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JP6467697B2 - 微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法 - Google Patents
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微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、真水や海水および薬液等の液中にマイクロ・ナノサイズの微細・超微細な極小気泡を供給する微細気泡発生装置において、所望するサイズの極小気泡を効率よく生成する目的をもって、該微細気泡発生装置の気体透過部に配設してなる微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法に関するものである。
観賞魚用の水槽,活魚用の生け簀等において、魚介類並びに水棲生物等の生存維持および育成等を図る目的としてなされる酸素等の気体供給方法としては、電動式エアポンプ、酸素ボンベ、酸素発生剤等が主に採用されており、それらの中でも取り扱いが容易なこと等の利便性からも、一般に広く用いられているのが電動式エアポンプである。電動式エアポンプの使用にあっては、エアポンプ内に取り込まれた酸素等の気体が、気体放出部に設けられた多数の微孔を通して、泡沫状で水中へ大量に放出される。
しかし、気体放出部に設けられた多数の微孔を通して水中へ放出される泡沫は、十分な浮力を有するサイズであり、気体放出部における泡沫放出の早い段階から多くの泡沫が浮上して大気中へ次々と放出され、効率のよい酸素等の供給方法とはなっていない。
そこで、本出願人は所有する特許第3806008号において、高分子樹脂フィルムにクレーズを生成してなる通気性フィルム(以下、「クレーズ生成気体透過性フィルム」と記載する。)を気体透過材として微細気泡発生装置の気体透過部に配設し、クレーズを構成するボイド(微細な連通孔)を拡張して透過する気体の加圧条件を調節して、クレーズ生成気体透過性フィルムにおける気体透過量の制限を制御することにより、水中に停滞し易いマイクロ・ナノサイズの微細・超微細な極小気泡(以下、「極小気泡」と記載する。)を生成させる技術を開示している。
近年、気泡の活用は魚介類の生存を維持する目的の酸素等の供給に止まることなく、水質の浄化、各種の洗浄、含気食品の製造、農産物の育成、燃焼効率の向上など多方面において多様化している。
各種の洗浄にあっては精密部品の洗浄において、さらに一部の含気食品製造においても、サイズの均一な極小気泡の生成が有用であることを認識するに至り、本出願人は所有する特許第4325973号に、前記クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に親水性を有する不織布等からなる泡きり材を複合させて該気体透過面に離泡性を付与し、順次生成される気泡成長の妨げとなる生成直後に気体透過口に滞る気泡を、該気体透過面から速やかに離脱させて均一な極小気泡を水中に生成する技術を開示している。
特許第3806008号公報 特許第4325973号公報
解決しようとする問題点は、異物の混入が僅かであっても許されることのない精密部品の洗浄、含気食品の製造過程等において、極小気泡の生成を特許第4325973号に開示された技術に担う場合には、次に挙げる問題が提議される。
特許第4325973号は、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に親水性を有する不織布等からなる泡きり材を複合させて、該気体透過面に離泡性を付与することにより、順次生成される気泡成長の妨げと成り得る生成直後に気体透過口に滞る気泡を、該気体透過面から速やかに離脱させる技術を開示した特許であり、親水性を有する不織布等からなる泡きり材の使用が欠かせないものとなっている。
しかし、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に複合させる泡きり材を不織布で構成すると、不織布中に存在しかねない繊維屑、不織布中に繁殖しかねない雑菌等が存在することは想定外ではなく、異物が液中に混入する一因として、不織布の使用が問題視されることは、否めない事実であり解決しなければならない課題となる。
本発明は、真水や海水および薬液等の液中に、極小気泡を供給する微細気泡発生装置において、異物を液中に混入させることなくサイズの均一な極小気泡を効率よく生成する目的をもって、該微細気泡発生装置の気体透過部に配設してなる微細気泡生成用気体透過性フィルムの改良技術であり、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させて、該気体透過面に親水性とともに、液中に生成された気泡の表面と気体透過面との接触を少なくすることにより該気体透過面から速やかに気泡を離脱させる離泡性とを併せ持たせる。
