本発明は、汚泥処理に用いられる脱水装置に関し、特に、脱水処理後の脱水装置の洗浄機構を具備する脱水装置に関する。
また、本発明は、汚泥処理に用いられる脱水装置の洗浄方法に関し、特に、脱水装置の脱水分離液受に堆積する汚泥残渣を洗浄する方法に関する。
脱水装置は、汚泥を脱水ケーキと脱水分離液とに固液分離する装置であり、脱水分離液は脱水分離液受に排出される。脱水分離液受には、脱水時に脱水部から落下した汚泥や脱水分離液に少量含まれる汚泥が堆積する(以後まとめて「汚泥残渣」という。)。特に、スクリュープレス型脱水機の場合には、脱水ケーキ出口に近いほど、脱水ケーキ自体に圧力がかかるため、スクリーン面から漏洩する汚泥残渣が多く、ケーキ塊となる汚泥残渣の堆積が多くなる。また、脱水分離液受のコーナー部にも汚泥残渣が堆積しやすい。汚泥残渣が脱水分離液受に堆積すると、脱水分離液受が腐食したり、あるいは悪臭が発生したりする。そこで、脱水分離液受に堆積した汚泥残渣を洗浄することが必要となる。
汚泥残渣を洗浄するために、装置の運転を停止し、作業員が手動で洗浄する必要がある。装置の運転を停止した上での作業員による洗浄は、処理効率を低下させ、煩雑である。
本発明の目的は、汚泥残渣の堆積を防止して、脱水分離液受の洗浄のために装置の稼働を停止する必要性を排除もしくは洗浄頻度を大幅に減少することができる汚泥脱水装置及び汚泥脱水方法を提供することにある。
本発明によれば、濃縮分離液を脱水分離液受に直接供給して、脱水分離液受に汚泥が堆積することを防止することができる汚泥脱水装置及び汚泥脱水方法が提供される。
本発明の実施態様は以下のとおりである。
[1]凝集汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離する濃縮部と、
当該濃縮部からの濃縮汚泥を受け入れて、脱水ケーキと脱水分離液とに分離する脱水部と、
当該脱水部からの脱水分離液を受け入れる脱水分離液受と、
当該脱水分離液受に、当該濃縮部からの濃縮分離液を送液する濃縮分離液配管と、
を具備し、
濃縮分離液を当該脱水分離液受の洗浄液として用いることを特徴とする、汚泥脱水装置。
[2]前記濃縮分離液配管は前記脱水分離液受の側壁面に取り付けられており、前記流出口の中心軸と前記濃縮分離液配管の中心軸との取り付け角度は90度以上180度以下であることを特徴とする、[1]に記載の汚泥脱水装置。
[3]前記濃縮分離液配管の流出口は、前記脱水分離液受の長手軸の全長の20%以下の距離だけ当該長手軸の中点から離隔した位置に取り付けられていることを特徴とする、[1]又は[2]に記載の汚泥脱水装置。
[4]前記脱水部は、
液体透過性筒と、
当該液体透過性筒内に長手方向に摺動可能に嵌合されており、先端部から一定距離にわたり一様な直径を有する大径端部、基端部から一定距離に渡り一様な直径を有する小径端部、及び当該大径端部と小径端部との間のテーパード形状部から構成され、当該テーパード形状部、及び当該テーパード形状に接する当該大径端部の一部の円周上に螺旋状に設けられている羽根を有するスクリュー軸と、
当該スクリュー軸の当該テーパード形状部の当該小径端部側の位置で、当該液体透過性筒を貫通して設けられている濃縮汚泥投入口と、
当該液体透過性筒の内壁及び当該スクリュー軸のテーパード形状部の間に形成される螺旋状の濃縮汚泥移送圧縮通路と、
当該液体透過性筒の内壁及び当該大径端部の間に形成される圧縮室と、
当該圧縮室から脱水ケーキを排出する脱水ケーキ排出口と、
を具備する軸摺動式スクリュープレス脱水部であり、
前記脱水分離液受は、当該液体透過性筒の下方に位置づけられている、[1]〜[3]のいずれかに記載の汚泥脱水装置。
[5]前記濃縮部は、
凝集汚泥を受け入れる凝集汚泥投入口と、
投入された凝集汚泥を濃縮しながら順次搬送する圧搾部を備える案内部材と、
圧搾により固液分離された濃縮汚泥を前記脱水部に送る濃縮汚泥排出口と、
圧搾により固液分離された濃縮分離液を前記脱水分離液受に送る濃縮分離液配管に連結されている濃縮分離液受と、
を具備する、[1]〜[4]のいずれかに記載の汚泥脱水装置。
