以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置を図面に則して更に詳しく説明する。
1.画像形成装置の全体的な構成及び動作
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置100の模式的な断面図である。本実施形態の画像形成装置100は、電子写真方式を利用してフルカラー画像を形成することのできる、中間転写方式を採用したタンデム方式のレーザービームプリンターである。本実施形態の画像形成装置100は、装置本体110に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)などの機器からの画像信号に応じてフルカラーの記録画像を紙(記録用紙)などの記録材(転写材、記録媒体、シート)に形成することができる。
画像形成装置100は、有彩色画像であるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色の画像を形成する第1、第2、第3の画像形成部SY、SM、SC、無彩色画像であるブラック(Bk)色の画像を形成する第4の画像形成部SBkを有する。各画像形成部1Y、1M、1C、1Bkにおいて同一又は対応する機能、構成を有する要素について、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用の要素であることを表す符号の末尾のY、M、C、Bkを省略して総括的に説明する。
画像形成部Sは、回転可能なドラム型の電子写真感光体(感光体)である感光ドラム1を有する。感光ドラム1は、図中矢印R1方向(時計回り)に回転駆動される。詳しくは後述するように感光ドラム1の表面には、複数の独立した凹部が形成されている。画像形成部Sにおいて、感光ドラム1の周囲には、その回転方向に沿って順に、次の各機器が配置されている。まず、帯電手段としての帯電器2が配置されている。次に、露光手段としての露光装置(レーザースキャナー)3が配置されている。次に、現像手段としての現像装置4が配置されている。次に、一次転写手段としての一次転写ローラ5が配置されている。次に、クリーニング手段としてのクリーニング装置6が配置されている。次に、前露光手段としての前露光器7が配置されている。
また、画像形成装置100は、各画像形成部Sの各感光ドラム1と対向して中間転写体としての無端状のベルトで構成された中間転写ベルト8を有する。中間転写ベルト8は、複数の支持ローラに掛け回されて張架されており、図中矢印R2方向に回転駆動される。中間転写ベルト8の内周面側において、各画像形成部Sの各感光ドラム1に対向して、上述の各一次転写ローラ5が配置されている。一次転写ローラ5は、中間転写ベルト8を介して感光ドラム1に向けて押圧(付勢)され、感光ドラム1と中間転写ベルト8とが接触する一次転写部N1を形成する。また、中間転写ベルト8の外周面側に、二次転写装置9が配置されている。二次転写装置9は、記録材搬送部材としての無端状のベルトで構成された二次転写ベルト91を有する。二次転写ベルト91は、複数の支持ローラに掛け回されて張架されており図中矢印R3方向に回転駆動される。二次転写ベルト91は、中間転写ベルト8の複数の支持ローラのうちの一つである二次転写対向ローラ81と対向する位置で中間転写ベルト8と接触して、二次転写部N2を形成する。
また、画像形成装置100は、二次転写ベルト91により搬送される記録材Pの搬送方向の下流側に、定着ローラ10aと加圧ベルト10bとを備える定着装置10を有する。
画像形成時には、感光ドラム1は図中矢印R1方向に所定のプロセススピード(周速度)で図示しない回転軸を中心に回転駆動される。感光ドラム1の表面は、帯電器2によって所定の極性の所定の電位に略均一に帯電させられる。このときの感光ドラム1の表面電位を帯電電位(非露光部電位)VDとする。帯電処理された感光ドラム1の表面は、露光装置3によって走査露光される。露光装置3は、後述するコントローラ14から送られてくる画像信号に基づき、レーザーチップから所定の光量のレーザー光を感光ドラム1に照射する。そして、感光ドラム1の表面のレーザー光が照射された部分においては、帯電処理によって保持されている電荷が除去される。これによって、感光ドラム1上に静電潜像(静電像)が形成される。このときのレーザー光が照射された部分の感光ドラム1の表面電位を露光部電位VLとする。感光ドラム1上に形成された静電像は、現像装置4によって現像剤としてのトナーで現像(可視化)される。現像装置4の内部には、現像剤担持体としての現像スリーブが設けられている。この現像スリーブに所定の現像バイアス(現像電圧)が印加されることで、現像スリーブ上に担持されたトナーが、感光ドラム1と現像スリーブとの対向部において感光ドラム1上の静電像に応じて感光ドラム1に飛翔し、付着する。これによって、感光ドラム1上にトナー像が形成される。現像バイアスのDC成分をVdcとし、このVdと露光部電位VLとの電位差を現像コントラストVcontとした場合に、Vcontが大きいほど現像されるトナーは増加する。
感光ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写部N1において、一次転写ローラ5の作用により、中間転写ベルト8上に静電的に転写される。このとき、一次転写ローラ5には、現像時のトナーの帯電極性(正規の帯電極性)とは逆極性の一次転写バイアス(一次転写電圧)が印加される。例えば、フルカラー画像の形成時には、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色のトナー像が、各一次転写部N1において順次重ね合わされるようにして中間転写ベルト8上に転写される。一次転写工程後に感光ドラム1上に残留したトナー(一次転写残トナー)は、クリーニング装置6によって感光ドラム1上から除去されて回収される。また、一次転写残トナーが除去された後の感光ドラム1の表面は、前露光器7によって光が照射されることによって残留電荷が除去されて、再び帯電器2によって帯電処理される。
ここで、本実施形態では、クリーニング装置6は、感光ドラム1の表面に当接するようにして配置されたクリーニング部材としてのクリーニングブレード61と、クリーニング容器62と、を有する。クリーニングブレード61は、ウレタンゴムなどの弾性材料で形成された、感光ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って延在する板状部材である。このクリーニングブレード61は、カウンター方向、すなわち、その自由端側の先端が感光ドラム1の回転方向(表面の移動方向)の上流を向くように感光ドラム1の表面に当接されている。そして、クリーニングブレード61は、回転する感光ドラム1の表面を摺擦して、感光ドラム1の表面の一次転写残トナーなどの付着物を、感光ドラム1の表面から物理的に掻き取って、クリーニング容器62に収容する。
中間転写ベルト8上に形成されたトナー像は、二次転写部N2において、二次転写ベルト91上に担持されて搬送される記録材P上に静電的に転写される。このとき、二次転写ベルト91には、その複数の支持ローラのうちの一つである二次転写ローラ91を介して、トナーの正規の帯電極性とは逆極性の二次転写バイアス(二次転写電圧)が印加される。二次転写工程後に中間転写ベルト8上に残留したトナー(二次転写残トナー)は、ベルトクリーニング装置(図示せず)によって中間転写ベルト8上から除去されて回収される。
トナー像が転写された記録材Pは、定着装置10へと搬送され、定着ローラ10aと加圧ベルト10bとによって挟持搬送されることで加熱及び加圧され、その上にトナー像が定着される。その後、記録材Pは、装置本体110の外部に排出(出力)される。
