JP6458065B2 - リグノフェノールの製造方法 - Google Patents
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すなわち、まず、リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより、リグニンを酸触媒の下でフェノール誘導体と反応させてリグノフェノールを生成し、該リグノフェノールを含有する混合物を得る(混合工程)。
そして、前記混合物を静置することにより油層(フェノール誘導体、リグノフェノール等を含む層)と水層(水、酸、糖類等を含む層)とに分離する(静置分離工程)。
次に、前記油層からリグノフェノールを取り出す。
しかしながら、従来の方法では、前記静置分離工程において、前記混合物を油層と水層とに十分に分離させるのに長時間を要するという問題があった。
すなわち、酸などの不純物を含むリグノフェノールを有機溶媒に溶解してリグノフェノール溶液を調製し、該リグノフェノール溶液と水とを混合して混合液を調製して当該混合液中においてリグノフェノールを析出させるようにすることで、酸などの水溶性の不純物が除去されて純度の高いリグノフェノールが得られることを本発明者は見出した。
また、リグノフェノールの析出前にアルカリを添加してpH調整することが収率の向上に有効であるものの当該アルカリとして強塩基を用いると収率が十分に向上されないおそれがあることを本発明者は見出した。
そして、塩基性の弱いアルカリの中でもアンモニア水溶液が上記目的に特に適していることを本発明者は見出した。
前記リグノセルロース系材料から得られたリグノフェノールが有機溶媒に溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、
前記リグノフェノール溶液と水とを混合して混合液を調製し、該混合液中にリグノフェノールを析出させる析出工程と、を実施し、
前記リグノフェノール溶液が酸を含む酸性溶液であり、
前記リグノフェノール溶液及び前記混合液の内の少なくとも一方にアンモニア水溶液を添加するアンモニア添加工程をさらに実施する。
しかも、本発明ではpH調整が行われることによって混合液からリグノフェノールを析出させる際の収率向上を図ることができる。
すなわち、pH調整により生成される中和反応物たる硫酸アンモニウムは、硫酸マグネシウムに比べて水への溶解度が高い(硫酸アンモニウムの水への溶解度:75.5g/100mL(20℃)、硫酸マグネシウムの水への溶解度:28.2g/100mL(20℃))。よって、本発明によれば、pH調整後のリグノフェノールが析出した溶液に、中和反応物たる硫酸アンモニウムを十分に溶解させ得る。従って、本発明によれば、不純物たる硫酸アンモニウムを溶液に溶解させつつ、リグノフェノールを析出させることができるので、純度の高いリグノフェノールを効率良く得ることができる。
精製工程は、濾過工程で濾取されたリグノフェノールの凝集物(以下、「粗LP」ともいう。)に水を加えることにより、前記リグノフェノールの凝集物を洗浄する洗浄工程と、洗浄工程で純度が向上されたリグノフェノール(以下、「洗浄済LP」ともいう。)を有機溶媒に溶解させてリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、前記リグノフェノール溶液と水とを混合して混合液を調製し、該混合液中にリグノフェノールを析出させる析出工程と、を備える。
前記リグノフェノール溶液は酸を含む酸性溶液となっている。
本実施形態の前記精製工程は、前記溶液調製工程後、前記析出工程前に前記リグノフェノール溶液にアンモニア水溶液を添加して該リグノフェノール溶液のpHを上昇させるアンモニア添加工程をさらに備える。
本実施形態のリグノフェノールの製造方法では、前記析出工程で得られる精製されたリグノフェノール(以下「精製LP」ともいう。)が製品とされる。
また、本明細書において、洗浄とは、リグノフェノールの凝集物に含まれる不純物を洗浄液中に移動させ、該洗浄液に移動させた不純物がリグノフェノールの凝集物に再度移動しないように除去することを意味する。
