JP6465849B2 - 長時間除電装置 - Google Patents
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Description
この種の装置として、複数の電極針の半数に正の直流高電圧を印加し、残りの半数の電極針に負の直流高電圧を印加することで、正,負のイオンを同時に生成して、それを除電対象に向かって放出させるものがあった。
このような電極針は、長期の使用によって、その先端が腐食やスパッタリングなどで摩耗し、劣化してしまうが、電極針が劣化すると、イオン生成量が減少してしまう。特に、正の直流高電圧が印加された正極の電極針の方が、負の直流高電圧が印加された負極の電極針と比べて劣化しやすく、その分イオン生成量の減少も激しいことが知られている。そのため、使用時間が長くなると、正極の電極針と負極の電極針とで生成されるイオン量に差ができてしまう。その結果、イオンバランスが崩れてしまうという問題があった。
そして、イオンバランスが大きく崩れてしまえば、除電に時間がかかってしまったり、除電対象物を逆帯電させてしまったりして、目的の除電ができないことがあった。
この従来の除電装置は、電極針を2つのグループに分けている。
そして、第1グループに正の直流高電圧を印加し、第2グループに負の直流高電圧を印加する第1極性パターンと、正負を逆にした第2極性パターンとを交互に実行するが、その際、各グループの放電電流値を検出するようにしている。そして、検出した第1,2グループの放電電流値の差が、所定値よりも大きくなったとき、上記第1,2極性パターンを切り換えるようにしている。
このように、一方のグループの電極針の劣化が進んで、第1,2グループ間の放電電流値の差が所定値より大きくなったときに、極性パターンを切り換えることで、両グループの放電電流値の差が大きくならないようにし、生成されるイオン量の差が大きくならないようにしている。
ところが、上記放電電流値は、電極針が腐食することによってその先端が変形したり、短くなったりしたときだけでなく、先端近傍に微細な異物が付着することによっても変化する。
図4(b)のように、電極針1は長時間の利用によってその先端2が摩耗して変形してしまい、その全長も短くなってしまう。このように摩耗して劣化した電極針では放電状態が不安定になり、イオンの生成量が減少してしまう。
さらに、上記先端2の近傍には、電場の作用によって大気中の微細な異物3が付着しやすい。ただし、この異物3は電極針1の表面に固着しているのではなく、揺れたり、表面からはなれて飛散したりするものである。
このように、従来の除電装置では、微妙に変化する放電電流値を基にして極性パターンの切り換えを制御しているため、極性パターンの切り換えが頻繁に行なわれることになる。
例えば、電極針1の先端2の近傍に異物3が付着したり、付着している異物3が離脱したり、再付着したりすれば、電極針自体の劣化状況が変わらないのに、放電電流値が変化して、極性パターンが切り換えられることがある。特に、使用時間が長くなって、電極針1の先端2のスパッタリングによる摩耗や先端近傍に付着した異物3の影響が大きくなればなるほど、極性パターンが頻繁に切り換えられることになる。
そして、上記制御部は、電極針について上記第1又は第2の極性パターンのスタート時からの経過時間を計測する機能と、上記経過時間が12時間〜24時間の間で予め設定された設定時間に達したとき、上記第1極性パターンと第2極性パターンとを切り換えるとともに、以後、12〜24時間ごとに上記第1極性パターンと第2極性パターンとを切り換える機能と、上記第1又は2の極性パターンのスタート時から、上記設定時間内に上記正・負高電圧電源部からの出力が中断され、その後に上記正・負高電圧電源部からの出力が再開されたとき、上記極性パターンの切り換え時から上記中断時までの経過時間と上記設定時間との差分の時間が経過するまで上記中断前の極性パターンを維持する機能と、上記極性パターンの切り換え時から上記中断時までの経過時間と上記設定時間との差分の時間が上記設定時間よりも短い所定時間以下のときには、上記中断前の極性パターンを維持せず、中断前と異なる極性パターンを選択する機能とを備えている。
しかも、本発明は、電極針の使用開始からの経過時間を計測し、上記経過時間が12時間〜24時間の間で予め設定された設定時間に達したとき、上記第1極性パターンと第2極性パターンとを切り換える。そして、以後、12〜24時間ごとに上記第1極性パターンと第2極性パターンとを切り換えるようにしている。
したがって、例えば、図3の実験結果に基づけば、0.005[mm]消耗したときに、第1極性パターンと第2極性パターンとの間で切り換えが行われる。このような切り換えの下では、電極針の長さのアンバランスの最大幅は0.005[mm]程度になる。言い換えると、正の電圧が印加された電極針が0.005[mm]程度消耗したときに、そこに印加される電圧が負極に切り換えられるので、正の電圧が印加されている電極針と負の電圧が印加されている電極針との長さの違いが、最大でも0.005[mm]程度になる。
