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JP6451082B2 - ポリアミド樹脂 - Google Patents
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JP6451082B2 - ポリアミド樹脂 - Google Patents

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Description

本発明は、新規なポリアミド樹脂に関する。
ナイロン6、ナイロン66などに代表される結晶性ポリアミドは、その優れた特性と溶融成形の容易さから、衣料用、産業資材用繊維、あるいは汎用のエンジニアリングプラスチックとして広く用いられている。もちろん、自動車のエンジン周り等の高温下にさらされやすい部品にも用いられている。
WO2008/072754号公報 WO2008/123534号公報 WO2011/136263号公報
結晶性ポリアミドが、自動車のエンジン周り等の高温下にさらされやすい部品等に用いられる場合、高温での寸法安定性がより求められている。
本発明が解決しようとする課題は、固体粘弾性測定のE”のピーク(ガラス転移温度Tg)から見積もられる高温での寸法安定性に優れるポリアミド樹脂を提供することにある。
また、二酸化炭素排出量の抑制の観点から、バイオ燃料が近年用いられてきており、それに含まれるエタノールを外気に逃がさないようにする為に、エタノールバリア性に優れるポリアミド樹脂を提供することがより好ましい。
本発明は、ジカルボン酸由来の単位とジアミン由来の単位を含むポリアミド樹脂であって、
前記ジカルボン酸が、蓚酸化合物A(以下、「化合物A」とも言う。)を含み、
前記ジアミンが、下記式(1)の構造を持つジアミンB(以下、「化合物B」とも言う。)を含むポリアミド樹脂である。
Figure 0006451082
本発明によれば、(イ)融点Tmから見積もられる耐熱性に優れ、(ロ)温度差(Tm−Tc)とも言う)から見積もられる溶融成形性に優れ、(ハ)ガラス転移温度(Tg)から見積もられる高温での寸法安定性、(ニ)低吸水性、及び(ホ)エタノールバリア性に優れるポリアミド樹脂を提供することができる。
本発明のポリアミド樹脂は、
ジカルボン酸由来の単位とジアミン由来の単位を含むポリアミド樹脂であって、
前記ジカルボン酸が、蓚酸化合物A(化合物A)を含み、
前記ジアミンが、上記式(1)の構造を持つジアミンB(化合物B)を含むポリアミド樹脂であり、
好ましくは、更に、前記化合物B以外のジアミン(以下、「化合物C」とも言う。)を含むポリアミド樹脂であり、
好ましくは前記化合物Bが、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンであるポリアミド樹脂であり、
好ましくは前記化合物Bの由来の単位をジアミン由来の全単位に対して、50モル%以上含むポリアミド樹脂であり、
好ましくはガラス転移温度が104℃以上であるポリアミド樹脂であり、
好ましくは融点と結晶化温度との温度差が34℃以上であるポリアミド樹脂であり
好ましくは前記化合物Bと前記化合物Cのモル比が、100:0〜60:40であるポリアミド樹脂であり、
好ましくは前記化合物Bと前記化合物Cのモル比が、90:10〜60:40であるポリアミド樹脂である。
以下に、本発明のポリアミド樹脂の詳細について説明する。
(1)化合物A、B及びC
本発明のポリアミド樹脂の原料に用いる化合物Aは、蓚酸由来の単位をポリアミド樹脂に提供する化合物であり、蓚酸及び/又は蓚酸ジエステル等の蓚酸に由来した化合物である。化合物Aはアミノ基との反応性を有するものであればよい。重合温度を高くして、ポリアミドを製造する場合、蓚酸そのものを原料として使用すると、蓚酸が熱分解することもあることから、重合温度を高くして製造する場合の化合物Aは、蓚酸に由来した化合物が好ましい。
蓚酸に由来した化合物としては、重縮合反応における副反応を抑制する観点から、蓚酸ジエステルが好ましい。蓚酸ジエステルとしては、脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、脂環式アルコールの蓚酸ジエステル、及び芳香族アルコールの蓚酸ジエステルが挙げられる。
脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジメチル、蓚酸ジエチル、蓚酸ジn−(又はi−)プロピル、蓚酸ジn−(又はi−、又はt−)ブチルが挙げられ、アルコール残基の炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステルが好ましく、蓚酸ジn−ブチル、蓚酸ジi−ブチル及び/又は蓚酸ジt−ブチルがより好ましく、蓚酸ジn−ブチルが更に好ましい。なお、蓚酸ジエステルにおける2個のアルコール残基は同一でもよく、あるいは異なっていてもよい。
脂環式アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジシクロヘキシル等が挙げられる。
芳香族アルコールの蓚酸ジエステルとしては、蓚酸ジフェニル等が挙げられる。
