以下、図面を参照して、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
なお、以下の説明で、撮影者(使用者)側から見た状態で前後方向、上下方向、左右方向を示し、被写体側を前方、撮影者側を後方とする。
(第1の実施形態)
図1乃至図4を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。
本実施形態では、水中無線LAN通信システム1は、防水撮像端末2(第1の無線LAN装置)、携帯端末3(第2の無線LAN装置)と通信用ケーブル4(水中無線LAN通信具)とから構成される。
ここで、防水撮像端末2と携帯端末3とは、いずれもWi―Fi(登録商標)認証を受けた無線LAN装置であり、互いに連携操作がされる。防水撮像端末2と携帯端末3とを無線LAN通信接続することにより、通常の空気中における使用においてはコードレスで、携帯端末3による防水撮像端末2の操作が可能となる。すなわち、防水撮像端末2の撮影前の画角や、撮影中の撮像映像又は撮影後の再生映像等について、携帯端末3の画面上で確認することが可能となる。また、防水撮像端末2の撮像、撮像停止、再生等について、携帯端末3により指示して操作することが可能となる。
図1は、防水撮像端末2と携帯端末3とが通信用ケーブル4により接続され、防水撮像端末2が水面S下であって水中に位置し、魚F等を撮像している状態を示す斜視図である。図2は、通信用ケーブル4の詳細を示す斜視図である。図3は、水中無線LAN通信システム1の主要構成の回路を示すブロック図である。図4は、水中無線LAN通信システム1を使用者Uが使用している一例を示す模式図である。
水中無線LAN通信システム1の各部の詳細について、まず、防水撮像端末2について説明する。
図1に示すように、防水撮像端末2は、いわゆるスポーツカメラ等と呼ばれている防水型デジタルカメラであり、水深5mから10mくらいまでの水圧に耐えうる防水構造を有している。防水撮像端末2は、動画又は/及び静止画を撮像して記録し、再生をする機能を有している。防水撮像端末2は、奥行の長い略直方体の形状の水密なケース(外殻体)2aを有し、ケース2aの前面には撮像レンズ2b、上面の前面側には記録ボタン2cがそれぞれ水密に設けられている。また、左右それぞれ側面の前面側には、図示されない防水マイク2d、2dが設けられている。なお、ケース2aの材料には、ポリカーボネイト樹脂やガラス繊維入りのナイロン樹脂等の丈夫で剛性の高い樹脂が用いられる。
防水撮像端末2は、図示されない無線LAN通信用の撮像端末アンテナ部(第1の無線LAN装置のアンテナ部)2eをケース2aの内部に備えている。撮像端末アンテナ部2eは、図1に示すケース2a上面の前面側にある記録ボタン2cの、更に前面側の位置の内面側に設けられている。すなわち、ユーザーUが防水撮像端末2を持ち記録ボタン2cを指で操作しているときに、撮像端末アンテナ部2eを手で覆わないような位置に、撮像端末アンテナ部2eは配設されている。持った手の指等により撮像端末アンテナ部2eが被われ、手によって無線LAN信号が吸収される可能性を低くするためである。
図3に示すように、防水撮像端末2は、他に、撮像素子2f、映像信号処理回路2g、音声信号処理回路2h、操作部2i、制御部2j、メモリ2kと無線通信部2nとを有している。なお、防水撮像端末2は、また更に、撮像している画像の内容を確認する等のための、表示部等を有していてもよいことは勿論である。
図3に示すように、撮像レンズ2bで撮像された映像は、撮像素子2fと映像信号処理回路2gにより信号処理され、制御部2jに入力される。また、防水マイク2dで収音された音声は、音声信号処理回路2hにより信号処理され、制御部2jに入力される。記録ボタン2cと図示されない他の操作をするためのボタン等を含む操作部2iの操作内容は、制御部2jに入力される。映像や音声等のデジタル信号は、制御部2jに接続されたメモリ2kにより記録され、また再生される。無線通信部2nは、デジタル信号を無線LAN信号に変換し、又は無線LAN信号をデジタル信号に変換する。制御部2jは、無線通信部2nを介して、撮像端末アンテナ部2eにより無線LAN通信を行う。
次に、携帯端末3について説明する。
図1に示すように、本実施形態では、水中無線LAN通信システム1を構成する携帯端末3はスマートフォンであり、略矩形で扁平な形状のケース(外殻体)3aを有している。前面左上部には被写体撮影用の撮像レンズ3bが配設される。(なお、水中無線LAN通信システム1としては、この撮像レンズ3bの使用はされない。)後面には、図示されないタッチパネル付の表示部3cが配設される。このタッチパネルと、後面及び側面等に設けられた図示されない操作ボタンにより、操作部3dが形成される。
携帯端末3は図示されない無線LAN通信用の携帯端末アンテナ部(第2の無線LAN装置のアンテナ部)3eをケース3aの内部に備える。携帯端末アンテナ部3eは、図1に示すケース3aの前面左上部に設けられた撮像レンズ3bの少し中央よりの位置のケース3aの内面側に配設されている。すなわち、ユーザーUが携帯端末3を保持して指等で操作しているときに、携帯端末アンテナ部3eを手で覆わないような位置に、携帯端末アンテナ部3eは配設されている。持った手の指等により携帯端末アンテナ3eが被われ、手によって無線LAN信号が吸収される可能性を低くするためである。
携帯端末3のケース3aの前面部分は、一部を除き薄板状のアルミニウム等の金属で構成されている。ケース3aの前面部分の携帯端末アンテナ部3e近傍を覆っている部分は、金属ではなく、ガラスや樹脂等の非金属の材質からなる。金属製のケース3aは、無線LAN信号を遮るからである。携帯端末アンテナ部3e近傍を覆っている部分は非金属の材質から構成されるので、無線LAN信号は、ケース3aの前面部分に遮られることなく、通過する。
図3に示すように、携帯端末3は、他に、スピーカ3f、映像信号処理回路3g、音声信号処理回路3h、制御部3j、メモリ3kと無線通信部3nとを有している。なお、記載は省略しているが、携帯端末3はスマートフォンであるので、いわゆるスマートフォンとしての一般的な機能等のための回路を有しているということは勿論である。
図3に示すように、制御部3jは、無線通信部3nを介して、撮像端末アンテナ部3eにより無線LAN通信を行う。無線通信部3nは無線LAN信号をデジタル信号に変換し、又はデジタル信号を無線LAN信号に変換する。操作部3dの操作により、受信された映像や音声等のデジタル信号は、制御部3jに接続されたメモリ3kにより記録され、又は再生される。また、受信された映像や音声等のデジタル信号は、映像信号処理回路3gを介して表示部3cに表示され、音声信号処理回路3hを介してスピーカ3fにより音声として出力される。
図3に示すように、防水撮像端末2の撮像、撮像停止、再生等の指示について、操作部3dの操作が行われると、操作部2iの操作内容は、制御部2jに入力される。制御部2jは、無線通信部2nを介して、撮像端末アンテナ部2eにより無線LAN通信を行い、指示内容を伝送する。
また次に、通信用ケーブル4について説明する。
図1に示すように、通信用ケーブル4は、ケーブル部4aと、ケーブル部4aの両端にそれぞれ接続された第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cとを有する。第1のアンテナ部4bは防水撮像端末2に接合され、第2のアンテナ部4cは携帯端末3に接合される。本実施形態では、第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cとは、略矩形で扁平な板状の形状をなし、樹脂等の非電導体で覆われ、同一の形状及び構成を有している。
図2に示すように、第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cとの内部には、無線LAN信号を送受信可能な略Ω(オメガ)型の形状をしたループアンテナであるアンテナ本体4d、4dが配設されている。また、ケーブル部4aは、芯線4eとその外周に配された網組み線4fを有する可撓性の同軸ケーブル(電線)で構成される。同軸ケーブルの芯線4eと網組み線4fは、アンテナ本体4dの2つの端部の根本の部分に、半田付け等により通電可能に接続される。
ここで、アンテナ本体4dは、金属板状のものを用いてもよいし、フィルム上にアンテナが金属薄膜等で形成されているフィルムアンテナを用いてもよい。また、ワイヤー等をリング形等にフォーミングして用いてもよいし、ケーブル部4aの端部の電線をそのまま使用し、フォーミングして用いてもよい。
また、ケーブル部4aに同軸ケーブルを用いたが、アンテナ本体4dで受信した無線LAN信号をそのまま伝達することができるものであれば、他の種類の電線を用いてもよい。
