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JP6473144B2 - フーリエ変換ミリメートル波分光法用の装置及び技法 - Google Patents
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フーリエ変換ミリメートル波分光法用の装置及び技法 Download PDF

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Description

分子回転分光法は、高い化学的選択性及び感度を提供し、且つガスサンプルの混合物を分析するために用いることができる技法である。その技法は、(例えば、約0.1パスカル(Pa)の最小蒸気圧を有する)揮発性種に適用可能である。分子回転分光法は、一般に、検出用に分子の極配座に依存する(即ち、分子は、0でない双極子モーメントを有する)。室温サンプルに関して、回転スペクトルにおけるスペクトル強度のピークは、特に2〜10の「重」原子核(非水素原子)を備えた分子用に、ミリメートル波(「ミリ波」)周波数の範囲(例えば、約200ギガヘルツ(GHz)〜約1000GHz)において典型的に発生する。ほとんどの分子の分子回転スペクトルは、適度な帯域幅(例えば約30〜約50GHzの帯域幅)の任意の固定ミリ波周波数範囲において多数のスペクトル的に狭い遷移を含む。従って、複合成分のガス混合物の化学分析は、単一のミリ波周波数範囲を用いて行うことができる。何故なら、全ての種が、測定範囲において分光遷移を有するからである。しかしながら、重複するスペクトルの存在は、単一ガス混合物成分の回転スペクトルを識別することに対して課題を提示する。
分子回転分光法による微量ガス分析は、広範囲の用途を有する。かかる微量ガス分析は、例えば、職場の安全性又は国家安全保障用途において、揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compound)又は有毒工業用化学品(TIC:toxic industrial chemical)の環境監視用などに用いることができる。かかる微量ガス監視はまた、呼気の微量化合物を監視するために用い、迅速で非侵襲性の医療診断テストを提供することができる。これらの用途において、分子回転分光法は、フーリエ変換赤外線分光法(FTIR:Fourier transform infrared spectroscopy)のような分子分光分析化学方法の単純性を備えたガスクロマトグラフィ−質量分光法(GC-MS:gas chromatography-mass spectrometry)のように、複雑な分析方法に匹敵する(又はその性能を超える)感度又は化学的選択性の1つ又は複数を提供することができる。
様々な用途において、分光分析の目標は、最低時間量の1つ又は複数における一連の周知の化合物の存在の、又は低率の偽陽性識別を備えた検出を含むことができる。ミリ波周波数で動作する分子回転分光計は、周知の分子回転遷移セットを測定し、且つガス混合物の組成を定量化するために、直接吸収分光法を用いることができる。このアプローチにおいて、分子回転分光法に固有の高スペクトル分解能のため、混合物は、ガスクロマトグラフィのような技法を用いて、事前の化学的分離を用いずに、直接分析することができる。
分離なしにガス混合物に対して直接機能する能力は、分光計を動作させるための低減された反復コストと、測定間の交差汚染のより低い可能性と、例えば、クロマトグラフィ分離の溶出時間に依存するのではなく、検出されている各分子用に(信号平均化時間を通して)順序及び感度レベルを選択することによって、分析プロセスを最適化する能力と、を含む幾つかの利点を提供する。分子回転分光法はまた、質量分光法と異なり、一般に、分析後にサンプルを回収できるようにする非破壊分析方法である。この特徴は、サンプルを保管することが望ましい、又は例えば、回転分光法が、より精巧なテストプロトコルを要求するサンプルを識別するための迅速で低コストの選別法として用いられる。かかる保管は、医学又は法廷用途用にサンプルの完全性を保全するのを支援することができる。
本発明者らは、とりわけ、ミリ波周波数における分子回転分光法によるガス混合物分析用に時間領域分光技法を使用できることを理解した。例えば、パルスミリ波励起源を用いると、分光計の感度は、ミリ波範囲のエネルギを供給するために1つ又は複数の固体のアクティブな逓倍器チェーン(AMC:active multiplier chain)によって供給される高出力パワーを部分的に用いるなどで著しく改善することができる(例えば、ミリ波「光源」を設ける)。分光遷移は、コヒーレント放射を測定することによって検出することができ、コヒーレント放射は、マイクロ波周波数における回転スペクトルの室温測定に関連して用いられる技法に似た方法で、短い(例えば、ゲート制御された)励起パルスに続く自由誘導減衰(FID:free induction decay)と呼ぶことができる。
遷移の周波数領域表現は、コヒーレント放射のデジタル化された時系列表現の高速フーリエ変換を実行するなどで取得することができる。かかるコヒーレントフーリエ変換技法は、輝線形状の全体が単一の観察を用いて決定され得るため、有利になり得る。更に、コヒーレント放射アプローチにおいて、放射光は、実質的にゼロ背景に対して検出することができる。何故なら、励起源が、自由誘導減衰の収集(例えば、混合、増幅、フィルタリング及びデジタル化)中に一般にディスエーブルにされるからである。対照的に、吸収分光アプローチでは、幾つかの測定値取得に対応する幾つかの周波数ステップが、一般に必要である。
本発明者らはまた、時間領域励起及び放射観察技法が、本来的に時間分解され、従って微量ガス分析ツールとして分子回転分光法の能力を著しく向上させる新しい測定能力を提供することを理解した。新しいスペクトル分析能力は、例えば下記を含むことができる。
1)二色飽和二重共鳴分光法
この例において、2つの分光遷移が同じ分子の共通の量子化エネルギーレベルを共有することを確認するために、2つの周波数を用いる励起を用いることができる。それは、2D磁気共鳴分光法に似た方法で、しかし異なる装置及び周波数範囲を用いて、情報を提供することができる。二色飽和二重共鳴技法は、ガス混合物分析における偽陽性識別率を著しく低減することができる。また、この技法は、ガス混合物における分子のライブラリなしの識別に使用することができる。
2)単色パルスエコー
この例において、衝突緩和速度は、ガスサンプルにおける遷移用に独立して決定することができる。この情報を用いると、測定された時間領域FIDは、衝突緩和速度及び質量依存性ドップラーディフェージングに関する情報を用いて計算されるFIDなど、分析的に決定された(例えばシミュレートされた)FIDに適合させることができる。次に、適合は、分子用の質量推定を提供するために用いることができる。
3)一色及び二色ポピュレーション回復測定
この技法は、上記のパルスエコー測定法に似た方法で実行することができ、且つ衝突緩和速度を独立して測定するために用いることができる。他の技法との比較において、ポピュレーション回復技法は、それが、より高い感度を有することができ、且つ混合物スペクトルにおける弱い遷移に対して用いることができるという利点を提供する。
4)一色及び二色可変パルス期間ポピュレーション移動測定
これらの例は、可変期間励起パルスの使用を含むことができ、且つパルス期間の関数として、駆動遷移(例えば「一色」測定)又は二重共鳴遷移(例えば「二色」測定)のいずれかの信号の測定を含むことができる。測定信号の変形は、たとえ正確な分子の同一性が未知でも、遷移における遷移双極子モーメントを推定するために用いることができ、且つ分子種の絶対濃度の推定を可能にする。
上記の技法を支援して、本発明者らはまた、装置を開発した。かかる装置は、一般に通信用途に利用可能な1つ又は複数のシンセサイザなど、集積回路(IC:integrated circuit)ベースの周波数シンセサイザを用いるパルス変調マイクロ波又は無線周波数源によって駆動できるような固体AMCミリ波源を含むことができる。受信機は、ミリ波ミキサーを用いる以下の周波数ダウンコンバージョンなど、信号デジタル化用の1つ又は複数のアナログ−デジタル(ADC)ICを含むことができる。装置は、広範な特定の分析用途用のプログラム可能な柔軟性に加えて、回転分光微量ガス検出器へのコンパクトで低コストのアプローチを提供する。
