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JP6462539B2 - トリアジン化合物、該化合物の合成方法およびその用途 - Google Patents
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トリアジン化合物、該化合物の合成方法およびその用途 Download PDF

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本発明は、新規なトリアジン化合物、該化合物の合成方法および該化合物を使用する用途に関する。
エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂等のポリマーは、熱硬化性であって且つ耐腐食性、電気絶縁性に優れているため、電子部品やプリント基板関連の分野において、接着剤、導電性ペースト、レジストインクや、封止材、絶縁材、基板用マトリックス材等の原料として、広く使用されている。
しかしながら、このようなポリマーは、マイグレーションを抑制する機能、即ち絶縁材上の配線(回路)や電極を構成する金属が、高湿度の環境下において、電位差により絶縁材上を移行する現象を抑える機能に乏しいため、電子部品やプリント基板の絶縁不良を招来すると云う難点があった。
また、それらのポリマーと、銅等の金属材料やガラス基板等の無機材料との、更なる密着性の改善も求められていた。
このような課題を解決するための添加剤として、種々の物質が使用されている。中でもトリアジン骨格を有する物質が、前記のマイグレーションの抑制や、種々の金属との密着性の改善に有効であるとされている。
例えば、特許文献1には1分子中に2個のメルカプト基を有するトリアジン化合物を含む半導体封止用エポキシ樹脂組成物が提案されている。また、特許文献2には2−メルカプト−S−トリアジン誘導体の製造法が提案されている。
しかしながら、これらのトリアジン化合物に由来する密着性改善効果は未だ十分とは言えなかった。
特開2005−132887号公報 特公昭40−23025号公報
本発明は、優れた密着性向上効果を発揮するトリアジン化合物、該化合物の合成方法、そして、種々の用途が期待される該化合物を含有する樹脂組成物ならびに表面処理剤を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、メルカプト基と特定の基により置換されたアミノ基を有するトリアジン化合物とすることにより、所期の目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
即ち、第1の発明は、化学式(II)で示されるトリアジン化合物である。
Figure 0006462539
(式中、Yは互いに同一であっても異なってもよく、水素原子またはSi(OR)を表す。RおよびRは互いに同一であっても異なってもよく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。qは互いに同一であっても異なってもよく、0〜10の整数を表す。)
の発明は、化学式(IV)で示されるトリアジン化合物と、水硫化ナトリウムを反応させることを特徴とする第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物の合成方法である。
Figure 0006462539
(式中、Y、Rおよびqは前記と同様である。)
の発明は、第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物である。
の発明は、第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする接着剤用またはシール剤用樹脂組成物である。
の発明は、第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする半導体封止剤用樹脂組成物である。
の発明は、第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする表面処理剤である。
の発明は、第1の発明の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とするソルダーレジストインクである。
の発明は、第の発明の表面処理剤を表面に塗布したことを特徴とする銅箔である。
の発明は、第の発明の樹脂組成物を使用したことを特徴とする銅張積層板である。
10の発明は、第の発明の樹脂組成物を使用したことを特徴とする層間絶縁材料である。
11の発明は、第の発明の樹脂組成物を使用したことを特徴とする樹脂付銅箔である。
12の発明は、第の発明の樹脂組成物をシート状補強基材の表面に塗布または該補強基材中に含浸したことを特徴とするプリプレグである。
13の発明は、第の発明の表面処理剤を表面に塗布したことを特徴とするプリント配線板である。
本発明のトリアジン化合物を、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フッ素樹脂等のポリマーの添加剤として使用した場合には、当該トリアジン化合物がポリマー中に溶解または均一に分散して、電子部品やプリント配線板等のマイグレーションを抑制する効果や、電子部品あるいはプリント配線板を構成する銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、亜鉛、銀、白金、金等の金属材料および無機材料と、ポリマーとの密着性を高める効果を発揮することが期待される。
また、本発明のトリアジン化合物を含有する表面処理剤を、銅箔およびプリント配線板に塗布した場合には、電子部品あるいはプリント配線板を構成する銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、亜鉛、銀、白金、金等の金属材料および無機材料と、ポリマーとの密着性を高める効果を発揮することが期待される。