第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cとは、一般的なインサート成形により、形成されている。すなわち、まず同軸ケーブルが接続されたアンテナ本体4dを、金型内に装填する。次に、樹脂を金型に注入し充填して、アンテナ本体4dを溶融樹脂で包んで固化させ、一体化させる。本実施形態では、金型に注入する樹脂として、ポリカーボネイト樹脂やABS(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)樹脂等の、丈夫で剛性の高い樹脂が用いている。
図2に示すように、ケーブル部4aの両端の部分には、筒状のケーブル保護ブッシュ部4g、4gが設けられ、ケーブル部4aの両端の付け根部を保護している。このケーブル保護ブッシュ部4gは、別部品を結合させたり、アンテナ本体4d等と一緒にインサート成形させたりしてもよい。注入する樹脂に可撓性のあるものを使用する場合には、第1のアンテナ部4b、第2のアンテナ部4cと一体に成型することにより、ケーブル保護ブッシュ部4g、4gを形成するようにしてもよい。
図2に示すように、第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cの裏面の、防水撮像端末2、携帯端末3との接合される面には、接合部(接合部)として粘着部4h、4h(粘着部)が設けられている。本実施形態では、粘着部4h、4hは、再剥離可能な粘着シートから構成される。粘着シートは再剥離可能なシートであるので、必要なときだけアンテナ部4bを無線LAN装置に接合させ、不要なときは剥離させることができる。
ここで、使用される粘着シートは、片面が再剥離可能な粘着面、他面が強粘着のものであり、強粘着面を第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cの裏面に貼り付けて構成される。粘着部4h、4hに粘着シート等のシート状のものを用いることにより、第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cを全体として薄く構成することが可能となる。
このような粘着部4h、4hを持つ再剥離可能な粘着シートとしては、例えば、TGシート(商品名)やウレシート(商品名)等がある。TGシート(商品名)では、再剥離可能な粘着面に特殊なエラストマが用いられる。そのため、シートに付着したごみ、埃等は水洗いすれば除去が可能で、繰り返し使用できて、貼り付けた無線LAN装置に移行が起こらず、痛めることがない。また、ウレシート(商品名)の場合も、水で拭けば再剥離可能な粘着面の粘着力が復活する。粘着シートの基材としては、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の樹脂フィルムが用いられるが、発泡フォーム材のシートを用いてもよい。
水中撮影において、水中無線LAN通信システム1がどのように作用するかについて、図1乃至図4を用いて、説明する。
前述したように、防水撮像端末2と携帯端末3とは無線LAN通信接続されている。通常使用においては、コードレスで携帯端末3により防水撮像端末2の操作を行い、防水撮像端末2の撮影前の画角や、撮影中の撮像映像又は撮影後に再生させた映像の確認が可能となっている。しかし、防水撮像端末2を水に沈めると、無線LAN通信の接続は切断される。無線LAN信号が、周囲の水に吸収されてしまうからである。
図1乃至図4に示すように、防水撮像端末2のケース2a上面の、撮像端末アンテナ部2eに概略対向する位置又はその近傍の位置に、通信用ケーブル4の第1のアンテナ部4bは、粘着部4hにより接合されている。また、携帯端末3のケース3a外面の、携帯端末アンテナ部3eに概略対向する位置又はその近傍に、通信用ケーブル4の第2のアンテナ部4cは、粘着部4hにより接合されている。
このように、無線LAN装置のアンテナ部と通信用ケーブルのアンテナ部とを、ケースを挟んで概略対向する位置又はその近傍の位置に配置させるようにしたのは、より強い感度を得るためである。また、携帯端末3の場合、ケース3aの前面は無線LAN信号を遮る金属で構成されているが、携帯端末アンテナ部3e近傍を覆うケース3aの部分は非金属の材質であるので、より強い感度が得られる。
図3に示すように、防水撮像端末2は、水面S下であって水中に位置している。第1のアンテナ部4bは粘着部4hにより、防水撮像端末2のケース2a外面に、水密に接合される。撮像端末アンテナ部2eから発信された無線LAN信号は、水の影響を受けることなく、水密に接合している第1のアンテナ部4bで受信される。ケーブル部4aは無線LAN信号をそのままの形で伝達できるので、第1のアンテナ部4bで受信された無線LAN信号は、そのまま第2のアンテナ部4cに伝達される。第2のアンテナ部4cから送信された無線LAN信号は、携帯端末アンテナ部3eにより受信される。
なお、以上の説明では、防水撮像端末2から通信用ケーブル4を介して携帯端末3に、無線LAN信号を送付する場合について説明したが、その逆の場合も同様である。すなわち、携帯端末3から通信用ケーブル4を介して防水撮像端末2に、無線LAN信号を送付する。このようにして、防水撮像端末2と携帯端末3とは、防水撮像端末2が水中にある場合であっても、通信用ケーブル4を介して互いに通信することが可能となる。
図4に示すように、使用者Uは、防水撮像端末2を水に沈めた状態で左手に持ち、携帯端末3を右手に持って表示部3cの画面を見ながら、水中の魚Fを撮像することができる。ここで、防水撮像端末2の撮像、撮像停止等の指示は、防水撮像端末2の記録ボタン2c等の操作部2iを操作してもよいし、携帯端末3の操作部3dを操作して行ってもよい。
ここで、携帯端末3のケース3aが水密構造を有しており、防水型である場合について説明する。第2のアンテナ部4cは粘着部4hにより、ケース3a外面に水密に接合されている。そうすると、携帯端末アンテナ部3eにより送受信される無線LAN信号は、水の影響を受けることなく、水密に接合されている第2のアンテナ部4cとの間で、相互に通信することができる。すなわち、防水撮像端末2と防水型の携帯端末3とは、水中無線LAN通信システム1全体が水中にある場合であっても、通信用ケーブル4を介して互いに通信することが可能となる。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4を介して、防水撮像端末2と携帯端末3との無線LAN信号の通信が、防水撮像端末2又は両方が水中にある場合においても可能となった。通信用ケーブル4は、ケース2a、3aに接合させるだけなので、ケース2a、3aに、穴等を開ける必要はなく、防水性能について、元のまま維持することが可能となる。
しかも、通信用ケーブル4は、無線LAN信号を信号変換せずにそのまま一方と他方のアンテナの間を相互に伝達するので、部品点数が少なく、簡単な構成で、安価に製造することが可能となった。以上より、水中無線LAN通信システム1及び通信用ケーブル4は、簡単でコンパクトな構成でありながら、使用が容易なものとなり、比較的コンパクトな無線LAN装置にも対応するものを実現することができた。ここで、比較的コンパクトな無線LAN装置にも対応できるのだから、もっと大きな無線LAN装置においても、便利に使用可能であるということは、勿論である。
(第2の実施形態)
図5及び図6を参照して、本発明の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態では、第1の実施形態と同様に、水中無線LAN通信システム1は、防水撮像端末2、携帯端末3と通信用ケーブル4とから構成され、同様の機能を有する。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図5は、防水撮像端末2と携帯端末3とが通信用ケーブル4により接続され、防水撮像端末2が水面S下であって水中に位置し、魚F等を撮像している状態を示す斜視図である。図6は、第2のアンテナ部4cが接合される携帯端末3のケース2aの部分と、第2のアンテナ部4cの詳細を示す斜視図である。
図5に示すように、防水撮像端末2は、第1の実施形態と同様、防水型デジタルカメラであるが、ケース2aの形状が異なっている。本実施形態の防水撮像端末2のケース2aは、第1の実施形態のような略直方体の形状ではなく、略円筒型の形状を有している。また、携帯端末3は、第1の実施形態と同様、略矩形で扁平な形状のスマートフォンであるが、第2のアンテナ部4cが接合されるケース2aの部分であるアンテナ接合部3pに凹みが形成されている。
