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JP6486263B2 - 制御計画生成装置、観測システム及び制御計画生成方法 - Google Patents
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JP6486263B2 - 制御計画生成装置、観測システム及び制御計画生成方法 - Google Patents

制御計画生成装置、観測システム及び制御計画生成方法 Download PDF

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Description

本発明は、複数の観測対象を観測するセンサ機器で使用される制御計画を自動生成する技術に関する。
近年、地球の周りを、人工衛星及びスペースデブリ(宇宙ゴミ)などの無数の飛翔物体が高速で周回している。この種の飛翔物体は、RSO(Resident Space Object)と呼ばれており、RSOの軌道は、惑星の重力による摂動などの要因により時々刻々と変化していく。また、RSOは、現在運用中の人工衛星または宇宙ステーションに衝突した場合には甚大な被害を及ぼすため、各国の宇宙開発の脅威となっている。この脅威に対処するために、レーダ装置及び光学望遠鏡などのセンサ機器を用いてRSOを監視することを目的とするSSA(Space Situational Awareness:宇宙状況監視)という概念の重要性が高まっている。
SSAに関する従来技術は、たとえば、特許文献1(特開2002−220099号公報)に開示されている。特許文献1には、固定された観測方向(たとえば、子午線)の設定範囲を通過する飛翔物体を光学装置を用いて常時監視する技術が開示されている。
特開2002−220099号公報
SSAでは、限られた観測時間内に、限られたセンサ資源(たとえば、1台のレーダ装置)を用いて出来るだけ多数のRSOを監視しなければならない場合がある。このような場合には、或るセンサ資源が「いつ」,「どの方位を」観測するのかに関して、センサ資源の効率的な制御計画を作成することが望ましい。上記特許文献1の従来技術では、効率的な制御計画が作成されないため、センサ資源は非効率な観測しか行うことができない。
上記に鑑みて本発明の目的は、RSOなどの多数の観測対象を効率良く観測することを可能とする制御計画生成装置、観測システム及び制御計画生成方法を提供することである。
本発明の一態様による制御計画生成装置は、複数の観測対象を観測するセンサ機器で使用される制御計画を生成する制御計画生成装置であって、前記各観測対象の軌道情報を取得し、前記軌道情報を用いて観測期間における前記各観測対象の存在位置を示す座標情報を算出する位置演算部と、前記観測期間における指定時間ごとに前記複数の観測対象に対する前記センサ機器の観測動作状態を定める制御計画を生成する制御計画生成部とを備え、前記制御計画生成部は、前記センサ機器の性能諸元を示す諸元データ及び前記座標情報に基づき、前記指定時間ごとに前記センサ機器が前記各観測対象観測することが可能な度合いを示す指標を算出し、前記指標に基づいて、前記指定時間ごとに前記センサ機器の観測動作状態の複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより前記制御計画を生成することを特徴とする。
本発明の他の態様による観測システムは、前記制御計画生成装置と、この制御計画生成装置で生成された制御計画に従って複数の観測対象を観測するセンサ機器とを備えることを特徴とする。
本発明の更に他の態様による制御計画生成方法は、情報処理装置において実行される制御計画生成方法であって、センサ機器により観測されるべき複数の観測対象の各々の軌道情報を取得するステップと、前記軌道情報を用いて観測期間における前記各観測対象の存在位置を示す座標情報を算出するステップと、前記センサ機器の性能諸元を示す諸元データ及び前記座標情報に基づき、前記観測期間における指定時間ごとに前記センサ機器が前記各観測対象観測することが可能な度合いを示す指標を算出するステップと、前記指標に基づいて、前記指定時間ごとに前記センサ機器の観測動作状態の複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより制御計画を生成するステップとを備えることを特徴とする。
本発明によれば、センサ機器の性能諸元を示す諸元データと各観測対象の存在位置を示す座標情報とに基づいて算出された指標を用いて、指定時間ごとのセンサ機器の観測動作状態を定める制御計画を生成することができる。したがって、センサ機器は、その制御計画に従って多数の観測対象を効率良く観測することが可能となる。
本発明に係る実施の形態1の観測システムの概略構成を示すブロック図である。 レーダ装置の例を模式的に示す図である。 2台のレーダ装置に対する制御計画で定められる方位角の数値例を示すグラフである。 実施の形態1に係る位置演算処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。 RSOリストの内容の一例を示す図である。 実施の形態1に係る制御計画生成処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。 図6の制御計画生成処理により生成された制御計画の一例を示す図である。 実施の形態1の制御計画生成装置のハードウェア構成例を示す図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明に係る種々の実施の形態について詳細に説明する。なお、図面全体において同一符号を付された構成要素は、同一構成及び同一機能を有するものとする。
実施の形態1.
