JP6479351B2 - ハイブリッド梁 - Google Patents
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ハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部においては、一般的に複数の梁主筋と、それら複数の梁主筋および鉄骨の周囲を囲む複数の横補強筋とが配筋され、鉄筋コンクリート梁部全体に渡り埋設されている。この横補強筋は、鉄筋コンクリート梁部の柱側の端部及び鉄骨梁部側の端部の配筋を密にした集中補強筋も含んでいる。
ハイブリッド梁は、中央部がS造であることから梁自重が軽減され、梁せいが減少するために梁のロングスパン化を可能とした建物が得られる新しい構法として注目されている。
ハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部は一般的なRC造として設計されており、一般的なRC造の梁に貫通孔を設けた場合、貫通孔の補強は、開孔補強筋(リング状のもの)や座屈補強筋(串形もの)などを用いて行われている。
そして、それら補強筋が過密となると、鉄筋コンクリート梁部にはもともと梁主筋と横補強筋が密に配筋されていることから、配筋するのに手間がかかり、施工性が悪くなる。
また、既往の研究例から一般的なRC造の梁の開孔を補強した場合、地震を経験したあとの開孔周りのせん断ひび割れが目立ち、梁の損傷度合いも顕著である。
この発明は以上の点に鑑みてなされたものであり、設備用孔が貫通形成された鉄筋コンクリート梁部の補強の施工性を向上でき、また、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利な設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造を提供することにある。
また、本発明は、対向する柱間に架け渡された鉄骨の両端部を鉄筋コンクリートで覆い、前記鉄骨の中央部を鉄骨梁部とし、両端部を鉄筋コンクリート梁部とし、前記鉄筋コンクリート梁部は複数の梁主筋とそれら梁主筋を囲む複数の横補強筋とを備え、前記鉄骨は前記対向する柱に貫通されず柱フェースまでの内法スパンとされるハイブリッド梁であって、前記鉄筋コンクリート梁部に、前記鉄筋コンクリート梁部の両側面を貫通する設備用孔が形成され、前記設備用孔の周辺の前記鉄筋コンクリート梁部の箇所を補強する設備用孔補強部が設けられ、前記設備用孔補強部は、前記鉄筋コンクリート梁部を平面視した場合、前記設備用孔の輪郭内に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の箇所において、前記設備用孔の上方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第1の領域と、前記設備用孔の下方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第2の領域とを有し、前記第1の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第1の梁主筋列及び第2の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第1の梁主筋列及び前記第2の梁主筋列を囲む第1の横補強筋とが設けられ、前記第2の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第3の梁主筋列及び第4の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第3の梁主筋列及び前記第4の梁主筋列を囲む第2の横補強筋とが設けられ、前記第1の梁主筋列は、前記設備用孔の上に設けられ、前記第2の梁主筋列は、前記第1の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、前記第3の梁主筋列は、前記設備用孔の下に設けられ、前記第4の梁主筋列は、前記第3の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、前記第1の横補強筋は、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向で前記鉄骨の両側方に一対設けられ、前記一対の第1の横補強筋は、それぞれ前記鉄骨の両側方の箇所に位置する前記第1の梁主筋列の部分及び前記第2の梁主筋列の部分を囲んでおり、さらに、前記一対の前記第1の横補強筋に被せられる第5の補強筋が設けられ、前記第2の横補強筋は、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向で前記鉄骨の両側方に一対設けられ、前記一対の第2の横補強筋は、それぞれ前記鉄骨の両側方の箇所に位置する前記第3の梁主筋列の部分及び前記第4の梁主筋列の部分を囲んでおり、さらに、前記一対の前記第2の横補強筋に被せられる第6の補強筋が設けられていることを特徴とする。