[6]前記濃縮部及び前記脱水部は、それぞれ独立の濃縮装置及び脱水装置であって、当該濃縮装置からの濃縮分離液配管は当該脱水装置の脱水分離液受に取り付けられていることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の汚泥脱水装置。
[7]凝集汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離し、
当該濃縮汚泥を脱水ケーキと脱水分離液とに分離し、
当該濃縮分離液を脱水分離液受に流出させ、
当該脱水分離液を脱水分離液受に落下させ、
汚泥残渣が脱水分離液受に堆積することを防止することを特徴とする汚泥脱水方法。
本発明によれば、脱水分離液受における汚泥残渣の堆積を防止し、脱水分離液受の腐食や悪臭の発生などを防止することができる。
特に、濃縮部からの濃縮分離液の流出口を脱水部内の脱水分離液受の所定範囲に設け、濃縮分離液が流出される方向を規制し、脱水分離液受内に濃縮分離液の旋回流を発生させ、汚泥残渣が堆積しやすい脱水分離液受のコーナー部にまで濃縮分離液を行き渡らせることによって、汚泥残渣の堆積を防止するか若しくは汚泥残渣の堆積物を洗浄することができる。
本発明の洗浄方法における汚泥及び濃縮分離液の流れを示すフロー図である。
図1の脱水分離液受での濃縮分離液の流れを示す平面図である。
図2の脱水分離液受に対する濃縮分離液配管の取付け態様を示す斜視図である。
本発明の汚泥脱水装置の脱水部である軸摺動式スクリュープレス型脱水機の一実施形態の一部縦断側面図である。
図4の軸摺動式スクリュープレス型脱水機において、スクリュー軸を長手方向に前進させて、圧縮室を縮小させた場合の一部縦断側面図である。
本発明の汚泥脱水装置の濃縮部の一実施形態の縦断側面図である。
図6のA−A線断面図である。
図6の濃縮部の使用状態を示す縦断側面図である。
本発明の汚泥脱水装置の濃縮部の別の実施態様の断面図である。
本発明の汚泥脱水装置の濃縮部のまた別の実施態様の断面図である。
図10の濃縮部の濃縮汚泥排出口の部分拡大斜視図である。
本発明の汚泥脱水装置の稼働時の液体透過性筒(スクリーン筒)と脱水分離液受の状態を示す写真である。
従来の軸摺動式スクリュープレス型脱水機の稼働時の液体透過性筒(スクリーン筒)と脱水分離液受の状態を示す写真である。
図13に示す軸摺動式スクリュープレス型脱水機の稼働を停止して、洗浄した後の液体透過性筒(スクリーン筒)と脱水分離液受の状態を示す写真である。
好ましい実施態様
以下、添付図面を参照しながら本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、本発明の汚泥脱水方法における汚泥及び濃縮分離液の流れを示すフロー図である。図1に示すフローにおいて、凝集汚泥は濃縮部又は濃縮機B(以下「濃縮部B」と略す。)に送られ、濃縮汚泥と濃縮分離液とに分けられる。濃縮汚泥は、脱水機A内の脱水部に送られ、脱水ケーキと脱水分離液とに分けられ、脱水分離液は脱水機A内の脱水分離液受に排出される。濃縮部Bからの濃縮分離液も、脱水機A内の脱水分離液受に送られる。脱水分離液受には、脱水部から落下する汚泥や脱水分離液に含まれる汚泥などの汚泥残渣が存在するが、濃縮部Bからの濃縮分離液を予め脱水分離液受に供給して流動させておくことにより、脱水処理時に落下する汚泥残渣を堆積させずに流し、あるいは脱水分離液受に堆積している汚泥残渣を洗浄することができる。
図2は脱水部内の脱水分離液受の平面図であり、図3は濃縮分離液配管の取付け態様を示す斜視図である。濃縮分離液流出口は、脱水分離液受の側壁面から脱水分離液受の底面中央部分に向かって濃縮分離液を供給するように、濃縮分離液配管の端部に所定角度を有して取り付けられている。濃縮分離液流出口は、脱水分離液受の長手軸の全長の30%以下、好ましくは20%以下、より好ましくは15%以下の距離だけ脱水分離液受の長手軸の中点から離れた位置の脱水分離液受壁面に取り付けられている。濃縮分離液は脱水分離液受に所定角度で流出した後、脱水分離液受の対面する側壁面に衝突して、進行方向左右に分かれて脱水分離液受全面に流動して、汚泥残渣が堆積しやすい脱水分離液受のコーナー部にも濃縮分離液が行き渡り、汚泥残渣を洗浄し、最終的には洗浄排液として脱水分離液受の排出口から排出される。