フーリエ変換ミリ波分光計を提供のためなど、パルス変調された励起信号を生成するための、且つかかる励起に応じてサンプルからの放射を取得するためのシステムの例を一般的に示す。 フーリエ変換ミリ波分光計を提供のためなど、パルス変調された励起信号を生成するための、且つかかる励起に応じてサンプルからの放射を取得するためのシステムの説明的な例を一般的に示す。 図1又は2の装置によって供給できるようなミリ波周波数範囲におけるエネルギを有するパルスなどの短パルスの電界エンベロープを含むことができる説明的な例を一般的に示す。 図1又は2の装置を用いて実行できるような回転エネルギーレベル及び対応するコヒーレント二重共鳴分光技法を一般的に示す。 硫化カルボニル(OCS)マニホールドを示すなど、離散的なミリ波回転エネルギーレベルの説明的な例を一般的に示す。 遷移の変調例を含む、二重共鳴変調分光技法の選択性を示す説明的な例を一般的に示す。 無関係なピークの変調なしに、関心のある分子に対応する特定の遷移の変調例を含む、二重共鳴変調分光技法の選択性を示す説明的な例を一般的に示す。 単一色技法及び二色技法の励起又はポンプパルス期間の関数として受信信号強度の説明的な例をそれぞれ一般的に示す。 単一色技法及び二色技法の励起又はポンプパルス期間の関数として受信信号強度の説明的な例をそれぞれ一般的に示す。 衝突緩和時間を決定するためなど、図1又は2の装置を用いて実行できるようなパルスエコー法を示すプロットを示す。 図7に関連して説明されるパルスエコー技法を用いて取得できるような、エコー信号強度対エコー遅延の説明的な例を一般的に示す。 測定されたFID並びに分子質量及び衝突緩和時間定数Tを用いて決定されたシミュレートFIDを比較する説明的な例を一般的に示す。 単一色及び二色飽和励起時間遅延技法をそれぞれ用いて取得できるような、実験を介した衝突緩和時間決定の説明的な例を一般的に示す。 単一色及び二色飽和励起時間遅延技法をそれぞれ用いて取得できるような、実験を介した衝突緩和時間決定の説明的な例を一般的に示す。 異なる分子の様々な質量推定の説明的な例を一般的に示し、かかる質量推定は、分子種のアプリオリな知識を必要とせずに、分子回転分光法を用いて実験的に取得された。
ミリメートル波(「ミリ波」)〜テラヘルツ(「THz」)周波数におけるガスサンプルの分子回転分光法(molecular rotational spectroscopy)のための一般的に利用可能な技法は、直接吸収(direct absorption)に一般に依存する。かかるアプローチにおいて、分子回転スペクトルは、サンプルを通して透過される光のパワーを監視しながら、分光遷移を含むスペクトル範囲を通るミリ波/THz光源の周波数を走査することによって一般に測定される。光周波数が、「共鳴」回転遷移に近づくにつれて、分子ガスサンプルは、光源からパワーを吸収し、透過されるパワーの低減が検出され得る。
しかしながら、かかる吸収ベースのアプローチは、分子共鳴を通して光源をゆっくりと走査する必要性を含む幾つかの欠点を有する。回転遷移は、狭い周波数範囲にわたって光を吸収し、ピーク吸収は、まさに共鳴に基づいて発生する。かかる共鳴を通したパワー低減の追跡は、線形状を生成する。各測定周波数において、ドウェル時間(dwell time)は、一般に、遷移ディフェージング時間(T)の値の数倍であり、幾つかの周波数点が、一般に、スペクトル線形状を正確に決定するために取得される。狭い吸収線(T時間の長さ)が、遅い掃引速度に対応するなど、検出の感度及び選択性を最大化するのに有利であるが、しかしかかる条件下で動作することは、一般に、この吸収ベースのアプローチにおける測定時間とバランスを保たれる。
掃引速度制限に加えて、掃引周波数吸収ベースの技法は、透過パワーにおける低減を通して分子スペクトルを測定するが、それは、かかる光源が吸収測定中にイネーブルにされなければならないため、この吸収信号が、ミリ波光源のしばしばノイズのあるスペクトル強度に対して検出されることを意味する。光源から検出器まで通過する間の放射の反射は、透過パワーにおける変調につながり、かかる結果は、温度及び圧力依存性になり得、それらを測定から取り除くことを困難にする。
また、吸収ベースの技法を用いたガスサンプルの高分解能分子回転スペクトルを測定するために一般に用いられる低圧条件は、パワーブロードニングの影響が感度及び選択性を制限する前に、実験において使用できるミリ波パワー量に制限を課し、それによって、信号対ノイズ比及び従って検出感度を制限する可能性がある。吸収ベースのアプローチにおける追加の面倒な問題は、スペクトル測定用の最適パワーが、分子特性に依存し、従って、それぞれの分子種(molecular species)が、対応するパワー設定を一般に要求する可能性があるということである。
従って、本発明者らは、時間領域(例えば、時間分解された)パルス励起アプローチが、パルス光源を用いた回転分光法用に使用でき、かかる時間領域アプローチが、上記で観察された多数の欠点を克服できることを理解した。
本明細書で説明される技法によるガス分析用の分光計は、一般に、所与の期間中に周波数の特定の1つを選択的に出力するように、少なくとも2つ以上の別個の励起周波数を供給することができる。様々な例によれば、かかる周波数間の切り替えは、本来の測定時間よりはるかに短い時間で実行でき、1つ又は複数の励起パルスのパルス期間は、変更することができる。かかる可変幅パルスは、分子回転分光法によるガス混合物の分析のために様々な時間領域測定用に使用することができる。ガスサンプルのパルス励起後に、分子放射又は自由誘導減衰(「FID」)が、低調波ミリ波ミキサーを用いた周波数ダウンコンバージョン後などに高速デジタイザ(high-speed digitizer)を用いて測定され得る。
測定感度は、時間領域において、多数のFIDを収集し、それらを平均することによって向上させ、それによって、より良い信号対ノイズ比のノイズレベルを低減することができる。周波数領域スペクトルは、FIDを表す時系列の高速フーリエ変換(FFT:fast Fourier transformation)又は他の変換によってFIDから取得することができる。全ての周波数源(励起源の多数の周波数、及びダウンコンバージョンによるFID検出において用いられる周波数を含む)及びデジタイザは、高精度、低位相ノイズ基準クロック(例えば10MHz基準クロック)にロックすることができる。図2に示されているような例において、ルビジウム(「Rb」)安定化水晶発振器、即ちRbクロックが、基準クロックとして使用され得る。図1及び2は、一般に、フーリエ変換ミリ波分光計システムを提供するために使用できる装置の例を示す。
図1は、フーリエ変換ミリ波分光計を提供するためなど、パルス変調された励起信号を生成するための、且つかかる励起に応じてサンプルからの放射を取得するためのシステム100の例を一般的に示す。例において、システム100は、メモリ回路108(又は1つ又は複数の他の記憶回路又はデバイス)に結合されるような少なくとも1つのプロセッサ回路106を含むことができる。
プロセッサ回路106は、特定の位相ノイズ及び周波数安定性を有する1つ又は複数の固定又はユーザ調整可能な連続波(CW:continuous-wave)出力を供給する多数の出力を含むことができるようなシンセサイザ回路128に結合することができる。例えば、シンセサイザ回路は、第1の励起出力125A及び第2の励起出力125Bを含むことができるような多数の励起出力を供給することができる。出力125A及び125BがCW出力である例において、モジュレータ126を含むことができる。モジュレータは、少なくとも制御可能なパルス幅及びパルス間隔(例えば、シンセサイザ128のCW出力のそれぞれのために独立して制御可能なオン期間及びオフ期間)を提供するように、出力125A又は125Bをゲート制御するために用いることができる。説明的な例において、第1の周波数は、第1の出力125Aによって供給することができ、第2の周波数は、第2の出力125Bによって供給することができる。測定サイクルの様々な部分の間に、第1又は第2の出力125A又は125Bの1つにおけるパルス表現が、モジュレータ126の出力部に位置するコンバイナ(combiner)に供給され得る。このように、モジュレータ126及びシンセサイザ128は、低コストで周波数可変(frequency-agile)パルス変調される周波数源を提供することができる。様々な例によれば、任意の波形生成能力を含むデジタル−アナログ(DAC)源、正弦波励起(sinusoidal excitation)にパルスエンベロープを提供するように構成された直接デジタル合成(DDS:direct digital synthesis)源、又は図1及び2の例に示されているような位相ロックシンセサイザを含むことができるパルス変調される連続波(CW)源を含むことができるような様々な周波数可変ソース回路を用いることができる。
次に、コンバイナの出力は、第1のミキサー122A用に「局部発振器」周波数を供給する発振器112に結合されるような第1のアップコンバーションミキサー122Aによってアップコンバートすることができる。次に、第1のアップコンバーションミキサー122Aの出力は、サンプルセル116における気相サンプルを励起させるなどのために、第1の周波数逓倍器114Aを用いるなどしてマイクロ波周波数範囲からミリ波周波数範囲まで増加させることができる。
