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JP6448986B2 - リードフレームの製造方法 - Google Patents
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本発明は、リードフレーム及びその製造方法に関する。
LED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)に代表される光学素子搭載用部品の一つとして、リードフレームが知られている。従来から、銅合金上の全面または部分的に銀または銀を含有する合金めっき、または金または金を含有する合金めっきを施したリードフレームが多く使用されているが、これらは一長一短であることも広く知られている。銀または銀を含有する合金は、光沢度や反射率などの光学特性に優れているが、硫化による変色の発生や熱履歴による光沢度および反射率の低下などの耐環境性に難点がある。一方、金または金を含有する合金は耐環境性に優れているが、光学特性は銀よりも劣る。近年、高出力のLEDへの要求が高まる中、特に光学特性に優れる銀または銀を含有する合金に注目が集まっている。
最近では、LEDパッケージ技術および周辺部材に関する技術の進歩により、主に外的要因に影響される劣化の問題は大きく改善され、大きく取り沙汰されることは稀となっている。残る課題は熱履歴による光沢度および反射率の低下と、それに起因する光学特性の劣化である。この点、有機性の表面処理を施すことによりこの問題を解決することができることが確認されている。
例えば、基材と、基材上の一部に形成される反射層と、反射層を覆って外部から遮断することにより反射層の特性を維持する特性維持層と、を備えるリードフレームであって、特性維持層が有機系材料から形成される技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2009−135355号公報
しかしながら、上述の銀めっき層又は銀合金めっき層に有機性の表面処理を施す技術では、表面に塗布される有機性皮膜が光の吸収を引き起こし、結果的に反射率が低下し、トレードオフとなっている。また、薬品そのものの価格も製造コストに含まれるため、コストアップは否めないという問題があった。
そこで、本発明は、加熱処理が行われても、光沢度及び反射率の低下、及びそれに起因する光学特性の劣化を低減することができるリードフレーム及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係るリードフレームは、金属材料から構成され、光学素子を搭載する素子搭載領域と、前記光学素子とワイヤボンディングを行うボンディング領域と、該ボンディング領域と前記素子搭載領域とを電気的に接続するリード部とを有するリードフレームであって、
少なくとも前記素子搭載領域上に、1.54以上1.91以下の光沢を有し、加熱処理が施されて粒径が該加熱処理を施す前よりも大きくなった銀めっき層が設けられている。
本発明の他の態様に係るリードフレームの製造方法は、金属材料をリードフレーム状に成形したリードフレーム材の表面に銀めっきを施して光沢性の銀めっき層を形成する工程と、
該銀めっき層が形成された前記リードフレーム材をpHが11以上13以下の苛性カリウム溶液に浸漬してアルカリ処理を施す工程と、
該アルカリ処理が施された前記リードフレーム材を、樹脂封止することなく加熱処理し、前記銀めっき層の粒径を大きくする工程と、を有する。
本発明によれば、光沢度及び反射率の低下とそれに起因する光学特性の劣化を低減することができる。
本発明の実施形態に係るリードフレームの一例を示した図である。図1(a)は、本発明の実施形態に係るリードフレームの一例の平面図である。図1(b)は、図1(a)のA−A´線でリードフレームを切断した断面図である。 本発明の実施形態に係るリードフレームを用いた光学素子パッケージの一例を示した図である。図2(a)は、本発明の実施形態に係るリードフレームを用いた光学素子パッケージの一例を示した平面図である。図2(b)は、図1(a)のA−A´線で光学素子パッケージを切断した断面図である。 本発明の実施形態に係るリードフレームの一例の断面構成を示した拡大図である。 本発明の実施形態に係るリードフレームの製造方法の一例の一連の工程を示した図である。図4(a)は、リードフレーム材用意工程の一例を示した図である。図4(b)は、下地層形成工程の一例を示した図である。図4(c)は、銀めっき層形成工程の一例を示した図である。図4(d)は、アルカリ処理工程の一例を示した図である。図4(e)は、加熱処理工程の一例を示した図である。 実施例1に係るリードフレームの実施結果を示した図である。図5(a)は、実施例1に係るリードフレームの光沢度の測定結果である。図5(b)は、実施例1に係るリードフレームの反射率の測定結果である。 実施例2〜4及び比較例1に係るリードフレームの実施結果を光沢度について示した図である。 比較例2〜7に係るリードフレームの実施結果を示した図である。