濃縮分離液流出口は、脱水分離液受の4つの側壁面のいずれか1の側壁面に1箇所以上設けられていればよいが、脱水分離液受の排出口を中心として点対称となる対面する2つの側壁面にそれぞれ1つ以上取り付けられていると、濃縮分離液を向流で供給することができ、乱流を発生させることができるので、堆積した汚泥残渣を洗浄する効果がより高くなる。また、脱水分離液受が、排出口が最も低い位置となり側壁面が最も高い位置となるように斜度を有する構造である場合には、排出口に対して点対称であるが、長手方向の中心軸に対して面対称ではない位置に、各側壁面に2個以上の濃縮分離液流出口を取り付けることが好ましい。
脱水部は、液体透過性筒と、液体透過性筒に摺動可能に嵌合されているスクリュー軸と、を具備する。脱水分離液受は液体透過性筒の下方に位置づけられる。スクリュー軸は、先端部から一定距離にわたり一様な直径を有する大径端部と、基端部から一定距離に渡り一様な直径を有する小径端部と、大径端部と小径端部との間のテーパード形状部とを有し、テーパード形状部、及びテーパード形状部に接する大径端部の一部の円周上に螺旋状に設けられている羽根を有する。液体透過性筒には、スクリュー軸のテーパード形状部の小径端部側の位置に、液体透過性筒を貫通して濃縮汚泥投入口が設けられている。液体透過性筒の内壁と、スクリュー軸のテーパード形状部と、の間には、螺旋状の濃縮汚泥移送圧縮通路が形成される。液体透過性筒の内壁と、大径端部との間には、圧縮室が形成される。濃縮汚泥投入口から圧縮室に向かって、スクリュー軸の直径が大きくなるため、濃縮汚泥移送圧縮通路は徐々に狭くなり、濃縮汚泥に対する圧縮力が強くなる。スクリュー軸を前進させることで、濃縮汚泥に対する圧縮力が徐々に強まり、濃縮汚泥は脱水される。圧縮室に到達すると、スクリュー軸を前進させて、圧縮室を狭くして、濃縮汚泥に対する圧縮力をさらに強めて、脱水ケーキを得る。圧縮室に連通して脱水ケーキ排出口を設け、圧縮室から脱水ケーキを排出する。
脱水分離液受は、液体透過性筒の下方に位置づけられており、脱水処理時に分離された脱水分離液を受け入れる。
図4及び5は、本発明の一実施形態であるスクリュープレス型脱水装置(脱水部)の一部縦断側面図である。
スクリュープレス型脱水装置には、後述する濃縮部からの濃縮汚泥を受け入れる投入口15と、脱水処理後の脱水ケーキを排出する脱水ケーキ排出口25と、スクリーン筒2の複数の小孔4を透過する脱水分離液を受け入れる脱水分離液受17が設けられている。脱水分離液受17の側壁面には、濃縮機からの濃縮分離液を送液する配管24が取り付けられている。脱水分離液受17は、スクリュー軸3の大径端部に近いテーパード形状部に対応する部分が最も低く、側壁面に接する部分が最も高くなるように0°以上45°以下、好ましくは2°以上20°以下の斜度を有し、最も低い位置に排出口26が設けられている。濃縮汚泥投入口からスクリュー軸3の小径端部側で脱水部に投入された濃縮汚泥は、スクリュー軸3の羽根によって搬送される間に圧縮されて脱水が進行し、小径端部側では脱水分離液受17に落下する残留汚泥が少なく、大径端部側に近づくにつれて脱水分離液受17に落下する残留汚泥が多くなるため、大径端部側の脱水分離液受17の底面の斜度をより大きくする。濃縮分離液配管24の濃縮分離液流出口24aは、脱水分離液受17の側壁面から排出口26の方向に向かって濃縮分離液を供給するように、配管24の中心軸に対して90度以上180度未満、好ましくは90度以上135度以下の所定角度で取り付けられている。濃縮分離液は、脱水分離液受17に流出した後、脱水分離液受17の全域に流動し、排出口26から排出される。
図4〜5を参照しながら、スクリュープレス型脱水装置の脱水部を詳細に説明する。
