JP6468441B2 - 圧電フィルム - Google Patents
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Description
これらの中でも、分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムは、透明性を有し、かつ無機誘電体膜とは異なり可撓性を有するという利点を有するので、様々な用途への適用が可能である。
例えば、特許文献1では、圧電フィルムとして、タッチパネル用又はタッチ圧検出用の分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムが開示されている。
また、特許文献1に記載の分極化フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムは、形状における、及び視覚的な均一性(シワ、及びタルミの少なさ)、並びに分極率の均一性に改善の余地があった。
従って、本発明は、透明性(特にヘイズ値)が高く、形状における、及び視覚的な均一性、並びに分極率の均一性の高い、圧電フィルムの提供を目的とする。
全光線透過率が90%以上であり;
全ヘイズ値が4.0%以下であり;及び
平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において厚さを測定したときの厚さの変動係数が10%以下である;
圧電フィルム
によって、前記課題が解決出来ることを見出し、更なる検討の結果、本発明を完成するに至った。
全光線透過率が90%以上であり;
全ヘイズ値が4.0%以下であり;及び
平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において厚さを測定したときの厚さの変動係数が10%以下である;
圧電フィルム。
項2.
全ヘイズ値が2.0%以下である項1に記載の圧電フィルム。
項3.
有機圧電フィルムからなる項1又は2に記載の圧電フィルム。
項4.
分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる項1又は2に記載の圧電フィルム。
項5.
キャスティング法により無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを調製する工程A;
前記無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程B;及び
工程Bに対して任意の時点で、無延伸のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程C
を含む
項4に記載の圧電フィルムの製造方法。
項6.
項1〜4のいずれか1項に記載の圧電フィルムのロールであって、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70〜130%の範囲内である、ロール。
項7.
項1〜4のいずれか1項に記載の圧電フィルム、又は項5に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
項8.
項1〜4のいずれか1項に記載の圧電フィルム、又は請求項5に記載の製造方法により製造される圧電フィルムを有する入力装置。
項9.
項8に記載の入力装置を有する電子機器。
本明細書中、「タッチ位置」の「検出」は、タッチ位置の決定を意味し、一方、「タッチ圧」の「検出」は、押圧の有無、速度、大きさ又はこれらの組み合わせの決定を意味する。
本明細書中、用語「タッチ」は、触れること、触れられること、押すこと、押されること、及び接触すること、を包含する。
本明細書中、用語「分極化」は、表面に電荷を付与されていることを意味する。すなわち、分極化フィルムは、エレクトレットであることができる。
本発明の圧電フィルムは、
全光線透過率が90%以上であり;
全ヘイズ値が4.0%以下であり;及び
平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において厚さを測定したときの厚さの変動係数が10%以下である。
以下、本発明の圧電フィルムを詳細に説明する。
本発明の圧電フィルムにおける当該重合体の含有量は、好ましくは、80質量%以上、より好ましくは85質量%以上、更に好ましくは90質量%である。当該含有量の上限は特に制限されず、例えば、100質量%であってもよいし、99質量%であってもよい。
当該重合体は、好ましくは、フッ化ビニリデン系重合体である。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは分極化フッ化ビニリデン系重合体フィルムからなる。
本明細書中、「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」の例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、フッ化ビニリデン/トリフロオロエチレン共重合体フィルム、及びポリフッ化ビニリデンフィルムが挙げられる。
