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JP6467981B2 - 半導体装置およびその製造方法 - Google Patents
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Description

本発明は、上チップと下チップとをこれら上下チップそれぞれに形成されたマイクロバンプを介して電気的に接続する半導体装置およびその製造方法に関するものである。
従来より、ウェハの上に半導体素子が形成されたチップを積層する際に、自己組織化(セルフ・アッセンブル)によるアライメント技術が用いられている。具体的には、疎水領域に囲まれた親水領域を有する下チップに水を液滴することで親水領域に水を濡らし、その上に精度良く加工した上チップを配置することでアライメントを行っている。
例えば、特許文献1では、仮基板の上にチップをアライメントして配置した後、支持基板(ウェハ)を用意し、支持基板と仮基板とのアライメントを取ってから支持基板とチップとを近づけ、支持基板にチップを転写している。仮基板の上へのチップのアライメントは、水の表面張力に基づく自己組織化により行っている。具体的には、チップを高精度に個片化したのち、仮基板の親水領域に水滴を付着させ、さらにその水滴上にチップを搭載することで、水の表面張力による自己組織化に基づいてチップが仮基板の所望位置にアライメントされる。このようにして、支持基板上の所望位置にチップが積層された構造を実現している。
しかしながら、特許文献1に示される転写の手法では、仮基板への接合の際と支持基板へのチップの転写の際の二回のアライメントが必要になることから、アライメント精度の向上を図ることが難しい。また、チップを高精度に個片化してから仮基板上にアライメントすることになることから、チップを高精度に個片化するためのプロセスに時間が掛かる。
これに対して、非特許文献1において、ウェハ表面に親水領域と疎水領域とを形成し、親水領域の上に水滴を付着させたのち、その上に高精度に個片化したチップを搭載することで、水の表面張力に基づく自己組織化を用いたアライメントが提案されている。チップのウェハ側の一面とウェハのチップ側の一面には共にマイクロバンプが形成されており、水滴の表面張力に基づくアライメントを取りつつ、チップとウェハそれぞれのマイクロバンプを圧着させることで電気的な接続をとっている。
このような手法においては、ウェハに対して直接チップをアライメントすることから、二回のアライメントを行わなくてもよくなり、アライメント精度の向上を図ることが可能となる。
特開2010−225803号公報
IEEE TRANSACTIONS ON ELECTRON DEVICES. Vol.59. No.11, Nov. 2012
しかしながら、非特許文献1の手法においても、チップを高精度に個片化してからウェハの親水領域に付着させた水滴上に搭載しなければならないため、チップを高精度に個片化するためのプロセスに時間が掛かる。すなわち、チップを個片化する際に、チップの各端面の間の寸法が高精度に保たれるようにしてダイシングを行う必要があることから、高精度なダイシングが必要になり、ダイシングが長時間になる。特に、微細化などに起因して、マイクロバンプを高密度化させると、マイクロバンプが水を弾くために、水の表面張力に影響を及ぼし、アライメントずれを発生させるという問題も発生させる。
本発明は上記点に鑑みて、チップを高精度に個片化するためのプロセス時間の短縮化が図れ、かつ、アライメント精度の向上を図ることが可能な半導体装置およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1ないし13に記載の発明では、基板(20、25)と、基板の表面(22)に備えられた複数の第1マイクロバンプ(21)と、基板上に搭載される半導体チップ(10)と、半導体チップの裏面(12)に配置され、複数の第1マイクロバンプのそれぞれと接続されることで、半導体チップと基板とを電気的および物理的に接続する複数の第2マイクロバンプ(11)と、を備え、半導体チップには、裏面のうち第2マイクロバンプを含む領域を接続面(12a)として、該接続面を囲む外周部に溝部(13)が形成されていることを特徴としている。
このように、半導体チップのうち基板側に向けられる裏面の外周を1周囲む溝部を形成している。このため、その内側の接続面が高精度に寸法決めされるようにできる。また、基板に構成される親水領域および疎水領域の形状や寸法は露光時のマスクによって一義的に決まり、高精度に寸法決めたものとなる。したがって、高精度に寸法決めされた基板の親水領域に水滴を塗布できることから、接続面が高精度に寸法決めされていれば、水滴上に半導体チップを搭載したときに、半導体チップが基板に対して高精度に位置決めがなされる。よって、アライメント精度の向上を図ることが可能となる。
