JP6454572B2 - 印刷物 - Google Patents
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Description
本発明の印刷物は、紫外線硬化型下刷りワニスは、必ずしも紫外線硬化型インキを用いた印刷絵柄の上に形成される必要はなく、紙、プラスチックフィルム、金属箔等の基材に直接下刷り層を印刷等によって部分的若しくは全面に形成し、その上に水性紫外線硬化型オーバープリントワニス層を形成することもできる。
手触りの異なる構成として、(1)「用紙部」及び「用紙+インキ部」はツルツルの手触りとなる表面A。(2)「水性紫外線硬化型オーバープリントワニス部」及び「インキ部+水性紫外線硬化型オーバープリントワニス部」はソフトな手触りとなる表面B。(3)「紫外線硬化型下刷りワニス+水性紫外線硬化型オーバープリントワニス」及び「インキ部+紫外線硬化型下刷りワニス+水性紫外線硬化型オーバープリントワニス」は、はじきにより粒子状若しくは凹凸状となり独特の表現(少しボツボツとした手触り)となる表面Cとする。
例えば、地図上で「海・川をツルツルとなる表面A」「森林部分をソフトな手触りの表面B」「街をボツボツとなる表面C」で加工するとなれば、これまでにないリアルな地図ができ、引いては視覚障害者にも判別しやすいものと成りうる。
尚、下刷り後、十分に乾燥せずにウエットな状態で上刷りをした方が、下刷り乾燥後に上刷りするよりも、下刷り層によるハジキ効果が大きく、マット/セミマットのコントラストが顕著となる傾向にあることから、中ではオフセットインラインコーターがより好ましい。
炭酸マグネシウム5.0部、エポキシアクリレート40.0部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート27.0部、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート15.0部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン8.0部、シリコーンアクリレート5.0部を手で簡単に混合した後、3本ロールミルで粒径が10ミクロン以下になるまで錬肉した。粘度はTV5〜7になるように調整した。
炭酸カルシウム20.0部、ロジン変性フェノール樹脂30.0部、植物油25.0部、軽油25.0部を手で簡単に混合した後、3本ロールミルで粒径が10ミクロン以下になるまで錬肉した。粘度はTV9〜11になるように調整した。
ガラス転移点(Tg)が−80℃、平均粒子径1.5μmの水系脂肪族ポリウレタンディスパージョン27.0部、水54.0部、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)17.5部、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)0.5部の配合で混合し、ミキサーを使用して撹拌分散し、更に2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(DAROCUR1173)1.0部を添加し、完全に溶解させることで、上刷りワニス−U1を調製した。尚、A:ポリウレタンディスパージョンとC:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)の重量比A/C=1.54である。
原材料を表1に示す配合で混合し、ミキサーを使用して撹拌分散し、光重合開始剤を完全に溶解させることで、上刷りワニス−U1と同様の方法で調製し、各々について、A:ポリウレタンディスパージョンとC:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)の重量比A/Cを記載した。
原料A:平均粒子径約1.5μmのウレタン樹脂を含む脂肪族ポリウレタンディスパージョンの固形分
原料B:水
原料C:N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド(HEAA)
原料D:トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)
原料E:2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル-プロパン−1−オン(DAROCUR1173)
ポリエステルアクリレート60.0部、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート30.0部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン10.0部をミキサーを使用して混合、溶解して調整した。粘度はザーンカップ粘度(#4)で35秒程度に調整した。
アミン変性ポリエステルアクリレート50.0部、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート40.0部、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン10.0部をミキサーを使用して混合、溶解して調整した。粘度はザーンカップ粘度(#4)で35秒程度に調整した。
ローランド700印刷機を用いA全サイズの印刷物を作製し、はじき効果と上刷り層によるソフトなしっとりとした手触り効果、及び印刷作業で重要となる棒積み適性を確認した。まず、印刷ユニットを用い下刷りのカラーインキとしてDICグラフィックス(株)製「ダイキュアアビリオプロセス墨」にて(図2)に示す墨ベタ部を印刷した後、胴間UVランプを使用して硬化させた。その後インラインで印刷ユニットを用い下刷り層を(図3)に示す様に印刷し、未硬化のままで水性紫外線型オーバープリントワニス、あるいは紫外線硬化型エンボスクリアを印刷機のコーターを用いて(図4)に示す要領で塗工した。胴間UVランプには空冷120w/cmメタルハライドランプを1灯使用し、デリバリのUVランプには空冷120w/cmメタルハライドランプを2灯使用した。