また、柱としての曲げおよびせん断に対する設計を行なった梁主筋および横補強筋で補強されているので、鉄筋の配筋がもともと過密なハイブリッド梁の鉄筋コンクリート梁部を、開孔補強筋を用いて補強する場合に比べ、簡単に迅速に確実に補強でき、施工性が改善され、工期の短縮化、コストダウンを図る上で有利となる。
また、設備用孔補強部により地震のエネルギーを吸収でき、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利となる。
まず、図4、図5を参照して本発明が適用される一般的なハイブリッド梁10について説明すると、ハイブリット梁10は、対向する柱12間に架け渡されたI鋼やH鋼等の鉄骨Sの両端部を鉄筋コンクリートで覆う構造のものである。
鉄骨Sの中央部は鉄骨梁部10Aとされ、両端部は鉄筋コンクリート梁部10Bとされ、鉄骨Sは内法スパン(柱フェースまでの長さ)とし柱12には貫通されておらず、図1において符号11Aはスタッドボルト、符号11Bは床スラブを示している。
鉄筋コンクリート梁部10Bは、複数の梁主筋14と、それら梁主筋14を囲む複数の横補強筋16により補強され、梁主筋14の柱梁接合部への定着は、定着金物あるいは折り曲げ定着により行われる。
この梁主筋例1402は、設備用孔20の上方の鉄筋コンクリート梁部10Bの上部において、2つの梁主筋例1402が上下に間隔をおいて設けられた上梁主筋列1402Aおよび下梁主筋列1402Bとして設けられている。
また、この梁主筋例1402は、設備用孔20の下方の鉄筋コンクリート梁部10Bの下部において、2つの梁主筋例1402が上下に間隔をおいて設けられた上梁主筋列1402Cおよび下梁主筋列1402Dとして設けられている。
また、横補強筋16は、設備用孔20の下方に位置する鉄筋コンクリート梁部10Bの箇所では、図2(B)に示すように、上梁主筋列1402Cと下梁主筋列1402Dの全ての梁主筋14を囲む横補強筋16Eとして配置されると共に、各梁主筋列1402C、1402Dの幅方向内側の2本の梁主筋14を囲む横補強筋16Fとして配置されている。
設備用孔補強部22について詳細に説明する。
設備用孔補強部22により補強する鉄筋コンクリート梁部10Bの長手方向に沿った所定の領域すなわち補強範囲L3は次の式1で決定され、この補強範囲L3の中心に設備用孔20の中心が位置している。
L3=L1+2×L2……式1。
ここでL1は、設備用孔20の内径の寸法である。
また、L2は、鉄筋コンクリート梁部10Bの長手方向に沿って設備用孔20の両側で設備用孔20の内周面からの離れた距離である。
設備用孔20の内周面の上端から鉄筋コンクリート梁部10Bの上面までの高さを上部梁せいD1とし、設備用孔20の内周面の下端から鉄筋コンクリート梁部10Bの下面までの高さを下部梁せいD2とし、上部梁せいD1と下部梁せいD2のうち大きい方の寸法を上記のL2とする。
補強範囲L3を大きくとると、使用される鉄筋量が増加し、配筋に手間がかかり、コストアップとなるため、必要最小限の寸法にすることが望まれる。
上記の式1を採用することで、必要最小限の寸法に近い補強範囲L3が機械的に簡単に求められる。
また、補強範囲L3において、下部梁せいD2と、鉄筋コンクリート梁部10Bの幅とで区画される長方形部分を第2の直方体部分C2とする。
そして、それら第1の直方体部分C1と第2の直方体部分C2とを別々の柱とみなし、鉄骨Sを考慮せずに一般的な鉄筋コンクリート造の柱と同様に曲げに対する設計を行ない、第1の直方体部分C1については図3(B)、(C)に示すように、第2の直方体部分C2については図3(D)、(E)に示すように、梁主筋14と横補強筋16A〜16Fの鉄筋量およびコンクリート強度を決定する。
あるいは、第1の直方体部分C1と第2の直方体部分C2とを別々の柱とみなし、鉄骨Sを考慮せずに一般的な鉄筋コンクリート造の柱と同様にせん断に対する設計を行ない、第1の直方体部分C1については図3(B)、(C)に示すように、第2の直方体部分C2については図3(D)、(E)に示すように、梁主筋14と横補強筋16A〜16Fの鉄筋量およびコンクリート強度を決定する。
