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JP6453326B2 - 電気泳動用ゲル緩衝液及び電気泳動用ポリアクリルアミドゲル - Google Patents
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JP6453326B2 - 電気泳動用ゲル緩衝液及び電気泳動用ポリアクリルアミドゲル - Google Patents

電気泳動用ゲル緩衝液及び電気泳動用ポリアクリルアミドゲル Download PDF

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Description

(関連分野の相互参照)
本願は、2014年7月4日に出願した特願2014-139196号明細書(その全体が参照により本明細書中に援用される)の優先権の利益を主張するものである。
(技術分野)
本発明は、電気泳動用ゲル緩衝液及び電気泳動用ポリアクリルアミドゲルに関する。
ポリペプチド、タンパク質または核酸などの分子をポリアクリルアミドゲル電気泳動で分離する手法は、当該分子を分子量の大きさに応じて分離する基本的なシステムであり、生命科学研究に欠かせない基盤技術である。電気泳動システムは1960年代にOrnstein(非特許文献1)やDavis(非特許文献2)により発明され、その後Laemmliにより改良され(非特許文献3)、Laemmli法は現在最も使用されるSDS(ドデシル硫酸ナトリウム)−ポリアクリルアミドゲル電気泳動システムになった。しかしLaemmli法のゲルは分離ゲルが375mM Tris/pH8.8の塩基性のゲル緩衝液から成り、ゲルの主成分であるアクリルアミドが塩基性条件下では不安定で加水分解されてしまうため長期保存には適さなかった。
近年になってUpdykeらにより発明されたビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン(Bis−Tris)ゲルは中性のゲル緩衝液であり、中性の電気泳動緩衝液(Tris−MOPS緩衝液あるいはTris−MES緩衝液)と組み合わせたシステムであるため、ゲルの長期保存が可能になった上に泳動中の環境を中性に保つことが可能になった(特許文献1)。一方、Laemmli法のゲル緩衝液(Tris)のpHをただ中性にしただけで長期保存が可能になった電気泳動ゲルも開発されたが(特許文献2)、泳動緩衝液にはTris−HEPES緩衝液を使用する必要があった。このように、いずれのシステムも従来使用されてきたLaemmli法の泳動用緩衝液を用いて分子を分離することはできず、泳動中の環境が中性なため、還元処理したタンパク質が再酸化されないように還元剤を添加する必要がある。またタンパク質の移動度や分画分子量範囲に関してはLaemmli法のシステムとは一致しないため、これまで蓄積されてきたデータとの相関性を容易にとることができない。
そこで、Laemmli法の泳動用緩衝液を使用できる弱酸性ゲルとして、トリス、グリシンと塩基解離定数pKbが8.3<pKb<9.6の範囲の共存両性電解質とから成る両性電解質を含む電気泳動用ポリアクリルアミドプレキャストゲルが特許文献3に開示されており、このプレキャストゲルは、半年から1年以上ゲルの形状、泳動像に変化が無いとある。しかし、高電圧および/または高電流条件下での高速泳動分離に関する技術は開示されていない。
米国特許第5578180号 米国特許第6733647号 特許第3942001号
Ann. NY Acad. Sci. 121, 321-349(1964) Ann. NY Acad. Sci. 121, 404-427(1964) Nature 227, 680-685(1970)
実際に特許文献3に記載のゲルを使用して高電圧条件下で高速泳動を行ったところ、ゲル上に界面が生じ、バンドの形状が乱れることが判明した。高電圧および/または高電流条件下での高速泳動分離技術は、泳動中にゲルおよび泳動緩衝液が高温下にさらされるため、バンドの形状と移動度を維持した高い分離能を得ることは決して容易ではない。
そこで本発明では、冷蔵で半年以上という長期間にわたり品質が安定に保持できると共に、電気泳動にLaemmli法の泳動緩衝液およびその他の緩衝液(Tris−MOPS等)を含む種々の泳動緩衝液を用いることができ、かつ高電圧および/または高電流泳動条件下でゲル上に界面を生じさせずに高い分離能が得られるゲル緩衝液および該ゲル緩衝液を使用して作製した電気泳動用ゲルを提供する。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討し、グリシンを電気泳動用ゲル緩衝液の両性電解質として用い、それと組み合わせて酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオンを用いた場合に、高電圧および/または高電流条件下での高速泳動を行った場合でもゲル上に界面を生じさせることなく、高い分離能が得られることを見出した。