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
図1は、本発明の実施形態に係るリードフレーム70の一例を示した図である。図1(a)は、本発明の実施形態に係るリードフレーム70の一例の平面図であり、図1(b)は、図1(a)のA−A´線でリードフレーム70を切断した断面図である。
図1(a)に示すように、本実施形態に係るリードフレーム70は、金属材料からなるリードフレーム材10を成形加工して構成される。加工穴15、16がプレス加工、エッチング加工等により形成され、リードフレーム形状に成形される。図1(a)において、加工穴16はアルファベットのH字状に形成され、除去されずに残った互いに対向する中央寄りの領域が素子搭載領域20とボンディング領域30となる。また、素子搭載領域20及びボンディング領域30よりも外側の領域が、外部接続領域40となる。
リードフレーム材10は、種々の金属材料から構成されてよいが、例えば、銅材又は銅を含む銅合金材から構成されてもよい。
素子搭載領域20は、光学素子を搭載するための領域である。光学素子は、例えば、発光ダイオード(LED)等の半導体素子であってもよいし、通電により発光する他の素子であってもよい。通電用の二端子を有する光学素子であれば、種々の光学素子を素子搭載領域20に搭載可能である。
ボンディング領域30は、素子搭載領域20に搭載された光学素子の端子をワイヤボンディングにより電気的に接続するための領域である。かかるワイヤボンディングにより、H字状の加工穴16により電気的に絶縁された図1(a)中の上下の導通を図り、光学素子に通電を行うことができる。
外部接続領域40は、光学素子の二端子、例えばアノードとカソードとの接続点を外部に引き出すための配線を構成するとともに、外部との電気的接続を可能にする接続端子の役割を果たす領域である。
図1(b)において、右側を図1(a)の上側、左側を図1(a)の下側に対応させてA−A´断面を示しているが、素子搭載領域20、ボンディング領域30及び外部接続領域40を含むリードフレーム材10の表面は、上面及び下面を含めて総て銀めっき層60で覆われている。銀は、光沢度及び反射率が高いため、光学素子搭載用のリードフレーム70の被覆材として優れている。よって、本実施形態においては、リードフレーム材10の表面を銀めっき層60で被覆し、リードフレーム70の表面の光沢度及び反射率が高くなるように構成している。なお、本実施形態に係るリードフレーム70では、銀めっき層60の表面がアルカリ処理されており、加熱処理後も高い光沢度及び反射率を維持している。銀めっき層60をアルカリ溶液に浸漬し、アルカリ処理を施してから加熱処理を行うと、加熱処理の影響による銀めっき層60の光沢度及び反射率の低減を抑制することができ、高い光沢度及び反射率を有する銀めっき層60に構成することができる。この点の詳細については、製造方法の実施形態の説明で後述する。
また、本実施形態においては、説明の容易のため、リードフレーム材10の被覆材を銀めっき層60とし、銀単独で構成されためっき層であることを例に挙げて説明するが、銀めっき層60は、銀を含有する銀合金からなる銀合金めっき層であってもよい。以後の説明で、単に銀めっき層60と記すが、特に断りが無くとも、銀めっき層60は、銀単独から構成された銀めっき層と、銀合金からなる銀合金めっき層の双方を含んでよいこととする。
銀めっき層60の厚さは、用途に応じて種々の厚さとすることができるが、例えば、1.5μm以上の厚さとしてもよい。銀めっき層60の厚さの上限は特に無いが、例えば、5.0μm以下の厚さとしてもよい。
また、図1(b)においては、素子搭載領域20、ボンディング領域30及び外部接続領域40の総ての表面が銀めっき層60で覆われた例が示されているが、最低限、素子搭載領域20の表面が銀めっき層60で覆われていればよく、ボンディング領域30及び外部接続領域40を覆う銀めっき層60は、選択的であってよいものとする。
図2は、本発明の実施形態に係るリードフレーム70を用いた光学素子パッケージ110の一例を示した図である。図2(a)は、本発明の実施形態に係るリードフレーム70を用いた光学素子パッケージ110の一例を示した平面図であり、図2(b)は、図1(a)のA−A´線で光学素子パッケージ110を切断した断面図である。