本実施形態では、画像形成装置100は、フルカラー画像の形成が可能なフルカラーモードと、白黒画像を形成する白黒モードと、で画像形成を実行することができるようになっている。フルカラーモード時には、すべての感光ドラム1に中間転写ベルト8が接触させられる。白黒モード時には、図示しない離間機構によって、イエロー、マゼンタ、シアンの各色用(以下「カラー用」ともいう。)の感光ドラム1Y、1M、1Cから中間転写ベルト8が離間させられる。これにより、白黒画像の形成時にカラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cが磨耗することが抑制される。そして、本実施形態では、ブラック用の感光ドラム1Bkとカラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cとの耐久性を略同一にするために、ブラック用の感光ドラム1Bkの外径(直径)は、カラー用の感光ドラム1C、1M、1Yの外径よりも大きい。より詳細には、ブラック用の感光ドラム1Bkの外径は80mmであり、カラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cの外径は50mmである(ただし、後述する実施例4においてはブラック用の感光ドラム1Bkも外径50mmのものに変更される。)。
また、本実施形態では、ブラック用の帯電器2Bkとしては、非接触帯電器を用いている。具体的には、非接触帯電器としての、感光ドラム1Bkに対向して配置されたコロナ帯電器を用いている。一方、本実施形態では、カラー用の帯電器2Y、2M、2Cとしては、接触帯電器を用いている。具体的には、接触帯電器としての、感光ドラム1Y、1M、1Cに接触して配置された帯電ローラを用いている。
また、本実施形態では、ブラック用の画像形成部SBkには、感光ドラム1Bkの回転方向において露光装置3Bkによる露光位置と現像装置4Bkによる現像位置との間に、電位検出手段としての電位センサ11Bkが配置されている。ブラック用の感光ドラム1Bkの表面の電位(感光ドラム1Bk上の電位)は、電位センサ11Bkを用いてフィードバック制御を行う。つまり、コントローラ14は、電位センサ11Bkが取得した感光ドラム1Bkの表面電位と目標電位とを略一致させるように、帯電器2Bkに印加する電圧を制御する。一方、本実施形態では、カラー用の画像形成部SY、SM、SCは、電位センサを備えていない。そのため、カラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cの表面の電位の制御は、公知の放電電流制御を用いて行う。
本実施形態では、各画像形成部Sの帯電器2、露光装置3、現像装置4によって、後述する疑似中間調処理部の処理結果に基づいて複数の感光体のそれぞれに互いに異なる複数色のトナーで画像を形成するトナー像形成手段が構成される。
2.電子写真感光体(感光体)
次に、電子写真感光体(感光体)について説明する。本実施形態では、感光体は、支持体と、この支持体上に設けられた有機感光層(以下、単に「感光層」ともいう。)と、を有する。感光体としては、一般的には、円筒状の支持体上に感光層を形成した円筒状(ドラム型)の有機感光体が広く用いられるが、ベルト状あるいはシート状の形状も可能である。本実施形態では、ドラム型の有機感光体(感光ドラム)が用いられる。
感光層は、電荷輸送物質と電荷発生物質とを同一の層に含有する単層型感光層であっても、電荷発生物質を含有する電荷発生層と電荷輸送物質を含有する電荷輸送層とに分離した積層型(機能分離型)感光層であってもよい。電子写真特性の観点から、積層型感光層が好ましい。また、積層型感光層には、支持体側から電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した順層型感光層であっても、支持体側から電荷輸送層、電荷発生層の順に積層した逆層型感光層であってもよい。また、積層型感光層を採用する場合、電荷発生層を積層構造としてもよく、また電荷輸送層を積層構成としてもよい。さらに、耐久性能の向上を目的とし感光層上に保護層を設けることも可能である。
まず、支持体について説明する。支持体の材料としては、導電性を示すもの(導電性支持体)であればよい。例えば、鉄、銅、金、銀、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉛、ニッケル、スズ、アンチモン、インジウム、クロム、アルミニウム合金、ステンレスの如き金属製(合金製)の支持体が挙げられる。また、アルミニウム、アルミニウム合金、酸化インジウム−酸化スズ合金を真空蒸着によって被膜形成した層を有する上記金属製支持体やプラスチック製支持体を用いることもできる。また、カーボンブラック、酸化スズ粒子、酸化チタン粒子、銀粒子の如き導電性粒子を適当な結着樹脂と共にプラスチックや紙に含浸した支持体や、導電性結着樹脂を有するプラスチック製の支持体を用いることもできる。
支持体の表面は、レーザー光の散乱による干渉縞の防止を目的として、切削処理、粗面化処理、アルマイト処理を施してもよい。
支持体と、後述の中間層又は感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、レーザー光の散乱による干渉縞の防止や、支持体の傷の被覆を目的とした導電層を設けてもよい。
導電層は、カーボンブラック、導電性顔料や抵抗調節顔料を結着樹脂に分散及び/又は溶解させた導電層用塗布液を用いて形成されてもよい。導電層用塗布液には、加熱又は放射線照射により硬化重合する化合物を添加してもよい。導電性顔料や抵抗調節顔料を分散させた導電層は、その表面が粗面化される傾向にある。
導電層の膜厚は、0.2μm以上40μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上35μm以下であることがより好ましく、さらには5μm以上30μm以下であることがより一層好ましい。
導電層に用いられる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンの如きビニル化合物の重合体/共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂。
導電性顔料及び抵抗調節顔料としては、アルミニウム、亜鉛、銅、クロム、ニッケル、銀、ステンレスの如き金属(合金)の粒子;これらをプラスチックの粒子の表面に蒸着したものが挙げられる。また、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アンチモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、スズをドープした酸化インジウム、アンチモンやタンタルをドープした酸化スズの金属酸化物の粒子でもよい。これらは、単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。2種以上を組み合わせて用いる場合は、単に混合するだけでもよいし、固溶体や融着の形にしてもよい。
支持体又は導電層と感光層(電荷発生層、電荷輸送層)との間には、バリア機能や接着機能を有する中間層を設けてもよい。中間層は、感光層の接着性改良、塗工性改良、支持体からの電荷注入性改良、感光層の電気的破壊に対する保護のために形成される。
中間層の材料としては、以下のものが挙げられる。ポリビニルアルコール、ポリ−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、エチレン−アクリル酸共重合体、カゼイン、ポリアミド、N−メトキシメチル化6ナイロン、共重合ナイロン、にかわ及びゼラチン。中間層は、これらの材料を溶剤に溶解させることによって得られる中間層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。
中間層の膜厚は0.05μm以上7μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
