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JP6488801B2 - 管状体、定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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JP6488801B2 - 管状体、定着装置および画像形成装置 - Google Patents

管状体、定着装置および画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、管状体、定着装置および画像形成装置に関する。
粉状のトナーを用いる画像形成装置では、像保持体上に形成された静電電位の差による潜像にトナーを選択的に転移させてトナー像を形成する。例えば、このトナー像を記録媒体上に静電的に直接転写した後、あるいは中間転写体に一次転写してから記録媒体に二次転写した後、加熱部材と加圧部材との間に記録媒体を挟み込み、トナー像を加熱および加圧して記録媒体上に定着する。
このようにトナー像を記録媒体上に定着する定着装置として、円筒状芯金の内部にハロゲンランプ等の発熱体を有する定着ロールと、この定着ロールに押圧される加圧ロールとで構成されるものが広く知られている。この定着装置では、定着ロールと加圧ロールとが互いに圧接されるニップ部に未定着トナー像を保持した記録媒体が送り込まれ、回転駆動される定着ロールと加圧ロールとの間を通過する際にトナー像が加熱および加圧される。
また、定着ロールに代えて無端状の定着ベルトを定着部材として用いる定着装置が提案されている。定着ベルトには複数の支持ロールによって張架されたタイプと、内部に押圧支持体を有し、無張架の状態で加圧ロールと圧接され回転駆動されるタイプとがある。定着ベルトは薄肉の耐熱性樹脂等を基材としており、ロール状部材に比べて熱容量が小さいため、短時間でウォーミングアップが行われる。さらに、定着ベルトを用いることによってニップ部の形状が自由に形成される。
これらのような定着装置に用いられる定着ロールまたは加圧ロールとして、例えば、特許文献1には、軸体の外周面に配置された発泡弾性層と、前記発泡弾性層の外周面に配置され、この外周面の近傍に存在するセルを埋設する接着剤層と、前記接着剤層の外周面に配置された樹脂チューブとを備えて成る弾性ローラが記載されている。
特開2012−233961号公報
本発明の目的は、表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない場合と比較して、チューブ状の表面層と基材との間、またはチューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制される管状体、その管状体を備える定着装置および画像形成装置を提供することにある。
請求項1に係る発明は、基材上に、チューブ状の表面層を有し、または、弾性層とチューブ状の表面層とを順次有し、前記表面層は、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリブタジエン、およびポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含んで構成される第1表面層と、表層側のフッ素樹脂を含んで構成される第2表面層とを有し、前記第1表面層は前記第2表面層と比べて気体透過性が高いか、または、前記表面層は、フッ素樹脂を含んで構成され、前記表面層内の内層側が表層側と比べて気体透過性が高い、管状体である。
請求項2に係る発明は、前記第1表面層の厚み、または前記気体透過性の高い領域の厚みが、5μm以上50μm以下の範囲である、請求項1に記載の管状体である。
請求項3に係る発明は、定着部材として請求項1または2に記載の管状体を備える定着装置である。
請求項4に係る発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、転写部材によって前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、定着部材によって前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、を備え、前記転写部材および前記定着部材のうちの少なくとも1つが、請求項1または2に記載の管状体である画像形成装置である。
請求項1に係る発明によると、表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない場合と比較して、チューブ状の表面層と基材との間、またはチューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制される管状体が提供される。
請求項2に係る発明によると、第1表面層の厚みまたは気体透過性の高い領域の厚みが上記範囲より薄い場合に比較して、気泡消失が短くなる管状体が提供される。
請求項3に係る発明によると、管状体の表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない場合と比較して、チューブ状の表面層と基材との間、またはチューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制される管状体を備える定着装置が提供される。
請求項4に係る発明によると、管状体の表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない場合と比較して、チューブ状の表面層と基材との間、またはチューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制される管状体を備える画像形成装置が提供される。
本発明の実施形態に係る定着装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の実施形態に係る管状体の層構成の一例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る管状体の層構成の他の例を示す概略断面図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<定着装置および管状体>