実施例1で得られた結晶のIRスペクトルチャートである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のトリアジン化合物は、前記の化学式(II)で示される。
化学式(II)で示されるトリアジン化合物の例としては、
2−メルカプト−4,6−ビス(アルコキシシリルメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(2−アルコキシシリルエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(3−アルコキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(4−アルコキシシリルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(5−アルコキシシリルペンチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(6−アルコキシシリルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(8−アルコキシシリルオクチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(10−アルコキシシリルデシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−メルカプト−4,6−ビス[(3−ヒドロキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
なお、ここで云うアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等を指す。
化学式(II)で示されるトリアジン化合物は、前記の化学式(IV)で示されるトリアジン化合物と、水硫化ナトリウムを、適量の反応溶媒中において、適宜の反応温度および反応時間にて反応させることにより合成することができる。
化学式(IV)で示されるトリアジン化合物の例としては、
2−クロロ−4,6−ビス(アルコキシシリルメチルアミノ)−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(2−アルコキシシリルエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(3−アルコキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(4−アルコキシシリルブチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(5−アルコキシシリルペンチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(6−アルコキシシリルヘキシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(8−アルコキシシリルオクチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン、
2−クロロ−4,6−ビス[(10−アルコキシシリルデシル)アミノ]−1,3,5−トリアジン等が挙げられる。
なお、ここで云うアルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等を指す。
前記の水化ナトリウムは、化学式(IV)で示されるトリアジン化合物1モルに対して、通常、1.0〜2.0モルの範囲で用いられる。
前記の反応溶媒の例としては、メタノール、エタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、ジクロロメタン等のハロゲン系溶剤、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶剤、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶剤およびジメチルスルホキシド(DMSO)等が挙げられる。
前記の反応温度については、10〜120℃の範囲内で適宜設定することができる。また、前記の反応時間については、設定した反応温度に応じて適宜決定されるが、0.5〜24時間とすることが好ましく、1〜6時間とすることがより好ましい。
化学式(IV)で示されるトリアジン化合物と、水硫化ナトリウムによる反応の後、得られた反応混合物から、例えば、晶析操作または抽出操作によって、目的とするトリアジン化合物を得ることができる。必要に応じて、更に、水等の溶媒による洗浄や活性炭処理等によって、目的とするトリアジン化合物を精製することができる。
(樹脂組成物について)
前記の化学式(II)で示されるトリアジン化合物は、硬化剤と共に、更に必要に応じて硬化剤および硬化促進剤(硬化触媒)と共に、樹脂に1種または種類の異なる2種以上配合して、樹脂組成物とすることができる。
化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有する本発明の樹脂組成物(接着剤用、シール剤用および半導体封止剤用)における該トリアジン化合物の配合量は、樹脂100重量部に対して、0.01〜150重量部の割合とすることが好ましく、0.1〜50重量部の割合とすることがより好ましい。
そして、硬化剤の配合量は、樹脂100重量部に対して、0.01〜300重量部の割合とすることが好ましく、0.1〜200重量部の割合とすることがより好ましい。