前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムは、好ましくはフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルムである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体フィルム」は、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。
(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体;及び
(2)ポリフッ化ビニリデン
が挙げられる
当該「これと共重合可能な1種以上のモノマー」又はそのうちの1種は、好ましくはテトラフルオロエチレンである。
当該「フッ化ビニリデン系重合体」の好ましい例としては、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体が挙げられる。
当該「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」は、本発明に関する性質が著しく損なわれない限りにおいて、フッ化ビニリデン及びテトラフルオロエチレン以外のモノマーに由来する繰り返し単位を含有してもよい。
前記「(1)フッ化ビニリデンと、これと共重合可能な1種以上のモノマーと、の共重合体」は、フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位を50モル%以上(好ましくは60モル%以上)含有する。
前記「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体」における(テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位)/(フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位)のモル比は、好ましくは5/95〜36/64の範囲内、より好ましくは15/85〜25/75の範囲内、更に好ましくは18/82〜22/78の範囲内である。
(1)フルオロモノマー(例、ビニルフルオリド(VF)、トリフルオロエチレン(TrFE)、ヘキサフルオロプロペン(HFP)、1−クロロ−1−フルオロ−エチレン(1,1−CFE)、1−クロロ−2−フルオロ−エチレン(1,2−CFE)、1−クロロ−2,2−ジフルオロエチレン(CDFE)、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)、トリフルオロビニルモノマー、1,1,2−トリフルオロブテン−4−ブロモ−1−ブテン、1,1,2−トリフルオロブテン−4−シラン−1−ブテン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル、ペルフルオロメチルビニルエーテル(PMVE)、ペルフルオロプロピルビニルエーテル(PPVE)、ペルフルオロアクリラート、2,2,2−トリフルオロエチルアクリラート、2−(ペルフルオロヘキシル)エチルアクリラート);並びに
(2)炭化水素系モノマー(例、エチレン、プロピレン、無水マレイン酸、ビニルエーテル、ビニルエステル、アリルグリシジルエーテル、アクリル酸系モノマー、メタクリル酸系モノマー、酢酸ビニルが挙げられる。
前記金属元素としては、Be、Mg、Ca、Sr、Ba、Y、Ti、Zr、Zn、及びAl等が挙げられる。なかでも、Al、Mg、Y、及びZnの酸化物が汎用で安価であり、また体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、具体的には、Al2O3、MgO、ZrO2、Y2O3、BeO、及びMgO・Al2O3からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
なかでも、更に、結晶構造がγ型のAl2O3が、比表面積が大きく、フッ化ビニリデン系重合体等の前記「重合体」、特にフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体への分散性が良好な点から好ましい。
当該「4族金属元素」としては、例えばTi、及びZrが好ましい。
当該「2族金属元素」としては、例えばMg、Ca、Sr、及びBaが好ましい。
当該「無機複合酸化物の粒子」のなかでも、具体的には、BaTiO3、SrTiO3、CaTiO3、MgTiO3、BaZrO3、SrZrO3、CaZrO3、及びMgZrO3からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が、体積抵抗率が高い点から好ましい。
当該「無機酸化物粒子(B3)」は、前記「無機酸化物粒子(B1)」の前記「無機酸化物」、及び酸化ケイ素の複合体粒子である。
当該「無機酸化物粒子(B3)」として具体的には、例えば、3A12O3・2SiO2、2MgO・SiO2、ZrO2・SiO2、及びMgO・SiO2からなる群より選ばれる少なくとも1種の無機酸化物の粒子が挙げられる。
