JP6484121B2 - ロールおよびロールの製造方法 - Google Patents
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Description
(1)構造
図1は、実施の形態1の給紙ロール2の断面を説明する図である。給紙ロール2は、図1に示すように、樹脂層4と、樹脂層4により外表面が覆われた円筒状の発泡樹脂6とを有する。
図2は、樹脂層4の分子構造を説明する図である。
で表される原子団(以下、(メタ)アクリル結合と呼ぶ)を有する原子団である。
図4は、発泡樹脂6の一例を説明する図である。図4(a)は、発泡樹脂6の表層部分の断面図である。発泡樹脂6は好ましくは、連続気泡構造16を有するウレタンフォームである。発泡樹脂6は、ウレタンフォーム以外の発泡樹脂(例えば樹脂部分が、天然ゴム、ブタジエンゴム、エチレンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、(メタ)アクリル樹脂およびEVA(Ethylene-vinyl acetate)の何れかである発泡樹脂)であってもよい。
実施の形態1の給紙ロール2は、高い耐摩耗性と大きな摩擦係数とを有する。
図6は、実施の形態1の給紙ロール2の使用方法の一例を示す図である。図6に示す給紙ロール2は、リタードロールである。リタードロールは、印刷媒体(例えば、用紙)に画像を形成する画像形成装置(例えば、プリンター、ファクシミリおよび複合機等)の搬送ユニットに使用される給紙ロールである。
図7は、給紙ロール2の製造方法を説明する工程断面図である。図8は、樹脂層4のプレポリマーの生成方法の一例を説明する図である。
例えば、不飽和結合およびヒドロキシル基を有するモノマー(以下、第1モノマーと呼ぶ)と、複数のイソシアネート基を有するイソシアネートと、ポリオールとを反応させて、樹脂層4のプレポリマーを生成する。
次に、円筒状の発泡体42を用意する(図7(a)参照)。発泡体42は好ましくは、連続気泡構造を有するウレタンフォームである。
樹脂原料44の塗布後、樹脂原料44に紫外線45を照射して、樹脂原料44を硬化させる(図7(c)参照)。この硬化により樹脂原料44は、樹脂層4(図1参照)になる。図9は、樹脂原料44の硬化反応の一例を説明する図である。
樹脂原料44に紫外線45を照射すると、先ず光重合開始剤46(図9(a)参照)からラジカル48(R3・)が発生する。R3は、炭素を含む原子団である。
光重合開始剤46から生じたラジカル48(図9(b)参照)の一部は、多官能チオール50のチオール基(-SH)と反応する。この反応により、硫黄ラジカルを有するラジカル54(R4−S・)が生成される。R4は、炭素を含む原子団である。
大気中で樹脂原料44に紫外線を照射すると、第1及び第2成長種52a,52b(図9(e)参照)のラジカル電子(・)は、大気中の酸素と反応してペルオキシラジカル56(OO・)を生成する(図9(e)参照)。図9(e)のR5は、炭素を含む原子鎖である。具体的にはR5は、連鎖重合により生じた原子鎖である。ペルオキシラジカル56は、不活性なラジカルである。従ってペルオキシラジカル56は、プレポリマー34とは結合しない。
紫外線照射の後、発泡体42を所定の長さに裁断して、給紙ロール2を完成する。
図10は、実施の形態1の変形例102を説明する図である。
図11は、実施例1〜21をまとめた表1〜2である。表1〜2の第2〜4行は、各実施例で用いる樹脂原料の成分である。表1及び2の第5〜6行はそれぞれ、各実施例で形成する樹脂層4のA硬度(JIS−A硬度)および塗工厚みである。
実施例1では、表1の第2〜4行に示すように、100重量部の第1プレポリマーPP1に、5重量部のPEMP(ペンタエリスリトールテトラキス)と1重量部の光重合開始剤Irgacure1173を添加した樹脂原料を用いる。Irgacure1173は、BASF社が製造している光重合開始剤である。PEMPは、4官能チオールである。樹脂原料に対して、粘度が30〜200Pa・sになるように、原料温度の調整と(メタ)アクリルモノマーの混合を行った。(メタ)アクリルモノマーの代わりに、炭素の二重結合を有するモノマーを混合してもよい(実施例2〜21および後述する実施例22〜24についても同様)。
実施例2〜21では実施例1と同様、表1〜2に示す樹脂原料および塗工厚みに従って給紙ロールを形成し、形成した給紙ロールの特性を測定する。更に測定結果に基づいて、リタードロールとしての使用可能性を判定する。
図12は、実施例1〜21に用いるプレポリマーの原料を説明する表3である。図12には、後述する実施例22〜24に用いるプレポリマーの原料も示されている。例えば、第1プレポリマーPP1は、2.6重量部のメタクリル酸2−ヒドロキシエチルと、5.5重量部のHMDIと、100重量部のPremnolS4011とを反応させて生成する。メタクリル酸2−ヒドロキシエチルは、日本触媒等が製造しているメタクリル酸モノマーである。HMDIは、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートの略称である。PremnolS4011は、旭硝子が製造するポリエーテルポリオールの商品名である。PremnolS4011の分子量は10000である。