図5に示すように、防水撮像端末2の略円筒型のケース2aに沿って、通信用ケーブル4の第1のアンテナ部4bは、接合されている。すなわち、第1のアンテナ部4bは、可撓性を有しフレキシブルな構成となっている。第2のアンテナ部4cは、第1のアンテナ部4bと同一の形状及び構成を有している。第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cは、アンテナ本体4d、4dとしてフィルムアンテナを用い、可撓性のあるエラストマ樹脂をインサート成形して形成されている。
第1の実施形態で示した剛性の高い第1のアンテナ部4bでは、ケース2aが略円筒型である場合には、粘着部4hの一部しか接合せず、接合強度が落ちてしまうことになる。本実施形態では、可撓性を有しフレキシブルな構成となっていて、略円筒型のケース2aにぴったりと沿って接合が可能となった。なお、スマートフォン等のケースの外面は平面ではなくて、わずかな曲面となっているものもあり、この場合も、第1のアンテナ部4bは、剛性の高いものより、フレキシブルなものの方が接合しやすい。
図5及びに図6示すように、第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cは、一つの角に舌片上の突起である指掛け部4iを備えている。指掛け部4iは、第1のアンテナ部4b又は第2のアンテナ部4cを剥離するときに、指先でつまむための舌片状の突起である。第1のアンテナ部4bと第2のアンテナ部4cは、再剥離可能な粘着部4hで接合されているので、剥がすのは簡単ではない。指掛け部4iにより、使用者Uは、指の爪の先や、指の爪に塗ったマニキュア等を痛めることなしに、第1のアンテナ部4b又は第2のアンテナ部4cを容易に剥離することができる。
指掛け部4iについて、本実施形態では舌片状の突起形状としたが、これに限定されない。例えば、飲料容器に使われるいわゆるプルトップ(登録商標)のようなリング形状に構成してもよい。リング形状であれば、指を入れて引くことが可能となり、より容易に、第1のアンテナ部4b又は第2のアンテナ部4cを剥離することができる。
また、本実施形態では、第1のアンテナ部4b、第2のアンテナ部4cと指掛け部4iを一体に形成したが、別部品を結合して指掛け部4iを形成するようにしてもよい。第1のアンテナ部4b、第2のアンテナ部4cの剛性の高い場合であっても、別部品を結合する構成にすることにより、指掛け部4iを容易に形成することができる。
図5及びに図6(A)示すように、携帯端末3のアンテナ接合部3pの部分に凹みがあり、その凹みの中に、アンテナ接合部3pであることを示す目印マーク3qが表示される。目印マーク3qは、例えばアンテナを示す記号が、印刷や掘り込み等で付される。表示アンテナ接合部3pの凹みの大きさは、携帯端末アンテナ部3eの大きさより若干大きく形成されている。ここで、目印マーク3qが付される位置は、携帯端末アンテナ部3eと対向する位置又はその近傍である。無線LAN通信時に、より強い感度を得るためである。
ケース3aの所定の位置に、目印マーク3qを付することによって、使用者Uは迷わずに、第1のアンテナ部4b又は第2のアンテナ部4cを、携帯端末3の最適の位置に接合することが可能となる。また、アンテナ接合部3pが一段凹んでいるので、第2のアンテナ部4cの突出量が小さくなり、剥がれにくくなる。
図6(A)示すように、本実施形態では、アンテナ接合部3pを一段凹ませて、目印マーク3qを付して、凹みの中に第2のアンテナ部4cを接合する構成としたが、この構成に限定されない。例えば、図6(B)に示すように、単にケース3a表面に印刷等で、アンテナ接合部3pを示し目印マーク3qを付すようにしてもよい。この場合、ケース3aの形状を変えることなく、印刷等で目印マーク3q等を付すことが可能となる。
また、図6(C)に示すように、アンテナ接合部3pを示し目印マーク5aを付した目印ラベル5を貼付するような構成にしてもよい。この場合、携帯端末3に、使用者Uによって、後付けで目印ラベル5を貼付し、目印マーク5aを付すことが可能となる。無線LAN通信機器の最適な位置に目印ラベル5を一度貼付すれば、次からは、使用者Uは、最適な位置がどこなのか調べ直すことなしに、通信用ケーブル4の取り付けが可能となる。なお、防水撮像端末2に対しても、目印マーク3q等を付したり、目印ラベル5を貼付したりするように構成してもよいのは勿論である。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4を介して、防水撮像端末2と携帯端末3との無線LAN信号の通信が、防水撮像端末2又は両方が水中にある場合においても可能となった。通信用ケーブル4は、ケース2a、3aに接合させるだけなので、ケース2a、3aに、穴等を開ける必要はなく、防水性能について、元のまま維持することが可能となる。
しかも、通信用ケーブル4は、無線LAN信号を信号変換せずにそのまま一方と他方のアンテナの間を相互に伝達するので、部品点数が少なく、簡単な構成で、安価に製造することが可能となった。以上より、水中無線LAN通信システム1及び通信用ケーブル4は、簡単でコンパクトな構成でありながら、使用が容易なものとなり、比較的コンパクトな無線LAN装置にも対応するものを実現することができた。
なお、本実施形態では、アンテナ本体4dとしてフィルムアンテナを用いたが、これに限定されない。例えば、アンテナ本体4dとして柔軟なワイヤー等を用いてもよい。柔軟なワイヤーを略リング形状等にフォーミングして、2つの端部の部分にケーブル部4aを半田付け等により接続する。また、例えば、ケーブル部4aの端部をフォーミングするようにしてアンテナ本体4dを形成してもよい。このように構成することにより、安価で少量生産にも適した通信用ケーブル4を得ることができる。
また、成形材料としてエラストマ樹脂を用いたが、これに限定されない。例えば、ゴム等を用いてもよい。
(第3の実施形態)
図7及び図8を参照して、本発明の第3の実施形態について説明する。
この第3の実施形態では、水中無線LAN通信システム1は、撮像端末用防水ケース6(外殻体)に収納された防水撮像端末2(第1の無線LAN装置)、携帯端末用防水ケース7(外殻体)に収納された携帯端末3(第2の無線LAN装置)と通信用ケーブル4(水中無線LAN通信具)とから構成されている。防水撮像端末2、携帯端末3及び通信用ケーブル4は、第1の実施形態と同一のものである。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図7は、水中無線LAN通信システム1の接続状態を示す斜視図である。すなわち、撮像端末用防水ケース6の上面の前面側に第1のアンテナ部4bが接合され、携帯端末用防水ケース7の前面左上部に第2のアンテナ部4cが接合されている。ここで、撮像端末用防水ケース6及び携帯端末用防水ケース7は、水深30mから50mくらいまでの水圧に耐えうる防水構造を有している。図8は、本実施形態の水中無線LAN通信システム1を使用している状況を示す模式図である。
図7に示すように、撮像端末用防水ケース6は六面体形状のケース本体6aを備えている。ケース本体6aは、互いに揺動可能に連結された前面側ケース6bと背面側ケース6cとから構成されている。前面側ケース6bには背面側ケース6cと係脱可能に連結するバックル6dが設けられている。防水撮像端末2を装着するには、まず前面側ケース6bを開き、背面側ケース6cの内部に防水撮像端末2を挿入する。次に、前面側ケース6を閉じて背面側ケース6cと合わせ、バックル6dを係合する。このようにして、防水撮像端末2は、撮像端末用防水ケース6の所定位置に固定され、本格的な水密状態に保持される。
図7に示すように、ケース本体6aの上面には記録操作ボタン6eが、水密に設けられている。記録操作ボタン6eを押圧操作することにより、防水撮像端末2の記録ボタン2cが押圧される。前面側ケース6bの前面の撮像レンズ2bに対応した位置には、撮像レンズ窓6fが設けられていて、光学ガラスが水密に固定されている。また、左右それぞれの側面の前面側には、防水マイク2d、2dに対応した位置に、図示されない防水マイクカバーが設けられる。
図7に示すように、ケース本体6aの上面の、防水撮像端末2の撮像端末アンテナ部2eに概略対応する位置又はその近傍には、ケース本体6aの上面を一段凹ませて構成されたアンテナ接合部6gが設けられている。また、アンテナ接合部6gの凹みから左方向及び右方向に向かって、ケーブル溝6h、6hが設けられる。ケーブル溝6hの上方を塞ぐように、ケーブル溝6hに沿って互い違いに突出した、爪状のケーブル押さえ6iが設けられている。
図7に示すように、携帯端末用防水ケース7は、扁平な六面体形状のケース本体7aを備える。ケース本体7aは、互いに揺動可能に連結された前面側ケース7bと背面側ケース7cとから構成されている。背面側ケース7cには前面側ケース7bと係脱可能に連結するバックル7dが設けられている。携帯端末3を装着するには、まず前面側ケース7bを開き、背面側ケース7cの内部に防水撮像端末2を挿入する。次に、前面側ケース7bを閉じて背面側ケース7cと合わせ、バックル7dを係合する。このようにして、携帯端末3は、携帯端末用防水ケース7の所定位置に固定され、本格的な水密状態に保持される。