図4及び5に示すスクリュープレス型脱水装置Aは、機台1の上に円筒形状のスクリーン筒2が水平に配置されて固定されており、スクリーン筒2に回転可能かつ軸芯方向に移動可能に同芯状に嵌合しているスクリュー軸3を具備する。スクリュー軸3は、軸芯方向に移動してスクリーン筒2に対する軸芯方向位置を変更することが可能である。スクリーン筒2の周壁には、多数の小孔4が貫通して設けられている。スクリュー軸3には、中央部にスクリュー羽根5が螺旋状に巻き付けられている。機台1の上には、スクリーン筒2の外部に、可動台6がスクリュー軸3の軸芯方向に沿って移動可能に設けられている。可動台6の上には、前側軸受板7と後側軸受板8が設立されており、前側軸受板7と後側軸受板8に、スクリーン筒2の閉鎖端板から突出したスクリュー軸3の小径端部を径方向と軸芯方向に軸受している。後側軸受板8の上には、減速機付きの可変速電動機9を取り付け、可変速電動機9の回転軸とスクリュー軸3の小径端部をチェン伝動機構10で連結する、スクリュー軸3の回転駆動装置が可動台6の上に構成されている。機台1の上には、固定板11が設立されており、固定板11には可動台6の移動方向に沿って油圧シリンダ12が固定され、油圧シリンダ12の先端から突出したピストンロッド13の先端を後側軸受板8に連結し、ピストンロッド13の前進、後進と所望位置での停止を制御する油圧回路を設けて、スクリュー軸3の軸芯方向位置変更装置が構成されている。油圧回路を操作してピストンロッド13を前進または後進させると、可動台6がスクリュー軸3の回転駆動装置9,10、軸受板7,8と一緒に前進または後進し、スクリュー軸3が前進または後進し、スクリーン筒2に対するスクリュー軸3の軸芯方向位置が変更される。スクリュー軸3の軸芯方向位置の変更は、簡単な操作で行なわれる。また、スクリュー軸3の軸芯方向位置を変更した際、その変更距離分、スクリュー軸3の回転駆動装置9,10の位置も変更される。スクリーン筒2とスクリュー軸3との間であって、羽根5があるスクリュー軸3のテーパード部分には、濃縮汚泥を移送しつつ圧縮する螺旋状の移送圧縮通路14が形成されている。移送圧縮通路14は、入口側より出口側の断面積が小さい。スクリーン筒2の上部には、濃縮汚泥を投入する投入口15が設けられている。投入口15は、移送圧縮通路14の入口側に接続されている。スクリーン筒2とスクリュー軸3との間であって、羽根5がないスクリュー軸3の大径端部には、移送圧縮通路14を通過した濃縮汚泥を更に圧縮する四角形断面の円環形状ないし円筒形状の圧縮室16が形成されている。圧縮室16は、移送圧縮通路14の出口を入口としている。スクリーン筒2の下には、濃縮汚泥から分離された液体をスクリーン筒2の小孔4を介してスクリーン筒2外部に流出させて集める脱水分離液受17が設けられている。機台1の上には、スクリーン筒2の開放端から突出したスクリュー軸3の大径端部を径方向にのみ軸受する軸受板18が設立されている。スクリュー軸3の大径端部には、三角形断面の円環形状の抵抗体19が嵌合され、軸受板18とスクリーン筒2の間で軸芯方向に移動可能にしている。抵抗体19は、軸芯方向に移動してスクリーン筒2に対する軸芯方向位置を変更することが可能である。抵抗体19は、スクリーン筒2の開放端即ち圧縮室16の出口に対面し、圧縮室16との距離に応じて圧縮室16出口の流出抵抗を増減する。軸受板18には、複数の油圧シリンダ20を抵抗体19の移動方向に沿って固定し、油圧シリンダ20のピストンロッド21を軸受板18に貫通し、ピストンロッド21の先端を抵抗体19に連結し、ピストンロッド21の前進、後進と所望位置での停止を制御する油圧回路を設けて、抵抗体19の軸芯方向位置変更装置を構成している。抵抗体19と圧縮室16出口の下には、圧縮室16の出口から抵抗体19によって抵抗を受けつつ流出する脱水ケーキの落下路22を設けている。このスクリュープレスにおいて、所望の脱水性能を得るため、圧縮室16の入口から出口までの長さを調整する場合は、スクリュー軸3の軸芯方向位置変更装置で、スクリュー軸3を軸芯方向に移動してスクリーン筒2に対するスクリュー軸3の軸芯方向位置を変更する。すると、圧縮室16の長さが増減する。スクリュー軸3の軸芯方向位置変更装置において、ピストンロッド13を前進させてその前進位置に停止させ、スクリュー軸3の軸芯方向位置を圧縮室16出口側に変更すると、図5に示すように、スクリーン筒2とスクリュー軸3の羽根5がない大径端部の嵌合長さが減少し、圧縮室16の長さが減少する。逆に、ピストンロッド13を後退させてその後退位置に停止させ、スクリュー軸3の軸芯方向位置を移送圧縮通路14入口側に変更すると、圧縮室16の長さが増加する。圧縮室16の長さを増加すると、スクリュー軸3の後退によって、スクリーン筒2の閉鎖端板とスクリュー軸3のスクリュー羽根5の間の空間が減少する。スクリーン筒2の閉鎖端板側の上部には、スクリュー軸3の後退時に、スクリーン筒2の閉鎖端板とスクリュー軸3のスクリュー羽根5の間の濃縮汚泥が逃げ込む空間23を設けているが、後退時のスクリュー軸3の回転数を早く設定することで濃縮汚泥を前方に送ることができるので空間23はなくてもよい。