マイクロ・ナノサイズの微細な凹凸は、化学物質である塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO )、リン酸カルシウム(Ca (PO )のいずれかの化学物質もしくは、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO )、リン酸カルシウム(Ca (PO )のいずれかの化学物質の複合により生成された無機塩の結晶を付着させる手段を用いて、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に形成させる。
本発明は、気体透過性フィルムの気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させて該気体透過面に親水性とともに、気体透過面において液中に生成された気泡と気体透過面との接触をすくなくして、気泡を速やかに該気体透過面から離脱させる離泡性とを併せ持たせたことを主たる要旨とし、気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸が形成されたクレーズ生成気体透過性フィルムに至っては、異物等が排出して液中への混入が危惧される親水性不織布等を複合することなく、単一の気体透過性フィルムのみの使用で均一な極小気泡を液中に生成させることができることから、特に、異物の混入が僅かであっても許されることのない精密部品の洗浄、含気食品の製造等、多分野において有用な技術となる。
図1は微細気泡発生装置の気体透過部の構成を示した概略説明図である。 図2は、本発明の要旨を説明する概略説明図である。
本発明は、極小気泡を供給する微細気泡発生装置の気体透過部に配設してなる気体透過性フィルムの改良技術であり、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させることで、該気体透過面に親水性とともに、気体透過面において液中に生成された気泡の表面と気体透過面との接触を少なくして該気体透過面から速やかに気泡を離脱させる離泡性とを併せ持たせることにより、異物等が排出して液中への混入が危惧される親水性不織布等を複合することなく、単一の気体透過性フィルムのみの使用で均一な極小気泡を液中に生成することができる微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法である。
長期の使用に際しては、マイクロ・ナノサイズの微細な凹凸が形成されたクレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に雑菌等が繁殖することも想定されるが、該気体透過面でなされる雑菌等の繁殖は洗浄が容易であり、洗浄液等を用いて払拭することができる。また、抗菌性を有する素材を採用したクレーズ生成気体透過性フィルムの製造,許容範囲内でなされる該気体透過面の抗菌処理等により雑菌等の繁殖を抑制することも容易である。
高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を生成してなる気体透過性フィルムの気体透過面に形成されるマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸は、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)のいずれかの化学物質もしくは、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)のいずれかの化学物質の複合により生成された無機塩の結晶をクレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に付着させて、該気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させることができる。
以下、本発明の微細気泡生成用気体透過性フィルムを、図面に符号を付して詳細に説明する。尚、本発明の主体は微細気泡生成用気体透過性フィルムにあるので、微細気泡発生装置の説明は簡略する。
本発明の微細気泡生成用気体透過性フィルムは、真水や海水および薬液等の液中に、極小気泡を供給する微細気泡発生装置において、一実施例として図1に示した該微細気泡発生装置の気体透過部(以下、「気体透過部」と記載する。)2へ透過材固定枠,パッキング等と共に配設してなる、クレーズ生成気体透過性フィルム1の気体透過面3にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸5が形成された気体透過性フィルムであり、該気体透過部2に充填された圧縮空気,圧縮酸素等の気体透過量を微細な連通孔で制限することにより極小気泡7が液中に生成される。