本発明の実施形態に係る定着装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。なお、本実施形態における定着装置として、電磁誘導加熱方式を採用する定着装置を例に挙げて説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る定着装置60は、回転可能な加圧部材である加圧ロール62と、加圧部材である加圧ロール62に圧接配置され、加圧ロール62との間に形成される加圧部N(以下「ニップ部N」ともいう)に未定着トナー像を保持した記録媒体Pが狭持されることで未定着トナー像が記録媒体Pに定着される、回転可能な管状体である定着ベルト61と、管状体である定着ベルト61と押圧部材である押圧パッド64との間に介在する摺動シート68とを備える。
定着装置60は、管状体である定着ベルト61と、交流電流により生じる磁界によって定着ベルト61を発熱させる加熱部材の一例としての磁場発生ユニット85と、定着ベルト61に対向するように配置される、加圧部材の一例としての加圧ロール62と、定着ベルト61を介して、加圧部材である加圧ロール62から押圧される押圧部材である押圧パッド64とを備える。
管状体である定着ベルト61は、押圧パッド64とベルトガイド部材63、定着ベルト61の両端部に配置するエッジガイド部材(図示せず)によって回転自在に支持される。そして、加圧部(ニップ部)Nにおいて加圧ロール62に圧接され、加圧ロール62に従動して矢印方向に回転される。
管状体である定着ベルト61は、基材上に、弾性層とチューブ状の表面層とを順次有する。定着ベルト61については後述する。
ベルトガイド部材63は、定着ベルト61の内部に配置するホルダ65に取り付けられる。そして、ベルトガイド部材63は、定着ベルト61の回転方向に向けた複数のリブ(図示せず)で形成され、定着ベルト61内周面との接触面積を小さくする。さらに、ベルトガイド部材63は、例えば、摩擦係数が低く、かつ熱伝導率が低いPFA(パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)やPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の耐熱性樹脂で形成される。これにより、ベルトガイド部材63と定着ベルト61内周面との摺動抵抗が低減され、熱の発散を低くするように構成される。
押圧パッド64は、定着ベルト61を介して加圧ロール62から押圧されて加圧部Nを形成する。押圧部材である押圧パッド64は、バネや弾性体等によって加圧ロール62を、例えば35kgfの荷重で押圧するように、保持部材であるホルダ65に支持されている。押圧パッド64は、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等の弾性体を含んでなる。押圧パッド64は、加圧ロール62側に凹部と凸部が形成されている。これにより、定着ベルト61が、押圧パッド64の加圧ロール62側の面から離れる際に急激な曲率の変化を生じ、定着後の記録媒体Pが定着ベルト61から剥離しやすくしている。
加圧部Nの下流側近傍に配設する剥離補助部材70は、剥離バッフル71が定着ベルト61の回転方向と対向する方向(カウンタ方向)に向け、バッフルホルダ72により保持される。また、押圧パッド64と定着ベルト61との間に摺動シート68が配設され、定着ベルト61内周面と押圧パッド64との摺動抵抗が低減される。本実施形態では、摺動シート68は押圧パッド64と別体に構成され、少なくとも両端がホルダ65に固定される。
保持部材であるホルダ65に、定着装置60の長手方向に亘って潤滑剤塗布部材67が配設される。潤滑剤塗布部材67は、定着ベルト61内周面に接触され、定着ベルト61と摺動シート68との摺動部に潤滑剤が供給される。なお、潤滑剤としては、例えば、シリコーンオイル、フッ素オイル等の液体状オイル、固形物質と液体とを混合させたグリース等、さらにこれらを組み合わせたもの等が挙げられる。
加圧ロール62は、例えば、直径16mmの中実の鉄製の基材(円柱状芯金)621と、基材621の外周面を被覆する、例えば厚さ12mmのシリコーンスポンジ等の弾性層622と、例えば厚さ30μmのPFA等の耐熱性樹脂被覆または耐熱性ゴム被覆による表面層623とを有する。なお、加圧ロール62の製造方法としては、例えば、PFAチューブ(表面層623になる)の内周面に、接着用プライマーを塗布したフッ素樹脂チューブと中実シャフト(基材621になる)とを成形金型内にセットし、フッ素樹脂チューブと中実シャフトとの間に液状発泡シリコーンゴムを注入後、加熱処理(例えば150℃、2時間)によりシリコーンゴムを加硫、発泡させて弾性層622を形成する方法が挙げられる。
加圧ロール62は、定着ベルト61に対向するように配置され、矢印D方向に、例えば140mm/secのプロセススピードで回転され、定着ベルト61を従動させる。また、加圧ロール62と押圧パッド64とにより定着ベルト61が挟持された状態で保持されて加圧部Nが形成され、この加圧部Nに未定着トナー像を保持した記録媒体Pが通過され、熱および圧力が加えられて未定着トナー像が記録媒体Pに定着される。
磁場発生ユニット85は、断面が定着ベルト61の形状に沿った曲線形状を有し、定着ベルト61の外周表面と例えば0.5mmから2mm程度の間隙で設置される。磁場発生ユニット85は、磁界を発生させる励磁コイル851と、励磁コイル851を保持するコイル支持部材852と、励磁コイル851に電流を供給する励磁回路853とを有する。