分子の自由誘導減衰(FID)など、サンプルセル116内のサンプルから生じた放射は、第1のダウンコンバージョンミキサー118Aを用いて、ダウンコンバートすることができる。図1のデュアルコンバージョンの例において、FIDの第1の中間周波数(IF:intermediate frequency)表現をデジタイザ(例えば、アナログ−デジタル変換器120)の帯域幅内の周波数範囲に更にダウンコンバートなどするために、第2のダウンコンバージョンミキサー118Bを含むことができる。かかる周波数範囲は、ベースバンドである必要がなく、ゼロに近い(例えばベースバンドに近い)の第2のIF周波数を含むことができる。
第2のダウンコンバージョンミキサー118BのLO周波数は、シンセサイザ128の第1の検出出力124Aを用いて供給することができる。第1のダウンコンバージョンミキサー118AのLO周波数は、シンセサイザ128の第2の検出出力124Bを用いて供給することができる。所望のLO周波数が、シンセサイザ128からの利用可能な周波数範囲を超える例において、発振器112によって供給されるLO周波数を用いるなど、第2のアップコンバーションミキサー122Bを用いることができる。第2のアップコンバーションミキサー122Bの出力は、第2の周波数逓倍器114Bを増大された周波数とすることができる。
上記のように、ダウンコンバートされた放射信号は、ADC120の利用可能な帯域幅内でADC120の入力部に供給することができる。プロセッサ回路106は、ADC120を介して取得された情報を用いて、放射信号のスペクトルを推定するように構成することができる。プロセッサ回路は、本明細書の他の所で説明される測定技法の1つ又は複数を実行するなど、メモリ回路108を用いて記憶された命令を実行することができる。
図2は、フーリエ変換ミリ波分光計を提供するためなど、パルス変調された励起信号を生成するための、且つかかる励起に応じてサンプルからの放射を取得するためのシステム200の説明的な例を一般的に示す。
図1の例におけるように、図2は、「二色(2-color)」出力(例えば、2つのチャネルを含むなど、それぞれのチャネルにおけるそれぞれの時間ゲート制御された又は連続的周波数を供給する)を説明的に示す励起シンセサイザ228Aを一般的に示す。励起シンセサイザ228は、それぞれの出力v及びvを用いるなどで「ポンプ(pump)」励起パルス及び「プローブ(probe)」パルスの両方を出力することができる。CWシンセサイザの例において、モジュレータ226は、ゲート制御された出力を第1のアップコンバーションミキサー222Aに供給するコンバイナと共に、シンセサイザ228A出力の1つ又は複数を選択的にゲート制御するために設けることができる。
検出シンセサイザ228Bは、他の信号のダウンコンバージョンにおける使用などのために、出力周波数を供給することができる。例えば、検出シンセサイザ228Bは、第1のダウンコンバージョンミキサー218A(例えば低調波ミキサー)及び第2のダウンコンバージョンミキサー218Bを用いて、ヘテロダインダウンコンバージョンステップのそれぞれに1つの信号を供給するなどのために、連続モードで動作することができる。上記のように、デジタイザ220に供給される「最終(final)」中間周波数(IF)は、比較的低コストのデジタイザを使用できるように、小さな周波数及び帯域幅の両方を有することができる。例えば、システムの複雑さを最小化するために、又は図1又は2の例に示されているシステムの他の部分と共に、共有モジュール若しくは回路におけるデジタイザの相互統合を促進するなどのために、毎秒200メガサンプル(MS/s)デジタイザ220、又は約200MS/s未満のサンプリング速度を有するデジタイザを用いることができる。
それぞれのアクティブな逓倍器チェーンは、ミリ波周波数範囲における「ポンプ」又は「プローブ」パルスを供給するための×24逓倍器チェーン214A、及び第1のミキサー218A用に第1の(IF)LOを供給するための×12逓倍器チェーン214Bを含むことができる。×12逓倍器チェーン214Bの入力は、例えば位相ロック誘電体共振発振器(PDRO:phase-locked dielectric resonator oscillator)212によって供給されるLO周波数と検出シンセサイザ228Bの出力を混合することによって供給することができる。様々な例において、逓倍器チェーン224A又は224Bへの入力は、代わりに、1つ若しくは複数のデジタル−アナログ変換器又は他の回路によって少なくとも部分的に供給することができる。例えば、シンセサイザ228A又は228Bは、周波数標準(例えばルビジウム標準204)にロックされるような1つ又は複数の任意の波形発生器又は連続波発振器を含むことができる。図1の例におけるように、システム200の他の部分は、周波数標準204からの周波数又はタイミング基準にロックされるか、又はそうでなければ周波数標準204から周波数若しくはタイミング基準を引き出すことができる。このように、位相コヒーレント励起は、平均化などのために、測定サイクル内で、又は多数の取得が実行されることになる場合にはサイクルからサイクルへのように供給することができる。図1及び2の装置の態様は、下記を含むことができるか、又は以下の例で説明される技法を用いることができる。
A)コヒーレント時間領域信号の平均化に適しているパルス生成
室温サンプルにおける偏光遷移の分子放射(FID)は、ドップラーディフェージング及び衝突効果の両方によって減衰する。後者の衝突効果の減衰速度は、サンプル圧力に比例し、一方で前者のドップラーディフェージングは、圧力から独立している。一般に、FIDの減衰時間は、高分解能回転スペクトルを取得するために用いられる圧力(例えば、約1〜約100ミリトール(mTorr)の全圧力)に対して約500〜1000ナノ秒(ns)の範囲である。フーリエ変換分光法において、励起パルスは、一般に、この特有の減衰時間程度である、且つ通常それよりより短い期間を含むと規定される。例えば、典型的には、100〜500nsのパルス期間を用いることができる。図1及び2の例並びに上記の変形形態は、1つ又は複数の特定の測定プロトコルに従って、かかる励起を提供することができる。
例において、単一周波数励起パルスは、無線周波数(RF:radio frequency)シンセサイザチャネルのCW出力を変調する、且つ次にかかる変調出力をミリ波AMC源に供給するパルス振幅によって生成することができる。かかる変調パルスは、それらのパルス期間によって部分的に決定される有限帯域幅を含む周波数領域プロファイルを有する。従って、応答される所望の帯域のスペクトルカバレッジを提供するために、図1及び2のシステムは、特定の帯域幅範囲をカバーする特定の固定周波数セットで動作することができ、各特定の固定周波数は、図3に説明的に示されているような周波数領域における電界エンベロープ(field envelope)を生成する。
図3は、図1又は2の装置によって供給できるようなミリ波周波数範囲におけるエネルギを有するパルスなどの短パルスの電界エンベロープを含むことができる説明的な例を一般的に示す。図3の電界エンベロープは、250ns期間の励起パルス用のRF入力周波数の関数として分子信号強度を一般的に示す。短い励起パルスが、分子O13CS J=23〜22(278785.3MHz)の共鳴周波数から離調されるにつれて、O13CS遷移は、励起パルスの電界エンベロープの弱い領域に入る。O13CS信号レベル(図3における黒点)は、測定された、且つ半値全幅で約5MHzであるように計算で確認された励起パルスの有効帯域幅をトレースする。
図3のサンプル励起プロファイル(sample excitation profile)は、約250nsのパルス期間を有する矩形波のフーリエ変換に対応するパルスエンベロープ形状を一般的に示す。有効サンプル励起は、波形(半値全幅として表すことができる)の中心部にわたって発生し、約5000kHzの周波数スパンを提供する。励起プロファイルの形状は、矩形パルス励起を通して励起パルスの時間的な形状を変更することによって制御することができるが、しかし他の時間領域パルス波形(例えばウィンドウ)が、結果としての励起パルス周波数プロファイルの形状を変調するか又はそうでなければ制御するなどのために用いられ得る。
図3の例を考慮すると、分子遷移を測定する励起周波数のスパンは、周波数領域における結果としてのパルス励起プロファイルの中心領域より小さい周波数間隔を有する値を含むように指定し、所望の周波数範囲に隣接又は重複するカバレッジを提供することができる。更に、本明細書で説明されるフーリエ変換分光器構成の感度は、時間領域における信号を平均する能力に少なくとも部分的に帰することができる。例えば、各励起パルスは、光波における同じ相対位相で開始することができる。励起パルスは、FIDを記録するために励起パルス及び時間の両方を含むように定義された測定サイクルを含むなど、各測定サイクル後に反復することができる。説明的な例において、合計測定サイクル時間は、2〜5マイクロ秒間にわたることができる。一連の励起パルス及び対応するFID時系列表現は、各励起周波数において取得することができ、取得されたFID時系列表現は、平均された時系列表現を各励起周波数用に提供するために、時間領域において平均することができる。
