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JP6479368B2 - 培養容器、多光子励起顕微鏡、及び観察方法 - Google Patents
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JP6479368B2 - 培養容器、多光子励起顕微鏡、及び観察方法 - Google Patents

培養容器、多光子励起顕微鏡、及び観察方法 Download PDF

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Description

本発明は、生体標本を培養する培養容器、多光子励起顕微鏡、及び観察方法に関する。
生体標本を深部まで観察するための手段として、多光子励起顕微鏡が知られている。多光子励起顕微鏡では、蛍光は励起光が集光した標本中の1点から発生するが、生体標本内部で散乱して広範囲に拡散される。このため、発生した蛍光を効率よく検出するためには、高い開口数と広い検出視野を有する対物レンズの利用が効果的である。
しかしながら、そのような対物レンズを用いたとしても、対物レンズによって取り込むことができる蛍光は、標本から全方向(360度)に出射される蛍光の一部のみである。そこで、検出効率のさらなる向上を実現するための技術が提案されている。
特許文献1には、対物レンズに加えて、対物レンズの径方向外側に配置されて標本からの蛍光を取り込む付加光学系を備え、対物レンズと付加光学系により集光された標本からの蛍光を光検出器で検出するように構成された蛍光観察装置が記載されている。
特開2011−196852号公報
ところで、生体標本は培養容器に収容された状態で観察されることがあるが、この培養容器が蛍光の検出を妨げることがある。特に、マイクロプレートのように標本を収容する複数の収容部が近接して設けられた容器が用いられる場合には、対物レンズのNA(Numerical Aperture)を超えた大きなNAの光は、各収容部の上壁や側壁によって容易に遮られてしまう。
このため、培養容器に収容された標本を観察する場合には、特許文献1に記載された装置のように、蛍光を取り込むことができる角度範囲(検出立体角)を単純に広げても、十分な検出効率を得ることは難しい。
以上のような実情を踏まえ、本発明は、培養容器に収容された標本を明るく観察する技術を提供することを課題とする。
本発明の第1の態様は、生体標本を培養液に浸して収容可能な培養容器であって、前記培養容器の内側面に入射した前記生体標本からの光を前記培養容器の上方又は下方に導く導光手段を備える培養容器を提供する。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の培養容器において、前記生体標本からの光は、多光子励起によって生じた蛍光である培養容器を提供する。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様に記載の培養容器において、前記培養容器は、複数の生体標本を個別に収容する構造を有するマイクロプレートである培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載の培養容器において、前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面を透過した前記生体標本からの光を上方又は下方に反射させる反射面を有する培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載の培養容器において、前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面に形成された、前記生体標本からの光を回折させる回折面を有する培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第3の態様のいずれか1つに記載の培養容器において、前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面に形成された、前記生体標本からの光を反射させる反射面を有する培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第1の態様乃至第の態様のいずれか1つに記載の培養容器において、さらに、光が透過する底面と、前記内側面とを有し、前記生体標本を前記培養液に浸して収容可能な容器本体と、前記容器本体に重ねて配置される蓋であって、前記底面側に向けて形成された前記生体標本からの光を反射させる反射面を有する蓋と、を備える培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第の態様に記載の培養容器において、前記蓋は、開口、又は、前記生体標本からの光が透過する透過部を有し、前記蓋に形成された反射面は、前記開口又は前記透過部の周囲に形成される培養容器を提供する。