励磁コイル851は、例えば、相互に絶縁された直径φ0.5mmの銅線材を16本から20本程度束ねたリッツ線が、長円形状や楕円形状、長方形状等の閉環状に巻かれて形成されたものを用いる。励磁コイル851に励磁回路853によって予め定められた周波数の交流電流が印加されることにより、励磁コイル851の周囲に交流磁界Hが発生する。交流磁界Hが、定着ベルト61の金属層を横切る際に、電磁誘導作用によってその交流磁界Hの変化を妨げる磁界を発生するように渦電流Iが生じる。励磁コイル851に印加される交流電流の周波数は、例えば、10kHzから50kHzに設定される。渦電流Iが定着ベルト61の金属層を流れることによって、金属層の抵抗値Rに比例した電力W(W=IR)によるジュール熱が発生し、定着ベルト61が加熱される。
コイル支持部材852は、例えば耐熱性を有する非磁性材料で構成される。このような非磁性材料としては、例えば、耐熱ガラス、ポリカーボネート、ポリエーテルサルフォン、PPS等の耐熱性樹脂、またはこれらにガラス繊維を混合した耐熱性樹脂等が挙げられる。
なお、本実施形態では、定着ベルト61を加熱する加熱部材の一例として磁場発生ユニット85を備える電磁誘導加熱方式の定着装置60について説明したが、加熱部材としては、輻射ランプ発熱体、抵抗発熱体を採用することもできる。
輻射ランプ発熱体としては、例えば、ハロゲンランプ等が挙げられる。抵抗発熱体としては、例えば、鉄−クロム−アルミ系、ニッケル−クロム系、白金、モリブデン、タンタル、タングステン、炭化珪素、モリブデン−シリサイド、カーボン等が挙げられる。
定着装置60では、加圧ロール62の矢印D方向への回転に伴い、定着ベルト61が従動回転し、励磁コイル851により発生した磁界に曝される。この際、定着ベルト61中の金属層には渦電流が発生し、定着ベルト61の外周面が定着可能な温度まで加熱される。このようにして加熱された定着ベルト61は、加圧ロール62との加圧部Nまで移動する。搬送手段により、未定着トナー像がその表面に設けられた記録媒体Pが定着入口ガイド56を介して定着装置60に搬入される。記録媒体Pが定着ベルト61と加圧ロール62との加圧部Nを通過した際に、未定着トナー像は定着ベルト61により加熱され記録媒体Pの表面に定着される。その後、画像が表面に形成された記録媒体Pは、搬送手段により搬送され、定着装置60から排出される。また、加圧部Nにおいて定着処理を終え、外周面の表面温度が低下した定着ベルト61は、励磁コイル851方向へと回転し、次の定着処理に備えて再度加熱される。
図2は、本実施形態に係る定着装置における管状体である定着ベルト61の層構成の一例を示す概略断面図である。図2に示すように、管状体である定着ベルト61は、基材611と、弾性層612と、表面層613とを順次有し、表面層613は、第1表面層613aと、第2表面層613bとを有する。表面層613の内層側、すなわち第1表面層613aは、表面層613の表層側、すなわち第2表面層613bと比べて気体透過性が高い高気体透過性領域となっている。定着ベルト61は、弾性層612を有さない構成であってもよい。
従来から、画像形成装置における定着部材または転写部材として、基材上に表面層を積層した構造のもの、または基材上に弾性層と表面層とをこの順で積層した構造のものが知られている。例えば、弾性層にはシリコーンゴム等のエラストマ材料が用いられ、表面層には離型性の良いフッ素樹脂等の材料が用いられる。この表面層を形成する際に、チューブ状のフィルムを被覆する方法が知られているが、この被覆工程の際に、表面層と内層(基材または弾性層)との間に気泡が介在し、そのまま高温焼成を行うと、表面欠陥となり、表面層と弾性層との間の層間剥離等による部材の耐久性が低下したり、画像欠陥が発生することがあった。また、表面層と内層との間に気泡が介在した場合、高温焼成前に長時間(例えば、24時間以上)放置することにより気泡が減少する場合もあるが、長時間を要することから工程の短時間化が望まれていた。
本発明者は、表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を設けることにより、表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない場合と比較して、チューブ状の表面層と基材との間、またはチューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制されることを見出した。この気泡形成が抑制されることにより、表面層と弾性層との間の接着不良、気泡を起点とする表面層と弾性層との間の層間剥離の発生、しわ等の欠陥の発生等が抑制され、画像欠陥の発生が抑制され、部材の耐久性が向上する。また、高温焼成前に長時間放置しなくてもよく、工程が短時間化される。これは、表面層の内層側に気体透過性の高い領域を設けることで、気体の通り道がつくられ、表面層と内層との間に気泡が封入されたまま保持されることが抑制されるためと考えられる。
図3は、本実施形態に係る定着装置における管状体である定着ベルト61の層構成の他の例を示す概略断面図である。図3に示すように、管状体である定着ベルト61は、基材611と、弾性層612と、表面層613とを順次有し、表面層613の内層側、すなわち弾性層612側は、表面層613の表層側と比べて気体透過性が高い高気体透過性領域614となっている。定着ベルト61は、弾性層612を有さない構成であってもよい。図2の構成では、表面層613は第1表面層613aと第2表面層613bとの複層構成(2層構成)となっており、図3の構成では、表面層613は単層構成(1層構成)となっている。表面層613の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有する構成であれば、どちらの構成でもかまわない。
図2のように、表面層613が、気体透過性が高い第1表面層613aと第2表面層613bとを有する場合、気体透過性が高い第1表面層613aを構成する材料としては、例えば、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリブタジエン、ポリプロピレン等の気体透過性樹脂等が挙げられ、耐熱性の点から、エチルセルロースが好ましい。