上記のように正の電圧が印加されている電極針と負の電圧が印加されている電極針の長さのアンバランスを0.005[mm]の範囲に抑えられるので、イオンバランスを安定させることができる。
また、第1極性パターンと第2極性パターンとの切り換えは、12〜24時間ごとに行われるので、各電極針に印加される電圧の立ち上がりの影響を無視でき、イオンバランスが保たれた効率的なイオン生成が可能になる。
さらに、当該除電装置を停止するなどして、電源出力を中断させた場合にも、各電極針に対する正,負の直流高電圧の印加時間の偏りを少なくすることができ、電極針の劣化の偏りを少なくできる。その結果、イオンバランスを保つことができる。
上記電極針1a,1bは、図4に示す放電電極1と同様に先端が尖った金属製の針状電極である。そして、全ての電極針1a,1bは全く同じ形状をしている。
ただし、上記放電部7を構成する上記電極針1a,1bは、一方のスイッチ回路5に接続された複数の電極針1aを第1グループAとし、もう一方のスイッチ回路6に接続された複数の電極針1bを第2グループBとする。なお、電極針1a,1bの総数はいくつでも構わないが、各グループA,Bを構成する電極針1aと1bとは同数にしている。
さらに、上記スイッチ回路5,6には、これらスイッチ回路5,6を制御するCPU8が接続されている。
上記スイッチ回路5は、上記第1グループAを上記正電圧供給ライン9又は負電圧供給ライン10に接続するスイッチ回路であり、スイッチ回路6は、上記第2グループBを上記正電圧供給ライン9又は負電圧供給ライン10に接続するスイッチ回路である。
具体的には、スイッチ回路5が正電圧供給ライン9と第1グループAとを接続するとともにスイッチ回路6が負電圧供給ライン10と第2グループBとを接続する第1極性パターンと、スイッチ回路5が負電圧供給ライン10と第1グループAとを接続するとともにスイッチ回路6が正電圧供給ライン9と第2グループBとを接続する第2極性パターンとを、設定時間ごとに交互に切り換えるようにしている。
つまり、この実施形態では、CPU8と、上記スイッチ回路5,6とによって、上記第1,2極性パターンを切り換えるこの発明の制御部を構成している。
しかも、この第1実施形態では、従来の除電装置のように、微妙に変化する放電電流値に基づいて上記極性パターンを切り換えていないため、第1,2極性パターンの切り換えが必要以上に頻繁に行なわれることがない。したがって、印加電圧の立ち上がりの遅れの影響を少なくでき、効率的な除電ができる。
さらに、放電電流値の検知手段を必要としない分、従来装置よりも構造を単純化できるメリットもある。
この第2実施形態では、電極針1a,1bの第1,2グループA,Bからなる放電部7とスイッチ回路5,6との間に、電源部4が設けられている。
上記電源部4は、正の直流高電圧を出力する正側高電圧回路11,14及び負の直流高電圧を出力する負側高電圧回路12,15とからなる。各高電圧回路は、例えば、コッククロフト・ウォルトン回路のような増幅回路と、発振回路などからなり、直流高電圧を出力するものである。
一方、上記スイッチ回路6には、上記正側高圧回路14及び負側高電圧回路15が接続され、これら正,負側高電圧回路14,15の出力側は電圧供給ライン16によって第2グループBに接続されている。
このCPU8と上記スイッチ回路5,6とでこの発明の制御部を構成している。
上記CPU8によって第1極性パターンが選択されるときには、スイッチ回路5が、CPU8と正側高電圧回路11とを接続して、正側高電圧回路11を動作させるとともに、スイッチ回路6が、CPU8と負側高電圧回路15とを接続して、負側高電圧回路15を動作させる。その結果、第1グループAに、上記正側高電圧回路11から電圧供給ライン13を介して正の直流高電圧が印加され、第2グループBに、負側高電圧回路15から電圧供給ライン16を介して負の直流高電圧が印加される。
第2極性パターンにおいては、上記CPU8から出力される制御信号が、上記スイッチ回路5を介して上記CPU8と負側高電圧回路12を動作させるとともに、スイッチ回路6を介して正側高電圧回路14を動作させる。その結果、上記第1グループAに、上記負側高電圧回路12から電圧供給ライン13を介して負の直流高電圧が印加され、上記第2グループBに、上記正側高電圧回路14から電圧供給ライン16を介して正の直流高電圧が印加される。
また、この第2実施形態の除電装置も、放電電流値の検出手段が必要ないため、従来と比べて装置構造をシンプルにできるというメリットがある。
