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JP6489018B2 - リハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置 - Google Patents
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JP6489018B2 - リハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置 - Google Patents

リハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置 Download PDF

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Description

この発明は、リハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置に関し、特に、脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションを支援するリハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置に関する。
従来、脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションを支援するリハビリテーション支援システムが知られている。このようなリハビリテーション支援システムは、たとえば、特開2006−263460号公報に開示されている。
上記特開2006−263460号公報に開示されているリハビリテーション支援システムは、脳障害患者などを被験者とし、リハビリテーション中の被験者の脳活動を計測する脳機能計測装置と、解析装置と、表示装置とを備えている。このシステムは、被験者が脳障害によって麻痺を生じた部位のリハビリ運動を行おうとする際に脳活動を計測する。そして、このシステムは、脳活動の計測結果から、リハビリ運動の動作命令が脳活動として得られたか否か(運動想起ができたか否か)を解析装置により解析するとともに、運動想起ができたことを表示装置に表示するように構成されている。また、表示装置には、運動想起の結果のほかに脳機能計測装置の計測データがそのまま表示される。
特開2006−263460号公報
しかしながら、上記特開2006−263460号公報のようにリハビリテーション中の運動想起の結果を表示する構成では、毎回のリハビリ運動動作時における成功不成功を把握することしかできず、日々の脳機能の変化(リハビリテーションによる回復度合い)を客観的に把握することはできない。また、脳機能の計測データをそのまま表示する場合、患者(被験者)自身や、脳神経の専門医以外の専門的知見に乏しい医療従事者では、表示内容(計測データ)から脳機能の変化を読み取ることは困難である。そのため、上記特開2006−263460号公報では、専門的知見に乏しい者にとっては、リハビリテーションによる脳機能の回復度合い(脳機能の変化)を客観的に把握することが困難であるという問題点がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを容易かつ客観的に把握することが可能なリハビリテーション支援システムおよび脳機能計測装置を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面におけるリハビリテーション支援システムは、脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションを支援するシステムであって、表示装置と、リハビリテーションにおける被験者の脳活動を計測する脳機能計測装置と、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパターンを表す情報を取得するとともに、取得した指標を表示装置に表示する制御を行う制御装置とを備える。なお、本発明における脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションとは、脳卒中や脳梗塞等の脳損傷を伴う脳機能障害のほか、たとえばうつ病や統合失調症などの精神疾患に分類される脳機能障害のリハビリテーションを含む広い概念である。
この発明の第1の局面によるリハビリテーション支援システムでは、上記のように、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパターンを表す情報を取得するとともに、取得した指標を表示装置に表示する制御を行う制御装置を設けることによって、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標をユーザ(被験者や医療従事者など)に提示することができる。これにより、ユーザは、脳機能の計測結果データ自体を理解するための専門的知見を有していない場合でも、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを指標により容易かつ客観的に把握することができる。また、医療従事者は、脳機能の変化が生じているかどうかを指標により容易に把握することができるので、この指標を、被験者の日々の調子やリハビリテーションの出来具合などのリハビリテーションの目安にすることができる。そして、被験者(患者)は、麻痺した部位の動きなどの目に見える動作に変化(改善)が乏しい場合でも、指標によってリハビリテーションの効果があることが分かり、リハビリテーションへのモチベーション向上が期待できるとともに、その結果としてのリハビリテーション効果の向上も期待することができる。また、脳機能障害(および脳機能障害に伴う運動障害など)が生じた被験者がリハビリテーションによって回復していく場合、発症初期では健常者とは異なる特有の脳活動を呈する一方、回復に伴って健常者の脳活動に近付いていくことが多い。そのため、脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標を用いることによって、脳機能の回復度合いを健常者の指標との相違により客観的に把握することができる。
