図1は、本発明の実施の一形態に係る電線処理装置1の構成を示す平面図である。なお、以下の説明では特に断らない限り、図1の下、上、左、右のことをそれぞれ前、後、左、右と称する。そのため、図1の下側、上側は、それぞれ前側、後側となる。電線処理装置1は、2本の長尺の電線から、所定長さの2本の電線が撚り合わされてなるツイスト電線を自動的かつ連続的に製造する装置である。電線処理装置1は、電線の端部の処理を行う電線端処理装置2と、電線端処理装置2によって処理された2本の電線を撚り合わせる処理を行う電線ツイスト装置3とを備えている。
始めに、電線端処理装置2の構成を説明する。電線端処理装置2は、長尺の電線を切断する切断処理と、切断された電線の端部の被覆を剥ぎ取る剥ぎ取り処理と、被覆が剥ぎ取られた電線の端部に端子を圧着する端子圧着処理とを行うように構成されている。ただし、端子圧着処理は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。また、電線端処理装置2は他の処理、例えば電線に防水シールを挿入する処理、電線に半田付けを行う処理などを行うように構成されていてもよい。本実施形態に係る電線端処理装置2は、2本の電線すなわち第1電線C1および第2電線C2に対し、切断処理、剥ぎ取り処理、および端子圧着処理を実行する。特に、本実施形態に係る電線端処理装置2は、第1電線C1に対する上記処理と第2電線C2に対する上記処理とを平行して行うのではなく、交互に行うように構成されている。
電線端処理装置2は、長尺の第1電線C1を供給する第1プレフィーダ11と、長尺の第2電線C2を供給する第2プレフィーダ21と、を備えている。第1プレフィーダ11は第1電線C1を前方に供給するように構成され、第2プレフィーダ21は第2電線C2を前方に供給するように構成されている。なお、電線端処理装置2において、前側は電線送給の上流側、後側は下流側となる。第1プレフィーダ11は、第1電線C1を前方に送り出すと共に弛ませる送給装置13を有している。送給装置13の構成は何ら限定されないが、本実施形態では、第1電線C1を挟み込む一対のローラによって構成されている。一方のローラは、図示しないモータによって駆動され、回転するように構成されている。第2プレフィーダ21は、第2電線C2を前方に送り出すと共に弛ませる送給装置23を有している。送給装置23の構成も何ら限定されないが、本実施形態では第2電線C2を挟み込む一対のローラによって構成されている。一方のローラは、図示しないモータによって駆動され、回転するように構成されている。なお、第1プレフィーダ11および第2プレフィーダ21の上記構成は一例に過ぎず、それらの構成は特に限定されない。第1プレフィーダ11および第2プレフィーダ21として、公知の任意のプレフィーダを用いることができる。
電線端処理装置2は、第1電線C1を保持する第1フロントクランプ14と、第2電線C2を保持する第2フロントクランプ24とを備えている。第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24として、公知の任意のクランプを用いることができる。第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24は前後に移動可能に構成されており、後述の剥ぎ取り処理および端子圧着処理の際に、前後に適宜移動する。第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24は、フロントクランプ支持具30に取り付けられている。フロントクランプ支持具30は、第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24を前後に移動可能に支持している。フロントクランプ支持具30は、後述の第1フロント切断位置と、第2フロント切断位置と、第1フロント剥ぎ取り位置と、第2フロント剥ぎ取り位置と、第1フロント端子圧着位置と、第2フロント端子圧着位置とに移動可能に構成されている。フロントクランプ支持具30を駆動する機構は何ら限定されないが、本実施形態に係る電線端処理装置2は、フロントクランプ支持具30が係合したレール31と、フロントクランプ支持具30をレール31上で走行させるモータまたはシリンダ等のアクチュエータ32とを備えている。レール31は左右方向に延びており、フロントクランプ支持具30は左方および右方に移動可能に構成されている。
電線端処理装置2は、第1電線C1および第2電線C2を切断する切断刃33と、第1電線C1の被覆および第2電線C2の被覆を剥ぎ取るフロント剥ぎ取り刃34およびリア剥ぎ取り刃35とを備えている。本実施形態では、切断刃33、フロント剥ぎ取り刃34、およびリア剥ぎ取り刃35の各々は、互いに接近および離反が可能な一対の刃(図示せず)によって構成されている。ただし、切断刃33、フロント剥ぎ取り刃34、およびリア剥ぎ取り刃35の構成は特に限定されず、公知の任意の切断刃および剥ぎ取り刃を用いることができる。フロント剥ぎ取り刃34は切断刃33の右方に配置され、リア剥ぎ取り刃35は切断刃33の左方に配置されている。ただし、フロント剥ぎ取り刃34およびリア剥ぎ取り刃35の配置は特に限定される訳ではない。また、本実施形態では切断刃33、フロント剥ぎ取り刃34、およびリア剥ぎ取り刃35は別体であるが、切断刃33がフロント剥ぎ取り刃34および/またはリア剥ぎ取り刃35を兼用していてもよい。すなわち、フロント剥ぎ取り刃34および/またはリア剥ぎ取り刃35は、切断刃33により構成されていてもよい。これにより、フロント剥ぎ取り刃34および/またはリア剥ぎ取り刃35と切断刃33とを別々に設ける必要がなくなり、部品点数を削減することができる。
切断刃33の手前、すなわち切断刃33の後方には、送給装置5が配置されている。送給装置5は、第1フロントクランプ14に保持された第1電線C1または第2フロントクランプ24に保持された第2電線C2を、前方または後方に送る装置である。送給装置5の構成は何ら限定されず、公知の任意の送給装置を用いることができる。ここでは、送給装置5は上下一対のローラによって構成されている。一対のローラの一方または両方は、モータ等の駆動源の動力を受けて回転するように構成されている。