また、本明細書において、捕捉としては、例えば、リグノフェノールの凝集物の流路を確保しながら、リグノフェノールの凝集物を捕捉する態様が挙げられる。
前記リグノセルロース系材料としては、例えば、木質材料、草木材料が挙げられる。木質材料としては、例えば、針葉樹(マツ、スギ、ヒノキなど)、広葉樹(シイ、柿、サクラなど)、熱帯樹などが挙げられる。草木材料としては、ケナフ、ラミー(苧麻)、リネン(亜麻)、アバカ(マニラ麻)、ヘネケン(サイザル麻)、ジュート(黄麻)、ヘンプ(大麻)、ヤシ、パーム、コウゾ、ワラ(稲わら、麦わらなど)、バガス、とうもろこしなどが挙げられる。リグノセルロース系材料は、粉状、チップ状(廃木材の端剤など)のような種々の状態で使用される。
前記溶媒としては、例えば、エーテル、エステル、炭化水素などが挙げられる。エーテルとしては、非対称エーテル、対称エーテルなどが挙げられ、より具体的には、ジイソプロピルエーテル、ジエチルエーテルなどが挙げられる。エステルとしては、酢酸エチルなどが挙げられる。炭化水素としては、環状炭化水素、直鎖状炭化水素が挙げられ、より具体的には、ヘキサン(n−ヘキサンなど)、トルエン、ペンタン(n−ペンタンなど)、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、デカリン、ベンゼンなどが挙げられる。
前記溶媒としては、炭化水素が好ましく、n−ヘキサンがより好ましい。
前記担体としては、例えば、粒状の担体、繊維状の担体、板状の担体などを用いることができる。
粒状の担体の粒子径が1mm〜25mmの場合、目開き1mmの篩と目開き25mmの篩とを用いて粒子径を調整することが好ましい。
中実の担体を用いる場合、該担体の外表面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
中実の担体は、該担体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、所定の高さを有するように配されることが好ましい。例えば、積層して配されることが好ましい。
中空の担体を用いる場合、該担体の内表面(中空部側の表面)および外表面に、リグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
中空の担体は、該担体の内表面および外表面とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、中空部が8mm〜26mmの長さを有するように延在していることが好ましい。
繊維状の担体を用いる場合、該担体の外表面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
また、メッシュ状に配される場合には、担体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、担体を積層して配することが好ましい。このような担体としては、例えば、デミスタ(登録商標)が挙げられる。
パンチングシート、パンチングプレートを用いる場合、板面にリグノフェノールの凝集物が付着されることにより、リグノフェノールの凝集物が捕捉される。
前記穿孔部の最長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。具体的には、板体の厚さ方向と直交する任意の断面を走査型電子顕微鏡で撮像し、撮像した画像中における穿孔部の最長径を測定する。
板状の多孔質焼結体の気孔の最長径は、走査型電子顕微鏡(SEM)によって測定することができる。具体的には、板状の多孔質焼結体の厚さ方向と直交する任意の断面を走査型電子顕微鏡で撮像し、撮像した画像中における気孔の最長径を測定する。
また、板状の多孔質焼結体は、該焼結体とリグノフェノールの凝集物との接触時間を長くして、リグノフェノールの凝集物の捕捉量を増す観点から、1mm〜20mmの厚さを有することが好ましい。
これらの中でも、アルカリに対する耐性を考慮した場合、PP、PTFE、アルミナを材料とすることが好ましく、アルカリおよび酸に対する耐性を考慮した場合、PTFE、アルミナを材料とすることが好ましく、アルカリ、酸および有機溶剤に対する耐性を考慮した場合、PTFEを材料とすることが好ましい。