次に、感光層について説明する。感光層に用いられる電荷発生物質としては、以下のものが挙げられる。ピリリウム、チアピリリウム系染料;各種の中心金属及び各種の結晶系(α、β、γ、ε、X型など)を有するフタロシアニン顔料;アントアントロン顔料;ジベンズピレンキノン顔料;ピラントロン顔料;モノアゾ、ジスアゾ、トリスアゾの如きアゾ顔料;インジゴ顔料;キナクリドン顔料;非対称キノシアニン顔料;キノシアニン顔料;アモルファスシリコン。これら電荷発生物質は1種のみ用いてもよく、2種以上用いてもよい。
感光層に用いられる電荷輸送物質としては、以下のものが挙げられる。ピレン化合物、N−アルキルカルバゾール化合物、ヒドラゾン化合物、N,N−ジアルキルアニリン化合物、ジフェニルアミン化合物、トリフェニルアミン化合物などが挙げられる。また、トリフェニルメタン化合物、ピラゾリン化合物、スチリル化合物、スチルベン化合物。
感光層を電荷発生層と電荷輸送層とに機能分離する場合、電荷発生層は、以下の方法で形成することができる。つまり、まず、電荷発生物質を0.3〜4倍量(質量比)の結着樹脂及び溶剤とともに、ホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター又はロールミルを用いる方法で分散する。分散して得た電荷発生層用塗布液を塗布する。これを乾燥させることによって、電荷発生層を形成することができる。また、電荷発生層は、電荷発生物質の蒸着膜としてもよい。
電荷輸送層は、電荷輸送物質と結着樹脂とを溶剤に溶解させることによって得られる電荷輸送層用塗布液を塗布し、これを乾燥させることによって形成することができる。また、上記電荷輸送物質のうち単独で成膜性を有するものは、結着樹脂を用いずにそれ単独で成膜し、電荷輸送層とすることもできる。
電荷発生層及び電荷輸送層に用いる結着樹脂としては、以下のものが挙げられる。スチレン、酢酸ビニル、塩化ビニル、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレンの如きビニル化合物の重合体及び共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイド、ポリウレタン、セルロース樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ケイ素樹脂及びエポキシ樹脂。
電荷発生層の膜厚は5μm以下であることが好ましく、さらには0.1μm以上2μm以下であることがより好ましい。
電荷輸送層の膜厚は5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。
感光体に要求される特性の一つである耐久性能の向上にあたっては、上述の機能分離型感光体の場合、表面層となる電荷輸送層の材料設計は重要である。その例としては、高強度の結着樹脂を用いたり、可塑性を示す電荷輸送物質と結着樹脂との比率をコントロールしたり、高分子電荷輸送物質を使用するなどが挙げられるが、より耐久性能を発現させるためには表面層を硬化系樹脂で構成することが有効である。
電荷輸送層自体を硬化系樹脂で構成することが可能である。また、上述の電荷輸送層上に第二の電荷輸送層あるいは保護層として硬化系樹脂層を形成することが可能である。硬化系樹脂層に要求される特性は、膜の強度と電荷輸送能力の両立であり、電荷輸送材料及び重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーから構成されるのが一般的である。また場合によっては、電荷輸送能力の付与の目的で、抵抗制御された導電性微粒子の利用も可能である。
電荷輸送材料としては、公知の正孔輸送性化合物及び電子輸送性化合物を用いることができる。重合あるいは架橋性のモノマーやオリゴマーとしては、アクリロイルオキシ基やスチレン基を有する連鎖重合系の材料、水酸基やアルコキシシリル基、イソシアネート基を有する逐次重合系の材料が挙げられる。得られる電子写真特性、汎用性や材料設計、製造安定性の観点から正孔輸送性化合物と連鎖重合系材料の組み合わせが好ましく、さらには正孔輸送性基及びアクリロイルオキシ基の両者を分子内に有する化合物を硬化させる系が特に好ましい。
硬化手段としては、熱、光、放射線を用いて公知の手段が利用できる。硬化層の膜厚は、電荷輸送層の場合は前述と同様5μm以上50μm以下であることが好ましく、さらには10μm以上35μm以下であることがより好ましい。第二の電荷輸送層あるいは保護層の場合は、0.1μm以上20μm以下であることが好ましく、さらには1μm以上10μm以下であることがより好ましい。
感光体の各層には各種添加剤を添加することができる。添加剤としては、酸化防止剤や紫外線吸収剤の如き劣化防止剤や、フッ素原子含有樹脂粒子やアクリル樹脂粒子の如き有機樹脂粒子、シリカ、酸化チタン、アルミナの如き無機粒子が挙げられる。
3.感光体の表面形状
次に、本実施形態ではドラム型の有機感光体(感光ドラム)とされる感光体の表面形状について説明する。
本実施形態では、感光体は、表面に複数の各々独立した凹部(凹形状)を有し、(i)凹部の開口径が20μm以上80μm以下の円形状、深さが0.5μm以上8μm以下、単位面積あたりの凹部形状を有している面積率が10%以上30%以下である。
なお、本発明は、詳しくは後述するように、感光体の表面の凹部の周期やパターンに特徴を有しており、凹部の形状は任意であり、例えば特許文献3に記載される公知のものと同じであってよい。そのため、凹部の形状は円形に限定されるものではなく、特許文献3に記載されているような、楕円形状、ハニカム形状、角柱のような形状でもかまわない。図6(A)〜(G)に凹部の形状の例を示す。図6(A)〜(G)において、dは凹部の開口径を表している。また、感光体の表面の凹部は、個々に異なる形状、大きさあるいは深さを有してもよい。また、感光体の表面の凹部は、すべての凹部が同一の形状、大きさあるいは深さを有していてもよい。さらに、感光体の凹部は、個々に異なる形状、大きさあるいは深さを有する凹部と、同一の形状、大きさあるいは深さを有する凹部とが組み合わされていてもよい。
上記凹部は、感光体の少なくとも表面に形成されている。感光体の表面の凹部が形成される領域は、感光体の表面の全域であってもよいし、感光体の表面の一部分であってもよい。ただし、良好な性能を発揮するためには、少なくとも感光体の表面のクリーニングブレードと接触する領域に凹部が形成されていることが好ましい。感光体の表面の凹部の周期やパターンについての詳細は後述する。
ここで、クリーニング部材による感光体の表面のクリーニング性能の発現には、感光体及びクリーニング部材の2つの要素に、トナー(トナー粒子及び外添剤)の影響を加味することが重要である。一般に、良好なクリーニング性能とは、被転写体に転写されずに感光体の表面に残存したトナーが、クリーニングブレードと感光体の表面との間に介在し、両者の間に発生する摩擦抵抗を低減させることにより発現されている状態であると考えられている。しかし、電子写真プロセスによっては、クリーニングブレードと感光体の表面との間に介在するトナーが極端に少なくなる場合がある。例えば、印字濃度の薄いパターンの大量印刷時や、タンデム方式の電子写真システムにおいての単色連続印刷時などにおいては、クリーニングブレードと感光体の表面との摩擦抵抗が特に増大しやすいと考えられる。そのため、前述したクリーニング性能の低下や耐久性能の低下が問題となりやすい傾向となる。さらには、摩擦抵抗の増大を起因とする融着の問題が発生することがある。このような問題は、一般的に感光体の表面層の機械的強度が高くなり、感光体の周面が摩耗しにくくなるほど顕著になる傾向がある。
これに対し、本実施形態のように、感光体の表面に凹部を有することにより、感光体とクリーニングブレードとの接触面積が減少する。それにより、感光体とクリーニングブレードとの摩擦抵抗が減少する傾向となり、クリーニング性能が良好に維持され、各種の画像欠陥の発生が抑制される。特に、印字濃度の薄いパターンの大量印刷時及びタンデム方式の電子写真システムにおいての単色連続印刷時などに生じやすいクリーニングブレードと感光体との摩擦抵抗の増大を抑制することができる。これにより、クリーニング性能が良好に維持される。凹部の面積率が10%未満の場合は、上記の効果を得にくくなる。このような感光体の表面形状は、表面が摩耗しにくい感光体を適用したときに最も効果的に作用する。上述のように、表面が摩耗しにくい感光体は、高耐久である一方で、クリーニング性能などの問題が顕著になるからである。