また、電線端処理装置2は、第1電線C1および第2電線C2のいずれか一方を保持するリアクランプ36を備えている。リアクランプ36は、切断刃33に対して第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24と反対側に配置されている。言い換えると、切断刃33は、第1フロントクランプ14および第2フロントクランプ24とリアクランプ36との間に配置されている。リアクランプ36の構成は何ら限定されず、公知の任意のクランプを用いることができる。リアクランプ36は前後に移動可能に構成されており、後述の切断処理および剥ぎ取り処理の際に、前後に適宜移動する。リアクランプ36はリアクランプ支持具37に取り付けられている。リアクランプ支持具37はリアクランプ36を前後に移動可能に支持している。リアクランプ支持具37は、後述するリア切断位置と、リア剥ぎ取り位置と、リア端子圧着位置とに移動可能に構成されている。リアクランプ支持具37を駆動する機構は何ら限定されないが、本実施形態に係る電線端処理装置2は、リアクランプ支持具37が係合したレール38と、リアクランプ支持具37をレール38上で走行させるモータまたはシリンダ等のアクチュエータ39とを備えている。レール38は左右方向に延びており、リアクランプ支持具37は左方および右方に移動可能に構成されている。
また、電線端処理装置2は、フロント端子圧着ユニット40およびリア端子圧着ユニット41を備えている。フロント端子圧着ユニット40はフロント剥ぎ取り刃34の右方に配置されている。リア端子圧着ユニット41はリア剥ぎ取り刃35の左方に配置されている。ただし、フロント端子圧着ユニット40およびリア端子圧着ユニット41の構成および配置は何ら限定されず、公知の任意の端子圧着ユニットを用いることができる。
前述の第1フロント切断位置は、第1フロントクランプ14が切断刃33の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。前述のリア切断位置は、リアクランプ36が切断刃33の手前に位置するときのリアクランプ支持具37の位置である。フロントクランプ支持具30が第1フロント切断位置にあり、かつ、リアクランプ支持具37がリア切断位置にあるときに、第1フロントクランプ14およびリアクランプ36に保持された第1電線C1が切断刃33によって切断される。このようにして第1電線C1の切断処理が行われる。前述の第2フロント切断位置は、第2フロントクランプ24が切断刃33の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。フロントクランプ支持具30が第2フロント切断位置にあり、かつ、リアクランプ支持具37がリア切断位置にあるときに、第2フロントクランプ24およびリアクランプ36に保持された第2電線C2が切断刃33によって切断される。このようにして第2電線C2の切断処理が行われる。
前述の第1フロント剥ぎ取り位置は、第1フロントクランプ14がフロント剥ぎ取り刃34の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。フロントクランプ支持具30が第1フロント剥ぎ取り位置にあるときに、第1フロントクランプ14に保持された第1電線C1の端部の被覆が剥ぎ取り刃34によって剥ぎ取られる。このようにして第1電線C1のフロント側の端部の剥ぎ取り処理が行われる。前述の第2フロント剥ぎ取り位置は、第2フロントクランプ24がフロント剥ぎ取り刃34の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。フロントクランプ支持具30が第2剥ぎ取り位置にあるときに、第2フロントクランプ24に保持された第2電線C2の端部の被覆が剥ぎ取り刃34によって剥ぎ取られる。このようにして第2電線C2のフロント側の端部の剥ぎ取り処理が行われる。
前述の第1フロント端子圧着位置は、第1フロントクランプ14がフロント端子圧着ユニット40の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。フロントクランプ支持具30が第1フロント端子圧着位置にあるときに、第1フロントクランプ14に保持された第1電線C1に対し、フロント端子圧着ユニット40により端子Tが圧着される。このようにして、第1電線C1の前端部の端子圧着処理が行われる。前述の第2フロント端子圧着位置は、第2フロントクランプ24がフロント端子圧着ユニット40の手前に位置するときのフロントクランプ支持具30の位置である。フロントクランプ支持具30が第2フロント端子圧着位置にあるときに、第2フロントクランプ24に保持された第2電線C2に対し、フロント端子圧着ユニット40により端子Tが圧着される。このようにして、第2電線C2の前端部の端子圧着処理が行われる。
電線端処理装置2は、前述の切断処理、剥ぎ取り処理、および端子圧着処理が行われた第1電線C1および第2電線C2を電線端処理装置2から排出する排出クランプ42を備えている。排出クランプ42は、第1電線C1および第2電線C2を保持することができ、かつ、第1電線C1および第2電線C2を保持しつつ移動可能に構成されている。排出クランプ42の構成は何ら限定されないが、本実施形態では図2に示すように、排出クランプ42は、レール43に係合したスライダ44と、スライダ44に支持されたクランプ本体45と、回転軸46によりクランプ本体45に回転自在に支持された一対のグリップアーム47とを有している。また、排出クランプ42は、グリップアーム47に連結されたエアシリンダ(以下、単にシリンダという)48を有している。グリップアーム47は、シリンダ48の駆動力を受けて回転軸46の周りに回転する。両グリップアーム47が第1電線C1または第2電線C2を挟むことにより、第1電線C1または第2電線C2は排出クランプ42に保持される。スライダ44はレール43に沿って移動可能に構成されている。スライダ44には、図示しない動力伝達機構を介してモータ49が連結されている。モータ49はスライダ44をレール43に沿って駆動するように構成されている。なお、上記および下記の動力伝達機構の構成は何ら限定されず、例えば、プーリおよび伝動ベルトを備えた構成、複数のギアを備えた構成、またはボールネジを備えた構成であってもよい。