本実施形態に係るリグノフェノールの製造装置は、リグノセルロース系材料、フェノール誘導体、および酸を混合することにより第1混合物を得て、該第1混合物、およびリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合することにより、リグノフェノールを凝集させて、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得る混合部と、該2混合物からリグノフェノールを取り出す、精製部とを備える。
また、精製部は、第2混合物中のリグノフェノールの凝集物を担体に付着させることにより、第2混合物からリグノフェノールの凝集物を捕捉し、担体に捕捉されたリグノフェノールの凝集物を洗浄液で洗浄し、洗浄されたリグノフェノールの凝集物からリグノフェノールを取り出す。
さらに、精製部は、第2混合物を濾過することにより、担体に捕捉され得なかったリグノフェノールの凝集物を濾取し、濾取されたリグノフェノールの凝集物を洗浄液によって洗浄し、洗浄されたリグノフェノールの凝集物からリグノフェノールを取り出す。
本実施形態の洗浄液としては、水が用いられる。
以下では、捕捉および濾過の両方を含む概念として、固液分離という用語を使用する場合がある。
以下では、精製部4で行われる各工程を総称して前記精製工程という。
これにより、リグノセルロース系材料Aに含まれる脂をアセトンBによってリグノセルロース系材料Aから取り除くことができる。
また、前記第1混合工程では、第1濾過工程a2後に、加熱部23で槽21内を加熱することにより、リグノセルロース系材料Aに付着しているアセトンBを揮発させて、リグノセルロース系材料Aから余分なアセトンBを取り除くことができる。
また、前記第1混合工程では、第2濾過工程a4の後に、加熱部23で槽21内を加熱することにより、リグノセルロース系材料Aに付着しているフェノール誘導体Cを揮発させて、リグノセルロース系材料Aから余分なフェノール誘導体Cを取り除くことができる。
余分なフェノール誘導体Cが取り除かれたリグノセルロース系材料Aは、混合部3に移送されてさらなる処理が施される。
生成工程a5では、リグノセルロース系材料Aに含有されるセルロースが酸触媒の下で加水分解されて、糖類が生成される。また、リグノセルロース系材料Aに含有されるリグニンが、酸触媒の下で加水分解されて低分子化する。さらに、リグニンが、酸触媒の下でフェノール誘導体と反応してリグノフェノールが生成される。図3に、酸として硫酸を用い、フェノール誘導体Cとしてp−クレゾールを用いて、リグノフェノールを生成する反応の例を示す。また、生成されたリグノフェノールは、酸触媒の下で加水分解されて低分子化する。以上により、リグノフェノールを含有する第1混合物が得られる。
これにより、リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物が得られる(第2混合工程b)。
本実施形態では、図2に示すように、アルミナボールが、槽4a1の底部4a1aに敷き詰めるように配されることによって、捕捉手段4a3とされている。アルミナボールとしては、比較的小さな粗LPの流路を確保できる大きさのものが配されている。
また、本実施形態では、図2に示すように、槽4a1の底部4a1aと捕捉手段4a3との間にアルミナボールの隙間よりも目の細かな濾材が配されることによって、濾過手段4a4とされている。
濾過手段4a4としては、槽4a1の底部4a1aの少なくとも一部が、槽4a1内の収容物を濾過できるように濾材で形成されたものを用いてもよい。槽4a1の底部4a1aの少なくとも一部が濾材で形成されたものとしては、例えば、神鋼環境ソリューション社製の「フィルタードライヤー」などを用いることができる。
また、本実施形態では、図2に示すように、槽4a1の頂部4a1bに、洗浄手段4a5としてのシャワーノズルが配されている。シャワーノズルは、噴射面が濾過面と向かい合うように配されることが好ましい。シャワーノズルには、図示しないポンプで加圧された洗浄液が供給され、この洗浄液がシャワーノズルから噴射されることによって、洗浄が行われる。
