JP6477925B2 - 半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Description
なお、本明細書において、絶縁性樹脂膜のハジキとは、絶縁性樹脂膜について厚みのムラが生じ、絶縁性樹脂膜の下地が露出することを示す。
表面に接続端子を有した複数の半導体チップが、封止材の内部に埋め込まれた構造体を準備する工程と、
前記封止材の表面に対してプラズマ処理を施す工程と、
前記プラズマ処理を施す工程の後、前記構造体における前記半導体チップに設けられた接続端子が配されている側の面上領域に第1の絶縁性樹脂膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁性樹脂膜および前記構造体に、前記接続端子の一部を露出させる第1の開口部を形成する工程と、
露出した前記接続端子と、前記第1の絶縁性樹脂膜の少なくとも一部とを覆うように導電膜を形成する工程と、
前記導電膜の表面に第2の絶縁性樹脂膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁性樹脂膜における前記半導体チップ上に形成された領域の外部に、前記導電膜の一部を露出させる第2の開口部を形成する工程と、
を含み、
前記第1の絶縁性樹脂膜を構成する樹脂材料が、アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物であって、
懸滴法により測定した前記感光性樹脂組成物からなる液滴の表面張力が、20mN/m以上42mN/m以下である、半導体装置の製造方法が提供される。
図1〜3は、いずれも、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を説明するための図である。
本実施形態に係る半導体装置100の製造方法(以下、本製造方法とも示す。)は、図1〜3に示すように、表面に接続端子30を有した複数の半導体チップ40が、封止材10の内部に埋め込まれた構造体を準備する工程と、上記構造体における半導体チップ40の接続端子30が埋め込まれている側の面上における領域に第1の絶縁性樹脂膜60を形成する工程と、第1の絶縁性樹脂膜60および構造体に、接続端子30の一部を露出させる第1の開口部250を形成する工程と、露出した接続端子30と、第1の絶縁性樹脂膜60とを覆うように導電膜110を形成する工程と、導電膜110の表面に第2の絶縁性樹脂膜70を形成し、第2の絶縁性樹脂膜70に導電膜110の一部を露出させる第2の開口部300を形成する工程と、を含むものである。ここで、本製造方法においては、上記第2の開口部300を形成する工程において、第2の絶縁性樹脂膜70における半導体チップ40上に形成された領域の外部に第2の開口部300を形成することを特徴としている。また、本製造方法においては、上記第1の絶縁性樹脂膜60を構成する樹脂材料として、アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物であって、かかる感光性樹脂組成物からなる液滴について、懸滴法により測定した該液滴の表面張力が、20mN/m以上45mN/m以下となるものを使用することが特に重要である。
また、上記構造体において、複数の半導体チップ40は、それぞれの表面に設けられた電極パッド30がすべて同一方向を向くように、複数の半導体チップ40が封止材10の内部に埋め込まれていることが好ましい。
また、本製造方法において、上述した半導体チップ40に備わる電極パッド30上には、銅などの金属からなるピラー形状の導体部が形成されていてもよい。さらに、かかる導体部の電極パッドが配されている側とは反対側の端面にはハンダバンプが形成されていてもよい。
ここで、図1(c)に示されている構造体は、半導体チップ40における電極パッド30が配されている側とは反対側の面が封止材10に覆われた態様に係るものであるが、本製造方法においては、粘着部材200を剥離する前に、半導体チップ40における電極パッド30が配されている側とは反対側の面が露出するように封止材10を公知の方法で研磨除去する工程を有していてもよい。
また、本製造方法においては、上述したプラズマ処理に代えて、薬液処理を実施してもよいし、プラズマ処理と薬液処理の両方を実施してもよい。かかる薬液処理に使用することができる薬剤としては、たとえば、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等のアルカリ性過マンガン酸塩水溶液が挙げられる。
まず、ニッケルめっき膜を形成する。無電解ニッケルめっきを行う場合、めっき液に図2(b)に示した構造体を浸漬する。こうすることにより、電極パッド30と、第1の絶縁性樹脂膜60の表面上に導電膜110を形成できる。めっき液は、ニッケル鉛、および還元剤として、たとえば次亜リン酸塩を含んだものを用いることができる。続いて、ニッケルめっき膜の上に無電解金めっきを行う。無電解金めっきの方法は特に限定されないが、たとえば金イオンと下地金属のイオンとの置換により行う置換金めっきで行うことができる。
なお、第2の絶縁性樹脂膜70および第2の開口部300の形成方法は、上記第1の絶縁性樹脂膜60および第1の開口部250の形成方法と、同様の手法を用いることができる。また、第2の絶縁性樹脂膜70を形成する材料としては、上記第1の絶縁性樹脂膜60を形成するために用いる感光性樹脂組成物を用いることができる。
その後、図示しないが、少なくとも1つの半導体チップ40を含むように半導体装置100を、該半導体装置100に形成されたダイシングラインに沿って切断することにより、複数の半導体パッケージに個片化することができる。
上述した多層配線構造を有した半導体装置を作製する場合においても、上述した方法と同様の方法で、最外層にハンダバンプ80または、ボンディングワイヤの端部を溶融して導電膜(配線層)に融着させることにより、得られた半導体装置を電気的に接続することができる。
本実施形態に係る製造方法は、半導体チップ40における電極パッド30が配されている側の面から、かかる半導体チップ40を封止することを特徴とした手法である点で、第1の実施形態と異なる。ただし、本実施形態に係る製造方法においても、封止材10と第1の絶縁性樹脂膜60との密着性に優れた半導体装置を得ることができるという点で、第1の実施形態と同様の効果を奏する。
本製造方法について、図4〜5を参照して説明する。なお、図4〜5は、いずれも、本実施形態に係る半導体装置100の製造方法の一例を説明するための図である。
また、上述した選択的に除去するとは、支持体500の一部又は全部を除去することを指す。酸性液やアルカリ性液を用いて化学的にエッチングする方法、物理的に研磨する方法、物理的に剥離する方法、プラズマ照射法、レーザーアブレーション法等の手法を採用することができる。中でも、酸性液やアルカリ性液を用いて化学的にエッチング除去する方法が好適である。なお、このとき使用する上記酸性液の具体例としては、混酸、塩化第二鉄水溶液等が挙げられる。