図1は、本発明に係る実施の形態1の制御システム1の概略構成を示すブロック図である。図1に示されるように、この制御システム1は、制御計画生成装置2及び制御計画実行部3を備えて構成されている。制御計画生成装置2は、所定観測期間T(たとえば、数時間〜24時間)内に観測可能な多数のRSO(Resident Space Object)を効率良く観測するために必要な制御計画を生成する機能を有している。RSOとしては、たとえば、地球などの惑星の周回軌道上に存在する観測対象(たとえば、現在運用されている人工衛星、現在運用されていない人工衛星及びスペースデブリ)が挙げられる。本実施の形態のRSOは、惑星の周回軌道上に存在する観測対象だけでなく、惑星に衝突するおそれのある彗星及び流星などの小天体も含むものとする。制御計画実行部3は、その制御計画に従ってRSOを観測する機能を有する。なお、ユーザからの要求を受け付けてから、その要求に応じて制御計画を生成し、この制御計画を制御計画実行部3へ送信するまでの一連の処理は、スケジューリングと呼ばれる。
制御計画実行部3は、少なくとも1台の天体観測用レーダ装置などのセンサ機器を含む。図2は、その種のレーダ装置3aの一例を模式的に示す図である。このレーダ装置3aは、RSO35に対する探索機能及び追尾機能を有している。すなわち、レーダ装置3aの探索機能は、RSO35の初探知をフェンスビームFBを用いて行い、レーダ装置3aの追尾機能は、初探知以後のRSO35の追尾をトラッキングビームTBを用いて行うことができる。ここで、フェンスビームFBは、複数本の探索ビームを連ねて生成されるフェンス形状のレーダ波をいう。
本実施の形態では、制御計画実行部3は、地上に配置されたレーダ装置からなる。このレーダ装置は、制御計画で設定された観測期間T内の指定時間ごとに、制御計画で指定された観測動作状態で動作する。本実施の形態では、観測期間Tは、N個の指定時間T,T,…,T(Nは正整数)に分割されているものとする。たとえば、観測期間Tの長さが24時間(=86400秒)であり、1回の指定時間Tが30秒である場合、2880個(=86400/30)の指定時間T〜T2880を設定することができる。制御計画実行部3は、指定時間Tごとに、その制御計画で指定された方位角θ及び仰角φの方向に向けて、制御計画で指定されたパターンのフェンス形状のレーダ波を送信する。本明細書では、これら方位角θ、仰角φ及びフェンス形状の組み合わせをレーダ装置の「観測動作状態」と呼ぶこととする。「制御計画」は、指定時間Tごとのセンサ機器の観測動作状態を定める情報をいう。
制御計画生成装置2は、指定時間Tごとに、1台または複数台のセンサ機器の観測動作状態の複数候補Ω,Ω,Ω,…,Ω(Mは正整数)の中から一の観測動作状態を選択し、この一の観測動作状態を指定時間Tに割り当てることで制御計画を生成する。方位角θの選択可能な値の個数をNθ、仰角φの選択可能な値の個数をNφ、フェンス形状の選択可能なパターンの個数をNとするとき、観測動作状態の候補数は、Nθ×Nφ×Nとなる。たとえば、方位角θが0°〜360°の範囲内で1°刻みで360個の数値をとり得、仰角φが0°〜90°の範囲内で1°刻みで90個の数値をとり得、フェンス形状のパターン数が3つである場合、観測動作状態の候補数は、97200(=360×90×3)個となる。ただし、レーダ装置に限界駆動速度の制約が存在する場合には、指定時間Tの間に駆動可能な角度が存在するため方位角θは限定される。たとえば、方位角θにおける限界駆動速度が毎秒1°で1回当たりの指定時間Tが30秒である場合には、1回前の指定時間Tn−1における最適方位角±30°の範囲(−30°〜+30°の範囲)が、現在の指定時間Tにおける方位角θの候補範囲である。
図3は、制御計画で定められる方位角θの数値例を示すグラフである。図3に示されるように、制御計画実行部3を構成する2台のレーダ装置3a,3bの各々に対して、30秒の指定時間Tごとに方位角θの数値が定められている。なお、本発明の観測動作状態は、方位角θ、仰角φ及びフェンス形状の組み合わせに限定されるものではない。
