JP6464005B2 - 雑音抑圧音声認識装置およびそのプログラム - Google Patents
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Description
このような入力音声から発話区間を検出する手法としては、特許文献1に開示されている手法が存在する。
この手法は、音声および非音声の状態遷移を行う隠れマルコフモデルを予め定め、それぞれの状態遷移系列から計算される尤度を比較することで、音声区間を検出している。
しかし、入力音声が放送番組の音声である場合、その音声には、人が発話した音声以外に、雑音として、音楽、音声認識対象外の外国語音声等が混在している場合がある。
このように、入力音声に種々の雑音が混在している場合、単純に音声区間と非音声区間を検出する従来の手法では、人が発話した音声区間のみを検出することは困難である。
一方、従来手法において仮に音声区間を検出することができたとしても、人が発話した音声区間に雑音が重畳している場合、音声認識の精度が低くなってしまう。
そして、雑音抑圧音声認識装置は、クラス特徴量算出手段によって、統計モデルに基づいて、音響特徴量抽出手段で抽出された音響特徴量から、フレームごとに、音声認識対象である母語音声を含む音声の種類ごとの各クラスが出現する事後確率と、雑音の種類ごとの各クラスが出現する事後確率とを、各クラスのクラス特徴量として算出する。この統計モデルは、予め統計モデル記憶手段に記憶されているもので、音響特徴量と音声の種類ごとの関係、および、音響特徴量と雑音の種類ごとの関係とを予め学習したものである。この統計モデルは、ニューラルネットワークのパラメータ(ネットワークの層間を結合する結合行列とバイアス項)としてモデル化しておくことができる。
また、雑音抑圧音声認識装置は、雑音区間検出手段によって、雑音の種類ごとの各クラスが出現する事後確率に基づいて、雑音の種類(外国語音声、音楽等)ごとの雑音区間を検出する。この雑音の種類ごとの雑音区間についても、隠れマルコフモデルに基づく、雑音の種類ごとの各クラスの状態遷移系列により検出することができる。
これによって、雑音抑圧音声認識装置は、入力音声のどの区間が音声区間であるのかを検出することができるともに、その音声区間において、さらに雑音の種類ごとの区間を検出することができる。
これによって、雑音抑圧音声認識装置は、音声区間に重畳されている雑音の種類に応じて、個別に雑音を抑圧した音響特徴量を生成することができる。
これによって、雑音抑圧音声認識装置は、入力音声から、音声認識対象の音声(母語音声)による音声区間を検出し、その音声区間に重畳されている雑音の種類に応じて雑音を抑圧した音声認識を行うことができる。
本発明によれば、雑音が重畳した入力音声であっても、音声と雑音とをモデル化した統計モデルを用いることで、音声認識対象の音声による音声区間を精度よく検出することができる。また、本発明によれば、検出した音声区間に重畳されている雑音の種類に応じた雑音抑圧処理を施すことができるため、音声認識の精度を高めることができる。
〔雑音抑圧音声認識装置の構成〕
まず、図1を参照して、本発明の実施形態に係る雑音抑圧音声認識装置1の構成について説明する。
ここでは、雑音抑圧音声認識装置1は、区間検出手段10と、雑音抑圧手段20と、音声認識手段30と、を備える。
ここでは、区間検出手段10は、音響特徴量抽出手段11と、特徴量正規化手段12と、フレームバッファ13と、統計モデル記憶手段14と、クラス特徴量算出手段15と、音声区間検出手段16と、雑音区間検出手段17と、雑音抑圧処理選択手段18と、を備える。
この音響特徴量抽出手段11は、所定次数の対数振幅スペクトルを、特徴量正規化手段12に出力する。
その場合、音響特徴量抽出手段11は、前記のように求めた所定次数の対数振幅スペクトルに対して、離散コサイン変換(DCT:Discrete Cosine Transform)を行い、スペクトルの声道成分となる低次(例えば、12次元)の成分をメル周波数ケプストラム係数として取り出せばよい。
例えば、特徴量正規化手段12は、音響特徴量抽出手段11で抽出された音響特徴量である所定次数の特徴量ベクトル(対数振幅スペクトルまたはメル周波数ケプストラム係数)を、平均値が“0”、分散が“1”となるように正規化する。これによって、特徴量ベクトルのダイナミックレンジ(幅)を圧縮するとともに、例えば、マイク特性、話者の違い等による音響特徴量のばらつき(歪み)を抑えることができる。