この確認実験は、新品状態で全長15[mm]のタングステン製の複数の電極針を用いて行なった。上記複数の電極針を2つのグループに分け、一方のグループの電極針には+6[kV]を印加して放電させ、他方のグループには−6[kV]を印加して放電させ、それぞれの長さを測定した。
一方、正極の電極針は、50日経過時点で、14.75[mm]であり、新品よりも0.25[mm]短くなっていた。ただし、図3からも明らかなように、50日を経過した後は、正極の電極針もその劣化がほとんどないことが分かった。
そこで、正極の電極針の劣化の進行がなくなる50日以降の日数を平均値の計算から除外して、放電開始時から50日間における正極の電極針の1日平均の劣化状況を計算した。その結果、正極の電極針は、1日平均0.005[mm]短くなることが分かった。
このように、劣化しやすい正極の電極針でも、1日ではその変化量がわずかであることが確認できた。そこで、CPU8に設定する上記設定時間を1日すなわち24時間にして電極針の劣化によるイオンバランスの崩れを防止するようにした。
そして、上記設定時間を、例えば1日や半日に設定すれば、放電部7へ印加する直流高電圧の、立ちあがりの遅れの影響も無視でき、イオン生成量が不足することもない。
この結果から、インコネル(登録商標)製の電極針を用いた場合でも、第1,2極性パターンを切り換えるための設定時間を、それほど短くする必要がないことがわかった。
また、上記設定時間内に、除電装置が停止されて正・負高電圧電源部4からの出力が中断した場合には、運転再開後に、中断前の経過時間に続けて時間計測を行ない、中断前の経過時間と設定時間との差分の時間だけ中断前の極性パターンを維持するようにしてもよい。このようにすれば、どの時点で除電装置が停止されたとしても、第1,2極性パターンが維持される時間が等しくなり、より厳密にイオンバランスを保つことができる。
電極針の劣化は、電極の材質や先端形状、印加電圧値、外部環境などに依存するので、それらに応じて上記設定時間を設定すればよい。
B 第2グループ
1 電極針
1a,1b 電極針
4 正・負高電圧電源部
5,6 (制御部を構成する)スイッチ回路
7 放電部
8 (制御部を構成する)CPU
11 正側高電圧回路
12 負側高電圧回路
14 正側高電圧回路
15 負側高電圧回路
Claims (1)
- 印加される直流高電圧に応じた極性のイオンを生成する複数の電極針が、第1,2グループに分けられた放電部と、
上記放電部に対して正及び負の直流高電圧を出力する正・負高電圧電源部と、
上記第1グループに正の直流高電圧が印加されるとともに上記第2グループに負の直流高電圧が印加される第1極性パターンと、上記第1グループに負の直流高電圧が印加されるとともに上記第2グループに正の直流高電圧が印加される第2極性パターンとを交互に選択して上記正・負高電圧電源部から直流高電圧を出力させる制御部とからなり、
上記制御部は、
経過時間を計測する機能と、12時間〜24時間の間で予め設定された設定時間ごとに、上記第1極性パターンと第2極性パターンとを切り換える機能と、
上記正・負高電圧電源部からの出力が中断され、その後に上記正・負高電圧電源部からの出力が再開されたとき、
上記極性パターンの切り換え時から上記中断時までの経過時間と上記設定時間との差分の時間が経過するまで上記中断前の極性パターンを維持する機能と、
上記極性パターンの切り換え時から上記中断時までの経過時間と上記設定時間との差分の時間が上記設定時間よりも短い所定時間以下のときには、上記中断前の極性パターンを維持せず、中断前と異なる極性パターンを選択する機能と、
を備えた長時間除電装置。
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|---|---|---|---|
| JP2016202653A JP6465849B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | 長時間除電装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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| JP2016202653A JP6465849B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | 長時間除電装置 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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Country Status (1)
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