また、硬化促進剤の配合量は、樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部の割合とすることが好ましく、0.1〜0.5重量部の割合とすることがより好ましい。
前記の樹脂の例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビスマレイミドトリアジン樹脂、シアネートエステル樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ベンゾオキサジン樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂の中でも特に、エポキシ樹脂が好ましい。
前記のエポキシ樹脂としては、分子内に少なくとも2つのエポキシ基を有する物質であればよいが、分子内に少なくとも2つのエポキシ基を有する物質と、分子内に1つのエポキシ基を有する物質の混合物であってもよい。
このようなエポキシ樹脂の例としては、
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、3′,4′−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレートのような環状脂環式エポキシ樹脂、1,3,4,6−テトラグリシジルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジメチルグリコールウリル、1,3,4,6−テトラグリシジル−3a,6a−ジフェニルグリコールウリル、トリグリシジルイソシアヌレート、モノアリルジグリシジルイソシアヌレート、ジアリルモノグリシジルイソシアヌレートやヒダントイン型エポキシ樹脂等の含窒素環状エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、脂肪族系エポキシ樹脂、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ジシクロ環型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂やハロゲン化エポキシ樹脂等の他、炭素−炭素二重結合およびグリシジル基を有する有機化合物と、SiH基を有するケイ素化合物とのヒドロシリル化付加反応によるエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物(例えば、特開2004−99751号公報や特開2006−282988号公報に開示されたエポキシ変性オルガノポリシロキサン化合物)が挙げられる。
なお、ここで云うエポキシ樹脂とは、硬化前のエポキシ化合物を指す。
前記の硬化剤の例としては、
フェノール性水酸基を有する化合物、酸無水物やアミン類の他、メルカプトプロピオン酸エステル、エポキシ樹脂末端メルカプト化合物等のメルカプタン化合物、トリフェニルホスフィン、ジフェニルナフチルホスフィン、ジフェニルエチルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、芳香族ホスホニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、芳香族セレニウム塩等が挙げられる。
前記のフェノール性水酸基を有する化合物の例としては、
ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールS、テトラクロロビスフェノールA、テトラブロモビスフェノールA、ジヒドロキシナフタレン、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールAノボラック、臭素化フェノールノボラック、レゾルシノール等が挙げられる。
前記の酸無水物の例としては、
メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、無水トリメリット酸、ナジック酸無水物、ハイミック酸無水物、メチルナジック酸無水物、メチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチルノルボルナン−2,3−ジカルボン酸無水物等が挙げられる。
前記のアミン類の例としては、
ジエチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ダイマー酸変性エチレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルスルホン、4,4′−ジアミノジフェノールエーテル、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン等や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等のイミダゾール化合物が挙げられる。
前記の硬化促進剤の例としては、
1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン化合物、2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等の有機ホスフィン化合物、テトラブチルホスフォニウムブロマイド、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホロジチオネート等のホスホニウム化合物、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、2−メチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等のテトラフェニルボロン塩、酢酸鉛、オクチル酸錫、ヘキサン酸コバルト等の脂肪族酸金属塩等が挙げられる。