次に、制御計画生成装置2の構成について詳細に説明する。図1に示されるように制御計画生成装置2は、制御計画の生成に必要な各種データが格納されているデータ格納部10と、観測期間Tにおける各RSOの存在位置を示す座標情報を算出する位置演算部21と、その座標情報を用いて制御計画を生成する制御計画生成部22と、データ編集処理部23とを備えて構成されている。
データ格納部10は、軌道情報格納部11、観測可能距離データ格納部12、優先度データ格納部13、センサ諸元格納部14及び制御計画格納部15を有する。軌道情報格納部11には、各RSOの軌道情報とこの軌道情報の最終更新時間とが格納されている。軌道情報としては、たとえば、TLE(Two Line Element:2行軌道要素)形式と呼ばれるフォーマットで管理されたTLE軌道情報を使用することができる。TLE軌道情報では、観測対象となる飛翔物体の、地心座標系におけるケプラー軌道要素がテキスト形式で記述される。この種のTLE軌道情報は、たとえば、米国の宇宙監視網(SSN:Space Surveillance Network)により提供されている。
観測可能距離データ格納部12には、各種RSOの観測可能距離を示すデータが格納されている。観測可能距離としては、たとえば、RSOのRCS(Radar Cross Section:レーダ反射断面積)を基に算出された値を使用すればよい。RCSについては、たとえば、RSOを観測する施設または機関からRCSのデータを取得することができる。優先度データ格納部13には、ユーザによる操作入力を基に数値化された優先度データが格納されている。優先度データの詳細については後述する。
また、センサ諸元格納部14には、制御計画実行部3を構成するレーダ装置の性能諸元を示す諸元データが格納されている。諸元データは、たとえば、レーダ装置の設置緯度及び設置経度、最大処理距離、及びフェンスビームのフェンス形状パターンを示すデータを含む。制御計画格納部15には、制御計画生成部22で生成された制御計画のデータが格納されている。
なお、データ格納部10は、必ずしも制御計画生成装置2に組み込まれている必要はない。たとえば、LAN(Local Area Network)または広域通信網などの電気通信網を介して制御計画生成装置2と接続された外部のデータ記録装置内にデータ格納部10が構成されてもよい。また、軌道情報格納部11、観測可能距離データ格納部12、優先度データ格納部13、センサ諸元格納部14及び制御計画格納部15は、必ずしも1台のデータ記録装置内に構成される必要はなく、複数台のデータ記録装置に分散して構成されてもよい。
位置演算部21は、データ格納部10にアクセスしてセンサ諸元格納部14からセンサ機器の性能諸元を示す諸元データを取得し、軌道情報格納部11からRSOの軌道情報を取得する。位置演算部21は、その諸元データと軌道情報とを用いて観測期間Tにおける各RSOの存在位置(予測位置)を示す座標情報を算出し、各RSOの座標情報が記述されたリスト(以下「RSOリスト」ともいう。)を生成する。言い換えれば、位置演算部21は、各RSOの軌道情報を、制御計画生成部22が容易に制御計画生成処理を実行することができる別の形式の軌道情報(RSOリスト)へ変換している。
制御計画生成部22は、図1に示されるように指標算出部30と動作状態決定部31とを有する。指標算出部30は、データ格納部10内の各種データとRSOリストとに基づいて、指定時間Tごとに各RSOの観測可能な度合いを示す指標を算出する。この指標の詳細については後述する。動作状態決定部31は、この指標に基づいて、指定時間Tごとにセンサ機器の観測動作状態の複数候補Ω,Ω,Ω,…,Ωの中から一の観測動作状態を決定することにより制御計画を生成する。この制御計画を示すデータは、制御計画実行部3に供給される。制御計画実行部3は、限られた観測期間T内に、その制御計画に従って多数のRSOを効率良く観測することができる。
