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JP6482016B2 - 封止材組成物、それを用いた半導体装置 - Google Patents
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JP6482016B2 - 封止材組成物、それを用いた半導体装置 - Google Patents

封止材組成物、それを用いた半導体装置 Download PDF

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Description

本発明は、コンプレッションモールド法のモールド樹脂や、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用される封止材組成物に関する。また、本発明は、半導体装置の製造時に、本発明の封止材組成物を用いた半導体装置に関する。
チップサイズパッケージなど半導体集積回路(LSI)を製造するには、半導体ウエハプロセスとパッケージプロセスとを各々組み合わせて行われていた。即ち、半導体ウエハプロセスにおいては、ベア・ウエハにウエルを形成し、絶縁膜を介してトランジスタを形成し、更に絶縁膜を介して配線層を形成しパシベーション膜の形成及び電極パッドの形成などが行われていた。パッケージプロセスにおいては、ウエハテストを行った後、チップに切断して、予めベースフィルムに配線層が形成されたサブストレートにダイボンディングし、ワイヤボンディングなどによりサブストレートと電気的に接続した後、半導体チップ搭載面を樹脂封止され、外部接続端子としてはんだボールが接合され、マーキングやトリミングが行われた後、機能テストなどが行われ、チップサイズパッケージが製造されていた。
近年のLSIの高密度実装化、高集積化に伴い半導体チップの小型化が進んでおり、半導体ウエハ上にトランジスタや配線を形成する半導体ウエハプロセスでは半導体チップを小型化すればするほど1枚取り個数が増大して生産性が向上するため、生産コストを低下することが可能となった。しかしながら、パッケージプロセスにおいては、チップ寸法が縮小してもパッケージ寸法は変わらないため、外形寸法は一定のままであった。このため、パッケージプロセスの生産性は向上せず、パッケージの外形寸法がチップの外形寸法と同じになるようなパッケージの出現が望まれていた。
そこで、最近になって、特許文献1に示すように、半導体ウエハレベルで切断した形でパッケージになる、即ちパッケージの外形寸法がチップの外形寸法と同じになる、いわゆる半導体ウエハレベルのチップサイズパッケージが提案されている。これは、半導体ウエハプロセスにおいて、半導体ウエハ上に複数のトランジスタと配線を形成した後、チップの周辺にある電極よりチップ中央部に向かって再配線し、ここに外部接続端子に接続するメタルポストを立ててその周囲をモールド樹脂で封止する。そして、成形品にマーキングをしてはんだボールをメタルポストに電気的に接続するよう接合した後、半導体ウエハを各チップ毎に切断して機能テストを行いチップサイズパッケージが製造される。これによって、パッケージプロセスを半導体ウエハプロセスと一体化して工程数を削減してスループットの向上を図り、パッケージプロセスに要する製造装置が省略できるので製造コストを削減でき、省スペースでしかもロット管理がしやすく、パッケージの生産性を著しく向上させることが可能となる。
上記半導体ウエハレベルのチップサイズパッケージの製造工程において、モールド樹脂による封止工程では、半導体ウエハをモールド金型によりクランプして、モールド樹脂により封止するトランスファモールド法ではなく、下金型上に配置した半導体ウエハ上にモールド樹脂を塗布して圧縮成形し、この圧縮成形時にモールド樹脂を加熱硬化させるコンプレッションモールド法が採用されている(特許文献2参照)。このコンプレッションモールド法は、モールド樹脂とモールド金型との間に離型フィルムを介在させて、モールド樹脂がモールド金型に付着しないようになっている。
コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂は、モールド時にフローマークや未充填部が生じないような流動性が求められる。具体的には、回転粘度計を用いて測定される、10rpmで25℃における粘度が500Pa・s以下であることが求められる。
また、再配線時やボールマウント時に影響が生じないように、コンプレッションモールド法の実施後にそりが小さいことが求められる。
また、半導体パッケージの最外面となるモールド樹脂には難燃性も求められる。具体的には、UL規格による難燃性でV−0相当の難燃性を有することが求められる。
コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂としては、エポキシ樹脂を主成分とするものが従来使用されている(特許文献3、4参照)。エポキシ樹脂を主成分とするモールド樹脂は、流動性、低温での硬化性、コンプレッションモールド法の実施後にそりが小さい、という点では、上述した要求を満足するが、難燃性は十分ではなく、UL規格による難燃性がHB相当であった。
一方、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂として、シアネートエステルを主成分とする液状樹脂組成物が特許文献5、6に開示されている。この液状樹脂組成物は、流動性、コンプレッションモールド法の実施後にそりが小さい、難燃性という点で上述した要求を満足する。
特許文献5、6に記載の液状樹脂組成物は、必須成分として、アルコキシシラン系化合物を含有する。この成分は、特許文献5、6に記載の液状樹脂組成物において、接着性を発現する成分である。特許文献5、6に記載の液状樹脂組成物では、アルコキシシラン系化合物として、シアネート基と相互作用又は反応をほとんどしないものが適用される。その理由は、シアネート基と相互作用または反応を伴う官能基(グリシジル基、メルカプト基、アミノ基、イソシアネート基、塩素、水酸基等)が存在する場合、液状樹脂の流動性が極端に低下し、さらには加熱しても流動性が向上しないためである。
また、電子機器の小型化、軽量化、高性能化に伴い半導体の実装形態がワイヤーボンド型からフリップチップ型へと変化してきている。
フリップチップ型の半導体装置は、バンプ電極を介して基板上の電極部と半導体素子とが接続された構造を持っている。この構造の半導体装置は、温度サイクル等の熱付加が加わった際に、エポキシ樹脂等の有機材料製の基板と、半導体素子と、の熱膨張係数の差によってバンプ電極に応力がかかり、バンプ電極にクラック等の不良が発生することが問題となっている。この不良発生を抑制するために、アンダーフィルと呼ばれる液状封止材を用いて、半導体素子と基板との間のギャップを封止し、両者を互いに固定することによって、耐サーマルサイクル性を向上させることが広く行われている(特許文献7参照)。
アンダーフィルの供給方法としては、半導体素子と、基板上の電極部と、を接続させた後、半導体素子の外周に沿ってアンダーフィルを塗布(ディスペンス)し、毛細管現象を利用して、両者の間隙にアンダーフィルを注入するキャピラリフロータイプのアンダーフィルが一般的である。アンダーフィルの注入後、該アンダーフィルを加熱硬化させることで両者の接続部位を補強する。
キャピラリフロータイプのアンダーフィル材、上述した流動性、低温での硬化性、および、硬化後のそりが小さいことが求められる。
特開平10−79362号公報 特開2000−174046号公報 再表2009/142065号公報 特開2006−249139号公報 特許第3456911号明細書 特許第3469487号明細書 特開2013−253195号公報
特許文献5、6に記載の液状樹脂組成物を、モールド樹脂としてコンプレッションモールド法で使用した場合、封止した部位が耐湿性に劣ることが明らかになった。特許文献5、6に記載の液状樹脂組成物を、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用する場合も、封止した部位が耐湿性に劣ると問題となる。
本発明は、上記した従来技術における問題点を解決するため、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂、および、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして好適な、流動性、耐湿性、および、難燃性に優れ、かつ、硬化後のそりが小さい封止材組成物、ならびに、半導体装置の製造時に、本発明の封止材組成物を用いた半導体装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、
(A)下記式(1)で示される化合物、
(B)上記式(1)の化合物以外のシアネートエステル、および、液状エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種、
(C)金属錯体触媒、
(D)下記式(2)で示される化合物、
および、(E)シリカフィラーを含有する封止材組成物であって、前記(A)、(B)成分の含有割合が(A)、(B)成分の合計質量に対する質量%で90:10〜50:50であり、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、前記(D)成分の含有量が0.2〜1.0質量%であり、前記(E)の含有量が50〜88質量%であることを特徴とする封止剤組成物を提供する。