また、半導体チップの接続面を高精度に寸法決めする際に、溝部は半導体チップの厚み途中の深さとされ、半導体チップの厚み分までの深さにはならない。このため、溝部を形成するためのプロセス時間は短いものとなる。そして、半導体チップを個片化する際には、半導体チップの厚みの途中まで形成した溝部内においてダイシングを行えば良く、高精度なダイシングが必要とされない。このため、接続面を高精度に寸法決めしつつ半導体チップを個片化するためのプロセス時間を短くすることができる。
具体的には、請求項14に記載の発明のように、第1マイクロバンプが備えられた基板を用意する工程と、基板における第1マイクロバンプを囲む疎水膜(28)を形成することで、基板のうち疎水膜が形成された領域を疎水領域としつつ、疎水膜が形成されていない領域を親水領域とする工程と、第2マイクロバンプが備えられた半導体ウェハ(15)を用意した後、該半導体ウェハに対して第2マイクロバンプが含まれる接続面となる領域を囲むように溝部(13)を形成する工程と、溝部内に疎水膜(18)を形成することで、半導体ウェハのうち溝部内を疎水領域とし、接続面となる領域を親水領域とする工程と、溝部内においてダイシングを行うことで半導体ウェハを個片化し、半導体チップを構成する工程と、基板における親水領域に水滴(30)を配置したのち、該水滴上に半導体チップを搭載する工程と、基板における第1マイクロバンプと半導体チップにおける第2マイクロバンプとを接続する工程と、を含む製造方法により、上記構造の半導体装置を製造することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係の一例を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 図1中のII−II’断面図である。 図2中の下チップ20の製造工程を示す図である。 図2中の上チップ10の製造工程を示す図である。 図3の製造工程で製造した下チップ20および図4の製造工程で製造した上チップ10の貼り合せ工程を示した図である。 外縁側マイクロバンプの寸法に対する外縁側マイクロバンプから接触面12aの各辺までの距離の比Xと親水領域での接触角との関係を示した図である。 マイクロバンプ11の総面積と接続面12aの面積とを足した総面積S1に対するマイクロバンプ11の面積S2の比S2/S1と親水領域での接触角との関係を示した図である。 本発明の第2実施形態にかかる半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 図8中のIX−IX’断面図である。 本発明の第3実施形態にかかる半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 本発明の第4実施形態にかかる半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 本発明の第5実施形態にかかる半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 他の実施形態で説明する半導体装置に備えられる上チップ10を裏面12側から見た図である。 図13中のXIV−XIV'断面図である。 他の実施形態で説明する半導体装置の断面図である。 他の実施形態で説明する半導体装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、同一符号を付して説明を行う。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態について説明する。ここでは、基板上に半導体チップを搭載するチップ積層ユニットを構成する半導体装置として、2つの半導体チップを貼り合せた構造を説明する。以下、図1および図2を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の構成について説明する。なお、図2に示す半導体装置の断面図では、各部を簡略化して記載してある。
半導体装置は、図1に示した半導体チップに相当する上チップ10を有し、図2に示すように基板に相当する下チップ20の上に上チップ10を搭載した構成とされている。上チップ10に形成されたマイクロバンプ(第2マイクロバンプ)11と下チップ20に形成されたマイクロバンプ(第1マイクロバンプ)21とが接合され、マイクロバンプ11、21を介して上チップ10と下チップ20との電気的および物理的接続されている。
上チップ10および下チップ20は、共に、例えば半導体素子や電気回路などが形成された半導体ウェハを個片化したものであり、マイクロバンプ11、21は半導体素子などと外部との電気的接続を行うための接続部材である。半導体ウェハとしては、例えばシリコンウェハが用いられており、シリコンウェハに対して一般的な半導体プロセスが施されることで半導体素子が形成されている。そして、半導体素子形成後のシリコンウェハに対してマイクロバンプ11の形成プロセスを施したのち、チップ単位に個片化することで上チップ10が構成されている。