上記第1の局面によるリハビリテーション支援システムにおいて、好ましくは、脳機能計測装置は、リハビリテーション中またはリハビリテーション後に被験者の脳活動を計測するように構成され、制御装置は、定期的に、脳機能計測装置の計測結果に基づいて指標を取得して表示させるように構成されている。このように構成すれば、リハビリテーション毎の被験者の脳活動の計測結果に基づいて、定期的に脳機能の回復度合いを示す指標をユーザに提示することができるので、長期間にわたるリハビリテーションの経過に伴う脳機能の回復度合い(脳機能の変化)を継続的に把握することができる。
上記第1の局面によるリハビリテーション支援システムにおいて、好ましくは、取得した指標を記憶する記憶部をさらに備え、制御装置は、記憶部に記憶された過去の指標とともに、今回取得した指標を表示装置に表示するように構成されている。このように構成すれば、長期間にわたるリハビリテーションの経過に伴う時系列的な指標の変化をユーザに提示することができる。これにより、ユーザは、リハビリテーションの継続に伴う脳機能の回復傾向を把握することができる。
この場合、好ましくは、制御装置は、記憶部に記憶された過去の指標と、今回取得した指標とを、経過時間および脳機能の回復度合いを示す指標を各軸とする時系列のグラフ形式で表示装置に表示するように構成されている。このように構成すれば、ユーザが過去から現在に至る指標の変化を一見して容易に把握することができる。これにより、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いの変化をより容易に把握することができる。また、被験者(患者)は、長期間にわたって継続的に実施されるリハビリテーションの成果を指標の時系列的な変化によって認識することができるので、リハビリテーションへのモチベーション向上が期待できる。
上記第1の局面によるリハビリテーション支援システムにおいて、好ましくは、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標は、被験者の脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標である。ここで、脳機能障害(および脳機能障害に伴う運動障害など)が生じた被験者がリハビリテーションによって回復していく場合、発症初期では健常者とは異なる特有の脳活動を呈する一方、回復に伴って健常者の脳活動に近付いていくことが多い。そのため、脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標を用いることによって、脳機能の回復度合いを健常者の指標との相違により客観的に把握することができる。
上記第1の局面によるリハビリテーション支援システムにおいて、好ましくは、リハビリテーションは、脳障害に伴う部分麻痺患者の運動回復リハビリテーションであり、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標は、脳機能の左右差を示す側化指数である。このように構成すれば、脳機能の左右差を示す側化指数を用いて、脳機能の回復度合いを客観的に評価することができる。すなわち、健常者では交叉によって左右のうち動作側と対側の脳機能が優位になるのに対して、片麻痺などの場合、本来麻痺部位と対側の脳領域が担う機能を、麻痺部位と同側の脳領域が補うように活動する結果、同側の脳機能が健常者よりも相対的に優位になる。そして、この同側優位の脳活動は、リハビリテーションによる機能回復に伴って、対側優位の健常者の脳活動に近付いていく。このため、側化指数によって同側および対側のどちらが優位に活動しているかが分かることにより、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを客観的に評価することができる。
上記第1の局面によるリハビリテーション支援システムにおいて、好ましくは、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標とは、脳機能障害者と健常者とにおいて、脳機能が活性化するパターンが異なる領域における脳機能の左右差を示す側化指数、または、脳機能障害者と健常者とにおいて、脳機能が活性化するパターンが異なる領域における脳活動変化が所定の閾値を超える活動を示す脳領域の面積であり、制御装置は、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての数値データと、数値データの評価を示す表示とを、表示装置に表示するように構成されている。このように構成すれば、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標(数値データ)に加えて、さらにその数値データの評価を示す表示によって、専門的知見に乏しいユーザでも更に容易に脳機能の回復度合いを把握することができる。