前記「親和性向上剤」は、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」との間の親和性を高め、前記「無機酸化物粒子」を前記「重合体」に均一に分散させ、前記「無機酸化物粒子」と前記「重合体」をフィルム中でしっかり結合させ、ボイドの発生を抑制し、及び比誘電率を高めることができる。
本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、好ましくは92%以上、より好ましくは95%以上である。当該全光線透過率の上限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの全光線透過率は、通常99%以下である。
本明細書中、「全光線透過率」は、ASTM D1003に基づき、ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所)又はその同等品を使用した光透過性試験によって得られる。
本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、好ましくは3.0%以下であり、より好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.0%以下である。当該全ヘイズ値は低いほど好ましく、その下限は限定されないが、本発明の圧電フィルムの全ヘイズ値は、通常0.1以上である。
本明細書中、「全ヘイズ値」(total haze)は、ASTM D1003に準拠し、ヘイズガードII(製品名、東洋精機製作所)又はその同等品を使用したヘイズ(HAZE、濁度)試験によって得られる。
本明細書中、「内部ヘイズ値」(inner haze)は、前記全ヘイズ値の測定方法において、ガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入し、ヘイズ値を測定することにより、得られる。
本明細書中、「外部ヘイズ値」(outer haze)は、フィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出される。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは、無延伸の圧電フィルムである。
これに関係して、本発明の圧電フィルムは、その厚さの均一性が高い。具体的に好ましくは、本発明の圧電フィルムは、平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において測定した厚さの変動係数が、±10%以下である。
本発明の圧電フィルムの電気機械結合係数の変化率は、好ましくは10%以下であり、より好ましくは8%以下であり、更に好ましくは6%以下である。
本明細書中、電気機械結合係数をktと略記する場合がある。
当該「電気機械結合係数の変化率」は、
(1)圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱前のkt)を測定すること、
(2)圧電フィルムを、空気中で、85℃で10時間加熱すること、
(3)圧電フィルムを室温で放置して室温まで冷却すること、及び
(4)前記加熱及び前記冷却後の圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱後のkt)を測定すること
を実施し、測定された「加熱前のkt」及び「加熱後のkt」を次式に算入することによって決定される。
電気機械結合係数の変化量(%)=
((加熱後のkt−加熱前のkt)/加熱前のkt)×100
電気機械結合係数の変化率(%)=|電気機械結合係数の変化量(%)|
本明細書中、「室温」は、15〜35℃の範囲内の温度である。
また、本発明の圧電フィルムは、分極率の均一性が高い。
本発明の圧電フィルムは、例えば、
キャスティング法により無延伸かつ非分極の重合体フィルム(例、非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルム)を調製する工程A;
前記無延伸かつ非分極の重合体フィルムを分極処理する工程B;及び
工程Bに対して任意の時点で、無延伸の重合体フィルムを熱処理する工程C
を含む製造方法
によって製造できる。
(1)溶媒中に、重合体(例、フッ化ビニリデン系重合体)、並びに所望による成分(例、無機酸化物粒子、及び親和性向上剤)を溶媒中に溶解又は分散させて液状組成物を溶解させて、液状組成物を調製する工程;
(2)前記液状組成物を基材上に流延(塗布)する工程;及び
(3)前記溶媒を気化させて、フィルムを形成させる工程:
を含む製造方法である。
また、かかる着色を防止する意味から、前記溶媒の好ましい例としては、ケトン系溶媒(例、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン(MIBK)、アセトン、ジエチルケトン、ジプロピルケトン)、エステル系溶媒(例、酢酸エチル、酢酸メチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、乳酸エチル)、エーテル系溶媒(例、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン)、及びアミド系溶媒(例、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド)が挙げられる。これらの溶媒は、単独で、又は2種以上を組み合わせて用いられ得る。前記溶媒として、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)の溶解に汎用される溶媒であるアミド系溶媒を用いてもよいが、溶媒中のアミド系溶媒の含有率は50%以下であることが望ましい。