蓚酸ジエステルとしては、炭素原子数が3を超える脂肪族1価アルコールの蓚酸ジエステル、脂環式アルコールの蓚酸ジエステル及び芳香族アルコールの蓚酸ジエステルよりなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、蓚酸ジn−ブチル、蓚酸ジi−ブチル及び/又は蓚酸ジt−ブチルがより好ましく、蓚酸ジn−ブチルがさらに好ましい。
これらの化合物Aは、単独で、あるいは2種以上で、ポリアミド樹脂の製造時に添加することができる。
化合物A以外の原料としては、化合物A以外のジカルボン酸、ジアミン、ラクタム、アミノカルボン酸等が挙げられる。
蓚酸化合物以外のジカルボン酸としては、脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン、芳香族ジカルボン酸およびそれに由来した化合物が挙げられる。
脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸が挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸が挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸が挙げられる。
これらの化合物A以外のジカルボン酸は、単独で、あるいは2種以上で、ポリアミド樹脂の製造時に添加することができる。
さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を化合物A以外のジカルボン酸の有無に関わらず、溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
化合物Aは、ポリアミド樹脂に用いる全ジカルボン酸中、得られるポリマーの吸水性の観点から、好ましくは、50モル%以上であり、より好ましくは80モル%以上であり、さらに好ましくは90モル%以上、さらに好ましくは95モル%以上、さらに好ましくは99モル%以上である。化合物Aの割合が多いと吸水性が低くなる傾向にある。
また、化合物Aは、ポリアミド樹脂に用いる全原料中、得られるポリマーの吸水性の観点から、好ましくは、10モル%以上であり、より好ましくは30モル%以上であり、さらに好ましくは49モル%以上である。
ジアミン成分としては、上記式(1)の構造を持つジアミン(化合物B)を用いる。式(1)中のR及びRは、例えば二価の単結合であるか、又は炭素数1〜3の炭化水素鎖であることが好ましく、炭素数1〜2の炭化水素鎖であることが更に好ましい。R及びRにおける炭化水素鎖の炭素数は同じでもよく、あるいは異なっていてもよい。高分子量化及び高融点化の観点から、式(1)中のR及びRがいずれもメチレン基であるビスアミノメチルシクロヘキサンが好ましい。ビスアミノメチルシクロヘキサンの中では1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン、1,4−ビスアミノメチルシクロヘキサンが更に好ましく、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンが一層好ましい。
本発明のポリアミド樹脂は、化合物B以外のジアミン(化合物C)をジアミン成分として含んでもよい。化合物Cのジアミンとしては、たとえば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の脂肪族ジアミン、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミン等の脂環式ジアミン、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル等の芳香族ジアミン等が挙げられ、これらを単独で、あるいは二種以上で、製造時に添加することができる。化合物Cのジアミンとしては、脂肪族ジアミンが好ましく、炭素数4〜12の直鎖又は分岐鎖の脂肪族ジアミンがより好ましい。
これらの中でも、ポリアミド樹脂の高分子量化、及び、原料の供給安定性の観点から、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミン、1,10−デカンジアミンからなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましく、得られるポリマーの融点、吸水性、エタノールバリア性のバランスのから、1,6−ヘキサメチレンジアミンがより好ましい。
先に述べたラクタムとしては、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、ω−ラウロラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、ε−カプロラクタム及び/又はω−ラウロラクタムが好ましい。
アミノカルボン酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンドデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。これらは1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンドデカン酸及び/又は12−アミノドデカン酸が好ましい。