上チップ10は、図1および図2に示されるように、上面形状が長方形(正方形)とされている。上チップ10の裏面12、つまり上チップ10における下チップ20と対向する一面のうちの外縁部には、裏面12の外周を1周囲む溝部13が形成されている。溝部13は、裏面12において上チップ10を所定厚さ分除去することで構成されている。上チップ10の裏面12のうち溝部13で囲まれた内側の部分、つまり複数のマイクロバンプ11が配置される一面(以下、この一面を接続面という)12aの各辺の寸法は、高精度に寸法決めされている。これに対して、溝部13の幅は、上チップ10が構成する長方形の各辺において異なっていても良い。溝部13の深さも任意であるが、1μm以上とされているのが好ましい。
図1の紙面上下方向を縦方向、左右方向を横方向とすると、上チップ10の裏面、つまり上チップ10における下チップ20と対向する一面において、上チップ10が構成する長方形の内側にマイクロバンプ11が縦横等間隔となるマトリクス状に並べられている。そして、接続面12aの各辺からマイクロバンプ11のうちの最も接続面12aの外縁側に位置する外縁側マイクロバンプまでの距離は、最外周マイクロバンプの寸法(1辺の長さ、もしくは、直径)の1/2以上に設定されている。つまり、水の表面張力の影響を受け易いチップ外縁側にマイクロバンプ11が配置されることを避けるようにしている。
各マイクロバンプ11の面積については任意である。ただし、図1に示す裏面12の法線方向から見たマイクロバンプ11の総面積と接続面12aの面積とを足した総面積S1、つまり溝部13内側の面積に対するマイクロバンプ11の総面積S2の比S2/S1を0.6以下にすると好ましい。このような構成とすることにより、水を弾くマイクロバンプ11の量を制限でき、マイクロバンプ11が水を弾くことによるアライメントへの影響が抑制されるようにできる。
なお、ここでは上チップ10として、半導体ウェハをチップ単位に個片化したものを例に挙げているが、半導体ウェハをチップ単位に個片化したものを樹脂封止し、裏面側にマイクロバンプなどが形成されたチップであっても良い。
下チップ20も、上面形状が長方形(正方形)とされている。下チップ20の外形寸法については、マイクロバンプ21の配置スペースが確保されていれば特に制限はないが、本実施形態では、上チップ10よりも外形寸法を大きくしてある。このような寸法関係とする場合、例えば下チップ20のうち上チップ10よりも外側に張り出した部分までマイクロバンプ21に電気的に接続された回路部を引き出すことで、この部分を通じて外部との電気的接続を可能にすることができる。
下チップ20のマイクロバンプ21は、上チップ10のマイクロバンプ11と対応する位置に配置されている。すなわち、下チップ20の表面、つまり下チップ20における上チップ10と対向する一面において、下チップ20が構成する長方形の内側にマイクロバンプ21が縦横等間隔となるマトリクス状に並べられている。そして、図2に示すように、上チップ10の各マイクロバンプ11が下チップ20の対応する各マイクロバンプ21と接合されている。
このような構造によって、本実施形態にかかる半導体装置が構成されている。続いて、図3〜図5を参照して、本実施形態にかかる半導体装置の製造方法について説明する。なお、図3は下チップ20の形成工程、図4は上チップ10の形成工程、図5は上チップ10と下チップ20の貼り合せ工程を示している。
まず、図3を参照して下チップ20の形成工程について説明する。
〔図3(a)に示す工程〕
下チップ20の形成に用いる半導体ウェハ25を用意する。すなわち、下チップ20に備えられる半導体素子や回路部などが形成されたシリコンウェハなどを用意する。このとき、半導体ウェハ25の表面側、つまり後工程において上チップ10が配置される側の一面の表面を二酸化シリコン、窒化シリコン、親水性ポリイミド、PCB(エポキシ)などの絶縁性の親水膜20aで被覆している。続いて、半導体ウェハ25のうちのマイクロバンプ21を形成する側の一面に、例えばスパッタリング等によってCu等で構成されるシード層(下地層)21aを形成する。そして、シード層21aの表面にレジスト26を塗布したのち、図示しないマスクを用いたフォト工程によって露光・現像を行い、レジスト26のうちマイクロバンプ21の形成予定位置に開口部26aを形成する。
〔図3(b)に示す工程〕
レジスト26をマスクとしたメッキ工程を行い、シード層21aの露出表面にマイクロバンプ21の残部を形成したのち、レジスト26を除去する。そして、マイクロバンプ21の残部をマスクとしたエッチングによって、シード層21aをパターニングする。これにより、マイクロバンプ21が構成される。
〔図3(c)に示す工程〕
マイクロバンプ21を覆うようにレジスト27を塗布したのち、レジスト27のうちマイクロバンプ21よりも外側の部分を除去する。具体的には、上チップ10における接続面12aと対応する部分においてレジスト27を残し、それよりも外側、つまり溝部13と対応する部分や更にそれよりも外側において半導体ウェハ25を露出させる。
〔図3(d)に示す工程〕
レジスト27および半導体ウェハ25の露出部分の上面に例えばフッ化炭素(CF)などの疎水材料を塗布することで疎水膜28を形成する。疎水膜28の材料は任意であるが、好ましくは水滴30に対する疎水膜28の接触角が60度以上となる材質であることが良い。また、水滴30に対する疎水膜28と半導体ウェハ25の表面(親水膜20a)との接触角差が10度以上となる材質を疎水膜28の材料として選択するのが好ましい。このようにすることで、疎水膜28によって水滴30を好適に弾くことが可能となると共に、疎水領域と親水領域との間において水滴30の濡れ性の差を大きく取ることが可能となる。