前記溶媒の気化における乾燥温度は溶媒の種類等に応じて適宜決定され得るが、通常、20℃〜200℃の範囲内であり、より好ましくは40℃〜170℃の範囲内である。乾燥時間は、通常1〜600秒間の範囲内、好ましくは10〜120秒間の範囲内である。
当該乾燥温度は、乾燥温度条件を低温(例、40〜100℃)から高温(例、120〜200℃)に変化させることが、ヘイズ値が低いフィルムが得られる点で好ましい。これは、例えば、乾燥ゾーンを数ゾーンに分割し、フィルムが低温のゾーンから入って高温のゾーンに移送することによって実現できる。
具体的には、例えば、乾燥ゾーンを50℃、80℃、120℃、及び150℃の5ゾーンに分割し、フィルム(又はフィルム形成前の流延された溶液)を50℃のゾーンから150℃のゾーンへ連続的に移動させればよい。この場合、各ゾーンでの加熱時間は、好ましくは、それぞれ、1〜100秒間の範囲内、1〜100秒間の範囲内、1〜100秒間の範囲内、及び1〜100秒間の範囲内である。
工程Bでは、前記非分極フィルムを分極処理する。
これにより、得られる本発明の圧電フィルムは、その厚さのばらつきが小さい。
コロナ放電には、負コロナ及び正コロナのいずれを用いてもよいが、非分極樹脂フィルムの分極しやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。
コロナ放電処理の条件は、本発明が属する技術分野の常識に基づいて、適宜設定すればよい。コロナ放電処理の条件が弱すぎると、得られる圧電フィルムの圧電性が不充分になる虞があり、一方、コロナ放電処理の条件が強すぎると、得られる圧電フィルムが点状欠陥を有する虞がある。
例えば、線状電極を用いてロール・トゥ・ロールで連続印加を実施する場合は、線状電極と非分極フィルムの間の距離、フィルム膜厚等によって異なるが、例えば、−15〜−25kVの直流電界である。処理速度は、例えば、10〜500cm/分である。
別法として、分極処理は、コロナ放電の他に、例えば非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加することにより実施してもよい。具体的には、例えば、非分極フィルムの両面から平板電極で挟み込んで印加を実施する場合、0〜400MV/m(好ましくは50〜400MV/m)の直流電界、及び0.1秒〜60分間の印加時間の条件を採用できる。
工程Cは、工程Bに対して任意の時点で、行われる。すなわち、工程Cは、工程Bの前、工程Bと同時、又は工程Bの後に実施できる。工程Cを工程Bの後に行う場合、工程Cの熱処理は、工程Bで得られた分極化フィルム又は工程Bにおいて分極を完了した部分に対して行うことができる。すなわち、工程Bの分極処理を実施しながら、当該分極処理を終えた部分に対して工程Cの熱処理を実施してもよい。
熱処理の方法は、特に限定されないが、例えば、前記無延伸の重合体フィルム(以下、単に前記フィルムと称する場合がある)を2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱すること;前記フィルムのロールを恒温槽中で加熱すること;又はロール・ツー・ロール方式での前記フィルムの生産において、金属ロールを加熱し、前記フィルムを、当該加熱した金属ロールに接触させること;又は前記フィルムを加熱した炉の中にロール・ツー・ロールで通していくことにより行うことができる。ここで、工程Cを工程Bの後に行う場合、分極化フィルムは単体で熱処理してもよいし、或いは別種のフィルム又は金属箔上に重ねて積層フィルムを作成し、これを熱処理してもよい。とりわけ、高温で熱処理する場合には後者の方法のほうが、分極化フィルムにしわが入りにくいので好ましい。
前記熱処理の温度は、熱処理される分極化フィルムの種類によって異なる場合があり、好ましくは(熱処理される分極化フィルムの融点−100)℃〜(熱処理される分極化フィルムの融点+40)℃の範囲内である。
前記熱処理の温度は、具体的には、好ましくは80℃以上、より好ましくは85℃以上、更に好ましくは90℃以上である。
また、前記熱処理の温度は、好ましくは170℃以下、より好ましくは160℃以下、更に好ましくは140℃以下である。
前記熱処理の時間は、通常、10秒間以上、好ましくは0.5分間以上、より好ましくは1分間以上、更に好ましくは2分間以上である。
また、前記熱処理の時間の上限は限定されないが、通常、前記熱処理の時間は60分間以下である。
前記熱処理の条件は、好ましくは90℃以上で1分間以上である。
本発明の圧電フィルムは、好ましくは、ロールとして保管及び出荷され得る。
本発明の圧電フィルムは、このようなロールの形態にする際のシワの発生の抑制の観点から、弾性率が500MPa以上であることが好ましい。弾性率は、フィルムの材質の選択等により調整できる。
