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JP6476522B2 - 岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラム - Google Patents
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JP6476522B2 - 岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラム - Google Patents

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Description

本発明は、岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムに関する。
従来、鉄道沿線などの落石被害を防ぐ方法として、例えば非特許文献1、2に示すような不安定な岩塊を定量的・効率的に検出する手法が知られている。
非特許文献1、2には、岩塊の安定性を定量的に評価する手法として、岩塊の振動をその岩塊に取り付けたセンサにより計測し、その振動特性から落石危険度を評価する手法に ついて記載されている。
「振動特性を利用した落石危険度の判定」緒方賢治、松山裕幸、天野淨行、土木学会論文集、No.749,pp.123−135,2003.12 「不安定岩盤ブロック抽出のための岩盤斜面振動計測マニュアル(案)」藤澤和範、浅井健一、永田雅一、石田孝司、土木研究所資料、第4051号、2007
しかしながら、従来の岩塊安定性評価方法では、以下のような問題があった。
すなわち、上述した非特許文献1、2に記載の手法では、岩塊にセンサを直接設置して振動計測を行う必要があることから、計測を行う際に高所や足場の悪い箇所で不安定な姿勢となることから作業効率が低下するという問題があり、その点で改善の余地があった。とくに、鉄道沿線の落成危険箇所では、線路から近いために計測可能な場所や時間に制限があり、効率が低下するうえ、必要な計測情報が得られないといった問題があった。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、リアルタイムに安定した姿勢で計測作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る岩塊安定性評価方法は、岩盤斜面から突出する岩塊の安定性を評価するための岩塊安定性評価方法であって、岩塊の材料、形状に関するデータを取り込む工程と、前記岩塊の材料、形状から、前記岩塊の卓越周波数を算出する工程と、前記卓越周波数と、前記岩塊の背面亀裂の先端部に発生する推定応力および岩塊の引張強度の関係を示す転倒安全率との関係を算出する工程と、前記岩塊の卓越振動数を実測する工程と、実測定された卓越振動数に対応する転倒安全率を選択する工程と、前記選択された転倒安全率を、転倒安全率における評価基準値と比較して前記岩塊の安定度を評価する工程と、を有し、前記卓越周波数の算出に際して、対象岩塊の形状が計測できる場合には、計測した鉛直方向の長さと奥行き方向の長さと最大径による岩塊形状を直接計測やレーザースキャナーで取得し、該岩塊形状をパラメータとして前記卓越周波数を算出し、対象岩塊の形状が計測できない場合には、複数の縦横比を計算する、又は解析ソフトで最も厳しい条件となる値を自動選択することによる岩塊形状と、前記対象岩塊から推定される最大径による岩塊形状とを取得し、該岩塊形状をパラメータとして前記卓越周波数を算出することを特徴としている。
本発明に係る岩塊安定性評価方法では、岩塊の材料、形状から岩塊の卓越周波数を算出し、その卓越周波数と転倒安全率との関係を算出した後、実測定された岩塊の卓越振動数に対応する転倒安全率を選択し、その選択された転倒安全率を評価基準値と比較して岩塊の安定性を定量的に評価することができる。そのため、対策の優先順位の決定や、対象岩塊の崩落危険性の経時変化の調査や将来予想などといった維持管理に役立てることができる。
このように、本発明では、岩塊の安定性を遠隔から評価することが可能となるため、落石危険度の評価作業の効率性を向上させることができるうえ、測定作業を安定した姿勢で行うことができる。さらに、対象岩塊の振動を遠隔で実測する方法となるので、この振動測定を常時行うことが可能であり、リアルタイムで対象岩塊の安定度を評価することができる。
また、対象岩塊の形状が計測できる場合には、対象岩塊を実測した形状をパラメータとして使用し、卓越周波数を算出することができることから、精度の高い岩塊の安定度の評価を行うことができる。
さらに、対象岩塊の形状が計測できない場合であっても、対象岩塊から推定される岩塊形状を取得し、岩塊形状をパラメータとして卓越周波数を算出して、岩塊の安定度を評価することができる。