〔図3(e)に示す工程〕
NMP(N-メチル-2-ピロリドン)などの有機溶剤によってレジスト27を除去することでレジスト27上の疎水膜28をリフトオフによって除去し、半導体ウェハ25の上面にのみ疎水膜28を残す。この疎水膜28が形成された部分が下チップ20における疎水領域となり、それよりも内側の部分が親水領域となる。
次に、図4を参照して上チップ10の形成工程について説明する。
〔図4(a)、(b)に示す工程〕
まず、図4(a)に示す工程として、上チップ10の形成に用いる半導体ウェハ15を用意している。このとき、半導体ウェハ15の裏面側、つまり後工程において下チップ20に向けられる側の一面の表面を二酸化シリコン、窒化シリコン、親水性ポリイミド、PCB(エポキシ)などの絶縁性の親水膜10aで被覆している。
その後、シード層(下地層)11aを形成し、さらにその表面にレジスト16を塗布してから、レジスト16のうちマイクロバンプ11の形成予定位置に開口部16aを形成する。この工程は図3(a)と同様である。その後、図4(b)に示す工程として、図3(b)と同様、シード層11aの表面にマイクロバンプ11の残部を形成するメッキ工程、シード層11aのパターニング工程を行うことで、マイクロバンプ11を形成する。
〔図4(c)に示す工程〕
マイクロバンプ11を覆うようにレジスト17を塗布したのち、レジスト17のうちマイクロバンプ11よりも外側の所定幅分を除去する。具体的には、上チップ10における溝部13と対応する部分においてレジスト17を除去し、接続面12aと対応する部分や溝部13よりも外側においてレジスト17を残すことで、溝部13と対応する部分において半導体ウェハ15を露出させる。
〔図4(d)に示す工程〕
レジスト17をマスクとしてRIE(Reactive Ion Etching)などの異方性エッチングを行うことで、半導体ウェハ15に溝部13を形成する。これにより、溝部13およびそれよりも内側の接続面12aが構成される。
このとき、溝部13については、半導体ウェハ15の厚み途中までの深さで良く、例えば1μm以上の深さあれば良い。溝部13の形成位置についてはレジスト17を露光する際のマスクパターンによって一義的に決まることから、溝部13の内側に位置する接続面12aの各辺の寸法についても一義的に決まり、高精度に寸法決めがなされた状態となっている。また、異方性エッチングによって形成した溝部13は、その底部がほぼ平坦面となり、ダイシングのような機械加工を行う場合と比較して表面粗さRaが小さくなる。
〔図4(e)に示す工程〕
レジスト17および半導体ウェハ15の露出部分、つまり溝部13の上面に例えばフッ化炭素(CF)などの疎水材料を塗布することで疎水膜18を形成する。疎水膜18の材料は任意であるが、好ましくは水滴30に対する疎水膜18の接触角が60度以上となる材質であることが良い。また、水滴30に対する疎水膜18と半導体ウェハ15の接続面12a(親水膜10a)との接触角差が10度以上となる材質を疎水膜18の材料として選択するのが好ましい。このようにすることで、疎水膜18によって水滴30を好適に弾くことが可能となると共に、疎水領域と親水領域との間において水滴30の濡れ性の差を大きく取ることが可能となる。
〔図4(f)に示す工程〕
NMPなどの有機溶剤によってレジスト17を除去することでレジスト17上の疎水膜18をリフトオフによって除去し、溝部13内にのみ疎水膜18を残す。この疎水膜18が形成された部分が上チップ10における疎水領域となり、それよりも内側となる接続面12aが親水領域となる。
〔図4(g)に示す工程〕
溝部13内において半導体ウェハ15をダイシングすることで個片化した上チップ10を構成する。このとき、溝部13の形成をエッチングによって行っており、マスクを用いて高精度に寸法決めすることができることから、ダイシングについては高精度な寸法決めの必要は無い。
このようにして、ダイシング前の状態の下チップ20の形成用の半導体ウェハ25とダイシング後の上チップ10が構成される。この後、図5に示す工程を行うことで、上チップ10と半導体ウェハ25の貼り合せを行う。
〔図5(a)に示す工程〕
下チップ20の表面に水滴30を塗布する。このとき、下チップ20の表面のうちの疎水領域については水が濡れないことから、親水領域にのみ水滴30が付着した状態となる。そして、この水滴30の上に上チップ10を搭載する。これにより、水滴30上において、水の表面張力によって上チップ10が水滴30の中央位置に配置された状態となり、上チップ10のマイクロバンプ11と下チップ20のマイクロバンプ21とが一致するように位置合わせされた状態となる。
なお、水滴30上に上チップ10を搭載するとき、溝部13の深さが浅いと、水滴30が溝部13側に垂れてしまう可能性がある。このため、溝部13の深さはある程度深い方が好ましい。例えば、溝部13の深さを1μm以上とすれば、水滴30が溝部13側に垂れることを的確に抑制することが可能となる。