図2は本発明の要旨を説明する概略説明図である。本発明の微細気泡生成用気体透過性フィルムは、クレーズ生成気体透過性フィルム1の気体透過面3にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸5を形成させて該気体透過面3に親水性とともに、気体透過面3において液中Wに生成された極小気泡7の表面と気体透過面3との接触を少なくして、極小気泡7を速やかに該気体透過面3から離脱させる離泡性とを付与させることにより、単一の気体透過性フィルムのみの使用で均一な極小気泡7を液中Wに生成させることが容易にできる。
図2においてAは気体透過面に形成された気体透過開口部8に発生する生成初期の気泡である。気体透過面3は親水性を有しており、気泡Aの生成初期段階で気体透過開口部8に向けて液体が浸透するため、気泡の成長が早い段階で遮断され極小気泡の生成となる。
図2においてBは液中に生成された極小気泡である。クレーズ生成気体透過性フィルム1の気体透過面3に形成されたマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸5と気体透過面3に浸透する液体Wとで、気体透過面3における極小気泡7の離脱が促進される。
尚、図中の←Wは液体の浸透方向を示す。
図に示されるように、本発明の微細気泡生成用気体透過性フィルム1は、クレーズ生成気体透過性フィルム1の気体透過面3にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸5を形成させて、該気体透過面3に親水性とともに離泡性が付与されており、親水性により気泡の生成初期段階で気体透過開口部8に向けて液体が浸透するため、気泡の成長が早い段階で遮断されて極小気泡の生成がなされ、離泡性により気体透過面3における極小気泡の離脱が促進される。
[クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過度]
酸素等補給器に充填された圧縮空気,圧縮酸素等は、用いる樹脂の種類により異なるが、酸素及び窒素ガスのガス透過度で一般に0.3〜100,000×10cm/m・24hr・atmの範囲内で、クレーズ生成気体透過性フィルムに透過量を制限されて微細泡の状態で水中へ排出される。
[微細な凹凸の形状]
クレーズ生成気体透過性フィルム1の気体透過面3に形成されるマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸形状は、凹凸を形成させる手段により異なるが、針状,柱状,立方体状,樹枝状,繊維状,糸状,板状,ディンプル状等のいずれかの形状または、針状,柱状,立方体状,樹枝状,繊維状,糸状,板状,ディンプル状等のいずれかの複合形状の微細な凹凸を気体透過面3に形成させる。極小気泡の外周面と気体透過面3との接触を少なくすることにより、気体透過面3における極小気泡の速やかな離泡を促す必要から、毛羽立状の微細な凹凸が気体透過面3に形成されることも望ましい。
本発明は、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させて、該気体透過面に親水性とともに、液中に生成された気泡の表面と気体透過面との接触を少なくすることにより、液中に生成されたマイクロ・ナノサイズの微細・超微細な極小気泡を、該気体透過面から速やかに離脱させることを要旨の一つとしている。しかるに、極小気泡には、生成された後、気体透過面に付着し続ける得るサイズの気泡も含まれる。また、クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に形成されるマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸にあっても、生成される気泡の大きさに対して離泡性を発現し得るサイズの凹凸が含まれる。
[付着気泡群]
マイクロ・ナノサイズの微細な凹凸の形成がなされていないクレーズ生成気体透過性フィルムのみを気体透過材として用いた場合にはその気体透過面に、付着性を有する気泡が該気体透過面から速やかに離泡されることなく付着気泡群を形成して、やがて気泡が合一した状態で水中へ放出されるため、本発明の意図とするサイズの均一な極小気泡を効率よく生成する目的を果たすことができない。
クレーズ生成気体透過性フィルムの気体透過面に施されるマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸は、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)等のいずれかの化学物質または、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)等のいずれかの化学物質の複合により生成された無機塩の結晶を該気体透過面に付着させて形成することができる。