図2(a)、(b)に示すように、表面に銀めっき層60が形成されたリードフレーム70の素子搭載領域20の表面上に、光学素子80が搭載されている。光学素子80の下面の端子(図示せず)は、素子搭載領域20の上面と電気的に接続され、上面の端子81が、ボンディングワイヤ90を介してボンディング領域30の上面に電気的に接続される。また、光学素子80は、ボンディングワイヤ90とともに樹脂100により封止されるが、外部接続領域40は樹脂100の外部に露出され、外部接続領域40を外部接続端子とする光学素子パッケージ110として構成される。なお、樹脂封止後は、リードフレーム70のH字状の加工穴16を囲む外枠が切断され、光学素子パッケージ110が単体として個片化される。
このように、本実施形態に係るリードフレーム70は、光学素子80を搭載し、光学素子モジュールの一部品として用いられる。
図3は、本発明の実施形態に係るリードフレーム71の一例の断面構成を示した拡大図である。図3においては、本実施形態に係るリードフレーム71の一例の断面が拡大されて示されているが、リードフレーム材10の表面を被覆する下地層50が更に形成され、下地層50の表面上に銀めっき層60が形成されている点で、図1及び図2に示したリードフレーム70と異なっている。このように、リードフレーム材10の表面上に直接銀めっき層60を形成するのではなく、リードフレーム材10の表面上に銀めっき層60と密着性の高い下地層50を形成し、下地層50上に銀めっき層60を形成するようにしてもよい。
下地層50は、例えば、銅めっき層であってもよい。リードフレーム材10に銅材又は銅合金材を用いた場合、下地層50の材料自体はリードフレーム材10と同じ又は同類となるが、ベア銅よりも銅めっき層の方が銀めっき層60は密着性が高くなる。よって、下地層50は、銅めっき層で構成してもよい。また、銅めっき層の厚さは、用途に応じて種々の厚さとすることができるが、例えば、0.1〜2.0μmの厚さとしてもよい。
下地層50は、例えば、ニッケルめっき層、パラジウムめっき層、金めっき層(個別には図示せず)を下から順に積層した積層めっき層であってもよい。ニッケル(Ni)は、銅の拡散を抑制するのに優れた材料である。よって、リードフレーム材10に銅材又は銅合金材を用いた場合には、リードフレーム材10の表面をニッケルめっき層で被覆することにより、銅の銀めっき層側での拡散を抑制することができる。パラジウム(Pd)は、耐食性に優れ、高硬度で金よりも安価な金属材料である。金(Au)は、高価ではあるが耐食性及び電気的特性にすぐれた金属材料である。よって、ニッケルめっき層上にパラジウムめっき層を形成し、パラジウムめっき層上に薄く金めっき層を形成することにより、全体として安価で耐食性及び電気的特性に優れた積層めっき層を形成することができる。
このように、下地層50は、ニッケルめっき層、パラジウムめっき層、金めっき層を下層から順に積層した積層めっき層として構成してもよい。また、ニッケルめっき層、パラジウムめっき層及び金めっき層の厚さは、用途に応じて種々の厚さとすることができるが、例えば、ニッケルめっき層の厚さを0.5〜4.0μm、パラジウムめっき層の厚さを0.005〜0.1μm、金めっき層の厚さを0.001〜0.02μmとしてもよい。
銀めっき層60は、図1で言及したように、表面にアルカリ処理が施されている。アルカリ処理は、銀めっき層60が表面に形成されたリードフレーム材10を、pH11以上のアルカリ溶液に所定時間浸漬させることにより行われる。アルカリ処理後、リードフレーム材10の加熱処理を行った場合、光沢度は加熱処理前の90%以上を維持できる。つまり、加熱処理による光沢度の劣化の程度を抑制することができる。このように、本実施形態に係るリードフレーム70は、アルカリ処理後に加熱処理を行うことにより、加熱処理による光沢度及び反射率の低下を抑制することができる。
なお、図3には、リードフレーム材10の表面の総てに下地層50及び銀めっき層60が形成されているが、少なくとも素子搭載領域20に下地層50及び銀めっき層60すればよく、ボンディング領域30及び外部接続領域40への下地層50及び銀めっき層60の形成は必ずしも必須ではない点、及び銀めっき層60は銀単独からなるめっき層だけでなく、銀を含有する銀合金めっき層も含む点は、図1における説明と同様である。
次に、図4を用いて、本発明の実施形態に係るリードフレームの製造方法について説明する。図4は、本発明の実施形態に係るリードフレームの製造方法の一例の一連の工程を示した図である。