図2の第2表面層613bまたは図3の表面層613を構成する材料としては、トナー像に対して適度な離型性を有するものであればよく、特に制限はない。表面層は、フッ素系化合物を主成分として形成することが好ましい。フッ素系化合物としては、例えば、フッ素ゴム、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、四フッ化エチレン六フッ化プロピレン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂等が挙げられる。
図3のように、表面層613の内層側を、気体透過性が高い高気体透過性領域614とする場合、例えば、表面層613の押出成形の際に内層側を徐冷して内層側の結晶化度が高くなるようにして、表面層613の内層側の気体透過性を高くすればよい。
高気体透過性である第1表面層613aまたは高気体透過性領域614の気体透過度(酸素)T1は、第2表面層613bまたは表面層613の表層側の気体透過度(酸素)T2よりも高ければよい(T1>T2)が、例えば、気体透過度(酸素)T2の2倍以上が好ましく、10倍以上がより好ましい。
第1表面層613aまたは高気体透過性領域614の気体透過度(酸素)T1は、例えば、2000(cc/m・24h/atm)以上700000(cc/m・24h/atm)以下の範囲であることが好ましい。気体透過度(酸素)T1が2000(cc/m・24h/atm)未満であると、気泡形成抑制効果が小さくなる場合があり、700000(cc/m・24h/atm)を超えると、分子間凝集力が小さくなり、耐熱性が低下する場合がある。
第2表面層613bまたは表面層613の表層側の気体透過度(酸素)T2は、例えば、0(cc/m・24h/atm)以上1000(cc/m・24h/atm)以下の範囲であることが好ましい。気体透過度(酸素)T2が1000(cc/m・24h/atm)を超えると、気体への圧が低下し、高透過領域を通り抜けるための気体流動が低下する場合がある。
第1表面層613aまたは高気体透過性領域614の厚みは、例えば、5μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、10μm以上40μm以下の範囲であることがより好ましい。第1表面層613aまたは高気体透過性領域614の厚みが5μm未満であると、気泡形成抑制効果が小さくなる場合があり、50μmを超えると、熱伝導性が低下し、定着画像品質が低下する場合がある。
第2表面層613bの厚みは、例えば、10μm以上50μm以下の範囲であることが好ましく、20μm以上40μm以下の範囲であることがより好ましい。第2表面層613bの厚みが10μm未満であると、耐摩耗性の観点から管状体のライフが非常に短くなってしまう場合があり、50μmを超えると、屈曲応力が大きくなり、クラックを生じさせてしまう場合がある。
図3の構成の表面層613の厚みは、例えば、10μm以上100μm以下の範囲であることが好ましく、20μm以上50μm以下の範囲であることがより好ましい。表面層613の厚みが10μm未満であると、成型時に表面側と内面側の温度傾斜が小さくなり、高気体透過領域を形成させることが困難となる場合があり、100μmを超えると、屈曲応力が大きくなり、クラックを生じさせてしまう場合がある。
基材611を構成する材料としては、例えば、熱硬化性ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリベンゾイミダゾール樹脂等から選択される1つまたは複数の混合体等が挙げられ、耐熱性、機械特性等の観点からポリイミド樹脂が好ましい。
基材611には、カーボンブラック等の導電体を含んでもよい。また、PTFE樹脂粒子等のフッ素樹脂粒子を分散したポリイミド層と、カーボンブラック等の導電体を分散したポリイミド層との2層構成であってもよい。
基材611の厚みは、例えば、10μm以上200μm以下の範囲である。
弾性層612を構成する材料としては、耐熱性の弾性体であればよく、シリコーンゴム等が好ましい。
弾性層612の厚みは、例えば、50μm以上500μm以下の範囲である。
図2に示す管状体である定着ベルト61の製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。基材を弾性層塗布工程用金型に挿入し、金型軸方向を略水平方向に保ちながら周方向に回転させ、弾性層形成用塗布液をノズルから金型端部より予め定めた吐出速度で吐出し、予め定めた移動速度で移動させながら吐出する。吐出させた弾性層形成用塗布液をノズル移動に伴って、平板等でならした後、金型上の塗布液がほとんど平滑になるまで予め定めた回転数および保持時間回転させたまま保持する。弾性層形成用塗布液がほとんど平滑になった後、回転乾燥炉にて予め定めた温度および時間(例えば60℃以上110℃以下、10分以上1時間以下)で乾燥させ、続いて予め定めた温度および時間(例えば150℃以上250℃以下、0.5時間以上5時間以下)で加硫を行い、弾性層を形成する。弾性層まで形成した管状体の外径より予め定めた量で小径(例えば90%以上101%以下)である厚みのPFAチューブ等のフッ素樹脂チューブ(表面層613になる)を準備し、内径がこの管状体の外形より予め定めた量で大径(例えば110%以上130%以下)である外型の内周にフッ素樹脂チューブをセットする。そして、フッ素樹脂チューブの内側に、弾性層まで形成した管状体を挿入した状態で、フッ素樹脂チューブを外型から外して弾性層の外周に被覆する。室温で予め定めた時間(例えば15℃以上35℃以下、10時間以上200時間以下)放置後、予め定めた温度および時間(例えば150℃以上250℃以下、0.5時間以上5時間以下)で加熱し、表面層を形成すればよい。
なお、本実施形態に係る管状体として定着ベルトを例に説明したが、これに限られず、例えば、画像形成装置の搬送ベルトや、転写ベルトとして用いてもよい。
[画像形成装置]
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、転写部材によってトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、定着部材によってトナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段とを備え、転写部材および定着部材のうちの少なくとも1つが、上記本実施形態に係る管状部材である。