本発明の圧電フィルムのロールは、本発明の圧電フィルムのみからなってもよく、本発明の圧電フィルムに保護フィルムなどを積層させて巻いた形態でもよく、紙管等の芯、及び当該芯に巻き付けられた本発明の圧電フィルムを備えてもよい。
本発明の圧電フィルムのロールは、好ましくは、幅50mm以上、かつ長さ20m以上である。
本発明の圧電フィルムのロールは、例えば、本発明の圧電フィルムを、巻き出しローラーと巻き取りローラーを用いて巻き取ることにより、調製できる。
ここで、フィルムのたわみを抑制する観点で、通常行われるように、巻き出しローラーと巻き取りローラーを平行にすることが好ましい。
また、フィルムのたわみを抑制する観点で、本発明の圧電フィルムのなかでも、弾性率が500MPa以上のフィルムを用いてもよい。
ローラーとしては、本発明のフィルムの滑り性を良くするため、滑り性のよいローラー、具体的にはフッ素樹脂で被覆されたローラー、メッキされたローラー、又は離型剤を塗布したローラーを用いることが好ましい。
ここで、フィルムの厚さが不均一である場合は、いわゆるロールの耳立ち(ハイエッジ;ロールの軸方向の中心部に比べて、端部が太くなること;両端部が中心部より膜厚が低い場合に両端部が中心部に比べて凹むこと;又は一方の端部からもう一方の端部に傾斜的に厚さが変化していく場合に膜厚が薄い側の端部が凹むこと)等のロールの太さの不均一さが発生し、これはシワの発生の原因になり得る。また、これは、フィルムの捲き出しの際に、フィルムのたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)が発生する原因となり得る。
一般に、ロールの耳立ちを防止する目的で、ロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することが行われるが、フィルムの厚さの不均一がフィルム端から広い範囲にわたる場合、耳おとしのみでは、ロールの耳立ち及び凹みの防止が困難である。
また、一般に、フィルムの幅が広い(例、幅100mm以上)ほど、及びフィルムの長さが長い(例、50m以上)ほど、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが生じやすい。
しかし、本発明の圧電フィルムは、厚さの均一性が高いので、そのまま、又はロールの端となるフィルム端をスリッター耳おとし(スリット)することのみで、フィルムの幅が広く(例、幅100mm以上)、かつフィルムの長さが長い(例、50m以上)場合でも、前記耳立ち、前記凹み及び前記たわみが抑制されたロールにすることができる。
スリットで除去された耳(フィルム端)は、回収して、本発明の圧電フィルムの原料として、リサイクルできる。
本発明の圧電フィルムのロールは、太さの均一性が高く、好ましくは、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70〜130%の範囲内である。
これにより、本発明の圧電フィルムのロールは、これから巻き出されたフィルムのたわみが抑制されている。
また、本発明の圧電フィルム及びそのロールの製造に用いられるローラーは、少なくともその表面の材質が、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、クロムメッキ、又はステンレス鋼(SUS)であることが好ましい。
これらのことにより、フィルムのシワを抑制できる。
圧電パネル
本発明の圧電フィルムは、圧電パネル(例、タッチ圧を検出できるタッチパネル)等に使用できる。
本発明の圧電フィルムを有するタッチパネルは、タッチ位置及びタッチ圧の両方を検出でき、かつ極端な高温に曝された場合でもタッチ圧の検出性能が低下しにくく、かつ透明性が高い。
本発明の圧電フィルムは、抵抗膜方式、及び静電容量方式等の、あらゆる方式のタッチパネルに使用できる。
本発明の圧電フィルムは、タッチパネルに使用されるとき、必ずしも、タッチ位置及びタッチ圧の両方の検出のために使用される必要は無く、本発明の圧電フィルムは、タッチ位置又はタッチ圧のいずれかの検出にも使用されてもよい。
本発明の圧電フィルムを有する圧電パネルは、好ましくは、
第1の電極(好ましくは、透明電極)と、
本発明の圧電フィルム(好ましくは、透明圧電フィルム)と、
第2の電極(好ましくは、透明電極)と、
をこの順で有する。
第1の電極は本発明の圧電フィルムの一方の主面上に直接又は間接的に配置され、及び
第2の電極は本発明の圧電フィルムの他方の主面上に直接又は間接的に配置される。
当該電極の例としては、ITO(酸化インジウム・スズ)電極、酸化スズ電極、金属ナノワイヤー、金属ナノ粒子、及び有機導電樹脂等が挙げられる。
本発明の圧電フィルムは、エレクトロウエッティングの性質を有し、エレクトロウエッティングデバイスに使用できる。ここで、当該「エレクトロウエッティング」とは、電界を用いて、フィルムの表面の濡れ性(wettability)を疎水性(撥水性)から親水性の間で変化させることを意味する。当該「エレクトロウエッティングデバイス」とは、当該「エレクトロウエッティング」を利用したデバイスを意味する。