また、制御計画生成装置2は、図1に示されるように、ディスプレイ装置4及び操作入力部5に接続されたインタフェース部(I/F部)24を備えている。ディスプレイ装置4は、たとえば、液晶表示パネルまたは有機EL表示パネルなどの画像表示デバイスである。また、操作入力部5は、ユーザによる操作入力を受け付ける入力ボタン及び入力キーを有している。データ編集処理部23は、I/F部24を介してユーザによる操作入力を受け付け、この操作入力に応じてデータ格納部10に格納されている各種データの設定値を編集可能とする機能を有する。具体的には、データ編集処理部23は、ディスプレイ装置4にデータ編集用画面を表示させることができる。ユーザは、そのデータ編集用画面を視認しつつ操作入力部5を操作してデータ編集処理部23に情報を入力することが可能である。また、ユーザは、操作入力部5を操作して制御計画の生成要求を位置演算部21に入力することもできる。
次に、上記制御計画生成装置2の動作について説明する。図4は、位置演算部21により実行される位置演算処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。
図4を参照すると、位置演算部21は、RSOリストを初期化し(ステップST1)、次いで、センサ諸元格納部14からレーダ装置の性能諸元(たとえば、レーダ装置の設置緯度及び設置経度、並びに最大処理距離)を示す諸元データを取得する(ステップST2)。そして、位置演算部21は、RSOを1つ選択する(ステップST3)。具体的には、RSO識別番号IDを指定して当該RSOを選択することができる。また、位置演算部21は、軌道情報格納部11から当該RSOの軌道情報を取得する(ステップST4)。
次に、位置演算部21は、レーザ装置の諸元データ及び当該RSOの軌道情報に基づき、ユーザによって指定された観測期間T内の各時刻におけるRSOの座標情報を算出し(ステップST5)、この座標情報をRSOリストに追加する(ステップST6)。具体的には、位置演算部21は、当該レーダ装置を中心とし且つ最大処理距離を半径とする半球内に当該RSOが存在する時刻を、或る時間単位(たとえば、0.5秒〜1.0秒)で算出するとともに、各時刻におけるRSOの存在位置を算出する。
次に、位置演算部21は、全てのRSOについて座標情報が算出されたか否かを判定する(ステップST7)。全てのRSOについて座標情報が算出されていないとき(ステップST7のNO)、位置演算部21は、次のRSOを1つ選択する(ステップST8)。具体的には、RSO識別番号ID(k=2)を指定することで当該次のRSOを選択することができる。その後、ステップST4〜ST7の処理が実行される。全てのRSOについて座標情報が算出されたときは(ステップST7のYES)、位置演算部21は、位置演算処理を終了して、RSOリストを制御計画生成部22に供給する。
図5は、RSOリストの内容の一例を示す図である。図5に示されるRSOリストにおいては、RSO識別番号ID(kは、1〜Kのうちの任意整数:Kは正整数)ごとに、ユーザにより指定された観測期間Tにおける時刻τ(k,1),τ(k,2),…と、これら時刻τ(k,1),τ(k,2),…にそれぞれ対応する当該RSOの位置座標Pos(k,1),Pos(k,2),…とが記述されている。
次に、図6を参照しつつ、制御計画生成部22の動作について説明する。図6は、制御計画生成処理の手順の一例を概略的に示すフローチャートである。制御計画生成部22は、操作入力部5からI/F部24を介して制御計画の生成要求が入力されると、この生成要求に応じて制御計画生成処理を開始する。
図6を参照すると、先ず、指標算出部30は、制御計画を初期化する(ステップST11)。このとき、後述する全ての全体評価値も初期化される。次いで、指標算出部30は、データ格納部10にアクセスして、制御計画の生成に必要な各種データを取得するとともに(ステップST12)、位置演算部21からRSOリストを取得する(ステップST13)。そして、指標算出部30は、観測期間Tにおける指定時間Tを初期時間Tに設定し(ステップST14)、観測動作状態の候補Ωを初期観測動作状態Ωに設定し(ステップST15)、且つ、RSO識別番号IDを1番目のRSO識別番号IDに設定する(ステップST16)。