なお、本明細書における双性イオンの酸解離定数pKaの数値はCRC handbook of Chemistry and Physics, 90th edition, internet version 2010の記載に基づいて定めている。
本発明は以下の通りである。
[1]電気泳動用ゲル緩衝液であって、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間である、電気泳動用ゲル緩衝液。
[2]前記緩衝剤の濃度が50mM〜300mMであり、前記グリシンの濃度が10mM〜1000mMであり、前記少なくとも1種類の双性イオンの濃度が10mM〜200mMである項1に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
[3]前記双性イオンはアラニン、アルギニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される項1または2に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
[4]糖、多価アルコール、および塩から選択される1または複数の添加物をさらに含む項1〜3のいずれか一項に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
[5]項1〜4のいずれか一項に記載の電気泳動用ゲル緩衝液を用いて製造される電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
[6]トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含む、電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
[7]プレキャストゲルである項5または6に記載の電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
[8]項5〜7のいずれか一項に記載の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルを用いたポリペプチド、タンパク質または核酸の分離方法。
[9]アクリルアミド;架橋剤;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含む混合物を、pHが5.5〜7.5の範囲にある条件で重合開始剤の存在下で重合することを特徴とする電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの製造方法。
本発明のゲル緩衝液および該ゲル緩衝液を使用して作製した電気泳動用ゲルは長期間安定であるため、均一で長期間安定した品質を保つプレキャストゲルを、大量に生産し保存しておくことが出来る。よって、プレキャストゲルを必要時に迅速に供給することが可能である。
また、本発明のゲル緩衝液を用いれば、従来使用されてきたLaemmli法の泳動緩衝液を使用できるため、Laemmli法においてこれまで蓄積されてきたデータ(同様の分画分子量範囲、分子の移動度、泳動パターン)との相関性もとれるため、データの信頼性が向上する。また、Laemmli法以外の泳動緩衝液をも使用できるため、汎用性にも優れている。
さらには、本発明のゲル緩衝液を用いて作成されたポリアクリルアミドゲルは、高電圧および/または高電流条件下でも、電気泳動のバンドの形状および/またはパターンが乱れず、ゲル上に界面を生じさせずに高い分離能が得られる。
酸解離定数が異なる双性イオン含有ゲルの電気泳動パターンを示す。A:Laemmli法に準拠したゲル、B:双性イオン不含ゲル、C:セリン含有ゲル、D:タウリン含有ゲル、E:アラニン含有ゲル、F:プロリン含有ゲル、G:6−アミノカプロン酸含有ゲル。c:ニワトリ筋肉抽出液、p:ヒト血漿サンプル、m:分子量マーカー。矢印:界面を示す。 pKa<9.6の双性イオン含有ゲルを使用した電気泳動で生じるゲル上の界面を示す。C′:セリン含有ゲル、D′:タウリン含有ゲル、E′:アラニン含有ゲル。四角(破線):C′及びD′では界面を示す。E′には界面がない。 150V、300V、500Vの定電圧条件で泳動した電気泳動パターンを示す。Aは150Vで80分間、Bは300Vで30分間、Cは500Vで15分間通電。c:ニワトリ筋肉抽出液、m:分子量マーカー、p:ヒト血漿サンプル。
以下、本発明の電気泳動用ゲル緩衝液の組成および使用方法、ならびにかかる電気泳動用ゲル緩衝液を用いて製造される電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの組成および使用方法について、その好ましい態様を説明する。
本発明の電気泳動用ゲル緩衝液は、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、 ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間である。