本発明に用いられるポリアミド樹脂は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができる。高分子量化及び生産性の観点からは、好ましくは、原料をバッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより製造する。より好ましくは、原料を前重縮合工程と後重縮合工程とからなる二段重合法又はWO2008−072754公報記載の加圧重合法によって製造する。
溶融成形性に優れ、かつ耐熱性、高温での寸法安定性、低吸水性、エタノールバリア性に優れるポリアミドを得るために、化合物Bと化合物Cのモル比は、モル%比で、化合物B:化合物Cで表して、100:0〜50:50であることが好ましく、97:3〜50:50であることがより好ましく、95:5〜55:45であることが更に好ましく、90:10〜55:45であることが更に好ましく、85:15〜60:40であることが更に好ましい。なお、以下、化合物Bと化合物Cとのモル比は、ポリアミド樹脂中の化合物B由来の単位と化合物C由来の単位のモル比も意味する。
(2)ポリアミド樹脂の熱特性と低吸水性
本発明のポリアミド樹脂は、更に、化合物B及びCの重縮合比率を変更することで、融点Tmを、化合物Aと、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを重縮合して得られるポリアミド樹脂(以下、比較ポリアミド樹脂1とも言う。)、及び化合物Aと、ヘキサメチレンジアミン、1,9−ノナンジアミン及び2−メチル−1,8−オクタンジアミンとを重縮合して得られるポリアミド樹脂(以下、比較ポリアミド樹脂2ともいう)に比べて高くすることができる。また、本発明のポリアミド樹脂は、化合物B及びCの重縮合比率を変更することで、融点Tmを、化合物Aと、1,6−ヘキサンジアミン及び2−メチル−1,5−ペンタンジアミンとを重縮合して得られるポリアミド樹脂(以下、比較ポリアミド樹脂3とも言う。)と同等かそれよりも高くすることができる。
本発明のポリアミド樹脂は、更に、化合物B及びCの重縮合比率を変更することで、融点Tmと結晶化温度Tcとの温度差である(Tm−Tc)を、比較ポリアミド樹脂1、2および3に比べて大きくすることができる。また、ガラス転移温度(Tg)を、比較ポリアミド樹脂1、2および3に比べて高くすることができる。更に、飽和吸水率を、比較ポリアミド樹脂1及び2に比べて大きくすることができ、比較ポリアミド樹脂3に比べて小さくすることができる。更に、エタノール透過係数を、比較ポリアミド樹脂1から3に比べて小さくすることができる。
すなわち、本発明のポリアミド樹脂は、従来のポリオキサミド樹脂と比較して、(イ)融点Tmから見積もられる耐熱性、(ロ)融点Tmと結晶化温度Tcとの温度差(Tm−Tc)から見積もられる溶融成形性、(ハ)ガラス転移温度(Tg)から見積もられる高温での寸法安定性、(ニ)低吸水性、及び(ホ)エタノールバリア性のいずれをも十分に確保することができる。
本発明のポリアミド樹脂では、耐熱性、溶融成形性、高温での寸法安定性、低吸水性、及びエタノールバリア性のいずれをも十分に確保する観点から、Tmは、好ましくは250〜318℃、より好ましくは260〜300℃である。Tcは、好ましくは210〜271℃、より好ましくは215〜260℃である。温度差(Tm−Tc)は、好ましくは34〜47℃であり、より好ましくは35〜47℃である。Tgは、好ましくは120〜138℃、より好ましくは122〜135℃である。飽和吸水率は、好ましくは1.7〜2.2である。エタノール透過係数は、好ましくは0.001〜0.02g・mm・m−2・d−1・atm−1、特に好ましくは0.003〜0.018g・mm・m−2・d−1・atm−1である
融点Tm及び結晶化温度Tcの測定方法の概略は先に述べたとおりであるところ、それらの詳細、並びにガラス転移温度Tg及び飽和吸水率及びエタノール透過係数の詳細な測定方法は、後述する実施例において説明する。
なお、Tcは、固化速度を適度にして溶融成形性を確保する観点からも上記範囲が好適である。温度差(Tm−Tc)は、結晶化速度を適度の大きさに抑制して、成形品の物性を確保する観点からも上記範囲が好適である。
(3)ポリアミド樹脂の製造
本発明のポリアミド樹脂は、ポリアミドを製造する方法として知られている任意の方法を用いて製造することができるが、高分子量化及び生産性の観点から、好ましくは、ジアミン及び蓚酸ジエステルを、バッチ式又は連続式で重縮合反応させることにより得ることができる。
具体的には、以下の操作で示されるような、(i)前重縮合工程、(ii)後重縮合工程の順で行うのがより好ましい。
(i)前重縮合工程:まず反応器内を窒素置換した後、ジアミン(化合物B、又は化合物B及びC)並びに化合物Aを混合する。混合する場合にジアミン及び化合物Aが共に可溶な溶媒を用いても良い。ジアミン成分及び化合物Aが共に可溶な溶媒としては、例えばトルエン、キシレン、トリクロロベンゼン、フェノール、トリフルオロエタノールなどを用いることができる。特にトルエンを好ましく用いることができる。例えば、ジアミンを溶解したトルエン溶液を50℃に加熱した後、これに対して蓚酸ジエステルなどの蓚酸源成分を加える。