気体透過面に、結晶を付着させる方法の一つを次式に表す。
Ca(OH)+CO→CaCO+HO (1)
上式において、Ca(OH)は水酸化カルシウム、COは二酸化炭素、CaCOは炭酸カルシウム、HOは水である。
クレーズ生成気体透過性フィルムは、本発明の出願人による、特開平7−256676号公報,特許3156058号公報に一部記載されているものであり、高分子樹脂フィルムに縞状クレーズ領域を設けることにより、微加圧の状態でエア等の気体は通すが、水等の液体や、ゲル状の溶液を通さない特徴を持ちえたものである。
高分子樹脂フィルムの素材として用いられる高分子樹脂としては、フィルム或いはシートの成形が可能なことから、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、スチレン系樹脂、ポリカーボネート、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、ニトリル樹脂等の様な熱可塑性樹脂を挙げることができる。
また、ポリオレフィンとしては、α−オレフィンの単独重合体又は他のα−オレフィン及び/又はα−オレフィンを主成分として、他のエチレン性不飽和単重体との共重合体である。ここで共重合体とはブロック、ランダム、グラフト等或いはこれらの複合体でも良い。該エチレン性不飽和単重体としては、例えば、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、マレイン酸等の不飽和カルボン酸又は無水物等を挙げることができる。
有用なポリオレフィンの具体例としては、低密度分岐ポリエチレン、高密度線状ポリエチレン、低密度線状ポリエチレン、アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、ポリ(1−ブテン)、ポリ(4−メチル−1−ペンテン)等を挙げることができる。
ポリアミドとしては、芳香族又は/及び脂肪族アミド基を有する繰り返しユニットを必須成分として含む縮合生成物である。有用なポリアミドとしては、ナイロン−4、ナイロン−6、ナイロン−6,6、ナイロン−4,6、ナイロン−12、非晶性ナイロン等を挙げることができる。中でも、好ましいポリアミドは、ナイロン−6、ナイロン−6,6、非晶性ナイロンである。
ポリエステルとしては、例えば、その一つとして、通常の方法に従って、ジカルボン酸又はその低級アルキルエステル、酸ハライド若しくは酸無水物誘導体とグリコール又は二価フェノールとを縮合させて製造した熱可塑性ポリエステルを挙げることができる。これらポリエステルの中でも飽和ポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリナフタレンテレフタレートを使用することが好適である。
スチレン系樹脂としては、ビニル芳香族化合物の重合体であり、該ビニル芳香族化合物の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、パラメチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルキシレン等を挙げることができ、スチレン系樹脂は、これらビニル芳香族化合物のホモポリマー及び共重合体である。これらの中でもポリスチレンが好ましく、更に、ゴムグラフトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン共重合体を用いることが好適である。
ポリカーボネートは、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、脂肪族・芳香族ポリカーボネート等を挙げることができる。これらの中でも、2,2−ビス(4−オキシフェニル)アルカン系、ビス(4−オキシフェニル)エーテル系、ビス(4−オキシフェニル)スルフォン、スルフィド又はスルフォキサイド系のビスフェノール類からなる芳香族ポリカーボネートを用いることが好適である。
ハロゲン含有熱可塑性樹脂は、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、ビニルフルオライド等の、ホモ重合体及び共重合体を挙げることができる。この他にもビニリデンクロライドから導かれたホモ重合体及び共重合体を挙げることができる。これらの中でも好ましいハロゲン含有熱可塑性樹脂は、ポリ弗化ビニリデンのホモ重合体及びテトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、クロロトリフルオロエチレンとの共重合体並びビニリデンクロライドを挙げることができる。
