JP6480182B2 - 被覆食品の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、チョコレートに少量の水分を含有させることによりチョコレートの耐熱性及び保形性を上げることは公知であるが、すでに水分を含有したチョコレートはパンニングにおいてセンターに均一にコートすることはできないとの記載がある(段落0007)。
この問題を解決するため、特許文献1は、チョコレートの散布と同時又はその後に水又は水溶液を散布し冷却固化するという作業を繰り返し行う方法を提案している(請求項1)。具体的には、特許文献1には、センター材にチョコレートを散布し、冷風を当ててチョコレートが固化した後に、水などを散布し、べたつきがなくなるまで固化するという作業を繰り返すことが開示されているこれにより、耐熱性及び保形性が向上した被覆食品を製造することが記載されている(実施例1〜4)。
このような方法では、チョコレートと水の乳化が起こらない。そのため、特許文献1に記載の方法では、ガナッシュ様の食感を有する被覆食品を製造できないものであった。
また、本発明は、柔らかくしっとりとした食感を有する被覆食品を製造する技術を提供することを課題とする。
さらに、本発明の好ましい形態では、効率良く被覆食品を製造する技術を提供することを課題とする。
センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、
以下の(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のシーケンス単位を2以上有し、
センター材を転動させながら、前記油付着工程及び前記水付着工程によって、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、製造方法である。
(a)前記油付着工程の後に前記水付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(b)前記水付着工程の後に前記油付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(c)前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、
センター材を転動させながら、前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、製造方法である。
このような技術的特徴によって、本発明の製造方法は、センター材が乳化組成物によって被覆された被覆食品を製造することができる。そして、本発明の製造方法により製造された被覆食品は、柔らかくしっとりとした食感を有している。
粉末付着工程を有する形態の本発明は、センター材上の乳化組成物に食品粉末が取り込まれ、乳化組成物の食感と合わせて食品粉末の食感を楽しむことのできる被覆食品を製造することができる。
吸水性粉末をセンター材に付着させる粉末付着工程を含む形態の本発明によれば、回転釜の内壁に原料が付着することを防ぐことができ、歩留まりを向上させることで、より効率的に被覆食品を製造することができる。
また、このような形態の本発明の製造方法により製造された被覆食品は、水分を吸った吸水性粉末のしっとりとした食感を楽しむことができる。
このような形態の本発明によれば、ガナッシュに特有の柔らかくしっとりとした食感を有する被覆食品を製造することができる。
センター材を転動させながら、前記油付着工程及び前記水付着工程によって、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、方法にもある。
本発明によれば、柔らかくしっとりとした食感を有する乳化組成物によって、センター材を被覆することができる。
本発明によれば、柔らかくしっとりとした食感を有する乳化組成物によって、センター材を被覆することができる。
また、本発明の好ましい形態では、より効率的に被覆食品を製造することができる。
本発明における油性食品原料としては、通常、食品分野で用いられるものであれば特に制限されず、カカオバターや植物油脂などの油脂単体や、「チョコレート利用食品の表示に関する公正競争規約」で定義されているところのチョコレート類を例示することができる。チョコレート類として具体的には、同規約で定義されているチョコレート、準チョコレート、チョコレート菓子、準チョコレート菓子などを好ましく例示することができる。
本発明においてセンター材の大きさは特に限定されないが、最大径が好ましくは0.1〜10cm、より好ましくは0.5〜3cm程度のものを好適に例示できる。
本発明の被覆食品の製造方法は、センター材上で液状又は半固形状の油性食品原料と、水性液とを接触させて、油性食品原料と水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする。本発明における乳化組成物の形成の態様は、図1(a)〜(c)に示すように、大まかに3つに分類することができる。
この場合には、液状又は半固形状の油性食品原料2aと水性液3が、センター材1上で接触する。そして、センター材1の振動やセンター材同士の衝突など、センター材1を転動させることにより生じる物理的な力によって、接触した油性食品原料2aと水性液3がセンター材1上で乳化し、乳化組成物4を形成する(図1(a))。
この場合には、液状の油性食品原料2aと水性液3が、センター材1上で接触し、乳化組成物4を形成する(図1(b))。
この場合には、液状の油性食品原料2aと水性液3が、センター材1上で接触し、乳化組成物を形成する(図1(c))。
このようにして形成された乳化組成物によって被覆された被覆食品は、柔らかくしっとりとした食感に優れる。
そのため、当該製造方法により製造した被覆食品は、乳化組成物特有の柔らかくしっとりとした食感を楽しむことができない。
油付着工程と水付着工程は、センター材上で液状又は半固形状の油性食品原料と、水性液とを接触させることができる態様であれば、特に限定されない。具体的には、上述したように図1(a)〜(c)で表した態様で油性食品原料と水性液を接触させるように油付着工程及び水付着工程を行う。
なお、本明細書において「センター材に付着させる」とはセンター材の表面に直接付着する場合だけでなく、センター材上に形成された被覆層に付着する場合も含む。