また、本発明に係る岩塊安定性評価方法は、前記卓越周波数の算出に際して、前記岩塊のサンプルがある場合には、当該サンプルを使用して前記岩塊の材料試験を行って材料物性を取得し、該材料物性をパラメータとして前記卓越周波数を算出するようにしてもよい。
本発明では、対象岩塊と同じ材料のサンプルを使用して材料試験を行うことができるので、対象岩塊とほぼ同等の材料物性値を得ることができる。そして、この材料物性をパラメータとして卓越周波数を算出することができることから、精度の高い岩塊の安定度の評価を行うことができる。
また、本発明に係る岩塊安定性評価方法は、前記卓越周波数の算出に際して、前記岩塊のサンプルがない場合には、対象岩塊の周辺の地質情報から推定される推定材料物性を設定し、予め岩塊と材料物性とを関連付けしたデータベースから前記推定材料物性に近い材料物性を取得し、該材料物性をパラメータとして前記卓越周波数を算出するようにしてもよい。
本発明では、対象岩塊のサンプルがない場合であっても、対象岩塊の周辺の地質情報から推定される推定材料物性を設定し、予め岩塊と材料物性とを関連付けしたデータベースから推定材料物性に近い材料物性を取得することができ、この材料物性をパラメータとして卓越周波数を算出して、岩塊の安定度を評価することができる。
また、本発明に係る岩塊安定性評価方法に用いるプログラムは、岩盤斜面から突出する岩塊の安定性を評価する際に使用するための上述した岩塊安定性評価方法に用いるプログラムであって、前記岩塊の形状と材料とから算出された卓越周波数と、前記岩塊の背面亀裂の先端部に発生する推定応力および岩塊の引張強度の関係を示す転倒安全率との関係を示すノモグラムを表示することを特徴としている。
本発明では、岩塊の材料、形状から岩塊の卓越周波数を算出し、その卓越周波数と転倒安全率との関係を示すノモグラムを表示した後、このノモグラムを使用して実測定された岩塊の卓越振動数に対応する転倒安全率を選択し、その選択された転倒安全率を評価基準値と比較して岩塊の安定性を定量的に評価することができる。
このように本発明では、前述のノモグラムを事前に作成しておくことで、対象岩塊の卓越周波数をノモグラムの曲線に照合することにより、簡単に転倒安全率を求めることができることから、ノモグラムを使用して転倒安全率を短時間で精度の高い評価を行うことができる。
本発明の岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムによれば、安定した姿勢で計測作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
本発明の実施の形態における対象岩塊の計測の状態を模式的に示した図である。 対象岩塊の形状の計測方法について説明するための図である。 本実施の形態の岩塊安定性評価方法のうち計測方法を示すフロー図である。 転倒安全率と卓越周波数の関係を示すノモグラフの一例の図である。 転倒安全率と卓越周波数の関係を示すノモグラフの他の一例の図である。
以下、本発明の実施の形態による岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムについて、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本発明の一態様を示すものであり、この発明を限定するものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
図1及び図2に示すように、本実施の形態による岩塊安定性評価方法は、壁面1Aに対して不安定な状態で張り出している対象岩塊1を非接触センサ2と解析装置3を用いて、図3に示すフローチャートにしたがって対象岩塊1の安定性を評価するための計測を行い、さらに当該対象岩塊1の安定性を評価するものである。
図1に示すように、岩塊安定性評価方法は、岩塊1の材料、形状に関するデータを取り込む第1工程(ステップS1、S2)と、岩塊1の材料、形状から、岩塊1の卓越周波数を算出する第2工程(ステップS3)と、卓越周波数と転倒安全率との関係を算出する第3工程(ステップS3)と、岩塊1の卓越振動数を実測する第4工程(ステップS3)と、実測定された振動数に対応する転倒安全率を選択する第5工程(ステップS3)と、選択された転倒安全率を基準値と比較して岩塊1の安定度を評価する第6工程と、を有している。
上記した第1工程から第5工程までは、図3に示す計測方法となる。
計測方法では、図3に示すように、先ずステップS1〜S3において、対象岩塊1の材料物性情報および形状情報から岩塊の卓越周波数と転倒安全率との関係を推定する。