また、本製造方法において、支持体500を剥離するタイミングは、図4(d)を参照して上述したタイミングに限られず、図5に示す半導体装置100を作製した後であってもよい。
本製造方法に用いる感光性樹脂組成物は、たとえば、第1の絶縁性樹脂膜60、第2の絶縁性樹脂膜70やパッシベーション膜50等の永久膜を形成するために用いられる。この場合、感光性樹脂組成物を硬化させることにより、永久膜を構成する硬化膜が得られることとなる。本実施形態においては、たとえば感光性樹脂組成物を塗布して得られる樹脂膜を露光および現像により所望の形状にパターニングした後、当該樹脂膜を熱処理等によって硬化させることにより永久膜が形成される。
本製造方法に用いる感光性樹脂組成物によれば、従来の樹脂材料と比べて、第1の絶縁性樹脂膜60を形成する際における封止材10に対する馴染みやすさ(塗布性)と、第1の絶縁性樹脂膜60の封止材10に対する接合強さ(密着性)とのバランスを高度に制御できるものと考えられる。特に、表面張力が上記数値範囲内にある感光性樹脂組成物によれば、ハジキ等の感光性樹脂組成物の塗工ムラに起因した不都合が生じることを抑制するという観点において、信頼性に優れた第1の絶縁性樹脂膜60を歩留りよく作製することができる。
これにより、第1の絶縁性樹脂膜60と、被着体である封止材10との接合界面に対して、両者を形成する材料の線膨張係数差により発生するせん断応力が作用した場合においても、結果として、かかる接合界面に剥離やクラックが生じることを防ぐことができる。具体的には、表面張力が上記数値範囲内にある感光性樹脂組成物を用いることにより、第1の絶縁性樹脂膜60と、被着体である封止材10との接合界面の剥離耐久性を、上記せん断応力に耐えうる程度まで向上させることができる。
感光性樹脂組成物の調製方法としては、たとえば各成分の混合を窒素雰囲気下にて行うことが重要であると考えられている。ただし、本実施形態に係る感光性樹脂組成物の調製方法は、これらに限定されるものではない。
まず前提として、絶縁性樹脂膜の引張伸び率と、引張弾性率といった機械的特性を向上するために、アルカリ可溶性樹脂として、例えば、後述する特定の構造を備えるものを含むことが好ましい。
ここで、特定の構造を有するアルカリ可溶性樹脂をワニス状の感光性樹脂組成物中に良く分散させるため、後述する特定の溶剤を用いることが好ましい。
また、架橋剤として、例えば、異なる2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。これにより、アルカリ可溶性樹脂同士の絡み合いを適切に制御できる。これにより、アルカリ可溶性樹脂の分散性を向上できる。
さらに、シランカップリング剤として、例えば、後述する特定の構造単位を含むものが好ましく、さらに、特定の構造のアルカリ可溶性樹脂と、特定の構造のシランカップリング剤とを組み合わせることが好ましい。
また、溶解促進剤として、例えば、後述する特定の構造単位を含むものが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物中の原料成分同士の相溶性を向上できる。
さらに、界面活性剤として、例えば、後述する特定の官能基を備えるものを用いることが好ましい。
以上の要素を適切に制御する事によって、感光性樹脂組成物からなる液滴の表面張力を適切な数値範囲内に制御することができる。
以下、感光性樹脂組成物を構成する各成分について詳述する。
アルカリ可溶性樹脂の具体例としては、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂(ポリヒドロキシスチレン)、(メタ)アクリル酸樹脂、(メタ)アクリル酸エステル樹脂等のアクリル樹脂、ポリベンゾオキサゾール前駆体およびポリイミド前駆体等のアミド結合を有する前駆体、上記前駆体を脱水閉環して得られるポリイミドやポリベンゾオキサゾール等のアミド結合を有する樹脂、ノルボルネンやシクロアルカン等の環状オレフィンモノマーの重合体(環状オレフィン系樹脂)、およびこれらの共重合体等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、感光性樹脂組成物の現像性、硬化性、密着性および成膜性や、該樹脂膜を硬化させてなる硬化膜の機械的強度や耐熱性、さらには他の部材に対する密着性を向上させる観点から、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ノルボルネンやシクロアルカン等の環状オレフィンモノマーの重合体(環状オレフィン系樹脂)、およびこれらの共重合体からなる群より選択される1種または2種以上を含むことが好ましく、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、およびこれらの共重合体からなる群より選択される1種または2種以上を含むことがより好ましい。これにより、絶縁樹脂膜のガラス転移温度、引張伸び率、引張弾性率といった機械的特性を向上でき、半導体装置の信頼性を向上できる。
また、感光性樹脂組成物により耐熱性および機械的特性のバランスに優れた硬化膜を形成する観点から、下記一般式(1)により示される繰り返し単位を有するアミド結合を有する前駆体が特に好ましい。
なお、本実施形態において、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体は、ポリアミド樹脂の一種であり、アミド結合を備える。
なお、式(1)により示されるポリアミド樹脂において、X、Y、R1〜R3、mおよびnは、それぞれ繰り返し単位毎に同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
また、式(1)により示されるアミド結合を有する前駆体がポリイミド前駆体である場合、R2の少なくとも一つはカルボキシル基である。この場合、加熱脱水または触媒を用いた脱水反応により、R2とアミド構造との間において脱水閉環(イミド化)が起こり、ポリイミド樹脂が生成される。このとき、アルカリ可溶性樹脂には、ポリイミド前駆体またはポリイミド樹脂の少なくとも一方が含まれることとなる。
なお、本実施形態において、芳香族環とは、ベンゼン環;ナフタレン環、アントラセン環、ピレン環などの縮合芳香環;ピリジン環、ピロール環などの複素芳香環などを示す。
ここで、Yとしては、例えば、その構造単位中に芳香族環を含むものが好ましい。これにより、絶縁樹脂膜のガラス転移温度、引張伸び率、引張弾性率といった機械的特性を向上でき、半導体装置の信頼性を向上できる。
ここで、式(1)で表される構造を有するアミド結合を有する前駆体において、X,Yが共に芳香族環を含むことが好ましい。これにより、前駆体の分子鎖同士が相互作用しやすくなり、絶縁樹脂膜のガラス転移温度、引張伸び率、引張弾性率といった機械的特性をさらに向上し、半導体装置の信頼性をさらに向上できる。