本発明においてセンター材を転動させる方法は特に制限されず、回転釜、底部が回転する釜及び内部に回転羽を備える釜を用いる方法など、従来のパンコーティングで用いられている方法を例示することができる。本発明において好ましくは、回転釜を用いてセンター材を転動させる
本発明において油性食品原料及び水性液は、柄杓などを用いて手動で散布しても良いし、ホースから吐出して散布しても良いし、スプレーノズルより噴霧することで散布しても良い。
(a)前記油付着工程の後に前記水付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(b)前記水付着工程の後に前記油付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(c)前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
このように乳化組成物の形成が繰り返されることによって、柔らかくしっとりとした食感の被覆層を形成することができるのである。
本願発明においては、製造工程の簡素化の観点から、1種のシーケンス単位を繰り返し行うことが好ましい。
本発明の製造方法は、(a)〜(c)の何れのシーケンス単位にも含まれない油付着工程及び水付着工程を含むことによって、乳化組成物の被覆層だけではなく、油性食品原料及び/又は水溶液が固化した層を含む、多層構造を有する被覆食品を製造することもできる。
このような実施の形態とすることによって、異なった組成の複数の乳化組成物の層を含む被覆食品を製造することができる。
乳化組成物の水分活性を前記範囲とすることによって、非常に良好な柔らかさとしっとり感を有する被覆食品を製造することができる。
一方、シーケンス単位を繰り返す形態とする場合には、一つのシーケンス単位が行われた後であり、次のシーケンス単位が行われる前であれば、センター材上に形成された乳化物を固化する固化工程を含むことが好ましい。
一方、2以上のシーケンス単位(c)を繰り返し行う形態とする場合には、各シーケンス単位の終了時に、乳化組成物を完全に固化させても良い。
本発明の好ましい実施の形態では、製造時間を短縮する観点から、固化工程において乳化組成物を半固形状まで固化させることが好ましい。
このような実施の形態とすることによって、センター材上の乳化組成物に食品粉末が取り込まれ、乳化組成物の柔らかくしっとりとした食感に合わせて食品粉末の食感も楽しむことのできる被覆食品を製造することができる。
なお、食品粉末の最大粒子径は顕微鏡を用いて計測することができる。
このような実施の形態によれば、水分を吸収した吸水性粉末のしっとりとした食感を楽しむことができる被覆食品を製造することができる。
このような実施の形態の本発明によれば、油性食品原料又は乳化組成物の回転釜の内壁への付着を低減することができ、極めて効率的に被覆食品を製造することができる。
本発明においては、アベック化の発生をより効果的に防止するために、吸水性粉末をセンター材に付着させる粉末付着工程に加えて、固化工程を適宜設けても良い。
上述の通り、従来のパンコーティング技術では、アベック化、ガナッシュ高粘度化の問題により、ガナッシュ様の食感を有する被覆食品を製造することは不可能であった。
しかし、本発明の製造方法によれば、通常提供されるガナッシュのように柔らかくしっとりとした食感を有する被覆食品を製造することができる。
このような油性食品原料と水性液の組み合わせは、通常の方法でガナッシュを製造する際に採用されるものである。そのため、このような形態の本発明の製造方法は、風味のよいガナッシュによりセンター材が被覆された被覆食品を製造することができる。
また、本発明は乳化組成物によりセンター材を被覆する方法であって、センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、前記(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のシーケンス単位を2以上有し、
センター材を転動させながら、前記油付着工程及び前記水付着工程によって、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、方法にもある。
本発明の方法の実施の形態については、上述の本発明の製造方法の各形態を適用することができる。
表1に示すように、センター材としてキャラメル、油性食品原料としてミルクチョコ、水性液として還元水あめ(商品名「アマミール」、東和化成製)又はブランデーを用いて以下の手順によって被覆食品を製造した。
表1に示す量のセンター材を回転釜に投入し、回転釜を回動させながら、液状の油性食品原料及び水性液をセンター材に散布した。油性食品原料及び水性液の散布の態様は、表1に示すシーケンス単位を繰り返すことによって行った。
なお、1回の油付着工程及び水付着工程は、約5分かけて行った。
なお、1回の油付着工程及び水付着工程は、約5分かけて行った。
なお、シーケンス単位(c)は50分かけて行った。
なお、1回の油付着工程及び水付着工程は、約5分かけて行った。
一方、比較例1の製造方法はアベック化、ガナッシュ高粘度化の問題により、被覆食品の製造効率が著しく悪く、工業的製法として応用できないものであった。
◎:通常のガナッシュと同程度の柔らかい食感と、しっとり感を有している。
○:通常のガナッシュに近い柔らかい食感と、しっとり感を有している
△:通常のガナッシュの柔らかい食感と、しっとり感を少し有している
×:水を含まないチョコレートと同程度の食感である
これらの結果は(a)〜(c)の何れのシーケンス単位を有する本発明の製造方法であっても、乳化組成物によりセンター材が被覆された、柔らかくしっとりとした食感を有する被覆食品を製造できることを示している。
次に、食品粉末をセンター材に付着させる粉末付着工程を有する製造方法によって被覆食品を製造した。表2に示すように、センター材としてキャラメル、油性食品原料としてミルクチョコ、水性液として還元水あめ、水又は水飴、そして食品粉末としてビスケット粉砕品又はアーモンド粉砕品を用いて被覆食品を製造した。
なお、食品粉末の内、ビスケット粉砕品は吸水性粉末であり、アーモンド粉砕品は非吸水性粉末である。
なお、油付着工程及び水付着工程は、約1〜3分かけて行った。