本発明の第の態様は、第の態様又は第の態様に記載の培養容器において、前記蓋に形成された反射面は、凹面形状を有する培養容器を提供する。
本発明の第10の態様は、生体標本が収容される第1の態様から第9の態様のいずれか1態様に記載の培養容器と、前記培養容器が配置されるステージと、前記生体標本に励起光を照射する対物レンズを有し、前記対物レンズを介して前記生体標本から生じた蛍光を検出する第1の検出手段と、前記ステージを挟んで前記対物レンズとは反対側に配置されたコンデンサを有し、前記コンデンサを介して前記生体標本から生じた蛍光を検出する第2の検出手段と、前記生体標本から生じた蛍光であって前記培養容器から前記ステージ側に出射した蛍光のうち前記対物レンズの外側に導かれた蛍光を検出する第3の検出手段と、を備える多光子励起顕微鏡を提供する。
本発明の第11の態様は、多光子励起顕微鏡のステージ上に配置された第1の態様から第の態様のいずれか1態様に記載の培養容器に収容された生体標本を観察する観察方法であって、前記多光子励起顕微鏡の対物レンズを介して、前記生体標本に励起光を照射し、前記多光子励起顕微鏡の検出手段で、前記導光手段により前記培養容器の上方又は下方に導かれて前記培養容器から出射された、前記生体標本から生じた蛍光を検出する観察方法を提供する。
本発明によれば、培養容器に収容された標本を明るく観察する技術を提供することができる。
本発明の実施例1に係る顕微鏡の構成を例示した図である。 本発明の実施例1に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例2に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例3に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例4に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例5に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例6に係る培養容器の構成を説明するための図である。 従来の培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例7に係る培養容器の構成を説明するための図である。 本発明の実施例8に係る培養容器の構成を説明するための図であり、蓋と培養液が接触していない様子が示されている。 本発明の実施例8に係る培養容器の構成を説明するための図であり、蓋と培養液が接触している様子が示されている。 本発明の実施例9に係る培養容器の構成を説明するための図である。
図1は、本実施例に係る顕微鏡1の構成を例示した図である。顕微鏡1は、培養容器100に収容された生体標本101からの蛍光を検出する2光子励起顕微鏡である。
培養容器100は、複数の生体標本101を個別に収容する構造を有するマイクロプレート(マルチウェルプレートともいう)である。生体標本101は、培養液102に浸した状態で培養容器100に収容される。培養容器100の詳細な構成については、後述する。
顕微鏡1は、培養容器100が配置されるステージ2を備え、培養容器100は、容器保持部2aによってステージ2上に保持される。ステージ2は、対物レンズ7の光軸と直交するXY方向に移動可能に構成されたXYステージである。顕微鏡1の利用者は、複数の生体標本101の中から選択された観察対象である生体標本101が対物レンズ7の光軸上に位置するように、ステージ2を操作する。
顕微鏡1は、さらに、レーザ3と、XYスキャナ4と、リレー光学系5と、ダイクロイックミラー6と、対物レンズ7を備えている。顕微鏡1では、これらが培養容器100に収容された生体標本101に下方から励起光を照射する照明手段として機能する。
レーザ3は、例えば、チタンサファイアレーザである。レーザ3は、赤外域の波長を有するレーザ光を出射する。XYスキャナ4は、例えば、ガルバノミラーである。レーザ3から出射したレーザ光は、XYスキャナ4で偏向される。リレー光学系5は、対物レンズ7の瞳をXYスキャナ4に投影する光学系である。XYスキャナ4がレーザ光の偏向方向を変化させることで、対物レンズ7の瞳位置に入射するレーザ光の入射角が変化し、これにより、対物レンズ7から出射されたレーザ光の集光位置が対物レンズ7の光軸と直交するXY方向に移動する。ダイクロイックミラー6は、照明光路と検出光路とを分岐させる手段である。ダイクロイックミラー6は、励起光であるレーザ光を透過させ、且つ、生体標本101から生じた蛍光を反射させる波長特性を有している。対物レンズ7は、生体標本101にレーザ光を照射する対物レンズであって、可視域から赤外域までの光に対して高い透過率を有している。