図7に示すように、前面側ケース7bの前面には、撮像レンズ3bに対応した位置に、撮像レンズ窓7fが設けられ、光学ガラスが水密に固定されている。ケース本体7aの後面及び側面には図示されない操作部操作ボタンが、水密に設けられている。また、タッチパネル付きの表示部3cに対応する位置に、図示されない表示部カバーが水密に設けられている。操作部操作ボタンや表示部カバーを介してタッチパネルの操作を行うことにより、携帯端末用防水ケース7の外部から、携帯端末3の操作がされる。
図7に示すように、ケース本体7aの前面の、携帯端末3の携帯端末アンテナ部3eに概略対応する位置又はその近傍には、ケース本体7aの前面を一段凹ませて構成されたアンテナ接合部7gが設けられている。また、アンテナ接合部7gの凹みから下方向に向かって、ケーブル溝7hが設けられている。また、ケーブル溝7hの前面を塞ぐように、ケーブル溝7hに沿って互い違いに突出した、爪状のケーブル押さえ7iが設けられている。
携帯端末用防水ケース7に、第2のアンテナ部4cを接合させる様子を説明する。
第2のアンテナ部4cを接合させる前に、まずケーブル部4aを少し撓めて、互い違いに突出した爪状のケーブル押さえ7iとケーブル溝7hとの隙間の間を通し、ケーブル部4aをケーブル溝7hの中に収納する。次に、第2のアンテナ部4cをアンテナ接合部7gに接合する。
図7に示すように、前面側ケース7bに第2のアンテナ部4cが接合し、ケーブル部4aがケーブル溝7hの中に収納されている状態で、ケーブル部4aが引っ張られた場合を考える。ケーブル部4aが前面側ケース7bに平行な方向に引っ張られた場合、第2のアンテナ部4cは前面側ケース7bと面で接合しており、剥がれにくい。
また、ケーブル部4aが前面側ケース7bと垂直な方向に引っ張られた場合でも、ケーブル押さえ7iにより向きが変わり、平行な方向に第2のアンテナ部4cは引っ張られることになり、剥がれにくい。一方、ケーブル押さえ7iがない場合を考えると、前面側ケース7bと垂直な方向に引っ張られた場合には、第2のアンテナ部4cは簡単に剥がれてしまうことになる。
ここで、例えば、アンテナ接合部7gの凹みの縁に、第2のアンテナ部4cの外形の一部が当接するように構成してもよい。ケーブル部4aが前面側ケース7bに平行な方向に引っ張られた場合に、アンテナ接合部7gの凹みが第2のアンテナ部4cに当接しているので、引っ張り力に対抗する力が働き、より剥がれにくくなるからである。
また、ケーブル押さえ7iを可動式にして、ケーブル部4aを押さえてもよい。
また、第2のアンテナ部4cを直接押さえてしまうアンテナ部固定具を、設けてもよい。第2のアンテナ部4cの剥がれを、より強力に防止することができる。
撮像端末用防水ケース6のアンテナ接合部6g、ケーブル溝6hとケーブル押さえ6iとは、携帯端末用防水ケース7のものと同様の働きを行う。なお、アンテナ接合部6gの凹みから左右の2方向にケーブル溝6h、6hが設けられているのは、使用者Uの使い勝手により、ケーブル部4aを左右どちらにでも出せるようにするためである。ここで、ケーブル溝6hは、必要に応じて、3方向とか4方向とか、増やして設けてもよい。
図8に示すように、スキューバ・ダイビングをしている使用者Uは、潜水中に両手で水中無線LAN通信システム1を保持して、水中の魚F等を撮像することができる。ここで、使用中、ケーブル部4aに使用者Uの体の一部等が当たったりして、ケーブル部4aが引っ張られた場合でも、ケーブル押さえ6i、7i等によりケーブル部4aは剥がれにくい。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4を介して、防水撮像端末2から携帯端末3への無線LAN信号の送付、又は両方の通信が、潜水中においても可能となった。通信用ケーブル4は、ケース本体6a、7aに接合させるだけなので、ケース本体6a、7aに、穴等を開ける必要はなく、本格的な防水性能について、元のまま維持することが可能となった。特に、ケーブル部4aが剥がれにくい構成となっているので、スキューバ・ダイビング等のスポーツにも対応することが有利になった。
しかも、通信用ケーブル4は、無線LAN信号を信号変換せずにそのまま一方と他方のアンテナの間を相互に伝達するので、部品点数が少なく、簡単な構成で、安価での製造が可能となった。以上より、防水ケースに収納された水中無線LAN通信システム1及び通信用ケーブル4は、簡単でコンパクトな構成でありながら、使用が容易なものとなり、比較的コンパクトな無線LAN装置にも対応するものを実現することができた。
(第4の実施形態)
図9及び図10を参照して、本発明の第4の実施形態について説明する。
この第4の実施形態では、第1の実施形態と同様に、水中無線LAN通信システム1は、防水撮像端末2、携帯端末3と通信用ケーブル4とから構成され、同様の機能を有する。本実施形態は、通信用ケーブル4が接合された状態の防水撮像端末2及び携帯端末3に、それぞれ装着可能な撮像端末用保護カバー8及び携帯端末用保護カバー9を装着した水中無線LAN通信システム1に関する。防水撮像端末2、携帯端末3及び通信用ケーブル4は、第1の実施形態と同一のものである。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図9は、撮像端末用保護カバー8が装着された防水撮像端末2と、携帯端末用保護カバー9が装着された携帯端末3とが、通信用ケーブル4により接続され、防水撮像端末2が水面S下であって水中に位置し、魚F等を撮像している状態を示す斜視図である。図10(A)は、図9におけるA−A線矢視方向の断面を前方から見た断面図であり、撮像端末用保護カバー8が装着された防水撮像端末2の詳細を示したものである。図10(B)は、図9におけるB−B線矢視方向の断面を上方から見た断面図であり、携帯端末用保護カバー9が装着された携帯端末3の詳細を示したものである。
撮像端末用保護カバー8について説明する。
図9に示すように、撮像端末用保護カバー8は、略直方体の形状の防水撮像端末2を覆うように構成されている。撮像端末用保護カバー8は、可撓性を有する柔軟で弾性を有するエラストマから構成され、撮像端末用保護カバー8の内寸は、防水撮像端末2の外寸よりも少し小さく形成されている。装着された状態では、内部の防水撮像端末2により撮像端末用保護カバー8全体が引き伸ばされるので、撮像端末用保護カバー8は所定の弾性力をもって防水撮像端末2のケース2a外面を圧迫するように圧接する。撮像端末用保護カバー8は、ぶつけたり、落としたりしたときに、傷付きや衝撃等から、防水撮像端末2を保護する役目をする。
図9に示すように、撮像端末用保護カバー8は、防水撮像端末2の前部を覆う前部保護カバー部8a、上部を覆う上部保護カバー部8bと後部を覆う後部保護カバー部8cとを備える。また、下部には大きな下部開口部8dが設けられている。下部開口部8dから防水撮像端末2の前部を挿入して前部保護カバー部8aを被せ、次に少し引き伸ばしながら後部保護カバー部8cを被せるようにして、撮像端末用保護カバー8を装着する。撮像レンズ2bと記録ボタン2cに対応する撮像端末用保護カバー8の部分には開口部が形成され、この開口部により撮像レンズ2bと記録ボタン2cを、使用者Uは使用することができる。
図9に示すように、前部保護カバー部8aには、左側面と下面と右側面とに連続してスリット状に開口しているスリット開口部8eが設けられている。スリット開口部8eの位置で切断し、前から見た断面図が図10(A)である。前面側ケース7bの内面の部分であるアンテナ収納部8fにアンテナ部4bが収納され、撮像端末用保護カバー8の弾性力により圧迫されている。
図10(A)に示すように、第1のアンテナ部4bは、粘着部4hによりケース2aの上面に接合され、アンテナ収納部8fに収納されて、撮像端末用保護カバー8の弾性力により圧迫されている。ここで、第1のアンテナ部4bは撮像端末用保護カバー8の内側に位置しており、ケーブル部4aを撮像端末用保護カバー8の外側に引き出す必要がある。アンテナ収納部8fの下にはスリット開口部8eが設けられているので、第2のアンテナ部4cやケーブル部4aを、スリット開口部8eから外に引き出すことができる。
なお、図示しない防水マイク2d、2dは、防水撮像端末2の左右のそれぞれ側面のスリット開口部8eの位置に配設されており、収音が可能な状態となっている。
次に、携帯端末用保護カバー9について説明する。