本発明の封止材組成物において、前記(E)成分のシリカフィラーは、前記(D)成分の化合物で表面処理されていてもよい。
また、本発明は、本発明の封止材組成物を加熱することで得られる樹脂硬化物を提供する。
また、本発明は、半導体装置の製造時に、本発明の封止材組成物を用いることを特徴とする半導体装置を提供する。
本発明の封止材組成物は、流動性、耐湿性、および、難燃性に優れ、かつ、硬化後のそりが小さいため、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂、および、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして好適である。
図1(a)、(b)は、実施例5の試験片の破断面のSEM写真であり、図1(a)はPCT前の試験片、(b)はPCT後の試験片である。 図2(a)、(b)は、比較例4の試験片の破断面のSEM写真であり、図2(a)はPCT前の試験片、(b)はPCT後の試験片である。
以下、本発明の封止材組成物について詳細に説明する。
本発明の封止材組成物は、以下に示す(A)〜(E)成分を必須成分として含有する。
(A)下記式(1)で示される化合物、
式(1)で示される化合物は、本発明の封止材組成物の主剤をなす成分である。式(1)の化合物のようなシアネートエステルは、ガラス転移点(Tg)が高いため、これを主剤とする封止材組成物は、コンプレッションモールド法の実施後のそりを小さくすることができ、難燃性を付与することができる。また、低吸水性、低誘電率、低誘電正接という、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂、および、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして好ましい特性を有する。但し、シアネートエステルには、常温で粘度が高いものもあり、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂やキャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用する際に、流動性という点で問題が生じる場合がある。これに対し、常温で液状の式(1)の化合物は、常温における粘度が低いため、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂やキャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用する際の流動性が良好である。
(B)上記式(1)の化合物以外のシアネートエステル、および、液状エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種
(B)成分は、(A)成分とともに本発明の封止材組成物の主剤をなす成分である。
上述したように、式(1)の化合物は、常温における粘度が低いため、封止材組成物の流動性に寄与する。しかしながら、式(1)の化合物のみを主剤として使用した場合、保存時に封止材組成物が結晶化する問題がある。
そのため、本発明の封止材組成物では、本発明の封止材組成物の主剤として、(A)成分とともに、(B)成分として、式(1)の化合物以外のシアネートエステル、および、液状エポキシ樹脂からなる群から選択される少なくとも一種を使用する。
(B)成分として、式(1)の化合物以外のシアネートエステルを使用する場合、ノボラック型シアネートエステル、テトラメチルビスフェノールF型シアネートエステル等が挙げられる。
(B)成分として使用する、液状エポキシ樹脂とは常温で液状のエポキシ樹脂を意味する。
(B)成分として使用する、本発明における液状エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の平均分子量が約400以下のもの;p−グリシジルオキシフェニルジメチルトリスビスフェノールAジグリシジルエーテルのような分岐状多官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂;ビスフェノールF型エポキシ樹脂;フェノールノボラック型エポキシ樹脂の平均分子量が約570以下のもの;ビニル(3,4−シクロヘキセン)ジオキシド、3,4−エポキシシクロヘキシルカルボン酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、アジピン酸ビス(3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル)、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)5,1−スピロ(3