このようにして、次に、十分な分光計動作範囲にわたるガスサンプルの回転スペクトルが、各周波数における平均化を用いるか又は用いずに、励起周波数の順次セットにおける測定を実行すること及び周波数領域における結果としてのスペクトルを連結することによって取得することができる。
周波数ダウンコンバージョンに用いられる励起パルス及び局部発振器周波数の正確で反復可能なフェージングは、測定期間における整数のサイクルを全てが有する周波数セットを用いることによって達成することができる。例えば、4マイクロ秒の測定サイクルが用いられる場合に、ミリ波励起周波数(及びダウンコンバージョンにおいて用いられる周波数)は、250キロヘルツ(kHz)の倍数で発生する。この動作を達成するために、周波数基準(例えば10MHzのRbクロック)にロックされるようなパルスパターン発生回路を含むことができる。パルスパターン発生器は、励起シンセサイザの選択された出力がAMC214Aに供給されるパルス期間を定義するために、AMC214Aに対するRF入力に対してパルス変調スイッチ(例えば、図1に示されているような変調器126又は図2に示されているような226)を駆動するために用いることができる。
B)パルス列を用いるデータ収集
本明細書における様々な例は、励起パルス期間の関数として、又は(パルスエコー測定例におけるように)パルス間の遅延の関数として実行される測定を含む。改善された測定性能は、これらの測定を短期間に順次的に実行するパルス列を用いることによって達成することができる。単一の分子遷移を平均する信号の基本分光計動作でさえが、パルス列を用いて実行され得る。
説明的な例において、パルス列は、シンセサイザの出力に適用される所望のオン/オフシーケンス(パルス変調)を生成するパルスパターン発生器波形を用いて生成することができる。図1又は2の変調器126及び226は、変調波形を生成するために6400万データポイントメモリを有するなど、例えば、240MS/sの任意の波形発生器(AWG:arbitrary waveform generator)によって駆動されるか、又はそれを含むことができる。生じたFIDのダウンコンバート表現を収集するために用いられるデジタイザはまた、時間領域波形を捕捉するために6400万ポイントのメモリ深さを有することができる。測定後に、捕捉された波形は、各測定セクションを選択でき、且つ例えば平均化又は変形(例えばFFT)動作の1つ又は複数を含む分光分析を実行できるデジタルプロセッサ回路に転送することができる。この実装形態は、非常に効率的になり得る。何故なら、1つのパルスパターン波形が、任意の励起周波数も変調するために適用され得、従って別々に生成され記憶され得るからである。
C)より低い背景ノイズ用の2ステージ周波数ダウンコンバージョン
図1及び2の分光計装置は、2ステージ周波数ダウンコンバージョンプロセス(例えば「デュアルコンバージョン」スーパーヘテロダイントポロジ)を含むことができる。このアプローチは、低周波数(例えば約75MHz)において低調波ミリ波ミキサー(例えば、図2におけるミキサー218A)の動作と関係する検出用の背景ノイズを低減することができる。2ステップダウンコンバージョンは、最初にミリ波FID信号を4275MHz近くの周波数に変換することができる。信号フィルタリングに続いて、この中間信号は、第2のマイクロ波混合ステージ(例えば図2におけるミキサー218B)において、約75MHzにダウンコンバートすることができる。次に、結果としてのFID信号は、12ビットアナログ−デジタル変換器(「ADC:analog-to-digital converter」)を用いて、例えば200メガサンプル/sでデジタル化することができる。
フーリエ変換ミリ波回転分光法を用いるガス混合物の分析方法
A)高い化学的選択性を備えた検出
図1又は2に示されている分光計装置用の1つの操作方法は、周知の揮発性化合物の以前に測定された回転スペクトルを介した、その揮発性化合物の識別を含むことができる。この例において、分子の回転遷移の周波数及び強度は、一般に知られている。例えば、分光計の周波数動作範囲における各化学種の幾つかの回転遷移が、一般に存在する。分光計は、これらの遷移の幾つかを順次的に監視するようにプログラムすることができ(例えば、周知の遷移を含む特定の周波数でサンプルを励起し、且つ結果としてのFIDを監視する)、周知の遷移周波数における測定強度は、存在する種の量を推定するために用いることができる。同様のアプローチは、吸収分光法に基づいた分光計用に用いられた。異なる遷移から推定された濃度が一貫している場合に、これは、測定が、スペクトル重複によってそれほど影響されていないという強い証拠を提供し、それによって偽陽性識別の可能性を劇的に低減する。
二色二重共鳴分光法(Two-color Double-Resonance Spectroscopy)
図4Aは、二重共鳴分光法用の測定技法の一部として使用できるなど、図1又は2の装置を用いて実行できるような回転エネルギーレベル及び対応するコヒーレント二重共鳴分光技法を一般的に示す。第1の光パルス(「ポンプ」パルス)は、関心のある分子の周知の回転遷移をコヒーレントに励起する。ポンプパルス(pump pulse)の期間は、遷移に含まれる2つのエネルギーレベルのポピュレーション(population)を反転する効果がある「πパルス」励起を達成するように調整される。このパルス期間は、一般に、最大二重共鳴信号変調を提供し、特に、2つのレベルにおけるポピュレーションを単に等しくするインコヒーレントな「飽和分光法」を用いて達成できる一層大きな変調を提供する。ポンプパルスに続いて(例えば、即座に又はほぼ即座に)、分子の第2の遷移が励起され(「プローブ」パルス)、次にFIDが収集される。この第2の遷移は、それが、関心のある種用のポンプ遷移とエネルギーレベルを共有するように選択される。光源の周波数アジリティが用いられる。何故なら、衝突が、ポンプパルスによって達成されるポピュレーション反転を低減させ、それによって信号調整を低減する前に、第2のパルス(第1のパルスとは異なる周波数を有する)が、即座にサンプルに印加されるからである。
単純な3状態エネルギーレベル図が、量子化された回転運動エネルギー状態(合計回転角運動量量子数Jによってラベル付けされる)用に、図4Aに説明的に示されている。回転分光法用の選択規則は、Jが±1だけ変化する遷移を可能にするだけである。熱平衡において、3つのエネルギーレベルは、異なるポピュレーション(P+Δ、P、及びP−Δとして与えられる)を有する。室温ミリ波回転分光法に関し、エネルギーレベル間のポピュレーション差は、ほぼ一定である(Δ)。第1のパルスは、関心のある分子の回転遷移と共鳴する。パルス期間は、レベルのポピュレーション反転に帰着するπパルス励起を達成するように選択される。「プローブ」遷移のフーリエ変換ミリ波測定における信号は、ポピュレーション差に比例する。πパルスがない状態で、このポピュレーション差はΔである。πパルスが、プローブに印加される場合に、ポピュレーション差は、2Δに倍増する。二重共鳴(2Δ−Δ)によって引き起こされる信号変調は、オリジナルの信号と同程度の大きさである。一般に、分子軸上の角運動量射影に対する遷移モーメントの依存故に、理想的なπパルス条件を達成することは不可能である。しかしながら、50〜80%の範囲における信号変調が、本明細書における他の説明的な例に示されているように、この技法を用いて観察される。
図4Bは、硫化カルボニル(OCS)マニホールド(manifold)を示すなど、離散的なミリ波回転エネルギーレベルの説明的な例を一般的に示す。より高い「J」は、より高いエネルギー回転に変わる。二重共鳴飽和において、「ポンプ」パルスが、2つのエネルギーレベル(例えばJ=23及びJ=22)間の等しいポピュレーションの条件を設定する。これは、熱的に分散されたポピュレーションを乱し、「プローブされた」遷移(例えばJ=22及びJ=21)励起は、それが「ポンプされた」エネルギレベル(例えばJ=22)を共有するため、(単一色励起と比較して)信号の増加として見なされる。
しかしながら、複雑なガス混合物に関し、回転スペクトルは密になり、ランダムなスペクトル重複の可能性は、増加し、それによって、偽陽性検出の可能性を増加させる。本明細書で説明される様々な技法は、二色で時間領域の二重共鳴分光法を実行することによって、偽陽性検出の可能性を低減することができる。この測定は、周波数可変光源を提供するために、AMCに結合された調整可能なシンセサイザの組み合わせに固有の周波数アジリティによって部分的に可能にされる。それは、光源においてポンプパルス励起からプローブパルス励起へのほぼ即座の又は即座の切り替えを可能にする。