本発明の汚泥脱水装置において用いられるスクリュープレス型脱水装置は、図4〜5に示す形態に限定されず、適宜の修正・変更がなされていてもよい。たとえば、スクリュー軸3を前後に摺動させる機構(可動台、前側軸受板、後側軸受板、可変速電動機、チェン伝導機構、固定板、油圧シリンダ)のうち、油圧シリンダ及び固定板をスクリーン筒に隣接して設け、油圧シリンダの先端から突出するピストンロッドを可動台に固定して、図4の後側軸受板8を不要として、コンパクトに変更することができる。
本発明の汚泥脱水装置において、濃縮分離液を脱水部下方の脱水分離液受に流出させることができれば濃縮機構は特に限定されず、通常の濃縮機構を用いることができる。
図6は、本発明の汚泥脱水装置に用いることができる濃縮部の縦断側面図であり、図7は図6のA−A線断面図であり、図8は使用状態を示す縦断側面図である。
図6〜8に示すように、濃縮部は、凝集汚泥を濃縮汚泥と濃縮分離液とに分離するスクリーン板101と、濃縮分離液を受け入れる排水室103と、排水室103の下端に設けられている排水口103aと、を具備し、排水口103aは、スクリュープレス型脱水機Aの脱水分離液受17に濃縮分離液を送液する濃縮分離液配管24に接続されている。
図6〜8を参照しながら、濃縮部の構成を詳細に説明する。汚泥中の水が通過するスクリーン板101を斜めに配置し、スクリーン板101の上を上端から下端に汚泥が流れる溝形状の汚泥通路102を形成している。スクリーン板101は、楔形状断面の複数のワイヤを汚泥が流れる方向に沿って左右に隙間を置いて並列してなり、汚泥中の水がワイヤの間の隙間を通過するウェッジワイヤスクリーンである。スクリーン板101の傾斜角度は、水平面から40度である。汚泥通路102の下には、6に示すように、スクリーン板101を通過した水を集めて排出する排水室103を設けている。ブラシ装置は、汚泥通路102の左右の側壁の上に、スクリーン板101の上部の上を横断する駆動軸104と、スクリーン板101の下部の上を横断する従動軸105をそれぞれ軸受し、上下ないし前後に並列した駆動軸104と従動軸105の軸受内側の左右位置にそれぞれ鎖車106を固定し、駆動軸104と従動軸105の左側の鎖車106に無端の鎖107を、駆動軸104と従動軸105の右側の鎖車106に無端の鎖107を、それぞれ、噛み合わせて掛け渡し、左右の両鎖107にブラシ108の基板の基端側を固定して左右方向に掛け渡し、両鎖107の外周側に多数本のブラシ108を等間隔位置に並列して突出している。両鎖107の下側に位置する複数本のブラシ108は、それぞれ、汚泥通路102にその横断方向に沿って嵌合し、基板の先端側から突出した毛の先端がスクリーン板101に接触する。駆動軸104を図6に示す矢印方向に回転すると、駆動軸104を回って鎖107の下側に達したブラシ108は、スクリーン板101を掃きながら汚泥通路102を下り、スクリーン板101の下部に達すると、スクリーン板101から離れて従動軸105を回って鎖107の上側に至る。ブラシ駆動装置は、汚泥通路102の左右の側壁の上に、汚泥通路102とブラシ装置を跨ぐ門形状の取付枠109を固定し、取付枠109の天板の一端部上に減速機付きの電動機110を取り付け、電動機110の回転軸と駆動軸104の端を鎖伝動機構111で連結している。電動機110を駆動すると、駆動軸104が図6に示す矢印方向に回転する。洗浄水噴射装置は、取付枠109の天板の一端部下に給水管112を汚泥通路102に沿って固定し、給水管112の複数個所にそれぞれ散水管113の基端を連通して固定し、ブラシ108とスクリーン板101に洗浄水を噴射する複数本の散水管113を汚泥通路102の横断方向に沿って配置して並列している。給水管112は、図示しないが、ポンプを介して水源に接続している。ポンプを作動する電動機を分単位の設定時間毎に秒単位の設定時間の間駆動する電気制御回路を設けている。