緩衝剤としてはトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンが好ましい。トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンの濃度はゲル緩衝液中で通常50mM〜300mMの間であれば良く、好ましくは70mM〜150mM、より好ましくは80mM〜100mMの間である。ゲル緩衝液に含有されるトリス濃度が高いと低分子領域が検出できなくなり、電流が多くなるため泳動中のゲルが高温になり、バンドの形状が乱れる結果となる。
グリシンと酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオンとは、いずれも両性電解質である。両性電解質は、分子内に酸性の官能基と塩基性の官能基を有するものであり、pH=pKa値では官能基が解離して正と負の荷電量が等しくなり電気的に中性になる。またpKa値より低いpHでは酸性の官能基が正に荷電して陽イオンとして、pKa値より高いpHでは塩基性の官能基が負に荷電して陰イオンとして挙動する双性イオンである。通電開始後、電気泳動ゲル内に含まれる酸が電離して陽極側に移動し、ゲルから泳動緩衝液に抜けるとゲルのpHが高くなる。すると、両性電解質は自身のpKa値より高いpHでは負に荷電するため陽極へ移動を開始する。pKa値が低い両性電解質ほど、早く陽極側への移動を開始する。本発明のゲル内に含有されるグリシンのpKa値は9.6であるため、共存する双性イオンのpKa値が9.6よりも大きければ、グリシンよりも遅れて陽極側に移動するようになり、ゲル内の電位勾配が平衡に達することもなく界面を生じない電気泳動が可能になると考えられる。
グリシンの濃度はゲル緩衝液中で通常10mM〜1000mMの間であれば良く、好ましくは100mM〜500mM、より好ましくは180mM〜300mMの間である。ゲル緩衝液に含有されるグリシン濃度が極端に低いと分画範囲が狭くなり、高分子量領域の分離は良くなるが、低分子量領域の分離が悪くなる結果となる。グリシンの濃度はモル比でゲル緩衝液中の両性電解質のうちの10%以上、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、特に好ましくは80%以上を占める。
少なくとも1種類の双性イオンは酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である化合物及びそれらの誘導体であればよく、具体的には、アラニン、アルギニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸などのアミノ酸、CAPS(3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸)、ならびにそれらの組み合わせなどが挙げられるがこれらに限定されない。少なくとも1種類の双性イオンの濃度はゲル緩衝液中で通常10mM〜200mM、好ましくは20mM〜100mM、より好ましくは20mM〜50mMの間である。本発明によれば、双性イオンの酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である場合に、高電圧および/または高電流条件下での高速泳動による分離において、ゲル上に両性電解質に起因する界面を生じさせずに高い分離能が得られる。双性イオンの酸解離定数pKaは好ましくは9.6<pKa<11である。
本発明のゲル緩衝液に含まれる少なくとも1種類の酸は、ゲル緩衝液のpHを弱酸性から中性領域に保つと同時にバンドの形状をシャープにし、泳動速度のコントロールおよびバンドの分離を良くする働きがある。酸にはクエン酸、グリコール酸、マレイン酸、リン酸、酢酸、ホウ酸などの弱酸や、塩酸、硫酸、硝酸などの強酸が挙げられるが、これらに限定されない。1種または2種以上の弱酸と弱酸、弱酸と強酸および強酸と強酸の組み合わせでもよい。特に酢酸、硫酸、塩酸が好ましく、酢酸と塩酸の組合せが最も好ましい。また、少なくとも1種類の酸は上記緩衝剤の塩として添加されてもよい。酸はゲル緩衝液のpH調製のために使用されるため、濃度は特に限定されないが、ゲル緩衝液中で通常10mM〜300mMである。共存する濃度は、例えば酢酸が10mM〜50mMで塩酸が10mM〜100mMの範囲内であることが好ましい。
ゲル緩衝液を酸で中和した際のpHは5.5〜7.5の範囲内であればよく、好ましくはpH5.5〜7.0、より好ましくはpH6.0〜6.5の範囲内に合わせる。pH7 .5よりも高い場合、ポリアクリルアミドゲルの加水分解が進行し易くなり、保存期限を長くのばすことが出来ない。pH5.5より低い場合、ポリアクリルアミドゲルの加水分解は進行しにくいが、分子の泳動像が不鮮明となる。pHを5.5〜7.5にすることにより、アクリルアミドの加水分解速度が減少し、冷蔵で半年以上、特には1年以上の長期間ゲルの性能および形状は安定である。
また、緩衝剤と少なくとも1種類の酸の含有量比は、重量比で、好ましくは15:1〜1:3である。グリシンおよび9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオンの総和と少なくとも1種類の酸の含有量比は、重量比で、好ましくは25:1〜2.5:1である。
