ではない通信性能がもたらされる傾向がある。例えば、電力送信機は、特性が異なる、例えば負荷やインダクタの位置が異なる様々な電力受信機と共に使用される。説明されるシステムは、現在使用されている特定の電力受信機に対して最適化された性能を提供するために、異なる電力受信機に自動的に適応する。1つの所定のタイミングオフセット(又は、例えば2つの所定のタイミングオフセット)を使用することによって、このような最適化が提供できなくなり、多くのシナリオにおいて復調が本質的に減少された復調深さに基づいて行われる。同様に、単純なピーク検出を使用する結果として復調深さが減少し、実際、幾つかのシナリオでは復調深さがほぼ無くなり、復調誤り率が(例えば図8の例のように)非常に高くなってしまう。
多くの実施形態では、全ての第1の測定は最適測定タイミングオフセットの現在値で行われ、最適測定タイミングオフセットの値は最大復調深さをもたらすタイミングオフセットの変化を反映するように動的に変更される。また、多くのそのような実施形態では、最適測定タイミングオフセットを決定するためにアダプタにより使用される全ての第1の測定は復調にも用いられる。
しかし、他の実施形態では、第1の測定の一部のみが最適測定タイミングオフセットの現在値で行われる。例えば、一部の第1の測定は、最適測定タイミングオフセットの現在値に対応する時間オフセットで行われる。これらの測定は、特に復調のために用いられる。しかしまた、一部の第1の測定は、最適測定タイミングオフセットの現在値に対応しない1つの第1の時間オフセット(又は複数の時間オフセット)で行われる。つまり、これらの測定は、以下でテスト時間オフセットと呼ばれる異なる時間オフセットで行われる。アダプタは、以下でテスト復調深さと呼ばれる、テスト時間オフセットに対する復調深さを決定する。
次いでアダプタは、最適測定タイミングオフセットについてのテスト復調深さ及び復調深さ間の差を反映する差分尺度を生成する。実際、最適測定タイミングオフセットが最大復調深さに対応する場合は、テスト復調深さはより小さくなる。しかし、最適測定タイミングオフセットについてテスト復調深さが復調深さよりも大きいことが検出された場合は、現在はテスト復調深さが最大復調深さを反映することが決定され、したがって、アダプタは、最適測定タイミングオフセットの値をテストタイミングオフセットに一致するように変更する。
このように、現在認識されている最大復調深さよりも大きい復調深さが測定されたことが検出されたとき、システムは、この復調深さについてのテスト時間オフセットを新しい最適測定タイミングオフセットにするように適応する。このように、最適測定タイミングオフセットの新たな設定は、現在の最適測定タイミングオフセットについての復調深さを入力として有する制御ループに基づいて決定される。
幾つかの実施形態では、最適測定タイミングオフセットの変更は種々の基準及び要件に従うことが理解されるであろう。例えば、復調深さの差は所定の値よりも高く、所定の期間高いこと等が求められる。また、復調深さ間の差は評価の一環としてフィルタリングされることも理解されるであろう。
幾つかの実施形態では、システムは、最適測定タイミングオフセット及びテストタイミングオフセット間の固定タイミングオフセットを使用する。他の実施形態では、動的に変化するオフセットが存在する。例えば、幾つかの実施形態では、アダプタは、例えば一定の範囲をスキャンするためにテストタイミングオフセットを変更するように構成される。復調深さの最高の決定値が検出され、それから現在の最適測定タイミングオフセットについての復調深さと比較される。
多くの実施形態では、2つ以上のテストタイミングオフセットが使用されることも理解されるであろう。例えば、アダプタは、最適測定タイミングオフセットより少し前及び最適測定タイミングオフセットより少し後のタイミングオフセットでの測定に基づいて復調深さを連続的に計算する。これによって、最適測定タイミングオフセットの対称的な適応がもたらされ、特にこの適応は最大復調深さに連続的に収束するように行われる。幾つかの実施形態では、測定された復調深さの差は、最適測定タイミングオフセットを設定する制御ループの誤差信号として使用される。例えば、差分尺度が現在の最適測定タイミングオフセットについての復調深さが復調深さよりも大きいことに対応して正である場合は、誤差信号は0に設定される。しかし、差が負である場合は、ループの誤差信号が差分値に設定される結果として、最適測定タイミングオフセットはテストタイミングオフセットの方へバイアスされる。
幾つかの実施形態では、最適測定タイミングオフセットの少し前の第1のテストタイミングオフセットについての第1の差分尺度と最適測定タイミングオフセットの少し後の第2のテストタイミングオフセットについての第2の差分尺度とを組み合わせることにより誤差信号が生成される。まず、差分尺度は、最適測定タイミングオフセットにおける復調深さの方が大きいことを示す値の0に設定される。次に、結果として生じる差分尺度は互いに差し引かれ、その結果は最適測定タイミングオフセットを決定する制御ループの誤差信号として使用される。
このアプローチによって、大幅に改善された通信信頼度及び低減された誤り率がもたらされる。
多くの実施形態では、電力伝送信号周波数は、所望の電力伝送特性を提供するように設定される。したがって、一般的には復調性能に対して最適化されない。
特定の例として、Qi低電力仕様では、電力送信機コイルを流れる電流及び/又はこのコイルにかかる電圧は復調される(例えば、Qi system description, wireless power transfer, volume I: low power, part 1: interface definition, Version 1.1.2, June 2013参照)。電力送信機は、HI状態及びLO状態と呼ばれる(以前に参照されたSection 6 of the Qi system description参照)バイナリ負荷状態間の一定の電流又は電圧差を検出することにより測定信号を復調する。標準的なQiアプローチでは、電力送信機コイルを流れる電流は、ピーク振幅として、又はインバータを駆動させる制御/スイッチ信号に対するサイクルの4分の1の(即ち90°位相の)固定の所定タイミングオフセットにより測定される。このように、HI状態及びLO状態間の差は、2つの状態間の(ピーク)振幅差、又は特定の、固定かつ所定のオフセットで測定された振幅差に一致する。電圧も測定されるが、これも固定かつ所定の時間オフセットで測定される。特に、電圧信号の振幅は(0°位相オフセットに対応する)0時間オフセットで測定される。