図4(a)は、リードフレーム材用意工程の一例を示した図である。リードフレーム材用意工程では、プレス加工、エッチング加工等によりリードフレームの形状に成形されたリードフレーム材10が準備される。なお、リードフレーム材10は、種々の金属材料で構成されてよいが、例えば、銅材又は銅合金材から構成されてもよい。また、リードフレーム材10は、複数のリードフレーム70を連続して製造可能なように、所定の幅、例えば180mmの幅を有する帯状銅材を用いてもよい。
図4(b)は、下地層形成工程の一例を示した図である。下地層形成工程では、電気めっき処理等の金属膜堆積処理により下地層50がリードフレーム材10の表面上に形成される。例えば、下地層50を銅めっき層とする場合には、リードフレーム材10を銅めっき浴に浸漬させ、銅めっき浴内にアノードを設置し、リードフレーム材10をカソードと接触させて通電し、電気めっき処理を行うことにより、銅めっきをリードフレーム材10の表面に施すことができる。なお、銅めっき層の厚さは、例えば、0.1〜2.0μmとしてもよい。
また、例えば、下地層50をニッケルめっき層、パラジウムめっき層、金めっき層を下層から積層させた積層膜とする場合には、まずリードフレーム材10をニッケルめっき浴に浸漬させて電気めっき処理を行い、次いで、パラジウムめっき浴にニッケルめっき層が形成されたリードフレーム材10を浸漬させて電気めっき処理を行い、パラジウムめっき層上にパラジウムめっき層を形成する。更に、金めっき浴にニッケルめっき層及びパラジウムめっき層が表面に積層形成されたリードフレーム材10を金めっき浴に浸漬させ。電気めっき処理を行うことにより、積層膜の下地層50を形成することができる。なお、各層の厚さについては、例えば、ニッケルめっき層を0.5〜4.0μm、パラジウムめっき層を0.005〜0.1μm、金めっき層を0.001〜0.02μmの範囲で形成してもよい。
また、下地層形成工程を実行する前に、リードフレーム材10をアルカリ及び酸によって前処理するようにしてもよい。前処理は、例えば、アルカリ溶液及び酸溶液にリードフレーム材10を順次浸漬させるような処理であってもよい。
図4(c)は、銀めっき層形成工程の一例を示した図である。銀めっき層形成工程においては、下地層50が表面に形成されたリードフレーム材10を銀めっき浴に浸漬させ、電気めっき処理を行う。なお、銀めっき層60の形成は、種々の電気めっき処理により行われてよいが、例えば、青化銀及び青化カリウムからなるストライク銀めっき浴を用いて、小さな電流密度で短時間、例えば電流密度3A/dmで1〜5秒間ストライクめっきを行って下地層50と銀めっき層60との密着性を確保し、更に青化銀と青化カリウムからなる銀めっき浴を用いて、高い電流密度で長時間、例えば電流密度5A/dmで40〜60秒間銀めっきを行うことで光沢性を有する銀めっき層60を形成してもよい。また、銀めっき層の厚さは、例えば、1.5〜5.0μmとしてもよい。
図4(d)は、アルカリ処理工程の一例を示した図である。アルカリ処理工程においては、銀めっき層60が表面に形成されたリードフレーム材10が、アルカリ溶液130内に浸漬される。アルカリ溶液130は、例えば、処理槽120に貯留されてもよい。この場合、リードフレーム材10を処理槽120内のアルカリ溶液130に浸漬することにより、銀めっき層60の表面にアルカリ処理を施す。
アルカリ溶液130は、例えば、pH11以上のアルカリ溶液であることが好ましい。後に実施例を用いて説明するが、強アルカリ溶液を用いて銀めっき層60のアルカリ処理をする方が、pH11未満の弱アルカリ溶液を用いてアルカリ処理をする場合よりも、加熱処理後の銀めっき層60の光沢度及び反射率を高く維持することができる。
アルカリ溶液は、用途に応じて種々の溶液を用いることができるが、上述のように、強アルカリ溶液であることが好ましいので、例えば、苛性カリウム溶液や、苛性ナトリウム溶液を用いるようにしてもよい。
図4(e)は、加熱処理工程の一例を示した図である。加熱処理工程では、表面の銀めっき層60がアルカリ処理されたリードフレーム材10が加熱炉140の中に搬入され、ヒータ150等の加熱手段により加熱処理される。加熱処理は、例えば、150〜300℃の温度で1〜3時間行ってもよく、好ましくは200℃前後で2時間程度行うようにしてもよい。加熱処理により、銀めっき層60及び下地層50の粒径が大きくなり、両者の導電性及び耐性は向上する。一方、光沢度及び反射率は、加熱処理によりある程度低下してしまう。
本実施形態に係るリードフレーム70の製造方法では、加熱処理工程の前にアルカリ処理工程を設け、銀めっき層60の表面をアルカリ処理した状態で加熱処理を行う。これにより、加熱処理による光沢度及び反射率の低下を抑制することができる。