顕微鏡1では、照明手段により、培養容器100に収容された生体標本101が励起されて、生体標本101から蛍光が放射される。
顕微鏡1は、さらに、ダイクロイックミラー6で反射した蛍光の光路上に、リレーレンズ8と、赤外線(IR)カットフィルタ9と、光電子増倍管(PMT)10を備えている。顕微鏡1では、これらは、対物レンズ7及びダイクロイックミラー6とともに、蛍光を検出する第1の検出手段を構成する。なお、第1の検出手段は、生体標本101にレーザ光を照射する対物レンズ7を介して蛍光を検出する落射検出手段である。
リレーレンズ8は、対物レンズ7の瞳をPMT10に投影する光学系である。生体標本101から放射され対物レンズ7に取り込まれた蛍光は、ダイクロイックミラー6を反射し、リレーレンズ8によりPMT10に導かれる。IRカットフィルタ9は、赤外域の波長を有する光を遮断する光学フィルタであり、蛍光をレーザ光から分離する手段である。蛍光とともにIRカットフィルタ9に入射したレーザ光は、IRカットフィルタ9で遮断される。PMT10は、蛍光を検出する光検出器である。PMT10には、IRカットフィルタ9によりレーザ光から分離された蛍光が入射し検出される。
顕微鏡1では、落射検出手段により、生体標本101から放射された蛍光のうち対物レンズ7に取り込まれた蛍光が検出される。
顕微鏡1は、さらに、培養容器100を挟んで対物レンズ7とは反対側の光路(透過検出光路)上に、コンデンサ11と、リレーレンズ12と、ミラー13と、IRカットフィルタ14と、PMT15とを備えている。顕微鏡1では、これらは、蛍光を検出する第2の検出手段を構成する。なお、第2の検出手段は、ステージ2を挟んで対物レンズ7とは反対側に配置されたコンデンサ11を介して蛍光を検出する透過検出手段である。
リレーレンズ12は、コンデンサ11の瞳をPMT15に投影する光学系である。生体標本101から放射されコンデンサ11に取り込まれた蛍光は、リレーレンズ12により、ミラー13及びIRカットフィルタ14を介してPMT15に導かれる。IRカットフィルタ14は、赤外域の波長を有する光を遮断する光学フィルタであり、蛍光をレーザ光から分離する手段である。蛍光とともにIRカットフィルタ14に入射したレーザ光は、IRカットフィルタ14で遮断される。PMT15は、蛍光を検出する光検出器である。PMT15には、IRカットフィルタ14によりレーザ光から分離された蛍光が入射し検出される。
顕微鏡1では、透過検出手段により、生体標本101から放射された蛍光のうちコンデンサ11に取り込まれた蛍光が検出される。
顕微鏡1は、対物レンズ7を取り囲むように対物レンズ7の外側に配置された複数の光学系16と、複数の光ファイバー17を備えている。これらは、IRカットフィルタ9及びPMT10とともに、第3の検出手段を構成する。
光学系16は、培養容器100により対物レンズ7の外側に導かれた蛍光を取り込む光学系である。光学系16に取り込まれた蛍光は、光ファイバー17及びIRカットフィルタ9を介して、PMT10に導かれる。
顕微鏡1では、第3の検出手段により、培養容器100からステージ2側に出射した蛍光のうち対物レンズ7の外側に導かれた蛍光が検出される。
顕微鏡1は、培養容器100から異なる方向に出射された蛍光を検出する3つの検出手段を備えることで、高い蛍光検出効率を実現することができる。これにより、顕微鏡1は、培養容器100に収容された生体標本101を明るく観察することができる。さらに、顕微鏡1は、後述する構成を有する培養容器100を用いることで、より高い検出効率を実現することが可能となる。
以下、図2を参照しながら、培養容器100の構成について詳細に説明する。図2には、周期構造を有する培養容器100の一周期分の構成が示されている。なお、この点については、後に参照する図3から図12についても同様である。
培養容器100は、ステージ2に配置される容器本体110と、容器本体110に重ねて配置される蓋120と、を備えている。培養容器100には、図2に示される容器本体110と蓋120の組み合わせが周期的に配列されている。容器本体110は、隣接する容器本体110と図示しない構造によって接続されていて、周期的に配列された複数の容器本体110全体で一つの大きな容器本体を構成している。また、蓋120は、図1に示されるように、後述する支持部材122が隣接する蓋120の支持部材122に接続されていて、周期的に配列された複数の蓋120全体で一つの大きな蓋を構成している。