感光体の表面の凹部は、例えば、市販のレーザー顕微鏡、光学顕微鏡、電子顕微鏡あるいは原子力間顕微鏡を用いて測定可能である。
レーザー顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。超深度形状測定顕微鏡VK−8550、超深度形状測定顕微鏡VK−9000、及び超深度形状測定顕微鏡VK−9500(いずれも(株)キーエンス社製);表面形状測定システムSurface Explorer SX−520DR型機((株)菱化システム社製);走査型共焦点レーザー顕微鏡OLS3000(オリンパス(株)社製);リアルカラーコンフォーカル顕微鏡オプリテクスC130(レーザーテック(株)社製)。
光学顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。デジタルマイクロスコープVHX−500、及びデジタルマイクロスコープVHX−200(いずれも(株)キーエンス社製);3DデジタルマイクロスコープVC−7700(オムロン(株)社製)。
電子顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−9800、及び3Dリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−8800(いずれも(株)キーエンス社製);走査型電子顕微鏡コンベンショナル/Variable Pressure SEM(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製);走査型電子顕微鏡SUPERSCAN SS−550((株)島津製作所社製)。
原子力間顕微鏡としては、例えば、以下の機器が利用可能である。ナノスケールハイブリッド顕微鏡VN−8000((株)キーエンス社製);走査型プローブ顕微鏡NanoNaviステーション(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)社製);走査型プローブ顕微鏡SPM−9600((株)島津製作所社製)。
上記顕微鏡を用いて、所定の倍率により、測定視野内の凹部の個数、長軸径及び深さを計測することができる。さらには、単位面積あたりの凹部の平均長軸径、平均深さ、開孔部の面積率を計算により求めることができる。
一例として、Surface Explorer SX−520DR型機による解析プログラムを利用した測定例について説明する。測定対象の感光体をワーク置き台に設置し、チルト調整して水平を合わせ、ウェーブモードで感光体の周面の3次元形状データを取り込む。その際、対物レンズの倍率を50倍とし、100μm×100μm(10000μm2)の視野観察としてもよい。この方法で、測定対象の感光体の表面を感光体の回転方向に4等分し、該感光体の回転方向と直交する方向に25等分して得られる計100箇所の領域のそれぞれの中に、一辺100μmの正方形の領域を設けて測定する。次に、データ解析ソフト中の粒子解析プログラムを用いて感光体の表面の等高線データを表示する。
凹部の形状、長軸径、深さ及び開孔部面積のような凹部の孔解析パラメーターは、形成された凹部によって各々最適化することができる。例えば、長軸径10μm程度の凹部の観察及び測定を行なう場合、長軸径上限を15μm、長軸径下限を1μm、深さ下限を0.1μm及び体積下限を1μm3以上としてもよい。そして、解析画面上で凹部と判別できる凹部の個数をカウントし、これを凹部の個数とする。
また、上記と同様の視野及び解析条件で、上記粒子解析プログラムを用いて求められる各凹部の開孔部面積の合計から凹部の合計開孔部面積を算出し、下記式から凹部の開孔部面積率(ここでは、単に面積率と表記したものは、この開孔部面積率を示す)を算出してもよい。
{凹部の合計開孔部面積/(凹部の合計開孔部面積+非凹部の合計面積)}×100]
4.感光体の表面形状の形成方法
次に、感光体の表面形状の形成方法について説明する。感光体の表面形状の形成方法としては、上述の凹部を形成することのできる方法であれば、特に制限はない。感光体の表面形状の形成方法の例を挙げれば、パルス幅が100ns(ナノ秒)以下である出力特性を有するレーザー照射による感光体の表面形状の形成方法がある。また、所定の形状を有するモールドを感光体の表面に圧接し形状転写を行なう表面形状の形成方法がある。
上記パルス幅が100ns(ナノ秒)以下である出力特性を有するレーザー照射による感光体の表面形状の形成方法について説明する。この方法で用いるレーザーの具体的な例としては、ArF、KrF、XeF又はXeClのようなガスをレーザー媒質とするエキシマレーザーあるいはチタンサファイアを媒質とするフェムト秒レーザーが挙げられる。さらに、上記レーザー照射におけるレーザー光の波長は、1,000nm以下であることが好ましい。
上記エキシマレーザーは、以下の工程で放出されるレーザー光である。まず、Ar、Kr又はXeのような希ガスと、FあるいはClのようなハロゲンガスとの混合気体に、放電、電子ビーム又はX線のような高エネルギーを与えて、上記の元素を励起して結合させる。その後、基底状態に落ちることで解離する際、エキシマレーザー光が放出される。上記、エキシマレーザーにおいて用いるガスとしては、ArF、KrF、XeCl又はXeFが挙げられるが、いずれを用いてもよい。特には、KrFあるいはArFが好ましい。
上記レーザー照射による感光体の表面の凹部の形成方法は、より具体的には次のようにして行うことができる。図4(a)に示すような、レーザー光遮断部aと、レーザー光透過部bと、を適宣配列したマスクを使用する。マスクを透過したレーザー光のみがレンズで集光され、被加工物に照射されることにより、所望の形状と配列を有した凹部の形成が可能となる。一定面積内の多数の凹部を、凹部の形状、面積に関わらず瞬時に同時に加工できるため、工程は短時間で行うことができる。マスクを用いたレーザー照射により、1回照射当たり数mm2から数cm2が加工される。レーザー加工においては、図4(b)に示すように、まず、ワーク回転用モーターdにより感光体を自転させる。自転させながら、ワーク移動装置eによりレーザー照射位置を感光体の軸方向上にずらしていくことにより、例えば感光体の表面の全域に効率良く凹部を形成することができる。凹部の深さは、レーザー光の照射時間や照射回数などによって、前述の所望の範囲内に調整が可能である。この方法によれば、凹部の大きさ、形状、配列の制御性が高く、高精度且つ自由度の高い粗面加工が実現できる。
また、レーザー照射による感光体の表面形状の形成方法では、同じマスクパターンを用いて、上記形成方法により感光体の表面の複数の部位あるいは感光体の表面の全域に凹部を形成することができる。この方法により、感光体の表面の全体に均一性の高い凹部を形成することができる。その結果、クリーニングブレードにかかる力学的負荷は均一となる。後述して詳しく説明する感光体の凹部の周期やパターンは、上記マスクパターンの設定により変更することができる。
次に、上記所定の形状を有するモールドを感光体の表面に圧接し形状転写を行なう表面形状の形成方法について説明する。図5(a)は、モールドによる圧接形状転写加工装置の概略図の例を示す図である。加圧及び解除が繰り返し行える加圧装置Aに所定のモールドBを取り付けた後、感光体Cに対して所定の圧力でモールドBを当接させ形状転写を行う。加圧装置Aに感光体Cの全周長よりも長いモールドBを取り付け、感光体Cに対して所定の圧力をかけながら、感光体Cを回転させて、移動させることにより、感光体Cの全周にわたって所定のディンプル形状を形成することが可能である。他の例として、シート状のモールドをロール状の加圧装置と感光体の間に挟み、モールドシートを送りながら表面加工することも可能である。なお、形状転写を効率的に行う目的で、モールドや感光体を加熱してもよい。後述する実施例では、この方法で感光体の表面形状を形成しており、より詳細には温度を110℃に制御し、50kg/cm2の圧力でモールドを感光体に加圧しながら、感光体を周方向に回転させて形状転写を行った。