しかし、発明者らは、これらの測定は一般に、達成可能な最適/最大復調深さをもたらさないことを認識した。
図6は、電力伝送信号の周波数の関数であるパラメータを示す幾つかの曲線を示す。曲線601及び603はそれぞれ、負荷変調コンデンサがそれぞれ切断及び接続された状況についての負荷にかかる電圧の振幅を示す。曲線605及び607は、コンデンサがそれぞれ接続及び切断された場合の送信機のインダクタ電流を示し、曲線609及び611は、同じシナリオの場合のインダクタ電流の位相を示す。
図に示されるように、インダクタ電流について最適振幅復調深さが得られる周波数は730kHzであるのに対し、最適位相復調深さが得られる周波数は718kHzである。他の周波数では、(振幅又は位相についての)最適復調深さは得られない。また、図に示されるように、これらいずれの周波数においても負荷にかかる最大信号振幅には達しない。むしろ、最大信号振幅は約722kHzの周波数で得られる。
このように、図示されるように電力伝送のための所望の又は最適な周波数は負荷変調/復調のための最適周波数とは異なる。したがって、所望の電力伝送特性を提供する周波数を設定する場合、通信性能が最適化されない。
図6の周波数範囲は典型的なQiアプリケーションとは異なる選択が行われているが、同じ原理はQiの周波数範囲にも適用される。図6は動作を明確化するための一例として提供される。
さらに、発明者らは、例えばインダクタ電流を測定する最適時間は、例えば周波数、負荷又は結合度に依存して大きく変化することも認識した。
図7は、電力送信機の送信機コイルを流れる電流を示す。示されるように、動作周波数が735kHzに設定される場合は、最大変調深さは電流の正及び負のピークで発生する。一方、動作周波数が760kHzに設定される場合は、最大変調深さは図8に示されるように電流のゼロ交差で発生する。動作周波数が745kHzに設定される場合は、最大変調深さは電流のピーク又はゼロ交差で発生しない。そのような例が図9に示される。この場合には、Qi仕様のアプローチは実質的に障害のある通信性能をもたらす。しかし、説明されるアプローチでは、電力送信機101は、最大復調深さをもたらす位相/タイミングオフセットが適用されるように、測定について、特にインダクタ電流のサンプリングについての位相/タイミングオフセットを調整することができる。図9に説明されるケースでは、タイミングオフセットを適応させることで、(即ち、約0.5μs及び1.2μsの相対タイミングオフセットで)測定サンプリングが最大差に一致するようになる。
図3の説明された電力送信機101では、アダプタ313は、(インダクタ電流/電圧がサンプリング又は測定される場合に)信号が復調される時間インスタントを変更することにより最適復調深さを追跡するように構成される。換言すれば、測定は、最適復調深さを提供するように設定された、インバータを駆動させる制御信号等の基準信号に関連するタイミングオフセットを有する。例えば、(インダクタ電流と同じタイミングを有する基準信号について)図7では、アダプタはタイミングオフセットを0.3μsに設定し、図8ではタイミングオフセットは0.05μsに設定され、図9では0.5μsに設定される。サンプリング時間を第1の測定に適応させることにより、復調性能が改善され、特に誤り率が低減される。
既に述べたように、多くの実施形態では、電力送信機101は、電力伝送特性に基づいて電力伝送信号の周波数を選択するように構成された電力伝送アダプタを備える。図3の例では、送信機コントローラ307は、そのような電力伝送アダプタの機能を実施し、その結果、電力伝送動作に基づいて電力伝送信号の周波数の適応及び設定を行う。
周波数は、異なる実施形態では、電力伝送の異なる特性に基づいて設定されることが理解されるであろう。多くの実施形態では、その特性は電力伝送効率特性、電力レベル特性及び/又は所要電力特性である。
例えば、共振回路303の共振周波数は成分変動、経年劣化、温度等により変化する。同様に、電力受信機105の共振回路の共振周波数は、異なる電力受信機間で、及び時間、温度等と共に変化する。電力伝送の効率性は、典型的には共振周波数と電力伝送信号の周波数の関係に依存する。幾つかの実施形態では、送信機コントローラ307は、電力伝送の効率性を最大化するために電力伝送信号周波数を適応させるように構成される。この適応は、例えば電力伝送の初期設定中に一度行われるか、又は電力伝送中に動的かつ反復的に行われる。
別の例として、多くの実施形態では、電力伝送信号の周波数は、電力受信機105が適切な電力を受信するように所望の電力レベルを電力伝送信号に与えるために、電力伝送動作中に動的に変更される。このアプローチは、伝送される電力は電力伝送信号の周波数と電力送信機101及び電力受信機105の共振回路の共振周波数の関係に依存するという事実に基づく。一般に、伝送される電力は、電力伝送信号の周波数と共振周波数の差が増大するにつれて減少する傾向がある。
多くの実施形態では、電力受信機105は電力要求を示し、電力送信機101は電力伝送信号の電力レベルを調整することによりこの要求に応える。電力要求は、幾つかの実施形態では、所望の電力レベル等の絶対値として提供されるが、ほとんどの実施形態では、例えば現在の電力レベルが増大されるべきか減少されるべきかを示す相対値として提供される。
特に、説明されるシステムでは、電力受信機105は、Qi仕様に従って電力伝送段階中に電力制御メッセージを送信する(即ち、これらのメッセージは負荷変調により250ミリ秒毎に少なくとも1回送信される)。これに応答して、送信機コントローラ307は電力伝送信号の周波数を増減させる。例えば、現在の周波数が共振回路の共振周波数よりも高く、電力受信機105が電力増加を要求する場合は、送信機コントローラ307は周波数を低減させることに進む。
電力伝送動作に応答して電力伝送信号の周波数を変化させることによって、電力伝送を非常に効率的かつ高性能に制御することができる。但し、所望の電力伝送特性を与えるように周波数を設定する必要があるため、通信、特に負荷変調及び復調目的で電力伝送信号の周波数を選好することと矛盾する傾向がある。このように、周波数を電力伝送のために最適化することは、一般的に通信目的での劣化をもたらす。したがって、図1のシステムでは、周波数は電力伝送条件に基づいて設定されるが、測定タイミングオフセット(及び場合により測定期間)は通信条件、特に負荷変調/復調条件に基づいて設定される。特に、周波数はまず電力伝送用に設定され、次にシステムは与えられた周波数用に測定性能を最適化するように構成される。このようなアプローチによって、改善された通信に基づく改善された電力伝送動作を伴う非常に効率的な電力伝送システムが提供される。