その後、指標算出部30は、ステップST17〜ST19において、RSOリストと、データ格納部10から取得された諸元データ及び観測可能距離データとに基づき、指定時間TごとにRSOの観測可能な度合いを示す指標を算出する。ステップST17では、指標算出部30は、RSOの探知可能個数fnum(ID)を演算により予測する。この探知可能個数fnum(ID)は、第1の指標値である。具体的には、方位角θ、仰角φ及びフェンス形状の組が指定されると、レーダ波によって走査されるべきフェンス範囲が確定する。指標算出部30は、RSOリスト及び各RSOの観測可能距離を参照して、観測期間T内に1秒でもフェンス範囲内に存在するRSOを探知可能と判定することができる。RSOが探知可能である場合には探知可能個数fnum(ID)は「1」の値に設定され、RSOが探知不能である場合には探知可能個数fnum(ID)は「0」の値に設定される。
次のステップST18では、指標算出部30は、指定時間TにおけるRSOの観測可能時間ftime(ID)を演算により予測する。具体的には、指標算出部30は、観測動作状態の候補Ω(方位角θ、仰角φ及びフェンス形状)により、フェンスビームのフェンス形状と、レーダ波が走査可能な覆域とを確定させる。次いで、指標算出部30は、RSOリスト及び各RSOの観測可能距離を参照して、観測期間T中にRSOがフェンスビームで探知されてから覆域外に出るまでの時間をカウントすることで、第2の指標値である観測可能時間ftime(ID)を算出することができる。
次のステップST19では、指標算出部30は、RSOの追尾可能時間ftrack(ID)を演算により予測する。具体的には、指標算出部30は、RSOリスト及びRSOの観測可能距離を参照して、前回の指定時間Tn−1から連続して追尾可能なRSOに対し、指定時間T内にこのRSOが覆域外に出るまでの時間をカウントすることで、第3の指標値である追尾可能時間ftrack(ID)を算出することができる。
その後、動作状態決定部31は、指定時間Tにおける観測動作状態の候補Ωを評価するRSO単位の評価値F(Ω;T)を算出する(ステップST20)。具体的には、動作状態決定部31は、次式(1)に示されるように、上記第1〜第3の指標値fnum(ID),ftime(ID),ftrack(ID)の線形結合によりRSO単位の評価値F(Ω;T)を算出することができる。
Figure 0006486263
上式(1)中、線形結合係数bは、零以上で且つ1以下の重み付け係数であり、線形結合係数cは、評価値調整用の正の定数であり、線形結合係数dは、零以上で且つ1以下の重み付け係数である。これら重み付け係数b,c,dは、ユーザによる操作入力で指定された値に設定可能な値である。これら重み付け係数b,c,dを調整することでユーザが所望する制御計画を作成することができる。たとえば、重み付け係数bの値を高くすることにより、指定時間Tにおいて探知可能なRSOの個数を多くする観測動作状態の評価を高いものとすることができる。また、係数cは、RSOの探知可能な個数及び評価値のオーダを揃えて、第1〜第3の指標値fnum(ID),ftime(ID),ftrack(ID)の全体のバランスをとるための値である。
また、上式(1)中のTEは、駆動誤差係数と呼ばれる値である。駆動誤差係数TEは、前回の指定時間Tn−1からのレーダ装置の駆動回転角度が大きくなるほど、評価値のペナルティを大きくする値である。これは、レーダ装置が駆動することにより生じる誤差を考慮した値である。なお、1°当たりペナルティの値は、ユーザによる操作入力で指定された値に設定可能である。
更に、上式(1)中のAは、上記第1〜第3の指標値fnum(ID),ftime(ID),ftrack(ID)の全体に重み付けられる優先度係数である。この優先度係数Aは、各RSOに関して指定時間単位で変動する重み付け係数であり、ユーザの操作入力により設定される観測優先度と、前回観測された時間からの未観測時間長とに依存する設定値である。よって、ユーザにより高い観測優先度が設定されたRSOに対応する優先度係数Aは高い値となる。また、前回観測された時間から長時間経過しているRSOに対応する優先度係数Aも高い値となる。このようにすることにより、ユーザにより高い観測優先度が設定されたRSO、あるいは前回の観測時から長時間経過しているRSOを優先的に観測することができるように観測動作状態の候補Ωを評価することが可能となる。