モールド自体の材質や大きさ、形状は適宜選択することができる。材質としては、微細表面加工された金属や樹脂フィルム、シリコンウエハーなどの表面にフォトレジストによりパターンニングをしたもの、微粒子が分散された樹脂フィルム、所定の微細表面形状を有する樹脂フィルムに金属コーティングされたものが挙げられる。モールド形状の一例を図5(b)に示す。図5(b)の下図のように、モールド形状は凸形状であり、感光体に当接することにより、感光体に凹部を形成させる。後述して詳しく説明する感光体の凹部の周期やパターンは、上記パターニングの設定により変更することができる。また、感光体に対して圧力の均一性を付与する目的で、モールドと加圧装置との間に弾性体を設置することも可能である。
前述のような表面層を有する感光体に対して、前述のレーザー加工あるいはモールドによる圧接形状転写加工を行なうことにより、所望の凹部を形成することが可能である。
5.画像処理部
次に、画像形成装置100が有するコントローラ(画像処理部、画像形成コントローラ)14について、図2のブロック図、及び図3のフローチャートを用いて説明する。
PCなどの画像入力装置からのPSやPCLなどのPDL(Page Description Langage)画像信号は、入力I/F101によって受け取られる。入力I/F101は、100BASE−TなどのLAN回線インターフェースやUSBインターフェースを有し、PDLデータを画像形成コントローラ14へ入力させる(s201)。
RIP(Raster Image Processor)102は、入力I/F101を介して入力されたPDL情報を1200dpiのビットマップ情報に変換する(s202)。RIP102によってビットマップ情報に変換された画像情報は、CMS(Color Management System)103に送られる。
CMS103は、RGBからL*a*b*を経てC’M’Y’K’、あるいはCMYKからL*a*b*を経てC’M’Y’K’というように、入力された色信号(色空間ともいう)とプリンタドライバ(不図示)などで指定された色の変換を行う(s203)。RGBやCMYKはデバイスに依存した色空間であるため、デバイスに依存しない色空間であるL*a*b*に一旦変換し、その後画像形成装置100に適したC’M’Y’K’に変換される。
ハーフトーニング部(疑似中間調処理部)104は、0次補間(ニアレストネイバー)方式を用いて1200dpiから2400dpiへと解像度変換を実施す(s204)。また、ハーフトーニング部104は、2400dpiの2値のハーフトーニング(擬似中間調処理)を画像データに施し(s205)、出力I/F部107を介して画像形成部へ画像データを送付する。そして、画像形成部が画像を形成する(s206、s207)。
なお、CPU105は、上記画像処理をコントロールする役目を担い、必要に応じてメモリ106で情報を一次保管するなどの指示を出す。
6.ハーフトーニング(疑似中間調処理)
次に、ハーフトーニング(疑似中間調処理)について説明する。
本実施形態では、ハーフトーニングは、ディザマトリクス法と呼ばれる公知の処理方法を用いて行う。ディザマトリクス法は、概略、次のような処理方法である。入力された画像信号に対し、図7に示すような閾値が記載されているディザマトリクス(スクリーン)を適用する。そして、入力された画像信号に対して、閾値よりも濃ければ印字し、閾値よりも薄ければ印字しないという処理を施す。ディザマトリクス法では、ハーフトーニングにおけるスクリーンの線数や角度、成長方法(ドットやライン)などの制御は、上記ディザマトリクスの係数を変更すればよいため、多くの画像形成装置において使用されている。
図7は代表的なディザマトリクスで、後述する実施例でも使用している、2400dpi、2値、170lpi(ライン/インチ)、角度45°のドット成長正方ディザ(正方ドットスクリーン、ドットスクリーン)を示している。図7中のグレーで示した部分は、255段階のうち25レベルの均一画像信号を入力したときにドットが形成される画素を表現している。図8に示すように閾値マトリクスを変更することにより、ドット成長からライン成長(ラインスクリーン)への展開も容易である。
後述する実施例では、上記ハーフトーニングの条件のうち、スクリーンの線数と角度と成長方法を変更している。図8、図9に示すように、スクリーンの線数と角度はディザマトリクスのサイズを最適化することによって、また成長方法は閾値の順番を最適化することによって、変更することができる。
なお、図9(a)、(b)に示すように、スクリーンの線数と角度は、上記ディザマトリクスなどによる印字画素(網点)を通る(連結した)線によって規定される。図9(a)はドットスクリーン、図9(b)はラインスクリーンを模式的に示している。また、図9(c)、(d)に示すように、感光ドラム1の表面形状の線数と角度は、凹部を通る(連結した)線によって規定される。図9(c)は、凹部が縦横に略等間隔で配列されたドットパターン、図9(d)は、凹部の縦横の間隔の一方が他方よりも狭く、該間隔が狭い方向にライン状に配列されているラインパターンを模式的に示している。
7.モアレ
次に、感光ドラム1の表面形状に起因するモアレについて説明する。
前述のように、ハーフトーニングと感光ドラム1の表面に形成された凹部の周期性によってモアレが発生することがある。つまり、感光ドラム1の表面に凹部が形成されている場合、露光時のレーザー光の照射位置のズレ、現像時のトナーの乱れ、一次転写時の中間転写ベルト8との接触、非接触部などの複数の要因から、トナー像が乱れたり、転写効率が局所的に異なってしまうことがある。特定の周期性(規則性)を有する(空間周波数における特定周波数帯にピークを持たせる)ように規則正しく感光ドラム1の表面に凹部を形成している場合、上述のようなトナー像の乱れや転写効率の局所的な相違といった現象が感光ドラム1の表面の凹部の周期性に応じて生じやすくなる。そのため、この現象とハーフトーニングとの干渉によりモアレが発生することがある。
モアレは、特定の周期性のあるパターンを2つ以上組み合わせたときに発生する。モアレの出やすい状況としては、特定の周期性のあるパターン同士の角度が近いとき、あるいは微小な線数差があるときに発生しやすい。
図10(a)〜(d)は、2つのラインパターン間の角度を異ならせた場合のモアレの発生状況を示している。図10(a)〜(d)に示すように、2つのパターンの角度が近くなるに従って2つパターンのラインの交点の周期が低周波数(低周期)になるため、モアレとして認識されやすくなる。なお、図10(a)〜(d)は、それぞれ上記角度が90°、45°、15°、5°で交差しており、2つのパターンは同線数である。図10(a)〜(d)から、2つのパターンがそれぞれラインパターンの場合は90°がもっともモアレの周期が高周波数(高周期)となる。
また、図11(a)に示すような線数差が20%存在する2つのラインパターンを同じ角度で重ねると、図11(b)に示すようなモアレが発生する。しかし、線数差が20%あったとしても、2つのラインパターン間の角度を例えば45°にすると、図11(c)に示すようにモアレは発生しない。
このように、特定の周期性のあるパターン同士では角度差をつけることがモアレ回避方法となりうる。この観点から、特定の周期性を有するように感光ドラム1の表面に凹部を形成する場合、モアレを抑制するためには、次のようにすることが望ましい。つまり、ハーフトーニングにおいてラインスクリーンを用いる場合は、スクリーン角度との角度差が30°以上150°以下となるように感光ドラム1の表面形状を最適化することが望ましい。この角度差は、より望ましくは90°である。また、ハーフトーニングにおいてドットスクリーンを用いる場合は、周期の方向が2方向あるため、スクリーン角度との角度差が30°以上60°以下の角度差となるように感光ドラム1の表面形状を最適化することが望ましい。この角度差は、より好ましくは45°である。