図5Aは、特定の遷移の変調例を含む、二重共鳴変調分光技法の選択性を示す説明的な例を一般的に示す。図5Bは、無関係なピークの変調なしに、関心のある分子に対応する特定の遷移の変調例を含む、二重共鳴変調分光技法の選択性を示す説明的な例を一般的に示す。
図5Aにおいて、正確なチューニング(例えば、ほぼ完全か又は完全な)を用いて、ポンプパルスは、プローブされた遷移における80%の増加を誘発することができる。プローブされた遷移(J=22〜21)の信号変調は、ポンプパルスが、「ポンプされた」遷移(J=23〜22)との共鳴から離調されるにつれて減少する。短いポンプパルス、例えば1マイクロ秒(us)が用いられる場合に、エンベロープ550は、パワーを広げられたエンベロープを表す。より長いポンプパルス(4us)を用いると、エンベロープ560は、ローレンツ型である(例えば、放射双極子に対応する半古典的パワーエンベロープを含む)。各特徴の幅は、わずかに約1MHzであり、それはスペクトル線幅未満である。図5Aの図は、大きな信号変調が、分子硫化カルボニル(OCS)を用いて、この例において可能である(80%)こと、及び励起パルスが、優れた周波数選択性(ポンプ周波数が、正確な共鳴周波数の+/−500kHz内である場合に、二重共鳴効果が観察できる)を有することを示す。この技法は、これらの2つの遷移が、サンプルのランダムなスペクトル重複に起因するという可能性の排除を一般的に示す。
更に、方法は、図5Bに説明的に示されているように、二重共鳴における遷移だけが、密なスペクトルが存在する状態でさえ変調される二重共鳴結果を用いて、弁別を可能にする。分子硫化カルボニル(ガスサンプルに存在する181334S、10−6天然存在度、550フェムトモル)のマイナー同位体(minor isotope)のプローブ回転遷移(J=24〜J=25)の信号が、(J=26〜J=25の回転遷移で共鳴する)πパルスの先行する印加を用いて(プロット570におけるように)且つ印加なしに(プロット580におけるように)示されている。この励起シーケンスは、図4Aの例に一般的に示されている。関心のある分子の領域590における遷移だけが、信号変調594を示す。約277180MHz近くの領域592におけるより高周波数遷移は、変調されない。
B)混合物スペクトルを分離し、且つ未知の化学種を識別するための方法
本明細書で説明される装置及び技法を用いるなど、広帯域分子回転分光法によるガス分析は、測定によって前もって特徴付けられなかったサンプルにおける分子を識別する能力を提供する。例えば、サンプルは、直接識別用の未知の分子の「ライブラリスペクトル(library spectrum)」が存在しない場合に、分析することができる。未知の分子の識別は、(主な慣性モーメントによって決定されるその回転定数を介する)分子ジオメトリ、(振動通常モード用の力定数に依存する)その遠心力ひずみ定数、電子特性(主軸上の双極子モーメント及びその射影)、(塩素などの幾つかの元素の)核四極超微細構造、及び質量を特徴付けるための実験技法の使用を含むことができる。これらの特性の1つ又は複数は、分子識別が、前の実験的に取得されたスペクトルに依存する代わりに、計算ライブラリを用いて可能なように(例えば、1つ又は複数の分析的に決定されたモデルパラメータを用いて分子を識別する)、量子化学によって高精度まで推定することができる。
スペクトルを識別する二色飽和二重共鳴分光法
未知の種の分析は、最初にスペクトルを取得することによって実行することができる。スペクトルは、未知の分子の回転運動エネルギーレベルに対応して生成される回転遷移セットを含む。従って、二重共鳴接続を用いて遷移セットを見つけることが望ましくなり得る。かかる遷移は、図4A、4B、5A及び5Bに示されている技法を用いて識別することができる。例において、(例えば、未知の分子キャリアに対応する)単一の割り当てられていない遷移が選択され、かかる遷移は、未知の分子のキャリアを備えた他の観察された遷移との二重共鳴に対しチェックされる。スペクトルは、結局、ブートストラップ方式で構築することができる。ひとたびスペクトルが識別されると、それは、回転定数(A、B及びC)並びに遠心力ひずみ定数を決定するために、分子回転分光法の一般に利用可能な方法を用いて分析することができる。幾つかの例において、この基本的な構造的情報は、内部回転及び核四極超微細パラメータ(internal rotation and nuclear quadrupole hyperfine parameters)に対するバリアの決定によって増強することができる。ひとたび少数の(例えば3つ又は4つ)「接続された」回転遷移が識別されると、回転定数は、未知の分子に対して推定することができ、且つ非常に制限された周波数間隔に入る必要があるであろう追加の遷移周波数を予言するために使用され、それによって、自動スペクトル分析手順を加速することができる。
極子モーメントを推定するための一色及び二色可変パルス期間ポピュレーション移動測定
スペクトル遷移の強度は、その双極子モーメント及び回転量子数、サンプル温度、並びに存在する物質量によって決定された遷移の「強度」によって決定される。従って、独立した測定が、双極子モーメント寄与を抽出するために用いられ得る。かかる抽出は、励起パルス期間の関数として遷移信号を測定することなどによって実行することができる。最大信号は、核磁気共鳴(NMR:nuclear magnetic resonance)分光法におけるように、おおよそ「π/2」パルス条件に対して発生し、且つ双極子モーメントに比例する。かかる技法の説明的な例が、図6A及び6Bに示されている。上記のように、パルスパターン波形は、単一の測定信号収集イベントにおいてパルス期間信号依存性を測定するために用いることができる。この測定はまた、図5A及び5Bに示されているように、可変励起パルス期間の影響が、二重共鳴における遷移信号の変化を介して検出される二色実装形態で実行することができる。
図6A及び6Bは、単一色技法及び二色技法用の励起又はポンプパルス期間の関数としての受信信号強度の説明的な例をそれぞれ一般的に示す。図6Aの単一色技法に関し、減衰正弦波振動は、ベッセル関数をモデル化し、第1の最大値は、図示されたOCSの測定用の500nsである「π/2」パルス期間(tπ/2)を表し、且つ励起ラビ周波数(excitation Rabi frequency)ωRabi=[(π/2)/tπ/2]と関係し、励起ラビ周波数は、遷移双極子モーメントに正比例する。ラビ周波数を測定する代替方法が、図6Bに示され、且つ第1の信号最大値が「π」パルス期間及びωRabi=[(π)/tπ]に対し発生する、図4Aに示されている二色技法を用いる。このパルス期間は、予想通りに、図6Bにおいて1000nsであるか、又は図6Aのパルス期間の2倍である。図6Bの方法は、スペクトル重複が存在し得る密なスペクトルの場合に、より正確な結果をもたらし得る。何故なら、それが、二色二重共鳴分光法の原理を用いて、単一分子のスペクトル反応をフィルタリングするからである。
ドップラー寄与の決定による質量推定
分子質量の決定は、化学的識別を容易にする。熱平衡におけるガスのミリ波回転分光分析において、線形状へのドップラー寄与(Doppler contribution)から質量を決定することが可能である。周波数領域において、この分析は、線形状へのドップラー及び衝突寄与が畳み込みとして発生するため、複雑化される可能性がある。線形状分析の問題に対し、周波数領域線形状への多くの近似が存在する。1つのアプローチにおいて、目標は、周知の分子量の分子に衝突寄与を測定することである。しかしながら、衝突寄与分析のかかる既存の技法は、ドップラー寄与も衝突寄与も周知でない場合には適用できない。
時間領域において、FIDは、ドップラーディフェージング(Doppler dephasing)及び優れた近似の、衝突緩和からの指数関数的な寄与の積として発生する。この近似は、周波数領域におけるフォークト(Voigt)線形状プロファイルを生成し、且つ速度依存型緩和率などの影響を無視することができる。回転分光法に関し、衝突時間スケールT(ポピュレーション)及びTが等しい近似が、持続すると予想される。FID用の関数形式は、以下の式(1)によって表すことができる。
と共に
これらの式で、ωは、遷移周波数を表すことができ、Tは、衝突緩和時間定数(collisional relaxation time constant)を表すことができ、sは、分子質量mに依存するドップラーディフェージング時定数を表すことができる。本明細書で説明される例の時間領域フーリエ変換分光器は、ドップラー寄与を介した分子質量の抽出をより信頼できるものにするFID減衰への衝突寄与を独立して測定する少なくとも2つの方法を提供することができる。
単一色パルスエコー