アルケニル基、アルキニル基、および水酸基の内から選ばれた有機基を少なくとも1個有する脂肪族基または環式化合物基を含む酸無水物またはモノカルボン酸としては、たとえばマレイン酸無水物、シトラコン酸無水物、2,3−ジメチルマレイン酸無水物、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、exo−3,6−エポキシ−1,2,3,6−テトラヒドロフタル酸無水物、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、メチル−5−ノルボルネン−2,3−ジカルボン酸無水物、イタコン酸無水物、ヘット酸無水物、5−ノルボルネン−2−カルボン酸、4−エチニルフタル酸無水物、4−フェニルエチニルフタル酸無水物、4―ヒドロキシフタル酸無水物、4―ヒドロキシ安息香酸、および3−ヒドロキシ安息香酸を挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上組み合わせて用いてもよく、末端封止したアミド部分の一部が脱水閉環していてもよい。
また、式(1)で表されるアミド結合を有する前駆体を、たとえば、300〜400℃で加熱した場合には、かかる前駆体が脱水閉環し、結果として、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、または両者の共重合体という形で耐熱性に優れた樹脂を得ることができる。
本実施形態においては、たとえば上記フェノール化合物と上記アルデヒド化合物を酸触媒の下で反応させ合成することにより、アルカリ可溶性樹脂であるフェノール樹脂が得られる。酸触媒としては、とくに限定されないが、たとえばシュウ酸、硝酸、硫酸、硫酸ジエチル、酢酸、p−トルエンスルホン酸、フェノールスルホン酸、またはベンゼンスルホン酸を用いることができる。
そして、上記環状オレフィンモノマーの具体例としては、シクロヘキセン、シクロオクテン等の単環体、ノルボルネン、ノルボルナジエン、ジシクロペンタジエン、ジヒドロジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセン、トリシクロペンタジエン、ジヒドロトリシクロペンタジエン、テトラシクロペンタジエン、ジヒドロテトラシクロペンタジエン等の多環体が挙げられる。また、これらのモノマーに官能基が結合した置換体についても、本実施形態に係る環状オレフィンモノマーとして使用することができる。
また、本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂としては、耐熱性の観点からノルボルネン系樹脂であることが好ましい。以下、本実施形態に係る環状オレフィン系樹脂がノルボルネン系樹脂である場合を例に挙げて、かかる環状オレフィン系樹脂について説明する。なお、上述したノルボルネン系樹脂は、例えば、開環メタセシス重合(ROMP)、ROMPと水素化反応との組み合わせ、ラジカルまたはカチオンによる重合、カチオン性パラジウム重合開始剤を用いた重合、これ以外の重合開始剤(例えば、ニッケルや他の遷移金属の重合開始剤)を用いた重合等、公知のすべての重合方法で得ることができる。
(1)ノルボルネン型モノマーを付加(共)重合して得られるノルボルネン型モノマーの付加(共)重合体。
(2)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との付加共重合体。
(3)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、および必要に応じて他のモノマーとの付加共重合体のような付加重合体。
上述した付加重合体は、金属触媒による配位重合、又はラジカル重合によって得られる。このうち、配位重合においては、モノマーを、遷移金属触媒存在下、溶液中で重合することによってポリマーを得ることができる。配位重合に用いる金属触媒の例としては、(トルエン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(メシレン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、(ベンゼン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(テトラヒドロ)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(エチルアセテート)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケル、ビス(ジオキサン)ビス(パーフルオロフェニル)ニッケルなどの公知の金属触媒が挙げられる。
(4)ノルボルネン型モノマーの開環(共)重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂。
(5)ノルボルネン型モノマーとエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体、および必要に応じて該(共)重合体を水素添加した樹脂。
(6)ノルボルネン型モノマーと非共役ジエン、または他のモノマーとの開環共重合体。
上述した開環重合体は、公知の開環重合法により、チタンやタングステン化合物を触媒として、少なくとも一種以上のノルボルネン型モノマ−を開環(共)重合して開環(共)重合体を製造し、次いで必要に応じて通常の水素添加方法により前記開環(共)重合体中の炭素−炭素二重結合を水素添加して熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂を製造することによって得られる。
なお、感光性樹脂組成物中における不揮発成分の割合(重量%)は、たとえば次のように測定することができる。まず、重量(w0)を測定したアルミカップ中に、試料として感光性樹脂組成物を1.0g量り取る。このとき、試料とアルミカップの全重量をw1とする。次いで、アルミカップを、210℃に調整した熱風乾燥機中で常圧下、1時間保持した後、熱風乾燥機から取り出して室温まで冷却する。次いで、冷却した試料とアルミカップの全重量(w2)を測定する。そして、以下の式から感光性樹脂組成物中における不揮発成分の割合(重量%)を算出する。
式:不揮発分(重量%)=(w2−w0)/(w1−w0)×100
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、感光剤を含有してもよい。かかる感光剤としては、光により酸を発生する化合物、すなわち光活性化合物を用いることができる。