ここで曲げとは、第1の直方体部分C1、第2の直方体部分C2に作用する曲げモーメントであり、ハイブリット梁10に作用する曲げモーメントである。
また、せん断とは、第1の直方体部分C1、第2の直方体部分C2に作用するせん断力であり、ハイブリット梁10に作用するせん断力である。
そのため、一般的な鉄筋コンクリート柱のように主筋、フープ筋、コンクリート強度のみで設計施工でき、複雑な開孔補強筋を使わないため配筋が簡易に行なえ、鉄筋加工と配筋の手間を大幅に削減でき、施工性を向上してコストダウンを図る上で有利となる。
効果A:設備用孔20周りの鉄筋コンクリート梁部10Bのせん断ひび割れや損傷度合いが改善される。
効果B:鉄筋の配筋がもともと過密なハイブリッド梁10の鉄筋コンクリート梁部10Bを、開孔補強筋を用いて補強する場合に比べ、簡単に迅速に確実に補強でき、施工性が改善され、工期の短縮化、コストダウンを図る上で有利となる。
効果C:設備用孔補強部22で地震のエネルギーを吸収でき、地震の際の損傷度合を軽減する上で有利となる。
10A……鉄骨梁部
10B……鉄筋コンクリート梁部
14……梁主筋
1402……梁主筋列
1402A、1402C……上梁主筋列
1402B、1402D……下梁主筋列
16、16A〜16J……横補強筋
20……設備用孔
22……設備用孔補強部
Claims (5)
- 対向する柱間に架け渡された鉄骨の両端部を鉄筋コンクリートで覆い、前記鉄骨の中央部を鉄骨梁部とし、両端部を鉄筋コンクリート梁部とし、前記鉄筋コンクリート梁部は複数の梁主筋とそれら梁主筋を囲む複数の横補強筋とを備え、前記鉄骨は前記対向する柱に貫通されず柱フェースまでの内法スパンとされるハイブリッド梁であって、
前記鉄筋コンクリート梁部に、前記鉄筋コンクリート梁部の両側面を貫通する設備用孔が形成され、
前記設備用孔の周辺の前記鉄筋コンクリート梁部の箇所を補強する設備用孔補強部が設けられ、
前記設備用孔補強部は、前記鉄筋コンクリート梁部を平面視した場合、前記設備用孔の輪郭内に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の箇所において、前記設備用孔の上方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第1の領域と、前記設備用孔の下方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第2の領域とを有し、
前記第1の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第1の梁主筋列及び第2の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第1の梁主筋列及び前記第2の梁主筋列を囲む第1の横補強筋とが設けられ、
前記第2の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第3の梁主筋列及び第4の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第3の梁主筋列及び前記第4の梁主筋列を囲む第2の横補強筋とが設けられ、
前記第1の梁主筋列は、前記設備用孔の上に設けられ、
前記第2の梁主筋列は、前記第1の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、
前記第3の梁主筋列は、前記設備用孔の下に設けられ、
前記第4の梁主筋列は、前記第3の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、
前記第1の領域において、第3の横補強筋を有し、
前記第2の領域において、第4の横補強筋を有し、
前記第3の横補強筋は、前記第1の梁主筋列及び前記第2の梁主筋列のそれぞれの幅方向内側の2本の梁主筋を囲み、
前記第4の横補強筋は、前記第3の梁主筋列及び前記第4の梁主筋列のそれぞれの幅方向内側の2本の梁主筋を囲む、
ことを特徴とする設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造。 - 対向する柱間に架け渡された鉄骨の両端部を鉄筋コンクリートで覆い、前記鉄骨の中央部を鉄骨梁部とし、両端部を鉄筋コンクリート梁部とし、前記鉄筋コンクリート梁部は複数の梁主筋とそれら梁主筋を囲む複数の横補強筋とを備え、前記鉄骨は前記対向する柱に貫通されず柱フェースまでの内法スパンとされるハイブリッド梁であって、