図9に示すように、携帯端末用保護カバー9は、略矩形で扁平な形状の携帯端末3を覆うように構成されている。携帯端末用保護カバー9は、可撓性を有する柔軟で弾性を有するエラストマから構成され、携帯端末用保護カバー9の内寸は、携帯端末3の外寸よりも少し小さく形成されている。装着された状態では、内部の携帯端末3により携帯端末用保護カバー9全体が引き伸ばされるので、携帯端末用保護カバー9は所定の弾性力を持って携帯端末3のケース3a外面を圧迫するように圧接する。携帯端末用保護カバー9は、ぶつけたり、落としたりしたときに、傷付きや衝撃等から、携帯端末3を保護する役目をする。
図9に示すように、携帯端末用保護カバー9は、携帯端末3の前面部を覆う前面保護カバー部9a、左側部を覆う左側保護カバー部9bと右側部を覆う右側保護カバー部9cとを備える。また、後面部には大きな後面開口部9dが設けられ、後面開口部9dにより使用者Uは表示部3cの表示を視認し、表示部上のタッチパネルを直接操作がすることができる。
携帯端末用保護カバー9を携帯端末3に装着するには、まず携帯端末3の左側を後面開口部9dから挿入して左側保護カバー部9bを被せる。次に少し引き伸ばしながら右側保護カバー部9cを被せるようにして、携帯端末用保護カバー9を装着する。撮像レンズ3bと操作部3dに対応する携帯端末用保護カバー9の部分には、開口部や図示されない操作部操作ボタンが形成されており、携帯端末用保護カバー9の外部から開口部や操作部操作ボタンを通して使用者Uは操作等を行うことができる。
図9及び図10(B)に示すように、前面保護カバー部9aの内面には凹部があり、第2のアンテナ部4cを収納するアンテナ収納部9fが形成されている。また、アンテナ収納部9fの下の部分にはスリット状に開口しているスリット開口部9eが設けられている。スリット開口部9eの開口の大きさは、第2のアンテナ部4cが通過できる大きさに形成される。第2のアンテナ部4cは、粘着部4hによりケース3aの前面に接合され、アンテナ収納部9fに収納されて、撮像端末用保護カバー8の弾性力により圧迫されている。
図10(B)に示すように、第2のアンテナ部4cは撮像端末用保護カバー8の内側に位置しており、ケーブル部4aを撮像端末用保護カバー8の外側に引き出す必要がある。アンテナ収納部9fの下には、スリット開口部9eが設けられているので、第1のアンテナ部4b及びケーブル部4aをスリット開口部9eから外に引き出すことができる。
なお、スリット開口部9eではなく、例えば携帯端末用保護カバー9の下端の位置から逆U字形状の切れ込み溝を入れるように構成してもよい。この切れ込み溝の端部からケーブル部4aを入れて外に通すようにすれば、第1のアンテナ部4b及びケーブル部4aを撮像端末用保護カバー8の外側に引き出すことができる。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4を介して、防水撮像端末2と携帯端末3との無線LAN信号の通信が、防水撮像端末2又は両方が水中にある場合においても可能となった。通信用ケーブル4は、ケース2a、3aに接合させるだけなので、ケース2a、3aに、穴等を開ける必要はなく、防水性能について、元のまま維持することが可能となる。特に、撮像端末用保護カバー8、携帯端末用保護カバー9により、ケーブル部4aが剥がれにくい構成となっているので、より活動的な場面にも対応させることが可能となった。
しかも、通信用ケーブル4は、無線LAN信号を信号変換せずにそのまま一方と他方のアンテナの間を相互に伝達するので、部品点数が少なく、簡単な構成で、安価に製造することが可能となった。以上より、水中無線LAN通信システム1及び通信用ケーブル4は、簡単でコンパクトな構成でありながら、使用が容易なものとなり、比較的コンパクトな無線LAN装置にも対応するものを実現することができた。
なお、第4の実施形態は、以下のようにも表現できる。
水中無線LAN通信システムに用いられる無線LAN装置に装着される無線LAN装置用の保護カバーにおいて、保護カバーの裏面に形成され無線LAN装置に接合されたアンテナ部を収納するアンテナ部収納部と、アンテナ部を保護カバーの裏面に貫通させるための開口部又は保護カバーの端部から形成されアンテナ部に接続されたケーブル部を通すための切込み部と、保護カバーを無線LAN装置に装着させるための装着部と、を有することを特徴とする無線LAN装置用の保護カバー。
なお、ケーブル部を引っ張られた場合、アンテナ部が横方向に動かないように、アンテナ部収納部によりアンテナ部を保持するように構成してもよい。ケーブル部を引っ張る力に対し、動いたり剥がれたりしにくくすることができる。
(第4の実施形態の変形実施形態)
図9及び図10を参照して、第4の実施形態の一部の構成が少し変形されている第4の実施形態の変形実施形態について説明する。
図10(A)、(B)に示すように、第4の実施形態では、第1のアンテナ部4bの下面方向の位置に粘着部4hが設けられていて、防水撮像端末2に接合するように構成されている。この構成を少し変形して、第1のアンテナ部4bの上下方向を反転させた構成としたものが、第4の実施形態の変形実施形態である。
すなわち、第1のアンテナ部4bの粘着部4hを上面方向に向けて、撮像端末用保護カバー8(保持装置)の内面のアンテナ収納部8fに接合されるように構成した。この構成の場合には、第1のアンテナ部4bは、防水撮像端末2に粘着部4hによりケース2aと接合しているのではなくて、撮像端末用保護カバー8の所定の弾性力により、付勢されてケース2aと密接し、水密に接合して、無線LAN通信が可能な状態となっている。
なお、本実施形態において、第1のアンテナ部4bの下面側の部分に、後述するカバーシートを被せるようにしてもよい。カバーシートを被せることにより、より表面が平滑となり、防水撮像端末2のケース2aとの密着性を、向上させることができる。
ここで、撮像端末用保護カバー8に接合された第1のアンテナ部4bの外面と、防水撮像端末2のケース2aとは、撮像端末用保護カバー8の弾性力により、圧接されている。この構成において、第1のアンテナ部4bの外面とケース2aとの間の水密性、特に水中で衝撃等を受けた場合、両者の間に水が入り込み、薄い水の層が生じてしまう可能性のあることが問題となる。
図9に示すように、例えば、通信用ケーブル4に強い力が加わった場合、第1のアンテナ部4bを防水撮像端末2から引き剥がす力が働き、一瞬、離間してしまう可能性がある。離間してしまうと、第1のアンテナ部4bの外面とケース2aとの間には水が浸入する。
ここで、撮像端末用保護カバー8の弾性力が働いているので、第1のアンテナ部4bとケース2aとは、直ちに密接するように移動して、両者の間の水は排除され、再び水密に接合する状態に復帰する。
しかしながら、第1のアンテナ部4bとケース2aとの間の水が排除しきれず、一部の部分に薄い水の層が残ってしまう可能性がある。ここで、電波は、水によりシールドされ遮蔽されるというものではなく、水により吸収され、水中では距離の増大により大きく減衰するものであるということに着目したい。第1のアンテナ部4bの外面とケース2aとの間の薄い水の層により電波の吸収はされるが、距離はわずかであり、無線LAN通信に与える影響は少なく、実用的に使用することができる。
このように第1のアンテナ部4bを撮像端末用保護カバー8の内面に接合させたときは、撮像端末用保護カバー8とともに第1のアンテナ部4bを防水撮像端末2に着脱することができる。また、水中撮影が終了して防水撮像端末2を通常使用したいときには、撮像端末用保護カバー8を外すだけですみ、第1のアンテナ部4bを防水撮像端末2からいちいち剥がす手間を省くことができる。
なお、携帯端末用保護カバー9についても、同様の構成を持つようにしてもよい。
なお、第4の実施形態及び変形実施形態では、携帯端末用保護カバー9は、可撓性のある樹脂であるエラストマから構成しているが、これに限定されない。例えば、ポリカーボネイト樹脂やABS樹脂等の剛性が高く弾性を有する樹脂を用いてもよい。すなわち、携帯端末用保護カバー9について、携帯端末3の前面と、側面の一部を覆うような矩形のトレーのような構造で、四隅等に携帯端末3を係止する係合爪を形成する。そして、携帯端末用保護カバー9の所定の部分に、スリット開口部9eとアンテナ収納部9fとを設ける。このように構成すれば、携帯端末3を係止して収納し、ケーブル部4aを前面保護カバー部9aの外側に出し、第1のアンテナ部4bを収容する携帯端末用保護カバー9を得ることが出来る。
(第5の実施形態)
図11及び図12を参照して、本発明の第5の実施形態について説明する。