この特徴量正規化手段12は、正規化された音響特徴量を、フレーム単位で、フレームバッファ13に蓄積する。
このフレームバッファ13には、特徴量正規化手段12によって、音響特徴量が逐次記憶され、クラス特徴量算出手段15によって順次読み出される。なお、フレームバッファ13のクリアは、音声区間検出手段16および雑音区間検出手段17の説明において行うこととする。
この統計モデルは、単一の音声入力(音響特徴量)から、音声に着目した分類と、雑音に着目した分類とを2つ独立して、それぞれの事後確率をモデル化したものである。
ここでは、音声を、母語音声と、非音声(音楽、外国語音声、その他雑音)と、無音との3つの種類にクラス分けすることとする。また、雑音を、雑音なし(母語音声のみ、または、無音)と、外国語音声と、音楽と、その他雑音との4つの種類にクラス分けすることとする。
図1に戻って、雑音抑圧音声認識装置1の構成について説明を続ける。
すなわち、クラス特徴量算出手段15は、図2に示すように、統計モデル記憶手段14に予め記憶されているリカレントニューラルネットワークNの層間を結ぶ結合行列およびバイアスに基づいて、入力層から出力層までの演算を順次行い、クラス特徴量を算出する。
ここでは、音声区間検出手段16は、各フレームが、“母語音声”、“非音声”および“無音”のどのクラスに属する音声であるのかを判定する。この場合、“母語音声”と判定された1以上の連続フレームが音声区間となる。
そして、音声区間検出手段16は、フレームバッファ13に記憶されている音響特徴量の各クラスに遷移する最尤系列を求めることで、フレームごとのクラスを特定する。なお、最尤系列とは、遷移する確率が最大となるHMM状態系列をいう。
これによって、音声区間検出手段16は、フレームバッファ13に記憶されている音響特徴量がどのクラスの特徴量であるのかを順次判定することができる。
そして、音声区間検出手段16は、雑音抑圧処理選択手段18から読み出し完了の応答を受け取ったタイミングで、フレームバッファ13の内容を更新する。
このように、フレームバッファ13には、バッファサイズをNbuf、決定区間をNdet、未決区間をNnotとしたとき、以下の式(1)の関係がある。
なお、図4において、フレームバッファ13よりも前(図中、左)に、遷移状態を示す“○印”が存在しているが、これは、クラスの判定動作継続中の未決区間のクラス判定を行う際に、決定区間の最後の状態のクラス特徴量を含んで最尤系列を求めてもよいことを示している。これによって、最尤系列の精度を高めることができる。
ここでは、雑音区間検出手段17は、各フレームが、“雑音なし”、“外国語音声”、“音楽”および“その他雑音”のどのクラスに属する雑音であるのかを判定する。この場合、例えば、“音楽”と判定された1以上の連続フレームが、音楽による雑音区間となる。
そして、雑音区間検出手段17は、フレームバッファ13に記憶されている音響特徴量の各クラスに遷移する遷移確率が最大となる最尤系列を求めることで、フレームごとのクラスを特定する。
これによって、あるフレームに対して、音声区間検出手段16で判定されたクラスのタグ(“母語音声”,“非音声”,“無音”)と、雑音区間検出手段17で判定されたクラスのタグ(“雑音なし”,“外国語音声”,“音楽”,“その他雑音”)とが対となって、フレームごとに雑音抑圧処理選択手段18に出力される。
ここでは、雑音抑圧処理選択手段18は、音声区間検出手段16で“母語音声”と判定されたフレームにおいて、雑音区間検出手段17で判定された雑音の種別(クラス)に応じて、雑音抑圧処理を切り替える。
また、雑音抑圧処理選択手段18は、音声区間検出手段16で“無音”と判定されたフレームについては、入力aの出力を出力bに切り替えて、無音の音響特徴量を雑音抑圧手段20に出力することとしてもよいし、入力aの出力を出力fに切り替えて、無音の音響特徴量を雑音抑圧手段20に出力しないこととしてもよい。
これによって、雑音抑圧処理選択手段18は、音声に重畳されている雑音の種別に応じて、最適な雑音抑圧手法を選択することができる。
この雑音抑圧手段20は、特定の雑音の種別に応じた複数の特定雑音抑圧手段21(21a,21b,21c)と、雑音抑圧モデル記憶手段22と、を備える
なお、特定雑音抑圧手段21a,21b,21cは、それぞれ雑音抑圧モデル記憶手段22に記憶されている専用のモデルを用いることする。