このとき、化合物Aと上記ジアミンの仕込み比は、高分子量化の観点から、化合物A/上記ジアミンで、0.8〜1.5(モル比)が好ましく、0.91〜1.1(モル比)が、より好ましく、0.99〜1.01(モル比)がさらに好ましい。
このように仕込んだ反応器内を攪拌及び/又は窒素バブリングしながら、常圧下で昇温する。反応温度は、最終到達温度が80〜150℃、特に100〜140℃の範囲になるように制御するのが好ましい。最終到達温度での反応時間は好ましくは3時間〜6時間である。
(ii)後重縮合工程:更に高分子量化を図るために、前重縮合工程で生成した重合物を常圧下において反応器内で徐々に昇温する。昇温過程において前重縮合工程の最終到達温度、すなわち好ましくは80〜150℃から、最終的に、好ましくは265℃以上350℃以下、より好ましくは265℃以上345℃以下、更に好ましくは270℃以上340℃以下、更に好ましくは270℃以上335℃以下の温度範囲にまで到達させる。昇温時間を含めて好ましくは1〜8時間、より好ましくは2〜6時間保持して反応を行うことが好ましい。更に後重合工程において、必要に応じて減圧下での重合を行うこともできる。減圧重合を行う場合の好ましい最終到達圧力は0.1MPa未満〜13.3Paである。
(4)ポリアミド樹脂におけるジカルボン酸として使用できる成分
本発明のポリアミド樹脂においては、本発明の効果を損なわない範囲で、化合物A以外の他のジカルボン酸成分を使用することができる。
化合物A(蓚酸)以外の他のジカルボン酸成分としては、例えば脂肪族ジカルボン酸、脂環式ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を用い、重縮合反応時に添加することができる。
脂肪族ジカルボン酸としては、マロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、2,2−ジメチルグルタル酸、3,3−ジエチルコハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などが挙げられる。
脂環式ジカルボン酸としては、1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などが挙げられる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジ安息香酸、4,4’−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4’−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4’−ジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などが挙げられる。
上述した他のジカルボン酸成分に加えて、更に、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸などの多価カルボン酸を溶融成形が可能な範囲内で用いることもできる。
他のジカルボン酸成分を使用する場合、その割合は、化合物A(蓚酸)に対して、25モル%以下が好ましく、15モル%以下が更に好ましく、10モル%以下が一層好ましく、5モル%以下が更に一層好ましく、0モル%(すなわち、ジカルボン酸成分が化合物Aだけからなること)が特に好ましい。なお、化合物A(蓚酸)に対する他のジカルボン酸成分のモル比は、ポリアミド樹脂中の、化合物A由来の単位と他のジカルボン酸成分由来の単位のモル比も意味する。
本発明のポリアミド樹脂においては、本発明の効果を損なわない範囲で、化合物B及びC以外の他のジアミン成分を使用することができる。
他のジアミン成分としては、脂肪族ジアミン、脂環式ジアミン、芳香族ジアミンなどを単独で、あるいはこれらの任意の混合物を用い、重縮合反応時に添加することができる。
脂肪族ジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、1,4−ブタンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミンなどが挙げられる。
脂環式ジアミンとしては、シクロヘキサンジアミン、メチルシクロヘキサンジアミン、イソホロンジアミンなどが挙げられる。
芳香族ジアミンとしては、p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
他のジアミン成分を使用する場合、その割合は、化合物B及びCに対して好ましくは25モル%以下であり、15モル%以下が更に好ましく、10モル%以下が一層好ましく、5モル%以下が更に一層好ましく、0モル%(すなわち、ジアミン成分が化合物B及びCだけからなること)が特に好ましい。なお、化合物B及びCに対する他のジアミン成分のモル比は、ポリアミド樹脂中の、化合物B及びC由来の単位と他のジアミン成分由来の単位のモル比も意味する。