さらに図8に示すように、汚泥通路102の上端入口の上に凝集反応槽の流出口aを配置し、汚泥通路102の下端出口の下に、図4及び5に示すスクリュープレス型脱水装置の濃縮汚泥投入口15を配置する。ブラシ駆動装置の電動機110を駆動し、洗浄水噴射装置の電気制御回路を作動し、フロックが生成した汚泥を凝集反応槽の流出口aから汚泥通路102の上端入口に流す。すると、各ブラシ108は、順次、駆動軸104を回って、汚泥通路102の上部にその横断方向に沿って嵌合し、スクリーン板101を掃きながら汚泥通路102を下り、汚泥通路102の下部に達すると、スクリーン板101から離れて汚泥通路102を抜け出し、従動軸105を回る。一方、生成したフロックを含む汚泥Sは、汚泥通路102の上端入口から下端出口に向って汚泥通路102を流下するが、汚泥Sの自然流下速度より遅い速度でスクリーン板101を掃きながら汚泥通路102を下るブラシ108でせき止めされつつ汚泥通路102を流下する。スクリーン板101の上をブラシ108の移動速度で流れる汚泥Sは、その中の水がスクリーン板101を通過して排水室103に流入し、水分が減少して汚泥通路102の下部に達した汚泥Sは、その汚泥Sをせき止めていたブラシ108がスクリーン板101から離れて汚泥通路102を抜け出すと、汚泥通路102の下端出口からスクリュープレス型脱水装置の濃縮汚泥投入口15に落下する。洗浄水噴射装置の電気制御回路を作動してから分単位の設定時間が経過する毎に、秒単位の設定時間の間、各散水管113から洗浄水を噴射してブラシ108とスクリーン板101を洗浄し、洗浄水がスクリーン板101を通過して排水室103に流入し、スクリーン板101の目詰まりを除去する。本例の汚泥濃縮機において、汚泥通路102をブラシ108でせき止めされつつ流下する汚泥Sが汚泥通路2を流れる時間は、12秒位である。なお、汚泥Sが汚泥通路102を自然流下する従来の場合は、1〜3秒位である。従って、本例の汚泥濃縮機においては、汚泥Sがスクリーン板101の上を流れる時間が長くなるので、スクリーン板101を通過する水が多くなり、濃縮率が高くなる。また、洗浄水噴射装置が作動する間隔は、15〜90分、好ましくは30〜60分であり、洗浄水噴射装置が作動する時間は、5〜30秒、好ましくは10〜20秒である。なお、ブラシ108がスクリーン板101を常時掃かない従来の場合は、洗浄水噴射装置が作動する間隔10分であり、洗浄水噴射装置が作動する時間10秒である。従って、本例の汚泥濃縮機においては、洗浄水噴射装置が作動する間隔が長くなるので、洗浄水の使用量が減少する。
スクリーン板101の傾斜角度は40°に限定されるものではなく、水平面から20°程度であってもよい。スクリーン板101の傾斜が緩い場合には、スクリーン板101を掃きながら汚泥通路102を下るブラシ108でせき止めされつつ汚泥通路102を流下する汚泥Sは、多量の水分が減少して流動性が悪くなった部分がスクリーン板101の上に滞留してせき止めていたブラシ108から離れるが、スクリーン板101の上に滞留した汚泥Sは、次のブラシ108に押されてスクリーン板101の上を下り、スクリュープレス型脱水装置の濃縮汚泥投入口15に落下する。スクリーン板101の傾斜角度の大小に拘らず、汚泥Sが汚泥通路102を流下する速度は、汚泥通路102を下るブラシ108で制御されるので、スクリーン板101の傾斜角度を選択する範囲が広く、汚泥通路102を設計する自由度が高い。
スクリーン板101は、多数の孔を開けたパンチングメタル、その他のスクリーンやフィルタであってもよい。洗浄水噴射装置は、散水管113をスクリーン板101の下に配置して、スクリーン板101の下面に洗浄水を噴射する構成にしてもよい。