〔図5(b)に示す工程〕
水滴30の上に上チップ10が搭載された状態で上チップ10および下チップ20を挟み込むように加熱加圧を行うことで、マイクロバンプ11、21を熱圧着させる。これにより、上チップ10および下チップ20がマイクロバンプ11、21を介して電気的および物理的に接続される。なお、水滴30については、加熱加圧時に蒸発して除去される。
この後、アッシングによって疎水膜18を除去した後、下チップ20をダイシングによって個片化することで、上チップ10と下チップ20とを有する半導体装置が完成する。
以上説明したように、本実施形態では、上チップ10のうち下チップ20側に向けられる裏面12の外周を1周囲む溝部13を形成し、その内側の接続面12aが高精度に寸法決めされるようにしている。また、下チップ20に構成される親水領域および疎水領域の形状や寸法は露光時のマスクによって一義的に決まり、高精度に寸法決めたものとなる。したがって、高精度に寸法決めされた下チップ20の親水領域に水滴30が塗布された状態になるため、接続面12aが高精度に寸法決めされていれば、水滴30上に上チップ10を搭載したときに、上チップ10が下チップ20に対して高精度に位置決めがなされる。
よって、アライメント精度の向上を図ることが可能となる。また、上チップ10の裏面12の接続面12aを高精度に寸法決めする際に、溝部13を上チップ10の厚み途中の深さとしており、上チップ10の厚み分までの深さとはしていない。このため、溝部13を形成するためのプロセス時間は短いものとなる。そして、上チップ10を個片化する際には、上チップ10の厚みの途中まで形成した溝部13内においてダイシングを行えば良く、高精度なダイシングが必要とされない。このため、接続面12aを高精度に寸法決めしつつ上チップ10を個片化するためのプロセス時間を短くすることができる。
よって、チップを高精度に個片化するためのプロセス時間の短縮化が図れ、かつ、アライメント精度の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施形態では、接続面12aの各辺からマイクロバンプ11のうちの最も接続面12aの外縁側に位置する外縁側マイクロバンプまでの距離を外縁側マイクロバンプの寸法(1辺の長さ、もしくは、直径)の1/2以上に設定している。これにより、水の表面張力の影響を受けることを更に抑制でき、よりアライメント精度の向上を図ることが可能となる。
さらに、マイクロバンプ11の総面積と接続面12aの面積とを足した総面積S1に対するマイクロバンプ11の総面積S2の比S2/S1を0.6以下にしてある。これにより、水を弾くマイクロバンプ11の量を制限でき、マイクロバンプ11が水を弾くことによるアライメントへの影響を抑制でき、アライメント精度が向上できる。
具体的には、アライメント精度を高精度にするには、疎水領域での接触角と親水領域での接触角との差Sが80°以上であることが必要になる。疎水領域での接触角の物理限界値は120°であることが確認されており、差Sが80°以上となるようにするには親水領域での接触角が40°以下であることが必要となる。そして、外縁側マイクロバンプの寸法に対する外縁側マイクロバンプから接触面12aの各辺までの距離の比Xと親水領域での接触角との関係が図6のように表され、接触角40°未満となるようにするには比Xが1/2以上である必要がある。したがって、上記したように、接続面12aの各辺から外縁側マイクロバンプまでの距離を外縁側マイクロバンプの寸法の1/2以上に設定することで、よりアライメント精度の向上を図ることが可能となる。
なお、図6は親水領域全体の結果を示しているが、本結果からマイクロバンプ11からチップ端面までの間が狭くなるに従って、チップ端面における親水性が低下する傾向を導き出すことができる。
同様に、マイクロバンプ11の総面積と接続面12aの面積とを足した総面積S1に対するマイクロバンプ11の面積S2の比S2/S1と親水領域での接触角との関係が図7のように表される。この図より、接触角40°未満となるようにするには比S2/S1が0.6(=3/5)以上である必要がある。したがって、上記したように、比S2/S1を0.6以下にすることで、よりアライメント精度の向上を図ることが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対してマイクロバンプ11、21のレイアウトを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図8および図9に示すように、本実施形態では、上チップ10および下チップ20の中央位置から外周側に向かうに連れてマイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が小さくなるようにしている。具体的には、溝部13に近い位置ほど、マイクロバンプ11、21の間隔が広くなるようにし、溝部13から離れるに連れてマイクロバンプ11、21の間隔が狭くなるようにしている。
