JP6450218B2 - エステル交換油の製造方法 - Google Patents
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Description
前記エステル交換反応後に得られた油脂に、前記動植物油脂100重量部に対して10〜200重量部の液滴状の中性水を添加することで、前記油脂中で水滴を沈降させ、第一水層及び第一油層を含む液を得る第二工程、
第二工程で得られた液から第一水層を除去して、残留セッケン分が350〜1200ppmのエステル交換油を得る第三工程
を含む、脱臭処理に供するためのエステル交換油の製造方法に関する。
前記エステル交換反応では、アルカリ性物質を触媒として動植物油脂をエステル交換反応させる。具体的には、例えば「油脂の加熱→脱水→触媒投入」の順で常法に従うことができるが、これに限定されない。この反応工程内における触媒投入時に、触媒であるアルカリ性物質と動植物油脂が反応することで、化学エステル交換反応が進行すると共に、副生物のセッケンが生成する。ここでセッケンとは、エステル交換反応に供せられる動植物油脂中に含まれるトリグリセライド、ジグリセライド、又はモノグリセライド由来の脂肪酸とアルカリ性物質が反応して得られる脂肪酸アルカリ金属塩のことである。
前記エステル交換反応後の油脂に、液滴状の中性水を添加して、油脂内で水滴を沈降させる。これにより、油脂に含まれるセッケンを水層に移行させ、油脂中に含まれるセッケン量を低減する。
この工程では、第二工程で得られた液から第一水層を除去する。また、上述したように、第二工程で得られた液において乳化層が発生している場合には、第二工程で得られた液から第一水層及び乳化層を除去する。この場合、乳化層は第一水層と共に除去すればよい。
この工程では、第一油層を脱臭工程に付して、エステル交換油である食用油脂を得る。前記脱臭は、例えば第一油層を水蒸気蒸留装置に移送し、第一油層を加熱しながら、400Pa以下の減圧下、第一油層100重量部に対して0.5〜10重量部/hrで水蒸気を吹き込むことでできる。
油層中のセッケン量は社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の2.6.2−1996セッケンに記載された方法に従い測定した。
社団法人日本油化学協会編「基準油脂分析法」(発行年:1996年)の基準油脂分析試験法「2.3.1−1996酸価」に準拠して酸価を測定した。
パーム分別油(ヨウ素価:60、融点17℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度400Paの条件下で加熱真空脱水を行い、前記油脂中の水分を0.0085重量%に調整した。その後、油脂100重量部に対しナトリウムメチラートを0.15重量部添加し、真空状態のまま20分間撹拌した。撹拌を停止し、真空を開放した後、原料であるパーム分別油100重量部に対し100重量部の中性水(pH7.6(以下、全て同じpH))を、油層の上からシャワーリングしながら注いで該油脂と水とを接触させて、油脂内で水滴を沈降させた。この時、油層は撹拌していない。また、乳化はほとんど生じなかった。そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、脱臭処理に供するエステル交換油1を98重量部得た。該エステル交換油1にはセッケンが500ppm含まれており、油脂の歩留りは98.0重量%と良好であった。
パーム分別油(ヨウ素価:52、融点33℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度1000Paの条件下で脱水を行い、油脂中の水分を0.025重量%に調整した。その後、前記油脂100重量部に対しナトリウムメチラートを0.25重量部添加し、真空状態のまま30分間撹拌した。撹拌を停止し真空を開放した後、140重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いで、該油脂と水とを接触させて、油脂内で水滴を沈降させた。この時、油層は撹拌していない。また、乳化はほとんど生じなかった。
豚脂(融点37℃)100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度670Paの条件下で脱水を行い、油脂中の水分を0.015重量%に調整した。その後、前記油脂100重量部に対し0.18重量部のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま25分間撹拌した。撹拌を停止し真空を開放した後、80重量部の中性水を油層の上からシャワーリングしながら注いで、該油脂と水とを接触させて、油脂内で水滴を沈降させた。この時、油層は撹拌していない。また、乳化はほとんど生じなかった。そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、97.8重量部の脱臭処理に供するエステル交換油3を得た。該エステル交換油3にはセッケンが750ppm含まれており、油脂の歩留りは97.7重量%と良好であった。
大豆油100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度1000Paの条件下で脱水を行い、油脂中の水分を0.017重量%に調整した。その後、0.20重量%のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま20分間撹拌し、真空を開放し、99.8重量部の脱臭処理に供するエステル交換油4を得た。該エステル交換油にはセッケンが48000ppmと多量に含まれており、油脂の歩留りは95.0重量%であった。