以下、本実施形態に係るリードフレームの製造方法について、実施例を挙げて説明する。
リードフレーム用銅合金として、厚さ0.2mm、幅180mmの帯状銅材(三菱伸銅製:TAMAC−194R)を用いて、アルカリおよび酸によって前処理を施した後、次のように電気めっき処理を施した。まず、スルファミン酸ニッケルと塩化ニッケル、ホウ酸からなるニッケルめっき浴を用いて、電流密度6A/dmで2分間めっきを行い、厚さが約2.5μmの平滑なニッケルめっき層を形成した。次に、パラブライトSSTLめっき液からなるめっき浴を用いて、電流密度1A/dmで5秒間めっきを行い、厚さが約0.02μmのパラジウムめっき層を形成した。次に、アフタープレイティングめっき液からなるめっき浴を用いて、電流密度0.2A/dmで6秒間めっきを行い、厚さが約0.008μmの金めっき層を形成した。その後に、青化銀および青化カリウムからなるストライク銀めっき浴を用いて、電流密度3A/dmで3秒間めっきを行うことで下地ニッケル/パラジウム/金めっき層と銀めっき層との密着性を確保し、さらに、青化銀と青化カリウムからなる銀めっき浴を用いて、電流密度5A/dmで50秒間めっきを行い、厚さが約3μmの光沢性を有する銀めっき層を形成した。次に、銀めっきを施したリードフレームを、pHを13.0に調整した苛性カリウム溶液に60秒間浸漬し、実施例1に係るリードフレームの製造を、アルカリ処理工程まで完了した。
図5は、実施例1に係るリードフレームの実施結果を示した図である。図5(a)は、実施例1に係るリードフレームの光沢度の測定結果であり、図5(b)は、実施例1に係るリードフレームの反射率の測定結果である。
なお、光沢度を測定する測定器には、日本電色工業株式会社製の微少面色差計(型番:VSR−300A)を用いた。また、反射率を測定する測定器には、日立製作所製の分光光度計(型番:U−4100)を用いた。
図5(a)、(b)に示すように、銀めっき層の形成が完成した実施例1に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.91であり、反射率は94.9%であった。
また、銀めっき層の形成が完成した実施例1に係るリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.91であり、反射率は96.3%であった。
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを11.0に調整した苛性カリウム溶液に10秒間浸漬し、アルカリ処理工程までリードフレームの製造を完了した。
図6は、実施例2〜4及び比較例1に係るリードフレームの実施結果を光沢度について示した図である。
図6に示すように、アルカリ処理工程まで完成した加熱前の実施例2に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.71であった。
また、アルカリ処理工程まで完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施して光沢度を測定したところ、1.54であった。
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを12.0に調整した苛性カリウム溶液に10秒間浸漬し、アルカリ処理工程まで実施例3に係るリードフレームの製造を完了した。
図6に示すように、アルカリ処理工程まで完成したリードフレームの光沢度を測定したところ、1.70であった。
また、アルカリ処理工程mで完成したリードフレームの200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.61であった。
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを13.0に調整した苛性カリウム溶液に10秒間浸漬し、アルカリ処理工程まで実施例4に係るリードフレームの製造を完了した。
図6に示すように、アルカリ処理まで完成した実施例4に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.72であった。
また、アルカリ処理まで完成した実施例4に係るリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.67であった。
[比較例1]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを10.0に調整した苛性カリウム溶液に10秒間浸漬し、アルカリ処理工程まで比較例1に係るリードフレームの製造を完了した。