該濾材の孔径は、リグノフェノールの凝集物を通さず、かつ濾過時間を短縮するという観点から、10〜30μmであることが好ましく、20μmであることが特に好ましい。
より具体的には、洗浄液Gとして水を用いて粗LPを洗浄し、洗浄済LPを得る。
洗浄液Gとして用いる水の量は、リグノセルロース系材料Aの1kgに対して、1.0kg〜10kgであることが好ましい。
水を用いて粗LPを洗浄することにより、精製されたリグノフェノールにおける残留酸濃度を低減させることができる。
なお、リグノフェノールがアルコールに溶解するのは、リグノフェノールが水酸基を有することにより、リグノフェノールがアルコールにある程度の親和性を有するからである。
本実施形態では、前記溶解工程c3で用いる有機溶媒としてアルコールを用いたが、前記溶解工程c3で用いる有機溶媒としては、アルコール以外に、例えば、アルキルケトン類(例えば、アセトン等)等が挙げられる。
次に、LPアルコール液を濾過することにより、LPアルコール液から固形物(残渣物)を取り除く(第3濾過工程c4)。
析出工程c7の前にpH調整工程c5を実施することにより、析出工程c7でのリグノフェノールの収率を向上させることができる。
pH調整工程c5によってリグノフェノールの収率が向上するのは、リグノフェノールが酸によって分解されるのを抑制できるからである。また、後述する析出工程c7の混合液のpHを高めることができ、その結果、リグノフェノールが有する水酸基が前記混合液内で解離し難くなり、リグノフェノールが析出しやすくなる。
粗LPの外表面に付着している酸については、洗浄工程c2によって除去され得るものの洗浄工程c2後の洗浄済LPの内部には酸が残留しているため、LPアルコール液のpHは、通常、1以上2未満となっている。
pH調整工程c5では、この酸を中和させてpHを2以上4以下とすることが好ましい。
アルカリ剤Iとしては、アンモニア水溶液を用いることが重要である。
アルカリ剤として水酸化ナトリウムなどの強塩基を用いるとリグノフェノールが変性されて後段の析出工程において十分な収率で精製LPを得ることが難しくなる場合がある。
また、アルカリ剤である水酸化マグネシウムは、水溶性がアンモニアに比べて低いため溶け残りが生じて精製LPに新たな不純物を含有させるおそれがある。また、水酸化マグネシウムをリグノフェノール溶液に添加することによってpH調整を行うと、水酸化マグネシウムと酸とから得られる塩(硫酸マグネシウム等)の水への溶解度がアンモニウムと酸とから得られる塩(硫酸アンモニウム等)の水への溶解度よりも低いため、水酸化マグネシウムと酸とから得られる塩が固体となり精製LPにおける新たな不純物となるおそれがある。
そのため、水酸化マグネシウムをアルカリ剤Iとして使用すると析出工程前に濾過工程を設ける必要性を生じさせる。
従って、本実施形態においては、アンモニア水溶液をアルカリ剤Iとして用いる。
前記アンモニア水溶液のアンモニア濃度は、好ましくは1.0〜28質量%、より好ましくは10〜25質量%である。
LPアルコール液と、アンモニア水溶液とは、撹拌混合で混合することが好ましい。
ここで、本実施形態においては、洗浄工程c2でリグノフェノールの凝集物を洗浄液Gで洗浄するので、リグノフェノールの凝集物に残留する酸の量を少なくすることができる。そのため、pH調整工程c5で使用するアルカリ剤Iの量を少なくすることができる。
LPアルコール液へのアルカリ剤Iの添加は、要すれば、濃縮工程の後でもよい。
LPアルコール液へのアルカリ剤Iの添加を濃縮工程の前に実施する場合、アルカリ剤Iと酸との反応熱を濃縮のための熱エネルギーに活用できるという利点を有する。
前記精製工程では、濃縮工程c6でリグノフェノールが濃縮されたLPアルコール液と塩化ナトリウム水溶液Jとを析出部4dで混合することにより混合液を調製し、該混合液中においてリグノフェノールを析出させる(析出工程c7)。
リグノフェノールは、疎水性を有する構造部分(ベンゼン環等炭化水素で構成されている部分等)を有するので、LPアルコール液と水とを混合することにより、析出される。