前記鉄筋コンクリート梁部に、前記鉄筋コンクリート梁部の両側面を貫通する設備用孔が形成され、
前記設備用孔の周辺の前記鉄筋コンクリート梁部の箇所を補強する設備用孔補強部が設けられ、
前記設備用孔補強部は、前記鉄筋コンクリート梁部を平面視した場合、前記設備用孔の輪郭内に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の箇所において、前記設備用孔の上方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第1の領域と、前記設備用孔の下方に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の第2の領域とを有し、
前記第1の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第1の梁主筋列及び第2の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第1の梁主筋列及び前記第2の梁主筋列を囲む第1の横補強筋とが設けられ、
前記第2の領域に、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向に間隔をおいて複数の梁主筋が並べられた第3の梁主筋列及び第4の梁主筋列とが上下に並べられると共に、前記第3の梁主筋列及び前記第4の梁主筋列を囲む第2の横補強筋とが設けられ、
前記第1の梁主筋列は、前記設備用孔の上に設けられ、
前記第2の梁主筋列は、前記第1の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、
前記第3の梁主筋列は、前記設備用孔の下に設けられ、
前記第4の梁主筋列は、前記第3の梁主筋列と前記設備用孔の間に設けられ、
前記第1の横補強筋は、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向で前記鉄骨の両側方に一対設けられ、
前記一対の第1の横補強筋は、それぞれ前記鉄骨の両側方の箇所に位置する前記第1の梁主筋列の部分及び前記第2の梁主筋列の部分を囲んでおり、
さらに、前記一対の前記第1の横補強筋に被せられる第5の補強筋が設けられ、
前記第2の横補強筋は、前記鉄筋コンクリート梁部の幅方向で前記鉄骨の両側方に一対設けられ、
前記一対の第2の横補強筋は、それぞれ前記鉄骨の両側方の箇所に位置する前記第3の梁主筋列の部分及び前記第4の梁主筋列の部分を囲んでおり、
さらに、前記一対の前記第2の横補強筋に被せられる第6の補強筋が設けられている、
ことを特徴とする設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造。 - 前記設備用孔補強部は、前記設備用孔を含み前記鉄筋コンクリート梁部の長手方向に沿った所定の領域L3に設けられ、
前記設備用孔の内径の寸法をL1とし、前記設備用孔の内周面の上端から前記鉄筋コンクリート梁部の上面までの高さを上部梁せいD1とし、前記設備用孔の内周面の下端から前記鉄筋コンクリート梁部の下面までの高さを下部梁せいD2とし、上部梁せいD1と下部梁せいD2のうち大きい方の寸法をL2とすると、前記所定の領域L3は、L3=L1+2×L2で決定され、L3の中心に前記設備用孔の中心が位置している、
ことを特徴とする請求項1または2記載の設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造。 - 平面視した場合に前記設備用孔の輪郭内に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の箇所を除いた前記前記設備用孔補強部の箇所に、前記第1の梁主筋列乃至前記第4の梁主筋列の幅方向外側を囲む第7の横補強筋が設けられている、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造。 - 平面視した場合に前記設備用孔の輪郭内に位置する前記鉄筋コンクリート梁部の箇所を除いた前記前記設備用孔補強部の箇所に、前記第1の梁主筋列乃至前記第4の梁主筋列のそれぞれの幅方向内側の2本の梁主筋を囲む第8の横補強筋が設けられている、
ことを特徴とする請求項4記載の設備用孔を有するハイブリッド梁の補強構造。
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