先の説明では、インダクタ電流/電圧の測定は、主にサンプリングによる、つまり、典型的には測定信号がサンプリングウィンドウ内で一定とみなすことができるほど短いサンプリング期間を有するものと考えられている。例えば、典型的にはサンプリング時間は、サンプリングされる信号の最高周波数の時間周期の少なくとも10分の1である。典型的には、サンプリングの期間は10μs未満、多くの場合1μs未満である。
しかし、他の実施形態では、インダクタ電流/電圧の測定はより長い期間にわたる。例えば、基準信号の時間周期よりも短いが時間周期の1、2、5、10或いは20%よりも長い測定時間間隔にわたって測定が行われる。長い測定時間は、改善された信号対雑音比、結果として低減された誤り率及び改善された通信をもたらす低域フィルタリング又は平均化をもたらすために、多くのシナリオ又は実施形態において有利である。
測定時間間隔の使用はまた、アナログ実施に特に好適であり、実施を容易にする。
幾つかの実施形態では、アダプタ313は、最適タイミング/位相オフセットを決定するだけでなく、最大復調深さをもたらす測定時間間隔の期間として最適測定期間を決定するように構成される。
このように、アダプタ313は期間を変更し、異なる期間について復調深さを決定する。次に、最大復調深さが測定される期間を決定する(又は、例えば最大復調深さを有する期間の隣接対の間を補間する)ことに進む。それから、測定された期間は最適測定期間とみなされ、その後復調のための測定結果を生成するために使用される。
一例では、測定ユニット311は、初期期間を選択し、電力受信機105が負荷を変調している間にこの期間を増加させ始める。アダプタ313は、期間を増加させている間に、復調深さが増大しているか減少しているかを決定する。復調深さが増大する限り、測定ユニット311は期間を増加させ続ける。復調深さが減少する場合、測定ユニット311は期間の変更を反転させ、期間を減少させ始め、このプロセスを繰り返す。これによって、変化する状況(周波数、負荷及び結合度等)に応じて期間を最大復調深さに連続的に適応させることが可能になる。
アダプタは、タイミングオフセットについての最大復調深さ及び/又は測定期間を決定する際に全体の最大値を決定する必要はないが、例えば一方のパラメータを一定に保ち、他方のパラメータを変化させる最大値に対応するローカルの最大値を決定することが理解されるであろう。
一例では、アダプタ313はまず、測定期間を(インダクタ電流/電圧をサンプリングする可能性を含む)最低可能値に設定する。次に時間オフセットを変更して、この最小測定期間の(ローカルの)最大復調深さを見つけることに進む。最適タイミングオフセットは、最大復調深さをもたらす値に設定される。その後、アダプタはタイミングオフセットをこの値で一定に保ち、(典型的には中点を一定のタイミングオフセットに保ちながら)測定ウィンドウの期間を変更する。異なる期間の最大復調深さは、例えばタイミングについて先に説明したように、異なる負荷変調負荷状態のそれぞれについて期間にわたって掃引を行うことにより特定され、この復調深さを差に決定する。それから、最適期間は最大復調深さをもたらす対応する期間に設定される。このように、ローカルの最大復調深さが決定され、その後対応する測定のタイミング及び期間が負荷変調を復調するために使用される。
説明されるように、復調は送信機コイル103のインダクタ電流の測定に基づく。他の実施形態では、復調は送信機コイル103にかかる電圧の測定に基づき、実際、多くの実施形態では、復調は送信機コイル103のインダクタ電流の測定及びインダクタ電圧の測定の両方に基づく。例えば、インダクタ電圧及びインダクタ電流の両方の測定が行われ、復調器はどのデータシンボルが送信されるかについての独立の軟判定を生成する(即ち、判定は、最も受信される可能性が高いデータシンボルだけでなく、これが正しい値である可能性を反映する)。それから、所与のデータシンボルについての2つの個々の軟判定は結合され、受信されたデータビットの硬判定が結合された軟判定シンボルに基づいて生成される。
幾つかの実施形態では、インダクタ電流及び電圧の測定結果を生成するために同じタイミングオフセット及び期間が使用される。しかし、他の実施形態では、インダクタ電流及び電圧測定のそれぞれについて、タイミングオフセット及び/又は期間は個別に制御される。特に、幾つかの実施形態では、測定ユニット311は、基準信号に対する異なる時間オフセットでインダクタ電流及びインダクタ電圧の測定結果を生成し、復調器309は、例えば、やがて硬判定に結合される軟判定を独立に生成することにより、インダクタ電流の測定結果及びインダクタ電圧の測定結果の両方に基づいて負荷変調を復調する。
より具体的には、測定ユニット311は、例えば、第1の時間オフセットに対応する時間インスタントにおいてインダクタ電流をサンプリングすることにより、基準信号に対する第1の時間オフセットでインダクタ電流を測定するように構成される。同時に、測定ユニット311は、例えば、第2の時間オフセットに対応する時間インスタントにおいてインダクタ電圧をサンプリングすることにより、基準信号に対する第2の時間オフセットでインダクタ電圧を測定する機能を備える。
測定ユニット311は、アダプタ313から第1及び第2のタイミングオフセットを受信するように構成される。
アダプタ313は、第1のタイミングオフセットを、最大インダクタ電流復調深さをもたらす第1の最適タイミングオフセットに決定するように構成される。これは特に、先に説明されたように、インダクタ電流についての復調深さのみを監視しながら、第1のタイミングオフセットを変更することにより行われる。
また、アダプタ313は、第2のタイミングオフセットを変更して、最大インダクタ電圧復調深さをもたらす第2のタイミングオフセットを見つけることにより、第2の最適タイミングオフセットを決定するように構成される。そして、第2のタイミングオフセットは、この最適タイミングオフセットに設定される。
このように本例では、アダプタ313は、第1のタイミングオフセット及び第2のタイミングオフセットを独立に変更し、第1の復調深さ及び第2の復調深さをそれぞれ独立に決定する。第1の復調深さは、特に電力伝送信号の異なる変調負荷についての第1の測定間、即ち異なる変調負荷についてのインダクタ電流測定間の測定差異を反映する復調深さとして決定される。第2の復調深さは、特に電力伝送信号の異なる変調負荷についての第2の測定間、即ち異なる変調負荷についてのインダクタ電圧測定間の測定差異を反映する復調深さとして決定される。