なお、モアレを目立たなくするためには、感光ドラム1の表面形状の線数は、ハーフトーニングにおいて用いられるスクリーンの線数の整数倍、特にドットスクリーンの場合は整数倍又はルート2倍であることが望ましい。
一方、モアレを抑制する別の方法として、モアレの発生源となる2つのパターンの一方に、周期性を無くす処理を施す方法がある。図12(a)は、誤差拡散回路と遅延減衰フィルタ(図12(b)は代表的なFloyd&Steinbergフィルタ)とを用いて上記処理を実現する構成の一例を示す。この方法は、例えば、印刷物のような周期性のある原稿をコピーする際の疑似中間調処理やCADに代表される設計図のような細線の多い高周波画像に使用されており、モアレを抑制することができる。
図12(a)に示す回路に画像情報が入力されると、注目画素に対し遅延減衰フィルタの結果が反映され、階調化部で2値化が行われる。2値化された注目画素は、入力画像信号に対して濃度の誤差(差分)を把握し、図12(b)の右、左下、下、右下に所定の係数分誤差を分配する。誤差の分配度合いは非周期性になることを利用して、ノイズの代わりになる。そのため非周期性のドットパターン(誤差拡散パターン)を生成することができる。
このように、ハーフトーニングとの干渉によるモアレを抑制するためには、上記原理を利用して、感光ドラム1の表面の凹部を上記誤差拡散パターンで表現することが考えられる。
8.本実施形態でのモアレ抑制の概要
モアレの抑制方法として、上述のように、特定の周期性のあるパターン同士では角度差を一定以上にする方法、あるいは一方のパターンを誤差拡散パターンで代表される特定の周期性を有さない(非周期性、ランダム)パターンにする方法がある。感光ドラム1の表面の凹部を特定の周期性のあるパターンとした場合と、非周期性のパターン(誤差拡散パターン)とした場合とで、モアレの抑制性能と粒状性とには下記表1に示すような関係がある。表1中、◎は非常に良好、○は良好、△は実用可能であるがやや劣っている、×は劣っていることを表す。なお、モアレと粒状性の判断方法については後述する。
前述のように、感光ドラム1の表面の凹部を誤差拡散パターンとした場合、感光ドラム1の表面形状によってドットの乱れが発生すると、誤差拡散パターンは目に付きやすく、粒状性が悪くなることがある。つまり、誤差拡散パターンは、図13に示すように空間周波数における特定周波数帯を持たないため、モアレの抑制性能は良好(◎)だが、粒状性はやや劣り(△)、がさがさ、ちらつくなどの画像印象を与える場合がある。
したがって、本実施形態において明度15程度で4色のうち最も明度が低い(暗い)色(最低明度色)であるブラックについては、誤差拡散パターンによるトナー像の乱れが粒状性となって目立ちやすい。そのため、ブラック用の感光ドラム1Bkの表面形状に誤差拡散パターンを採用すべきではない。
なお、本実施形態の画像形成装置100に使用している色材の明度は、ブラックが15、シアンが25、マゼンタが23、イエローが88程度である。したがって、本実施形態では、上述のようにブラックの粒状性の悪化を抑制することを優先する。しかし、ブラック以外の色材の明度がブラックの明度を下回る場合は、その色である最低明度色の粒状性の悪化の抑制を優先して感光ドラム1の表面形状を決定することができる。上記感光ドラム1の表面形状のパターンの採否を下記表2にまとめる。
また、感光ドラム1の表面形状の設定に関しては、感光ドラム1の製造時、工場出荷時、ロット管理、交換時に色指定があるとコストや時間の観点から不利となることも考慮する必要がある。したがって、少なくとも2色で感光ドラム1を共通化して、感光ドラム1の種類が過度に多くなることを抑制することが望ましい。
9.モアレ及び粒状性の判断方法
次に、モアレ及び粒状性の判断方法について説明する。
9−1.モアレの判断方法
本実施形態では、モアレは、感光ドラム1上に意図的に形成される凹部のパターンと、擬似中間調処理(ここでは、「SCR」ともいう。)と、の干渉であるモアレを抑制することが重要である。そのための指標であるモアレの判断方法の一例について説明する。
(1)感光ドラム1上に形成された凹部(ここでは、角度5°、ライン)の画像と、SCR画像(ここでは、面積率30%、150lpi、角度45°、ライン)とを、規定画素(ここでは、1200dpi、512×512画素)情報で用意する。画像処理ソフトで、凹部画像とSCR画像とを2値化処理し、SCR画像から凹部画像を削除する。SCR画像から凹部画像が削除された画像を、2次元FFT(高速フーリエ変換)処理し、1次元化処理を実施して、空間周波数情報に変換する。図14(a)は上記SCR画像、図14(b)は上記SCR画像から上記凹部画像が削除された画像を模式的に示す。また、図15中の実線は、上記SCR画像から凹部画像が削除された画像の2次元FFT処理の結果(横軸に線数(lpi)をとったパワースペクトル)を示す。なお、図15中の一点鎖線は、参考のためにSCR画像のFFT処理の結果を示す。なお、合成画像は、現像後の感光ドラム1上を直接観察して得ても、感光ドラム1上に形成する型の元となるデジタルデータ上で上記スクリーンと合成し解析してもかまわない。
(2)次に、目の解像力感度特性であるVTF特性(視覚の空間周波数特性)を、上記SCR画像から凹部画像が削除された画像の2次元FFT処理の結果に掛け合わせる。図16(a)はVTF特性を示し、図16(b)は上記VTF特性を掛け合わせた結果を示す。モアレは、複数の周期性のあるパターンが互いに干渉し、目の感度のよい低周波側に上記干渉パターンが発生したときに感じる違和感のことを指す。一般に、目の解像力がない高周波側に干渉パターンが発生しても、モアレとは言わない。この現象を定量評価するため、目の感度特性を加味する必要がある。なお、上記VTF特性は、以下のDooleyが提唱しているVTF関数を用い、観察条件は300mmとした。
VTF=5.05×exp(−0.138×u)×(1−exp(−0.1×u))
u=f×R×π/180(cycles/degree)
f:空間周波数(cycles/mm)
R:観察距離(mm)=300mm
上述の感光ドラム1の表面形状の角度が5°の場合と同様の処理を、該角度が15°、45°、90°の場合について行うと、図17、図18に示すような結果が得られる。図17(a)〜(c)は、それぞれSCR画像から上記角度15°、45°、90°の凹部画像が削除された画像を模式的に示す。また、図18は、感光ドラム1の表面形状の角度が5°、15°、45°、90°の場合における図16(b)と同様の処理結果を比較して示したものである。
図18中の150lpiのピークはスクリーン成分である。このピークよりも低線数側で、スクリーン成分よりも高い部分(図18中の矢印で示す部分)をモアレと判断することができる。なお、この判断方法は一例であり、例えばスクリーン成分のピークの半値の部分(図18中の※部分)をモアレと判断してもよい。図17に示す結果から、感光ドラム1の表面形状の角度が5°、15°の場合はモアレが顕著となり、感光ドラム1の表面形状の角度が45°、90°の場合はモアレが十分に抑制されることがわかる。このように、感光ドラム1の凹部の特定の周期性を有するパターンは、該パターン、該パターンが適用される感光ドラム1に対応するスクリーン、及び視覚の空間周波数特性に基づく空間周波数解析に基づいて設定することができる。この場合において、典型的には、スクリーンによるピークより低周波数の領域にモアレによるピークを有さないように、感光ドラム1の凹部のパターンを設定することができる。
以上の周波数解析により、モアレを判断することが可能となる。この判断方法を、後述する実施例の構成の採否の判断に使用した。ただし、本発明においては、モアレの判断方法は任意であり、公知の他のモアレ判断方法を用いてもかまわない。
9−2.粒状性の判断方法