感光剤の具体例としては、感光性ジアゾキノン化合物、感光性ジアゾナフトキノン化合物、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルホニウム塩もしくはスルホニウム・ボレート塩などのオニウム塩、2−ニトロベンジルエステル化合物、N−イミノスルホネート化合物、イミドスルホネート化合物、2,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン化合物、ジヒドロピリジン化合物等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。中でも、感度や溶剤溶解性に優れる感光性ジアゾキノン化合物や感光性ジアゾナフトキノン化合物が好ましい。これらの具体例としては、フェノール化合物の1,2−ベンゾキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸エステル、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルホン酸エステルなどが挙げられる。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、架橋剤を含有してもよい。かかる架橋剤としては、アルカリ可溶性樹脂と反応可能な基を有する化合物であれば公知のものを使用することができる。架橋剤の具体例としては、エポキシ化合物、アルコキシメチル化合物、メチロール化合物、オキセタン化合物等が挙げられる。架橋剤としては、上記具体例のうち、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。なお、架橋剤としては、上記具体例のうち、例えば、構造の異なる2種以上を組み合わせて用いるのが好ましい。これにより、2種以上の架橋構造が適切に絡まり合うことで、アルカリ可溶性樹脂の分散性を向上できる。また、感光性樹脂組成物の硬化物の引張伸び率、引張弾性率といった機械的特性をさらに向上できる。
中でも、良好な耐熱性および機械特性の優れた硬化膜を形成する観点から、架橋剤としては、例えば、アルコキシメチル化合物またはメチロール化合物を含むことが好ましい。
上記架橋剤として好適なメチロール化合物としては、具体的には、パラキシレングリコールなどが挙げられる。
本実施形態に係る感光性樹脂材料は、シランカップリング剤を含有してもよい。かかるシランカップリング剤は、有機ケイ素を含有しているものが好ましい。こうすることで、感光性樹脂組成物により形成された樹脂膜の現像時および硬化後における他の部材に対する密着性を向上させることができる。
上記シランカップリング剤の具体例としては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、及びアミノ基を有するケイ素化合物と酸二無水物または酸無水物とを反応することにより得られるケイ素化合物などが挙げられる。
このような、ポリベンゾオキサゾール前駆体、ポリイミド前駆体の構造単位と近しい構造のシランカップリング剤を含むことで、感光性樹脂組成物と、封止材とのアミド結合同士が強力に相互作用する。さらに、アルカリ可溶性樹脂、シランカップリング剤が芳香族環を備える態様においては、π電子のスタッキングによってさらに強力に相互作用する。したがって、アルカリ可溶性樹脂と、シランカップリング剤とが相互作用し、該シランカップリング剤と、封止材とが相互作用することで、感光性樹脂組成物の硬化物からなる絶縁性樹脂膜と、封止材との密着性を向上できる。また、絶縁性樹脂膜と、封止材との界面に剥離、クラックが生じにくくなり、半導体装置の信頼性を向上できる。
構造の異なるシランカップリング剤としては、例えば、上記式(S1)で示される構造単位を含むものと、上記式(S2)で示される構造単位を含むものとを含有することが好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、溶解促進剤を含有してもよい。溶解促進剤は、感光性樹脂組成物を用いて形成された塗膜の露光部の現像液に対する溶解性を向上させ、パターニング時のスカムを改善することが可能な成分である。かかる溶解促進剤としては、フェノール性水酸基を有する化合物が好ましい。
ここで、ビフェノール型の骨格を備える溶解促進剤としては、例えば、下記一般式(D1)で表されるものが好ましい、また、ビスフェノールA型の骨格を備えるものとしては、例えば、下記一般式(D2)で表されるものが好ましい。
R3からR12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、または、炭素数1以上10以下の有機基であり、
R3からR7のうち少なくとも1つ、及び、R8からR12のうち少なくとも1つは、ヒドロキシル基を含む。)
R3からR12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、または、炭素数1以上10以下の有機基であり、
R3からR7のうち少なくとも1つ、及び、R8からR12のうち少なくとも1つは、ヒドロキシル基を含む。)
なお、R3からR12は1価の有機基である。ここで、1価の有機基とは、原子価のことを示す。すなわち、R3からR12のそれぞれが他の原子と結合する結合手が1個であることを示す。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含有してもよい。本実施形態に係る界面活性剤は、たとえば、フッ素基(たとえば、フッ素化アルキル基)、シラノール基を含む化合物、またはシロキサン結合を主骨格とする化合物を含むものである。
本実施形態においては上記界面活性剤として、フッ素系界面活性剤またはシリコーン系界面活性剤を用いることがより好ましく、フッ素系界面活性剤を用いることがとくに好ましい。かかるフッ素系界面活性剤の具体例としては、DIC社製のメガファックF−171、F−173、F−444、F−470、F−471、F−475、F−482、F−477、F−554、F−556およびF−557、住友スリーエム社製のノベックFC4430およびFC4432等が挙げられる。なお、フッ素系界面活性剤とは、フッ素基を備える界面活性剤を示す。
界面活性剤としては、例えば、フッ素系界面活性剤を含むことが好ましい。これにより、感光性樹脂組成物中の原料成分のなじみを向上できる。したがって、アルカリ可溶性樹脂の分散性を向上できる。また、フッ素系界面活性剤を含むことで、封止材10に対する、感光性樹脂組成物のなじみを向上できる。したがって、塗布性を向上できる。
感光性樹脂組成物は、溶剤を含有してもよい。この場合、感光性樹脂組成物は、たとえばワニス状となる。
かかる溶剤の具体例としては、N−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトン(GBL)、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、メチル−1,3−ブチレングリコールアセテート、1,3−ブチレングリコール−3−モノメチルエーテル、ピルビン酸メチル、およびピルビン酸エチル及びメチル−3−メトキシプロピオネート等が挙げられる。これらは、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶剤としては、上記具体例のうち、例えば、エステル結合を備えるものが好ましい。また、エステル結合を備える溶剤としては、例えば、複素環式化合物が好ましい。複素環式化合物としては、例えば、ラクトン環を含むものが好ましい。
