JP6468430B2 - 車体前部構造 - Google Patents
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Description
ところで、車両が前面衝突しサブフレームが後方に押されると、サブフレーム後方の弾性固定部では、弾性マウント部を支持しているボルト部材が、フロントサイドメンバ側を支点に車体後方へ倒れ込む現象が起こる。ボルト部材が後方に倒れると、ボルト部材には抜け方向への引っ張り荷重が作用するため、ボルト部材が弾性マウント部から抜け落ち、サブフレームが衝突初期に脱落してしまうおそれがある。サブフレームが衝突初期の段階で脱落してしまうと、衝突荷重を十分に支えきれない。このため、衝突荷重を効果的に減少させることができず、パワーユニットやサブフレーム等の車室部側への侵入量が増大する等の問題がある。
しかし、単に補強部材の剛性強度を増す手立てだけでは、重量やコストの増加を招くため、改善の余地があった。
図1は本発明の要部となる車両の車体前部構造を示していて、図1中1は、フロントシートやリヤシート(いずれも図示せず)などが配置される車室部、3は同車室部1の前部に形成されたパワーユニット収容部をそれぞれ示している(いずれも二点鎖線で図示)。
図1に示されるように車両には、車幅方向に間隔を開けて配置された一対のサイドメンバ部材9が車両の前端部から後端に亘って車両前後方向に延設されている。サイドメンバ部材9は、車室部1の前方で車両前後方向に延びるフロントサイドメンバ17と車室部1の下方で車両前後方向に延びるフロアサイドメンバ15とを含んで構成されている。
サブフレーム19は、例えば、フロントサイドメンバ17の前部から後部(キックアップ部17a後方)までの下側にそれぞれ配置される一対の側フレーム21と、同側フレーム21の前後部間に掛け渡された前後フレーム23a,23bとを有した角枠形状に形成される。このサブフレーム19の両側(車幅方向)に、前輪7のサスペンション部材11の各部品(アームやショックアブソーバやスプリングなど:一部しか図示せず)が支持され、前輪7を支える。ちなみに、サブフレーム19の例えば後フレーム23bには、パワートレインの後部がマウント部材(いずれも図示しない)によって支持される。そして、各側フレーム21の前後方向の各端部が、それぞれ弾性固定部25,26を介して、直上のフロントサイドメンバ17に弾性支持されている。
この補強ブラケット39は、車両の前面衝突時にサブフレーム19前部からの衝突荷重を受けて弾性マウント部29の後方側への倒れを抑制するとともに、衝突荷重をフロアサイドメンバ15およびサイドシル13側(フロントガセット18)へ伝える部品である。左右いずれ共、同じ構造が用いられている。このうち片側の補強ブラケット39の構造を代表的な例として、図2および図3の斜視図や図4の断面図(図2中のA−A線)を用いて説明する。
また、この補強ブラケット39には、サブフレーム19の後端部における弾性固定部26の弾性マウント部29の倒れを抑制して衝突荷重(前面衝突)によって変形した後も、継続してサブフレーム19前部からの衝突荷重を受けて、フロントサイドメンバ15やサイドシルへ衝突荷重を伝達し続けられるように構造が工夫されている。
例えば車両の前面衝突により、衝突荷重F1がフロントサイドメンバ17の前部やサブフレーム19の前部へ加わったとする。
すると、フロントサイドメンバ17では、前端部から圧縮変形されて加わる衝突荷重F1を吸収しながらキックアップ部17a後方のフロアサイドメンバ15へ伝達する。
そして、補強ブラケット39が、加わる衝突荷重F1に耐えきれなくなると、図5(a)に示されるように第1支持脚43および第2支持脚45の中間部51、61が、後方側に湾曲するように変形し始める。つまり、補強ブラケット39が後方に湾曲変形され始める。この補強ブラケット39の変形により、図2中の二点鎖線や図5(a)に示されるようにボルト部材31は、フロントサイドレール17側を支点として、車体後方である第1支持脚43と第2支持脚45間へ傾く。つまり、弾性マウント部29が車体後方へ傾き、凹部67に嵌り込む。
そして、補強ブラケット39の屈曲変形が進行するにしたがい、図5(b)に示されるように次第に凹部67の側壁面67cに対する弾性マウント部29の接触領域が増加する。これにより、弾性マウント部29に対する補強ブラケット39の抵抗が増し、弾性マウント部29の後退が補強ブラケット39によって抑制される。同時に補強ブラケット39は、弾性マウント部29によってそれ以上の変形が抑制される。つまり、補強ブラケット29は、変形した状態でも反力を維持して衝突荷重F1を受けることができる。