,4−エポキシシクロヘキシル)−m−ジオキサンのような脂環式エポキシ樹脂;3,3´,5,5´−テトラメチル−4,4´−ジグリシジルオキシビフェニルのようなビフェニル型エポキシ樹脂;ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、3−メチルヘキサヒドロフタル酸ジグリシジル、ヘキサヒドロテレフタル酸ジグリシジルのようなグリシジルエステル型エポキシ樹脂;ジグリシジルアニリン、ジグリシジルトルイジン、トリグリシジル−p−アミノフェノール、テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、テトラグリシジルビス(アミノメチル)シクロヘキサンのようなグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ならびに1,3−ジグリシジル−5−メチル−5−エチルヒダントインのようなヒダントイン型エポキシ樹脂;ナフタレン環含有エポキシ樹脂が例示される。また、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンのようなシリコーン骨格をもつエポキシ樹脂も使用することができる。さらに、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、(ポリ)プロピレングリコールジグルシジルエーテル、ブタンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテルのようなジエポキシド化合物;トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルのようなトリエポキシド化合物等も例示される。
中でも好ましくは、液状ビスフェノール型エポキシ樹脂、液状アミノフェノール型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂である。さらに好ましくは液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂、p−アミノフェノール型液状エポキシ樹脂、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)テトラメチルジシロキサンである。
(B)成分としては、これらの中でも、ノボラック型シアネートエステル、(テトラメチル)ビスフェノールF型シアネートエステル樹脂が好ましく、ノボラック型シアネートエステルが少量で結晶化が抑制できるためより好ましい。
(B)成分としてのシアネートエステルは、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。(B)成分としての液状エポキシ樹脂も、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。また、(B)成分として、シアネートエステルと液状エポキシ樹脂を併用してもよい。
本発明の封止材組成物は、(A)、(B)成分の含有割合が(A)、(B)成分の合計質量に対する質量%で90:10〜50:50である。
(A)成分の含有割合が90:10より多いと、保存時に封止材組成物が結晶化する問題がある。
一方、(A)成分の含有割合が50:50より少ないと、封止材組成物の常温における粘度が高くなるため、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂やキャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用する際に流動性が低下する。
(A)、(B)成分の含有割合は、(A)、(B)成分の合計質量に対する質量%で90:10〜70:30であることが好ましく、90:10〜80:20であることがより好ましい。
(C)金属錯体触媒
(C)成分の金属錯体触媒は、(A)、(B)成分の硬化反応の触媒である。(C)成分の金属錯体触媒としては、コバルト、チタン、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、マンガン、および、スズからなる群から選択される少なくとも一種の金属を含む有機金属錯体又は有機金属塩が好ましい。これらの中でも、コバルト、チタン、および、亜鉛からなる群から選択される少なくとも一種の金属を含む有機金属錯体又は有機金属塩が好ましく、コバルトを含む有機金属錯体又は有機金属塩が好ましい。
(C)成分の金属錯体触媒は、一種のみを使用してもよく、2種以上併用してもよい。
本発明の樹脂組成物において、(C)成分の配合割合は特に限定されないが、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、0.02〜0.30質量%であることが好ましく、0.02〜0.20質量%であることがより好ましい。