本発明の圧電フィルムは、光学素子、表示装置(ディスプレイ)、可変焦点レンズ、光変調装置、光ピックアップ装置、光記録再生装置、現像装置、液滴操作装置、分析機器(例、試料の分析のため微小の導電性液体を移動させる必要がある、化学、生化学、および生物学的分析機器)などにおけるエレクトロウエッティングデバイスに好適に用いることができる。
本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得る。これにより、低い電圧で導電性液体を駆動できる。
本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得る。これにより、低い電圧で導電性液体を駆動できる。
また、本発明の圧電フィルムは、高い比誘電率及び低い誘電正接を有し得るので、フィルムコンデンサ用のフィルムとしても好適に使用可能である。また、電圧を長時間印加してもフッ化ビニリデン系樹脂の特徴である高誘電性が損なわれない点でもフィルムコンデンサ用のフィルムとして有利である。
本発明の圧電フィルムは耐候性に優れたビニリデン系樹脂からなること、及び透明性が非常に高いことから、透明カバーフィルムとしても用いることができる。この場合、例えば、ポリカーボネート又はPETフィルムを本発明の圧電フィルムに積層することで、これらのフィルムに耐候性を付与できる。
以下、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体における、テトラフルオロエチレンに由来する繰り返し単位/フッ化ビニリデンに由来する繰り返し単位のモル比を“TFE/VDF”で表す場合がある。
(非分極フィルムの調製)
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE/VDF=20/80)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分25wt%の塗料を調製した。
その後、ダイコーターを用いてPETフィルム上に前記塗料を流延(キャスティング)し、及び乾燥を行って、厚さ20μmのフィルムを調製した。この際、乾燥は、乾燥装置を4ゾーンに分割し、それぞれの乾燥温度を、入り口側から50℃、80℃、120℃、及び150℃に設定し、各ゾーンの通過時間が24秒間、24秒間、24秒間、及び24秒間になるように移動速度を設定して、フィルム(又は流延された塗料)を通過させることによって、実施した。
(分極処理)
その後、当該フィルムを前記PETフィルムから剥がし、金属電極を用いて前記重合体フィルムを上下から挟み、150MV/mの直流電圧を室温で5分間印加して分極し、分極化フィルムを得た。
(熱処理)
その後、当該分極化フィルムを、90℃で10分間、熱風乾燥機中で、加熱し、次いで室温で放置して室温まで冷却して、実施例1の圧電フィルムを得た。
乾燥温度を4ゾーンとも同じ120℃に設定した以外は実施例1と同様にして、比較例1の圧電フィルム(厚さ20μm)を得た。
実施例1と同様にして、厚さ100μmの圧電フィルムを調製した。その後、延伸を行って、厚さ20μmの比較例2のフィルムを得た。
ヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
HAZE試験:(株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に基づいて測定した。
ヘイズガードII(製品名)(東洋精機製作所社)を使用し、ASTM D1003に基づいて、全ヘイズ値を測定した。
内部へイズ値はガラス製セルの中に水を入れて、その中にフィルムを挿入した以外は、全ヘイズ値と同様にヘイズ値を測定することにより得た。外部へイズ値はフィルムの全ヘイズ値から内部へイズ値を差し引くことで算出した。
フィルムの平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において厚さを測定し、フィルムの厚さの変動係数を算出した。
測定した10点の平均値を平均厚さとし、下記計算式で厚さの変動係数を算出した。
厚さの変動係数(%)=±[(厚さの最大値−厚みの平均値)+(厚さの平均値−厚みの最小値)]÷厚さの平均値÷2×100
分極前、分極後、及び熱処理後の厚さの変動係数に変化は無かった。
電気機械結合係数(kt値)は、圧電フィルムの両側にAl蒸着電極を形成し、圧電フィルムの所定箇所から直径13mmの円板を切り出し、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社、4194A)を用いて測定を実施し、H. Ohigashiら、「The application of ferroelectric polymer, Ultrasonic transducers in the megahertz range」に記載の方法により、算出した。
電気機械結合係数の変化率(kt値変化率)は、
(1)圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱前のkt)を測定すること、
(2)圧電フィルムを、空気中で、85℃で10時間加熱すること、
(3)圧電フィルムを室温で放置して室温まで冷却すること、及び