図4に、本実施形態に係る上記管状部材が適用される画像形成装置の一例の概略構成を示す。ここでは、一般にタンデム型と呼ぶ中間転写方式の画像形成装置を例に挙げて説明する。
図4は、本実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。図4の画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置であって、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kと、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順次転写(一次転写)させる一次転写部10と、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写部20と、二次転写された画像を用紙P上に定着させる定着装置60とを備える。この定着装置60が上記管状部材を定着ベルトとして備える定着装置であってもよいし、中間転写ベルト15が上記管状部材であってもよい。また、画像形成装置100は、各装置(各部)の動作を制御する制御部40を備える。
画像形成装置100の各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、表面に形成されるトナー像を保持する像保持体の一例として、矢印A方向に回転する感光体ドラム11を備える。
感光体ドラム11の周囲には、像保持体の表面を帯電させる帯電手段の一例として、感光体ドラム11を帯電させる帯電器12が設けられ、帯電手段により帯電した像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段の一例として、感光体ドラム11上に静電潜像を書込むレーザ露光器13(図中露光ビームを符号Bmで示す)が設けられている。また、感光体ドラム11の周囲には、潜像形成手段により像保持体の表面に形成された潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段の一例として、各色成分トナーが収容されて感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像器14が設けられ、感光体ドラム11上に形成された各色成分トナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設ける。
さらに、感光体ドラム11の周囲には、感光体ドラム11上の残留トナーが除去されるドラムクリーナ17が設けられ、帯電器12、レーザ露光器13、現像器14、一次転写ロール16およびドラムクリーナ17の電子写真用デバイスが感光体ドラム11の回転方向に沿って順次配設される。これらの画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは、中間転写ベルト15の上流側から、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の順に、略直線状に配置される。
中間転写体である中間転写ベルト15は、上記管状部材であってもよいし、ポリイミドまたはポリアミド等の樹脂をベース層としてカーボンブラック等の帯電防止剤を適当量含有させたフィルム状の加圧ベルトで構成されたものであってもよい。そして、その体積抵抗率は、例えば10Ωcm以上1014Ωcm以下となるように形成されており、その厚みは、例えば0.1mm程度に構成される。
中間転写ベルト15は、各種ロールによって図4に示すB方向に予め定めた速度で循環駆動(回転)されている。この各種ロールとして、定速性に優れたモータ(図示せず)により駆動されて中間転写ベルト15を回転させる駆動ロール31、各感光体ドラム11の配列方向に沿って略直線状に延びる中間転写ベルト15を支持する支持ロール32、中間転写ベルト15に対して予め定めた張力を与えると共に中間転写ベルト15の蛇行を抑制する補正ロールとして機能するテンションロール33、二次転写部20に設けられるバックアップロール25、中間転写ベルト15上の残留トナーを掻き取るクリーニング部に設けられるクリーニングバックアップロール34を有する。
一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に対向して配置される一次転写ロール16で構成されている。一次転写ロール16は、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したニトリルゴム(NBR)とスチレンゴム(SBR)とエチレンプロピレンゴム(EPDM)とのブレンドゴムで形成され、例えば、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
一次転写ロール16は、中間転写ベルト15を挟んで感光体ドラム11に圧接配置され、さらに一次転写ロール16にはトナーの帯電極性(例えばマイナス極性とする。以下同様。)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が印加されるようになっている。これにより、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上において重畳されたトナー像が形成されるようになっている。
二次転写部20は、バックアップロール25と、現像手段により形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段の一例としての、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、を備えて構成される。