以上が電線端処理装置2の構成である。詳細は後述するが、電線端処理装置2により、両端に端子Tが圧着された第1電線C1および第2電線C2が交互に作製される。これら第1電線C1および第2電線C2は、電線ツイスト装置3に交互に送られる。本実施形態に係る電線処理装置1は、第1電線C1および第2電線C2を電線端処理装置2から電線ツイスト装置3に送る中間クランプ50を備えている。ただし、中間クランプ50は必ずしも必要ではなく、省略することが可能である。その場合、第1電線C1および第2電線C2は、電線端処理装置2の排出クランプ42により電線ツイスト装置3に送られる。すなわち、第1電線C1および第2電線C2は、電線端処理装置2から電線ツイスト装置3に直接送られる。
中間クランプ50は、電線端処理装置2から後述する保持クランプ60に至る第1電線C1および第2電線C2の経路の途中に配置されている。本実施形態に係る中間クランプ50は、第1電線C1および第2電線C2を同時に保持可能に構成され、第1電線C1および第2電線C2の両方を保持しながら移動可能に構成されている。ただし、中間クランプ50は、第1電線C1および第2電線C2を同時に保持可能なものに限定されず、第1電線C1および第2電線C2のいずれか一方を保持しながら移動可能に構成されていてもよい。中間クランプ50は、排出クランプ42から第1電線C1および第2電線C2を受け取る受け取り位置と、保持クランプ60に第1電線C1および第2電線C2を受け渡す受け渡し位置とに移動可能に構成されている。中間クランプ50の構成は特に限定されないが、本実施形態では以下のように構成されている。
図3に示すように、中間クランプ50は、レール51に係合したスライダ52と、スライダ52に支持されたベース53と、ベース53に対し昇降自在に連結されたクランプ本体54と、クランプ本体54に設けられた一対のグリップアーム55とを有している。両グリップアーム55の間には、中間壁55Aが設けられている。両グリップアーム55は互いに接近または離反するように、回転軸59周りに回転可能に構成されている。両グリップアーム55が中間壁55Aとの間に第1電線C1および第2電線C2を挟むことにより、第1電線C1および第2電線C2が中間クランプ50に同時に保持される。クランプ本体54には、グリップアーム55に連結されたシリンダ56が設けられている。グリップアーム55はシリンダ56によって駆動される。ベース53には、クランプ本体54を昇降させるシリンダ57が設けられている。クランプ本体54を昇降させる機構は何ら限定されないが、例えば、シリンダ57に連結されたラックアンドピニオンまたはボールネジを好適に用いることができる。なお、中間クランプ50は第1電線C1および第2電線C2を同時に保持できればよく、中間壁55Aは必ずしも必要ではない。
図1に示すように、レール51は左右方向に延びている。スライダ52はレール51に沿って移動可能に構成されている。スライダ52には、図示しない動力伝達機構を介してシリンダ58が連結されている。シリンダ58はスライダ52をレール51に沿って駆動するように構成されている。
次に、電線ツイスト装置3の構成を説明する。電線ツイスト装置3は、第1電線C1と第2電線C2とを並べる処理と、第1電線C1および第2電線C2を撚り合わせる処理とを行うように構成されている。
電線ツイスト装置3は、第1電線C1および第2電線C2を同時に保持する保持クランプ60を備えている。保持クランプ60は、第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持可能に構成されている。図4に示すように、保持クランプ60は、クランプ本体63と、クランプ本体63にスライド可能に設けられた第1グリッププレート61と、クランプ本体63にスライド可能に設けられた第2グリッププレート62とを有している。クランプ本体63は、底壁63aと、底壁63aから上方に延びる第1側壁63b、第2側壁63c、および中間壁63dとを有している。中間壁63dは第1側壁63bと第2側壁63cとの間に配置されている。第1側壁63bは中間壁63dの右方に配置され、第2側壁63cは中間壁63dの左方に配置されている。
第1グリッププレート61は、第1側壁63bと中間壁63dとの間に配置されている。第1グリッププレート61は、第1側壁63bにスライド自在に挿入された第1ロッド66に固定されている。第2グリッププレート62は、第2側壁63cと中間壁63dとの間に配置されている。第2グリッププレート62は、第2側壁63cにスライド自在に挿入された第2ロッド67に固定されている。第1グリッププレート61および第2グリッププレート62は、中間壁63dに対して接近および離反が可能なようにスライド可能に構成されている。保持クランプ60は、第1ロッド66に連結されたシリンダ64と、第2ロッド67に連結されたシリンダ65とを有している。第1グリッププレート61および第1ロッド66はシリンダ64に駆動されてスライドし、第2グリッププレート62および第2ロッド67はシリンダ65に駆動されてスライドする。第1グリッププレート61と中間壁63dとで第1電線C1を挟むことにより、第1電線C1が保持クランプ60に保持される。第2グリッププレート62と中間壁63dとで第2電線C2を挟むことにより、第2電線C2が保持クランプ60に保持される。第1グリッププレート61および中間壁63dは第1電線C1の一端部を保持する第1保持部を形成し、第2グリッププレート62および中間壁63dは第2電線C2の一端部を保持する第2保持部を形成している。保持クランプ60は、第1電線C1を保持した後に第2電線C2を保持するように構成されている。
なお、本実施形態では、第1グリッププレート61および中間壁63dが第1電線C1を保持し、第2グリッププレート62および中間壁63dが第2電線C2を保持するように構成されているが、第1グリッププレート61および中間壁63dが第2電線C2を保持し、第2グリッププレート62および中間壁63dが第1電線C1を保持するように構成されていてもよい。
クランプ本体63は上下に移動可能である。クランプ本体63はベース120に昇降自在に支持されている。ベース120には、クランプ本体63を昇降させるシリンダ121が設けられている。ただし、上記構成は一例であり、クランプ本体63を昇降させる機構は何ら限定されない。また、保持クランプ60は前後に移動可能に構成されている。保持クランプ60は、中間クランプ50から第1電線C1および第2電線C2を受け取った後、前方に移動する。