印刷スピードは8,000枚/時で行った。上塗り層を塗工する際にコーターユニットで使用するアニロックスローラーとしては、200線/inch、セルボリューム13.0gのものを使用した。下刷りの墨ベタ画像や、下刷りニス部分の転写に用いる印刷ユニットに装着するブランケットとしては、UVオレンジ(DAY社製)を使用した。水性紫外線硬化型オーバープリントワニスは常温塗工した。紫外線硬化型エンボスクリアは液温を40℃まで加温して塗工した。湿し水のH液はソライヤ507(光陽化学製)を水道水で希釈した2%濃度で使用した。用紙はOKトップコート+(57.5kg/A全)を使用した。印刷枚数は4,000枚とした。
(印刷物の評価方法1:動摩擦係数の測定)
動摩擦係数の測定は、ASTMD1894−90(同一材料または他の材料の上を滑らせたときのプラスチックフィルムおよびシートの摩擦係数を測定するための試験条件)に準拠し、Stable MicroSystems社製の装置を用いて測定した。
接触面は63.5mmX63.5mm、加重は200g、表面は装置標準のフエルト地、引っ張り速度は 2mm/s及び20mm/sの2点で行った。
動摩擦係数上昇率の算出方法は、100×(20mm/s時の動摩擦係数−2mm/s動摩擦係数)/2mm/時の動摩擦係数とした。尚、印刷物の測定箇所は、下塗り層と上塗り層が重ならない平滑部分である(図1)に示す図符号7とした。
尚、下地のUVインキによる印刷物のベタ部と水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる上刷り層が重なる部分(図符号7)と、印刷物の非画線部と水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる上刷り層が重なる部分(図符号6)との間に、20mm/s時、2mm/s時共にその動摩擦係数に差異が認められなかった為、UVインキによる印刷物のベタ部と水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる上刷り層が重なる部分(図符号7)を測定箇所とした。
本発明の印刷物の手触り感の評価として、下塗り層が存在しない上塗り層部分のみの部分について、被験者は、本研究と関係の無い従業員10名へのアンケート調査による評価方法を用いた。被験者は塗工面を手、指で触り、その「しっとりしたソフトな手触り感」を10人中何人感じたか集計をとり、これを評価基準とした。
◎:10人中10人がしっとり感じた。
○:10人中 7〜9人がしっとり感じた。
△:10人中 3〜6人がしっとり感じた。
×:10人中、しっとり感を感じたのは0〜2人であった。
下塗り層による上塗り層のハジキ性の良否を目視で評価した。
◎:十分ハジキ効果が発揮している。
○:ハジキ効果が発揮している。
△:ハジキ効果がみられるが十分であるとは言えない。
×:ハジキ効果が見られない。
下塗り層と上塗り層が重なるセミマット部と、下塗り層が存在しない上塗り層によるマット部のコントラストの差異を目視評価し、コントラストの強いもの程、意匠性ありと評価した。
◎:明確なコントラストにより意匠性が非常に高い。
○:コントラストがあり意匠性あり。
△:ややコントラストに不足し意匠性が十分であるとは言えない。
×:殆どコントラストがなく意匠性の効果がない。
印刷時のハンドリング面で重要となる棒積み適性について、刷了直後に棒積みの最底部の印刷物の表裏を引き剥がした際に剥離音の有無で判定した。
◎:剥離音がしない。
○:僅かに剥離音がする。
△:明瞭に剥離音がする。
×:剥がれない。
一般的な紫外線硬化型エンボスクリア(C1)、(C2)を用いた比較例1、2では、しっとりした手触り感は得られず、本願が目指す特異な意匠性は得られない。
酸化重合型の油性下刷りワニス(D2)を用いた比較例3では、下塗り層のハジキ効果が
充分でなく、乾燥性に劣る事から棒積み適性も劣る。
2 紫外線硬化型インキによるベタ部分
3 紫外線硬化型下刷りワニスによる下刷り層塗布部分
4 水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる上刷り層塗布部分
5 下塗り層が上塗り層が重なり弾く部分(セミマット部)
6 印刷物の非画線部と水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる
上刷り層が重なる部分(マット部)
7 印刷物のベタ部と水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる
上刷り層が重なる部分(マット部)、動摩擦係数の測定部分
Claims (6)
- 基材上に、紫外線硬化型インキを用いた印刷層が設けられ、前記基材及び印刷層の表面上に、部分的又は全面に紫外線硬化型下刷りワニスによる下刷り層が設けられ、
前記基材、印刷層及び下刷り層の上に、水性紫外線硬化型オーバープリントワニスによる上刷り層が全面に設けられ、前記下刷り層と前記上刷り層とが重なる部分は、上刷り層ははじきにより粒子状若しくは凹凸状となり、重ならない部分は連続した皮膜を形成している印刷物であって、
前記水性紫外線硬化型オーバープリントワニスが、ウレタン樹脂、水溶性(メタ)アクリレートを含有する紫外線硬化性モノマー及び水を含有する組成物であって、
前記ウレタン樹脂と前記紫外線硬化性モノマーの質量比が
ウレタン樹脂:紫外線硬化性モノマー=1:2〜2:1(質量比)であり、
更に前記水性紫外線硬化型オーバープリントワニス塗工後の下塗り層と上塗り層が重ならない平滑部分の乾燥塗面の動摩擦係数が0.1〜0.7であり、
測定速度を2mm/sから20mm/sに増加させた場合の動摩擦係数の上昇率が10%以上であることを特徴とする印刷物。
- 前記ウレタン樹脂の平均粒子径が0.1〜10μmの範囲である請求項1に記載の印刷物。
- 前記ウレタン樹脂が、DSC熱分析によるガラス転移点(Tg)が−90℃〜−70℃である請求項1又は2に記載の印刷物。
- 前記紫外線硬化性モノマーとして、さらに非水溶性(メタ)アクリレートを、水を除いた固形分換算で0.05〜15質量%含有する水性紫外線硬化型オーバープリントワニスを用いる請求項1〜3のいずれか1つに記載の印刷物。
- 基材上に印刷層及び下刷り層を設けた後、連続してインラインで上刷り層を設けることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の印刷物の作製方法。
- 請求項5に記載の印刷物の作製方法を用いた地図。
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