なお、油付着工程及び水付着工程は、約1〜3分かけて行った。
なお、油付着工程及び水付着工程は、約1〜3分かけて行った。
一方、実施例7〜11の製造方法は、実施例12及び13そして、上述の実施例1〜6の製造方法よりも油性食品原料のロスが少なく、良好な歩留まりを示した。
この結果より、シーケンス単位の後に粉末付着工程を含む本発明の製造方法によれば、特に効率的に被覆食品を製造することができることがわかった。
◎:非常にしっとりとしている
○:しっとりとしている
△:ややしっとりとしている
×:しっとりしておらずビスケットの食感のままである
この結果は、吸水性粉末をセンター材に付着させる粉末付着工程を含む本発明の製造方法によれば、粉末付着工程のタイミングに関わらず、非常に良好なしっとり感を有する被覆食品を製造することができることを示している。
一方、水性液として水あめを用いた実施例9の製造方法により製造された被覆食品は、実施例7、8、11〜13の製造方法による被覆食品に比べ、しっとり感にやや劣っていた。また、水分活性も0.54と低めであった。
これらの結果は、水性液に占める水の含有量が、被覆食品のしっとり感及び水分活性に影響を与えることを示している。
表3に示すセンター材、油性食品原料、水性液、食品粉末を用いて、被覆食品を製造した。
実施例14〜17の製造方法は、実施例7〜10と同様に行った。
比較例3の製造方法においては、油付着工程、油性食品原料を完全に固化する固化工程、水付着工程、粉末付着工程、そして油付着工程の順に行った。水付着工程、粉末付着工程、そして油付着工程の一連の流れにおいて、水性液と液状の油性食品原料が接触するため、比較例3の製造方法はシーケンス単位(b)を1つ含む。
この結果は、油付着工程及び水付着工程によってセンター材に付着させる油性食品原料と水性液の質量比を変更しても、目的の食感を有する被覆食品を製造できることを示している。
この結果より、センター材に付着させる油性食品原料及び水性液の総質量よりも、吸水性粉末の総質量が少ないことが好ましいことが示唆された。
この結果は、センター上において乳化組成物の形成を繰り返すことが、柔らかくしっとりとした食感を有する被覆食品の製造に必要であることを示している。
2a 液状の油性食品原料
2b 固形状の油性食品原料
3 水性液
4 乳化組成物
Claims (10)
- 乳化組成物によりセンター材が被覆されている被覆食品の製造方法であって、
センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、
以下の(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のシーケンス単位を2以上有し、
センター材を転動させながら、前記油付着工程及び前記水付着工程によって、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、製造方法。
(a)前記油付着工程の後に前記水付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(b)前記水付着工程の後に前記油付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(c)前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する - 乳化組成物によりセンター材が被覆されている被覆食品の製造方法であって、
センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、
センター材を転動させながら、前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、製造方法。 - センター材に食品粉末を付着させる粉末付着工程を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の製造方法。
- 前記乳化組成物を固化させる固化工程を含むことを特徴とする、請求項1〜3の何れか一項に記載の製造方法。
- 連続する2つのシーケンス単位の間にセンター材に食品粉末を付着させる粉末付着工程を有する、請求項1に記載の製造方法。
- 前記食品粉末が吸水性粉末であることを特徴とする、請求項5に記載の製造方法。
- 前記油性食品原料がチョコレートであり、前記乳化組成物がガナッシュであることを特徴とする、請求項1〜6の何れか一項に記載の製造方法。
- 乳化組成物によりセンター材を被覆する方法であって、センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、以下の(a)〜(c)からなる群から選ばれる1種又は2種以上のシーケンス単位を2以上有し、
センター材を転動させながら、前記油付着工程及び前記水付着工程によって、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、方法。
(a)前記油付着工程の後に前記水付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(b)前記水付着工程の後に前記油付着工程を行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する
(c)前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上に前記乳化組成物を形成する - 乳化組成物によりセンター材を被覆する方法であって、センター材に液状の油性食品原料を付着させる油付着工程及びセンター材に水性液を付着させる水付着工程を含み、センター材を転動させながら、前記油付着工程と前記水付着工程を同時に行い、センター材上で液状又は半固形状の前記油性食品原料と、前記水性液とを接触させて、前記油性食品原料と前記水性液との乳化組成物をセンター材上に形成することを特徴とする、方法。
- 連続する2つのシーケンス単位の間に、センター材に食品粉末を付着させる粉末付着工程を有することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
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