電線ツイスト装置3は、保持クランプ60に端部を保持された第1電線C1および第2電線C2を平行に並べる整列クランプ70を備えている。整列クランプ70は、前後方向に延びるレール71に沿って前後に移動可能に構成されている。図5は整列クランプ70の斜視図、図6は整列クランプ70の正面図である。
図5および図6に示すように、整列クランプ70は、レール71にスライド自在に支持されたスライダ72と、スライダ72に支持されたクランプ本体73と、クランプ本体73の後側に配置された傾斜台74とを備えている。傾斜台74は、後斜め下がりに傾斜した曲面からなる傾斜面74aを有している。クランプ本体73の上面73aは平坦に形成されており、上面73aの前端部における左右方向の中央には仕分け板75が固定されている。クランプ本体73の前面73bには、第1整列アーム76および第2整列アーム77が配置されている。第1整列アーム76および第2整列アーム77は回転軸78によりクランプ本体73に支持されており、回転軸78の周りに回転可能に構成されている。第1整列アーム76の先端部には第1整列ローラ76aが取り付けられ、第2整列アーム77の先端部には第2整列ローラ77aが取り付けられている。第1整列アーム76および第2整列アーム77が回転することにより、第1整列ローラ76aおよび第2整列ローラ77aは仕分け板75に近づく方向および遠ざかる方向に移動する。図6に示すように、クランプ本体73には、第1整列アーム76および第2整列アーム77に連結されたシリンダ79が設けられている。シリンダ79は、第1整列アーム76および第2整列アーム77を回転させるように構成されている。シリンダ79のシリンダ圧を調整することにより、第1整列アーム76および第2整列アーム77が第1電線C1および第2電線C2を保持する力が調整可能となっている。スライダ72には、図示しない駆動機構を介してモータ69が連結されている。モータ69は、スライダ72をレール71に沿って駆動するように構成されている。
図6に示すように、第1整列ローラ76aが仕分け板75に接近することにより、第1整列ローラ76aおよび仕分け板75が第1電線C1を挟み、第1電線C1を保持する。第2整列ローラ77aが仕分け板75に接近することにより、第2整列ローラ77aおよび仕分け板75が第2電線C2を挟み、第2電線C2を保持する。整列クランプ70は、レール71の後端部71a(図1参照)上に位置するときに第1電線C1および第2電線C2を保持し、第1電線C1および第2電線C2を保持したまま前方に移動する。これにより、第1電線C1および第2電線C2が平行に並べられる。
図1に示すように、電線ツイスト装置3は、第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持可能なフロント搬送クランプ80Fと、第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持可能なリア搬送クランプ80Rとを備えている。フロント搬送クランプ80Fは左右方向に延びるレール81Fに係合し、左右に移動可能に構成されている。リア搬送クランプ80Rは左右方向に延びるレール81Rに係合し、左右に移動可能に構成されている。
図7に示すように、フロント搬送クランプ80Fは、レール81Fに係合したスライダ82と、スライダ82に昇降自在に支持されたクランプ本体83と、回転軸84によりクランプ本体83に回転自在に支持された一対のグリップアーム85とを有している。また、フロント搬送クランプ80Fは、グリップアーム85に連結されたシリンダ86を有している。グリップアーム85は、シリンダ86の駆動力を受けて回転軸84周りに回転する。両グリップアーム85が第1電線C1および第2電線C2を挟むことにより、第1電線C1および第2電線C2はフロント搬送クランプ80Fに同時に保持される。また、フロント搬送クランプ80Fは、クランプ本体83に連結されたシリンダ87を有している。クランプ本体83はシリンダ87の駆動力を受けて昇降する。スライダ82は、図示しない駆動機構を介してシリンダ88に連結されており、レール81Fに沿って移動可能に構成されている。シリンダ88は、スライダ82をレール81Fに沿って駆動する。
リア搬送クランプ80Rは、フロント搬送クランプ80Fと同一の構成を有している。そのため、リア搬送クランプ80Rの詳細な説明は省略する。ただし、リア搬送クランプ80Rのスライダ82は、レール81Rに係合しており、シリンダ88の駆動力を受けてレール81Rに沿って移動する。
電線ツイスト装置3は、第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持しながら回転するフロント回転クランプ90Fと、第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持しながら回転するリア回転クランプ90Rとを備えている。フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rの構成は同一であるので、ここではフロント回転クランプ90Fの構成のみを説明し、リア回転クランプ90Rの構成の説明は省略する。
図8(a)および(b)に示すように、フロント回転クランプ90Fは、クランプ本体91と、クランプ本体91に対して前後(図8(a)の左右)にスライド可能なシャフト92と、シャフト92に取り付けられた一対のグリップアーム93とを備えている。グリップアーム93は、回転軸94aによりシャフト92に回転可能に支持された第1リンク94と、回転軸95aにより第1リンク94に回転可能に支持された第2リンク95と、回転軸96aにより第2リンク95に回転可能に支持された第3リンク96とを有している。第3リンク96の先端には、第1電線C1および第2電線C2を保持する保持部97が設けられている。フロント回転クランプ90Fは、シャフト92が後方(図8(a)の右方)に移動すると、グリップアーム93が開いて第1電線C1および第2電線C2を放し(図8(a)参照)、シャフト92が前方(図8(a)の左方)に移動すると、グリップアーム93が閉じて第1電線C1および第2電線C2を保持するように構成されている。