本発明のゲル緩衝液は、糖(例:スクロース、グルコース、ガラクトース、フルクトース、ソルビトール、トレハロース、デキストラン)、多価アルコール(例:グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール)、有機塩および無機塩を含む塩(例:塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カリウム、及びリン酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム)、等の1または複数の添加物をさらに含んでもよい。
本発明には、上記の本発明の電気泳動用ゲル緩衝液を用いて作製される電気泳動用ポリアクリルアミドゲルも包含される。電気泳動用ポリアクリルアミドゲルには、成形済みゲルの形でユーザーに提供されるプレキャストゲルが含まれる。
かかる電気泳動用ポリアクリルアミドゲルは、上記緩衝剤、グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン、ならびに少なくとも1種類の酸を含む。
本発明の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの製造方法は、本発明のゲル緩衝液を用いて、従来公知の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの製造方法に従って製造することができる。
一つの実施形態において、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルは、アクリルアミド、架橋剤、緩衝剤、グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6≦pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン、ならびに少なくとも1種類の酸を含む混合物を、pHが5.5〜7.5の範囲にある条件で重合開始剤の存在下で重合することにより製造される。
架橋剤は、アクリルアミドの架橋を目的として添加されるが、例えばN , N ' − メチレンビスアクリルアミド(BIS)、N,N '− アリル酒石酸アミド(DATD)、ジヒロドキシエチレン−ビスアクリルアミド(DHEBA)等の水溶性ジビニル化合物を使用することができる。
緩衝剤、グリシンおよび少なくとも1種類の双性イオン、ならびに少なくとも1種類の酸については上述した電気泳動用ゲル緩衝液の説明の通りである。
ゲルを重合する際の触媒である重合開始剤には、過硫酸アンモニウム(APS)や過硫酸カリウム(KPS)などの酸化剤とN,N,N',N'−テトラメチルエチレンジアミン(TEMED)などの還元剤が併用できるが、これらに限定されない。また、重合開始剤による重合とともにリボフラビンなどを使用した光重合を行っても良い。酸化剤及び還元剤は重合される全モノマーに対し、通常0.05%〜5%(重量/ 容量)が使用される。
なお、上記混合物は、ゲルに弾力性や強度を持たせることを目的として添加される担体である水溶性ポリマーを含んでもよく、そのような水溶性ポリマーには例えばアガロースやポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリメチルビニルエーテル等が含まれる。
ゲルを作製する際の支持体の種類は、特に限定されない。ガラス、プラスチック、セラミックなどが挙げられる。ゲルを作製する支持体としては様々な種類のゲル作製用プレートが市販されており、材質および表面の化学修飾は多様である。最適なゲル溶液の組成はしばしばゲル作製用プレートの種類により異なるが、本発明のゲル緩衝液は、いずれのゲル作製用プレートにおいても使用可能で、汎用性が高いものである。
泳動用緩衝液はアミン緩衝剤と両性電解質の組合せから成り、そこに界面活性剤が含有されていても良い。Laemmli法のトリス−グリシン−ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)緩衝液のほかに、トリス、トリエタノールアミン、トリシン、3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPS)、2−モルホリノエタンスルホン酸(MES)、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES) 、2−ヒドロキシ−3−モルホリノプロパンスルホン酸(MOPSO) 、N−〔トリス(ヒドロキシメチル)メチル〕−2−アミノエタンスルホン酸(TES)、2−〔4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル〕エタンスルホン酸(HEPES)、2−ヒドロキシ−N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−3−アミノプロパンスルホン酸(TAPSO)、酢酸、ホウ酸およびこれらの組合せを含む緩衝液、ならびにこれらに界面活性剤がさらに添加された緩衝液などが使用できるがこれらに限定されない。泳動用緩衝液を構成する両性電解質としては、グリシンや上記の双性イオンを初めとして、公知の両性電解質を用いることが可能である。