本発明者らは、アルカリ可溶性樹脂と、溶剤との組み合わせについて検討した。その結果、アルカリ可溶性樹脂として、構造単位中に芳香族環を含むものは、溶剤に対する分散性が低かった。アルカリ可溶性樹脂の分散性が低い従来の感光性樹脂組成物において、感光性樹脂組成物からなる液滴の表面張力は、上述した特定の数値範囲内とならない。この場合、感光性樹脂組成物の塗布性が低く、半導体装置を作成できなかった。また、塗布を工夫し、半導体装置を作製したとしても、絶縁性樹脂膜と、封止材との密着性が低く、さらに、半導体装置の信頼性が低下してしまうという不都合があった。そこで、本発明者らが、その構造単位中に芳香族環を含むアルカリ可溶性樹脂を好適に分散できる溶剤について検討した結果、上述する特定の官能基、構造を備える溶剤は、アルカリ可溶性樹脂の分散性に優れることが判明した。
本実施形態に係る半導体封止用樹脂組成物としては、たとえば、熱硬化性樹脂と、無機充填材と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物が挙げられる。
熱硬化性樹脂の具体例としては、フェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂、トリアジン骨格含有フェノールノボラック樹脂などのノボラック型フェノール樹脂;未変性のレゾールフェノール樹脂、桐油、アマニ油、クルミ油などで変性した油変性レゾールフェノール樹脂などのレゾール型フェノール樹脂などのフェノール樹脂;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂などのビスフェノール型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂;ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、アリールアルキレン型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノキシ型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、ノルボルネン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂などのエポキシ樹脂;ユリア(尿素)樹脂、メラミン樹脂などのトリアジン環を有する樹脂;不飽和ポリエステル樹脂;ビスマレイミド化合物などのマレイミド樹脂;ポリウレタン樹脂;ジアリルフタレート樹脂;シリコーン樹脂;ベンゾオキサジン樹脂;シアネートエステル樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ベンゾシクロブテン樹脂、ノボラック型シアネート樹脂、ビスフェノールA型シアネート樹脂、ビスフェノールE型シアネート樹脂、テトラメチルビスフェノールF型シアネート樹脂等のビスフェノール型シアネート樹脂などが挙げられる。これらの中の1種類を単独で用いてもよいし、異なる重量平均分子量を有する2種類以上を併用してもよく、1種類または2種類以上と、それらのプレポリマーを併用してもよい。
半導体封止用樹脂組成物がパラフィン系ワックスなどの離型剤を含む場合、従来の感光性樹脂組成物と、半導体封止用樹脂組成物との親和性が悪く、塗布性に劣るという不都合があった。しかしながら、本実施形態にかかる感光性樹脂組成物は、半導体封止用樹脂組成物との親和性が高いため、半導体封止用樹脂組成物が離型剤を含む場合でも好適な塗布性を発現できる観点で都合がよい。
また、半導体封止用樹脂組成物は、例えば、シランカップリング剤を含むことが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物と、感光性樹脂組成物との親和性を向上でき、感光性樹脂組成物の塗布性を向上できる。なお、感光性樹脂組成物が、上記式(S1)または式(S2)で示される構造単位を含む場合、封止用樹脂組成物は、シランカップリング剤としてアミノシランを含むことが好ましい。これにより、封止用樹脂組成物と、感光性樹脂組成物との中に含まれるシランカップリング剤同士がアミド結合に由来する相互作用をし、さらに塗布性を向上できる。
本実施形態に係る粘着部材200は、半導体チップ40を接着できるものであれば、特に限定されないが、たとえば、支持フィルムと粘着剤層で構成されているものでもよい。
・アルカリ可溶性樹脂(A−1)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコ内に、206.6g(0.8mol)のジフェニルエーテル−4,4'−ジカルボン酸と245.0g(1.6mol)の1−ヒドロキシ−1,2,3−ベンゾトリアゾール・一水和物とを反応させて得られたジカルボン酸誘導体の混合物422.8g(0.8mol)と、232.5g(0.9mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、23.2g(0.200mol)の3−アミノ−5−メルカプト−1、2、4−トリアゾールと、を入れた。その後、上記セパラブルフラスコ内に1583gのN−メチル−2−ピロリドンを加え、各原料成分を溶解させた。次に、オイルバスを用い、90℃で5時間反応させた。次いで、上記セパラブルフラスコ内に68.9g(0.4mol)の4−エチニルフタル酸無水物と、68.9gのN−メチル−2−ピロリドンとを加え、90℃で3時間攪拌しながら反応させた後、23℃まで冷却して反応を終了させた。
・アルカリ可溶性樹脂(A−2)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコ内に、129.2g(0.5mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを入れた。その後、上記セパラブルフラスコ内に1290mLのアセトンを加え、2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンを溶解させた。次に、予め185.6g(1.0mol)の4−ニトロベンゾイルクロリドをアセトン100mLに溶解させて得られた溶液を、温度が20℃未満となるように冷却しながら上記セパラブルフラスコ内に30分かけて滴下混合した。次いで、得られた混合液の温度を40℃に加熱してから2時間撹拌した後に、138.0g(1.0mol)の炭酸カリウムを徐々に添加してから、さらに2時間撹拌した。その後、混合液を加熱することなく、室温でさらに18時間撹拌した。次に、混合液を激しく撹拌しながら水酸化ナトリウム水溶液を徐々に添加した後、55℃に加温してさらに30分間撹拌した。撹拌終了後、混合液を室温まで冷却してから、かかる混合液のpHが6.0〜7.0の範囲になるよう10重量%の塩酸水溶液を用いてpH調整を行った。次に、混合液中に析出した析出物を濾別して得られた濾液を水で洗浄した後、60〜70℃の温度で乾燥させ、ビス−N,N'−(パラ−ニトロベンゾイル)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンの固体を得た。