この場合、好ましくは、制御装置は、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての数値データが脳機能の改善を示す場合に、被験者を褒めるまたは励ます文章を数値データの評価を示す表示として表示するように構成されている。このように構成すれば、数値データとともに患者(被験者)を褒めるまたは励ます文章を被験者に提示することによって、リハビリテーションへのモチベーションが高まり、その結果、リハビリテーション効果をより向上させることが期待できる。
上記制御装置が定期的に脳機能計測装置の計測結果に基づく指標を表示させる構成において、好ましくは、脳機能計測装置は、日々のリハビリテーション毎に被験者の脳活動を計測するように構成され、制御装置は、1日のリハビリテーションの結果として、その日の脳機能計測装置の計測結果に基づいて指標を取得して表示させるように構成されている。このように構成すれば、ユーザは、日々のリハビリテーションの成果として指標を確認することができ、日々の脳機能の変化(リハビリテーションの奏功具合)をより客観的に把握することができる。
この発明の第2の局面における脳機能計測装置は、脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションに用いられる脳機能計測装置であって、被験者の脳活動を示す信号を検出する検出端子部と、検出端子部の検出信号を取得して被験者の脳活動を計測する計測部と、表示部と、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパターンを表す情報を取得するとともに、取得した指標を表示部に表示する制御を行う制御部とを備える。
この発明の第2の局面による脳機能計測装置では、上記のように、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパターンを表す情報を取得するとともに、取得した指標を表示部に表示する制御を行う制御部を設けることによって、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標をユーザ(被験者や医療従事者など)に提示することができる。これにより、ユーザは、脳機能の計測結果データ自体を理解するための専門的知見を有していない場合でも、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを指標により容易かつ客観的に把握することができる。また、医療従事者は、この指標を、被験者の日々の調子やリハビリテーションの出来具合などのリハビリテーションの目安にすることができる。そして、被験者(患者)は、指標によってリハビリテーションの効果があることが分かり、リハビリテーションへのモチベーション向上およびリハビリテーション効果の向上も期待することができる。また、脳機能障害(および脳機能障害に伴う運動障害など)が生じた被験者がリハビリテーションによって回復していく場合、発症初期では健常者とは異なる特有の脳活動を呈する一方、回復に伴って健常者の脳活動に近付いていくことが多い。そのため、脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標を用いることによって、脳機能の回復度合いを健常者の指標との相違により客観的に把握することができる。
上記のように、本発明によれば、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを容易かつ客観的に把握することができる。
本発明の第1実施形態によるリハビリテーション支援システムの全体構成を示す模式図である。 本発明の第1実施形態によるリハビリテーション支援システムの脳機能計測装置の構成を示すブロック図である。 側化指数を説明するための模式図である。 表示装置の表示態様の一例を示す図である。 本発明の第1実施形態によるリハビリテーション支援システムの動作を説明するためのフローチャートである。 本発明の第2実施形態による脳機能計測装置を説明するための模式図である。
以下、実施形態を図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
まず、図1〜図4を参照して、本発明の第1実施形態によるリハビリテーション支援システム(以下、リハビリ支援システムという)100の全体構成について説明する。リハビリ支援システム100は、脳機能障害を伴う被験者(患者)のリハビリテーションを支援するシステムである。なお、第1実施形態では、リハビリテーションの一例として、脳卒中などの脳障害に伴う部分麻痺患者の運動機能回復リハビリテーションの例について説明する。
図1に示すように、第1実施形態によるリハビリ支援システム100は、脳機能計測装置1と、表示装置2と、身体駆動装置3と、制御装置4とにより主として構成されている。
リハビリテーションとしては、麻痺部位に応じて予め設定された麻痺部位のリハビリ運動を、被験者(患者)に実行させるものである。リハビリ運動は、麻痺部位が手の場合、たとえば、麻痺手に対して手の開閉を行う運動である。この場合、被験者が手の開閉を試みても麻痺によって手を動かすことができない。リハビリ支援システム100は、リハビリテーション中の脳機能計測を行い、計測結果を解析することによって、麻痺部位のリハビリ運動に対応する運動想起(運動を具体的にイメージすることによって、脳からリハビリ運動を行う命令を出させること)ができたか否かを判断する。そして、運動想起ができた場合には、リハビリ支援システム100は、麻痺手を外力によって強制的に動かし、実際にリハビリ運動を起こさせる。リハビリテーションでは、この動作が設定された所定回数だけ繰り返される。リハビリテーションは、この所定回数の運動想起および運動動作を1セットとして、1日あたり1セット〜数セットが、数ヶ月程度の期間に渡って継続的に実施される。