(D)下記式(2)で示される化合物、
(D)成分は、カップリング剤成分として、本発明の封止材組成物の硬化物の耐湿性の向上に寄与する。本発明の封止材組成物の硬化時に、(A)、(B)成分と、(D)成分と、が結合し、(E)成分のシリカフィラーと、(A)、(B)成分の硬化物との界面剥離が抑制されることにより、硬化物の耐湿性が向上すると、本出願人は推測する。
特許文献5、6では、液状樹脂組成物の必須成分であるアルコキシシラン系化合物について、液状樹脂の流動性を低下させないため、シアネート基と相互作用または反応を伴う官能基(グリシジル基、メルカプト基、アミノ基、イソシアネート基、塩素、水酸基等)が存在するものは不可としている。
これに対し、本発明の封止材組成物の(D)成分をなす上記式(2)で示される化合物は、フェニル基が導入されていることにより、封止材組成物の流動性に悪影響を及ぼすことがない。
本発明の樹脂組成物において、(D)成分の含有量は、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、0.2〜1.0質量%である。(D)成分の含有量が、0.2質量%より少ない場合、上述した(D)成分による作用が十分発揮されず、耐湿性が低下する。一方、(D)成分の含有量が、1.0質量%より多い場合、封止材組成物の粘度が上昇して、封止材組成物の流動性が低下する。
(D)成分の含有量は、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、0.2〜0.8質量%であることが好ましく、0.2〜0.6質量%であることがより好ましい。
(E)シリカフィラー
(E)成分のシリカフィラーは、封止した部位の耐湿性および耐サーマルサイクル性、特に耐サーマルサイクル性を向上させる目的で添加される。シリカフィラーの添加により耐サーマルサイクル性が向上するのは、線膨張係数を下げることにより、サーマルサイクルによる、封止材組成物の硬化物の膨張・収縮を抑制できるからである。
(E)成分のシリカフィラーとしては、特に、非晶質の球状シリカが、本発明の封止材組成物を、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂や、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用した際に流動性に優れ、硬化物の線膨張係数を低減できることから望ましい。
(E)成分のシリカフィラーは、シランカップリング剤等で表面処理が施されたものであってもよい。表面処理が施されたフィラーを使用した場合、フィラーの凝集を防止する効果が期待される。これにより、本発明の封止材組成物の保存安定性の向上が期待される。
(E)成分のシリカフィラーの表面処理には、(D)成分の式(2)で示される化合物を使用してもよい。この場合、本発明の封止材組成物における(D)成分の含有量には、(E)成分のシリカフィラーの表面処理に使用する量も含まれる。
(E)成分としてのシリカフィラーの平均粒径の好適範囲は、本発明の封止材組成物の用途により異なる。本発明の封止材組成物の用途が、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂の場合、シリカフィラーの平均粒径は2〜40μmであることが好ましい。本発明の封止材組成物の用途が、キャピラリフロータイプのアンダーフィルの場合、シリカフィラーの平均粒径は0.01〜2μmであることが好ましい。
ここで、シリカフィラーの形状は特に限定されず、球状、不定形、りん片状等のいずれの形態であってもよい。なお、シリカフィラーの形状が球状以外の場合、シリカフィラーの平均粒径とは該フィラーの平均最大径を意味する。
本発明の封止材組成物において、(E)成分としてのシリカフィラーの含有量は、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、50質量%以上である。
シリカフィラーの含有量が50質量%未満だと、シリカフィラーの添加により線膨張係数を下げる効果が不十分であり、本発明の封止材組成物をコンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂や、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用した場合に、耐サーマルサイクル性を向上させる効果が不十分となるおそれがある。