このように、最適タイミングオフセットは、最大復調深さが電流及び電圧の両方について得られるように、インダクタ電流測定及びインダクタ電圧測定に対して独立に決定される。そして、これらの時間オフセットは、復調動作中、即ち復調が第1の最適タイミングオフセットで生成されたインダクタ電流測定結果及び第2の最適タイミングオフセットで生成されたインダクタ電圧測定結果に基づいて行われる間、電流及び電圧測定のそれぞれに個別に使用される。これによって、非常に効率的な通信が提供され、特に負荷変調のための個別の軟判定の決定が電流及び電圧測定のそれぞれに最適化される。このアプローチは特に、改善された通信性能、典型的には誤り率の低減、ひいては改善された電力伝送動作をもたらす。
したがって、この例では、インダクタ電流及び電圧測定、適応及び復調動作は、独立の軟判定を生成する電流及び電圧測定とは別個独立に行われる。このように、処理はほとんどの動作で別個独立であり、軟判定が生成された場合にのみ、軟判定を結合することにより一緒に考慮される。
しかし、幾つかの実施形態では、動作はより統合されることが理解されるであろう。例えば、復調深さはインダクタ電流測定及びインダクタ電圧測定の両方を反映する結合された尺度として決定される。そして、この復調深さを最大化する第1及び第2のタイミングオフセットの組み合わせが決定される。
例えば、第1及び第2のタイミングオフセットの様々な組み合わせが設定された総当たりアプローチが適用され、結果として生じる結合された復調深さが測定される。そして、第1及び第2のタイミングオフセットは、最大復調深さをもたらす組み合わせに対するタイミングオフセットとして選択される。別の例では、まず第2のタイミングオフセットは公称値に設定され、第1のタイミングオフセットは最大復調深さを見つけるために変更されて。そして、第1のタイミングオフセットは最大復調深さをもたらすオフセットに設定され、それから第2のタイミングオフセットは最大復調深さを見つけるために変更される。そして、結果として生じる結合された値が使用されるか、又は更なる反復が行われる。このようなアプローチは、復調深さのローカルな、しかし非グローバルな可能性のある最大値を見つけるが、これは一般的に許容できる。また、説明されるアプローチは、例えば、まず第1及び第2のタイミングオフセットの比較的少数の組み合わせを比較すること、次に最大復調深さをもたらす組み合わせの値から始まるその後の逐次最適化を行うことにより組み合わせられる。
幾つかの実施形態では、電力送信機101はまた、追加的又は代替的に、測定期間をインダクタ電流及び電圧測定に個別に適応させるように構成される。特に、上で説明されたアプローチは測定の期間にも適用される。例えば、測定間隔は公称値に設定され、上で説明されたアプローチは第1及び第2のタイミングオフセットを決定するために使用される。そして、アダプタ313は、所定の選択された最適タイミングオフセットについて最適測定間隔を決定するために対応する動作を行うことに進む。
幾つかの実施形態では、タイミングオフセット及び/又は測定期間の適応は、特に電力伝送の初期設定中(例えば、構成段階の一環として又は電力伝送段階の初期設定時)等の動作中の特定の時期に行われる。かかる例では、測定の最適時期は電力伝送の開始時に決定され、決定されたタイミングはそれ以降維持される。
他の実施形態では、最適タイミングオフセットは、例えば2、3又は5分に1回等、電力伝送段階中の一定の時間間隔で決定される。このように、かかる例では、最適タイミングオフセットを決定するための説明されるアプローチは一定の間隔で初期設定される。
他の実施形態では、電力送信機101は、イベントの検出に応答して、特に電力伝送の動作特性の変化の検出に応答してタイミングオフセット(及び/又は測定期間)の適応を初期設定するように構成される。
例えば、後でより詳しく説明されるように、発明者らは、負荷変調の復調のためのインダクタ電流/電圧の測定の最良のタイミングは、電力伝送信号の周波数、電力伝送信号の負荷、並びに電力送信機及び電力受信機間の結合度(特に、送信機インダクタ/コイル103及び受信機インダクタ/コイル107間の結合度)に依存することを認識した。
幾つかの実施形態では、送信機コントローラ307(或いは同等にアダプタ313でもよい)は、電力伝送信号の周波数の変化の決定に応答して、タイミングオフセット及び/又は測定期間の適応を初期設定するように構成される、即ち電力伝送信号の周波数の変化に応答して最適測定タイミングオフセットの決定を初期設定する。
例えば、送信機コントローラ307は、電力受信機105から受信される電力制御メッセージに応答して電力伝送信号の周波数を連続的に変更する。周波数が変更される度に、新しい周波数をタイミングオフセットの最新の適応が行われた周波数と比較する。新しい周波数が、記憶されている最新の適応の周波数と、例えば(所定の)閾値を超えて異なる場合は、送信機コントローラ307は、アダプタ313に新しい適応プロセスを開始して、新しい最適タイミングオフセットを決定するように指示することに進む。そして、現在の周波数を後の比較のための基準として記憶する。
発明者らは、インダクタ電流/電圧を測定する最適タイミングはまた電力伝送信号の負荷に依存することを認識した。幾つかの実施形態では、電力伝送信号の負荷は連続的に測定され、アダプタ313は負荷変化の検出に応答して適応を開始するように構成される。
例えば、送信機コントローラ307は、電力消費、即ちドライバ301により送信機コイル103/共振回路に供給される電力を連続的に測定する。最新の適応の電力消費(負荷)が記憶され、現在の電力消費がこれと連続的に比較される。差が例えば(所定の)閾値を超える場合は、アダプタ313は、新しい適応プロセスを開始して新しい最適タイミングオフセットを決定することに進む。そして、現在の電力消費を後の比較のための基準として記憶する。
発明者らは、インダクタ電流/電圧を測定する最適タイミングはまた電力送信機及び電力受信機間(特に送信機コイル103及び受信機コイル107間)の結合度に依存することを認識した。幾つかの実施形態では、電力送信機101及び電力受信機105間の結合度は、連続的に監視される。これは、例えば必要とされるインダクタ電流を所与の負荷の受信電力に関連付けることにより行われる。結合度が減少する場合は、インダクタ電流は同じ受信電力を得るためにより高くなければならない。
次いでアダプタ313は、結合度の変化の検出に応答してタイミングオフセット(及び/又は測定期間)の適応を開始するように構成される。