(4)前記加熱及び前記冷却後の圧電フィルムの電気機械結合係数(加熱後のkt)を測定すること
を実施し、測定された「加熱前のkt」及び「加熱後のkt」を次式に算入することによって決定した。
電気機械結合係数の変化量(%)=
((加熱後のkt−加熱前のkt)/加熱前のkt)×100
電気機械結合係数の変化率(%)=|電気機械結合係数の変化量(%)|
実施例1及び比較例2における未分極のフィルムを、それぞれ10cm×10cmの大きさで切り出し、実施例1と同様の手法で、但し、印加条件を過酷にするため、400kV/cmの条件で、直流電圧を印加した。得られた分極化フィルムにおいて、直径0.5mm以上の穴の数を調べた。その結果、実施例1のフィルムでは1個の穴が観察され、比較例2のフィルムでは18個の穴が観察された。
これにより、厚さの変動係数が小さい実施例1のフィルムは、分極の均一性が高いことが明らかになった。
実施例1及び比較例2の各圧電フィルムの端面をフィルム幅100mmになるよう耳おとし(スリット)した後、長さ50mのフィルムを巻き取り、フィルムのロールを得た。当該ロールの軸方向の中心部の太さと端部の太さを測定し、その比を計算した。
当該ロールからフィルムを巻き出し、フィルムのたわみ(重力による張力以外の張力がかけられていない状態での湾曲)の有無を目視で観察した。
(非分極フィルムの調製)
フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体(TFE/VDF=20/80)をメチルエチルケトン(MEK)に溶解させ固形分20wt%の塗料を調製した。
その後、ダイコーターを用いてPETフィルム上に前記塗料を流延(キャスティング)し、及び乾燥を行って、厚さ1.5μm(実施例2)、及び3μm(実施例3)の各フィルムを調製した。この際、乾燥は、乾燥装置を4ゾーンに分割し、それぞれの乾燥温度を、入り口側から50℃、80℃、120℃、及び120℃に設定し、各ゾーンの通過時間が24秒間、24秒間、24秒間、及び24秒間になるように移動速度を設定して、フィルム(又は流延された塗料)を通過させることによって、実施した。
比較例3として、実施例2、及び3と同様に流延(キャスティング)、及び乾燥を行って、厚さ8μmのフィルムを作成し、次いで当該フィルムを延伸して厚さ3μmのフィルムを調製した。
実施例2、及び3並びに比較例3の分極フィルムについて、実施例1において記載した方法と同じ方法で、全光透過率、ヘイズ値(全ヘイズ値、外部ヘイズ値、内部ヘイズ値)、及び厚さの変動係数を決定した。結果を下記の表3に示す。
得られた各フィルムをITO付きガラス(日本板硝子(株))80Ωの上にロールプレスではりつけた。その上にダイフリーGF500(ダイキン工業(株))を撥水層として0.1μmの厚さになるようにスピンコートした。
実施例2、及び3並びに比較例3の各フィルム上の撥水層の上に20μLの水滴をおとし、接触角を測定した。その後、更に、水滴に+(プラス)電極、及びITOに−(マイナス)電極を接続して50Vの電圧を印加して接触角を測定した。
また、実施例2及び3の比較にみられるように、膜厚が薄いほうが接触角差が大きくなるので有利である。
Claims (7)
- 全光線透過率が90%以上であり;
全ヘイズ値が4.0%以下であり;
平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において厚さを測定したときの厚さの変動係数が10%以下であり;及び
無延伸のフッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、又は無延伸のフッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体フィルムからなる
圧電フィルム。 - 全ヘイズ値が2.0%以下である請求項1に記載の圧電フィルム。
- キャスティング法により無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを調製する工程A;
前記無延伸かつ非分極のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを分極処理する工程B;及び
工程Bに対して任意の時点で、無延伸のフッ化ビニリデン系重合体フィルムを熱処理する工程C
を含み、前記フッ化ビニリデン系重合体フィルムが、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体フィルム、又はフッ化ビニリデン/トリフルオロエチレン共重合体フィルムである
請求項1又は2に記載の圧電フィルムの製造方法。 - 請求項1又は2に記載の圧電フィルムのロールであって、ロールの軸方向の中心部の太さに対する、より太いほうの端部の太さの比が70〜130%の範囲内である、ロール。
- 請求項1又は2に記載の圧電フィルムを有する、圧電パネル、フィルムコンデンサ、又はエレクトロウエッティングデバイス。
- 請求項1又は2に記載の圧電フィルムを有する入力装置。
- 請求項6に記載の入力装置を有する電子機器。
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