本発明の封止材組成物の用途が、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂の場合、シリカフィラーの含有量は70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましい。本発明の封止材組成物の用途が、キャピラリフロータイプのアンダーフィルの場合、シリカフィラーの含有量は50質量%以上であることが好ましい。
但し、シリカフィラーの含有量が高すぎると、本発明の封止材組成物をコンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂やキャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用する際に流動性が低下するおそれがある。本発明の封止材組成物の用途が、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂の場合、シリカフィラーの含有量は88質量%以下であることが好ましく、86質量%以下であることがより好ましい。本発明の封止材組成物の用途が、キャピラリフロータイプのアンダーフィルの場合、シリカフィラーの含有量は80質量%以下であることが好ましい。
(その他の配合剤)
本発明の封止材組成物は、上記(A)〜(E)成分以外の成分を必要に応じてさらに含有してもよい。このような成分の具体例としては、消泡剤、カーボン等の着色剤、レベリング剤、イオントラップ剤などを配合することができる。各配合剤の種類、配合量は常法通りである。
(封止材組成物の調製)
本発明の封止材組成物は、上記(A)〜(E)、および、必要に応じて配合するその他の配合剤を所定量配合した後、ハイブリッドミキサやロールミルにて各成分を分散させ、その後、ハードミキサにて撹拌脱泡することにより調製される。
各成分の配合は同時に実施しても、一部成分を先に配合し、残りの成分を後から配合するなど、適宜変更しても差支えない。たとえば、(A)、(B)成分を配合した後、(C)成分を配合し、さらに、(D)、(E)成分を配合してもよい。
次に本発明の封止材組成物の特性について述べる。
本発明の封止材組成物は、回転粘度計を用いて測定される、10rpmで25℃における粘度が500Pa・s以下であることが好ましい。上述した粘度であれば、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂や、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用した際の流動性が良好である。
本発明の封止材組成物は、回転粘度計を用いて測定される、10rpmで25℃における粘度が300Pa・s以下であることがより好ましく、粘度が100Pa・s以下であることがさらに好ましい。
本発明の封止材組成物は、常温での保存安定性が良好である。後述する実施例に記載の手順で測定される、調製直後の粘度に対する24時間保管後の粘度の増加率が1.3倍以下であることが好ましい。
本発明の封止材組成物は、そりが小さいことが、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂として使用した場合に、再線時やボールマウント時に影響が生じないため好ましい。
本発明の封止材組成物は、UL規格による難燃性でV−0相当の難燃性を有することが好ましい。上記の難燃性を有していれば、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂として好適である。
本発明の封止材組成物は、耐湿性が良好である。
本発明の封止材組成物は、下記吸湿(PCT)条件とした場合に、吸湿(PCT)前の曲げ強度(三点曲げ)が120MPa以上、吸湿(PCT)後の曲げ強度(三点曲げ)が100MPa以上であることが好ましい。
また、本発明の封止材組成物は、下記吸湿(PCT)条件とした場合に、吸湿(PCT)前、吸湿(PCT)後の曲げ弾性率(三点曲げ)が、いずれも8GPa以上であることが好ましい。
また、本発明の封止材組成物は、下記吸湿(PCT)条件とした場合に、吸湿(PCT)前の体積抵抗率が1×1014Ω・cm以上、吸湿(PCT)後の体積抵抗率が1×1011Ω・cm以上であることが好ましい。
吸湿(PCT)条件:120℃/湿度100%/2atmの槽で20Hr保持
次に本発明の封止材組成物の使用方法を、モールド樹脂として、コンプレッションモールド法で使用する場合を例に説明する。
本発明の封止材組成物のモールド樹脂として、コンプレッションモールド法で使用する場合、以下の手順を実施する。
内面に離型フィルムが張設された下金型上に半導体ウエハを配置する。下金型上に配置された半導体ウエハ上に、本発明の封止材組成物を、モールド樹脂として常温で塗布する。次に、半導体ウエハの上方に位置する、内面に離型フィルムが張設された上金型と、下金型と、で、半導体ウェハをクランプして圧縮成形する。この状態で、熱剥離フィルムの剥離温度より低温で、本発明の封止材組成物を加熱硬化させる。この際の加熱硬化条件は、120〜150℃で15分以内であることが好ましい。