本発明のポリアミド樹脂には、本発明の効果を損なわない範囲で、他のポリオキサミドや、芳香族ポリアミド、脂肪族ポリアミド、脂環式ポリアミドなどポリアミド類を混合することが可能である。
本発明のポリアミド樹脂には、更に、ポリアミド以外の熱可塑性ポリマー、エラストマー、フィラーや、補強繊維、各種添加剤を同様に配合することができる。
更に、本発明のポリアミド樹脂には必要に応じて、銅化合物などの安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定化剤、酸化防止剤、帯電防止剤、難燃剤、結晶化促進剤、ガラス繊維、可塑剤、潤滑剤などを重縮合反応時、又はその後に添加することもできる。
(6)ポリアミド樹脂の成形加工
本発明のポリアミド樹脂の成形方法としては、射出、押出、中空、プレス、ロール、発泡、真空・圧空、延伸などポリアミドに適用できる公知の成形加工法がすべて可能である。これらの成形法によって本発明のポリアミド樹脂をフィルム、シート、成形品、繊維などに加工することができる。
(7)ポリアミド成形物の用途
本発明のポリアミド樹脂から得られる成形物は、従来ポリアミド成形物が用いられてきた各種成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維、容器等として自動車部材、コンピューター及び関連機器、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。
[物性測定、成形、評価方法]
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより何ら制限されるものではない。なお、実施例中の相対粘度、数平均分子量、融点、結晶化温度、1%重量減少温度、ガラス転移温度、飽和吸水率及びエタノール透過係数の測定は以下の方法により行った。
(1)相対粘度ηr
ηrはポリアミド濃度1.0g/dlの硫酸溶液(硫酸濃度:96重量%)を使用してオストワルド型粘度計を用いて25℃で測定した。
(2)数平均分子量(Mn)
数平均分子量(Mn)は、H−NMRスペクトルから求めたシグナル強度をもとに、例えば、蓚酸源として蓚酸ジブチル、ジアミン成分として1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(化合物B)と1,6−ヘキサンジアミン(化合物C)を90:10のモル%比で用いて製造したポリアミド〔以下、PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)と略称する〕の場合は下式により算出した。
Mn=np×193.65+n(NH)×138.63+n(OBu)×129.13+n(NHCHO)×29.14
なお、H−NMRの測定条件は以下のとおりである。
・使用機種:ブルカー・バイオスピン社製 AVANCE500
・溶媒:重硫酸
・積算回数:1024回
また、前記式中の各項は以下のように規定される。
・np=Np/[(N(NH)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NH)=N(NH)/[(N(NH2)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(NHCHO)=N(NHCHO)/[(N(NH)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・n(OBu)=N(OBu)/[(N(NH)+N(NHCHO)+N(OBu))/2]
・Np=Sp/sp−N(NHCHO)
・N(NH)=S(NH)/s(NH
・N(NHCHO)=S(NHCHO)/s(NHCHO)
・N(OBu)=S(OBu)/s(OBu)
ただし、各項は以下の意味を有する。
・Np:PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端ユニットを除いた、分子鎖中の繰り返しユニット総数。
・np:分子1本当たりの分子鎖中の繰り返しユニット数。
・Sp:PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端を除いた、分子鎖中の繰り返しユニット中のオキサミド基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(3.1ppm付近)の積分値。
・sp:積分値Spにカウントされる水素数(4個)。
・N(NH):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端アミノ基の総数。
・n(NH):分子1本当たりの末端アミノ基の数。
・S(NH):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端アミノ基に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(2.6ppm付近)の積分値。
・s(NH):積分値S(NH)にカウントされる水素数(2個)。
・N(NHCHO):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端ホルムアミド基の総数。
・n(NHCHO):分子1本当たりの末端ホルムアミド基の数。