濃縮部Bのスクリーン板101にて分離された濃縮分離水は、排水室103の配水口103a及び配管(図示せず)からスクリュープレス型脱水装置下方の脱水分離液受17に送液される。このとき、配水管103aに接続する配管の流出口は、脱水分離液受17の長手軸の全長の20%以下の距離だけ長手軸の中点から離隔した位置となるように、濃縮分離液配管24は脱水分離液受17の側壁面に取り付けられている。濃縮分離液は、濃縮分離後直ちに、脱水分離液受17に流出して、脱水分離液受17の全面を流動する。脱水処理時にスクリーン筒2(液体透過性筒)を透過する分離液と共に落下する汚泥残渣は、脱水分離液受17の全面を流動している濃縮分離液中に落下して一緒に流されるため、堆積することが防止される。濃縮分離液、脱水分離液及び汚泥残渣は、最終的には洗浄排液として脱水分離液受17の排出口26から排出される。
図9に濃縮部の別の態様の全体断面図を示す。図9に示す濃縮部は、凝集汚泥を投入する凝集汚泥投入用ホッパ201と、投入された凝集汚泥を濃縮しながら順次搬送する複数の回転板204及び圧搾具215を備える案内部材203と、圧搾具により液体が除去された濃縮汚泥をスクリュープレス型脱水装置の濃縮汚泥投入口15に送る濃縮汚泥排出口206と、圧搾具により分離された濃縮分離液を受け入れる廃液口219と、を具備する。廃液口219は、濃縮分離液配管24に連結されている。
図9を参照しながら、濃縮部を詳細に説明する。箱状の下部を構成するフレーム202a上に、薄板に囲まれたケーシング202bが取付けられている。201は凝集汚泥投入用ホッパである。ケーシング202b内には上方開放型の側壁が前後対向して左右方向に平行に設けられ、側壁205,205間は凝集汚泥を搬送しながら処理する溝状の搬送路を形成している。また側壁205,205間には多数の回転軸207が前後方向に且つ等間隔毎に軸支され、回転軸207には楕円形に形成された多数の回転板204が同一位相で一定間隔毎に一体的に軸装されている。回転板204は隣接する回転軸毎に位相が90°ずつずらされており、各軸が同時に同速で同方向に回転することにより、全体として上部外周面(送り面)はウェーブを形成するように搬送方向(左方向)に作動し、大きな掻き上げ力及び搬送力を発揮できる。各回転軸207上には、各軸の各回転板204の両側に挿入されるように板状部材からなる案内部材203が、挿脱可能に且つ搬送方向に沿って縦向きに収容支持されている。案内部材203の上端面は、回転板204の回転によって送られる凝集汚泥を送り方向にガイドする平滑なガイド面を形成し、各案内部材203同士の間には回転板204が挿入される空隙が形成され、隣接する2枚の回転板204の間には分離された液体を落下させる狭小なスリットが形成される。このスリットは、凝集汚泥を通過させず、液体を通過させる寸法であればよく、約0.5mm以上約4.0mm、好ましくは約0.8mm以上約2.0mm以下である。案内部材203は搬送路下の左右端に取付けられた受部208に係止されて支持されている。203bは受部208と係合し合うように形成されたフック部である。案内部材203の上端面は凝集汚泥を搬送方向に送る案内面となっており、その下端側は回転軸207を避けてさらにその下方に至るように、各回転軸対応位置に切欠203aが設けられている。各回転軸207の両端にはプーリ211がそれぞれ篏合され、前後両側において、交互に隣接プーリ211同士をタイミングベルト213で巻掛けることにより、下部フレーム202a内に設置されたモータ212により、各軸を同時に同速度で同一方向に正確に回転駆動できる構成となっている。214は駆動用モータ212側のプーリ211の1個を巻掛けるベルトである。各回転軸207はモータ212により例えば10〜50rpm位で緩速回転し、案内部材203上に投入された凝集汚泥は、各列の回転板204の周面に下方から持ち上げられながら案内部材203の上面に沿って排出口206の方向に送り出される。ケーシング202b上部には、先端にウエイト216が重量の増減調節が可能に載置されたステンレス板等からなるアーム217が、軸218により上下揺動可能に軸支させる圧搾具215が設けられている。該圧搾具215は回転板204周面の上下方向への運動に概ね追従して遥動し、凝集汚泥を押圧して脱水する。圧搾具215は凝集汚泥の種類や求められる濃縮度合等の必要性に応じて設けられ又は重量調節される。図9には、2つの圧搾具215を設けているが、1つの圧搾具でもよい。また、圧搾具215は、ウエイト216の代りに、アーム217の先端に回転自在に軸支され、凝集汚泥上面に転接して圧搾するローラー(固定しない)を設けたものを用いることもできる。