ニトリル樹脂としては、α−βオレフィン系不飽和モノニトリルを50重量%以上含むものである。これらの不飽和モノニトリルの中でも、アクリロニトリル及びメタクリロニトリル及びそれらの混合物を使用することが好ましい。
前記、熱可塑性樹脂の中でも、フィルムやシートへの成形性や経済性の観点から、ポリオレフィン、ポリエステル、スチレン系樹脂、ハロゲン含有熱可塑性樹脂、を使用することが好ましい。これらの熱可塑性樹脂は、単独で用いても、複合して組成物として用いても、或いは、別の高分子樹脂をブレンドしたりしても良く、更には二種以上の樹脂を多層化して用いても良い。
また、クレーズの形成の容易さから、該熱可塑性樹脂のガラス転移温度が−45℃以上、好ましくは−30℃以上、特に好ましくは−15℃以上の樹脂を使用することが望ましい。
組成物として使用するときや多層化して使用するときは、主な構成成分である熱可塑性樹脂のガラス転移温度が上記範囲内にあることが好ましい。これより低いガラス転移温度を示す熱可塑性樹脂の場合は、柔軟過ぎるためにクレーズの効率的な形成が難しい。
熱可塑性樹脂を用いて得られる高分子樹脂フィルム又はシートは、その製造方法において特別な制約はなく、各種の成形方法を適用することにより得ることができるが、一般に広く行なわれているTダイ押出成形法やブローアップを行なうインフレーション成形法を適用して得られたものが工業的には有利である。
高分子樹脂フィルムの厚みは、一般に0.5〜1,000μm、好ましくは1〜800μm、特に好ましくは2〜500μmのものが使用される。
高分子樹脂フィルムは、配向度が、複屈折率で0.5×10−3以上、好ましくは1×10−3以上、特に好ましくは1.5×10−3以上にある分子配向度を有することが、クレーズの形成には有効である。この複屈折率が上記範囲外の分子配向を有するフィルムでは、目的とするクレーズを容易に形成され難い。配向度は、該フィルムの成形時の、樹脂温度、引き取り速度、冷却速度、樹脂の分子量、分子量分布、タクティスティ等の分子構造を、特にTダイ法であればドロー比を、特にインフレーション法であればブローアップ比等を変えることにより制御することができるので、これらを適当に制御して目的とする好ましい範囲の配向度のフィルムを製造することができる。
ここで言う複屈折率とは、主屈折率間の差として表現されるもので、例えば、フィルムの成形方向の屈折率(n1)とそれと直角方向の屈折率(n2)の差(n1−n2)であり、分子配向の程度を表現するインデックスの一つである。これら複屈折率は、実際には、偏向顕微鏡とコンペンセーターを用いることにより測定することができ、この値が大きいほど異方性が大きくなり、クレーズが生じ易くなる。
本発明に使用される、クレーズ生成気体透過性フィルムの縞状のクレーズは、基本的に、高分子樹脂フィルムの分子配向の方向と略平行に、幅が一般に0.5〜100μm、好ましくは1〜50μmのものである。この縞状クレーズが、フィルムの厚み方向に貫通しているクレーズの数の割合が全クレーズの数に対して10%以上、好ましくは20%以上、特に好ましくは40%以上必要であり、貫通している割合が上記範囲未満であると十分な通気性が得られ難くなる。
クレーズを分子配向の方向と略平行の方向に形成するのは、分子鎖の配向の方向と直角の方向に引っ張ることによってクレーズが形成され、分子鎖の配向の方向と直角の方向にクレーズを形成することが難しいからである。ここで言うクレーズとは、高分子樹脂フィルムの表面に現れる表面クレーズと内部に発生する内部クレーズを含むものであって、微細なひび状の模様を有する領域を言う。このクレーズは分子束(フィブリル)とミクロボイドから構成されており、この部分で各種ガスの通気性が生じることになる。
上記の様なクレーズ生成気体透過性フィルムは、用いる樹脂の種類により異なるが、一例としてポリ弗化ビニリデンのホモ重合体を用いると、酸素及び窒素ガスのガス透過度で一般に0.3〜100,000×10cm/m・24hr・atm。透湿度で一般に10〜100,000×10g/m・24hr。透明性が一般に1〜99.5ヘイズ、好ましくは2〜90ヘイズ、特に好ましくは5〜80ヘイズ。引張強度で一般に50〜500kg/cm、好ましくは60〜500kg/cm、特に好ましくは75〜500kg/cmの範囲内のものにすることができる。
高分子樹脂フィルムに形成されるクレーズは、一般に0.1〜1,000μm、好ましくは1〜800μmの間隔で形成され、縞状の領域として認識できる程度の量である。
本発明に使用のクレーズ生成気体透過性フィルムは、上記縞状のクレーズを有していることから、通気性、透湿性の機能を有している。その機構は、縞状に形成されたクレーズが、フィルムやシートの厚み方向を貫通することにより、酸素や窒素或いは水蒸気等の気体がこのクレーズ帯域を拡散することにより通過して通気性が発現する。