・S(NHCHO):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)のホルムアミド基のプロトンに基づくシグナル(7.8ppm)の積分値。
・s(NHCHO):積分値S(NHCHO)にカウントされる水素数(1個)。
・N(OBu):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端ブトキシ基の総数。
・n(OBu):分子1本当たりの末端ブトキシ基の数。
・S(OBu):PA−BAC/6(化合物B/化合物C=90/10)の末端ブトキシ基の酸素原子に隣接するメチレン基のプロトンに基づくシグナル(4.1ppm付近)の積分値。
・s(OBu):積分値S(OBu)にカウントされる水素数(2個)。
(3)融点Tm、及び結晶化温度Tc
Tm及びTcは、PerkinELmer社製PYRIS Diamond DSCを用いて窒素雰囲気下で測定した。
Tm及びTcは、以下の手順で測定した。
・30℃から330℃まで10℃/分の速度で昇温する(昇温ファーストランと呼ぶ)。
・340℃で3分保持したのち、30℃まで10℃/分の速度で降温する(降温ファーストランと呼ぶ)。
・次に330℃まで10℃/分の速度で昇温する(昇温セカンドランと呼ぶ)。
得られたDSCチャートから降温ファーストランの発熱ピーク温度をTcとし、昇温セカンドランの吸熱ピーク温度をTmとした。
(4)ガラス転移温度Tg
TgはT.Aインスツルメンツ株式会社製固体粘弾性アナライザーRSAIIIを用いて測定した。固体粘弾性の測定は、引っ張りモードの動的測定、温度走査を2℃/ステップ、保持時間30秒、周波数1.0Hz、ひずみ0.2〜2%自動設定、温度範囲−110℃から測定限界まで、窒素気流下の条件で行った。損失弾性率E”のピーク温度をガラス転移温度Tgとした。
(5)フィルム成形
東邦マシナリー社製真空プレス機TMB−10を用いてフィルム成形を行った。500〜700Paの減圧雰囲気下、330℃で5分間にわたりポリアミド樹脂を加熱溶融させた後、5MPaで1分間プレスを行いフィルム成形した次に減圧雰囲気を常圧まで戻したのち室温5MPaで1分間冷却結晶化させてフィルムを得た。
(6)飽和吸水率
ポリアミド樹脂を(5)の条件で成形したフィルム(寸法:20mm×10mm、厚さ0.25mm;重量約0.05g)を、23℃のイオン交換水に浸漬し、所定時間ごとにフィルムを取り出し、フィルムの重量を測定した。フィルム重量の増加率が0.2%の範囲で3回続いた場合にポリアミド樹脂フィルムへの水分の吸収が飽和に達したと判断して、水に浸漬する前のフィルムの重量(Xg)と飽和に達した時のフィルムの重量(Yg)から下記式により飽和吸水率(%)を算出した。
Figure 0006451082



(7)エタノール透過係数
上記(5)の条件で成形したフィルム(寸法:直径60mm、厚さ:0.13mm)に対し、GTRテック社製の差圧式ガス・蒸気・液体透過率測定装置(GTR-30XAUB)を用いて、60℃でフィルムとエタノールの蒸気を接触させ、フィルムを透過するエタノール量を測定し、透過するエタノール量が定常に達した点でのエタノール透過係数を求めた。エタノール透過係数が小さいものほどエタノールバリア性が高い。
[実施例1]
(i)前重縮合工程:撹拌機、還流冷却器、窒素導入管、原料投入口を備え、内容積が1Lであるセパラブルフラスコの内部を、純度が99.9999%の窒素ガスで置換した。次いでこのセパラブルフラスコに、脱水済みトルエン500ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン71.8738g(0.0152モル)を仕込んだ。このセパラブルフラスコをオイルバス中に設置して50℃に昇温した後、蓚酸ジブチル102.1956g(0.5053モル)を仕込んだ。次にオイルバスの温度を130℃まで昇温し、還流下、5時間反応を行った。なお、原料仕込みから反応終了までのすべての操作は50ml/分の窒素気流下で行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた前重合物を、撹拌機、空冷管、窒素導入管を備えた直径約35mmφのガラス製反応管に仕込み、反応管内を13.3Pa以下の減圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを導入する操作を5回繰り返した。その後、50ml/分の窒素気流下で210℃に保った塩浴に移し、直ちに昇温を開始した。1時間かけて塩浴の温度を330℃とした後、容器内を約66.5Paまで減圧し、更に2時間反応させた。続いて常圧まで窒素ガスを導入したのち、塩浴から取り出し50ml/分の窒素気流下で室温まで冷却してポリアミド樹脂を得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。
[実施例2]