特に弾性マウント部29の外周面と凹部67の側壁面67cとが接触する領域(接触面積)は、補強ブラケット39の変形が進行するにしたがい大きくなるので、効果的に衝突荷重F1を吸収しながらサイドレール15やサイドシル13へ衝突荷重F1が伝えられる。それだけでなく、変形の進行により、図5(b)に示されるように荷重付加位置も、当初の最も下側のα位置からフロントサイドレール17に近づくβ位置へと変化するので、ボルト部材31や弾性マウント部29に加わる曲げモーメントも抑えられる。これにより、より長期間に亘って衝突荷重F1を補強ブラケット39で受けることができ、効果的に衝突荷重F1を減少させることが可能となる。すなわち、サブフレーム19後端部の弾性固定部26における耐力を向上させることができる。
そのうえ、凹部67は、弾性マウント部29の下側角部29aの一部形状に相当する開口とし、V形脚41の固定座部47(補強ブラケット39の一端部)に近づくにしたがい深さが次第に増す凹み形状にするといった、予め倒れる弾性マウント部29の姿勢に対応した形状に設定してあるので、倒れる弾性マウント部29を最も効果的に受けることができ、衝突荷重F1の伝達には最も有効である。
なお、上述した一実施形態における各構成およびその組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能であることはいうまでもない。また本発明は、一実施形態によって限定されることはなく、「特許請求の範囲」によってのみ限定されることはいうまでもない。
9 サイドメンバ部材
11 サスペンション部材
13 サイドシル
15 フロアサイドメンバ
17 フロントサイドメンバ
18 フロントガセット(ガセット)
19 サブフレーム
26 弾性固定部
29 弾性マウント部
31 ボルト部材
39 補強ブラケット
41 V形脚
43 第1支持脚
45 第2支持脚
65 壁部
67 凹部
Claims (4)
- 車室部の前方で車両前後方向に延びるフロントサイドメンバと車室部の下方で車両前後方向に延びるフロアサイドメンバとを有するサイドメンバ部材と、
前記フロントサイドメンバの下方に配置されてサスペンション部材を支持するサブフレームと、
前記サブフレームの後端部に設けられ、弾性マウント部を介して前記フロントサイドメンバの下部に固定される弾性固定部と、
前記弾性固定部と前記サブフレーム後方の前記フロアサイドメンバとを車両前後方向に連結する補強ブラケットと、を備え、
前記補強ブラケットは、
一端部が前記弾性マウント部の下端に固定されて車両後方斜め上方に延び、他端部が前記フロアサイドメンバに固定される第1支持脚と、
前記第1支持脚の一端部から分岐されて車両後方斜め上方へ延び、分岐された端部が前記第1支持脚とは異なる前記車室部下部の部材に固定される第2支持脚と、
前記第1支持脚と前記第2支持脚との間を埋めるとともに、前記弾性マウント部と車両前後方向で対向するよう設けられる壁部と、
前記壁部に設けられ、前記弾性マウント部が車体後方側へ傾いた際に同弾性マウント部が嵌まる凹部と、を有する
ことを特徴とする車体前部構造。 - 前記凹部は、前記第1支持脚の一端部に近づくにしたがい次第に深さが増すよう形成されることを特徴とする請求項1に記載の車体前部構造。
- 前記第1支持脚と第2支持脚とは、前記一端部から次第に間隔が拡がるV字状に分岐されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車体前部構造。
- 前記車室部の下部は、
前記フロアサイドメンバの車幅方向外側で車両前後方向に延びるサイドシルと、
前記車室部の前部で車幅方向に延びて前記フロアサイドメンバと前記サイドシルとを連結するガセットとが備えられ、
前記第2支持脚は、前記ガセットに固定される
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車体前部構造。
Priority Applications (1)
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| JP2015062967A JP6468430B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 車体前部構造 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2015062967A JP6468430B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 車体前部構造 |
Publications (2)
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Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP2015062967A Active JP6468430B2 (ja) | 2015-03-25 | 2015-03-25 | 車体前部構造 |
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