次に、粒状性の判断方法の一例について説明する。粒状性は、RMS粒状度、ドット面積標準偏差、上記FFT解析後の周波数特性を積分するもの、更にもう一度IFFT(逆高速フーリエ変換)して実画像空間に戻し標準偏差を得るものなど、各種方法が公知である。ここでは、上記FFT解析結果後の各周波数パワースペクトルを積分することで粒状性を判断する方法について説明する。
(1)SCR画像(ここでは、150lpi、角度90°、ライン)をFFT解析する。図19(a)に、その結果(パワースペクトル1)を示す(一点鎖線)。
(2)前述のモアレの判断方法で説明したのと同様にして、SCR画像から凹部画像(ここでは、300dpi、誤差拡散パターン)を削除し、FFT解析する。図19(a)に、その結果(パワースペクトル2)を示す(実線)。
(3)上記FFT解析結果であるパワースペクトル2からパワースペクトル1を差し引く。図19(b)に、その結果を示す。
(4)上記パワースペクトル2からパワースペクトル1を差し引いた結果に対し、VTF特性を掛け合わせる。図20(a)に、その結果を示す。
(5)各周波数帯のパワースペクトルを積分して粒状性指数とする。
以上の演算によって、目の感度特性を加味した粒状性の定量評価が可能となる。この判断方法を後述する実施例の構成の採否の判断に使用した。
図21(a)、(b)は、それぞれ開口径84μm(300dpi)、開口径21μm(1200dpi)の誤差拡散パターンの凹部を形成した感光ドラム1と、150lpi、角度90°のラインスクリーンと、を用いた場合の出力画像イメージを示している。なお、図21(a)、(b)のそれぞれの場合の図20(a)と同様の周波数特性は、それぞれ図20(b)中の実線、一点鎖線で示すようになる。誤差拡散パターンの凹部の大きさが大きいと、目の感度が高い低周波帯で粒状性が発生しやすいことがわかる。
10.実施例
以下に、本実施形態に従う具体的な実施例を挙げて本発明をより詳細に説明する。
(実施例1)
本実施例のハーフトーニングにおけるスクリーンの設定、各色用の感光ドラム1の表面形状の設定を下記表3に示す。
本実施例では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのうち最低明度色であるブラックについて、45°のラインスクリーンに対して直交するように、感光ドラム1Bkの表面形状の角度を−45°(135°)とした。このラインスクリーンと感光ドラム1Bkの表面形状とは同線数(169lpi)の直交成分であるため、図10(a)と同様の関係にあり、スクリーンの周波数である169lpi以外の周波数成分を発生させないため、モアレを良好に抑制することができる。また、ブラック用の感光ドラム1Bkに特定の周期性を有するように規則正しく凹部が形成されているため、粒状性が良好なブラック画像を得ることができる。
一方、本実施例では、カラー用の画像形成部SY、SM、SCでは、感光ドラム1Y、1C、1Kに図13に示す誤差拡散パターンの凹部が形成されている。したがって、イエロー、マゼンタ、シアンについてモアレを良好に抑制することができる。
また、本実施例では、シアン、マゼンタ、イエローの各色用の感光ドラム1Y、1M、1Cを共通化することができる。このように共通化すると、モールド部材が1つですむこと、色別パッケージが必要なことなどから、感光ドラム1の製造時のコストや時間を抑制する上で有利である。また、感光ドラム1の工場出荷時、在庫管理の面でも、色毎に指定する必要がないためコストや時間を抑制する上で有利である。そのため、本実施例では、相対的に明度が高く粒状性の悪化が目立ちにくいシアン、マゼンタ、イエローの3色について、粒状性よりもモアレの抑制と上記コストや時間の抑制とを優先した。
このように、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色のトナーで画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有するパターンで形成されている。また、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色を除く少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有さない実質的に同一のパターンでそれぞれ形成されている。特に、本実施例では、上記少なくとも2色のトナーは、複数色のトナーのうち最低明度色を除くすべての色のトナーである。ここで、感光体の凹部のパターンが実質的に同一であるとは、感光体の表面形状の線数や角度が略同一(許容し得る誤差範囲で異なっていてもよい。)であり、複数の色用の感光体として共通して用いることができればよく、完全に同一であることに限定されない。
以上、本実施例によれば、ブラックの粒状性の悪化を抑制しつつ、モアレを抑制することが可能となる。また、カラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cを共通化することで、製造や管理にかかるコストや時間を抑制することができる。これにより、製造や管理に係るコストの低減と高画質化とを両立することができる。
(実施例2)
本実施例のハーフトーニングにおけるスクリーンの設定、各色用の感光ドラム1の表面形状の設定を下記表4に示す。
本実施例では、実施例1に対して、主に次の点が変更されている。ブラックについて45°のドットスクリーンが用いられ、シアン、マゼンタ、イエローのうち最も明度が低いマゼンタについて感光ドラム1Mに特定の周期性を有するように規則正しく凹部が形成されている。
本実施例では、感光ドラム1の種類は3種類になるが、シアン、マゼンタ、イエローのうち最も明度の低く、ブラックに次いで粒状性の悪化が目立ちやすいマゼンタについて粒状性を向上することができる。これにより、例えば人物の肌色再現などが向上する。
本実施例では、ブラック、マゼンタについて、規則性のあるドットパターン同士のモアレを抑えるために、スクリーンと感光ドラム1の表面形状との間の角度差を、ブラックでは45°とした。
図22(a)、(b)に示すようなドットパターン同士を重ね合わせると、図22(c)に示すような、オフセット印刷物にも見られるロゼッタパターンと呼ばれる一種のモアレが発生することがある。ラインパターン同士の場合のモアレの抑制に比べて、上記ロゼッタパターンの場合は規則正しく各方向への最小限のモアレパターンになるため、違和感はない。しかし、ラインパターン同士の場合と同様に、図23(a)、(b)に示すようなドットパターン同士の場合のように角度が近くなってくると、図23(c)に示すように違和感のあるロゼッタパターンが発生することがある。そのため、ドット成長のスクリーンの場合においても、感光ドラム1の表面形状に対して角度差をつけることが望まれ、上述のようにその角度差は30〜60°が望ましい。ドット成長のスクリーン(本実施例では正方ドットディザ)の場合、90°反対側にも周波数帯が存在するため、ライン成長のスクリーンの場合に比べて取れる角度差が少なくなる。したがって、本本実施例では、ブラック、マゼンタについて、スクリーン角度と感光ドラム1の表面形状の角度との角度差を45°とした。
このように、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色のトナーで画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有するパターンで形成されている。また、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色を除く少なくとも1色のトナーで画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有するパターンで形成されている。該パターンは、最低明度色のトナーで画像が形成される感光体の表面の複数の凹部のパターンとは異なる。特に、本実施例では、上記少なくとも1色のトナーは、複数色のトナーのうち最低明度色を除く色のうち最も明度の低い色のトナーを含む。