(参考文献)「Xue Feng, Yaodong Zhang, James Glass ,“SPEECH FEATURE DENOISING AND DEREVERBERATION VIA DEEP AUTOENCODERS FOR NOISY REVERBERANT SPEECH RECOGNITION”,2014 IEEE International Conference on Acoustics, Speech, and Signal Processing (ICASSP)」
なお、雑音抑圧手段20は、雑音のクラスが“雑音なし”と判定されたフレームの音響特徴量、すなわち、雑音抑圧処理選択手段18の出力bから入力した音響特徴量については、特定雑音抑圧手段21を介さずに、そのまま音声認識手段30に出力する。
ここでは、音声認識手段30は、雑音抑圧手段20から、雑音を抑圧した音声の音響特徴量(雑音抑圧音響特徴量)を入力する。
この音声認識手段30における音響特徴量から音声認識を行う手法は、一般的な手法を用いればよい。例えば、音声認識手段30は、音響特徴量を隠れマルコフモデル(HMM)でモデル化した音響モデルと、単語間の接続関係をモデル化した言語モデルとを用いて、順次入力される音響特徴量から文字列を推定すればよい。
この音声認識手段30は、推定した文字列を認識結果として外部に出力する。例えば、音声認識手段30は、認識結果である文字列を、図示を省略した表示装置に出力してもよいし、記録媒体に記録することとしてもよい。
このように、音声認識手段30は、入力音声の音響特徴量に対して、雑音の成分を抑圧した音響特徴量を用いて音声認識を行うため、認識精度を高めることができる。
なお、雑音抑圧音声認識装置1は、コンピュータを、前記した構成の各手段として機能させるためのプログラム(雑音抑圧音声認識プログラム)で動作させることができる。
次に、統計モデル記憶手段14に記憶される統計モデル(リカレントニューラルネットワーク)の学習について説明する。
ここでは、図2に示したリカレントニューラルネットワークNとして、所定次元の音響特徴量を入力し、音声の各クラス(ここでは、母語音声、非音声、無音)のクラス特徴量(事後確率)と、雑音の各クラス(ここでは、雑音なし、外国語音声、音楽、その他雑音)のクラス特徴量(事後確率)とを出力する統計モデルを学習する例を説明する。
この場合、リカレントニューラルネットワークNのネットワーク層間を結ぶ結合行列およびバイアスは、教師信号を用いる既存のアルゴリズムである誤差逆伝播法を用いて求めればよい。この教師信号は、既知の雑音が重畳された音声(音響特徴量)、および、当該音声のフレームごとの各クラスの事後確率である。
図7(a)は、既知の雑音が所定時間に重畳されている音声の音響特徴量を12フレーム分示している。なお、この音響特徴量は、図1に示した音響特徴量抽出手段11と同様の手法で、雑音が重畳された音声から抽出したものである。
この音響特徴量が、リカレントニューラルネットワークNの入力層に入力される信号となる。
例えば、音声区間検出手段16に対する出力として、図7(b)に示すように、第1フレームから第2フレームまで、および、第10フレームから第12フレームまでは、母語音声が含まれていないため、図7(c)に示すように、非音声の状態の事後確率“1.0”が出力されることが期待される。また、第3フレームから第9フレームまでは、母語音声が含まれているため、音声の状態の事後確率“1.0”が出力されることが期待される。
このような既知の種々の学習データを教師信号として学習させることで、リカレントニューラルネットワークを構成することができる。
次に、図8,図9を参照して、本発明の実施形態に係る雑音抑圧音声認識装置1の動作について説明する。なお、ここでは、予め統計モデル記憶手段14および雑音抑圧モデル記憶手段22に各モデルが記憶されているものとする。
また、ここでは、雑音抑圧音声認識装置1の動作として、フレームバッファ13に音響特徴量を蓄積する動作と、フレームバッファ13に蓄積されている音響特徴量から、雑音を抑圧した音声認識を行う動作とに分けて説明する。
まず、図8を参照(構成については適宜図1参照)して、雑音抑圧音声認識装置1のフレームバッファ13に音響特徴量を蓄積する動作について説明する。
次に、図9を参照(構成については適宜図1参照)して、雑音抑圧音声認識装置1の雑音のクラス別に雑音抑圧手法を切り替えて雑音抑圧を行う動作について説明する。
このとき、音声区間検出手段16で最尤系列として検出されたフレームのクラスが、音声(母語音声)でなければ、当該フレームの音響特徴量については、フレームバッファ13から特定雑音抑圧手段21への出力を行わないこととする。