水滴30の表面張力を利用して上チップ10および下チップ20のアライメントを行う場合、水滴30に接する面の親水性が良いほど精度が向上する。しかしながら、マイクロバンプ11、21が撥水性を持つため、マイクロバンプ11、21が高密度にレイアウトされている構造では精度向上が難しい。
ここで、マイクロバンプ11、21のうち、特に撥水性に起因するアライメント精度に影響を与える部分は、上チップ10や下チップ20のうちの外周部近傍に位置しているものである。このため、仮に、マイクロバンプ11、21の総面積が第1実施形態と等しくても、上チップ10や下チップ20のうちの外周部近傍に位置している部分の単位面積あたりの密度が小さくなれば、撥水性に起因する影響を抑制でき、アライメント精度が向上できる。
これに対して、本実施形態のように、上チップ10および下チップ20の中央位置から外周側に向かうに連れてマイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が小さくなるようにしている。したがって、上チップ10や下チップ20のうちの外周部近傍に位置している部分の撥水性に起因する影響を抑制でき、アライメント精度が向上できる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態も、第1実施形態に対してマイクロバンプ11、21のレイアウトを変更したものであり、その他については第1実施形態と同様であるため、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図10に示すように、本実施形態では、上チップ10および下チップ20の中央位置とそれよりも外周位置において、それぞれ、マイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が大きくされた密集群とそれよりも密度が小さくされた過疎群が設けられている。本実施形態の場合、密集群では例えばマイクロバンプ11を図10の紙面縦方向と横方向において3×3個配置し、過疎群でも同数配置した構成としているが、密集群の方が過疎群よりも各マイクロバンプ11の間隔が小さくなるようにしてある。このような構成とすることで、溝部13に近い位置ほど、マイクロバンプ11、21の間隔が広くなるようにし、溝部13から離れるに連れてマイクロバンプ11、21の間隔が狭くなるようにしている。
このように、マイクロバンプ11、21の単位あたりの密度を上チップ10および下チップ20の中央位置とそれよりも外周位置とで変えても、上チップ10や下チップ20のうちの外周部近傍に位置している部分の撥水性に起因する影響を抑制できる。したがって、第2実施形態と同様、アライメント精度が向上できる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態について説明する。本実施形態も、第1〜第3実施形態に対してマイクロバンプ11、21のレイアウトを変更したものであり、その他については第1〜第3実施形態と同様であるため、第1〜第3実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第2実施形態の構造を例に挙げて説明するが、第1、第3実施形態の構造に対しても本実施形態の構成を適用できる。
図11に示すように、本実施形態では、上チップ10および下チップ20の中央位置を通過する紙面上下方向に伸びる直線を挟んだ両側、つまり紙面右側と左側において、マイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が変化させられている。紙面左側は右側と比較して、マイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が高くされている。紙面右側と左側において上チップ10における重量の面内分布が異なっており、紙面左側と比較して比較的重量が重くされている紙面右側において、マイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度が低くされている。
水滴30上に搭載される上チップ10の重量に面内分布がある場合、重量の重い方が軽い方よりも、マイクロバンプ11、21が水を弾くことによるアライメントへの影響が影響が大きくなる。このため、重量の重い方側において、軽い方よりもマイクロバンプ11、21の単位面積あたりの密度を低くすることで、マイクロバンプ11、21が水を弾くことによるアライメントへの影響を抑制できる。これにより、重量の面内分布に基づくアライメントへの影響を更に抑制でき、よりアライメント精度の向上を図ることが可能となる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態について説明する。本実施形態も、第1〜第4実施形態に対してマイクロバンプ11、21のレイアウトを変更したものであり、その他については第1〜第3実施形態と同様であるため、第1〜第4実施形態と異なる部分についてのみ説明する。なお、ここでは第1実施形態の構造を例に挙げて説明するが、第2〜第4実施形態の構造に対しても本実施形態の構成を適用できる。