・アルカリ可溶性樹脂(A−3)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製セパラブルフラスコ内に、232.5g(0.9mol)の2,2−ビス(3−アミノ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンと、23.2g(0.200mol)の3−アミノ−5−メルカプト−1、2、4−トリアゾールとを入れた。次に、かかるセパラブルフラスコ内に、597gのN−メチル−2−ピロリドンを添加し溶解させた。次に、118.0g(0.4mol)の4,4'−オキシジベンゾイルクロリドと、95.7g(0.4mol)のセバシン酸ジクロリドとをN−メチル−2−ピロリドン499gに予め溶解させて得た溶液を、温度が20℃未満になるよう冷却しながら上記セパラブルフラスコ内に30分かけて滴下した。滴下終了後、室温で24時間撹拌した。次に、68.9g(0.4mol)の4−エチニルフタル酸無水物と、68.9gのN−メチル−2−ピロリドンとを加え、さらに24時間攪拌混合してから反応を終了させた。
・アルカリ可溶性樹脂(A−4)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口および乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のガラス製丸底フラスコ内に、100.1g(0.50mol)の4,4−ジヒドロキシジフェニルメタンと、63.1g(0.50mol)のフロログルシノールと、169.6g(0.7mol)の4,4'−ビス(メトキシメチル)ビフェニルと、7.7g(0.05mol)のジエチル硫酸と、340gのγ−ブチロラクトンとを仕込んだ後、かかる丸底フラスコを油浴し、反応液を還流させながら100℃で6時間の重縮合反応を行った。次に、得られた反応液を室温まで冷却した後、800gのγ−ブチロラクトンを丸底フラスコ内に添加し均一になるまで撹拌混合した。その後、丸底フラスコ内にある反応液を水10Lに滴下混合することにより、樹脂成分を析出させた。次に、析出した樹脂成分を濾別して回収した後、50℃での真空乾燥を行うことにより、下記式(7)で表されるフェノール樹脂を、アルカリ可溶性樹脂(A−4)として得た。得られたアルカリ可溶性樹脂(A−4)の重量平均分子量は、9,800であった。
・感光剤(B−1)の合成
温度計、攪拌機、原料投入口、乾燥窒素ガス導入管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ内に、11.04g(0.026mol)のTrisP−PA(本州化学社製)と、18.81g(0.070mol)の1,2−ナフトキノン−2−ジアジド−4−スルホニルクロライドと、170gのアセトンとを入れて、撹拌することにより溶解させた。
次いで、ウォーターバスを用いて、反応溶液の温度が35℃以上にならないようにフラスコを冷やしながら、かかるフラスコ内に、トリエチルアミン7.78g(0.077mol)およびアセトン5.5gの混合溶液をゆっくり滴下混合した。滴下後、室温で3時間反応させ、1.05g(0.017mol)の酢酸を添加しさらに30分反応させた。
次いで、セパラブルフラスコ内にある反応混合物を濾過して得られた濾液を、990mLの水と10mLの酢酸とからなる混合溶液に投入した。その後、沈殿物を濾別し、水で充分洗浄した後に、真空条件下、かかる沈殿物を乾燥させた。このようにして、下記式(8)で表されるジアゾナフトキノン化合物を、感光剤(B−1)として得た。
・シランカップリング剤(D−2)の合成
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器内で、45.6g(300mmol)のシクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物を970gのγ−ブチルラクトンに溶解させ、恒温槽を用いて溶液の温度が30℃となるように温度調整を行った。次いで、62g(280mmol)の3−アミノプロピルトリエトキシシランを60分かけて、反応容器内に滴下混合した。滴下終了後、30℃で18時間撹拌混合することにより、下記式(9)で表されるシランカップリング剤(D−2)を得た。
・シランカップリング剤(D−3)の合成
撹拌機および冷却管を備えた適切なサイズの反応容器内で、32.2g(100mmol)の,3',4,4'−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物を669gのγ−ブチルラクトンに溶解させ、恒温槽を用いて溶液の温度が30℃となるように温度調整を行った。次いで、42.1g(190mmol)の3−アミノプロピルトリエトキシシランを60分かけて、反応容器内に滴下混合した。滴下終了後、30℃で18時間撹拌混合することにより、下記式(10)で表されるシランカップリング剤(D−3)を得た。
各実施例、各比較例の半導体装置の製造に用いた感光性樹脂組成物を作製した。以下、詳細を説明する。
まず、下記表1に示す配合量に従って溶剤(G)以外の各原料成分を、調合後の粘度が約500mPa・sとなるように、下記表1に示す量の溶剤(G)に溶解させてから、窒素雰囲気下で撹拌した。その後、孔径0.2μmのポリエチレン製フィルターで濾過して得られた濾液を、ワニス状の感光性樹脂組成物として得た。
感光性樹脂組成物の原料成分を下記に示す。
・アルカリ可溶性樹脂A−1:上記合成例1により得られたアルカリ可溶性樹脂(A−1)(ポリアミド樹脂)
・アルカリ可溶性樹脂A−2:上記合成例2により得られたアルカリ可溶性樹脂(A−2)(ポリアミド樹脂)
・アルカリ可溶性樹脂A−3:上記合成例3により得られたアルカリ可溶性樹脂(A−3)(ポリアミド樹脂)
・アルカリ可溶性樹脂A−4:上記合成例4により得られたアルカリ可溶性樹脂(A−4)(フェノール樹脂)
・アルカリ可溶性樹脂A−5:ポリヒドロキシスチレン樹脂(丸善石油社製、マルカリンカーS−1P)
・感光剤B−1:上記合成例5により得られた感光剤(B−1)(ジアゾナフトキノン化合物)
・熱架橋剤C−1:パラキシレングリコール(東京化成工業社製、下記式(11)中の(C−1))
・熱架橋剤C−2:テトラメトキシメチルグリコールウリル(三和ケミカル社製、ニカラック MX−270、下記式(11)中の(C−2))
・シランカップリング剤D−1:3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン(信越シリコーン社製)
・シランカップリング剤D−2:上記合成例6により得られたシランカップリング剤
・シランカップリング剤D−3:上記合成例7により得られたシランカップリング剤
・溶解促進剤E−1:4,4'−ビフェノール(本州化学社製、下記式(12)中の(E−1))
・溶解促進剤E−2:2,2'−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン(本州化学社製、Bis−26X−A、下記式(12)中の(E−2))
・界面活性剤F−1:フッ素系界面活性剤(DIC社製、メガファックF−556)
・界面活性剤F−2:フッ素系界面活性剤(住友スリーエム社製、FC4430)
・溶剤G−1:γ−ブチロラクトン(GBL)