本発明には、上記の本発明の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルを用いたポリペプチド、タンパク質または核酸の分離方法も包含される。本明細書では、2個以上50個以下のアミノ酸が結合したものをポリペプチドと称し、51個以上のアミノ酸が結合したものをタンパク質と称する。核酸にはDNAおよびRNAが含まれる。
本発明の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルは長期保存が可能であり、またポリペプチド、タンパク質または核酸の分離に適している。また、高電圧および/または高電流条件下で行う電気泳動では、従来よりも高速で分子が移動するが、この場合でも電気泳動のバンドの形状および/またはパターンが乱れず、ゲル上に界面を生じさせずに高い分離能が得られる。なお、「高電圧条件」とは、ゲルの電極間の単位長さあたり、電気泳動の電圧が20V/cm以上であることを指す。電圧の上限は特に限定されないが、通常80V/cm以下である。「高電流条件」とは、ゲルの通電面の単位断面積当たり、電気泳動の電流が40mA/cm2以上であることを指す。電流の上限は特に限定されないが、通常250mA/cm2以下である。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
酸解離定数 pKaがタンパク質の移動度や電気泳動パターンに与える影響を調べるために、pKaが9〜11の双性イオンを含有する電気泳動用ゲルを作製して電気泳動を行い、Laemmli法のゲルと比較した。
分離ゲルは表1に示したゲル緩衝液とアクリルアミドとビス−アクリルアミド(10%T/3%C、T=アクリルアミドとN , N ' − メチレンビスアクリルアミド(BIS)の質量の合計%、C=アクリルアミドとBISの合計に対するBISの割合、以下同じ)とから成り、0.08%APSおよび0.03%TEMEDの添加により重合を開始して作製した。濃縮ゲルは表1に示したゲル緩衝液とアクリルアミドとビス−アクリルアミド(4.5%T/3%C)から成り、0.08%APSおよび0.03%TEMEDの添加により重合させて作製した。また泳動用緩衝液は25mM トリス、192mM グリシン、0.1%SDS(Laemmli法に準拠)を使用した。電気泳動はアトー株式会社製の電気泳動装置(AE6530)を使用し、300Vの定電圧で30〜35分間通電して行った(ゲルの電極間の単位長さあたり、電気泳動の電圧が34V/cm、ゲルの通電面の単位断面積当たり、電気泳動の電流が40〜75mA/cm2に相当)。
タンパク質サンプルはEzLabel FluoroNeo(アトー株式会社、WSE−7010)で処理し、蛍光ラベルしたタンパク質と未ラベルのタンパク質を作製した。電気泳動後のゲルは青色LED で励起した蛍光画像を取得した後に、EzStain AQUA(アトー株式会社、AE−1340)で染色した。染色後のゲルはスキャナーで画像を取り込んだ後にCS Analyzer(アトー株式会社)で解析した。相対移動度Rf (%)は(分離ゲル上端から各バンド位置までの距離)/(分離ゲル上端から泳動先端までの距離)×100で計算した。
電気泳動した結果を図1に、また分子量マーカーのタンパク質の相対移動度(%)を表2に示す。図1AからDはコントロールとしてのLaemmli法のゲル(A)、双性イオンを含有しないトリスグリシンゲル(B)、pKaが9.6未満のセリン(pKa:9.15)含有ゲル(C)、およびタウリン(pKa:9.06)含有ゲル(D)の結果を示している。(E)から(G)はpKaが9.6〜11の双性イオン含有ゲルであり、それぞれ(E)はアラニン(pKa:9.6)、(F)はプロリン(pKa:10.6)、(G)は6−アミノカプロン酸(pKa:10.8)を30mMの濃度で含有したゲルの泳動結果である。
またサンプルはニワトリ筋肉抽出液(c)、ヒト血漿(p)、および分子量マーカー(m)(ニワトリ筋由来ミオシン:220kDa、大腸菌由来β−ガラクトシダーゼ:116kDa、ウサギ筋由来ホスホリラーゼB:97kDa、ウシ血清由来アルブミン:66kDa、ニワトリ卵由来オボアルブミン:45kDa、ウシ血球由来カルボニルアンヒドラーゼ:30kDa、大豆由来トリプシンインヒビター:20kDa、ウシミルク由来α−ラクトアルブミン:14.4kDa)を使用した。
双性イオンを含有しない(B)のゲルは低分子領域が分離できなかった。セリン(pKa:9.15)含有ゲル(C)とタウリン(pKa:9.06)含有ゲル(D)では、Laemmli法のゲルと同様の電気泳動パターンを示しはしたが、ゲル上の45kDa付近に界面が生じ(図1の矢印部分、図2のC′とD′)、その前後のタンパク質の分離ができず、分離されたバンドの確認が困難な領域があった。
pKaが9.6〜11の双性イオンを含有するゲル(E)−(G)はLaemmli法のゲルと同等の電気泳動パターンを示し、分画分子量範囲およびタンパク質の移動度が同等であることが示された上、双性イオンに起因する界面がゲル上に生じず(図2のE′)、高電圧での電気泳動による分離が良好であった。