また、リグノフェノールは、OH基を有することにより、水への親和性を若干有するが、塩化ナトリウムが共存すると、塩化ナトリウムによる塩析効果によってより一層析出しやすくなる。
従って、LPアルコール液と塩化ナトリウム水溶液Jとが混合されることにより、リグノフェノールがより一層析出しやすくなる。
塩化ナトリウム水溶液Jは、塩化ナトリウム濃度が0.1〜5質量%であることが好ましい。
塩化ナトリウム水溶液Jは、固液分離部4aに添加したアルコールHの1Lに対して、4kg〜10kg加えることが好ましい。
さらに、前記精製工程では、第2濾過部4eで得られたリグノフェノールを乾燥部4fで乾燥させることにより、精製されたリグノフェノールKを得る(乾燥工程c9)。
フェノール類は水酸基を有し、この水酸基がプロトン供与体として働き、水中で解離反応を起こすことができる。また、フェノール類が解離すると、フェノキシドイオンが共鳴によって安定化する。このことから、フェノール類は、ある程度の親水性を有する。
したがって、リグノフェノールのうちのフェノール類の構造部分(図3参照)は、ある程度の親水性を有する。
また、リグノフェノールのうち、フェノール類の構造部分以外の水酸基の部分も、ある程度の親水性を有する。
一方で、リグノフェノールには、溶媒に対して親和性を有する構造部分(ベンゼン環等炭化水素で構成されている部分等)が存在する。
すなわち、リグノフェノールには、ある程度の親水性がある構造部分と、溶媒に対して親和性がある構造部分とが存在する。
このことから、リグノフェノールおよび水に、リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒を混合すると、水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒とが反発し、反発している水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒との間で、水とリグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒とによってリグノフェノール分子が配向し、その結果、リグノフェノールが、水と、前記リグノフェノールに対して貧溶媒となる溶媒との間で凝集する。
また、本発明者は、リグノフェノールの凝集物が粘着性を有する理由について、リグノフェノールの凝集物に含まれる不純物(例えば、リグノセルロース系材料の解緩反応(リグニンとセルロースとを解きほぐす反応)の際に生じる糖分など)によって及ぼされる影響によるものと考えている。
木粉をアセトンで脱脂した後、アセトンで脱脂した木粉にクレゾールを添加して(木粉1g当たりクレゾール6g)、木粉にクレゾールを十分に収着させた。
そして、クレゾールを収着させた木粉30gに、硫酸水溶液(硫酸:72質量%)120gを添加し激しく1時間撹拌することにより第1混合物を得た。
次に、該第1混合物と水24gとを撹拌槽内で15分間撹拌させることにより、硫酸による加水分解反応を停止させた。
次に、加水分解反応を停止させた第1混合物にヘキサン120gを添加し激しく約1時間撹拌することにより、リグノフェノールを凝集させて、該リグノフェノールの凝集物を含む第2混合物を得た。
次に、該第2混合物をスクリュー型液供給機で濾過機(スクレーパを有する濾過機)に移送した。該濾過機の底面には、担体たるφ5mmのアルミナボールを敷き詰め、このφ5mmのアルミナボールの上に、同じく担体たるφ10mmのアルミナボールを敷き詰めた。該濾過機において、担体によって前記第2混合物からリグノフェノールの凝集物を捕捉し、前記第2混合物の液分を濾過することにより、前記担体によって捕捉され得なかったリグノフェノールの凝集物を濾取した。上記捕捉および濾過に要した時間は、1時間であった。
次に、捕捉および濾過によって得られたリグノフェノールの凝集物を、霧吹きを用いて水30gで洗浄した。洗浄後のリグノフェノールの凝集物に、メタノール55gを混合させることにより、該凝集物に含まれるリグノフェノールをメタノールに溶解させて、リグノフェノールおよびメタノールを含有するLPメタノール液を得た。