あるいは、アーム217及びウエイト216の代わりにエアシリンダや油圧シリンダを用いてもよい。凝集汚泥は案内部材203及び回転板204の上面を移動する過程で、スリット内の回転板204と案内部材203との間の隙間及び隣接する回転板204同士の周面間の間隙から水その他の液体成分を下方に濾過して廃液口219より外部に排出し、案内部材203上に捕集された固体成分(濃縮汚泥)は回転板204の周面に送られながら順次濾過脱水されて排出口206より排出される。楕円形の回転板204を使用することにより、偏心回転する円板より掻き上げ搬送力が増大し且つ1回の回転で2回の掻き上げ搬送を行うので、搬送能力も増大するほか、隣接し合う楕円と楕円の面同士の間隙を常に一定に保つことができる。間隙を狭小且つ一定に保つことにより小径の固形物の捕集性や脱水性自体が向上するとともに、前方向の回転板204の持ち上げ方向の回転により、この部分への固形物の滞留がなく、従来のように固定板上に溜まった捕集物の除去の必要がなく、洗浄も容易である。多数の案内部材を凝集汚泥搬送方向に沿って格子状に並べることにより、搬送がスムースになり、板状部材を縦方向に用いるので、上部から強い押圧負荷を加えることができ、圧搾(濃縮)効果も高くできるという利点がある。また周面同士の間隔を常に狭小且つ一定にすることができるように回転板を楕円形にすることにより、未処理物が残らず、脱水力も1.2倍となり、濾過流量は一定となる。また回転板を楕円形状にすることにより起伏が大きくなるため濃縮汚泥の搬送性が向上し、円板に比して搬送能力が増大する。
図10は、また別の構成を有する濃縮部320の断面図である。凝集汚泥投入用ホッパ321と、凝集汚泥移動手段322と、凝集汚泥移動手段322の上方に設けられた加圧手段328と、凝集汚泥移動手段322の下方に設けられた水捕捉手段323とを備え、加圧手段328は、凝集汚泥移動手段322の汚泥排出口326の手前に、ベルト324との間に隙間を設けるように、加圧板328Aを斜めに設置し、凝集汚泥が凝集汚泥移動手段322によって水平方向に汚泥排出口側に移動されてくると、加圧板328Aとベルト324との間の隙間を通過する際に上から加圧されるように構成されている。この際、加圧板328Aは、一つ或いは二つ以上設けてもよいし、また、加圧板328Aは、設置角度が固定されるように設けることもできるし、設置角度を随時変更できるように設けることもできるし、さらには、上下揺動可能に軸支することもできる。加圧板328Aの角度並びにベルト324との隙間の大きさを変更することにより、凝集汚泥に掛かる圧力を調整することができ、濃縮倍率を調整することができる。また、加圧板328Aの代わりに、例えばローラーを設置することもできる。濃縮された汚泥(濃縮汚泥)は濃縮汚泥排出口326から押し出し排出される。図11に示すように、濃縮汚泥排出口326には、櫛状の裁断刃331が水平方向に適宜間隔を置いて、刃が鉛直方向となるように設置されている。このような櫛状の裁断刃により、押し出されてくる濃縮汚泥に鉛直方向のスリットを形成することができる。裁断刃は櫛状に限定されず、例えば、上面視格子状に組まれた裁断刃、或いは、上面視した場合に濃縮汚泥の長さ方向又は幅方向に適宜間隔をおいて組まれた裁断刃を、濃縮汚泥に対して上方から昇降できる構成としてもよい。また、櫛状の裁断刃は鉛直方向に立設する態様に限定されず、±45°以内、好ましくは±30°以内の傾きを有していてもよい。加圧手段328によって凝集汚泥から分離された濃縮分離液は、濃縮部320底部の濃縮分離液排出口329から、濃縮分離液配管24に送られる。
本発明の汚泥脱水装置を稼働した場合の脱水分離液受の状況(図12)と、従来の軸摺動式スクリュープレス型脱水装置を稼働した場合の脱水分離液受の状況(図13)とを対比して示す。従来の汚泥脱水装置の脱水分離液受には多量の汚泥残渣が確認できるが、本発明の汚泥脱水装置の脱水分離液受には汚泥残渣が確認できず、清浄であることがわかる。
図14には、図13に示す従来の軸摺動式スクリュープレス型脱水装置の稼働を停止して、洗浄作業を行った後の脱水分離液受の状況を示す。特にコーナー部や側壁面に汚泥残渣が残留していることがわかる。