Figure 0006453326
Figure 0006453326
実施例2
双性イオンの一つであるアラニンの濃度依存的なタンパク質の移動度の変化を検証するために、表3に記載されたゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。表4の分子量マーカーの相対移動度(%)と電気泳動パターン(写真は非図示)に示されるように、アラニンの濃度を25mMから100mM まで変化させても電気泳動パターンは影響されず、Laemmli法のゲルと同等の分画分子量範囲とタンパク質の移動度を示し、良好な分離が観察された。
Figure 0006453326
Figure 0006453326
実施例3
トリス濃度依存的なタンパク質の移動度の変化を検証するために、表5および表7に記載されたゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。表6はトリス濃度を50mMから80mMまで変化させたときの結果、表8はトリス濃度を80mM以上にしたときの結果を示している。表6および表8の相対移動度ならびに電気泳動パターン(写真は非図示) に示されるように、いずれも良好な分離が観察されたが、トリス濃度が70mM以下の場合には低分子側の分画範囲が広がるため、分子量マーカーの45kDaのバンドが2本に分かれる結果となった(A〜C)。45kDaのバンドはオボアルブミンでリン酸化タンパク質であるため、高濃度のアクリルアミドゲル等で低分子側の分離をよくすると、リン酸化状態と脱リン酸化状態のバンドが分かれる場合がある。80mM以上のトリスではLaemmli法のゲルと同等の分画分子量範囲とタンパク質の移動度を示した(E〜H)が、トリス濃度が上がる(G,H)と徐々に高分子側の分離がよくなり、30kDa以下の低分子側の分画領域が狭くなる傾向がみられた。一方、酢酸以外の酸として硫酸を添加しても(E〜H)、電気泳動パターンに顕著な影響を与えることはなかった。
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実施例4
グリシン濃度依存的なタンパク質の移動度の変化を検証するために、表9に記載されたゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。表10の相対移動度と図5の電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されたように、グリシン濃度が高いときは高分子領域の分離がよくなり、グリシン濃度が低いときは低分子側領域の分離がよくなることが判明した。このようにグリシン濃度依存的にタンパク質の移動度が変化するため、ターゲットの分子領域に合わせたグリシン濃度を選択することにより、より詳細にターゲット分子領域のバンドを分離して検出することが可能である。また100mM以上の濃度のグリシンを含有するゲル(C〜F)では、タンパク質の電気泳動パターンや相対移動度はLaemmli法のゲルと同等であり、良好な分離が観察された。
Figure 0006453326
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実施例5
酢酸濃度依存的なタンパク質の移動度の変化を検証するために、表11に記載されたゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。その結果、表12の相対移動度および電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されるように、タンパク質の泳動パターンや相対移動度はLaemmli法のゲルと同等であり、良好な分離が観察された。また、酢酸濃度が上がるにつれて、高分子側の分離が若干よくなるとともにバンドがシャープになり、泳動速度が徐々に遅くなることが示された。
Figure 0006453326
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実施例6
トリス、グリシン、双性イオン、酸から成るゲルに添加物を添加したときの影響を検証するために、表13に記載されたようにトリエタノールアミン(TEA、pKa:7.76) 、γ−アミノ酪酸 (GABA、pKa: 10.43)を添加したゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。その結果、表14ならびに電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されるように、いずれも良好な分離が観察された。GABAの添加による電気泳動パターンや移動度への影響はほとんどなかった(C)が、TEAの添加により、若干ではあるが低分子側の分画領域が狭くなることが示された(B,D)。
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実施例7