容器本体110には、底面111と側面112で構成されるウェルが形成されている。生体標本101は培養液102に浸した状態で容器本体110のウェルに収容される。容器本体110は、対物レンズ7から出射されたレーザ光が底面111を透過して生体標本101に照射されるように、また、生体標本101から生じた蛍光が底面111を透過して対物レンズ7に入射するように、光を透過する素材によって作られている。
容器本体110の外側の側面(以降、外側面と記し、内側面である側面112と区別する)は、容器本体110下部において、光軸に対して傾斜した斜面であり、側面112を透過した蛍光を下方に反射させる反射面113である。詳細には、外側面である反射面113は、容器本体110と空気との屈折率差を利用した全反射面であり、側面112に浅い角度で入射した蛍光が全反射するように傾けられている。なお、反射面113の傾斜角度は、例えば、反射面113の最大高さに基づいて反射面113に入射する蛍光の入射角度範囲を特定し、特定した入射角度範囲の蛍光が全反射されるように、決定すればよい。
蓋120は、容器本体110に配置されたときに容器本体110の開口の少なくとも一部を覆うように形成された蓋部材121と、蓋部材121を支持する支持部材122と、を備えている。
蓋部材121は、中心に開口123が形成されたドーム形状を有する部材であり、蓋部材121には、底面111側に向けた反射面124が形成されている。開口123の周囲に形成された反射面124は、少なくとも生体標本101からの光である蛍光を反射させるように構成されればよい。反射面124は、例えば、蓋部材121の内側表面に生体標本101からの光(蛍光)の反射率を高めるコーティングを行うことによって形成される。開口123は、コンデンサ11に入射する蛍光L1を遮らないように形成される。なお、開口123の代わりに生体標本101からの光(蛍光)が透過する透過部が形成されてもよい。その場合、透過部はガスを透過させる素材によって構成されていることが望ましい。
顕微鏡1では、培養容器100に収容された生体標本101から上方に放射された蛍光のうち開口123を通過した蛍光L1は、コンデンサ11に入射し、透過検出手段によって検出される。また、生体標本101から上方に放射された蛍光のうち開口123の外側に向かって出射した蛍光L2は、反射面124で反射し、その後、生体標本101から下方に放射された蛍光とともに対物レンズ7に入射し、落射検出手段によって検出される。また、生体標本101から側方に放射され側面112を透過した蛍光L3は、反射面113で反射し、第3の検出手段によって検出される。
このように、生体標本101を培養容器100に収容して観察することで、生体標本101から生じた蛍光を高い検出効率で検出することが可能となる。このため、培養容器100によれば、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
なお、図2では、蓋部材121がドーム形状を有する例を示したが、蓋部材121の形状はドーム形状に限られない。蓋部材121に形成された反射面124で反射した光が対物レンズ7に導かれるような凹面形状であれば、蓋部材121の形状は任意の形状であってもよい。また、透過検出手段を有しない顕微鏡で用いられる場合には、開口123が形成されず蓋部材121全面に反射面124が形成されても良い。
図3は、本実施例に係る培養容器200の構成を説明するための図である。図3に示す培養容器200は、容器本体110の代わりに容器本体210を備える点が、図2に示す培養容器100と異なっている。なお、図3では、蓋120の図示は省略されている。
容器本体210は、内側面に生体標本101からの光を回折させる回折面212が形成されている点が、容器本体110と異なっている。回折面212は、底面111からの高さ毎に異なる入射角で入射する蛍光L4を、外側面213に全反射角以上の角度で入射させるため、底面111からの高さに応じて異なる格子周期を有している。具体的には、回折面212は、底面111側から開口側に向かって格子周期が徐々に短くなるように構成されている。
生体標本101から回折面212に入射した蛍光L4のほとんどは、回折面212で回折する。その後、外側面213で全反射し、培養容器200から下方へ出射される。これにより、上述した落射検出手段又は第3の検出手段によって検出される。また、回折面212を直進した0次回折光である蛍光L5のうちコンデンサ11に入射したものは、透過検出手段によって検出される。