図6に示すように、アルカリ処理工程まで完成した比較例1に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.72であった。
また、完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.21であった。
[比較例2]
図7は、比較例2〜7に係るリードフレームの実施結果を示した図である。
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを6.0の純水に60秒間浸漬し、酸処理工程まで比較例2に係るリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理工程まで完成したリードフレームの光沢度を測定したところ、1.71であった。
また、酸処理工程まで完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.08であった。
[比較例3]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを5.0に調整した硫酸溶液に60秒間浸漬し、酸処理工程まで比較例3に係るリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理まで完成した比較例3に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.70であった。
また、酸処理まで完成した比較例3に係るリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、0.98であった。
[比較例4]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを4.0に調整した硫酸溶液に60秒間浸漬し、酸処理工程までリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理工程まで完成したリードフレームの光沢度を測定したところ、1.74であった。
また、酸処理工程まで完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.00であった。
[比較例5]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを3.0に調整した硫酸溶液に60秒間浸漬し、酸処理工程まで比較例5に係るリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理工程まで完成した比較例5に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.72であった。
また、酸処理工程まで完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.03であった。
[比較例6]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを2.0に調整した硫酸溶液に60秒間浸漬し、酸処理工程まで比較例6に係るリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理工程まで完成した比較例6に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.73であった。
また、酸処理工程まで完成した比較例6に係るリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、1.10であった。
[比較例7]
実施例1と同様の方法でめっきを施したリードフレームを、pHを1.0に調整した硫酸溶液に60秒間浸漬し、酸処理工程まで比較例7に係るリードフレームの製造を完了した。
図7に示すように、酸処理工程まで完成した比較例7に係るリードフレームの光沢度を測定したところ、1.69であった。
また、酸処理工程まで完成したリードフレームに200℃、2時間の加熱処理を施し、光沢度を測定したところ、0.94であった。
実施例1〜4及び比較例1〜7に示されるように、pH11以上のアルカリ溶液でアルカリ処理を施したリードフレームは、加熱処理前の光沢度を1.70以上、加熱処理後の光沢度を1.50以上(1.54以上)とすることができることが分かる。また、加熱処理後の光沢度は、加熱処理前の光沢度の90%(1.54/1.71≒90.1%)以上となっている。