さらにゲルに添加物としてよく使用されるスクロース(sucrose)やグリセロールの影響を検証するために表15に記載されたゲル緩衝液を使用してゲルを作製し、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。表16の相対移動度および電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されるように、いずれも良好な分離が観察され、グリセロールおよびスクロースの添加による影響はほとんどなく、Laemmli法のゲルと同等の分画分子量範囲とタンパク質の移動度を示した。
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実施例8
長期保存性に関して検証するために4℃、37℃、50℃で加温処理し、ゲルの加速安定性試験を行った。37℃で1日間の加温処理は典型的な保存温度である4℃で1ヶ月加温処理した場合と同等であることが示されている。表17に記載されたゲル緩衝液を使用して10%T3%Cのアクリルアミドおよび10%T3.3%Cのアクリルアミドゲルを作製し、4℃、37℃、50℃で1週間加温処理をした後に(表18)、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。分子量マーカーの相対移動度(表19)および電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されるように、各タンパク質の相対移動度はほとんど変わらず、また電気泳動パターンも高い分離能であり、加温処理による顕著な差は観察されなかった。
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実施例9
実施例8と同様に、長期保存性に関して検証するために4℃、37℃、50℃で加温処理し、ゲルの加速安定性試験を行った(37℃で1日間の加温処理は4℃で1ヶ月に相当)。表20に記載されたゲル緩衝液を使用して10%T3.3%Cのアクリルアミドゲルを作製し、4℃、37℃、50℃で9日間および14日間加温処理をした後に(表21)、実施例1と同様の方法で電気泳動を行った。分子量マーカーの相対移動度(表22)および電気泳動パターン(ゲルの写真は非図示)に示されるように、各タンパク質の相対移動度はほとんど変わらず、また電気泳動パターンも高い分離能であり、加温処理による顕著な差は観察されなかった。
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実施例10
電気泳動を行う際の電圧の影響を調べるために、表23の組成でゲルを作製し、150V、300V、500Vの定電圧条件下で、上述と同様の方法で電気泳動を行った。図3に示したように、通常使用される電圧の150Vで80分間および高電圧条件の300Vで30分間電気泳動したパターンには違いがなく、バンドの形状や移動度も同じであることが示された。さらに高い電圧の500Vで泳動した場合は、移動度に若干の影響が見られるが、バンドの形状やパターンは同様であった。したがって、高電圧条件でも通常電圧と同様の明瞭でシャープなバンドに分離できることが示された。
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本発明のゲル緩衝液を使用して作製することにより、電気泳動用ゲルを長期間安定に保存可能であるため、均一で品質の優れたプレキャストゲルを製造でき、かつ、そのようなプレキャストゲルを大量に生産することができる。大量生産と長期保存が可能になるため、同一ロットの提供が可能になり、精度・再現性の高いデータ取得が可能になる。さらに作製したゲルを用いれば、高電圧および/または高電流条件下で高速泳動が可能になり、かつ高い分離能でバンドの分離を行えるようになるため、分析時間の短縮化につながる。

Claims (16)

  1. 電気泳動用ゲル緩衝液であって、
    トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;
    グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに
    少なくとも1種類の酸;
    を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間であり、
    前記双性イオンはアラニン、システイン、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ゲル緩衝液。
  2. 電気泳動用ゲル緩衝液であって、
    トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;
    グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに
    塩酸、酢酸、硫酸、若しくは酢酸と塩酸の組み合わせである少なくとも1種類の酸;
    を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間であり、
    前記双性イオンはアラニン、システイン、アスパラギン酸、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ゲル緩衝液。