以上、本実施例によれば、感光ドラム1は3種類になるが、最低明度色であるブラックと、次に明度が低いマゼンタの粒状性の悪化を抑制しつつ、モアレを抑制することができる。また、少なくともイエロー用とシアン用の感光ドラム1Y、1Cを共通化することで、製造や管理にかかるコストや時間を相応に抑制することができる。
(実施例3)
本実施例のハーフトーニングにおけるスクリーンの設定、各色用の感光ドラム1の表面形状の設定を下記表5に示す。
本実施例では、ブラックについては90°のラインスクリーンである。そのため、ブラック用の感光ドラム1の表面形状の角度を0°にするのがモアレの抑制には有利である。しかし、クリーニングブレード61のビビリの発生しやすさを考えると、主走査方向に沿うライン状に凹部を感光ドラム1Bk上に形成することは好ましくない。凹部でクリーニングブレード61が振動してしまい、クリーニング不良が生じるおそれがあるからである。そのため、本実施例では、ブラックについては感光ドラム1Bkの表面形状の角度を45°として、スクリーンと感光ドラム1Bkの表面形状との角度差を45°とした。
また、本実施例では、シアン、マゼンタ、イエローのうち最も明度が低いマゼンタと、次に明度が低いシアンとについて、感光ドラム1M、1Cに特定の周期性を有するように規則正しく凹部が形成されている。これにより、さらに粒状性の悪化を抑制できるようにすると共に、シアン用とマゼンタ用の感光ドラム1C、1Mを共通化できるようにしている。
本実施例では、シアン、マゼンタについては、それぞれ45°、135°のラインスクリーンである。つまり、実施例2においても説明したように、正方ドットスクリーンの場合、あるドットの90°の位置にもドットが存在する。そのため、モアレの抑制に関しては、90°側の周期にも注意しなければならない。一方、これはラインスクリーンの場合には存在しない。そして、図24に示すように、ラインパターンの場合は3つの規則性のあるパターンまでモアレを回避できる。そのため、本実施例では、シアンのスクリーン角度を45°、マゼンタのスクリーン角度を135度、シアン用とマゼンタ用の感光ドラム1C、1Mの表面形状の角度を90°とした。
このように、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色のトナーで画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有するパターンで形成されている。また、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色を除く少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有する実質的に同一のパターンでそれぞれ形成されている。該パターンは、最低明度色のトナーで画像が形成される感光体の表面の複数の凹部のパターンとは異なる。特に、本実施例では、上記少なくとも2色のトナーは、最低明度色を除く色のうち、最も明度の低い色と、次に明度の低い色と、を含む。また、本実施例では、最低明度色及び上記少なくとも2色のトナーを除くすべての色のトナーで画像がそれぞれ形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有さないパターンで形成されている。
以上、本実施例では、感光ドラム1は3種類になり、シアン、マゼンタのスクリーン角度は制限されるが、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックのうち明度が3番目に低いシアンについても粒状性の悪化を抑制しつつ、モアレを抑制することができる。また、少なくともシアン用とマゼンタ用の感光ドラム1C、1Mを共通化することで、製造や管理にかかるコストや時間を相応に抑制することができる。
(実施例4)
本実施例のハーフトーニングにおけるスクリーンの設定、各色用の感光ドラム1の表面形状の設定を下記表6に示す。
本実施例では、ブラック用の感光ドラム1Bkの外径も、カラー用の感光ドラム1Y、1M、1Cの外径と同じ50mmとした。外径が同じ感光ドラムは極力共通化することが、製造や管理にかかるコストや時間の観点から有利であるが、モアレの抑制と粒状性の悪化の抑制において課題がある。本実施例では、表6に示す設定により感光ドラム1の種類を2種としている。本実施例におけるシアンとマゼンタについての設定は実施例3と同じであるため説明を省略する。
本実施例におけるブラックとイエローについての設定について説明する。本実施例では、ブラックについては90°のラインスクリーン、イエローについては165°のラインスクリーンである。そして、ブラック用とイエロー用の感光ドラム1の表面形状を角度135°のラインパターンとした。これにより、ブラック、イエローについて、スクリーン角度は制限されるが、粒状性の悪化を抑制しつつ、図25に示すようにモアレを抑制することができる。また、ブラック用とイエロー用、シアン用とマゼンタ用の感光ドラム1をそれぞれ共通化することで、感光ドラム1を2種類にすることができ、製造や管理にかかるコストや時間を抑制することができる。
このように、本実施例では、複数色のトナーのうち最低明度色を含む少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有する実質的に同一のパターンで形成されている。また、本実施例では、複数色のトナーのうち、最低明度色を含む少なくとも2色のトナー以外の少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有するパターンでそれぞれ形成されている。該パターンは最低明度色を含む少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面の複数の凹部のパターンとは異なる。
なお、本実施例では、感光ドラム1の外径が4色とも50mmの構成において、スクリーン条件を規定してモアレの抑制と粒状性の悪化の抑制を達成した。スクリーンをドット成長にする場合などにおいては、例えばシアン、イエローといった相対的に明度が高い色については感光ドラム1の表面形状にランダムパターンを採用し、モアレを抑制するようにしてもよい。その際にも、最低明度色であるブラック、さらには次に明度の低いマゼンタについては、本実施例と同様にモアレの抑制と粒状性の悪化の抑制を達成できるように感光ドラムの表面形状を最適化することが望ましい。このように、最低明度色を含む少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面に、複数の凹部が特定の周期性を有する実質的に同一のパターンでそれぞれ形成されている場合に、次のようにしてもよい。つまり、複数色のトナーのうち、最低明度色を含む少なくとも2色以外の少なくとも2色のトナーでそれぞれ画像が形成される感光体の表面には、複数の凹部が特定の周期性を有さない実質的に同一のパターンでそれぞれ形成されているようにする。このとき、最低明度色を含む少なくとも2色以外の少なくとも2色のトナーは、複数色のトナーのうち最低明度色を含む少なくとも2色を除くすべての色のトナーであってよい。
以上、本実施例によれば、最低明度色であるブラックについてはモアレと粒状性の悪化を抑制し、その他の色については少なくともモアレを抑制し、かつ、同じ外径の感光ドラム1については少なくとも2色を共通化することができる。これにより、製造や管理に係るコストの低減と高画質化とを両立することができる。
なお、実施例1〜3のスクリーンの設定、感光ドラム1の表面形状の設定を採用する場合であっても、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色用の感光ドラム1が同一の外径を有していてもよい。ただし、前述のように、例えばブラック用の感光ドラム1Bkなど、モアレや粒状性とは異なる理由から他の色用の感光ドラム1とは外径(その他の指標でもよい)が異なっていることがある。この場合には、その感光ドラム1の表面形状を他の色用の感光ドラム1と異ならせることで新たに製造や管理におけるコストや時間の観点で不利になることはないので、本発明を適用するのに特に適していると言える。