バックアップロール25は、例えば、表面がカーボンを分散したEPDMとNBRのブレンドゴムのチューブ、内部はEPDMゴムで構成される。そして、その表面抵抗率が、例えば、10Ω/□以上1010Ω/□以下となるように形成され、硬度は、例えば、70°(アスカーC:高分子計器社製、以下同様。)に設定される。このバックアップロール25は、中間転写ベルト15の裏面側に配置されて二次転写ロール22の対向電極を構成し、二次転写バイアスが安定的に印加される金属製の給電ロール26が接触配置されている。
二次転写ロール22は、例えば、シャフトと、シャフトの周囲に固着された弾性層としてのスポンジ層とで構成されている。シャフトは、例えば、鉄、SUS等の金属で構成された円柱棒である。スポンジ層は、例えば、カーボンブラック等の導電剤を配合したNBRとSBRとEPDMとのブレンドゴムで形成され、例えば、体積抵抗率が107.5Ωcm以上108.5Ωcm以下のスポンジ状の円筒ロールである。
二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25に圧接配置され、さらに二次転写ロール22は接地されてバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙P上にトナー像を二次転写する。
中間転写ベルト15の二次転写部20の下流側には、二次転写後の中間転写ベルト15上の残留トナーや紙粉等を除去し、中間転写ベルト15の表面をクリーニングする中間転写ベルトクリーナ35が接離自在に設けられる。
イエローの画像形成ユニット1Yの上流側には、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kにおける画像形成タイミングをとるための基準となる基準信号を発生する基準センサ(ホームポジションセンサ)42が配設される。また、黒の画像形成ユニット1Kの下流側には、画質調整を行うための画像濃度センサ43が配設される。この基準センサ42は、中間転写ベルト15の裏側に設けられた所定のマークを認識して基準信号を発生しており、この基準信号の認識に基づく制御部40からの指示により、各画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kは画像形成を開始するように構成される。
本実施形態の画像形成装置100では、用紙Pを搬送する搬送手段として、用紙Pを収容する用紙収容部50、この用紙収容部50に集積された用紙Pを予め定めたタイミングで取り出して搬送する給紙ロール51、給紙ロール51により繰り出された用紙Pを搬送する搬送ロール52、搬送ロール52により搬送された用紙Pを二次転写部20へと送り込む搬送ガイド53、二次転写ロール22により二次転写された後に搬送される用紙Pを定着装置60へと搬送する搬送ベルト55、用紙Pを定着装置60に導く定着入口ガイド56を備える。
次に、本実施形態に係る画像形成装置の基本的な作像プロセスについて説明する。
図4に示す画像形成装置100では、図示しない画像読取装置や図示しないパーソナルコンピュータ(PC)等から出力される画像データは、図示しない画像処理装置により所定の画像処理が施された後、画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって作像作業が実行される。
画像処理装置100では、入力された反射率データに対して、シェーディング補正、位置ズレ補正、明度/色空間変換、ガンマ補正、枠消しや色編集、移動編集等の各種画像編集等の所定の画像処理が施される。画像処理が施された画像データは、Y,M,C,Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、このレーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。形成された静電潜像は、各々の画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kによって、Y,M,C,Kの各色のトナー像として現像される。
画像形成ユニット1Y,1M,1C,1Kの感光体ドラム11上に形成されたトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。より具体的には、一次転写部10において、一次転写ロール16により中間転写ベルト15の基材に対しトナーの帯電極性(例えばマイナス極性)と逆極性の電圧(一次転写バイアス)が付加され、トナー像を中間転写ベルト15の表面に順次重ね合わせて一次転写が行われる。
トナー像が中間転写ベルト15の表面に順次一次転写された後、中間転写ベルト15は移動してトナー像が二次転写部20に搬送される。トナー像が二次転写部20に搬送されると、搬送手段では、トナー像が二次転写部20に搬送されるタイミングに合わせて給紙ロール51が回転し、用紙収容部50から予め定めたサイズの用紙Pが供給される。給紙ロール51により供給された用紙Pは、搬送ロール52により搬送され、搬送ガイド53を経て二次転写部20に到達する。この二次転写部20に到達する前に、用紙Pは一旦停止され、トナー像が保持された中間転写ベルト15の移動タイミングに合わせてレジストロール(図示せず)が回転することで、用紙Pの位置とトナー像の位置との位置合わせがなされる。
二次転写部20では、中間転写ベルト15を介して、二次転写ロール22がバックアップロール25に加圧される。このとき、タイミングを合わせて搬送された用紙Pは、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。その際に、給電ロール26からトナーの帯電極性(例えばマイナス極性)と同極性の電圧(二次転写バイアス)が印加されると、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に転写電界が形成される。そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着トナー像は、二次転写ロール22とバックアップロール25とによって加圧される二次転写部20において、用紙P上に一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、二次転写ロール22によって中間転写ベルト15から剥離された状態でそのまま搬送され、二次転写ロール22の用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へと搬送される。搬送ベルト55では、定着装置60における最適な搬送速度に合わせて、用紙Pを定着装置60まで搬送する。定着装置60に搬送された用紙P上の未定着トナー像は、定着装置60によって熱および圧力で定着処理を受けることで用紙P上に定着される。そして定着画像が形成された用紙Pは、画像形成装置の排出部に設けられた排紙収容部(不図示)に搬送される。