ここで、転倒安全率(後述する(1)式のn)とは、岩塊1の背面亀裂の先端部に発生する推定応力と、岩塊1の引張強度との関係を示すパラメータである。この転倒安全率の値が大きいほど岩塊1は安定しており、1以下で岩塊1が崩落すると予想される。転倒安全率と卓越周波数との関係は、岩塊1の最大径と縦横比(岩塊1の鉛直方向の長さ(縦寸法)と奥行方向の長さ(横寸法)の比)から推定される。
先ず、ステップS1では、解析用材料データ(岩塊の材料物性)の入力を行う。具体的には、ステップS10において、対象岩塊1、もしくは付近の岩塊のサンプルの入手が可能か否かを選択する。安定性の評価対象となる岩塊1について、対象岩塊1のサンプルが入手できる場合(ステップS10:YES)には、ステップS11、S12において入手した対象岩塊1の材料物性(引張強度、ヤング率、密度など)を調査する。つまり、ステップS11において、対象岩塊1(もしくはその付近の岩塊)から採取したサンプルを用いそのサンプル各材料試験を行い、材料物性(引張強度、ヤング率、密度など)を確認する。そして、ステップS12において、図1に示す解析装置3にステップS11で得られた岩塊1の材料物性のパラメータを入力する。
一方、対象岩塊1のサンプルの入手が難しい場合(ステップS10:NO)には、ステップS13において、周辺の地質情報(岩塊や地層の情報等)から対象岩塊1の材料物性(引張強度、ヤング率、密度など)を推定する。そして、予め準備しておいたデータベースに基づいて最も近い対象岩塊の材料物性を選択し、岩塊1の材料物性値を解析装置に入力する(ステップS14)。
次に、ステップS1(ステップS12又はステップS14)に続くステップS2において、対象岩塊1の形状を調査する。先ずステップS10において、対象岩塊の形状を計測することが可能か否かを選択する。対象岩塊の形状を直接計測やレーザースキャナー等で計測できる場合(ステップS20:YES)には、ステップS21において、計測した計測した鉛直方向の長さと奥行方向の長さと最大径等の岩塊形状に基づくパラメータを取得し、その形状パラメータを図1に示す解析装置3に入力する。
一方、対象岩塊の形状を計測することが不可能な場合(ステップS20:NO)には、ステップS22において、例えば岩塊の大まかな最大径の値など、対象岩塊から推定される岩塊形状を取得し、その形状パラメータを解析装置3に入力する。
また、計測が不可能であって、鉛直方向の長さと奥行方向の長さが得られない場合には、複数の縦横比について計算するか解析ソフト側で最も厳しい条件となる値を自動で選択する。
次に、ステップS3において、解析装置3に入力された対象岩塊の材料物性および岩塊形状の情報から、卓越周波数と転倒安全率との関係が算出され、現地で振動計測装置を使用して岩塊の卓越振動数を実測し、実測定された卓越振動数に対応する転倒安全率が選択される。つまり、算出された卓越周波数と転倒安全率との関係と、振動計測結果とから転倒安全率が推定される。
振動計測装置としては、レーザードップラー速度計などの非接触センサ2を遠隔から非接触で計測できるものを基本とするが、対象岩塊に直接設置する加速度計などにも対応できるものとする。
ここで、ステップS3について具体的に説明する。先ず、ステップS30において、現地に解析ツールを持っていくことが可能か否かを選択する。
ステップS30において、解析装置3を計測現場に持ち込める場合や、計測後にデータを持ち帰って評価する場合(ステップS30:YES)には、振動計測装置を使用して岩塊の卓越振動数を実測し、この現地で計測した岩塊の振動計測結果を解析装置に読み込ませることで、その卓越周波数を取得する(ステップS31)。続いて、ステップS32において、予め計算しておいた転倒安全率と卓越周波数の関係から転倒安全率を算出する。これにより計測が終了となる。
一方、解析装置を現地に持ち込むことができず、現地でも簡易な評価が行いたい場合(ステップS30:NO)には、予め解析装置3で求めた転倒安全率と卓越周波数の関係をノモグラムとして印刷しておき、それを現地に持参する(ステップS33)。そして、ステップS34において、現地で岩塊の振動計測を実施し、得られた振動計測結果(振動波形)から卓越周波数を抽出する。その後、ステップS35において、注出した卓越周波数の値とノモグラムから転倒安全率を推定する。これにより計測が終了となる。
次に、上述した計測方法による得られた転倒安全率の値の大小から、岩塊の安定性を評価する。具体的には、選択された転倒安全率を、転倒安全率における評価基準値と比較して岩塊の安定度を評価する。または、同一の岩塊に対して定期的な計測を行い、転倒安全率の変化の様子から今後の崩落危険度を予測し、維持管理に活用してもよい。
図3及び図4に示すように、転倒安全率と卓越周波数の関係を表すノモグラムについて説明する。