その後、RSO番号kが上限値Kに到達していない場合は(ステップST21のNO)、動作状態決定部31は、RSO番号kを1だけインクリメントし(ステップST22)、次いでステップST17〜ST20を実行する。
一方、RSO番号kが上限値Kに到達している場合は(ステップST21のYES)、動作状態決定部31は、次式(2)に従って、全てのRSOに関する全体評価値F(Ω;T)を算出する(ステップST23)。
Figure 0006486263
その後、今回の全体評価値F(Ω;T)が、指定時間Tについて今までの算出済みの既存の全体評価値F(Ωο;T)(ο≠m)よりも高い場合には(ステップST24のYES)、動作状態決定部31は、指定時間Tに対する観測動作状態の割り当てを更新する(ステップST25)。すなわち、今までの最も高い全体評価値F(Ωο;T)を有していた候補Ωοに代えて、今回の候補Ωが指定時間Tに割り当てられる。一方、今回の全体評価値F(Ω;T)が今までの算出済みの既存の全体評価値よりも高く無い場合(ステップST21のNO)、動作状態決定部31は、次のステップST26に処理を移行させる。
ステップST26では、候補Ωの番号mが上限値Mに到達したか否かが判定される。番号mが上限値Mに到達していない場合(ステップST26のNO)、動作状態決定部31は、番号mを1だけインクリメントして次の観測動作状態を選択し(ステップST27)、ステップST16に処理を移行させる。
一方、番号mが上限値Mに到達している場合(ステップST26のYES)、動作状態決定部31は、指定時間Tに割り当てられる観測動作状態を確定させ、更に、指定時間Tの番号nが上限値Nに到達したか否かを判定する(ステップST28)。番号nが上限値Nに到達していない場合(ステップST28のNO)、動作状態決定部31は、番号nを1だけインクリメントして次の指定時間を選択し(ステップST29)、ステップST15に処理を移行させる。最終的に、番号nが上限値Nに到達したと判定された場合(ステップST28のYES)、上記制御計画生成処理は終了する。たとえば、観測期間Tが24時間(=86400秒)で1回分の指定時間が30秒である場合、2880回の指定時間T〜T2880の各々について最適な観測動作状態を決定することができる。
動作状態決定部31は、生成された制御計画を示すデータを制御計画実行部3に供給する。図7は、生成された制御計画の一例を示す図である。図7の例では、指定時間T,T,T,T,…にそれぞれ観測動作状態Ωα,Ωβ,Ωγ,Ωδ,…が割り当てられている。制御計画実行部3を構成する1台または複数台のレーダ装置は、指定時間Tごとに制御計画で指定された観測動作状態で動作することにより多数のRSOを効率良く観測することができる。この観測結果を用いれば、RSOの軌道情報を最新版に更新することが可能となる。
上記制御計画生成装置2のハードウェア構成は、たとえば、ワークステーションまたはメインフレームなどのCPU(Central Processing Unit)内蔵のコンピュータで実現可能である。あるいは、上記制御計画生成装置2のハードウェア構成は、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)またはFPGA(Field−Programmable Gate Array)などのLSI(Large Scale Integrated circuit)により実現されてもよい。
図8は、制御計画生成装置2のハードウェア構成例を概略的に示すブロック図である。図8の例では、制御計画生成装置2は、CPUを含むプロセッサ40、メモリ41、センサインタフェース部42、表示インタフェース部43及び入力インタフェース部44により構成されており、プロセッサ40、センサインタフェース部42、表示インタフェース部43及び入力インタフェース部44は、バス回路などの信号路45を介して相互に接続されている。