例えば、送信機コントローラ307は、結合度をインダクタ及び所与の負荷における報告された受信電力間の関係として連続的に測定する。最新の適応についての結合度は記憶され、現在の結合度と比較される。その差が、例えば(所定の)閾値を超える場合は、アダプタ313は、新しい適応プロセスを開始して新しい最適タイミングオフセットを決定することに進む。そして、現在の結合度を後の比較のための基準として記憶する。
送信機復調器309は、周波数、負荷又は結合度の変化を検出する代わりに変調深さを監視する。アダプタ313は、変化、特に変調に影響を及ぼす任意のパラメータ(周波数、負荷、結合度)の変化の結果であり得る変調深さの低下を検出する場合は、新しい適応プロセスを開始することに進む。
アダプタ313は、パラメータ変化(周波数、負荷、結合度)、即ち変調深さの変化によりトリガされる代わりに、例えばオフセット及び/又は期間を小さなステップで連続的に変更し、これによりそのようなステップにより復調深さが増加しているのか減少しているのか復調器309からのフィードバックを使用して、最大変調深さを連続的に求める。
インダクタ電流及び/又は電圧の測定に基づく任意の適当な復調アプローチが用いられることが理解されるであろう。実際、当業者は事後又は事前最尤技術を含む多くの復調技術が利用可能であることを理解するであろう。また、例えばデータシンボル等への同期のために任意の適当なアプローチが用いられることが理解されるであろう。
典型的には、測定は処理され(典型的には、例えばデータシンボル形状に整合する整合フィルタを用いてフィルタリング又は平均化され)、結果として生じる出力は、復調技術の当業者にはよく知られているように(例えばJohn Proakis「Digital Communications」McGraw Hill, 2008, ISBN 0071263780)最適サンプリングインスタントでサンプリングされる。結果として生じるサンプル値は、異なるシンボル値についての期待値及び(適当な距離測度に基づいて)選択された最も近い値と比較される。このように、受信信号(測定結果)が様々な考えられるデータシンボルについての期待信号(測定結果)と比較され、期待信号(測定結果)までの最低(典型的にはハミング)距離を有する考えられるデータシンボルが選択されるときに復調データが決定される復調アプローチが用いられる。距離決定/比較は、例えばフィルタリングや平均化等の測定結果の処理を含むことが理解されるであろう。このように、典型的には、最も近いコンステレーション点が選択される最尤アプローチが復調に用いられる。
バイナリデータシンボルのための低複雑度アプローチ(即ち「0」又は「1」が送信される)として、復調器309は測定結果の長期平均値を閾値に決定する。平均化は複数のデータ値に及び、典型的には「0」又は「1」からそれぞれ生じる値の平均測定値に対応する。復調器309は、1ビットを復調する場合は、対応するデータシンボル(ビット)時間周期にわたって測定結果を平均化する。結果として生じる値が長期閾値を超える場合は、データビットは「0」に復調され、長期閾値を下回る場合は、データビットは「1」に復調される(負荷変調は「0」が「1」よりも高い測定値をもたらすと仮定した場合)。
当業者には多くの考えられる復調技術が知られており、本発明から逸脱することなく任意の技術が用いられることが理解されるであろう。
以下では、図1のシステムのアプローチの態様、特徴、留意点等が、特に図10及び図11の設定を具体的に参照してより詳細に説明される。この例では、電力送信機101は、図3の送信機コントローラ307及びドライバ301を含む電力伝送ブロック1001、並びに図3の復調器309、測定ユニット311及びアダプタ313を含む復調ブロック1005で表される。
具体的な例として、図10のシナリオは、電力送信機及び台所用器具間の通信リンクを表す。ワイヤレスパワーコンソーシアムは、コードレスの台所用器具のための仕様を開発する作業グループを設置している。これらの仕様は、台所用器具及び誘導電源間のインターフェースを規定することを目的とする。所要電力は、100Wレンジ(即ち簡単なジューサー)から湯沸かし器等の加熱器用の1.5〜2.4kWに及ぶ。
低電力Qi仕様と同様に、コードレスの台所用器具は載置される電力送信機と通信可能でなければならない。しかし、通信リンクが確立されると、リンクの物理的特性(コイルの結合度、システムの共振周波数等)は変化し得る。考えられる変化の例には以下が含まれる。
調理中にユーザが器具を(故意又は偶然に)、例えば2、3センチ動かす。電力リンクがこのような変化をサポートする間、通信コイル間の結合度が変化し、復調深さが許容できないレベルまで減少されるかもしれない。
コンデンサやコイル等の電気部品は、製造上のばらつきと公差によってその電気特性(即ち、抵抗値、インダクタンス値及び容量値)が変化し得る。また、これらの特性は経年劣化や温度等の外部パラメータによって経時的に変化し得る。したがって、電力送信機の通信回路の共振周波数は時間と共に変化する。この変化によって復調深さに悪影響が及ぼされ、器具から送信されたデータの正確な復調が妨げられ得る。
図10のアプローチでは、送信機(通信)コイル103(Lcom_Tx)を流れる電流は、並列に結合された抵抗R1を有するインダクタLsに密結合された電流測定インダクタLpを介して測定される。したがって、電流測定インダクタLpを流れる電流は、送信機コイル103を流れる電流に比例し、電圧Vin_demに変換される電流をインダクタLsに誘導する。したがって、電圧Vin_demは送信機コイル103のインダクタ電流の測定結果である。そして、この測定結果は復調ブロック1005で処理され、復調出力データが生成される。
図10の例では、負荷変調は、電力受信機105により、受信機コイル107(Lcom_Rx)及び共振回路コンデンサccom_Rxにより形成される受信機共振回路に並列な変調コンデンサcmodを接続/切断することにより誘導される。変調コンデンサcmodは、電力受信機105の制御回路により制御されるスイッチModによりスイッチングされる。受信機共振回路はまた、電力を抽出し、これを負荷Rload及びCloadに供給することを含む、電力受信機105の動作を行う電力受信機ブロック1003に設けられる。
