JP6487285B2 - ゲル電解質用組成物ならびにそれを用いたゲル電解質および電解コンデンサ - Google Patents
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Description
上記のとおり、本発明に係るゲル電解質は、電解液と、ゲル化剤と、を含む。
電解液は、有機溶媒に電解質を溶解させて得られる。
有機溶媒としては、特に限定されず、プロトン性極性溶媒や非プロトン性極性溶媒の中から選択される。例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等のアルコール溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコール等のエーテル溶媒;N−メチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン等のアミド溶媒;γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン等のラクトン溶媒;エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート溶媒; アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ベンゾニトリル、3−メトキシプロピオニトリル等のニトリル溶媒;N−メチル−2−オキサゾリドン等のカーバメート溶媒;N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等のユレア溶媒;スルホラン、3−メチルスルホラン、ジメチルスルホン等のスルホン溶媒等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
有機溶媒に加えて電解液とするための電解質としては、無機酸及び有機酸のアンモニウム塩、アミン塩、四級アンモニウム塩、四級ホスホニウム塩等を使用することができる。ここで、無機酸としては、ホウ酸、炭酸、ケイ酸、リン酸、亜リン酸、次亜リン酸、硝酸、硫酸、亜硫酸、チオシアン酸、シアン酸、ホウフッ化水素酸、リンフッ化水素酸、ヒ素フッ化水素酸、アンチモンフッ化水素酸、過塩素酸等が挙げられる。また、有機酸としては、蟻酸、酢酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ブラシル酸、テトラデカン二酸、ペンタデカン二酸、ジメチルマロン酸、ジエチルマロン酸、ジプロピルマロン酸、3,3−ジメチルグルタル酸、3−メチルアジピン酸、1,6−デカンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、マレイン酸、シトラコン酸、安息香酸、フタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸、サリチル酸、γ−レゾルシン酸、p−ニトロ安息香酸、フェノール、ピクリン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸等が挙げられる。無機酸や有機酸は一部がエステル化されていてもよい。
本発明において使用するゲル化剤は、化合物Aおよび化合物Bを含有する。本発明のゲル電解質用組成物をゲル化するにあたっては、化合物Aに含まれるカルボキシル基と、化合物Bに含まれるオキサゾリン基とが共有結合することによりゲル骨格が形成される。
本明細書において、主鎖骨格に窒素原子を含有せずカルボキシル基を有する化合物における「主鎖骨格」とは、該化合物の骨格を構成する部分であり、該骨格に結合している置換基・原子等を除いた部分を意味する。すなわち、例えば、化合物Aがポリアクリル酸である場合は、カルボキシル基が置換している炭素を含むアルキル鎖が主鎖骨格である。化合物Aとしては、カルボキシル基を2つ以上有するものが好ましい。カルボキシル基を2つ以上有する化合物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、コハク酸、グルタン酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、クエン酸、イソクエン酸、タルトロン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、meso−ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸等の単分子の多価カルボン酸や、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ゲル骨格中への電解液の保持のしやすさという観点からは、カルボキシル基が多い方が好ましく、ポリアクリル酸等のポリカルボン酸が特に好ましい。
化合物Bは、該化合物B中のオキサゾリン基と、上記化合物A中のカルボキシル基とを、共有結合を介して架橋させる架橋剤として機能する。化合物Bとしては、例えば、エポクロス(登録商標)(株式会社日本触媒製)等が好適に用いられる。具体的には、「エポクロス」(登録商標)の品番K−2010E、K−2020E、K−2030E、WS−300、WS−500、WS−700等が挙げられる。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。化合物Bとしては、1分子あたりにオキサゾリン基を複数有しているものが好ましい。1分子あたりにオキサゾリン基を複数有していない化合物を用いた場合は、ゲル骨格の形成が困難となる。