以上のように構成された培養容器200によれば、容器本体210の側面(回折面212)に入射した光を検出手段に導くことができる。従って、培養容器100と同様に、高い検出効率が実現され、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図4は、本実施例に係る培養容器300の構成を説明するための図である。なお、本実施例に係る顕微鏡は、図1に示す顕微鏡1と同様である。ただし、透過検出手段は省略されてもよい。
培養容器300は、ステージ2に配置される容器本体310と、容器本体310に重ねて配置される蓋320と、を備えている。容器本体310は、底面111と側面112で構成されるウェルが形成されている点については、図2に示す容器本体110と同様である。容器本体310が光を透過する素材によって作られている点についても同様である。
容器本体310は、容器本体310の外側面に、側面112を透過した生体標本101からの光(蛍光)を反射させる反射面313が形成されている。反射面313は、例えば、容器本体310の外側面に生体標本101からの光(蛍光)の反射率を高めるコーティングを行うことによって形成される。
蓋320には、底面111側に向けた反射面321が形成されている。蓋320は、蓋320が容器本体310に配置された状態で、反射面321が容器本体310の開口全体を覆うように構成されている。反射面321は、凹面形状を有している。反射面321は、容器本体310の外径に合せた大きさに形成されても良く、例えば、反射面313の延長線上に反射面321の端部が位置するように形成されてもよい。このような構成とすれば、生体標本101から生じた蛍光が培養容器300の側面又は上面から出射することを防止することができる。
本実施例に係る顕微鏡では、生体標本101から上方または側方に放射された蛍光(蛍光L6及び蛍光L7)は、反射面313及び/または反射面321で反射して、培養容器300の下方から出射され、落射検出手段又は第3の検出手段によって検出される。また、生体標本101から下方に放射された蛍光L8は、培養容器300の下方へ出射され、落射検出手段によって検出される。
従って、培養容器300によれば、培養容器100と同様に、高い検出効率が実現され、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図5は、本実施例に係る培養容器400の構成を説明するための図である。培養容器400は、図2に示す培養容器100の容器本体110と蓋120を一体に構成したものに相当する。なお、本実施例に係る顕微鏡は、コンデンサ11の後方にミラー18が配置されている点が、図1に示す顕微鏡1と異なっている。
培養容器400は、開口近傍が内向きに湾曲していて、湾曲部分の底面111側に反射面415が形成されている点、及び、側面112の一部がレンズ面414として形成されている点が、培養容器100の容器本体110と異なっている。反射面415は、図2に示す蓋120の反射面124に相当する。反射面415は、開口の周囲に底面111側に向けて形成されている点、少なくとも生体標本101からの光である蛍光を反射させるように構成される点は、反射面124と同様である。開口は、コンデンサ11に入射する蛍光L1を反射面415が遮らないように、形成されている。
本実施例に係る顕微鏡では、生体標本101から上方に放射された蛍光のうち培養容器400の開口を通過した蛍光L1は、コンデンサ11でコリメートされてミラー18に入射する。その後、ミラー18を反射してコンデンサ11を介して対物レンズ7に入射し、落射検出手段によって検出される。また、生体標本101から上方に放射された蛍光のうち開口の外側に向けて出射した蛍光L9は、反射面415で反射し、その後、生体標本101から下方に放射された蛍光とともに対物レンズ7に入射し、落射検出手段によって検出される。また、生体標本101から側方に放射されレンズ面414を透過した蛍光L10は、反射面113を反射し、第3の検出手段によって検出される。なお、レンズ面414は、光学系16を介して光ファイバー17に入射する光束の広がりを抑える効果を有する。
従って、培養容器400によれば、培養容器100と同様に、高い検出効率が実現されて、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図6は、本実施例に係る培養容器500の構成を説明するための図である。なお、本実施例に係る顕微鏡は、図1に示す顕微鏡1と同様である。ただし、第3の検出手段は省略されてもよい。