以下では、図11に示される例示的な復調ブロック1005がより詳細に考察される。入力電圧Vin_demは送信機コイル103を流れる電流を表す。この電圧は、2つの電圧Va及びVbを得るために第1の増幅ブロック1101で増幅及びフィルタリングされる。これらの2つの電圧Va及びVbは、それぞれスイッチS1及びS2に印加される。電圧VbはVaの逆数に等しい。2つのスイッチS1及びS2は、それぞれ基準信号Vref_a及びVref_bにより制御される。基準信号Vref_aと電力伝送信号に同期された基準信号(インバータのスイッチ信号等)の位相差は0〜360度の範囲で調整される。第2の基準信号Vref_bはVref_aと180度の位相差を有する。したがって、スイッチS1及びS2は交互に誘導する。スイッチS1及びS2が閉じている期間はまた、1つのサンプルに対応する非常に短い期間と電力伝送信号の半周期との間で調整可能である。スイッチS1及びS2はどんなときでも同時に誘導することはない。1つのスイッチが開いている期間は測定期間又は時間間隔に一致し、「測定ウィンドウ」とも呼ばれる。したがって、スイッチの出力、即ち出力電圧Vabはインダクタ電流の測定結果に一致する。
そして、スイッチング段の出力電圧Vabは、高周波キャリア信号を抑制するために第2の増幅ブロック1103で増幅及び低域フィルタリングされる。電圧Vmod_depthが得られる。そして、この信号は出力段コンパレータ1105に供給される。コンパレータの第2の入力(即ちVdc)は、長い平均化時間で低域フィルタにより決定されるVmod_depthの移動平均である。これらの2つの信号間の振幅差は、復調深さの表現(即ち所与のデータシンボルの現在値と全ての考えられるデータシンボル(典型的には「0」及び「1」に対応する考えられるバイナリ値)の長期平均値の差)とみなされる。
図10及び図11のシステムの性能は、電力送信機の上部に載置されるコードレスの台所用器具の具体的な例について考察される。送信及び受信(通信)コイルはどちらも2.3μHのインダクタンス値を有すると考えられる。このインダクタンス値は、典型的には、例えば径が15cmで2巻回の実用的なコイルに相当する。これらの2つのコイルは、0.04の低結合係数を有する誘導変圧器を形成する。0.02〜0.1の範囲の小さな結合値が実験的に測定されている。電力伝送信号(即ち負荷変調用のキャリア信号)の周波数は745kHzに設定される。
対応する信号の一例が図12に示される。スイッチS1及びS2の「測定ウィンドウ」は、電力伝送信号を生成するインバータのスイッチ信号に対応する基準信号V(ref_phase0)に対して示されている。
図12では、示されている信号は(下から上へ)、復調回路の入力電圧V(in_dem)、スイッチS1及びS2への入力電圧V(a)及びV(b)(Va及びVbとも呼ばれる)、2つのスイッチ、つまり測定を制御するスイッチ/測定基準信号V(ref_a)及びV(ref_b)、及びインバータを駆動する信号との位相差0度を表す基準信号V(ref_phase0)(即ち電力伝送信号に同期された基準信号)である。この例では、測定間隔の始まりから測定する場合、V(ref_a)及び基準信号V(ref_phase0)間の位相差/タイミングオフセットはこの例では0であり、V(ref_b)及び基準信号V(ref_phase0)間の位相差/タイミングオフセットはこの例では180°である(即ち、タイミングオフセットはそれぞれ0及び半分の時間周期に設定される)。測定期間は電力伝送信号の半周期に設定される。
先に述べたように、測定制御信号及び基準信号間のタイミングオフセット/位相差は様々な値に設定される。図13は、位相オフセットが図12の例に対して90°増加(時間周期の4分の1のタイミングオフセット)された例を示す。図13の例では、測定期間は図12と同様に電力伝送信号の半周期に設定される。図14は、測定期間が4分の1の時間周期に減少されている例を示す。
タイミング/位相オフセット及び/又は測定期間の変化は復調深さに影響を及ぼす。これは図15に示され、測定信号V(a)及びV(b)の位相は0msにおける0度から40msにおける360度に直線的に増加されている(したがって、適応中の掃引に対応する)。図示されるように、最大変調深さはタイミング/位相オフセットの関数として大幅に変化する。特に、最大復調深さは位相オフセットが0度又は90度の場合は発生しないが、この具体例では、位相がおよそ36〜54度の範囲(4ms及び6ms間のタイミングオフセットに相当)及び216〜234度の範囲(図15の24ms及び26ms間のタイミングオフセット)の場合に発生する。したがって、固定の所定のタイミングオフセットが使用される場合は、タイミングオフセットを現在の状況に適応させる説明されるアプローチと比較して非常に低い復調深さが生じる。
以下の段落では図15に示された結果のより詳細な説明が行われる。
図16には、変調データ及び復調回路の入力電圧の一例が示される。この例では、送信データは50kHzのクロック信号である、即ちデータは「0」と「1」を交互に取っている。図17はさらに、スイッチS1を制御する測定スイッチ信号V(ref_a)及びスイッチS2を制御する対応180度測定スイッチ信号V(ref_b)を示す。測定スイッチ信号V(ref_a)の位相オフセットは、この例では基準信号V(ref_phase0)に対して45°に設定される。I(S1)及びI(S2)は、それぞれS1及びS2を流れる電流である。
図示されるように、スイッチS2の入力電圧VbはスイッチS1の入力電圧Vaが反転されたものである。測定ウィンドウはキャリア信号の半周期に設定される。したがって、各スイッチは交互に誘導する。両スイッチの出力電圧Vabはさらに、出力段コンパレータ1105の入力電圧Vmod_depthを得るために処理(増幅及び低域フィルタリング)される。
図18はさらに、スイッチング段(即ちS1及びS2)の出力における信号V(ab)、出力段コンパレータ1105の入力信号V(mod_depth)及びV(vneg_amp)、復調器の出力信号V(vdem)(即ちコンパレータ1105の出力)、及び元の変調データV(data)を示す。
図19及び図20は、図17及び図18と同じ信号を示すが、例えば測定位相オフセットは144°に設定されている。図15に示されるように、これは変調深さが最小の場合(即ち約16ms)に相当する。図20に見られるように、変調深さが図18よりもはるかに小さいため、復調信号の品質は最適でない。
既に述べたように、復調深さ及び最適測定タイミングオフセット/期間は電力受信機及び電力送信機間の結合度に依存する。したがって、図10及び図11のシステムの具体例を考察することによりさらに示され得る。
この例では送信機コイル103及び受信機コイル107は0.04に等しい結合係数を有し、電力伝送信号周波数は745kHzに設定される。図21に示されるように、基準信号及び測定スイッチ信号間の位相オフセットが0度に等しく、測定ウィンドウがキャリア信号の半周期に設定される場合は、電力送信機はこの例では受信データを正しく復調するであろう。