導電性高分子としては、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンおよびそれらの誘導体が挙げられる。中でも、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)またはその誘導体が好ましい。導電性高分子は、ホモポリマーでもよく、コポリマーでもよい。また、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
続いて、本発明の電解コンデンサの構成について説明する。本発明の電解コンデンサは、電解質層として上記ゲル電解質を含有する。電解コンデンサの基本的な構成は、従来と同様であり、特に制限なく公知の形状、材質等を採用することができる。
(電解液の調製)
エチレングリコール100質量部に対し、ホウ酸30質量部、アンモニア水3.64質量部を混合し、130℃で1時間加熱することにより電解液を調製した。
化合物Aとしてポリアクリル酸(分子量5,000)を、化合物Bとして「エポクロス(登録商標)WS−700」(株式会社日本触媒製、以下、WS−700)を用いた。WS−700を電解液に添加する前に、以下の操作を行った。なお、化合物Bの水分を置換する操作は、以下、全ての実施例および比較例にて行った。
WS−700、100質量部中には、固形分が25質量部、水分が75質量部含まれているため、WS−700、100質量部に対して、電解液の溶媒であるエチレングリコールを75質量部添加し、125℃で3時間加熱することにより、WS−700中の水分をエチレングリコールに置換した。
ここで、WS−700の1g当たりのオキサゾリン基のモル数は、4.5mmol/g、ポリアクリル酸(分子量5,000)の1g当たりのカルボキシル基のモル数は、13.8mmol/gである。
エッチングによる拡面化されたアルミニウム箔を陽極酸化して得られたアルミ誘電体層を有する陽極体、エッチングにより拡面化されたアルミニウムからなる陰極体、セパレータを捲回して捲回素子を作製した後、捲回素子に上記プレゲル電解液を含浸し、80℃で1時間保持した後、125℃で20分間加熱した。これにより、捲回素子にゲル電解質層を形成し、コンデンサ素子を製造した。製造したコンデンサに対して、以下の評価を行い、容量出現率、容量変化率、およびコンデンサ故障率を算出した。結果を表1に示す。
容量出現率(%)=(実測された容量/wet容量)×100
なお、wet容量とは、アジピン酸アンモニウム水溶液に陽極体を浸漬させ、LCRメーターにて測定した静電容量である。
容量変化率(%)=(1000時間後の値/0時間後の値)×100
コンデンサ故障率(%)=(液漏れ、破損したサンプルの個数/全評価サンプルの個数)×100
WS−700を固形分換算で7.67質量部添加としたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−700を固形分換算で6.13質量部添加としたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
化合物Bとして、「エポクロス(登録商標)WS−500」(株式会社日本触媒製、以下、WS−500)(1g当たりのオキサゾリン基のモル数は、4.5mmol/g)を固形分換算で10.22質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−500を固形分換算で7.67質量部添加としたこと以外は、実施例4と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−500を固形分換算で6.13質量部添加としたこと以外は、実施例4と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
化合物Bとして、「エポクロス(登録商標)WS−300」(株式会社日本触媒製、以下、WS−300)(1g当たりのオキサゾリン基のモル数は、7.7mmol/g)を固形分換算で5.97質量部添加したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−300を固形分換算で4.48質量部添加としたこと以外は、実施例7と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−300を固形分換算で3.58質量部添加としたこと以外は、実施例7と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を25,000(1g当たりのカルボキシル基のモル数は、13.8mmol/g)とし、WS−700の添加量を7.67質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−500を固形分換算で7.67質量部添加としたこと以外は、実施例10と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
WS−300を固形分換算で3.58質量部添加としたこと以外は、実施例10と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を50,000(1g当たりのカルボキシル基のモル数は、13.8mmol/g)としたこと以外は、実施例10と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を50,000としたこと以外は、実施例11と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を50,000としたこと以外は、実施例12と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