一方、用紙Pへの転写が終了した後、中間転写ベルト15上に残った残留トナーは、中間転写ベルト15の回転に伴ってクリーニング部まで搬送され、クリーニングバックアップロール34および中間転写ベルトクリーナ35によって中間転写ベルト15上から除去される。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施の形態に限定的に解釈されるものではなく、種々の変形、変更、改良が可能であり、本発明の要件を満足する範囲内で実現可能であることは言うまでもない。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
[基材の作製]
NMP(N−メチルピロリドン)を溶媒とした固形分濃度18質量%のポリアミック酸溶液を準備し、アルミニウム製円筒である遠心成形型にポリアミック酸溶液を注入し、遠心成形型を軸線周りに回転させて塗布膜を形成し、145℃で30分間加熱乾燥させ、乾燥皮膜を得た。乾燥皮膜を遠心成形型から外してイミド化型にセットし、200℃で20分間、380℃で20分間加熱し、無端ベルト状で、内径168mm、膜厚80μmのポリイミド基材層を得た。
[弾性層の形成]
上記のようにして得られた基材上に、以下のようにして弾性層を形成した。基材を弾性層塗布工程用金型に挿入し、金型軸方向を略水平方向に保ちながら周方向に回転させる回転台に設置した。金型を100rpmで回転させ、弾性層形成用液状シリコーンゴム塗布液(溶媒(酢酸ブチル)中にシリコーンゴム(信越化学製X−34−2086A/B)を85質量%含む)をノズルから毎分45mLで金型端部より毎分160mmの速度で移動させながら吐出した。吐出させたシリコーンゴム塗布液をノズル移動に伴って、厚さ0.1mmの平板状SUS板でならした後、金型上の塗布液がほとんど平滑になるまで50rpmで5分間回転させたまま保持した。シリコーンゴム塗布液がほとんど平滑になった後、回転乾燥炉にて110℃で20分間乾燥させ、続いて210℃で1時間加硫を行った。得られた弾性層の膜厚は450μmであった。
[表面層の形成]
弾性層まで形成した管状体の外径より2%小径である厚み35μmのPFAチューブを準備し、内径がこの管状体の外形より0.8%大径である外型の内周にPFAチューブをセットした。そして、PFAチューブの内側に、弾性層まで形成した管状体を挿入した状態で、PFAチューブを外型から外して弾性層の外周に被覆した。室温(25℃)で24時間放置後、200℃で30分間加熱し、厚み35μmの表面層を形成した。
以上の工程で基体/弾性層/表面層を順次有するベルトを作製した。
<実施例1>
上記ベルト作製工程の表面層形成に使用するPFAチューブとして、内層側の結晶化度が高い、すなわち内層側に表層側と比べて気体透過性の高い高気体透過性領域を有するものを用いて、定着ベルトを作製した。このPFAチューブは、PFAチューブを押し出し成型する際に、内層側を300℃から25℃まで20℃/分の速度で徐冷することにより、内層側の結晶化度を高くして作製した。多層膜厚測定機(キーエンス製、SI−T型)を用い、測定したところ、高気体透過性領域の厚みは、10μmであった。また、ガス透過率測定装置(ジーエルサイエンス製、GTME 2510型)を用い、JIS K 7126の方法で測定したところ、内層側の気体透過度(酸素)T1は、2000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例2>
上記ベルト作製工程の表面層形成に使用するPFAチューブとして、エチルセルロースフィルム(厚み10μm)上に約40質量%のPFA粉末(MP320、デュポン)をMEK溶媒に分散、複数回超音波処理し、PFA分散物を作製した。このPFA分散物に、約20質量%の分子量が265,000g/molのポリ(プロピレンカーボネート)(PPC)(QPAC40、Empower Materials)を含むMEK溶液を加え、10質量%のポリプロピレンカーボネートを含むコーティング分散物を作製した。コーティング分散物を、フローコーティングによって塗布した。250℃で30分間焼成してポリプロピレンカーボネートを除去し、さらに350℃で8分間焼成してPFAを溶融させ作製した。作製した、第1表面層(厚み10μm)として気体透過性が高いエチルセルロースフィルムを有し、第2表面層(厚み25μm)としてPFAチューブを有するものを用いて、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、35000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例3>
PFAチューブの作製において、内層側を300℃から25℃まで10℃/分の速度で徐冷した以外は、実施例1と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、4000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例4>
PFAチューブの作製において、エチルセルロースフィルムの代わりに、ポリウレタンフィルム(厚み10μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、3000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例5>