時間領域パルスエコー(time-domain pulse echo)方法を用いると、FID減衰への衝突寄与は、直接測定することができる。パルスエコー励起シーケンスは、可変時間分離を備えた2つのパルスのセットを含むが、図7(図1又は2の装置を用いて提供できるような)に説明的に示されている。FIDから質量を推定する際のこれらの結果の分析及びそれらの使用が、図8A及び8Bに説明的に示されている。示されている結果は、OCSのJ=22〜21遷移に対応する。放射は、ディフェージング(ドップラーによる)及び緩和(主に衝突による)によって減衰する。第1の励起パルスは、時間領域プロットにおける平坦な線への急速な減衰として見られる、ドップラーが急速にディフェーズする信号702を生成する(FID)。第2の励起パルスは、新しい信号704を生成し、一方で同時に前の信号を再同期させる。再同期は、2つの励起パルス間の時間に等しい第2のパルスからの時間遅延を備えたエコー706(echo)として現れる。パルス時間分離が増加すると共に、エコーの出現は、図7における例(A)、(B)及び(C)の例に示されているように、対応して遅延される。エコーは、測定時間が衝突緩和時間を超過する場合に消える。
図8Aは、図7に関連して説明されるパルスエコー技法を用いて取得することができるような、エコー信号強度対エコー遅延の説明的な例を一般的に示す。図8Bは、測定されたFID、並びに分子質量及び衝突緩和時間定数Tを用いて決定されたシミュレートFIDを比較する説明的な例を一般的に示す。特に、図8Aは、増加する時間遅延とエコー信号強度の対数プロットを示す。衝突は、指数関数的な緩和を誘発する。測定の線形回帰分析は、25.4マイクロ秒の文献値(literature value)と比較して、22.2マイクロ秒の衝突緩和時間定数(T)を生成する。図8Bは、測定されたFID、並びに分子質量及びTに基づいて計算されたシミュレートFIDを示すプロットを示す。最良適合は、OCSの周知の質量(60amu)の5%以内の結果である57原子質量単位(amu:atomic mass unit)の質量を決定する。従って、分子質量は、衝突緩和時間に関して取得された情報を用いてなど、未知サンプル用にさえ決定することができる。
一色及び二色ポピュレーション回復測定
パルスエコー方法は、それが、分析されているFID信号への衝突T寄与を正確に測定するという利点を有する。ひとたびFIDの減衰への衝突寄与が知られると、ドップラー寄与は、正確に決定することができる。しかしながら、エコー信号は弱い可能性があり、これは、方法の適用可能性を制限し得る。回転分光法において、T(ポピュレーション緩和)及びT(ディフェージング)時間スケールが、ほぼ同一であることが示され、従って、FID減衰に対する衝突寄与の推定はまた、ポピュレーション回復技法を用いて行うことができる。この技法において、第1の「ポンプ」パルスが、一時的なポピュレーション差を生成する。
平衡へのこのポピュレーション差の回復は、ポンプパルスからの可変時間分離においてプローブパルスを印加することによって測定することができる。プローブパルスは、ポンプステップ(一色)において用いられる同じ遷移又は二重共鳴(二色)における遷移のいずれかと共鳴することができる。OCSにおける一色及び二色飽和回復法測定の両方の結果が、以下で図9A及び9Bにそれぞれ示されている。
図9A及び9Bは、一色及び二色飽和励起時間遅延技法をそれぞれ用いて取得できるような、実験を介した衝突緩和時間決定の説明的な例を一般的に示す。ポンプパルスは、ポピュレーション等化を誘発し、それは、時間と共に指数関数的に減衰する。結果は、プローブパルスが、時間において遅延されるため、エコー信号ではなく、変調信号(y軸)のログを監視することによって測定される。変調信号の振幅は、時間領域変調信号をデジタル化すること、時間領域表現(time-domain representation)に対してフーリエ変換を実行すること、次に、関心のある遷移周波数において、変換された表現の大きさを決定することによって決定することができる。代替として、変調信号の振幅は、変調FIDを表すデジタル化された時系列に対する振幅決定又は適合を実行することによって、時間領域において決定することができる。衝突緩和時間定数(T)は、25.4マイクロ秒の文献値と比較して、単一色実験に対して22.64マイクロ秒に、且つ二色実験に対して22.07マイクロ秒に決定される。
図9Bに示されている二色実装形態は、図9Aと比較して、より良い指数関数的減衰動作(このログプロットでは線形)を示し、時間スケールは、上記のパルスエコー測定用に観察されたのと同じである。パルスエコー(図7)及び二色ポピュレーション回復実験(図9B)からの緩和時間は、お互いに且つOCS自己緩和の文献値と一致している。
一般に、図9Aの技法は、少なくとも単一分子遷移周波数が知られている場合に(例えば、「プローブ」及び「ポンプ」パルスが、サンプルに印加される同じ励起周波数を含むことができる)、用いることができる。かかる遷移は、特徴付けられている種が周知の場合に、知ることができるか、又はかかる遷移は、パルス励起を介してサンプルから生じたFIDのデジタル化表現をフーリエ変換することを介してスペクトルを取得することによって、本明細書で説明される技法を用いて経験的に決定することができる。図9Aの技法は、「単一色」測定と呼ぶことができる。
対照的に、図9Bの技法は、異なる周波数が「ポンプ」及び「プローブ」励起用に使用される場合に、用いることができる。この技法は、「二色」測定と呼ぶことができる。(共通のエネルギーレベルを共有する遷移に対応する)かかる周波数は、特徴付けられている種が周知である場合に知ることができるか、又は本明細書の他の所で説明される二重共鳴例を用いて識別することができる。理論によって拘束されずに、かかる二重共鳴の使用は、上記のより優れた指数関数的減衰動作のために、単一色アプローチと比較して、質量推定アプローチの測定精度を向上させると考えられる。
図10は、異なる分子の様々な質量推定の説明的な例を一般的に示すが、かかる質量推定は、分子種のアプリオリな知識を必要とせずに、分子回転分光法を用いて実験的に取得された。これらの測定は、図8A及び8Bに関連して上記で説明したように、衝突緩和時間(T)を独立して測定するためにパルスエコー方法を用いた。方法の精度は、表1に示されている分子セットに対して±3%であると示され、表1はまた、個別の測定結果を含む。
上記のように、測定技法は、衝突寿命(T)を独立して測定するためにパルスエコーシーケンスを用いる。次に、このT値は、(例えば、式1及び2の表現を用いて)ディフェージングに対するドップラー寄与を決定するために、時間領域自由誘導減衰(FID)信号を適合するように用いることができる。例えば、ドップラー寄与及び周知のサンプル温度を用いると、決定後に且つ回帰分析において測定されたTを用いて、分子質量は、測定されたFIDに最良適合を提供する回帰分析を通した質量値の識別などを介して、抽出することができる。この技法は、ガスサンプルにおいて観察される任意の遷移に適用することができ、且つ遷移の分子キャリアに関しても、遷移に含まれる量子力学的エネルギーレベル(時には「割り当て」と呼ばれる)に関しても、どのような先見も要求しない。図10において、破線は、質量決定における±3%の誤差を示す。質量決定におけるエラーバーは、数値適合技法からのモデルフィッティング誤差である。硫化カルボニルに関し、質量60amu近くで、4つの異なる同位体置換体が、天然存在度において測定された。分析結果はまた、表1に列記され、且つ本明細書で説明される技法がまた、同位体置換体の識別及び弁別に有用であることを示す。
様々な注記
例1は、ミリ波範囲の周波数におけるエネルギーをそれぞれ含む第1のパルス励起及び第2のパルス励起を用いてガスサンプルを励起することであって、第1のパルス励起及び第2のパルス励起が、それぞれの測定サイクル間に変更される特定の期間だけ時間的に離間され、且つ第1及び第2のパルス励起が、ミリ波範囲の周波数を供給するために、周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いて生成される、励起することを含むことができるなどの主題(動作を実行するための装置、方法、手段、又はデバイスによって実行された場合に、デバイスに動作を実行させることができる命令を含むデバイス可読媒体など)を含むか又は用いることができる。
例1は、それぞれの測定サイクルに対応する第1及び第2のパルス励起に応じて、ガスサンプルから生じたそれぞれの時間領域表現を取得することと、応答のそれぞれの時間領域表現を用いて衝突緩和時間定数を決定することと、決定された衝突緩和時間定数を少なくとも部分的に用いて、ガスサンプルに含まれる種の分子質量を推定することと、を含むことができる。