図13は、圧縮荷重の測定方法を説明する図である。
給紙ロール2のリタードロールとしての使用可能性は、以下の基準により判定する。まず、静止摩擦係数、圧縮荷重および摩耗量それぞれの合否を判定する。判定結果は、合格(○)、一応合格(△)および不合格(×)はいずれかである。静止摩擦係数、圧縮荷重および摩耗量の全てが合格の場合、リタードロールとして使用可能(○)と判定する。静止摩擦係数、圧縮荷重および摩耗量の一つでも不合格(×)の場合、リタードロールとしては使用不可能(×)と判定する。不合格(×)と判定した特性がなく更に、静止摩擦係数、圧縮荷重および摩耗量の一つでも一応合格(△)と判定した場合には、リタードロールとして一応使用可能(△)と判定する。
図14は、比較例1〜20をまとめた表4〜5である。表4〜5の第2〜3行は、各比較例で用いる樹脂原料の成分である。表4〜5の第4〜5行はそれぞれ、各比較例で形成する樹脂層4のA硬度(JIS−A硬度)および塗工厚みである。
図17は、実施例22〜24をまとめた表6である。図17には、実施例22〜24に対応する比較例22〜24をまとめた表7も示されている。
実施例22〜24それぞれの多官能チオール、開始剤、硬度および塗工厚さ(図17の表6参照)は、実施例6,8,10それぞれの多官能チオール、開始剤、硬度および塗工厚さ(図11の表1参照)と同じである。一方、実施例22〜24のプレポリマー9は、実施例6,8,10のプレポリマーPP2とは異なるポリマーである。
比較例22〜24それぞれの樹脂原料は、実施例22〜24それぞれの樹脂原料から多官能チオールを除いたものである(図17参照)。比較例22〜24それぞれの開始剤、硬度および塗工厚さは、実施例22〜24それぞれの開始剤、硬度および塗工厚さと同じである。
8a・・・第1原子団 8b・・・第2原子団 8c・・・第3原子団
10・・・硫黄原子 16・・・連続気泡構造 20・・・独立気泡構造
34・・・プレポリマー 38・・・不飽和結合 40・・・ウレタン結合
41・・・メタクリル酸基 42・・・発泡体 43・・・ヒドロキシル基
45・・・紫外線 50・・・多官能チオール
58・・・スキン層
Claims (10)
- 複数の硫黄原子を有する第1原子団と、複数の炭素原子が一列に並び前記複数の硫黄原子のいずれかに末端が結合した炭素鎖を有する複数の第2原子団と、それぞれがウレタン結合を有し前記複数の第2原子団のいずれかに結合した複数の第3原子団とを有する樹脂層と、
前記樹脂層により外表面が覆われた円筒状の発泡樹脂とを有する
ロール。 - 前記第2原子団は、式
(式中、R1は水素またはメチル基を表す)
で表される(メタ)アクリル結合を有し、
前記第3原子団は、前記(メタ)アクリル結合のうちのエステル結合に結合している
ことを特徴とする請求項1に記載のロール。 - 前記樹脂層は、前記発泡樹脂の気泡構造内に成形された領域を有する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載のロール。 - 前記発泡樹脂は、連続気泡構造を有するウレタンフォームである
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロール。 - 印刷媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送ユニットに使用されるリタードロールであることを
特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロール。 - 複数の硫黄原子を有する第1原子団と、複数の炭素原子が一列に並び前記複数の硫黄原子のいずれかに末端が結合した炭素鎖を有する複数の第2原子団と、それぞれがウレタン結合を有し前記複数の第2原子団のいずれかに結合した複数の第3原子団とを有する樹脂と、
外表面側の多孔質であるセル構造内に前記樹脂が含浸した円筒状の発泡樹脂とを有する
ことを特徴とするロール。 - 不飽和結合およびウレタン結合を有するポリマーと複数のチオール基を有する多官能チオールと光重合開始剤とを含む原料を、円筒状の発泡体の外表面に塗布する工程と、
塗布した前記原料に紫外線を照射して、前記原料を硬化させる工程とを有する
ロールの製造方法。 - 更に、前記塗布する工程の前に、(メタ)アクリル酸基およびヒドロキシル基を有するモノマーと、ポリオールと、複数のイソシアネート基を有するイソシアネートとを反応させて、前記ポリマーを生成する工程を有することを
特徴とする請求項7に記載のロールの製造方法。 - 前記発泡体は、多孔質であるセル構造が前記外表面に露出した状態のウレタンフォーム
であり、
前記原料は、前記塗布する工程により前記多孔質であるセル構造内に侵入し含浸層を形成するように粘度が調整されていることを
特徴とする請求項7又は8に記載のロールの製造方法。 - 前記ロールは、印刷媒体に画像を形成する画像形成装置の搬送ユニットに使用されるリタードロールであることを
特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載のロールの製造方法。
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