シャフト92には、シャフト92をスライドさせるアクチュエータ98が連結されている。アクチュエータ98の種類は特に限定されず、例えば、シリンダ、モータなどを用いることができる。フロント回転クランプ90Fには、フロント回転クランプ90Fを回転中心軸90c周りに回転させるモータ99が連結されている。フロント回転クランプ90Fが第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持しながら回転中心軸90c周りに回転するとともに、リア回転クランプ90Rが第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持しながら回転中心軸90c周りに回転することにより、第1電線C1および第2電線C2が撚り合わされる。
フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rのいずれか一方または両方は、前後に移動可能に構成される。本実施形態では、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rの両方が前後に移動可能に構成されている。後述するように、フロント回転クランプ90Fは自動的に前後に移動可能に構成されている。リア回転クランプ90Rは手動により前後に移動可能に構成されている。次に、フロント回転クランプ90Fを前後に移動させる機構について説明する。
図1に示すように、フロント回転クランプ90Fにはスライダ101が固定されている。スライダ101は、前後方向に延びるレール102に係合しており、レール102上を走行可能に構成されている。スライダ101には、スライダ101を駆動してレール102上を走行させるモータ103が連結されている。モータ103はスライダ101に搭載されていてもよく、図示しない動力伝達機構を介してスライダ101に連結されていてもよい。モータ103はトルク制御および位置制御が可能なモータであり、本実施形態ではACサーボモータにより構成されている。ただし、モータ103の種類は特に限定される訳ではない。スライダ101が前方に移動するとフロント回転クランプ90Fは前方に移動し、スライダ101が後方に移動するとフロント回転クランプ90Fは後方に移動する。
図9(a)に示すように、スライダ101には連結ピン104が設けられている。連結ピン104は、スライダ101に出没可能に構成されており、スライダ101から突出する突出位置と、スライダ101の内部に収納された収納位置との間で移動可能である。図9(a)は連結ピン104が突出位置にある状態を表している。
フロント回転クランプ90Fのスライダ82が係合したレール81Fは、フレーム89に支持されている。フレーム89はレール102に係合しており、レール102に沿って前後に移動可能に構成されている。フレーム89には連結部材105が固定され、連結部材105には連結ピン104と係合する孔105aが形成されている。図9(b)に示すように、スライダ101の連結ピン104が連結部材105の孔105aと係合すると、スライダ101と連結部材105とは連結される。これにより、フロント搬送クランプ80Fとフロント回転クランプ90Fとは連結され、フロント搬送クランプ80Fはフロント回転クランプ90Fと共に前後に移動可能となる。フロント搬送クランプ80Fは、フロント回転クランプ90Fを前後に移動させるモータ103の駆動力により、前後に移動する。一方、連結ピン104が収納位置に移動すると、連結ピン104と孔105aとの係合が解除される。これにより、フロント搬送クランプ80Fとフロント回転クランプ90Fとは分離され、フロント搬送クランプ80Fは前後に移動不能となる。
図1に示すように、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rの下方には、ツイスト電線(すなわち、第1電線C1および第2電線C2が撚り合わされてなる電線)を回収するトレイ110が配置されている。フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rがツイスト電線を放すと、ツイスト電線は重力により落下し、トレイ110に回収される。
図1に示すように、電線処理装置1は制御装置200を備えている。制御装置200は、前述の各アクチュエータおよび各モータを制御し、前述の各処理を実行する。制御装置200の構成は特に限定されず、例えば、CPU、RAM、ROM等を備えたコンピュータであってもよい。
以上が電線処理装置1の構成である。次に、電線処理装置1の動作について説明する。なお、以下の動作は制御装置200の制御により実行される。
電線処理装置1は、図10に示すように、両端に端子Tが圧着された第1電線C1および第2電線C2が撚り合わされてなるツイスト電線CTを製造する。なお、第1電線C1および第2電線C2は、心線151と、心線151の周囲を覆う被覆152とを有している。心線151は金属等の導体からなり、被覆152はビニル樹脂等の絶縁材からなっている。電線処理装置1では、製造するツイスト電線CTの長さを調整可能である。フロント搬送クランプ80Fおよびフロント回転クランプ90Fは第1電線C1および第2電線C2の前端部を保持する必要があるため、第1電線C1および第2電線C2の長さに応じて、フロント搬送クランプ80Fおよびフロント回転クランプ90Fの前後位置が調整される。前後位置の調整の際には、スライダ101の連結ピン104が連結部材105の孔105aと係合し、フロント回転クランプ90Fとフロント搬送クランプ80Fとが連結される。そして、モータ103が駆動し、フロント回転クランプ90Fおよびフロント搬送クランプ80Fが第1電線C1および第2電線C2の長さに応じた位置に移動する。すなわち、フロント回転クランプ90Fおよびフロント搬送クランプ80Fは、第1電線C1および第2電線C2の前端部を保持する位置に移動する。フロント回転クランプ90Fおよびフロント搬送クランプ80Fが上記位置に到達すると、モータ103が停止し、連結ピン104と孔105aとの係合が解除される。これにより、フロント回転クランプ90Fはモータ103により前後に移動可能に維持される一方、フロント搬送クランプ80Fは前後に移動不能となる。
上記のフロント回転クランプ90Fおよびフロント搬送クランプ80Fの前後位置の調整の後、以下の各処理が実行される。まず、電線端処理装置2の動作を説明する。