例2は、分子キャリアの先見を必要とせずに、ガスサンプルに含まれる種の分子質量を推定することを任意選択的に含むために、例1の主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例3は、異なる第1及び第2の励起の周波数を任意選択的に含むために、例1又は2の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例4は、アクティブな逓倍器チェーンを含む周波数逓倍器を任意選択的に含むために、例1〜3の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例5は、第1及び第2のパルス励起を用いる励起に応じて、ガスサンプルの自由誘導減衰の時間領域表現を取得することと、自由誘導減衰のエンベロープに最良適合を提供するために、分析モデルを用いて分子質量を決定することと、を含む分子質量の推定を任意選択的に含むために、例1〜4の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例6は、固体シンセサイザ回路を少なくとも部分的に用いて生成される第1及び第2の励起を任意選択的に含むために、例1〜5の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例7は、第1のパルス励起を提供するために、周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いてアップコンバートされる第1の周波数を供給する第1の出力と、第2のパルス励起を提供するために、周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いてアップコンバートされる第2の周波数を供給する第2の出力と、を有する固体シンセサイザ回路を任意選択的に含むために、例1〜6の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例8は、連続波(CW)出力を供給するように構成された固体シンセサイザ回路であって、第1及び第2のパルス励起が、第1及び第2のパルス励起の期間を定義する特定の変調パターンに従って、固体シンセサイザ回路のCW出力を少なくとも部分的にパルス変調することによって提供される固体シンセサイザ回路を任意選択的に含むために、例6又は7の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例9は、測定期間中に整数のサイクルを提供するように指定された第1及び第2の励起の周波数を任意選択的に含むために、例1〜8の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例10は、互いにオフセットされた周波数を有するパルス励起のシーケンスに応じて、ガスサンプルから生じたそれぞれの応答の一連の取得された時間領域表現のフーリエ変換を介して取得されたスペクトルから取得された情報を少なくとも部分的に用いて選択された第1のパルス励起又は第2のパルス励起の1つ又は複数における周波数を任意選択的に含むために、例1〜9の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例11は、それぞれのパルス励起周波数に応じてガスサンプルから生じた、取得された時間領域応答にそれぞれ対応する一連のフーリエ変換を少なくとも部分的に連結することによって取得されるスペクトルを任意選択的に含むために、例1〜10の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例12は、サンプルの事前の励起の存在に応じて、観察されたピークの強度を変調するように選択されたプローブ周波数を用いて、ガスサンプルをプローブすることであって、事前の励起が、プローブ周波数と異なるポンプ周波数を用いる、プローブすることを任意選択的に含むために、例1〜11の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例13は、ガス種内の種の存在又は欠如を、観察されたピークの強度の変調が事前の励起が存在する状態で発生するかどうかに関する情報を少なくとも部分的に用いて決定することを任意選択的に含むために、例12の主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例14は、それぞれの測定サイクル間に変更されるタイミングを用い、ミリ波範囲の周波数におけるエネルギーをそれぞれ含むパルス励起を用いてガスサンプルを励起させることであって、パルス励起が、ミリ波範囲の周波数を供給するために周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いて発生される、励起させることと、パルス励起に応じて、ガスサンプルから生じたそれぞれの時間領域表現を取得することと、応答のそれぞれの時間領域表現を用いて、衝突緩和時間定数を決定することと、決定された衝突緩和時間定数を少なくとも部分的に用いて、ガスサンプルに含まれる種の分子質量を推定することと、を含むことができるなど、主題(動作を実行するための装置、方法、手段、又は機械によって実行された場合に、機械に動作を実行させることができる命令を含む機械可読媒体など)を含むために、例1〜13の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例15は、ガスサンプルの自由誘導減衰の時間領域表現を取得し、且つ自由誘導減衰のエンベロープに最良適合を提供するために分析モデルを用いて分子質量を決定することを任意選択的に含むために、例14の主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例16は、測定期間中に整数のサイクルを提供するように指定されたパルス励起の周波数を任意選択的に含むために、例14又は15の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例17は、無線周波数(RF)入力及びミリ波出力を含む逓倍器チェーン(AMC)光源と、AMC光源のRF入力と通信する出力を含む周波数源と、周波数源の出力をパルス変調するように構成されたパルス変調器と、を含む分光計であって、周波数源の出力周波数が測定サイクル中に整数の発振サイクルを提供するように指定され、測定サイクルがパルス変調器を少なくとも部分的に用いて確立される分光計を含むことができるなど、主題(動作を実行するための装置、方法、手段、又は機械によって実行された場合に、機械に動作を実行させることができる命令を含む機械可読媒体など)を含むために、例1〜16の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例18は、それぞれの出力周波数を有する少なくとも2つの出力を有する周波数源を任意選択的に含むために、例17の主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例19は、ガスサンプルから生じた応答をダウンコンバートするように構成されたデュアルコンバージョンスーパーヘテロダイン回路であって、AMC光源のミリ波出力が、ガスサンプルの励起用の信号を供給するように構成されるデュアルコンバージョンスーパーヘテロダイン回路を任意選択的に含むために、例17又は18の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
例20は、第1の特定の期間を有する第1の「ポンプ」励起パルスと、第2の特定の期間を有し、且つ第1の「ポンプ」励起パルスから時間における特定の分離を有する第2の「プローブ」励起パルスと、を供給するためにパルス変調器と結合され、且つパルス変調器を制御するように構成されたプロセッサ回路を任意選択的に含むために、例17〜19の1つ又は任意の組み合わせの主題を含むか、又はそれと任意選択的に組み合わせることができる。
上記の詳細な説明は、詳細な説明の一部を形成する添付の図面への言及を含む。図面は、本発明を実施できる特定の実施形態を実例として示す。これらの実施形態はまた、本明細書で「例」とも呼ばれる。かかる例は、図示又は説明される要素の他に要素を含むことができる。しかしながら、本発明者らはまた、図示又は説明される要素だけが設けられる例を考える。更に、本発明者らはまた、本明細書で図示又は説明される特定の例(若しくはその1つ又は複数の態様)に関して、又は他の例(若しくはその1つ又は複数の態様)に関して、図示又は説明される要素の任意の組み合わせ又は置換を用いる例(若しくはその1つ又は複数の態様)を考える。
本明細書と、すでに述べたように参照によって援用された任意の文献との間の一貫しない使用の場合に、本明細書における使用が支配する。
本明細書において、用語「1つの(a)」又は「1つの(an)」は、特許文献において普通であるように、「少なくとも1つ」又は「1つ又は複数」のどの他の例又は使用とも無関係に、1つ又は2つ以上を含むように用いられる。本明細書において、用語「又は(若しくは)」は、「A又はB」が、別段の指示がない限り、「BでなくA」、「AではなくB」並びに「A及びB」を含むように、非排他的orを指すために用いられる。本明細書において、用語「含む(including)」及び「in which」は、それぞれの用語「含む(comprising)」及び「wherein」の平易な英語の相当語句として用いられる。また、次の特許請求の範囲において、用語「含む(including)」及び「含む(comprising)」は、オープンエンドである。即ち、請求項におけるかかる用語の後で列記される要素の他に要素を含むシステム、装置、物品、組成、形成、又はプロセスは、やはりその請求項の範囲内に入ると考えられる。更に、以下の請求項において、用語「第1の」、「第2の」及び「第3の」などは、単にラベルとして用いられ、且つそれらの対象に数的要件を課すようには意図されていない。