一方、比較例1〜7に係るリードフレームは、加熱処理前は1.70以上の光沢度を有しているが、加熱処理後は1.30未満(1.21以下)まで低下している。つまり、加熱処理後の光沢度は、加熱処理前の光沢度の71%未満(1.21/1.72≒70.3%)まで低下している。
このように、加熱処理前に銀めっき層の表面にアルカリ処理を施すことにより、加熱処理後の銀めっき層の光沢度及び反射率を高く維持することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施形態及び実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施形態及び実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
10 リードフレーム材
20 素子搭載領域
30 ボンディング領域
40 外部接続領域
50 下地層
60 めっき層
70、71 リードフレーム
130 アルカリ溶液

Claims (12)

  1. 金属材料をリードフレーム状に成形したリードフレーム材の表面に銀めっきを施して光沢性の銀めっき層を形成する工程と、
    該銀めっき層が形成された前記リードフレーム材をpHが11以上13以下の苛性カリウム溶液に浸漬してアルカリ処理を施す工程と、
    該アルカリ処理が施された前記リードフレーム材を、樹脂封止することなく加熱処理し、前記銀めっき層の粒径を大きくする工程と、を有するリードフレームの製造方法。
  2. 金属材料をリードフレーム状に成形したリードフレーム材の表面に銀めっきを施して光沢性の銀めっき層を形成する工程と、
    該銀めっき層が形成された前記リードフレーム材をpHが11以上13以下の苛性カリウム溶液に浸漬してアルカリ処理を施す工程と、
    該アルカリ処理が施された前記リードフレーム材を、樹脂封止することなく150〜300℃の温度で1〜3時間加熱処理する工程と、を有するリードフレームの製造方法。
  3. 前記銀めっき層を形成する工程で、前記銀めっき層は1.5μm以上の厚さに形成される請求項1又は2に記載のリードフレームの製造方法。
  4. 前記銀めっき層を形成する工程は、青化銀又は青化カリウムからなるストライク銀めっき浴を用いて行われる請求項1乃至3のいずれか一項に記載のリードフレームの製造方法。
  5. 金属材料をリードフレーム状に成形したリードフレーム材の表面に銀めっきを施して光沢性の銀めっき層を形成する工程と、
    該銀めっき層が形成された前記リードフレーム材をpHが11以上13以下の苛性カリウム溶液に浸漬してアルカリ処理を施す工程と、
    該アルカリ処理が施された前記リードフレーム材を、樹脂封止することなく150℃以上の温度で1時間半以上加熱処理する工程と、を有するリードフレームの製造方法。
  6. 前記銀めっき層を形成する工程終了後の前記銀めっき層の第1の光沢度は1.70以上であり、
    前記リードフレーム材を加熱処理する工程終了後の前記銀めっき層の第2の光沢度は、前記第1の光沢度の90%以上を維持する請求項乃至のいずれか一項に記載のリードフレームの製造方法。
  7. 前記銀めっき層を形成する工程の前に、前記リードフレーム材の表面に下地めっき層を形成する工程を更に有する請求項乃至のいずれか一項に記載されたリードフレームの製造方法。
  8. 前記下地めっき層は、銅めっき層である請求項に記載のリードフレームの製造方法。
  9. 前記下地めっき層を形成する工程は、前記銅めっき層を0.1〜2.0μmの厚さに形成する工程である請求項に記載のリードフレームの製造方法。
  10. 前記下地めっき層を形成する工程は、前記リードフレーム材の表面にニッケルめっき層を形成する工程と、該ニッケルめっき層上にパラジウムめっき層を形成する工程と、該パラジウムめっき層上に金めっき層を形成する工程とを含む請求項に記載のリードフレームの製造方法。
  11. 前記ニッケルめっき層を形成する工程は、前記ニッケルめっき層を0.5〜4.0μmの厚さで形成する工程、前記パラジウムめっき層を形成する工程は、前記パラジウムめっき層を0.005〜0.1μmの厚さで形成する工程、前記金めっき層を形成する工程は、前記金めっき層を0.001〜0.02μmの厚さで形成する工程である請求項10に記載のリードフレームの製造方法。
  12. 前記下地めっき層を形成する工程の前に、アルカリ及び酸によって前記リードフレーム材の表面に前処理を施す工程を更に有する請求項乃至11のいずれか一項に記載のリードフレームの製造方法。
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