プロセッサ40は、上記した位置演算部21、制御計画生成部22及びデータ編集処理部23の機能を実現するハードウェアである。センサインタフェース部42は、制御計画実行部3と通信して制御計画のデータを制御計画実行部3に出力することができる。表示インタフェース部43は、上記ディスプレイ装置4と接続され、入力インタフェース部44は、上記操作入力部5と接続されている。そして、上記データ格納部10は、メモリ41により実現可能である。メモリ41としては、たとえば、HDD(ハードディスクドライブ)またはSSD(ソリッドステートドライブ)などの不揮発性メモリを使用することができる。
以上に説明したように本実施の形態の制御計画生成装置2は、センサ機器の性能諸元を示す諸元データと各観測対象の存在位置を示す座標情報とに基づいて算出された第1〜第3の指標値fnum(ID),ftime(ID),ftrack(ID)を用いて、制御計画を生成することができる。よって、「軌道を周回し」「ある時刻、ある位置に出現することが分かっている」RSOの軌道情報を活かして、監視対象となる飛翔物体を効率良く且つ偏りなく観測することができるように制御計画を作成することが可能である。
以上、図面を参照して本発明に係る実施の形態について述べたが、この実施の形態は本発明の例示であり、この実施の形態以外の様々な形態を採用することもできる。たとえば、本実施の形態の観測対象は、地球の周回軌道上に存在する飛翔物体に限らず、他の惑星または恒星の周回軌道上に存在する飛翔物体であってもよい。
また、上記実施の形態の観測システム1は、好適なセンサ機器としてレーダ装置を使用しているが、これに限定されるものではない。レーダ装置以外のセンサ機器(たとえば光学望遠鏡)を使用できるように制御計画生成装置2の構成を適宜変更してもよい。
なお、本発明の範囲内において、上記実施の形態の構成要素の自由な組み合わせ、上記実施の形態の任意の構成要素の変形、または上記実施の形態の任意の構成要素の省略が可能である。
1 観測システム、2 制御計画生成装置、3 制御計画実行部、4 ディスプレイ装置、5 操作入力部、10 データ格納部、11 軌道情報格納部、12 観測可能距離データ格納部、13 優先度データ格納部、14 センサ諸元格納部、15 制御計画格納部、21 位置演算部、22 制御計画生成部、23 データ編集処理部、24 インタフェース部(I/F部)、30 指標算出部、31 動作状態決定部、35 RSO、40 プロセッサ、41 メモリ、42 センサインタフェース部、43 表示インタフェース部、44 入力インタフェース部、45 信号路。

Claims (15)

  1. 複数の観測対象を観測するセンサ機器で使用される制御計画を生成する制御計画生成装置であって、
    前記各観測対象の軌道情報を取得し、前記軌道情報を用いて観測期間における前記各観測対象の存在位置を示す座標情報を算出する位置演算部と、
    前記観測期間における指定時間ごとに前記複数の観測対象に対する前記センサ機器の観測動作状態を定める制御計画を生成する制御計画生成部と
    を備え、
    前記制御計画生成部は、前記センサ機器の性能諸元を示す諸元データ及び前記座標情報に基づき、前記指定時間ごとに前記センサ機器が前記各観測対象観測することが可能な度合いを示す指標を算出し、前記指標に基づいて、前記指定時間ごとに前記センサ機器の観測動作状態の複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより前記制御計画を生成することを特徴とする制御計画生成装置。
  2. 請求項1記載の制御計画生成装置であって、前記指標は、前記指定時間ごとに前記各観測対象の探知が可能であるか否かを示す第1の指標値と、前記指定時間ごとに前記各観測対象の探知が可能な時間長を示す第2の指標値と、前記指定時間ごとに前記各観測対象の追尾が可能な時間長を示す第3の指標値とのうちから選択された1つ以上の指標値からなることを特徴とする制御計画生成装置。
  3. 請求項1または請求項2記載の制御計画生成装置であって、前記制御計画生成部は、前記指標を用いて、前記指定時間ごとに前記観測動作状態の複数候補をそれぞれ評価する複数の評価値を算出するとともに、前記複数の評価値に基づいて前記複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより前記制御計画を生成することを特徴とする制御計画生成装置。