図12に示すように、本実施形態では、上チップ10および下チップ20の中央位置の方がそれよりも外側よりもマイクロバンプ11、21の面積が大きくなるようにしている。具体的には、マイクロバンプ11、21の面積は、上チップ10および下チップ20の中央位置において最も大きくされ、溝部13に近づくほど小さくされている。
上チップ10もしくは下チップ20の少なくとも一方において、チップ面内での電流分布が存在する場合がある。例えば、上チップ10もしくは下チップ20にパワー素子が配置される場合、その他の位置よりも大電流が流される構造となる。このような場合、大電流が流されるマイクロバンプ11、21の面積を大きくする必要がある。
しかしながら、マイクロバンプ11、21の面積が大きくなる程、マイクロバンプ11、21が水を弾くことによるアライメントへの影響が影響が大きくなる。このため、本実施形態では、パワー素子のような大電流が流される大電流素子を上チップ10もしくは下チップ20の中央位置に配置し、マイクロバンプ11、21のうち面積が大きくなるものを上チップ10および下チップ20の中央位置に配置している。これにより、マイクロバンプ11、21が水を弾くことによるアライメントへの影響を抑制できる。したがって、よりアライメント精度が向上できる。
(他の実施形態)
本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。
例えば、上記各実施形態では、上チップ10の溝部13内に疎水領域を構成するために疎水膜18を形成したのち、上チップ10を下チップ20に貼り合せた後に疎水膜18を除去している。同様に、下チップ20の外縁部に疎水領域を構成するための疎水膜28を形成した後、上チップ10を下チップ20に貼り合せた後に疎水膜18を除去している。しかしながら、これは一例を示したのであり、図13および図14に示すように、上チップ10と下チップ20とが貼り合わされた後、上チップ10に疎水膜18を残したままの状態としても良い。
なお、図5で示した例では、上チップ10と下チップ20の疎水膜18、28をアッシングによって同時に除去しているため、上チップ10の疎水膜18だけでなく、下チップ20の疎水膜28も残った状態になるが、特に問題は無い。このように、疎水膜18、28を除去しない場合、アッシング工程を無くせることから、より半導体装置の製造工程の簡略化を図ることが可能となる。
また、図15に示すように、下チップ20のうちの上チップ10側の表面22にも、上チップ10の溝部13と同様の溝部23を形成するようにしても良い。この場合、下チップ20のうち溝部23で囲まれた内側の部分を接続面22aとして、上チップ10の接続面12aと下チップ20の接続面22aとが同一形状、同寸法であるのが好ましいが、寸法については異なっていても良い。例えば、図16に示すように、加工精度に起因する両接続面12a、22aの寸法バラツキが発生し得る。しかしながら、各チップ10、20の中央位置から見た片側での両接続面12a、22aの寸法バラツキが10μm以内であれば、アライメント精度の低下はほぼ生じないことから、高いアライメント精度を得ることができる。
また、上記実施形態では、半導体ウェハ25で構成される回路基板などの基板を個片化した下チップ20としたが、必ずしも個片化する必要はなく、基板のままの状態であっても良い。
10 上チップ
20 下チップ
11、21 マイクロバンプ
12a、22a 接続面
13、23 溝部
15、25 半導体ウェハ
18、28 疎水膜
30 水滴

Claims (14)

  1. 基板(20、25)と、
    前記基板の表面(22)に備えられた複数の第1マイクロバンプ(21)と、
    前記基板上に搭載される半導体チップ(10)と、
    前記半導体チップの裏面(12)に配置され、前記複数の第1マイクロバンプのそれぞれと接続されることで、前記半導体チップと前記基板とを電気的および物理的に接続する複数の第2マイクロバンプ(11)と、を備え、
    前記半導体チップには、前記裏面のうち前記第2マイクロバンプを含む領域を接続面(12a)として、該接続面を囲む外周部に溝部(13)が形成されており、
    前記第2マイクロバンプのうち最も前記溝部から近い外縁側マイクロバンプと前記溝部との間が該外縁側マイクロバンプの寸法の1/2以上離間していることを特徴とする半導体装置。
  2. 基板(20、25)と、
    前記基板の表面(22)に備えられた複数の第1マイクロバンプ(21)と、
    前記基板上に搭載される半導体チップ(10)と、
    前記半導体チップの裏面(12)に配置され、前記複数の第1マイクロバンプのそれぞれと接続されることで、前記半導体チップと前記基板とを電気的および物理的に接続する複数の第2マイクロバンプ(11)と、を備え、
    前記半導体チップには、前記裏面のうち前記第2マイクロバンプを含む領域を接続面(12a)として、該接続面を囲む外周部に溝部(13)が形成されており、
    前記第2マイクロバンプの総面積と前記接続面の面積とを足した総面積S1に対する前記第2マイクロバンプの総面積S2の比S2/S1が0.6以下とされていることを特徴とする半導体装置。