なお、これらの物質のうちの一部は、前述の硬化剤としても使用される。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて非晶性シリカ、結晶性シリカ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、アルミナ、マグネシア、クレー、タルク、ケイ酸カルシウム、酸化チタン等の無機充填材、セルロース、ガラス繊維、ボロン繊維、炭素繊維等の繊維状充填材、カーボンブラック、グラファイト、カーボンナノチューブ、フラーレン、酸化鉄、金、銀、アルミニウム粉、鉄粉、ニッケル、銅、亜鉛、クロム、半田、ナノサイズの金属結晶、金属間化合物等の導電性充填材、エチレングリコール、プロピレングリコール等の脂肪族ポリオール、脂肪族または芳香族カルボン酸化合物、フェノール化合物等の炭酸ガス発生防止剤、ポリアルキレングリコール等の可撓性付与剤、酸化防止剤、可塑剤、滑剤、シラン系等のカップリング剤、無機充填材の表面処理剤、難燃剤、帯電防止剤、着色剤、レベリング剤、イオントラップ剤、摺動性改良剤、各種ゴム、耐衝撃性改良剤、揺変性付与剤、界面活性剤、表面張力低下剤、消泡剤、沈降防止剤、光拡散剤、紫外線吸収剤、抗酸化剤、離型剤、蛍光剤等の添加剤を配合することができる。
また、主成分の樹脂を改質して、その特性を改良するために、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエーテル樹脂、メラミン樹脂、アクリル変性エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、ゴム変性エポキシ樹脂、アルキッド変性エポキシ樹脂等から選択される主成分の樹脂とは異なる樹脂を、配合することができる。
また、本発明の樹脂組成物には、該樹脂組成物の溶剤(溶液)化や粘度調整の為に、トルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブチル等の有機溶剤、ブチルグリシジルエーテル、N,N′−ジグリシジル−o−トルイジン、フェニルグリシジルエーテル、スチレンオキサイド、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等の反応性希釈剤、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジベート、石油系溶剤等の非反応性の希釈剤を配合することができる。
本発明の樹脂組成物は、その調製方法に特に制限はなく、前述の各成分を所定量計り取って撹拌混合することにより調製される。例えば、予備混合の後、ロール混練機、ニーダーや押出機等を用いて、混合あるいは溶融混練することにより調製することもできる。
本発明の樹脂組成物は、その硬化方法に特に制限はなく、密閉式硬化炉や連続硬化が可能なトンネル炉等の従来公知の硬化装置を採用することができる。加熱源についても特に制約されることなく、熱風循環、赤外線加熱、高周波加熱等、従来公知の方法を採用することができる。硬化温度および硬化時間は、適宜設定すればよい。
本発明の樹脂組成物の使用用途に特に制限はなく、樹脂製材料が使用される様々な分野、製品に適用することが可能であり、電気・電子材料用途、建築用途、土木用途、自動車用途、医療材料用途等に広く使用できる。
例えば、電気・電子材料用途における例としては、接着剤、シール剤、半導体封止剤、絶縁材料、熱伝導性材料、ホットメルト材料、塗料、ポッティング剤等が挙げられるが、より具体的には、プリント配線板、銅箔、銅張積層板、層間絶縁材料、配線被覆膜、樹脂付銅箔(RCC)、プリプレグ等の電子部品の封止材料や層形成材料、カラーフィルター、フレキシブルディスプレイ用フィルム、レジスト材料、ソルダーレジストインク、配向膜等の表示装置の形成材料、レジスト材料、バッファーコート膜等の半導体装置の形成材料、ホログラム、光導波路、光回路、光回路部品、反射防止膜等の光学部品の形成材料が挙げられる。
また、建築用途における材料の例としては、各種金属パネル・サイディングボード等の外装材の目地用シール材、コーティング材、プライマー等、外装材・下地材・天井材と内装材の間に使用するシール材、接着剤、注入材、制振材、防音材、電磁波遮蔽用導電性材料、パテ材等、外壁材・下地材へのタイル・石材接着用の接着剤、各種床への木質フローリング材・高分子材料系床シート・床タイル接着用の接着剤、粘着剤等、各種外装材・内装材のクラック補修用注入材等が挙げられ、土木用途における材料の例としては、道路・橋梁・トンネル・防波堤・各種コンクリート製品の目地用シール材、コーティング材、プライマー、塗料、注入材、パテ材、型取材、吹付材等が挙げられ、自動車用途における材料の例としては、自動車ボディーのシール材、コーティング材、緩衝材、制振材、防音材、吹付材等、自動車内装用の接着剤、粘着材、コーティング材、発泡材料等、自動車部品のシール材、接着剤等、トラック・バス等の各種鋼板継ぎ目用のシール材、接着剤、コーティング材等が挙げられ、医療材料用途における例としては、医療用ゴム材料、医療用粘着剤、医療機器シール材等が挙げられる。
(表面処理剤について)
本発明の表面処理剤は、金属の表面処理に使用され、前記の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を有効成分として含有する。
該トリアジン化合物は、1種もしくは種類の異なる2種以上を水、有機溶剤もしくは水と有機溶剤の混合液に溶解または分散することにより調製される。
本発明の表面処理剤の調製に使用される有機溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサンの他、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等を例示することができ、これらから選択される1種または2種以上を使用することができる。