この第5の実施形態では、第1の実施形態と同様に、水中無線LAN通信システム1は、防水撮像端末2、携帯端末3と通信用ケーブル4とから構成され、同様の機能を有する。本実施形態は、水中無線LAN通信システム1を一体として取り扱うことができるポール型保持具10に関する。防水撮像端末2、携帯端末3及び通信用ケーブル4は、第1の実施形態と同一のものである。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図11は、水中無線LAN通信システム1がポール型保持具10により一体に保持され、防水撮像端末2が水面S下であって水中に位置して撮像している状態を示す斜視図である。防水撮像端末2は撮像端末用マウント11(保持装置)に保持され、携帯端末3は携帯端末用マウント12(保持装置)に保持されて、通信用ケーブル4により接続されている。図12(A)及び図12(B)は、図11におけるC−C線矢視方向の断面を左側方から見た断面図である。図12(A)は防水撮像端末2が撮像端末用マウント11に保持される前、図12(B)は保持されているときの状況を示したものである。
ポール型保持具10について説明する。
図11に示すように、ポール型保持具10は上部ポール部10aと下部ポール部10bを備えている。下部ポール部10bの上部は、上部ポール部10aの内面に伸縮自在に収納されている。上部ポール部10aの上端部には把手部10c、下端部には止め金具10dを備え、止め金具10dには横方向に突出する略L字型の上部アーム部10eを備えている。下部ポール部10bには横方向に突出する略L字型の下部アーム部10fを備えている。上部アーム部10eと下部アーム部10fの先端部には、それぞれ上部保持部10g、下部保持部10hが設けられ、撮像端末用マウント11と携帯端末用マウント12を回動可能に保持している。
撮像端末用マウント11について説明する。
ここで、本実施形態の第1のアンテナ部4bは、防水撮像端末2のケース2a又は撮像端末用防水ケース6に直接接合されるのではなくて、撮像端末用マウント11に組み込まれて設けられている。そして、防水撮像端末2を撮像端末用マウント11に装着されることにより、第1のアンテナ部4bは防水撮像端末2が水密に接合するように構成されている。
図11及び図12(A)、(B)に示すように、撮像端末用マウント11は、四角い筒型のマウント部11aと、マウント部11aの下面に一体に形成された取り付け部11bを備えている。取り付け部11bには取り付け穴11cが形成され、ポール型保持具10の下部アーム部10fの下部保持部10hに、着脱自在な構成となっている。なお、マウント部11a両側面の、図示しない防水マイク2d、2dに対応する位置に開口部を設けて、防水マイク2d、2dの収音が可能な状態となるように構成してもよい。
図12(A)に示すように、マウント部11aの下部内面には、先端が略逆U字型をしたU字型板バネ11fが、出没自在に組み込まれている。また、防水撮像端末2の下面の前面側には、U字型溝2pが形成されている。また、マウント部11aの上部内面には取り付け凹部11dが設けられ、取り付け凹部11dに第1のアンテナ部4bの上面部が収納される。そして、可撓性を有するエラストマや発泡ウレタンシート等で構成される圧縮部11eが、マウント部11aの上部内面と第1のアンテナ部4bの下面部を、覆うように設けられている。
図12(A)に示すように、第1のアンテナ部4bの下面部は、マウント部11aの上部内面から下方向に少し突出している。それゆえ、圧縮部11eを被せたとき、第1のアンテナ部4bの突出している分だけ、圧縮部11eは第1のアンテナ部4bの部分が、下方向に膨出している。圧縮部11eの膨出部の下面からマウント部11aの下部内面までの寸法Dは、防水撮像端末2の上下方向の寸法Eよりも、わずかに小さく構成されている。防水撮像端末2を撮像端末用マウント11に矢印方向に挿入していくと、防水撮像端末2のケース2aの上面部により、圧縮部11eの膨出部は押し潰されて圧縮する。
図12(B)に示すように、防水撮像端末2が撮像端末用マウント11に装着された状態では、U字型板バネ11fがU字型溝2pに嵌合して、防水撮像端末2が所定位置に保持される。また、U字型板バネ11fにより、防水撮像端末2全体が上方方向に付勢される。そうすると、更にU字型板バネ11fの付勢力も加わり、圧縮部11eの膨出部は、防水撮像端末2のケース2aの上面部により押し潰され圧縮する。このようにして、第1のアンテナ部4bと防水撮像端末2は、押し潰され圧縮した圧縮部11eを介して、水密に接合する。
なお、圧縮部11eの下面側に、後述するカバーシートを被せるようにしてもよい。カバーシートを被せることにより、より表面が平滑となり、防水撮像端末2の挿入がやりやすくなり、また、防水撮像端末2のケース2aとの密着性も向上させることができる。
また、取り付け部11bの構造として、ポール型保持具10に縛り付けたり、挟んで固定したりするような構造に構成してもよい。
次に、携帯端末用マウント12について説明する。
第2のアンテナ部4cは、防水撮像端末2と同様に、携帯端末3のケース2a又は携帯端末用防水ケース7に直接接合されるのではなくて、携帯端末用マウント12に組み込まれて設けられている。そして、携帯端末3を携帯端末用マウント12に装着されることにより、第2のアンテナ部4cは携帯端末3と接合するように構成されている。
図11に示すように、携帯端末用マウント12は、携帯端末3を保持するホルダーマウントである。すなわち、携帯端末用マウント12は、携帯端末3の左部、右部と下部を保持するマウント部12aと、マウント部12aの前面に一体に形成された取り付け部12bを備えている。取り付け部12bには図示されない取り付け穴が形成され、ポール型保持具10の上部アーム部10eの上部保持部10gに、着脱可能な構成となっている。
第2のアンテナ部4cは、第1のアンテナ部4bの場合と同様に、マウント部12aの後面に少し突出するように取り付けられ、その表面は図示されない圧縮部で覆われている。圧縮部は、第2のアンテナ部4cが突出している分だけ、第2のアンテナ部4cの部分が後方向に膨出している。携帯端末3を携帯端末用マウント12に矢印方向に挿入すると、携帯端末3のケース3aの前面部により、圧縮部の膨出部は押し潰されて圧縮する。このようにして、第2のアンテナ部4cと携帯端末3は、押し潰されて圧縮した圧縮部を介して、水密に接合する。
ここで、携帯端末3が防水型であった場合には、第2のアンテナ部4cと携帯端末3は水密に接合しているので、水中においても使用することができる。すなわち、ポール型保持具10を含む水中無線LAN通信システム1について、水中での使用が可能となる。また、撮像端末用防水ケース6及び携帯端末用防水ケース7に収納された状態で装着可能なように、撮像端末用マウント11及び携帯端末用マウント12を構成してもよい。より深い水中での使用が可能となる。
なお、携帯端末3を水中に沈めない場合には、水密に構成する必要がないため、携帯端末用マウント12の圧縮部を省いてもよい。また、携帯端末用マウント12の第2のアンテナ部4cの取り付け場所は、携帯端末アンテナ部3eに概略対向する位置又はその近傍の位置に配置したが、通信感度が得られるのなら、携帯端末3に隣接する位置や、少し離間した位置等に設けてもよい。また、撮像端末用マウント11の場合においても、第1のアンテナ部4bと撮像端末アンテナ部2eを水密に接合せずに、密接させるだけで水中おいても通信感度が得られるのならば、防水発泡シート11e省いてもよい。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4を介して、防水撮像端末2と携帯端末3との無線LAN信号の通信が、防水撮像端末2又は両方が水中にある場合においても可能となった。通信用ケーブル4は、撮像端末用マウント11及び携帯端末用マウント12に組み込まれているので、ケース本体6a、7aに穴等を開ける必要はなく、防水性能について、元のまま維持することが可能となった。
また、ポール型保持具10により、水中無線LAN通信システム1全体を一体として取り扱うことが可能となり、使い勝手が向上した。しかも、通信用ケーブル4は、無線LAN信号を信号変換せずにそのまま一方と他方のアンテナの間を相互に伝達するので、部品点数が少なく、簡単な構成で、安価での製造が可能となった。
(第6の実施形態)
図13(A)、(B)を参照して、本発明の第6の実施形態について説明する。
この第6の実施形態では、第5の実施形態と同様な構成を備えていて、同様の機能を有し、同様の効果を有する。本実施形態は、第5の実施形態に対して、撮像端末用マウント11(保持装置)について第1のアンテナ部4bを、防水撮像端末2のケース2aに、接合させる構成が異なっているものに関する。以下、第5の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
撮像端末用マウント11について説明する。
ここで、本実施形態の第1のアンテナ部4bは、第5の実施形態と同様に、撮像端末用マウント11に組み込まれ、防水撮像端末2が装着されることにより、防水撮像端末2と水密に接合されるように構成されている。
撮像端末用マウント11のマウント部11aの下部内面には、先端がU字型をしたU字型板バネ11fが、出没自在に組み込まれている。また、防水撮像端末2の下面の前面側には、U字型溝2pが形成されている。