大豆油100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度400Paの条件下で脱水を行い、油脂中の水分を0.0074重量%に調整した。その後、0.15重量%のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま20分間撹拌した。真空を開放した後、撹拌速度150rpmで油層を撹拌しながら100重量部の水を油層の上からシャワーリングして注いだ。この時、激しく乳化が生じ、油脂内で水滴が速やかに沈降するものではなかった。そのまま90分間静置して油層、乳化層、水層を極力分離させた後に、フラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、88.7重量部の脱臭処理に供するエステル交換油5を得た。該エステル交換油にはセッケンが1600ppm含まれておりセッケンはある程度除去できたが、油脂の歩留りは88.6重量%と低かった。
大豆油100重量部をセパラブルフラスコに入れ、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度1000Paでの脱水を行い、油脂中の水分を0.018重量%に調整した。その後、0.2重量%のナトリウムメチラートを添加し、真空状態のまま20分間撹拌した。真空を開放した後、20rpmで油層を撹拌しながら8重量部の水を油層の上からシャワーリングして注いだ。この時、乳化はほとんど生じていなかった。そのまま40分間静置して油層、乳化層、水層を十分に分離させた後にフラスコ下部から水層と乳化層とを排出し、98.9重量部の脱臭処理に供するエステル交換油6を得た。該エステル交換油にはセッケンが21000ppm含まれておりセッケン残存量が多く、油脂の歩留りは96.8重量%であった。
実施例1で得られた脱臭処理に供する98重量部のエステル交換油1に対し、300重量部の水に0.017重量部のクエン酸を溶解させたクエン酸水溶液を添加し、150rpm、80℃、常圧の条件下で60分間撹拌し、その後静置した。静置開始より35分後には90%の水分が水層に沈降していた。このとき、乳化は生じていなかった。静置開始より45分後にフラスコ下部から水層を排出した後、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度400Paの条件下で加熱真空脱水を行い油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を97.5重量部得た。
実施例2で得られた97.2重量部のエステル交換油2に対し、200重量部の水に0.0085重量部のクエン酸を溶解させたクエン酸水溶液を添加し、150rpm、80℃、常圧の条件下で60分間撹拌し、その後静置した。静置開始より40分後には90%の水分が沈殿しており、静置開始より50分後に沈降した水層を除去した。このとき、乳化は生じていなかった。その後、100℃、真空度400Paの条件下で加熱真空脱水により油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したクエン酸を除去し、セッケン濃度35ppmの油層を96.2重量部得た。
実施例3で得られた97.8重量部のエステル交換油3に対し、400重量部の水に0.05重量部のリンゴ酸を溶解させたリンゴ酸水溶液を添加し、150rpm、90℃、常圧で40分間撹拌し、その後静置した。静置開始より30分後には90%の水分が沈降し油層、水層が十分に分離したので、そのまま水層を除去した。このとき、乳化は生じていなかった。その後、100℃、真空度400Paの条件下で加熱真空脱水により油脂中の水分を0.01重量%に調整し、ろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させ析出したリンゴ酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を97.3重量部得た。
比較例1で得られた脱臭処理に供するエステル交換油99.8重量部に対し、80重量部の水に1.22重量部のリンゴ酸を溶解させたリンゴ酸水溶液を添加し、150rpm、90℃、常圧の条件下で40分間撹拌し、その後静置した。静置開始より40分後には90%の水分が水層に沈降したので、そのままフラスコ下部から水層を排出した後、150rpmの撹拌速度で撹拌しながら、100℃、真空度400Paの条件下で加熱真空脱水を行い油脂中の水分を0.01重量%に調整した。続いてろ紙(Advantec定性ろ紙No1)を通過させて析出したリンゴ酸を除去し、セッケン濃度0ppmのエステル交換油を96.8重量部得た。
比較例3で得られた脱臭処理に供するエステル交換油6を98.9重量部セパラブルフラスコに入れ、15重量部の活性白土を添加した後、90℃、150rpm、真空度1330Paの条件下で40分間撹拌しながら真空状態にすることで、混合物全体の水分量を0.01重量%に調整し、白土を分離してセッケン濃度8ppmのエステル交換油を59.8重量部得た。
Claims (2)
- 動植物油脂を、アルカリ性物質を用いたエステル交換反応に付する第一工程、
前記エステル交換反応後に得られた油脂に、前記動植物油脂100重量部に対して10〜200重量部の液滴状の中性水を添加することで、前記油脂中で水滴を沈降させ、第一水層及び第一油層を含む液を得る第二工程、
第二工程で得た液から第一水層を除去して、残留セッケン分が350〜1200ppmのエステル交換油を得る第三工程
を含む、脱臭処理に供するためのエステル交換油の製造方法。 - 脱臭処理前に脱色処理を行い且つ脱色処理時に使用する吸着材が白土であることを特徴とする請求項1に記載のエステル交換油の製造方法。
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