本発明の表面処理剤中における化学式(II)で示されるトリアジン化合物の濃度は、0.001〜20重量%の範囲であることが好ましい。
該トリアジン化合物の濃度が0.001重量%未満の場合、金属の耐熱性、耐湿性および金属と樹脂との接着性の向上効果が十分に得られない虞があり、20重量%を超える場合には、金属の耐熱性、耐湿性および金属と樹脂との接着性の向上効果がほぼ頭打ちとなり、トリアジン化合物の使用量が増えるばかりで経済的ではない。
本発明の表面処理剤には、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要により公知の防錆剤やカップリング剤等を加えてもよい。
本発明の表面処理剤を金属の表面に接触させる方法としては、特に制限はなく、浸漬、塗布、スプレー等の手段を採用することができる。
表面処理剤と金属を接触させる時間(処理時間)については、1秒〜10分とすることが好ましい。処理時間が1秒未満の場合には、金属の表面に形成される化成皮膜の膜厚が薄くなり、金属の耐熱性、耐湿性および金属と樹脂との接着力が十分に得られない虞がある。一方、処理時間が10分を超えた場合には、金属の表面に形成される化成皮膜の膜厚に大差はなく、金属の耐熱性、耐湿性および金属と樹脂との接着性の向上効果もほぼ頭打ちとなる。
また、表面処理剤を金属の表面に接触させる際の表面処理剤の温度については、5〜50℃とすることが好ましいが、前記の処理時間との関係において、適宜設定すればよい。
本発明の表面処理剤により処理される金属に特に制限はなく、例えば、銅、アルミニウム、チタン、ニッケル、スズ、鉄、亜鉛、銀、白金、金やそれらの合金を表面処理できるが、銅または銅合金を好ましく表面処理することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によって具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、これらにおいて使用した主な原材料は以下のとおりである。
[原材料]
・2−クロロ−4,6−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン:「特公昭40−23025号公報」に記載の方法に準拠して合成した。
・2−メルカプト−4,6−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン:参考例1に合成例を示した。
・2−クロロ−4,6−ビス[(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジン:参考例2に合成例を示した。
・水硫化ナトリウム:和光純薬工業社製
・塩化シアヌル:同上
・テトラヒドロフラン:同上
・トリエチルアミン:同上
・3−アミノプロピルトリエトキシシラン:モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂:三菱化学社製、商品名「jER828」
・シリカ:エボニック社製、商品名「アエロジル300」
・2−エチル−4−メチルイミダゾール:四国化成工業社製、商品名「2E4MZ」、以下「2E4MZ」と云う。
・2,4−ジメルカプト−6−ジプロピルアミノ−1,3,5−トリアジン:「特開2014−237797号公報」に記載の方法に準拠して合成した。以下「DMDPAT」と云う。
〔参考例1〕
<2−メルカプト−4,6−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジンの合成>
温度計を備えた1Lフラスコに、2−クロロ−4,6−ビス[(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−1,3,5−トリアジン58.42g(0.25mol)、水250.0gおよび水硫化ナトリウム20.0g(0.25mol)を投入した。得られた溶液を100℃にて3時間撹拌した。次いで、反応液を氷冷下で10℃以下になるまで冷却して、生成した結晶をろ別し、乾燥して、表題のトリアジン化合物(以下「トリアジン化合物A」と云う、化学式(VI)参照)36.7g(収率64%)を得た。
Figure 0006462539
〔参考例2〕
<2−クロロ−4,6−ビス[(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジンの合成>
温度計を備えた500mLフラスコに、塩化シアヌル18.4g(0.1mol)とテトラヒドロフラン200.0gを投入して、撹拌しながら氷冷下で10℃以下になるまで冷却した後、3−アミノプロピルトリエトキシシラン44.3g(0.2mol)、トリエチルアミン22.3g(0.22mol)の順に滴下した。
得られた溶液を40℃にて3時間撹拌した。次いで、反応液を氷冷下で10℃以下になるまで冷却した後、不溶物をろ別し、濃縮して表題のトリアジン化合物111.0gを得た。
〔実施例1〕
<2−メルカプト−4,6−ビス[(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジンの合成>
温度計を備えた200mLフラスコに、2−クロロ−4,6−ビス[(3−トリエトキシシリルプロピル)アミノ]−1,3,5−トリアジン11.1g(0.02mol)、テトラヒドロフラン20.0gおよび水硫化ナトリウム20.0g(0.02mol)を投入した。得られた溶液を70℃にて6時間撹拌した。次いで不溶物をろ別し、濃縮して、淡黄色結晶6.6g(収率60%)を得た。
得られた結晶のH−NMRスペクトルデータは、以下のとおりであった。
1H-NMR(d6-DMSO) δ:7.75(br,2H), 4.32(br,1H), 3.73(q,12H), 3.18(t,4H), 1.38(dt,4H), 1.10(t,18H), 0.57(t,4H).