  3. 前記緩衝剤の濃度が50mM〜300mMであり、前記グリシンの濃度が10mM〜1000mMであり、前記少なくとも1種類の双性イオンの濃度が10〜200mMである請求項1又は2に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
  4. 前記双性イオンはアラニン、プロリン、γ−アミノ酪酸、および6−アミノカプロン酸から選択される請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
  5. 糖、多価アルコール、および塩から選択される1または複数の添加物をさらに含む請求項1〜のいずれか一項に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
  6. 前記双性イオンはシステイン、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される少なくとも一種である請求項1に記載の電気泳動用ゲル緩衝液。
  7. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝剤;
    10mM〜1000mMのグリシンおよび10mM〜200mMのアラニン;
    10mM〜300mMの酢酸、硫酸及び塩酸から選択される少なくとも1種類の酸;ならびに
    グリセロール;
    を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間である、電気泳動用ゲル緩衝液。
  8. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタンを含む緩衝剤;
    10mM〜1000mMのグリシンおよび10mM〜200mMのアスパラギン酸;
    10mM〜300mMの酢酸、硫酸及び塩酸から選択される少なくとも1種類の酸;ならびに
    グリセロール;
    を含み、電気泳動用ゲル緩衝液のpHが5.5〜7.5の間である、電気泳動用ゲル緩衝液。
  9. 請求項1〜のいずれか一項に記載の電気泳動用ゲル緩衝液を用いて製造される電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
  10. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含み、前記双性イオンはアラニン、システイン、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
  11. トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに塩酸、酢酸、硫酸、若しくは酢酸と塩酸の組み合わせである少なくとも1種類の酸;を含み、前記双性イオンはアラニン、システイン、アスパラギン酸、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
  12. プレキャストゲルである請求項10または11に記載の電気泳動用ポリアクリルアミドゲル。
  13. 請求項1012のいずれか一項に記載の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルを用いたポリペプチド、タンパク質または核酸の分離方法。
  14. 請求項1012のいずれか一項に記載の電気泳動用ポリアクリルアミドゲルを、ゲルの電極間の単位長さ当たり電圧20V/cm以上80V/cm以下および/またはゲルの通電面の単位断面積当たり電流40mA/cm2以上250mA/cm2以下の条件下で電気泳動する、ポリペプチド、タンパク質または核酸の分離方法。
  15. アクリルアミド;架橋剤;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに少なくとも1種類の酸;を含む混合物を、pHが5.5〜7.5の範囲にある条件で重合開始剤の存在下で重合することを特徴とし、前記双性イオンはアラニン、システイン、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの製造方法。
  16. アクリルアミド;架橋剤;トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、及びトリエタノールアミンから選択される緩衝剤;グリシンおよび酸解離定数pKaが9.6<pKa≦11である少なくとも1種類の双性イオン;ならびに塩酸、酢酸、硫酸、若しくは酢酸と塩酸の組み合わせである少なくとも1種類の酸;を含む混合物を、pHが5.5〜7.5の範囲にある条件で重合開始剤の存在下で重合することを特徴とし、前記双性イオンはアラニン、システイン、アスパラギン酸、プロリン、γ−カルボキシグルタミン酸、γ−アミノ酪酸、2−アミノイソ酪酸、6−アミノカプロン酸、およびCAPSから選択される、電気泳動用ポリアクリルアミドゲルの製造方法。
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