PFAチューブの作製において、厚み50μmのエチルセルロースフィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、35000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例6>
PFAチューブの作製において、厚み1μmのエチルセルロースフィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、35000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<実施例7>
PFAチューブの作製において、厚み100μmのエチルセルロースフィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、35000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100であった。
<実施例8>
PFAチューブの作製において、厚み1μmのエチルセルロースフィルムを用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、35000(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
<比較例1>
上記ベルト作製工程の表面層形成に使用するPFAチューブとして、PFAチューブ(グンゼ製、厚み35μm)を用いて、定着ベルトを作製した。PFAチューブの気体透過度(酸素)は、1(cc/m・24h/atm)であった。
<比較例2>
PFAチューブの作製において、エチルセルロースフィルムの代わりに、ポリフッ化ビニリデンフィルム(厚み10μm)を用いた以外は、実施例2と同様にして、定着ベルトを作製した。内層側の第1表面層の気体透過度(酸素)T1は、20(cc/m・24h/atm)であり、表層側の第2表面層の気体透過度(酸素)T2は、100(cc/m・24h/atm)であった。
[評価方法]
(気泡発生抑制効果)
定着ベルトの作製において、PFAチューブを外型から外して弾性層の外周に被覆して10分後の弾性層と表面層との間に生じた気泡のサイズを、スケールを用いて測定し、また気泡が消失するまでの時間を計測した。下記基準で評価した。結果を表1に示す。
「気泡サイズ」
○:0.1mm未満
×:0.1mm以上
「気泡消失時間」
○:24時間未満
×:24時間以上
(ベルト耐久性および画質評価)
画像形成装置(富士ゼロックス社製、Color1000Press型)に定着ベルトとして装着し、普通紙、100ppm、常温、常湿の条件で10000枚の画像形成を行った後の、定着ベルトの表面層と弾性層との間の層間剥離の発生の有無と、画質欠陥の発生の有無を目視で評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006488801
このように、実施例は、表面層の内層側に表層側と比べて気体透過性の高い領域を有さない比較例と比較して、チューブ状の表面層と弾性層との間の気泡形成が抑制された。
1Y,1M,1C,1K 画像形成ユニット、10 一次転写部、11 感光体ドラム、12 帯電器、13 レーザ露光器、14 現像器、15 中間転写ベルト、16 一次転写ロール、17 ドラムクリーナ、20 二次転写部、22 二次転写ロール、25 バックアップロール、26 給電ロール、31 駆動ロール、32 支持ロール、33 テンションロール、34 クリーニングバックアップロール、35 中間転写ベルトクリーナ、40 制御部、42 基準センサ(ホームポジションセンサ)、43 画像濃度センサ、50 用紙収容部、51 給紙ロール、52 搬送ロール、53 搬送ガイド、55 搬送ベルト、56 定着入口ガイド、60 定着装置、61 定着ベルト、62 加圧ロール、63 ベルトガイド部材、64 押圧パッド、65 ホルダ、67 潤滑剤塗布部材、68 摺動シート、70 剥離補助部材、71 剥離バッフル、72 バッフルホルダ、85 磁場発生ユニット、100 画像形成装置、611 基材、612 弾性層、613 表面層、613a 第1表面層、613b 第2表面層、614 高気体透過性領域、621 基材、622 弾性層、623 表面層、851 励磁コイル、852 コイル支持部材、853 励磁回路。

Claims (4)

  1. 基材上に、チューブ状の表面層を有し、または、弾性層とチューブ状の表面層とを順次有し、
    前記表面層は、ポリスチレン、ポリウレタン、ポリブタジエン、エチルセルロース、酢酸セルロース、ポリブタジエン、およびポリプロピレンのうちの少なくとも1つを含んで構成される第1表面層と、表層側のフッ素樹脂を含んで構成される第2表面層とを有し、前記第1表面層は前記第2表面層と比べて気体透過性が高いか、または、
    前記表面層は、フッ素樹脂を含んで構成され、前記表面層内の内層側が表層側と比べて気体透過性が高いことを特徴とする管状体。
  2. 前記第1表面層の厚み、または前記気体透過性の高い領域の厚みが、5μm以上50μm以下の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の管状体。
  3. 定着部材として請求項1または2に記載の管状体を備えることを特徴とする定着装置。
  4. 像保持体と、
    前記像保持体の表面に潜像を形成する潜像形成手段と、
    前記潜像をトナーにより現像してトナー像を形成する現像手段と、
    転写部材によって前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    定着部材によって前記トナー像を前記記録媒体に定着させる定着手段と、
    を備え、
    前記転写部材および前記定着部材のうちの少なくとも1つが、請求項1または2に記載の管状体であることを特徴とする画像形成装置。
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