図1に示すように、脳機能計測装置1は、リハビリテーションにおける被験者の脳活動を非侵襲で計測する装置であり、近赤外分光法(NIRS)による光計測および脳活動に伴う電気信号を検出する脳波計測を行う機能を有している。すなわち、脳機能計測装置1は、NIRS装置(光計測装置)およびEEG装置(脳波計)の両方として機能する。第1実施形態では、脳機能計測装置1は、日々のリハビリテーション毎に、リハビリテーション中の被験者の脳活動を計測するように構成されている。
図2に示すように、脳機能計測装置1は、本体部10と、本体部10にそれぞれ接続された複数の光計測用の光プローブ5aおよび5bと、複数の脳波計測用の電極プローブ6とを備えている。また、本体部10には、光出力部11と、光検出部12と、脳波検出部13と、計測制御部14と、本体制御部15と、主記憶部16とが設けられている。また、脳機能計測装置1は、本体部10上に設置され本体部10と接続された表示部17および操作入力部18(キーボードなど)を備えている。
光プローブ5a、5bおよび電極プローブ6は、被験者の脳活動を示す信号を検出する機能を有する。脳機能計測装置1は、被験者の頭部表面上に配置した送光用の光プローブ5aから近赤外光の波長領域の計測光を照射し、被験者頭内で反射した計測光を頭部表面上に配置した受光用の光プローブ5bに入射させて検出することにより、計測光の強度(受光量)を取得する。計測光の強度に基づいて、脳活動に伴うヘモグロビン量(酸素化ヘモグロビン、脱酸素化へグロビンおよび総ヘモグロビン)の変化を取得することが可能である。これにより、脳活動に伴うヘモグロビン量の変化、すなわち血流量の変化や酸素代謝の活性化状態を非侵襲で取得することが可能である。光計測では、光プローブ5aおよび5bのペアによって構成される計測点(チャンネル)毎に、脳活動が計測される。
また、電極プローブ6は、被験者の頭部表面上に配置した電極により、脳活動に伴って発生する微弱な電気活動(脳波)を検出する。これらの光プローブ5a、5bおよび電極プローブ6は、脳領域の各部の脳活動を広く計測するために、それぞれ複数設けられている。各プローブは、被験者の頭部に装着されるホルダ7に保持された状態で、脳機能計測を行う。各プローブの配置は、図3に示す国際10−20法に従ってなされるのが一般的であり、運動機能を司る一次運動野に対応するC3、C4を中心とした配置など、計測目的に応じた分布となるように設定される。
図2に示すように、光出力部11は、半導体レーザーを光源として備え、光ファイバを介して送光用の光プローブ5aに計測光を出力する。光検出部12は、光電子増倍管を検出器として備え、受光用の光プローブ5bに入射した計測光を光ファイバを介して取得し、検出する。脳波検出部13は、電極プローブ6から検出された電気信号を取得する。計測制御部14は、本体制御部15により設定される計測条件に従って、光出力部11および光検出部12の動作制御(点灯および消灯や、検出)や、脳波検出部13の制御を行う。これらの光出力部11、光検出部12、脳波検出部13および計測制御部14は、各プローブの検出信号を取得して被験者の脳活動を計測するための計測部19を構成している。
本体制御部15は、CPUやメモリなどから構成されるコンピュータ(PC)であり、主記憶部16に格納された計測制御用プログラムを実行することにより、脳機能計測装置1の計測動作制御を実行する制御部として機能する。本体制御部15は、計測開始および計測停止の制御、計測条件の設定や計測データの格納などの各種処理を行う。また、本体制御部15は、有線または無線の通信モジュールからなる図示しない通信部を介して、制御装置4との間で相互通信を行う。主記憶部16は、たとえばHDD(ハードディスクドライブ)からなり、本体制御部15が実行する各種プログラムを格納するととともに、計測の結果得られた計測データを記憶することが可能である。
図1に示すように、表示装置2は、たとえば液晶ディスプレイなどであり、制御装置4からの信号出力に基づいて映像表示を行う。身体駆動装置3は、モータなどの駆動部31を用いた外力付与により、リハビリの対象となる部位の運動を強制的(他動的)に実行するものである。身体駆動装置3は、対象部位に応じて用意されるものであるが、麻痺手の開閉運動に用いる身体駆動装置3は、たとえば被験者の麻痺手に装着され、手指の関節に対応する部分に駆動部31が配置される。そして、身体駆動装置3は、駆動部31によって手指の先端側を根元側に対して回動させることにより、麻痺手を強制的(他動的)に開閉させる。この身体駆動装置3は、制御装置4からの制御信号によって駆動制御される。
制御装置4は、脳機能計測装置1、表示装置2および身体駆動装置3と接続され、これらの各装置を制御する機能を有する。制御装置4は、CPUやメモリなどから構成される演算処理部41と、HDDなどからなる記憶部42とを備えたコンピュータ(PC)であり、記憶部42に格納された解析・表示制御用プログラムを実行することによって、計測結果データの解析や各装置の制御を行う制御装置として機能する。制御装置4は、リハビリテーション中に、電極プローブ6を用いた脳機能計測結果(脳波計測データ)を取得して、データ解析を行うことにより、運動想起を示すデータが得られたか否かを判断する機能を有する。また、制御装置4は、運動想起に成功した場合に、身体駆動装置3に制御信号(駆動命令)を出力し、駆動動作の制御を行うとともに、運動想起に成功した旨の表示を表示装置2に表示させるように構成されている。
ここで、第1実施形態では、制御装置4は、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて被験者の脳機能の回復度合いを示す指標を取得するとともに、取得した指標を表示装置2に表示する制御を行うように構成されている。