本実施の形態の岩塊安定性評価方法に用いるプログラムは、岩盤斜面から突出する岩塊の安定性を評価する際に使用するために用いるプログラムであって、岩塊の形状と材料とから算出された卓越周波数と、岩塊の背面亀裂の先端部に発生する推定応力および岩塊の引張強度の関係を示す転倒安全率との関係を示すノモグラムを表示するものである。
ノモグラムの作成に際しては、転倒安全率と卓越周波数が岩塊の弾性係数、密度、引張強度の影響を受けることを考慮し、(1)式で示す評価指標xを定義する。
ここで、(1)式において、nは転倒安全率、Eは岩塊の弾性係数(MPa)、ρは岩塊の密度(t/m)、strは岩塊の引張強度(MPa)、bは解析結果より推定した定数(b=0.56)である。
Figure 0006476522
上記評価指数xと卓越周波数の関係を、(2)式に示す二次関数で近似する。
ここで、fは転倒安全率がnのときの卓越周波数(Hz)であり、α、βは縦横比ごとの定数である。α、βは縦横比ごとに最小二乗法により推定したものである。縦横比ごとのα、βを表1に示す。
Figure 0006476522
Figure 0006476522
これら(1)式、(2)式を用いることで、岩塊の材料物性が分かれば、転倒安全率nと卓越周波数fの関係を得ることができる。
なお、対象岩塊の縦横比が表1にない場合には、表1の値を線形補完することで推定する。ここで、推定した転倒安全率と卓越周波数との関係は、岩塊の直径が約1mのときのものである。岩塊の大きさを反映させるためには、得られた卓越周波数に(3)式に示すγを掛ける。ここで、(3)式において、Lは対象岩塊の直径である。
Figure 0006476522
図3及び図4には、上記(1)式、(2)式を用いて作成したノモグラフの一例を示す。
図3は、花崗岩からなる岩塊のもので、縦横比(高さ/奥行)が1のものだけを示したノモグラフである。
図4のノモグラフは、花崗岩からなる岩塊のもので、複数の縦横比を表している。このようなノモグラムを事前に作成しておくことで、対象岩塊の卓越周波数を縦横比が近い曲線に照合することにより、簡単に転倒安全率を求めることができる。なお、対象岩塊の縦横比を概算できない場合には、縦横比0.6〜0.7のノモグラフを用いることで、安全側の評価を行うことができる。
以上の計算を計測システム内で行い、岩塊の材料物性や大きさに対応した転倒安全率と卓越周波数の関係を得る。この関係と遠隔非接触振動計測装置を用いた岩塊の振動計測結果から転倒安全率を求め、安定性を評価する。
次に、上述した構成の岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムの作用について具体的に説明する。
本実施の形態による岩塊安定性評価方法では、図3に示すように、岩塊1の材料、形状から岩塊1の卓越周波数を算出し、その卓越周波数と転倒安全率との関係を算出した後、実測定された岩塊の卓越振動数に対応する転倒安全率を選択し、その選択された転倒安全率を評価基準値と比較して対象岩塊1の安定性を定量的に評価することができる。そのため、対策の優先順位の決定や、対象岩塊1の崩落危険性の経時変化の調査や将来予想などといった維持管理に役立てることができる。
このように、本実施の形態では、対象岩塊1の安定性を遠隔から評価することが可能となるため、落石危険度の評価作業の効率性を向上させることができるうえ、測定作業を安定した姿勢で行うことができる。さらに、対象岩塊1の振動を遠隔で実測する方法となるので、この振動測定を常時行うことが可能であり、リアルタイムで対象岩塊の安定度を評価することができる。
また、本実施の形態では、ステップS11、S12において、対象岩塊1と同じ材料のサンプルを使用して材料試験を行うことができるので、対象岩塊1とほぼ同等の材料物性値を得ることができる。そして、この材料物性をパラメータとして卓越周波数を算出することができることから、精度の高い岩塊の安定度の評価を行うことができる。
また、本実施の形態では、ステップS13、S14において、対象岩塊1のサンプルがない場合であっても、対象岩塊1の周辺の地質情報から推定される推定材料物性を設定し、予め岩塊と材料物性とを関連付けしたデータベースから推定材料物性に近い材料物性を取得することができ、この材料物性をパラメータとして卓越周波数を算出して、岩塊の安定度を評価することができる。
さらに、本実施の形態では、ステップS21において、対象岩塊1を実測した形状をパラメータとして使用し、卓越周波数を算出することができることから、精度の高い岩塊の安定度の評価を行うことができる。
さらにまた、本実施の形態では、ステップS22において、対象岩塊の形状が計測できない場合であっても、対象岩塊1から推定される岩塊形状を取得し、岩塊形状をパラメータとして卓越周波数を算出して、岩塊の安定度を評価することができる。