本明細書で説明される方法例は、機械又はコンピュータで少なくとも部分的に実行することができる。幾つかの例は、上記の例で説明されたような方法を実行するために電子デバイスを構成するように動作可能な命令でコード化されたコンピュータ可読媒体又は機械可読媒体を含むことができる。かかる方法の実装形態は、マイクロコード、アセンブリ言語コード、高水準言語コードなどのコードを含むことができる。かかるコードは、様々な方法を実行するためのコンピュータ可読命令を含むことができる。コードは、コンピュータプログラムプロダクトにおける部分を形成しても良い。更に、例において、コードは、実行中又は他の時間などに、1つ又は複数の揮発性、不揮発性、又は不揮発性の有形コンピュータ可読媒体に実体的に記憶することができる。これらの有形コンピュータ可読媒体の例は、限定するわけではないが、ハードディスク、着脱可能な磁気ディスク、着脱可能な光ディスク(例えば、コンパクトディスク及びデジタルビデオディスク)、磁気カセット、メモリカード又はスティック、ランダムアクセスメモリ(RAM:random access memory)、読み取り専用メモリ(ROM:read only memory)などを含むことができる。
上記の説明は、限定的ではなく、実例として意図されている。例えば、上記の例(又はその1つ若しくは複数の態様)は、互いに組み合わせて用いられても良い。上記の説明を検討すれば、当業者によって他の実施形態を用いることができる。要約は、読者が技術的な開示の性質を素早く確認できるようにするために、米国特許規則§1.72(b)に応じるように提供される。それが、請求項の範囲又は意味を解釈又は限定するためには用いられないという理解で提出される。また、上記の詳細な説明において、様々な特徴は、本開示を簡素化するためにグループ化されても良い。これは、特許請求されない開示された特徴が、いずれの請求項にとっても不可欠であることを意図しているように解釈されるべきでない。より正確に言えば、発明の主題は、特定の開示される実施形態の全ての特徴より少なくても良い。従って、次の特許請求の範囲は、これによって、例又は実施形態として詳細な説明に組み込まれ、各請求項は、別個の実施形態として自立し、かかる実施形態が、様々な組み合わせ又は置換において互いに組み合わされ得ると考えられる。本発明の範囲は、かかる請求項が権利を与えられる均等物の完全な範囲と共に、添付の請求項を参照して決定されるべきである。

Claims (16)

  1. 方法であって、
    ミリ波範囲の周波数におけるエネルギーをそれぞれ含む第1のパルス励起及び第2のパルス励起を用いてガスサンプルを励起することであって、前記第1のパルス励起及び前記第2のパルス励起が、それぞれの測定サイクル間に変更される特定の期間だけ時間的に離間され、且つ前記第1及び第2のパルス励起が、前記ミリ波範囲の周波数を供給するために、周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いて生成される、前記励起すること、
    前記それぞれの測定サイクルに対応する前記第1及び第2のパルス励起に応答して、前記ガスサンプルから生じたそれぞれの時間領域表現を取得すること、
    前記応答の前記それぞれの時間領域表現を用いて衝突緩和時間定数を決定すること、
    決定された衝突緩和時間定数を少なくとも部分的に用いて、前記ガスサンプルに含まれる種の分子質量を推定すること、を備える方法。
  2. 前記ガスサンプルに含まれる種の分子質量推定する前に、該分子質量が推定される種を特定する必要はない、請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1及び第2のパルス励起の周波数が異なる、請求項1に記載の方法。
  4. 前記周波数逓倍器が、アクティブな逓倍器チェーンを含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記分子質量の推定は、
    前記第1及び第2のパルス励起を用いる励起に応答して、前記ガスサンプルの自由誘導減衰の時間領域表現を取得すること、
    前記自由誘導減衰のエンベロープに最良適合を提供させるモデルを用いて分子質量を決定すること、を含む、請求項1に記載の方法。
  6. 前記第1及び第2のパルス励起が、固体シンセサイザ回路を少なくとも部分的に用いて生成される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記固体シンセサイザ回路は、
    前記第1のパルス励起を提供するために、前記周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いてアップコンバートされる第1の周波数を供給するための第1の出力と、
    前記第2のパルス励起を提供するために、前記周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いてアップコンバートされる第2の周波数を供給する第2の出力と、を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記固体シンセサイザ回路が、連続波(CW)出力を供給するように構成され、
    前記第1及び第2のパルス励起が、前記第1及び第2のパルス励起の期間を定義する特定の変調パターンに従って、前記固体シンセサイザ回路の前記連続波出力を少なくとも部分的にパルス変調することによって提供される、請求項6に記載の方法。
  9. 前記第1及び第2のパルス励起の周波数が、測定期間中に整数のサイクルを提供するように設定される、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第1のパルス励起又は前記第2のパルス励起の1つ又は複数における周波数は、
    互いにオフセットされた周波数を有するパルス励起のシーケンスに応じて、前記ガスサンプルから生じたそれぞれの応答の一連の取得された時間領域表現のフーリエ変換を介して取得されたスペクトルから取得された情報を少なくとも部分的に用いて選択される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記スペクトルは、
    それぞれのパルス励起周波数に応じて前記ガスサンプルから生じた取得された時間領域応答にそれぞれ対応する一連のフーリエ変換を少なくとも部分的に連結することによって取得される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記サンプルの事前の励起の存在に応じて、観察されたピークの強度を変調するように選択されたプローブ周波数を用いて、前記ガスサンプルをプローブすることを備え、
    前記事前の励起が、前記プローブ周波数と異なるポンプ周波数を用いる、請求項10に記載の方法。
  13. 前記ガス種内の種の存在又は欠如は、
    観察されたピークの強度の変調が前記事前の励起が存在する状態で発生するかどうかに関する情報を少なくとも部分的に用いて決定される、請求項12に記載の方法。
  14. プロセッサ可読媒体であって、
    プロセッサ回路によって実行された場合に、装置に、
    それぞれの測定サイクル間に変更されるタイミングを用い、ミリ波範囲の周波数におけるエネルギーをそれぞれ含むパルス励起を用いてガスサンプルを励起させることであって、前記パルス励起が、前記ミリ波範囲の周波数を供給するために周波数逓倍器を少なくとも部分的に用いて発生される、前記励起させること、
    前記パルス励起に応答して、前記ガスサンプルから生じるそれぞれの時間領域表現を取得すること、
    前記応答の前記それぞれの時間領域表現を用いて、衝突緩和時間定数を決定すること、
    決定された衝突緩和時間定数を少なくとも部分的に用いて、前記ガスサンプルに含まれる種の分子質量を推定すること、を実行させる命令を備えるプロセッサ可読媒体。
  15. 前記分子質量を推定する命令は、
    前記ガスサンプルの自由誘導減衰の時間領域表現を取得し、且つ
    前記自由誘導減衰のエンベロープに最良適合を提供させるモデルを用いて分子質量を決定する命令を含む、請求項14に記載のプロセッサ可読媒体。
  16. 前記パルス励起の周波数が、測定期間中に整数のサイクルを提供するように指定される、請求項14に記載のプロセッサ可読媒体。
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