図13(A)に示すように、マウント部11aの上部内面には、可撓性を有するエラストマや発泡ウレタンシート等で構成される層状の圧縮部11eが設けられている。圧縮部11eの下面の略中央に第1のアンテナ部4bが配設され、圧縮部11eと第1のアンテナ部4bの下面部を、薄い樹脂フィルム等の非導電性の材料で構成されるシートからなるカバーシート11gが、覆うように設けられている。ここで、第1のアンテナ部4bの厚さの分だけ、被せたカバーシート11gは第1のアンテナ部4bの部分が、下方向に膨出している。
図13(A)に示すように、カバーシート11gの膨出部の下面からマウント部11aの下部内面までの寸法Dは、防水撮像端末2の上下方向の寸法Eよりも、わずかに小さく構成されている。防水撮像端末2を撮像端末用マウント11に矢印方向に挿入していくと、防水撮像端末2のケース2aの上面部により、カバーシート11gの膨出部は上方向に押し上げられ、圧縮部11eは押し潰されて圧縮する。
図13(B)に示すように、防水撮像端末2が撮像端末用マウント11に装着された状態では、U字型板バネ11fがU字型溝2pに嵌合して、防水撮像端末2が所定位置に保持される。また、U字型板バネ11fにより、防水撮像端末2全体が上方方向に付勢される。そうすると、更にU字型板バネ11fの付勢力も加わり、カバーシート11gの膨出部は、防水撮像端末2のケース2aの上面部により押し込まれ、圧縮部11eが押し潰され圧縮する。このようにして、押し潰され圧縮した圧縮部11eの付勢力とU字型板バネ11fの付勢力とにより、第1のアンテナ部4bと防水撮像端末2は、カバーシート11gを間に挟んで圧接されている。
ここで、衝撃等により、第1のアンテナ部4bを防水撮像端末2から引き剥がす力が働き、水中において、一瞬離間してしまう可能性がある。離間してしまうと、第1のアンテナ部4bの外面とケース2aとの間には水が浸入する。ここで、撮像端末用保護カバー8の弾性力が働いているので、第1のアンテナ部4bとケース2aとは、直ちに密接するように移動して、両者の間の水は排除され、再び水密に接合する状態に復帰する。
しかしながら、第1のアンテナ部4bとケース2aとの間の水が排除しきれず、一部の部分に薄い水の層が残ってしまう可能性がある。ここで、電波は、水によりシールドされ遮蔽されるというものではなく、水により吸収され、水中では距離の増大により大きく減衰するものであるということに着目したい。第1のアンテナ部4bの外面とケース2aとの間の薄い水の層により電波の吸収はされるが、距離はわずかであり、無線LAN通信に与える影響は少なく、実用的に使用することができる。
なお、本実施形態では、第1のアンテナ部4bと防水撮像端末2は、圧縮部11eの付勢力とU字型板バネ11fの付勢力とにより、圧接されるように構成したが、これに限定されない。例えば、U字型板バネ11fの代わりに、ロック部を設け、このロック部により、防水撮像端末を撮像端末用マウント11の所定位置に保持されるように構成してもよい。この場合、U字型板バネ11fの付勢力が働かなくなるが、圧縮部11eによる付勢力が働き、第1のアンテナ部4bとケース2aとは密接する。
また、カバーシート11gは、防水撮像端末2が押し込まれていくときに、摩擦され、こすれるものである。このため、カバーシート11gに使用される樹脂フィルムとしては、例えばPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂製のフィルム等のような、丈夫で傷付きにくく、表面が平滑なものが好ましい。また、カバーシート11gを被せることにより、より表面が平滑となり、防水撮像端末2のケース2aとの密着性を、向上させることができる。
また、第5及び第6の実施形態で示した撮像端末用マウント11と携帯端末用マウント12は、無線LAN装置用のマウントの一例であって、いろいろな種類のマウントにアンテナ部を組み込むことができる。例えば、撮像端末用防水ケース6の下面側に台座マウント取り付け部を設け、アンテナ部を組み込んだ台座マウントを装着すると、アンテナ部が圧接され接合するように構成してもよい。
(第7の実施形態)
図14(A)、(B)、(C)を参照して、本発明の第7の実施形態について説明する。
この第7の実施形態は、水中無線LAN通信システム1に使用される通信用ケーブル4であって、第1の実施形態で示される通信用ケーブル4と同様の機能を有する。本実施形態は、フィルムアンテナをフィルムインサート成形によって製造される通信用ケーブル4に関する。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図14(A)は、通信用ケーブル4の第1のアンテナ部4b又は第2のアンテナ部4c(以下、アンテナ部4b、4cと記載する)を示す斜視図である。図14(B)は、図14(A)におけるG−G線矢視方向の断面図の一部を拡大したものであって、アンテナ本体4dであるフィルムアンテナ4jの詳細を示す模式図である。図14(C)は、通信用ケーブル4のアンテナ部4b、4cが製造される時の状況を示すものであり、アンテナ部4b、4cの断面は図14(A)におけるG−G線矢視方向の断面図の一部を示している。
アンテナ部4b、4cについて説明する。
図14(A)に示すように、アンテナ部4b、4cはフィルムインサート成形で製造されており、表面にフィルムアンテナ4j、次に樹脂層4k、背面に粘着部4hを有している。粘着部4hは、アンテナ部4b、4cを成形後に粘着シート等を貼付して形成する。フィルムアンテナ4jの透明なベースフィルム層4nを通して、フィルムアンテナ4jの背面に形成されたアンテナ層4pや印刷層4qを、使用者Uが視認できる構成になっている。
図14(B)に示すように、フィルムアンテナ4jは、ベースフィルム層4nの裏面上に、アンテナ層4pと印刷層4qとが形成され、更に裏面全体を保護層4rで覆うようにして形成されている。ベースフィルム層4nは、PET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂やポリカーボネイト樹脂等の透明樹脂フィルムから構成される。アンテナ層4pは銅やアルミニウム等の金属薄膜からなり、印刷層4qは加飾のためのものであり文字やデザインを印刷したものである。保護層4rは、アンテナ層4pと印刷層4qを保護するとともに、成形時に、フィルムアンテナ4jと樹脂層4kとを強固に接着させるためのバインダーの役目をしている。
ここで、印刷層4qを、インキ等を用いずに、アンテナ層4pと同じ金属薄膜から形成してもよい。アンテナ層4pを形成する工程で、同時に印刷層4qを形成できるので、工程が減り、大きなコストダウンとなる。アンテナは、無線LAN信号を通信するための形状が必要ではあるが、通信性能とデザインとを併せ持つ形状としてもよい。アンテナが形成されていないスペースに、文字やデザインを配置して形成することにより、全体としての意匠性を向上することができる。
また、樹脂層4kに使用する樹脂に、ポリカーボネイト樹脂やABS樹脂等の、剛性の高い樹脂を用いれば、剛性が高く丈夫なものが形成される。また、可撓性のあるエラストマ樹脂等を用いれば、可撓性のあるアンテナ部4b、4cが形成され、無線LAN装置のケースが曲面である場合でも、ぴったりと沿うように接合することができる。
図14(C)に示すように、アンテナ部4b、4cはフィルムインサート成形により形成される。すなわち、金型Mの一方に、アンテナ層4p等を樹脂層4k側に向けてフィルムアンテナ4jを装着し、金型Mを閉じて、溶けた樹脂を注入して樹脂層4kとともに成形する。アンテナ層4pに接続されたケーブル部4aも同時に樹脂層4kの中に封入される。
ここで、成形を行う前に、フィルムアンテナ4jをフォーミング加工するようにしてもよい。例えば、図14(A)に示すアンテナ部4b、4cでは、フィルムアンテナ4jは平面形状となっているが、フォーミング加工により、四辺に丸みを付けてなだらかな形状にすることができる。また、文字やアンテナに凹凸を入れることができる。このようにフォーミング加工することにより、全体としての意匠性を向上することができる。
以上のように構成することにより、通信用ケーブル4のアンテナ部4b、4cについて、機能と意匠性を併せ持つものに構成することができる。フィルムインサート成形は、既に技術的には確立されているものであり、意匠性の高い通信用ケーブル4を安定して製造することが可能となった。
(第8の実施形態)
図15(A)、(B)を参照して、本発明の第8の実施形態について説明する。
この第8の実施形態は、水中無線LAN通信システム1に使用される通信用ケーブル4であって、第1の実施形態で示される通信用ケーブル4と同様の機能を有する。本実施形態は、樹脂封止によって製造される通信用ケーブル4に関し、粘着部4h(接合部、粘着部)の部分は、樹脂封止により同時に形成されるように構成されている。以下、第1の実施形態と同じ部分は同一符号を付し、説明を省略し、異なっている部分のみを説明する。