  4. 請求項2記載の制御計画生成装置であって、
    前記制御計画生成部は、前記指標を用いて、前記指定時間ごとに前記観測動作状態の複数候補をそれぞれ評価する複数の評価値を算出するとともに、前記複数の評価値に基づいて前記複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより前記制御計画を生成し、
    前記各評価値は、前記第1の指標値、前記第2の指標値及び前記第3の指標値のうちから選択された複数の指標値を線形結合することにより算出されることを特徴とする制御計画生成装置。
  5. 請求項4記載の制御計画生成装置であって、前記各評価値は、前記複数の指標値にそれぞれ重み付けられる複数の重み係数を線形結合係数として含むことを特徴とする制御計画生成装置。
  6. 請求項5記載の制御計画生成装置であって、ユーザによる操作入力を受け付けるデータ編集処理部を更に備え、
    前記データ編集処理部は、前記線形結合係数の各々を前記操作入力で指定された値に設定することを特徴とする制御計画生成装置。
  7. 請求項1から請求項5のうちのいずれか1項記載の制御計画生成装置であって、前記各評価値は、前記指標に重み付けられる優先度係数を含むことを特徴とする制御計画生成装置。
  8. 請求項7記載の制御計画生成装置であって、
    前記優先度係数は、前記各観測対象の観測優先度に応じた値に設定されており、
    前記制御計画生成部は、前記観測優先度の値が大きくなるほど、前記優先度係数の値を大きくすることを特徴とする制御計画生成装置。
  9. 請求項8記載の制御計画生成装置であって、ユーザによる操作入力を受け付けるデータ編集処理部を更に備え、
    前記データ編集処理部は、前記観測優先度を前記操作入力で指定された値に設定することを特徴とする制御計画生成装置。
  10. 請求項7から請求項9のうちのいずれか1項記載の制御計画生成装置であって、前記制御計画生成部は、前記各観測対象の未観測時間が長くなるほど、前記優先度係数の値を大きくすることを特徴とする制御計画生成装置。
  11. 請求項1から請求項10のうちのいずれか1項記載の制御計画生成装置であって、前記複数の観測対象は、惑星の周回軌道上に存在する飛翔物体を含むことを特徴とする制御計画生成装置。
  12. 請求項1から請求項11のうちのいずれか1項記載の制御計画生成装置と、
    前記制御計画生成装置で生成された制御計画に従って複数の観測対象を観測するセンサ機器と
    を備えることを特徴とする観測システム。
  13. 請求項12記載の観測システムであって、前記センサ機器は、前記複数の観測対象の各々にレーダ波を照射して当該複数の観測対象を観測するレーダ装置を含むことを特徴とする観測システム。
  14. 情報処理装置において実行される制御計画生成方法であって、
    センサ機器により観測されるべき複数の観測対象の各々の軌道情報を取得するステップと、
    前記軌道情報を用いて観測期間における前記各観測対象の存在位置を示す座標情報を算出するステップと、
    前記センサ機器の性能諸元を示す諸元データ及び前記座標情報に基づき、前記観測期間における指定時間ごとに前記センサ機器が前記各観測対象観測することが可能な度合いを示す指標を算出するステップと、
    前記指標に基づいて、前記指定時間ごとに前記センサ機器の観測動作状態の複数候補の中から一の観測動作状態を決定することにより制御計画を生成するステップと
    を備えることを特徴とする制御計画生成方法。
  15. 請求項14記載の制御計画生成方法であって、前記指標は、前記指定時間ごとに前記各観測対象の探知が可能であるか否かを示す第1の指標値と、前記指定時間ごとに前記各観測対象の探知が可能な時間長を示す第2の指標値と、前記指定時間ごとに前記各観測対象の追尾が可能な時間長を示す第3の指標値とのうちから選択された1つ以上の指標値からなることを特徴とする制御計画生成方法。
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