前重合工程において容積が500mlのセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン200ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン19.1171g(0.1344モル)、1,6−ヘキサンジアミン1.7314g(0.0149モル)、蓚酸ジブチル30.1957g(0.1493モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を315℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。このポリアミドから成形したフィルムは無色の強靭なフィルムであった。
[実施例3]
(i)前重縮合工程:撹拌機、空冷管、窒素導入管、原料投入口を備え、内容積が5リットルであるセパラブルフラスコの内部を、純度が99.9999%の窒素ガスで置換し、蓚酸ジブチル1211g(5.9876モル)を仕込んだ。この容器を20℃に保ち、攪拌しながら1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン596.2g(4.1913モル)、及び1,6−ヘキサンジアミン208.7g(1.7963モル)を加え、重縮合反応を行った。なお、原料仕込みから反応終了までのすべての操作は200ml/分の窒素気流下で行った。
(ii)後重縮合工程:上記操作によって得られた前重合物を、攪拌機、温度計、トルクメーター、圧力計、窒素ガス導入口及びポリマー取り出し口を備えた5Lの圧力容器に仕込んだ。圧力容器内を3.0MPa以上の加圧下に保ち、次に常圧まで窒素ガスを放出する操作を5回繰り返した後、窒素気流及び常圧下、系内を昇温した。1.5時間かけて内部温度を120℃にした。このとき、ブタノールの留出を確認した。ブタノールを留出させながら5時間かけて290℃まで昇温し、2時間反応させた。その後、系内を285℃に降温し、攪拌を止め25分間静置した後に系内を窒素で3.5MPaに加圧し、重合物を圧力容器下部より紐状に抜き出した。紐状の重合物を直ちに水冷し、水冷した紐状の重合物をペレタイザーによってペレット化した。得られた重合物は白色の強靭なポリマーであった。
[実施例4]
前重合工程において容積が500mlのセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン200ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン12.6565g(0.0890モル)、1,6−ヘキサンジアミン6.8907g(0.0593モル)、及び蓚酸ジブチル29.9885g(0.1483モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を280℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。このポリアミドから成形したフィルムは無色透明の強靭なフィルムであった。
[実施例5]
前重合工程において容積が500mlのセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン200ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン19.0488g(0.1339モル)、1,10−デカンジアミン2.5674g(0.0149モル)、及び蓚酸ジブチル30.0861g(0.1488モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を310℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。このポリアミドから成形したフィルムは白色の強靭なフィルムであった。
[実施例6]
前重合工程において容積が500mlのセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン200ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン14.8214g(0.1042モル)、1,10−デカンジアミン7.6850g(0.0446モル)、及び蓚酸ジブチル30.1029g(0.1488モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を280℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。このポリアミドから成形したフィルムは白色不透明の強靭なフィルムであった。
[実施例7]
前重合工程において容積が500mlのセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン200ml、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン12.6736g(0.0891モル)、1,10−デカンジアミン10.2352g(0.0594モル)、及び蓚酸ジブチル30.0245g(0.1485モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を270℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色の強靭なポリマーであった。このポリアミドから成形したフィルムは白色不透明の強靭なフィルムであった。