図15(A)は、通信用ケーブル4において、粘着部4hを上方に向けたアンテナ部4b、4cを示す斜視図である。図15(B)は、アンテナ部4b、4cが樹脂封止により製造される時の状況を示すものであり、アンテナ部4b、4cの断面は図15(A)におけるH−H線矢視方向の断面図を示している。
アンテナ部4b、4cの製造方法と構成について説明する。
図15(A)、(B)に示すように、アンテナ部4bは、外ケース部4sの中に、封止用の樹脂を注入して封止樹脂部4tを形成して製造したものである。外ケース部4sは、薄い四角い箱の上面方向を解放したトレー形状をなしており、樹脂から構成されている。
すなわち、まず、外ケース部4sの内側の底部の所定位置に、接着テープ4u等によりアンテナ本体4dを固定する。次に、外ケース部4sの一辺に形成されているケーブル取り付け溝4vの中に、アンテナ本体4dに接続されているケーブル部4aを嵌めて固定させる。そして最後に、溶融しているエラストマ樹脂をノズルN等により、外ケース部4sの中に注ぎ込み、アンテナ本体4dとケーブル部4aを封止する。
図15(A)、(B)に示すように、封止樹脂部4tであるエラストマ樹脂は、表面張力で外ケース部4sの端部から盛り上がるように所定量が注ぎ込まれている。ここで、このエラストマ樹脂は、固化したときゲル状となり、粘着性を有し再剥離可能な性質を有するものである。すなわち、盛り上がった封止樹脂部4tの上面は、粘着部4hとして利用できる。
ここで、外ケース部4sを形成する樹脂として、ポリカーボネイト樹脂やABS樹脂等の、剛性の高い樹脂を用いれば、剛性が高く丈夫なものとなる。また、可撓性のあるエラストマ樹脂を用いて、アンテナ部4bにフィルムアンテナやフォーミングされた柔軟なワイヤー等を用いれば、フレキシブルで可撓性のあるアンテナ部4b、4cを形成することができる。
なお、図15(A)、(B)に示すように、本実施形態の通信用ケーブル4は、ケーブル保護ブッシュ部4gは取り付けない構成を示しているが、これに限定されない。例えば、ケーブル保護ブッシュ部4gの取り付け部に合わせたケーブル取り付け溝4vを外ケース部4sに形成しておくことにより、別部品のケーブル保護ブッシュ部4gを取り付け可能とすることができる。
以上のように構成することにより、アンテナ部4b、4cの粘着部4hを、粘着シート等の別部品を用いることなく、封止樹脂部4tで封止することにより、同時に形成することが可能となる。通信用ケーブル4の製造における部品点数の削減、製造工程の簡略化が可能となり、コストをかけず容易に通信用ケーブル4の製造をすることが可能となった。また、インサート成形やフィルムインサート成形に用いられる金型と比べ、構造が簡単で安価な金型等を用いて製造することが可能となった。
なお、以上説明した第1乃至第8の実施形態においては、無線LAN通信の規格としてWi―Fi(登録商標)規格の例を上げたが、無線LAN装置が通信可能な無線LAN通信規格であれば、これに限定されない。また、本発明は、無線LAN通信に限定されない。いろいろな無線装置に適用することが可能である。また、無線LAN装置に内蔵される無線LAN通信用アンテナの位置についても、一例を上げたものであり、これに限定はされない。
また、アンテナ本体としてループアンテナを用いたが、無線LAN信号を通信可能であれば、アンテナの形式は限定されない。例えば、T字アンテナとかバーアンテナとかを用いてもよい。また、アンテナ部は、略矩形で板状の扁平な形状であるが、これに限定されない。例えば、円盤状、ドーナツ型のリング状、長円状、長いバー状等にしてもよい。
ここで、平らなケースの上に取り付ける場合には、取り付けやすさから、アンテナ部の形が、平板状であることが好ましい。
また、アンテナ部を樹脂で封止する構成としたが、これに限定されない。例えば、水密に密閉された中空の樹脂容器を用いて、樹脂容器の中空部にアンテナ本体を固定して配設し、アンテナ部を構成するようにしてもよい。
また、通信用ケーブルのアンテナ部を接合する位置を、無線LAN装置のアンテナ部に概略対向する位置又はその近傍としたが、これはより強い感度が得るためであり、接合位置はこれに限定されない。実用的に無線LAN通信が可能な接合位置ならば、接合位置は広くなるので、他の部分に接合してもよい。
ここで、水中使用しない無線LAN装置の場合には、無線LAN装置にアンテナ部を接合せずに隣接して配置しても使用が可能である。水中では電波は水に吸収されるが、空中では吸収されないからである。
また、通信用ケーブルの両端に設けられた2つのアンテナ部は、同一の形状及び構成を有するものとしたが、これに限定されず、一方のアンテナ部を他方と違った形状にしてもよい。
例えば、水中使用されない携帯端末に用いられるアンテナ部を、他方と形状を変えて、細長い円柱、または角柱形状の棒状のものとして、携帯端末の下面のすぐ下の位置に取り付ける構成にしてもよい。ここで、棒状のアンテナ部の長さは、携帯端末の左右方向(長辺方向)の長さよりも、少し短くなるように構成されている。なお、アンテナ部の取り付け方法としては、例えば、細長い薄板を棒状のアンテナ部の長手方向に沿って固定する。そして、薄板の一面に粘着部を設け、携帯端末の前面の下面側に、薄板の粘着部を接合させるようにして取り付ける。このような構成の場合、アンテナ部は、携帯端末に隣接した位置にあるので、無線LAN通信することができる。また、携帯端末の下面部に沿って、アンテナ部が位置しているので、取扱いの邪魔になりにくい。
また、ケーブル部に用いられる同軸ケーブルには、アルミ箔等により単数又は複数のシールド層を設けたものを用いてもよい。不要輻射を防止するためである。また、ケーブル部は、外皮等が耐水性や耐海水性等に強いものを用いることが好ましく、必要に応じて耐衝撃性に強いケーブルを用いてもよい。
また、アンテナ部と無線LAN装置のケースとの接合部(接合部)の構成として、アンテナ部に粘着部を設けて接合する構成と、アンテナ部等を付勢してケースと密着させる構成とを示したが、これに限定されない。例えば、アンテナ部に吸盤を設けたり、アンテナ部とケースに互いに引き合う磁石等を配置する構成にしたりして、接合部を構成してもよいことは勿論である。なお、吸盤で構成した場合には、アンテナ部を外殻体に取り付けたときに出っ張る高さが大きくなり、磁石等で構成した場合には、無線LAN装置の構成も変える必要が生じる。
また、本発明の水中無線LAN通信システムは、水中にある第1の無線LAN装置から、水中LAN通信用ケーブルを経由して、第2の無線LAN装置に、無線LAN信号を少なくとも送付可能に構成されるが、送付だけでなく相互に通信可能であることは勿論である。相互に通信可能である水中無線LAN通信システムは、以下のようにも表現できる。
水中において無線LAN信号を送受信する第1の無線LAN装置と、無線LAN信号を送受信する第2の無線LAN装置と、第1の無線LAN装置と第2の無線LAN装置との間の無線LAN信号を伝達する水中LAN通信用ケーブルとを備えた水中無線LAN通信システムにおいて、第1の無線LAN装置は、水密構造を持つ第1の外殻体と、第1の外殻体内部に配置されて無線LAN信号を送受信する第1の無線LAN部とを有し、第2の無線LAN装置は、第2の外殻体と、第2の外殻体内部に配置されて無線LAN信号を送受信する第2の無線LAN部とを有し、水中LAN通信用ケーブルは、第1の外殻体と水密に接合し第1の無線LAN部が送受信する無線LAN信号を受送信する水密構造を持つ第1のアンテナ部と、第2の外殻体に直接又は隣接して接合し第2の無線LAN部の送受信する無線LAN信号を受送信する水密構造を持つ第2のアンテナ部と、第1のアンテナ部に一端が接続されて2のアンテナ部に他端が接続され、第1のアンテナ部と2のアンテナ部との間の無線LAN信号を電線によりそのまま伝達する伝達ケーブル部とを有していることを特徴とする。
また、本発明の水中無線LAN通信システム及び水中無線LAN通信用ケーブルは、前述しかつ図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の変形実施が可能である。
例えば、上述した実施の形態においては、無線LAN装置として防水撮像端末(防水型デジタルカメラ)と携帯端末(スマートフォン)に適用した例について説明しているが、これに限定されず、タブレット端末、PDA、ノートパソコン、デジタルカメラ、携帯用ゲーム機携帯電話、携帯情報端末、デジタルカメラ、携帯ゲーム機、携帯型音声再生機、タブレット端末その他の無線LAN装置に適用できるものである。また、腕時計型端末やHMD(ヘッド・マウント・ディスプレイ)等のいわゆるウェアラブル端末等にも適用できるものである。