また、この結晶のIRスペクトルデータは、図1に示したチャートのとおりであった。
これらのスペクトルデータより、得られた結晶は、化学式(VII)で示される表題のトリアジン化合物(以下「トリアジン化合物B」と云う。)であるものと同定した。
Figure 0006462539
参考例3
ビスフェノールA型エポキシ樹脂、トリアジン化合物A、シリカ、2E4MZを表1記載の組成となるように配合し、自転公転ミキサー(シンキー社製、商品名:あわとり錬太郎)にて5分間撹拌混合し、1分間脱泡してエポキシ樹脂組成物を調製した。
エポキシ樹脂組成物を、鋼板に均一に塗布し、60℃/4時間加熱した後、150℃/4時間加熱硬化させて、硬化皮膜が形成した試験片を作製した。
得られた試験片について、引張せん断接着力をJISK6850に準拠して測定し、硬化皮膜の鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔実施例
トリアジン化合物Aの代わりにトリアジン化合物Bを使用した以外は、参考例3と同様にして、表1記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、続いて、試験片を調製して、硬化皮膜の鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔比較例1〕
トリアジン化合物Aを使用しない以外は、参考例3と同様にして、表1記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、続いて、試験片を調製して、硬化皮膜の鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
〔比較例2〕
トリアジン化合物Aの代わりに化学式(VIII)で示されるDMDPATを使用した以外は、参考例3と同様にして、表1記載の組成を有するエポキシ樹脂組成物を調製し、続いて、試験片を調製して、硬化皮膜の鋼板に対する接着性(密着性)を評価した。
得られた試験結果は、表1に示したとおりであった。
Figure 0006462539
Figure 0006462539
表1に示した試験結果によれば、本発明のエポキシ樹脂組成物は、優れた接着性能を有する硬化物を与えることができる。
本発明の樹脂組成物は、接着剤、シール剤、半導体封止材、銅張積層板、層間絶縁材料、樹脂付銅箔(RCC)、プリプレグ等の原料として好適に利用することができるので、産業上の利用可能性は多大である。

Claims (13)

  1. 学式(II)で示されるトリアジン化合物。
    Figure 0006462539
    (式中、Yは互いに同一であっても異なってもよく、水素原子またはSi(OR)を表す。RおよびRは互いに同一であっても異なってもよく、水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表す。qは互いに同一であっても異なってもよく、0〜10の整数を表す。)
  2. 化学式(IV)で示されるトリアジン化合物と、水硫化ナトリウムを反応させることを特徴とする請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物の合成方法。
    Figure 0006462539
    (式中、Y、R およびqは前記と同様である。)
  3. 請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  4. 請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする接着剤用またはシール剤用樹脂組成物。
  5. 請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする半導体封止剤用樹脂組成物。
  6. 請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とする表面処理剤
  7. 請求項1記載の化学式(II)で示されるトリアジン化合物を含有することを特徴とするソルダーレジストインク
  8. 請求項6記載の表面処理剤を表面に塗布したことを特徴とする銅箔
  9. 請求項記載の樹脂組成物を使用したことを特徴とする銅張積層板
  10. 請求項記載の樹脂組成物を使用したことを特徴とする層間絶縁材料
  11. 請求項記載の樹脂組成物を使用したことを特徴とする樹脂付銅箔
  12. 請求項記載の樹脂組成物をシート状補強基材の表面に塗布または該補強基材中に含浸したことを特徴とするプリプレグ
  13. 請求項記載の表面処理剤を表面に塗布したことを特徴とするプリント配線板
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