次に、該LPメタノール液を吸引濾過することにより、LPメタノール液から固形分(木粉の未反応物)を取り除き、未反応物を除去したLPメタノール液を得た。
次に、未反応物が除去されたLPメタノール液(pH1)にアンモニア水溶液(アンモニア:25質量%)を混合することにより、LPメタノール液のpHを3.0に調整した。
その後、LPメタノール液(pH3)100質量部と、食塩水(塩化ナトリウム濃度:5.0質量%)500質量部とを混合し、リグノフェノールを析出させた。
そして、リグノフェノールが析出されたLPメタノール液を5C濾紙で吸引濾過することにより、固形状のリグノフェノールを得た。
次に、濾紙上のリグノフェノールを50℃で一晩減圧乾燥させ、精製されたリグノフェノールを得た。
精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度を測定した。硫酸イオン濃度は、電気キャピラリー法で測定した。
精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度は、3200mg/kgであった。
アンモニア水溶液の代わりに、水酸化マグネシウムを用いたこと以外は、試験例1と同様にして、pHが3.0に調整されたLPメタノール液を得た。
そして、LPメタノール液(pH3)を固液分離することにより、硫酸塩を取り除いたLPメタノール液を得た。
その後、硫酸塩を取り除いたLPメタノール液100質量部と、食塩水(塩化ナトリウム濃度:5.0質量%)500質量部とを混合し、リグノフェノールを析出させた。
そして、リグノフェノールが析出されたLPメタノール液から、試験例1と同様に、精製されたリグノフェノールを得、精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度を測定した。
精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度は、2900mg/kgであった。
水酸化マグネシウムの代わりに、水酸化ナトリウム水溶液(水酸化ナトリウム:30質量%)を用いたこと以外は、試験例2と同様にして、精製されたリグノフェノールを得、精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度を測定した。
精製されたリグノフェノールの硫酸イオン濃度は4900mg/kgであった。
すなわち、本発明によれば、純度の高いリグノフェノールを効率良く得ることができる。
4a:固液分離部、4a1:槽、4a1a:底部、4a2:撹拌部、4b:pH調整部、4b1:槽、4b2:撹拌部、4c:濃縮部、4c1:槽、4c2:撹拌部、4c3:加熱部、4d:析出部、4d1:槽、4d2:撹拌部、4e:第2濾過部、4f:乾燥部、
21:槽、21a:底部、22:撹拌部、23:加熱部、31:槽、32:撹拌部、
A:リグノセルロース系材料、B:アセトン、C:フェノール誘導体、D:酸水溶液、E:水、F:溶媒、G:洗浄液、H:アルコール、I:アルカリ剤、J:塩化ナトリウム水溶液、K:リグノフェノール、
a1:脱脂工程、a2:第1濾過工程、a3:収着工程、a4:第2濾過工程、a5:生成工程、a6:希釈工程、b:第2混合工程、c1:固液分離工程、c2:洗浄工程、c3:溶解工程、c4:第3濾過工程、c5:pH調整工程、c6:濃縮工程、c7:析出工程、c8:第4濾過工程、c9:乾燥工程
Claims (1)
- リグノセルロース系材料からリグノフェノールを製造する、リグノフェノールの製造方法であって、
前記リグノセルロース系材料から得られたリグノフェノールが有機溶媒に溶解されたリグノフェノール溶液を調製する溶液調製工程と、
前記リグノフェノール溶液と水とを混合して混合液を調製し、該混合液中にリグノフェノールを析出させる析出工程と、を実施し、
前記リグノフェノール溶液が酸を含む酸性溶液であり、
前記リグノフェノール溶液にアンモニア水溶液を添加するアンモニア添加工程をさらに実施し、
前記有機溶媒が、アルコール及びアルキルケトンの少なくとも一方を含有する、リグノフェノールの製造方法。
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