クレーズ生成気体透過性フィルムの通気性の程度は、高分子樹脂フィルム中に形成されたクレーズの幅、クレーズ間の隔たり、クレーズの貫通された数の割合を変えることで調節することができる。具体的には、高分子樹脂フィルムの分子配向の度合いやクレーズを形成させる時の温度、高分子樹脂フィルムの緊張度(緊張状態における張力)、フィルムの折り曲げ角度等を調節することで、容易に通気性をコントロールすることができ、使用目的に応じた通気性フィルムを提供することができる。
例えば、クレーズを形成させる時の緊張度を増大させたり、折り曲げ角度を小さくすると、生成するクレーズの間隔は小さくなり、クレーズの貫通された数の割合が増大し、その結果、通気性は増大する。この様なクレーズの幅、クレーズ間の隔たり、貫通されたクレーズの割合を変えることで調節されたクレーズ生成気体透過性フィルムは、前記酸素及び窒素ガスのガス透過度、透湿度、透明性、引張強度等をコントロールすることができる。
本発明は、気体透過性を有する多孔質膜の気体透過面にマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸を形成させることで、該気体透過面に親水性とともに、気体透過面において液中に生成された気泡の表面と気体透過面との接触を少なくして該気体透過面から速やかに気泡を離脱させる離泡性とを併せ持たせることにより、異物等が排出して液中への混入が危惧される親水性不織布等を複合することなく、単一の気体透過性フィルムのみの使用で均一な極小気泡を液中に生成することができる微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法である。
気体透過性を有する多孔質膜としては、焼成されたポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等、の高分子樹脂フィルムを加熱して延伸処理することにより発生する。1軸延伸することにより縞状のフィブリルが発生し、2軸延伸することにより粒状のノードと放射線状のフィブリルが発生し、フィルム内に形成された空孔が通気性をもつものを挙げることができる。
ポリテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと記載する。)を引用して多孔質膜についてさらに詳しく記載するとPTFEは分子量約5万分の0.1μm程度の糸状結晶ポリマー(98.5%以上)なので、そのままでは溶融押出し成形はできない。そこでケロシンやナフサを潤滑剤として15〜25%程度混入し、次に80℃でカレンダーロールで薄く伸ばし、加熱して潤滑剤を除去する。ここで1軸あるいは2軸延伸を行ない327℃で焼結する。
このとき、アモルファス容量が増大しかつ固定化する。このようにして、孔径0.02〜15μm,気孔率25〜95%の微細な空孔もつ多孔性膜を製膜することができる。更に加熱して1軸延伸することにより縞状のフィブリルが発生し、2軸延伸することにより粒状のノードと放射線状のフィブリルが発生することにより、フィルム内の微細な空孔を拡張して通気性をもつものである。
本発明は、異物等が排出して液中への混入が危惧される親水性不織布等を複合することなく、単一の気体透過性フィルムのみの使用で均一な極小気泡を液中に生成させることができることから、特に、異物の混入が僅かであっても許されることのない精密部品の洗浄、含気食品の製造等、多分野において有用な技術である。
1 クレーズ生成気体透過性フィルム
2 微細気泡発生装置の気体透過部
3 気体透過面
5 マイクロ・ナノサイズの微細な凹凸
7 極小気泡
8 気体透過面に形成された気体透過開口部
A 液中における生成初期の気泡
B 液中に生成された極小気泡
W 液体
E 気体
M ミクロボイド(微細な連通孔)
F フィブリル(分子束)

Claims (1)

  1. 真水や海水および薬液等の液中に、マイクロ・ナノサイズの微細・超微細な極小気泡を供給する微細気泡発生装置において、サイズの均一な極小気泡を効率よく生成する目的をもって、該微細気泡発生装置の気体透過部に配設してなる気体透過性フィルムであって、高分子樹脂フィルムにクレーズ領域を生成してなる気体透過性フィルムの気体透過面に、親水性と離泡性を付与するマイクロ・ナノサイズの微細な凹凸の形成が、該気体透過面に塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)のいずれかの化学物質もしくは、塩化水酸化カルシウム(CaCl(OH))、塩化水酸化マグネシウム(MgCl(OH))、炭酸水素ナトリウム(NaHCO)、リン酸カルシウム(Ca(PO)のいずれかの化学物質の複合により生成された無機塩の結晶を付着させてなることを特徴とする微細気泡生成用気体透過性フィルムの生産方法。
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