調理中にユーザが器具をわずかに移動させる場合に、2つのコイル間の結合度は、例えば0.02に減少するかもしれない。この場合は、図22の状況になり、図に見られるように0度位相オフセットによってデータが正しく復調されなくなる。しかし、電力送信機が測定位相/タイミングオフセットを(この例では45度)適応させる場合は、図23に示されるようにデータは再び正しく復調される。タイミング/位相オフセットが適応されただけで、電力伝送信号周波数は変わりがないことに留意されたい。
図24は、図11に示す回路のアナログ実施の一例を示す。図25は、インダクタ電流測定がアナログデジタルコンバータによりサンプリングされる図10のシステムの一例を示す。この場合、復調ブロック1005は、例えばマイクロコントローラ又はデジタル信号プロセッサのファームウェアとしてデジタルで実施される。この場合、測定タイミング/位相オフセットは、アナログデジタルコンバータによるサンプリングのタイミングをマイクロコントローラ又はデジタル信号プロセッサが直接制御することにより適応される。この例では、測定ウィンドウは(短いサンプル間隔に対応して)固定される。
上記の例は、台所用器具がワイヤレスで給電される高電力用途に焦点が当てられた。しかし、説明されるアプローチは、例えば低電力Qi仕様(バージョン1.1)に対応する用途等の低電力用途を含む他の用途にも同じように適用可能である。
以下の例では、設計パラメータの異なる図10及び図11のシステムが再び考察される。この例では、送信機コイル103は24μHのインダクタンス値を有し、受信機コイル107は15.3μHのインダクタンスを有する。両コイルは200mΩの同じ直列抵抗を有する。共振コンデンサCcom_Tx及びCcom_Rxは、それぞれ100nF及び137nFに設定される。変調コンデンサCmodは22nFに設定される。最後に結合度を0.4と考える。これは受信機が送信機の上部に載置された場合に一般的に期待され得る値である。この結合値は、受信機及び送信機間の分離距離が一般的にはるかに小さい(例えば2、3mm)ため、先の高電力用途で典型的に見られる結合係数値よりもはるかに大きい。
電力伝送段階(即ち送信機が受信機に電力を供給している)の間、電力受信機は、電力送信機が受信機に伝送される電力を制御できるようにする情報を提供する。典型的には、電力送信機は、その動作周波数(即ち電力伝送信号の周波数)を調整することにより伝送電力を制御する。図26は、動作周波数が135kHzに設定された場合の(1クロックサイクル間に)送信機コイル103を流れる電流の一例を示す。変調コンデンサが接続及び切断されるシナリオが示される。図示されるように、最大復調深さは基準信号Vrefの各位相遷移において発生する。換言すれば、最大変調深さは基準信号の0度又は180度位相で発生する。
電力伝送段階中の受信機による電力要求が低い場合は、電力送信機は一般的に動作周波数を増加させる。図27は、動作周波数が145kHzに増加された場合の送信機コイル103を流れる電流を示す。図示されているように、最大変調深さは、基準信号の各位相遷移からおよそ2.55μs後に発生する。換言すれば、最大変調深さは基準信号に対しておよそ133度又は313度位相オフセットで発生する。最大変調深さは図26と同じ時間インスタントでは発生しない。
このように、明確に図示されているように、最大復調/変調深さは電力伝送信号の周波数に依存する。幾つかの実施形態では、周波数の変化が検出され、この検出によって、信号がその最適変調深さで復調されることが支援されるように測定タイミング/位相オフセットの適応が開始される。
先の例では、結合係数は0.4とされた。この結合度は変化し得る。例えば、送信機の上部における受信機の位置がユーザにより(故意又は偶然に)変更される場合は、結合係数は増加又は減少し得る。図28は、結合係数が0.6に増加した(動作周波数は図27と同様に145kHzに設定されている)場合の送信機コイル103を流れる電流を示す。
ここでは図示されるように、最大復調深さは、基準信号の各位相遷移からおよそ0.55μs後に発生する。換言すれば、最大変調深さは基準信号に対しておよそ26度又は206度位相オフセットで発生する。最大変調深さは図27と同じ時間インスタントでは発生しない。
このように、明確に図示されているように、最大復調/変調深さは、電力送信機及び電力受信機間の結合度に依存する。幾つかの実施形態では、結合度の変化が検出され、この検出によって、信号がその最適変調深さで復調されることが支援されるように測定タイミング/位相オフセットの適応が開始される。
結合係数が変化する場合は、一次及び二次コイルのインダクタンス値も変化することに留意されたい。これは、例えば受信機に含まれるフレンドリーな金属が一次コイルにより生成される磁束に多かれ少なかれ影響を及ぼすという事実によるものである。したがって、動作周波数や結合係数と同様に、これらのインダクタンスの変化も最大変調深さが発生する時間インスタント(又は位相)に影響を及ぼす。
既に述べたように、最適測定タイミングはまた電力伝送信号の負荷に依存する。図29〜図32は、低電力Qiの例(即ち図26〜図28)に対応する設計パラメータを別にすれば、図21〜図23に対応する信号を示す。
図29は、負荷の等価入力インピーダンスが2kΩに等しく、動作周波数が125kHzに設定された負荷の一例を示す。典型的には、そのような負荷は受信機の内部マイクロコントローラ又はマイクロプロセッサに対応する。2kΩの負荷は、動作時のマイクロコントローラの等価入力インピーダンスに対応する。
図29のこの例では、基準信号に対する位相/タイミングオフセットは0に設定され、測定期間は時間周期の半分に設定される。図に見られるように、データは正しく復調されている。
充電されている間は、電力受信機の負荷インピーダンスは必ずしも一定ではない。既に述べたように、内部マイクロコントローラの入力インピーダンスは典型的には1〜2kΩの範囲の値を有する。しかし、電力送信機が、例えば電力受信機の内部バッテリの充電を始める場合は、それを流れる電流は典型的には1Aに達し得る。したがって、3.5Ωほどの小さな負荷が期待され得る。負荷が2kΩから3.5Ωに急落する場合は、図29と同じ測定パラメータ(即ち位相/タイミングオフセット及び期間)が使用されていれば、図30に示されるような例が生じ得る。
図示されるように、データはもはや正しく復調されていない。