本発明の半導体装置は、半導体装置の製造時に、本発明の封止材組成物を、コンプレッションモールド法で使用されるモールド樹脂として、または、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして、使用したものである限り特に限定されない。本発明の半導体装置の具体例としては、回路基板、CSP(Chip Size Package)などの半導体封止パッケージが挙げられる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1〜7、比較例1〜8)
下記表に示す配合割合となるように、各原料を配合した後、3本ロールミルにて各成分を分散させ、その後、ハードミキサにて撹拌脱泡することにより、実施例1〜4、比較例1〜6の封止材組成物を調製した。ここで、(A)、(B)成分を配合した後、(C)成分を配合し、加熱溶解させる。次に(D)、(E)成分を配合する。
なお、表中の各組成に関する数値は、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%を表している。
(A)下記式(1)で示される化合物(製品名プリマセット(Primaset)LECY(Lonza Group Ltd.製))
(B)式(1)の化合物以外のシアネートエステル
:ノボラック型シアネートエステル(製品名プリマセット(Primaset)PT30(Lonza Group Ltd.製)
(C)金属錯体触媒:Co(C5723(製品名ナーセム第二コバルト(日本化学産業株式会社製))
(D1)下記式(2)で示される化合物(製品名KBM573(信越化学工業株式会社))
(D2)エポキシ系シランカップリング剤(3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、製品名KBM403(信越化学工業株式会社製))
(D3)メタクリル系シランカップリング剤(3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン)、製品名KBM503(信越化学工業株式会社製))
(E)シリカフィラー
(E1)平均粒径5μm(最大粒径20μm)、表面未処理
(E2)平均粒径5μm(最大粒径20μm)、シランカップリング剤(製品名KBM573(信越化学工業株式会社))表面処理
(E3)平均粒径20μm(最大粒径45μm)、表面未処理
(E4)平均粒径20μm(最大粒径45μm)、シランカップリング剤(製品名KBM403(信越化学工業株式会社))表面処理
(E5)平均粒径20μm(最大粒径45μm)、シランカップリング剤(製品名KBM503(信越化学工業株式会社))表面処理
(E6)平均粒径20μm(最大粒径45μm)、シランカップリング剤(製品名KBM573(信越化学工業株式会社))表面処理
(F)着色剤:カーボン
調製した封止材組成物を評価用試料として以下の評価を実施した。
(粘度)
ブルックフィールド社製回転粘度計DV−1(スピンドルSC4−14使用)を用いて、10rpmで25℃における粘度(Pa・s)を測定して初期粘度とした。次に、封止材組成物を密閉容器に入れて25℃、湿度50%の環境にて24時間保管した時点における粘度を同様の手順で測定した。これら測定結果から、調製直後の粘度に対する24時間保管後の粘度の増加率を算出した。なお、調製直後の粘度に対する24時間保管後の粘度の増加率が1.3倍以下の場合、合格(○)とし、1.3倍超の場合、不合格(×)とする。
結果を下記表に示す。
(耐湿性)
調製した封止材組成物を120℃1h加熱した後、さらに200℃2h加熱して硬化させて、硬化物を得た。この硬化物を40mm×10mm×約0.3mm厚みになるように切り出し、耐湿性の試験片を得た。このようにして得られた試験片について、初期の曲げ強度(三点曲げ)、曲げ弾性率(三点曲げ)を株式会社島津製作所製の万能試験機で測定した。また、PCT(120℃/湿度100%/2atmの槽)で20Hrに置いた後の曲げ強度(三点曲げ)、曲げ弾性率(三点曲げ)を株式会社島津製作所製の万能試験機で測定した。
40mm×60mmのステンレス基板上に封止材組成物を約0.25mm厚みになるよう塗布し、120℃1h加熱した後、さらに200℃2h加熱して硬化させて、硬化物を得た。この試験片について、初期の体積抵抗率(500V)を、東亜工業株式会社製の超絶縁計で測定し、さらにPCT(120℃/湿度100%/2atmの槽)で20Hrに置いた後の体積抵抗率(500V)を測定した。
以下の基準で耐湿性の合格(○)、不合格(×)を判断した。
PCT前 合格(○) 不合格(×)