培養容器500は、外側面ではなく内側面に反射面512が形成されている点が、図4に示す培養容器300の容器本体310と異なっている。その他の点は、容器本体310と同様である。反射面512は、例えば、培養容器500の内側面に生体標本101からの光(蛍光)の反射率を高めるコーティングを行うことによって形成される。
本実施例に係る顕微鏡では、生体標本101から上方に放射された蛍光(蛍光L1及び蛍光L11)は、直接に、又は、反射面512で反射した後に、コンデンサ11に入射し、透過検出手段によって検出される。また、生体標本101から下方に放射された蛍光は、対物レンズ7に入射し、落射検出手段によって検出される。
従って、培養容器500によれば、培養容器500の側面(反射面512)に入射した光を検出手段に導くことができる。従って、培養容器100と同様に、高い検出効率が実現され、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図7は、本実施例に係る培養容器600の構成を説明するための図である。なお、本実施例に係る顕微鏡は、コンデンサ11の後方にミラー18が配置されている点が、図1に示す顕微鏡1と異なっている。また、第3の検出手段は省略されてもよい。
培養容器600は、容器に形成されたウェルが底面111側から開口側に向かって広がったテーパー形状を有し、反射面612が対物レンズ7の光軸に対して傾斜している点が培養容器500と異なっている。その他の点は、培養容器500と同様である。反射面612は、例えば、培養容器600の内側面に生体標本101からの光である蛍光の反射率を高めるコーティングを行うことによって形成される。
従って、培養容器600によっても、培養容器500と同様に、高い検出効率が実現されるため、収容された生体標本101を明るく観察することができる。なお、培養容器600では、生体標本101から略水平方向に放射された蛍光L13も、上方に向けて反射され、コンデンサ11、ミラー18及び対物レンズ7を介して検出手段によって検出される。このため、培養容器500よりも高い検出効率を実現することができる。
上述した実施例1から実施例6に係る培養容器は、培養容器の内側面に入射した生体標本101からの光を培養容器の上方又は下方に導く導光手段を備える点が共通している。この導光手段が検出効率の向上に寄与するため、これらの培養容器を用いることで、収容した生体標本101を明るく観察することができる。
なお、実施例1では反射面113が、実施例2では回折面212が、実施例3では反射面313が、実施例4では反射面113及び反射面415が、実施例5では反射面512が、実施例6では反射面612が、導光手段として機能している。
図8は、従来の培養容器700の構成を説明するための図である。図9は、本実施例に係る培養容器800の構成を説明するための図である。
図8に示すように、蓋を有しない(又は蓋が培養液102と接触しない)従来の培養容器700では、培養液102と空気との界面(以降、気液界面と記す)は、凹面を上方に向けた形状を有する。これは、培養液102と側面112の間にはらたく界面張力による影響である。
この様な形状の気液界面を有する培養液102は、生体標本101から放射された蛍光に対して、凹レンズとして作用し、コンデンサ11で取り込むことができる蛍光の光量を減少させてしまう。換言すると、気液界面(培養液102)の存在により、コンデンサ11で取り込みことができる蛍光のNAがコンデンサ11のNAに比べて低下してしまう。本実施例に係る培養容器800は、この点について改善したものである。
図9に示す培養容器800は、生体標本101を培養液102に浸して収容可能な容器本体810と、容器本体810に配置される蓋820と、を備えている。なお、容器本体810は、図8に示す培養容器700と同じものであり、光が透過する底面111と側面112とを有している。
蓋820は、少なくとも生体標本101からの光(蛍光)を透過する素材から作られていて、容器本体810の開口の径と略同径の凸部を有している。蓋820は、凸部の位置を容器本体810の開口の位置に合わせた状態で、容器本体810に重ねて配置される。これにより、凸部が開口に挿入されて、凸部の先端が培養液102と接触する。凸部の先端は、平面形状を有する面821で構成されているため、面821と培養液102の界面(以降、固液界面と記す)は平面形状を有する。これにより、培養液102が凹レンズとして作用することを防止することができる。