・溶剤G−2:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
・溶剤G−3:ホルムアミド
まず、ワニス状の感光性樹脂組成物を18Gのニードルがついたシリンジに充填し、全自動接触角計(協和界面化学社製、DM−901)を用いて、かかる感光性樹脂組成物からなる5μLの液滴を作成した。次いで、young−Laplace法により、作製した液滴の形状を解析して該液滴の表面張力を測定した。
評価結果を下記表1に示す。
評価結果を下記表1に示す。
各実施例に係る半導体装置は、以下の方法で作製した。
まず、表面にアルミ回路を備えており、かつ10mm×10mmの大きさにダイシングした模擬素子ウエハを、熱剥離性フィルムを貼ったSUS製のキャリアーにおける上記フィルムが貼り付けられている側の面上に、縦横それぞれ10mmの間隔を空けて配置した。このとき、模擬素子ウエハにおいてアルミ回路が、上記熱剥離性フィルムと対向する側の面を向くように、かかる模擬素子ウエハを配置する。次に、圧縮成形機を用いて、金型温度125℃、成形圧力5MPa、硬化時間10分の条件で、模擬素子ウエハを埋設するように、エポキシ樹脂組成物(住友ベークライト社製)の硬化物からなる封止材を成形した。なお、エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂として多官能エポキシ樹脂と、硬化剤として多官能フェノール樹脂と、無機充填材としてシリカと、カップリング剤としてアミノシランカップリング剤と、離型剤としてパラフィン系ワックスとを含むものであった。
次に、200℃に熱したホットプレートを用いて熱剥離性フィルムを、加熱しながらキャリアーから剥離し、その後、175℃、4時間の条件で後硬化(ポストキュア)することにより、図1(c)に示す半導体チップを内蔵した封止材樹脂基板(複数の半導体チップが封止材の内部に埋め込まれた構造体、以下、チップ内蔵封止材樹脂基板ともいう。)を得た。
まず、上述した方法で得られたチップ内蔵封止材樹脂基板における半導体チップが配されている側の面に対して、バッチ式プラズマ処理装置(March社製、AP−1000)を用い、出力エネルギー800W、ガス量200sccm、時間1分の条件で、酸素プラズマ処理を施した。次に、スピンコーターを用いて、チップ内蔵封止材樹脂基板における半導体チップが配されている側の面に対して、上述した方法で作製したワニス状の感光性樹脂組成物を塗布した後、ホットプレートで120℃、4分間のプリベーク処理を行うことにより、膜厚約9.0μmの樹脂膜を形成した。次いで、半導体チップのアルミ回路に対し、フォトマスクを介して、ブロードバンド露光機(マイクロテック社製、MA−8 SUSS)を用いて十分な露光処理を行った。その後、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中において、樹脂膜の膜厚に関し、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚との差が1.5μmとなるように、現像時間を調節しながら2回のパドル現像処理を行うことで露光部を溶解除去してから、純水で10秒間リンスした。その後、酸素雰囲気下、230℃、90分の条件で熱処理して硬化させることにより、アルミ回路の一部を露出させるように開口部が設けられた絶縁性樹脂膜を作製した。以下、上記絶縁性樹脂膜を備えたチップ内蔵封止材樹脂基板のことを、樹脂膜付き封止材基板とも示す。
なお、実施例12は、実施例1と同じ感光性樹脂組成物を用いて、樹脂膜の硬化条件を酸素雰囲気下、温度180℃で30分間とすることで絶縁性樹脂膜を作製した。
また、実施例13は、実施例1と同じ感光性樹脂組成物を用いて、樹脂膜の硬化条件を酸素雰囲気下、温度250℃で30分間とすることで絶縁性樹脂膜を作製した。
上述した方法で得られた樹脂膜付き封止材基板における、開口部内に露出したアルミ回路と、絶縁性樹脂膜との上部に、スパッタ装置とレジストとを用いて、500ÅのTi膜と、3000ÅのCu膜とをこの順で取り付けてなるスパッタ膜を形成した。次に、上記スパッタ膜上に、Cuを用いて厚み7μmのめっき膜を形成した。その後、レジストを除去してから、上記スパッタ層を薬液でエッチングすることにより、Cuからなる配線層(Cu配線層)を有したCu配線層付き封止材基板を得た。
上述した方法で得られたCu配線層付き封止材基板におけるCu配線層が配されている側の面に対して、バッチ式プラズマ処理装置(March社製、AP−1000)を用い、出力エネルギー800W、ガス量200sccm、時間1分の条件で、酸素プラズマ処理を施した。次に、スピンコーターを用いて、Cu配線層付き封止材基板におけるCu配線層が配されている側の面に対して、上述した方法で作製したワニス状の感光性樹脂組成物を塗布した後、ホットプレートで120℃、4分間のプリベーク処理を行うことにより、膜厚約11.0μmの樹脂膜を形成した。次いで、Cu配線層付き封止材基板において半導体チップが配されている領域外に形成されているCu配線層の一部に、フォトマスクを介して、ブロードバンド露光機(マイクロテック社製、MA−8 SUSS)を用いて十分な露光処理を行った。その後、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液中において、樹脂膜の膜厚に関し、プリベーク後の膜厚と現像後の膜厚との差が1.5μmとなるように、現像時間を調節しながら2回のパドル現像処理を行うことで露光部を溶解除去してから、純水で10秒間リンスした。その後、酸素雰囲気下、230℃、90分の条件で熱処理して硬化させることにより、Cu配線層の一部を露出させるように開口部が設けられた絶縁性樹脂膜を作製し、所望の半導体装置を得た。
◎:半導体チップ内蔵封止材樹脂基板の表面全域に良好な形状の樹脂膜が形成されていた。
○:半導体チップ内蔵封止材樹脂基板の端から5mm以内の領域にハジキが発生していることが確認されたが、実用上問題ない程度のレベルであった。
×:半導体チップ内蔵封止材樹脂基板の端から5mmより大きく離れた領域に実用上問題があるレベルのハジキが発生していることが確認された。
次に、得られた上記樹脂膜に対して、カッターを用いて、縦横に1mm間隔で11個ずつ切れこみを入れた。このようにして、100個の独立した樹脂膜を有する構造体を得た。次に、得られた構造体に対して、プレッシャークッカーテスター装置を用いて、125℃、相対湿度100%、300時間の処理(プレッシャークッカー処理)を行なった。次に、上記処理後の構造体における樹脂膜に対して、接着力が3N/10mm以上のセロテープ(商標登録)を十分に貼り付けてから該テープを剥離するという剥離試験を実施した。以下の表1は、上記剥離試験により剥離した樹脂膜の数を示す。
なお、比較例1に係るワニス状の感光性樹脂組成物は、半導体チップ内蔵封止材樹脂基板に対して、ハジキが生じるため、膜厚が10μmとなるように塗布できなかった。したがって、密着性の評価は行わなかった。
評価結果は下記の通りとした。
◎:10個すべての半導体装置において剥離及びクラックが観察されなかった。