[比較例1]
前重合工程において300ミリLの容積を持つセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン100ml、1,9−ノナンジアミン13.3596g(0.0844モル)、2−メチル−1,8−オクタンジアミン2.3584g(0.0149モル)及び蓚酸ジブチル20.0852g(0.0993モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を260℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは無色透明のポリマーであった。
[比較例2]
前重合工程において300ミリLの容積を持つセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン100ml、1,9−ノナンジアミン8.0400g(0.0508モル)2−メチル−1,8−オクタンジアミン1.4188g(0.009モル)、1,6−ヘキサンジアミン4.6294g(0.0398モル)、及び蓚酸ジブチル20.1352g(0.0996モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を270℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色のポリマーであった。
[比較例3]
前重合工程において300ミリLの容積を持つセパラブルフラスコを使用し、脱水済みトルエン100ml、1,6−ヘキサンジアミン6.0656g(0.0522モル)、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン6.0652g(0.0522モル)、及び蓚酸ジブチル21.1149g(0.1044モル)を仕込み、後重合工程の昇温後の塩浴の温度を280℃とした他は、実施例1と同様に反応を行ってポリアミドを得た。得られたポリアミドは白色のポリマーであった。
実施例1〜7及び比較例1〜3によって得られたポリアミドのジアミン組成、相対粘度ηr、融点Tm、結晶化温度Tc、1%重量減少温度Td、温度差(Tm−Tc)、ガラス転移温度Tg、飽和吸水率、及びエタノール透過係数を表1に示す。
Figure 0006451082
表1に示す結果から明らかなとおり、実施例1〜7のポリアミド樹脂は、従来のポリオキサミド樹脂(比較例1〜3)と比較して、(イ)融点Tmから見積もられる耐熱性、(ロ)温度差(Tm−Tc)から見積もられる溶融成形性、(ハ)ガラス転移温度(Tg)から見積もられる高温での寸法安定性、(ニ)低吸水性、及び(ホ)エタノール透過係数から見積もられるエタノールバリア性のいずれをも十分に確保することができることが判る。
本発明のポリアミド樹脂は、耐熱性、高温での寸法安定性、低吸水性、及びエタノールバリア性などに優れ、溶融成形加工性に優れたポリオキサミド樹脂である。したがって本発明のポリアミド樹脂は、例えば産業資材、工業材料、家庭用品などの成形材料として好適に使用することができる。具体的には、各種射出成形品、シート、フィルム、パイプ、チューブ、モノフィラメント、繊維等として自動車部材(特にエンジン周りに用いられる部材)、光学機器部材、電気・電子機器、情報・通信関連機器、精密機器、土木・建築用品、医療用品、家庭用品など広範な用途に使用できる。

Claims (7)

  1. ジカルボン酸由来の単位とジアミン由来の単位のみからなるポリアミド樹脂であって、
    前記ジカルボン酸が、蓚酸化合物Aを含み、
    前記ジアミンが、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンを含むポリアミド樹脂。
  2. 更に、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン以外のジアミンCを含む請求項1に記載のポリアミド樹脂。
  3. 1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン由来の単位をジアミン由来の全単位に対して、50モル%以上含む請求項1又は2に記載のポリアミド樹脂。
  4. ガラス転移温度が104℃以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  5. 融点と結晶化温度との温度差が34℃以上である請求項1〜のいずれか1項に記載のポリアミド樹脂。
  6. 1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンと前記ジアミンCとのモル比が、100:0〜60:40である請求項2に記載のポリアミド樹脂。
  7. 1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサンと前記ジアミンCのモル比が、90:10〜60:40である請求項に記載のポリアミド樹脂。
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