電線端処理装置2において、フロントクランプ支持具30が第1フロント切断位置にあり、かつ、リアクランプ支持具37がリア切断位置にあるときに、前端部に端子Tが圧着された第1電線C1が送給装置5により前方に供給される。この第1電線C1は第1フロントクランプ14およびリアクランプ36によって保持される。そして、切断刃33が第1電線C1を切断する。
次に、フロントクランプ支持具30が第1フロント剥ぎ取り位置に移動し、フロント剥ぎ取り刃34が第1フロントクランプ14に保持された第1電線C1の前端部の被覆を剥ぎ取る。また、リアクランプ支持具37がリア剥ぎ取り位置に移動し、リア剥ぎ取り刃35がリアクランプ36に保持された第1電線C1の後端部の被覆を剥ぎ取る。
次に、フロントクランプ支持具30が第1フロント端子圧着位置に移動し、フロント端子圧着ユニット40が第1フロントクランプ14に保持された第1電線C1の前端部に端子Tを圧着する。また、リアクランプ支持具37がリア端子圧着位置に移動し、リア端子圧着ユニット41がリアクランプ36に保持された第1電線C1の後端部に端子Tを圧着する。
第1電線C1の前端部に端子Tが圧着されると、フロントクランプ支持具30は第1フロント端子圧着位置から第2フロント切断位置に移動する。また、第1電線C1の後端部に端子Tが圧着されると、第1電線C1はリアクランプ36から排出クランプ42に受け渡され、リアクランプ支持具37がリア端子圧着位置からリア切断位置に移動する。
次に、前端部に端子Tが圧着された第2電線C2が送給装置5により前方に供給される。その後、第1電線C1と同様に第2電線C2の切断、被覆の剥ぎ取り、端子Tの圧着が行われる。すなわち、まず第2電線C2は第2フロントクランプ24およびリアクランプ36によって保持された後、切断刃33により切断される。
次に、フロントクランプ支持具30が第2フロント剥ぎ取り位置に移動し、フロント剥ぎ取り刃34が第2フロントクランプ24に保持された第2電線C2の前端部の被覆を剥ぎ取る。また、リアクランプ支持具37がリア剥ぎ取り位置に移動し、リア剥ぎ取り刃35がリアクランプ36に保持された第2電線C2の後端部の被覆を剥ぎ取る。
次に、フロントクランプ支持具30が第2フロント端子圧着位置に移動し、フロント端子圧着ユニット40が第2フロントクランプ24に保持された第2電線C2の前端部に端子Tを圧着する。また、リアクランプ支持具37がリア端子圧着位置に移動し、リア端子圧着ユニット41がリアクランプ36に保持された第2電線C2の後端部に端子Tを圧着する。
第2電線C2の前端部に端子Tが圧着されると、フロントクランプ支持具30は第2フロント端子圧着位置から第1フロント切断位置に移動する。また、第2電線C2の後端部に端子Tが圧着されると、第2電線C2はリアクランプ36から排出クランプ42に受け渡され、リアクランプ支持具37がリア端子圧着位置からリア切断位置に移動する。
電線端処理装置2では、その後、同様の動作が繰り返される。これにより、電線端処理装置2から、両端に端子Tが圧着された第1電線C1および第2電線C2が交互に排出される。
リアクランプ36から第1電線C1を受け取った排出クランプ42は、第1電線C1を保持しながら移動し、中間クランプ50に第1電線C1を受け渡す。中間クランプ50は、受け取り位置にて排出クランプ42から第1電線C1を受け取る。
排出クランプ42は、中間クランプ50に第1電線C1を受け渡した後、受け渡し位置から受け取り位置に戻り、リアクランプ36から第2電線C2を受け取る。排出クランプ42は、第2電線C2を受け取った後、受け取り位置から受け渡し位置に移動する。そして、排出クランプ42は、中間クランプ50に第2電線C2を受け渡す。
第1電線C1および第2電線C2を受け取った中間クランプ50は、受け渡し位置に移動し、保持クランプ60に第1電線C1および第2電線C2を受け渡す。この際、保持クランプ60のクランプ本体63が上昇し、第1電線C1の後端部が保持クランプ60の第1保持部に挿入され、第2電線C2の後端部が保持クランプ60の第2保持部に挿入される。そして、中間クランプ50はグリップアーム55を開き、受け渡し位置から受け取り位置に戻る。
保持クランプ60が第1電線C1および第2電線C2を保持するときに、整列クランプ70はレール71の後端部71a上に位置している。すなわち、整列クランプ70は保持クランプ60の近傍に位置している。第1電線C1および第2電線C2の後端部が保持クランプ60に保持された後、整列クランプ70は前方(図1の下方)に向かって移動する。これにより、整列クランプ70は第1電線C1および第2電線C2を整列させる。この時、保持クランプ60も前方に移動し、リア搬送クランプ80Rに電線を渡す位置に進んでいる。
次に、フロント搬送クランプ80Fおよびリア搬送クランプ80Rがそれぞれの受け取り位置に移動する。そして、フロント搬送クランプ80Fは第1電線および第2電線C2の前端部を同時に保持するとともに、リア搬送クランプ80Rは第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持する。フロント搬送クランプ80Fおよびリア搬送クランプ80Rは、それぞれ第1電線C1および第2電線C2の前端部および後端部を同時に保持しながら、受け渡し位置に移動する。
フロント搬送クランプ80Fおよびリア搬送クランプ80Rが受け渡し位置に到達した後、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、それぞれ第1電線C1および第2電線C2の前端部および後端部を保持する。フロント搬送クランプ80Fおよびリア搬送クランプ80Rは、第1電線C1および第2電線C2を放し、受け取り位置に戻る。
前述したように、フロント回転クランプ90Fは、ACサーボモータからなるモータ103により前後に移動可能である。フロント回転クランプ90Fは、第1電線C1および第2電線C2を同時に保持しながら前方(言い換えると、リア回転クランプ90Rから遠ざかる方向)に移動し、弛んだ第1電線C1および第2電線C2を引っ張る。モータ103はトルク制御が可能に構成されており、予め定められた一定のトルク(以下、所定のトルクという)によりフロント回転クランプ90Fを前方に引っ張る(図11(a)参照)。これにより、第1電線C1および第2電線C2に所定の張力T1が加えられ、第1電線C1および第2電線C2が真っ直ぐに伸ばされる。なお、所定のトルクおよび所定の張力T1の値は何ら限定されず、例えば、第1電線C1および第2電線C2の太さや長さに応じて適宜に設定することができる。
フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、第1電線C1および第2電線C2に上記張力T1を加えながら、それぞれ第1電線C1および第2電線C2の前端部および後端部を保持しつつ、互いに逆方向に回転する。回転中心軸90c周りの回転方向の一方および他方をそれぞれ第1回転方向R1、第2回転方向R2と称すると、フロント回転クランプ90Fは第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持しながら第1回転方向R1に回転し、リア回転クランプ90Rは第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持しながら第2回転方向R2に回転する。これにより、第1電線C1および第2電線C2が撚り合わされる。第1電線C1および第2電線C2が撚り合わされると、それらの見かけ上の長さすなわちツイスト電線CTの長さは、第1電線C1および第2電線C2の本来の長さよりも短くなる。そのため、フロント回転クランプ90Fは、第1回転方向R1に回転しながら後方に移動する(図11(b)参照)。すなわち、フロント回転クランプ90Fは、第1回転方向R1に回転しながら、リア回転クランプ90Rに近づく方向に移動する。
フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、一方向のみに回転してもよいが、本実施形態では、一方向に回転した後、逆方向に回転するように制御される。すなわち、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、正転した後、逆転する(図11(c)参照)。詳しくは、フロント回転クランプ90Fは、前述のように第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持しながら第1回転方向R1に回転した後、第1電線C1および第2電線C2に前記所定の張力T1を加えながら第2回転方向R2に回転する。すなわち、モータ103が前述のトルク制御を行いながら、フロント回転クランプ90Fは第2回転方向R2に回転する。また、リア回転クランプ90Rは、前述のように第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持しながら第2回転方向R2に回転した後、第1回転方向R1に回転する。その結果、第1電線C1および第2電線C2は、一方向に捩られた後、逆方向に捩られる。これにより、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rがその後に第1電線C1および第2電線C2を放したときに、第1電線C1および第2電線C2が逆方向に回転してばらけることが防止される。なお、逆転の回数は特に限定されないが、ここでは逆転の回数は正転の回数よりも少ない。
本実施形態では、更に、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、上記のように逆転した後、再び正転するように制御される。詳しくは、フロント回転クランプ90Fは、前述のように第1電線C1および第2電線C2の前端部を同時に保持しながら第2回転方向R2に回転した後、第1電線C1および第2電線C2に前記所定の張力T1を加えながら第1回転方向R1に回転する。すなわち、モータ103が前述のトルク制御を行いながら、フロント回転クランプ90Fは第1回転方向R1に回転する。また、リア回転クランプ90Rは、前述のように第1電線C1および第2電線C2の後端部を同時に保持しながら第1回転方向R1に回転した後、第2回転方向R2に回転する。その結果、第1電線C1および第2電線C2は、一方向に捩られた後、逆方向に捩られ、更に一方向に捩られる。これにより、撚り合わされた第1電線C1および第2電線C2の密着性が高まる。
なお、第1電線C1および第2電線C2の種類等に応じて、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rを、上述のように再び正転させた後、更に逆転させるようにしてもよい。すなわち、上述の動作の後、モータ103が前述のトルク制御を行いながら、フロント回転クランプ90Fが第2回転方向R2に回転し、リア回転クランプ90Rが第1回転方向R1に回転してもよい。また、このような正転および逆転を更に何度か行ってもよい。
ところで、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rが張力を加えたままツイスト電線CTを放した場合、放した瞬間にツイスト電線CTが勢いよく収縮し、トレイ110に回収される前に暴れるおそれがある。そのため、ツイスト電線CTを真っ直ぐな状態でトレイ110に回収できなくなるおそれがある。そこで本実施形態では、次に、制御装置200はモータ103のトルク制御を終了し、フロント回転クランプ90Fをリア回転クランプ90Rに近づく方向に移動させて、ツイスト電線CTを弛ませる。この際、制御装置200は、フロント回転クランプ90Fが予め定められた所定の位置に移動するように、モータ103の位置制御を行う。すなわち、制御装置200はフロント回転クランプ90Fを所定の位置に位置付ける。
フロント回転クランプ90Fが所定の位置に到達すると、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、第1電線C1および第2電線C2を放す。すると、撚り合わされた第1電線C1および第2電線C2、すなわちツイスト電線CTは落下し、トレイ110に回収される。ツイスト電線CTには張力が加えられていないので、ツイスト電線CTは真っ直ぐ伸びた状態のまま下方に落下する。そのため、ツイスト電線CTは真っ直ぐな状態でトレイ110に回収される。
以上のようにして、長尺の第1電線C1および第2電線C2からツイスト電線CTが製造される。