○:10個中1個の半導体装置において剥離またはクラックが観察された。
△:10個中2個の半導体装置において剥離またはクラックが観察されたが、歩留り上問題の無いものであった。
×:10個中3個以上の半導体装置において剥離またはクラックが観察された。
なお、比較例1に係るワニス状の感光性樹脂組成物は、半導体チップ内蔵封止材樹脂基板に対して、ハジキが生じるため、膜厚約9.0μmとなるように塗布できなかった。したがって、半導体装置を作成できなかったため、信頼性の評価は行わなかった。
また、比較例1の感光性樹脂組成物を用いた場合、ハジキが発生してしまうことに起因し、封止材上に所望の絶縁性樹脂膜を形成することはできなかった。すなわち、比較例1の感光性樹脂組成物を用いた場合、所望の半導体装置を作製することはできなかった。
また、比較例2の半導体装置として、上述した実施例1と同じ感光性樹脂組成物を用いて、酸素プラズマ処理を行わずに、実施例1と同様の方法で半導体装置を作製した。
具体的には、第1の絶縁性樹脂膜を形成する際、チップ内蔵封止材樹脂基板における半導体チップが配されている側の面に対して、酸素プラズマ処理を行わなかった。また、第2の絶縁性樹脂膜を形成する際に、Cu配線層付き封止材基板におけるCu配線層が配されている側の面に対して、酸素プラズマ処理を行わなかった。これら以外については、実施例1と同様の方法で半導体装置を作成し、比較例2の半導体装置を得た。
Claims (16)
- 表面に接続端子を有した複数の半導体チップが、封止材の内部に埋め込まれた構造体を準備する工程と、
前記封止材の表面に対してプラズマ処理を施す工程と、
前記プラズマ処理を施す工程の後、前記構造体における前記半導体チップに設けられた接続端子が配されている側の面上領域に第1の絶縁性樹脂膜を形成する工程と、
前記第1の絶縁性樹脂膜および前記構造体に、前記接続端子の一部を露出させる第1の開口部を形成する工程と、
露出した前記接続端子と、前記第1の絶縁性樹脂膜の少なくとも一部とを覆うように導電膜を形成する工程と、
前記導電膜の表面に第2の絶縁性樹脂膜を形成する工程と、
前記第2の絶縁性樹脂膜における前記半導体チップ上に形成された領域の外部に、前記導電膜の一部を露出させる第2の開口部を形成する工程と、
を含み、
前記第1の絶縁性樹脂膜を構成する樹脂材料が、アルカリ可溶性樹脂を含む感光性樹脂組成物であって、
懸滴法により測定した前記感光性樹脂組成物からなる液滴の表面張力が、20mN/m以上42mN/m以下である、半導体装置の製造方法。 - 前記アルカリ可溶性樹脂が、フェノール樹脂、ヒドロキシスチレン樹脂、ポリイミド、ポリイミド前駆体、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサゾール前駆体、環状オレフィン系樹脂、およびこれらの共重合体からなる群より選択される1種または2種以上を含む、請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記アルカリ可溶性樹脂が、前記ポリイミド前駆体、または、前記ポリベンゾオキサゾール前駆体を含み、
前記ポリイミド前駆体及び前記ポリベンゾオキサゾール前駆体は、その構造単位中に芳香族環を含む、請求項2に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記感光性樹脂組成物を、230℃、90分の条件で熱処理することにより得られた10mm×60mm×10μm厚の硬化物を試験片として用い、23℃、延伸速度5mm/分の条件でJIS K7161に準拠した方法により引張試験を行った際における、前記試験片の引張伸び率が20%以上200%以下である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記感光性樹脂組成物を、230℃、90分の条件で熱処理することにより得られた硬化物のガラス転移温度が180℃以上である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記第2の絶縁性樹脂膜を構成する樹脂材料が、前記感光性樹脂組成物である、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記封止材が、エポキシ樹脂と、無機充填材と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物の硬化物である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記感光性樹脂組成物は、感光剤をさらに含み、
前記感光剤は、光活性化合物である、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記感光性樹脂組成物は、架橋剤をさらに含み、
前記架橋剤は、エポキシ化合物、アルコキシメチル化合物、メチロール化合物、及び、オキセタン化合物から選択される1種又は2種以上である、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記架橋剤は、構造の異なる2種以上を含む、請求項9に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記シランカップリング剤は、構造の異なる2種以上を含む、請求項11に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記感光性樹脂組成物は、溶解促進剤を更に含み、
前記溶解促進剤は、下記一般式(D1)または下記一般式(D2)で表されるものを含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
(上記一般式(D1)中、
R3からR12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、または、炭素数1以上10以下の有機基であり、
R3からR7のうち少なくとも1つ、及び、R8からR12のうち少なくとも1つは、ヒドロキシル基を含む。)
(上記一般式(D2)中、
R3からR12は、それぞれ独立して、水素、ヒドロキシル基、または、炭素数1以上10以下の有機基であり、
R3からR7のうち少なくとも1つ、及び、R8からR12のうち少なくとも1つは、ヒドロキシル基を含む。) - 前記感光性樹脂組成物は、界面活性剤を更に含み、
前記界面活性剤は、フッ素系界面活性剤を含む、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記感光性樹脂組成物は、溶剤を更に含み、
前記溶剤は、エステル結合を備える、請求項1乃至14のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。 - 前記第1の絶縁性樹脂膜を形成する工程において、前記感光性樹脂組成物をスピンコート法またはスリットコート法により塗布する方法を用いる、請求項1乃至15のいずれか一項に記載の半導体装置の製造方法。
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