代わりに、位相オフセットが135度に変更された場合は、図31に示されるように通信の信頼性がさらに悪化する。しかし、位相オフセットが45度に変更された場合は、データは図32に示されるように電力送信機により正しく復調される。
このように、明確に図示されているように、最大復調/変調深さは、電力伝送信号の負荷に依存する。幾つかの実施形態では、負荷の変化が検出され、この検出によって、信号がその最適変調深さで復調されることが支援されるように測定タイミング/位相オフセットの適応が開始される。
先の説明は、電力伝送信号が負荷変調にも使用される、したがって、電力伝送信号が電力受信機による負荷変調のための誘導キャリア信号としても機能する多くの場合有利な例に焦点を当てている。
しかし、他の実施形態では、負荷変調による通信は、例えば異なるインダクタにより、異なる時間に生成される、及び/又は電力伝送信号とは異なる特性を有する別個の誘導キャリア信号を介する。
例えば、幾つかの実施形態では、電力送信機は送信機コイル103に加えて電力送信機インダクタを備える。この電力送信機インダクタは電力駆動信号により駆動され、これにより電力伝送信号が生成される。送信機コイル103は異なる駆動信号により駆動され、これにより電力受信機による負荷変調に使用され得るが、電力伝送能力を全く提供しないか或いは限定的にしか提供しない誘導キャリア信号が生成される。
電力伝送信号を生成し、復調することに関する先に提供された説明及び見解は、電力を伝送しない誘導キャリア信号が生成されるシナリオにも同様に適用されることが理解されるであろう。例えば、送信機インダクタに供給されるときに誘導キャリア信号を生成するインバータが駆動信号を生成するために使用され得る。特に、復調(具体的には測定タイミング及び期間)を適応させるための説明されるアプローチは、第2の独立インダクタが電力伝送に使用される第2の誘導信号を提供するシナリオに同様に適用される。
一例として、電力送信機は、電力用と通信用(送信機インダクタ103)の2つのコイル/インダクタを備える。2つのインダクタは、異なる独立の駆動信号により個別に駆動され、これにより電力伝送信号と負荷変調用の誘導キャリア信号とがそれぞれ個別に生成される。これらの信号はいずれも先に説明されたように生成されるが、一般的には異なる特性を有する。実際、一般的に電力伝送信号を生成する特性は、高電力伝送能力を提供することを目的とし、例えば典型的には約20〜60kHzの周波数を使用する。一方、通信コイル(送信機インダクタ103)は負荷変調における通信の促進/最適化を目的とし、典型的にははるかに高い周波数で(通常は数百kHz〜MHzの範囲で)駆動される。これによって異なる信号が区別され、通信信頼性が向上する。
幾つかの実施形態では、信号はまた時分割多重化される。特に、ある時間周期は電力伝送に確保され、別の時間周期は通信に確保される(即ちシステムは電力伝送間隔と通信間隔の間を行き来する)。
このような実施形態では、誘導キャリア信号は、例えば電力受信機の内部制御論理に(限られた)電力を供給することができる。
このような設定では、復調、特に復調アプローチの適応のための先に説明されたアプローチは通信インダクタに(即ち送信機インダクタ103に)適用される。したがって、復調及び適応は、組み合わされたケース(即ち誘導キャリア信号が電力伝送信号でもある)について先に説明されたのと同じやり方で行われる通信インダクタのインダクタ電圧/電流の測定に基づく。
上記の説明は、分かりやすくするために、様々な機能回路、ユニット、及びプロセッサを参照して本発明の実施形態を説明していることを理解されたい。しかしながら、本発明から逸脱することなく、異なる機能回路、ユニット、又はプロセッサの間での任意の適切な機能分散が使用されることは明らかであろう。例えば、個別のプロセッサ又は制御装置によって実施されるものとして例示される機能が、同一のプロセッサ又は制御装置によって実施される。したがって、特定の機能ユニット又は回路への言及は、厳密な論理的又は物理的構造又は組織を示すものではなく、単に、説明される機能を提供するための適切な手段への言及とみなされるべきである。
本発明は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの任意の組み合わせを含む任意の適切な形態で実施され得る。本発明は、任意選択的に、1つ又は複数のデータプロセッサ及び/又はデジタル信号プロセッサ上で実行されるコンピュータソフトウェアとして少なくとも部分的に実施される。本発明の一実施形態の要素及び構成要素は、任意の適切な様式で、物理的、機能的、及び論理的に実施される。実際、機能は、単一のユニット、複数のユニット、又は他の機能ユニットの一部として実施される。したがって、本発明は、単一のユニットに実施され、又は異なるユニット、回路、及びプロセッサの間で物理的及び機能的に分散される。
本発明を幾つかの実施形態に関連して説明してきたが、本発明が、本明細書で記載する特定の形態に限定されることは意図されない。そうではなく、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲のみによって限定される。さらに、特定の実施形態に関連付けて特徴が説明されているように見えるが、当業者は、本発明に従って、説明される実施形態の様々な特徴が組み合わされることを理解されよう。特許請求の範囲において、備える(comprising)という語は、他の要素又はステップの存在を除外しない。
さらに、個別に列挙されるが、複数の手段、要素、回路又は方法ステップが、例えば単一の回路、ユニット又はプロセッサによって実施される。さらに、個々の特徴が異なる特許請求の範囲に含まれているが、これらは、場合によっては有利に組み合わされることがあり、異なる特許請求の範囲に含まれていることは、特徴の組み合わせが実現可能でない及び/又は有利でないことを示唆しない。また、ある特徴が特許請求の範囲の1つのカテゴリー内に含まれていることは、このカテゴリーへの限定を示唆せず、その特徴が、適切であれば特許請求の範囲の他のカテゴリーにも同等に適用可能であることを示す。さらに、特許請求の範囲内での特徴の順序は、特徴を実施しなければならない任意の特定の順序を示唆せず、特に、方法の請求項内での個々のステップの順序は、ステップがその順序で実施されなければならないことを示唆しない。そうではなく、ステップは、任意の適切な順序で実施される。さらに、単数での言及は、複数を除外しない。したがって、「1つ(「a」、「an」)」、「第1」、「第2」等の言及は、複数を除外しない。特許請求の範囲内の参照符号は、明瞭にするための例としてのみ付されており、特許請求の範囲の範囲を限定するものとはみなされないものとする。