本実施形態に係る電線処理装置1によれば、電線端処理装置2により、両端部の被覆の剥ぎ取りおよび端子圧着が行われた第1電線C1および第2電線C2が交互に排出される。そして、電線端処理装置2から交互に排出される第1電線C1および第2電線C2は順次搬送され、電線ツイスト装置3により撚り合わされる。その結果、ツイスト電線CTが自動的かつ連続的に製造される。本実施形態に係る電線処理装置1によれば、第1電線C1および第2電線C2を切断する共通の切断刃33と、第1電線C1および第2電線C2の前端部の被覆を剥ぎ取る共通のフロント剥ぎ取り刃34と、第1電線C1および第2電線C2の後端部の被覆を剥ぎ取る共通のリア剥ぎ取り刃35とを備えている。そのため、第1電線C1用の切断刃と第2電線C2用の切断刃とを別々に設ける必要がない。また、第1電線C1用の剥ぎ取り刃と第2電線C2用の剥ぎ取り刃とを別々に設ける必要がない。したがって、本実施形態に係る電線処理装置1によれば、従来よりも部品点数を削減することができ、小型化が可能となる。
図1に示すように、本実施形態に係る電線処理装置1によれば、整列クランプ70によって整列された第1電線C1および第2電線C2を、フロント搬送クランプ80Fおよびリア搬送クランプ80Rによって、第1電線C1および第2電線C2の長手方向と交差する方向に搬送することができる。本実施形態では、レール81Fおよびレール81Rはレール71と垂直な方向に延びている。よって、第1電線C1および第2電線C2の搬送距離を短くすることができ、電線処理装置1の小型化が可能となる。ただし、レール81Fおよびレール81Rはレール71と交差する方向に延びていればよく、必ずしもレール71と垂直な方向に延びている必要はない。
本実施形態に係る電線処理装置1は、電線端処理装置2から保持クランプ60に至る第1電線C1および第2電線C2の経路の途中に配置された中間クランプ50を備えている。そのため、第1電線C1および第2電線C2を中間クランプ50にて一時的に待機させることができる。すなわち、整列クランプ70により第1電線C1および第2電線C2を整列させる前に、個別に送られてくる第1電線C1および第2電線C2を中間クランプ50で受け取り、それらを纏めて保持クランプ60に受け渡すことができる。そのため、保持クランプ60からリア搬送クランプ80Rに電線を受け渡すまで、排出クランプ42が保持している電線を待機させたり、保持クランプ60が排出クランプ42から電線を1本1本個別に受け取り、2本揃うまで電線端処理2が作業を一時的に中断する必要がなく、または中断する場合であっても中断時間を短くすることができる。よって、電線端処理装置2の本来の処理速度を著しく低下させることなく、長尺の第1電線C1および第2電線C2からツイスト電線CTを自動的に製造することができる。したがって、タクトタイムを短くすることができ、ツイスト電線CTの単位時間当たりの製造量を増やすことができる。
本実施形態によれば、中間クランプ50は第1電線C1または第2電線C2を保持しながら移動可能である。そのため、ツイスト電線CTの単位時間当たりの製造量を更に増やすことができる。
本実施形態に係る電線処理装置1によれば、スライダ101の連結ピン104および連結部材105の孔105aからなる連結機構を備え、その連結機構がフロント搬送クランプ80Fとフロント回転クランプ90Fとを連結させた状態でモータ103がフロント回転クランプ90Fを前方または後方に駆動すると、フロント搬送クランプ80Fはフロント回転クランプ90Fと共に移動する。そのため、フロント搬送クランプ80Fを前方または後方に駆動するための専用のアクチュエータが不要となり、部品点数を削減することができる。
本実施形態に係る電線処理装置1によれば、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rは、第1電線C1および第2電線C2をいったん撚り合わせた後に、逆方向に回転する。そのため、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rが第1電線C1および第2電線C2を放したときに、第1電線C1および第2電線C2が逆方向に回転することによって撚り戻ししてしまうことが防止される。また、本実施形態に係る電線処理装置1によれば、更に、フロント回転クランプ90Fおよびリア回転クランプ90Rが逆方向に回転した後、再び元の方向に回転する。これにより、第1電線C1と第2電線C2との密着性が向上する。したがって、本実施形態に係る電線処理装置1によれば、良好なツイスト電線CTを得ることができる。
以上、本発明の実施の一形態について説明したが、本発明は前述の実施形態に限らず、他に種々の形態にて実施することができる。
前記実施形態では、中間クランプ50は1つであったが、中間クランプ50の個数は1つに限られない。中間クランプ50は複数設けられていてもよい。複数の中間クランプが第1電線C1および第2電線C2を順次受け渡すように構成されていてもよい。
前記実施形態において、整列クランプ70のスライダ72に連結されたモータ69、フロント搬送クランプ80Fのスライダ82に連結されたシリンダ88、リア搬送クランプ80Rのスライダ82に連結されたシリンダ88、中間クランプ50のスライダ52に連結されたシリンダ58、フロント回転クランプ90Fのスライダ101に連結されたモータ103、フロント回転クランプ90Fに連結されたモータ99、リア回転クランプ90Rに連結されたモータ99は、それぞれ整列アクチュエータ、第1搬送アクチュエータ、第2搬送アクチュエータ、中間アクチュエータ、駆動アクチュエータ、第1回転アクチュエータ、第2回転アクチュエータの一例であるが、それらアクチュエータの種類は何ら限定されない。アクチュエータとして、シリンダおよびモータのいずれも利用可能であり、それ以外のものを利用することも可能である。
前記実施形態において、フロント搬送クランプ80Fとフロント回転クランプ90Fとを連結させる状態と分離させる状態とに切り換え可能な連結機構は、スライダ101の連結ピン104および連結部材105の孔105aによって構成されていたが、連結機構の構成は何ら限定されない。連結機構は、例えば、互いに係合可能な第1係合部および第2係合部を備えた機構、フックとフックに係止可能な被フック部材とを備えた機構、磁石を備えた機構(例えば、永久磁石と電磁石とを備えた機構等)であってもよい。
電線端処理装置2と電線ツイスト装置3とは、一体的に構成されていてもよく、分離可能に構成されていてもよい。電線端処理装置2と電線ツイスト装置3とは、共通の架台を備えていてもよく、互いに異なる架台を備えていてもよい。電線端処理装置2と電線ツイスト装置3とは、一体的に製作されていてもよく、既存の電線端処理装置2に電線ツイスト装置3が後付け設置されていてもよい。