その後、雑音抑圧音声認識装置1は、音声認識手段30によって、複数の特定雑音抑圧手段21で順次算出されたフレーム単位の音響特徴量により音声認識を行う(ステップS26)。
以上の動作によって、雑音抑圧音声認識装置1は、雑音が重畳された音声から、音声区間を検出し、その音声区間における雑音の種別に応じた雑音抑圧手法により、雑音を抑圧して、精度よく音声認識を行うことができる。
例えば、ここでは、統計モデル記憶手段14に記憶する統計モデルを、リカレントニューラルネットワークを例として説明したが、他の統計モデルを用いても構わない。例えば、一般的なフィードフォワード型のニューラルネットワークを用いることとしてもよい。
また、ここでは、雑音区間検出手段17において、“雑音なし”、“外国語音声”、“音楽”および“その他雑音”の4つのクラスの雑音を規定したが、“拍手”、“笑い声”等の雑音のクラスを規定することとしてもよい。また、予めあるクラスの雑音が存在しないことが既知であれば、そのクラスを省略してもよい。
また、ここでは、雑音抑圧音声認識装置1の内部に音声認識手段30を備える構成としたが、この音声認識手段30を分離して、外部に音声認識装置として備えることとしてもよい。
10 区間検出手段
11 音響特徴量抽出手段
12 特徴量正規化手段
13 フレームバッファ
14 統計モデル記憶手段
15 クラス特徴量算出手段
16 音声区間検出手段
17 雑音区間検出手段
18 雑音抑圧処理選択手段
20 雑音抑圧手段
21 特定雑音抑圧手段
22 雑音抑圧モデル記憶手段
30 音声認識手段
Claims (6)
- 入力音声に対して雑音抑圧を行って音声認識を行う雑音抑圧音声認識装置であって、
前記入力音声から、所定時間長のフレーム単位で音響特徴量を抽出する音響特徴量抽出手段と、
前記音響特徴量と音声認識対象である母語音声を含む音声の種類ごとの関係、および、前記音響特徴量と雑音の種類ごとの関係とを予め学習した統計モデルを記憶する統計モデル記憶手段と、
前記統計モデルに基づいて、前記音響特徴量抽出手段で抽出された音響特徴量から、フレームごとに、前記音声の種類ごとの各クラスが出現する事後確率と、前記雑音の種類ごとの各クラスが出現する事後確率とを、各クラスのクラス特徴量として算出するクラス特徴量算出手段と、
前記音声の種類ごとの各クラスが出現する事後確率に基づいて、前記母語音声の音声区間を検出する音声区間検出手段と、
前記雑音の種類ごとの各クラスが出現する事後確率に基づいて、前記雑音の種類ごとの雑音区間を検出する雑音区間検出手段と、
前記音声区間に対応する前記雑音区間における雑音の種類に応じて、予め定めた雑音抑圧手法を選択する雑音抑圧処理選択手段と、
この雑音抑圧処理選択手段で選択された雑音抑圧手法で、前記音声区間における雑音の音響特徴量を抑圧した音響特徴量を生成する雑音抑圧手段と、
この雑音抑圧手段で生成された音響特徴量により音声認識を行う音声認識手段と、
を備えることを特徴とする雑音抑圧音声認識装置。 - 前記統計モデルは、前記音響特徴量から、前記音声の種類ごとの各クラスが出現する事後確率と、前記雑音の種類ごとの各クラスが出現する事後確率とをモデル化したニューラルネットワークであることを特徴とする請求項1に記載の雑音抑圧音声認識装置。
- 前記音声区間検出手段は、隠れマルコフモデルに基づいて、前記音声の種類ごとの各クラスの状態遷移系列における前記音声区間を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の雑音抑圧音声認識装置。
- 前記雑音区間検出手段は、隠れマルコフモデルに基づいて、前記雑音の種類ごとの各クラスの状態遷移系列における前記雑音の種類ごとの雑音区間を検出することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の雑音抑圧音声認識装置。
- 前記音響特徴量抽出手段で抽出された音響特徴量の平均および分散を正規化する特徴量正規化手段を、さらに備えることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の雑音抑圧音声認識装置。
- コンピュータを、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の雑音抑圧音声認識装置として機能させるための雑音抑圧音声認識プログラム。
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