  3. 基板(20、25)と、
    前記基板の表面(22)に備えられた複数の第1マイクロバンプ(21)と、
    前記基板上に搭載される半導体チップ(10)と、
    前記半導体チップの裏面(12)に配置され、前記複数の第1マイクロバンプのそれぞれと接続されることで、前記半導体チップと前記基板とを電気的および物理的に接続する複数の第2マイクロバンプ(11)と、を備え、
    前記半導体チップには、前記裏面のうち前記第2マイクロバンプを含む領域を接続面(12a)として、該接続面を囲む外周部に溝部(13)が形成されており、
    前記溝部の底部に疎水膜(18)が形成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 前記接続面と前記疎水膜の水に対する接触角差が10度以上であることを特徴とする請求項に記載の半導体装置。
  5. 前記疎水膜の水に対する接触角が60度以上であることを特徴とする請求項3または4に記載の半導体装置。
  6. 前記第1マイクロバンプおよび前記第2マイクロバンプは、前記半導体チップの中央位置から外縁側に向かうに連れて、前記第1マイクロバンプの間の間隔および前記第2マイクロバンプの間の間隔が広くされていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載の半導体装置。
  7. 前記第1マイクロバンプおよび前記第2マイクロバンプは、単位面積当たりの前記第1および前記第2マイクロバンプの面積が、前記半導体チップの中央位置において密度が密に配置された密集群とされ、前記中央位置よりも外縁側では前記密集よりも密度が疎に配置された過疎群とされていることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の半導体装置。
  8. 前記第1マイクロバンプおよび前記第2マイクロバンプは、前記半導体チップの中央位置を通過する直線を挟んだ両側において、単位面積当たりの密度が変化させられていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の半導体装置。
  9. 前記溝部の深さが1μm以上とされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の半導体装置。
  10. 前記第1マイクロバンプおよび前記第2マイクロバンプの面積が、前記半導体チップの中央位置の方が該中央位置よりも外縁側の位置よりも大きくされていることを特徴とする請求項1ないしのいずれか1つに記載の半導体装置。
  11. 前記半導体チップのうち前記接続面の表面が絶縁性の親水膜(10a)によって被覆されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1つに記載の半導体装置。
  12. 前記基板のうち前記半導体チップが搭載される側の面には、前記第1マイクロバンプを囲む溝部(23)が形成されていることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1つに記載の半導体装置。
  13. 前記基板に形成された前記溝部の内側の接続面(22a)と前記半導体チップの接続面とが同一形状とされ、かつ、前記半導体チップの中央位置から見た片側での前記基板に形成された前記溝部の内側の接続面と前記半導体チップの接続面の寸法差が10μm以下であることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1つに記載の半導体装置。
  14. 請求項1ないし13のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法であって、
    前記第1マイクロバンプが備えられた前記基板を用意する工程と、
    前記基板における前記第1マイクロバンプを囲む疎水膜(28)を形成することで、前記基板のうち前記疎水膜が形成された領域を疎水領域としつつ、前記疎水膜が形成されていない領域を親水領域とする工程と、
    前記第2マイクロバンプが備えられた半導体ウェハ(15)を用意した後、該半導体ウェハに対して前記第2マイクロバンプが含まれる前記接続面となる領域を囲むように前記溝部(13)を形成する工程と、
    前記溝部内に疎水膜(18)を形成することで、前記半導体ウェハのうち前記溝部内を疎水領域とし、前記接続面となる領域を親水領域とする工程と、
    前記溝部内においてダイシングを行うことで前記半導体ウェハを個片化し、前記半導体チップを構成する工程と、
    前記基板における前記親水領域に水滴(30)を配置したのち、該水滴上に前記半導体チップを搭載する工程と、
    前記基板における前記第1マイクロバンプと前記半導体チップにおける前記第2マイクロバンプとを接続する工程と、を含んでいることを特徴とする半導体装置の製造方法。
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