従って、培養容器800によれば、従来の培養容器700に比べて、コンデンサ11で取り込むことができる蛍光の光量を増加させることができる。これにより、高い検出効率が実現されるため、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図10及び図11は、本実施例に係る培養容器900の構成を説明するための図である。図10には、蓋920と培養液102が接触していない様子が、図11には、蓋920と培養液102が接触している様子が示されている。培養容器900は、蓋820の代わりに蓋920を備える点が、培養容器800と異なっている。その他の点は、培養容器800と同様である。
蓋920は、容器本体810に重ねて配置される点、少なくとも生体標本101からの光を透過する素材から作られている点は、蓋820と同様である。蓋920は、上下に突出した凸部を有している。凸部は、それぞれレンズ面として機能する、底面111側に向けられた凸面921と、凸面921とは反対方向に向けられた凸面922とを有している。これにより、蓋920は、容器本体810に重ねて配置された状態で、生体標本101から生じた生体標本101からの光である蛍光に対して正レンズとして機能する。
培養容器900は、図10に示すように、凹面形状を有する気液界面で広がった蛍光を蓋920で収斂させることができるため、従来の培養容器700に比べて、コンデンサ11で取り込むことができる蛍光の光量を増加させることができる。また、図11に示すように、蓋920の面921を培養液102と接触させて気液界面をなくすことで、気液界面での蛍光の屈折を防止することができる。これにより、さらに、より多くの蛍光をコンデンサ11に取り込むことが可能となる。このように、培養容器900によれば、高い検出効率が実現されるため、収容された生体標本101を明るく観察することができる。
図12は、本実施例に係る培養容器1000の構成を説明するための図である。培養容器1000は、蓋820の代わりに蓋1020を備える点が、培養容器800と異なっている。その他の点は、培養容器800と同様である。
蓋1020は、少なくとも生体標本101からの光を透過する素材から作られていて、容器本体810の開口の径と略同径の凸部を有している点は、蓋820と同様である。蓋1020は、凸部の先端にフレネルレンズ1021が配置されている点が、蓋820とは異なっている。フレネルレンズ1021は、底面111側に向けられたフレネルレンズ面1022を有している。フレネルレンズ面1022は正のパワーを有している。このため、蓋1020は、容器本体810に重ねて配置された状態で、生体標本101から生じた可視光である蛍光に対して正レンズとして機能する。
培養容器1000でも、培養容器900と同様に、凹面形状を有する気液界面で広がった蛍光を蓋1020で収斂させることができるため、従来の培養容器700に比べて、コンデンサ11で取り込むことができる蛍光の光量を増加させることができる。従って、培養容器1000によれば、高い検出効率が実現されるため、収容された生体標本101を明るく観察することができる。また、フレネルレンズ構造を採用することで、正レンズとして機能する蓋1020の厚さを薄くすることができる。
上述した各実施例は、発明の理解を容易にするために具体例を示したものであり、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。培養容器及び多光子励起顕微鏡は、特許請求の範囲により規定される本発明の思想を逸脱しない範囲において、さまざまな変形、変更が可能である。例えば、この明細書で説明される個別の実施例の文脈におけるいくつかの特徴を組み合わせて単一の実施例としてもよい。
例えば、実施例1から実施例4に係る培養容器は蓋を有しているが、これらの蓋は省略されてもよい。また、各実施例に係る顕微鏡は、2光子励起顕微鏡として構成されているが、蛍光が標本中の1点から発生するその他の多光子励起顕微鏡であってもよい。
図1では、第3の検出手段として、対物レンズ7の周囲に光学系16を配置した例を示したが、光学系16の代わりに光電変換素子そのものを対物レンズ7の周囲に配置してもよい。また、第3の検出手段は、コンデンサ11の周囲に光学系16を配置して構成されてもよい。この場合、例えば、図2に示す培養容器100は、蛍光を下方に向けて反射する反射面113の代わりに、蛍光を上方に向けて反射する反射面を有するように構成してもよい。
1 顕微鏡
2 ステージ
2a 容器保持部
3 レーザ
4 XYスキャナ
5 リレー光学系
6 ダイクロイックミラー
7 対物レンズ
8、12 リレーレンズ
9、14 IRカットフィルタ
10、15 PMT
11 コンデンサ
13、18 ミラー
16 光学系
17 光ファイバー
100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000 培養容器
101 生体標本
102 培養液