また、本実施の形態では、岩塊の材料、形状から岩塊の卓越周波数を算出し、その卓越周波数と転倒安全率との関係を示すノモグラムを表示した後、このノモグラムを使用して実測定された岩塊の卓越振動数に対応する転倒安全率を選択し、その選択された転倒安全率を評価基準値と比較して岩塊の安定性を定量的に評価することができる。
このように本発明では、前述のノモグラムを事前に作成しておくことで、対象岩塊の卓越周波数をノモグラムの曲線に照合することにより、簡単に転倒安全率を求めることができることから、ノモグラムを使用して転倒安全率を短時間で精度の高い評価を行うことができる。
上述した本実施の形態による岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムでは、リアルタイムに安定した姿勢で計測作業を行うことができ、作業効率の向上を図ることができる。
以上、本発明による岩塊安定性評価方法およびこれに用いるプログラムの実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、ステップS10において対象岩塊のサンプルの有無による手順(ステップS11〜S14)と、ステップS20において対象岩塊の形状の計測可能か否かによる手順(ステップS21、S22)と、を有する作業手順に基づく評価方法となっているが、上述した手順(ステップS11〜S14、S21、S22)を必ず設けることに限定されることはない。要は、岩塊の材料、形状から前記岩塊の卓越周波数を算出することが可能であれば良いのであって、本実施の形態の手順(ステップS11〜S14、S21、S22)に代えて、岩塊の材料、形状に基づく他の方法により岩塊の卓越周波数を算出することも可能である。
また、本実施の形態では、卓越周波数と転倒安全率との関係を算出する工程において、この関係を示すノモグラムを作成する方法を採用しているが、これに限定されず、ノモグラムを使用しない方法であってもかまわない。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施の形態を適宜組み合わせてもよい。
1 岩塊
2 非接触センサ
3 解析装置

Claims (4)

  1. 岩盤斜面から突出する岩塊の安定性を評価するための岩塊安定性評価方法であって、
    岩塊の材料、形状に関するデータを取り込む工程と、
    前記岩塊の材料、形状から、前記岩塊の卓越周波数を算出する工程と、
    前記卓越周波数と、前記岩塊の背面亀裂の先端部に発生する推定応力および岩塊の引張強度の関係を示す転倒安全率との関係を算出する工程と、
    前記岩塊の卓越振動数を実測する工程と、
    実測定された卓越振動数に対応する転倒安全率を選択する工程と、
    前記選択された転倒安全率を、転倒安全率における評価基準値と比較して前記岩塊の安定度を評価する工程と、
    を有し、
    前記卓越周波数の算出に際して、
    対象岩塊の形状が計測できる場合には、計測した鉛直方向の長さと奥行き方向の長さと最大径による岩塊形状を直接計測やレーザースキャナーで取得し、該岩塊形状をパラメータとして前記卓越周波数を算出し、
    対象岩塊の形状が計測できない場合には、複数の縦横比を計算する、又は解析ソフトで最も厳しい条件となる値を自動選択することによる岩塊形状と、前記対象岩塊から推定される最大径による岩塊形状とを取得し、該岩塊形状をパラメータとして前記卓越周波数を算出することを特徴とする岩塊安定性評価方法。
  2. 前記卓越周波数の算出に際して、前記岩塊のサンプルがある場合には、
    当該サンプルを使用して前記岩塊の材料試験を行って材料物性を取得し、該材料物性をパラメータとして前記卓越周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載の岩塊安定性評価方法。
  3. 前記卓越周波数の算出に際して、前記岩塊のサンプルがない場合には、
    対象岩塊の周辺の地質情報から推定される推定材料物性を設定し、予め岩塊と材料物性とを関連付けしたデータベースから前記推定材料物性に近い材料物性を取得し、該材料物性をパラメータとして前記卓越周波数を算出することを特徴とする請求項1に記載の岩塊安定性評価方法。
  4. 岩盤斜面から突出する岩塊の安定性を評価する際に使用するための請求項1乃至のいずれか1項に記載の岩塊安定性評価方法に用いるプログラムであって、
    前記岩塊の形状と材料とから算出された卓越周波数と、前記岩塊の背面亀裂の先端部に発生する推定応力および岩塊の引張強度の関係を示す転倒安全率との関係を示すノモグラムを表示することを特徴とする岩塊安定性評価方法に用いるプログラム。
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