曲げ強度 120MPa以上 120MPa未満
曲げ弾性率 8GPa以上 8GPa未満
体積抵抗率 1×1014Ω・cm以上 1×1014Ω・cm未満
PCT後 合格(○) 不合格(×)
曲げ強度 100MPa以上 100MPa未満
曲げ弾性率 8GPa以上 8GPa未満
体積抵抗率 1×1011Ω・cm以上 1×1011Ω・cm未満
結果を下記表に示す。
上記の手順で得られた試験片について、以下の手順でSEM(走査型顕微鏡)写真を撮影した。
初期の曲げ強度(三点曲げ)、曲げ弾性率(三点曲げ)、またPCT(120℃/湿度100%/2atmの槽)で20Hrに置いた後の曲げ強度(三点曲げ)、曲げ弾性率(三点曲げ)を測定した後、試験片の割れた断面を株式会社日立ハイテクノロジーズ製のSEM(走査型顕微鏡)で観察した。
図1(a)、(b)は、実施例5の試験片の破断面のSEM写真であり、図1(a)はPCT前の試験片、(b)はPCT後の試験片である。図2(a)、(b)は、比較例4の試験片の破断面のSEM写真であり、図2(a)はPCT前の試験片、図2(b)はPCT後の試験片である。
図1(b)に示すように、フィラーと樹脂との界面破壊が確認されていないものを耐湿性合格(○)、図2(b)に示すように、フィラーと樹脂との界面破壊が顕著に確認されているものを不合格(×)と判断した。
(信頼性)
FR−4基板(4cm四方、厚み0.75mm)に3cm四方、厚さ1mmにとなるように、封止材組成物を塗布し、120℃1h加熱した後、さらに200℃2h加熱して硬化させ、硬化物を作製した。得られた硬化物を−55℃30分、125℃30分のサーマルサイクルにて1000サイクル放置した後、剥離を超音波探傷機(SAT)で観察し、剥離発生の有無を観察した。剥離がない場合は信頼性○、剥離の場合は信頼性×と表す。
表から明らかなように、実施例1〜3、6、7の封止材組成物は、いずれも10rpmで25℃における粘度(初期粘度)が500Pa・s以下であり、コンプレッションモールド法で使用するモールド樹脂や、キャピラリフロータイプのアンダーフィルとして使用した際の流動性が良好である。また、調製直後の粘度に対する24時間保管後の粘度の増加率が1.3倍以下であり、常温での保存安定性が良好である。また、耐湿性も良好である。
一方、(D)成分の含有量が0.2質量%より低い比較例1、2は、耐湿性が劣っていた。また、(D)成分の含有量が1.0質量%より高い比較例3は、初期粘度が500Pa・s以上であった。そのため、24時間保管後の粘度は測定しなかった。
シリカフィラーの表面処理に(D)成分の式(2)で示される化合物(KBM573)を使用した実施例4、5も、10rpmで25℃における粘度(初期粘度)が500Pa・s以下であり、調製直後の粘度に対する24時間保管後の粘度の増加率が1.3倍以下である。また、耐湿性も良好である。
一方、表面処理なしのシリカフィラーを使用した比較例4、シリカフィラーの表面処理に、通常のカップリング剤(KBM403、503)を使用した比較例5、6は、耐湿性が劣っていた。
また、(E)成分の含有量が50質量%より低い比較例7は、耐サーマルサイクル性を向上させる効果が不十分であり、信頼性が劣っていた。
一方、(E)成分の含有量が88質量%より高い比較例8は10rpmで25℃における粘度(初期粘度)が500Pa・sより高かった。

Claims (5)

  1. (A)下記式(1)で示される化合物、

    (B)上記式(1)の化合物以外のシアネートエステル
    (C)金属錯体触媒、
    (D)下記式(2)で示される化合物、

    および、(E)シリカフィラーを含有する封止材組成物であって、前記(A)、(B)成分の含有割合が(A)、(B)成分の合計質量に対する質量%で90:10〜50:50であり、封止材組成物の全成分の合計質量に対する質量%で、前記(D)成分の含有量が0.2〜1.0質量%であり、前記(E)の含有量が50〜88質量%であることを特徴とする封止剤組成物。
  2. さらに、(B´)液状エポキシ樹脂を含み、前記(A)、(B)+(B´)成分の含有割合が(A)、(B)+(B´)成分の合計質量に対する質量%で90:10〜50:50である、請求項1に記載の封止材組成物。
  3. 前記(E)成分のシリカフィラーが、前記(D)成分の化合物で表面処理されている、請求項1または2に記載の封止材組成物。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の封止材組成物を加熱することで得られる樹脂硬化物。
  5. 半導体装置の製造時に、請求項1〜3のいずれかに記載の封止材組成物を用いることを特徴とする半導体装置。
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