110、210、310、810 容器本体
111 底面
112 側面
113、124、313、321、415、512、612 反射面
120、320、820、920、1020 蓋
121 蓋部材
122 支持部材
123 開口
212 回折面
213 外側面
414 レンズ面
821、921、922 面
1021 フレネルレンズ
1022 フレネルレンズ面

Claims (11)

  1. 生体標本を培養液に浸して収容可能な培養容器であって、
    前記培養容器の内側面に入射した前記生体標本からの光を前記培養容器の上方又は下方に導く導光手段を備える
    ことを特徴とする培養容器。
  2. 請求項1に記載の培養容器において、
    前記生体標本からの光は、多光子励起によって生じた蛍光である
    ことを特徴とする培養容器。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の培養容器において、
    前記培養容器は、複数の生体標本を個別に収容する構造を有するマイクロプレートである
    ことを特徴とする培養容器。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の培養容器において、
    前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面を透過した前記生体標本からの光を上方又は下方に反射させる反射面を有する
    ことを特徴とする培養容器。
  5. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の培養容器において、
    前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面に形成された、前記生体標本からの光を回折させる回折面を有する
    ことを特徴とする培養容器。
  6. 請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の培養容器において、
    前記培養容器は、前記導光手段として、前記内側面に形成された、前記生体標本からの光を反射させる反射面を有する
    ことを特徴とする培養容器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の培養容器において、さらに、
    光が透過する底面と、前記内側面とを有し、前記生体標本を前記培養液に浸して収容可能な容器本体と、
    前記容器本体に重ねて配置される蓋であって、前記底面側に向けて形成された前記生体標本からの光を反射させる反射面を有する蓋と、を備える
    ことを特徴とする培養容器。
  8. 請求項7に記載の培養容器において、
    前記蓋は、開口、又は、前記生体標本からの光が透過する透過部を有し、
    前記蓋に形成された反射面は、前記開口又は前記透過部の周囲に形成される
    ことを特徴とする培養容器。
  9. 請求項7又は請求項8に記載の培養容器において、
    前記蓋に形成された反射面は、凹面形状を有する
    ことを特徴とする培養容器。
  10. 生体標本が収容される請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の培養容器と、
    前記培養容器が配置されるステージと、
    前記生体標本に励起光を照射する対物レンズを有し、前記対物レンズを介して前記生体標本から生じた蛍光を検出する第1の検出手段と、
    前記ステージを挟んで前記対物レンズとは反対側に配置されたコンデンサを有し、前記コンデンサを介して前記生体標本から生じた蛍光を検出する第2の検出手段と、
    前記生体標本から生じた蛍光であって前記培養容器から前記ステージ側に出射した蛍光のうち前記対物レンズの外側に導かれた蛍光を検出する第3の検出手段と、を備える
    ことを特徴とする多光子励起顕微鏡。
  11. 多光子励起顕微鏡のステージ上に配置された請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の培養容器に収容された生体標本を観察する観察方法であって、
    前記多光子励起顕微鏡の対物レンズを介して、前記生体標本に励起光を照射し、
    前記多光子励起顕微鏡の検出手段で、前記導光手段により前記培養容器の上方又は下方に導かれて前記培養容器から出射された、前記生体標本から生じた蛍光を検出する
    ことを特徴とする観察方法。
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