(電解液の調製)
実施例1と同様にして、電解液を調製した。
実施例2と同様にして、プレゲル電解液を調製した。
陽極体としてのタンタル微粉末の焼結体を、リン酸水溶液中、10Vで電解酸化し、タンタル微粉末の焼結体の表面全体が誘電体層で被覆されたペレットを得た。次に、酸化剤兼ドーパントである30質量%のp−トルエンスルホン酸第二鉄メタノール溶液に、この誘電体層で被覆されたペレットを10分間浸漬し、室温で30分間乾燥させた。次いで、導電性高分子を与えるモノマーである3,4−エチレンジオキシチオフェンに10分間浸漬して室温で30分間保持し、3,4−エチレンジオキシチオフェンの重合を行った。この後、エタノールに浸漬して未反応物および酸化剤残渣の洗浄を行った。これら酸化剤の充填と、3,4−エチレンジオキシチオフェンの充填及び洗浄を行う一連の重合操作とを5回繰り返し行い、導電性ポリエチレンジオキシチオフェン層からなる導電性高分子層を形成した。
ポリアクリル酸(分子量5,000)の添加量を10質量部とし、WS−700を固形分換算で15.33質量部添加としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸(分子量5,000)の添加量を14質量部とし、WS−700を固形分換算で21.47質量部添加としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
す。
化合物Bとして、WS−500を固形分換算で7.67質量部添加としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
化合物Bとして、WS−300を固形分換算で4.47質量部添加としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を25,000としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を50,000としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ポリアクリル酸の分子量を100,000(1g当たりのカルボキシル基のモル数は、13.8mmol/g)とし、WS−700を固形分換算で10.22質量部添加としたこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ゲル化剤を添加せず、実施例1にて調製した電解液のみを捲回素子に含浸させてコンデンサ素子を製造したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
ゲル化剤を添加せず、実施例1にて調製した電解液のみを導電性高分子層に含浸させて固体電解コンデンサを製造したこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例1にて調製した電解液100質量部に対し、主鎖骨格に窒素原子を含有するN,N−ジメチルアクリルアミドとアクリル酸の共重合体(1g当たりのカルボキシル基のモル数は、13.8mmol/g)5質量部と、WS−700を固形分換算で10質量部添加し、プレゲル電解液を調製したこと以外は、実施例1と同様にしてコンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
実施例1にて調製した電解液100質量部に対し、N,N−ジメチルアクリルアミドとアクリル酸の共重合体を5質量部と、WS−700を固形分換算で10質量部添加し、プレゲル電解液を調製したこと以外は、実施例16と同様にして固体電解コンデンサ素子を製造した。また、実施例1と同様の評価を実施した。結果を表1に示す。
2:誘電体層
3:陰極体
4:ゲル電解質
5:セパレータ
6:導電性高分子層
6A:第一の導電性高分子層
6B:第二の導電性高分子層
7:グラファイト層
8:銀層
Claims (6)
- 電解液と、ゲル化剤と、を含むゲル電解質用組成物であって、前記ゲル化剤が、主鎖骨格に窒素原子を含有せずカルボキシル基を有する化合物Aと、オキサゾリン基を有する化合物Bと、を含み、前記化合物Aと前記化合物Bの含有比率は、前記化合物Aの有するカルボキシル基のモル数を、前記化合物Bの有するオキサゾリン基のモル数で除した値が1.5以上2.5以下である、ことを特徴とするゲル電解質用組成物。
- 前記化合物Aの分子量が5万以下である、請求項1に記載のゲル電解質用組成物。
- 前記化合物Aがポリアクリル酸である、請求項1または請求項2に記載のゲル電解質用組成物。
- 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のゲル電解質用組成物をゲル化してなるゲル電解質。
- 電解液と、ゲル化剤と、を含むゲル電解質用組成物であって、前記ゲル化剤が、主鎖骨格に窒素原子を含有せずカルボキシル基を有する化合物Aと、オキサゾリン基を有する化合物Bと、を含むことを特徴とするゲル電解質用組成物をゲル化してなるゲル電解質を含む電解質層を備えた電解コンデンサ。
- 前記電解質層に、さらに導電性高分子を含む請求項5に記載の電解コンデンサ。
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