第1実施形態では、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標は、被験者の脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標であり、より具体的には、脳機能の左右差を示す側化指数LI(Lateralization Index)である。制御装置4は、光プローブ5aおよび5bを用いたリハビリテーション中の脳機能計測結果(光計測データ)に基づいて、側化指数LIを算出する。
側化指数LIは、下式(1)によって算出される。
LI=(C−I)/(C+I) ・・・(1)
ここで、Cは、病変(麻痺部位)と対側の運動野の脳活動変化(NIRS信号、酸素化ヘモグロビン変化)である。Iは、病変(麻痺部位)と同側の運動野の脳活動変化(NIRS信号、酸素化ヘモグロビン変化)である。また、脳活動変化とは、リハビリテーション中における安静時(レスト期)と、運動想起による活動時(タスク期)との検出信号の差分(ヘモグロビン変化量)である。
上式(1)から分かるように、側化指数LIは比の値となっており、−1〜+1の範囲で値をとる。Iが大きく、側化指数LIが−1に近付く(負の値をとる)ほど、麻痺部位(動作部位)と同側の脳活動が優位であり、Cが大きく、LIが+1に近付く(正の値をとる)ほど、麻痺部位(動作部位)と対側の脳活動が優位であることを示す。また、LIが0の場合はI(同側)とC(対側)とで脳活動が略対称(同等)であることになる。
図3に示すように、一般に、身体の運動機能は交叉によって対側の運動野に支配されている。したがって、健常者では、動作部位(たとえば左手)と対側(右側の運動野)の脳活動が優位になる。そのため、たとえば脳卒中などによって左側に片麻痺が生じた場合、麻痺部位(左手)と対側の(右半球の運動野)の脳機能に障害が生じていることになる。このような場合に被験者の脳機能計測を行うと、本来麻痺部位(左手)の対側の脳領域(右側の運動野)が担う機能を補うように、麻痺部位と同側(左側)の脳領域がより活発に活動するとともに、健常者では運動に関与しない脳領域まで含む広い範囲で脳活動が計測されることが知られている。この結果、片麻痺が生じた場合、個人差と重症度によって差はあるものの、特に発症直後からしばらくの間は、同側(左側)の脳機能が健常者よりも相対的に優位になる(側化指数LIが−1(負)に近付く)。
その後、リハビリテーションによる運動機能の回復(脳機能の回復)に伴って、この広い範囲での同側優位の脳活動は変化する。具体的には、脳機能の回復に伴い、対側(右側)優位の健常者と同じ脳活動に近付いていくとともに、脳領域の活動範囲も徐々に狭くなり活動領域が限定されていく。すなわち、リハビリテーションを継続すると、回復とともに、側化指数LIが+1(正)に近付く方向に変化していく。
このため、側化指数LIによって同側(負)および対側(正)の脳機能のどちらが優位であるかに基づいて、発症直後からの側化指数LIが対側優位(正)に近付いていく変化傾向を示す場合に、リハビリテーションによる脳機能の改善傾向があると評価することができる。また、今回の側化指数LIと一般的な健常者の側化指数LIの取り得る範囲との比較により、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを評価することができる。これらにより、側化指数LIを、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを客観的に把握する目安として利用することができる。
第1実施形態では、制御装置4は、定期的に、指標(側化指数LI)を算出して表示させるように構成されている。具体的には、制御装置4は、1日のリハビリテーションの結果として、その日の脳機能計測装置1の計測結果に基づいて指標(側化指数LI)を算出して表示させる。また、制御装置4は、算出した指標(側化指数LI)を記憶部42に蓄積記憶させる。そして、指標(側化指数LI)の表示に際して、制御装置4は、記憶部42に記憶された過去の指標(側化指数LI)とともに、今回算出した指標(側化指数LI)を時系列のグラフ形式で表示するように構成されている。
図4に表示態様の一例を示す。なお、この表示例では、側化指数LIを「リハビリ指標」と表示している。図4に示すように、制御装置4は、発症(0月)から今回までの指標(側化指数LI)の変化を示す数値データ(LI)のグラフ51と、数値データの評価を示す表示(メッセージ部52)とを、表示装置2に表示する。また、この表示例では、グラフ51の右側に、参照値として、健常者において一般的に見られるLI範囲および平均値を表示している。
図4のグラフ51のように、リハビリテーションが効果を見せる典型的な場合には、発症直後(0月)からしばらくの間は、LIが同側(負)に偏り、リハビリの継続(機能回復)とともに徐々にLIが対側(正)に遷移していく。そこで、制御装置4は、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての側化指数LIが脳機能の改善を示す(+方向への変化傾向がある)場合に、被験者を褒めるまたは励ます文章(「今日のリハビリはとてもうまくできていました」など)をメッセージ部52に表示するように構成されている。ただし、図4に示した側化指数LIの値(被験者の計測値および参照値)は、表示装置2の表示態様を説明するために便宜的にプロットしたものであり、実際の計測データに基づくものではない。
次に、図5を参照して、第1実施形態によるリハビリ支援システム100のリハビリテーション中の動作について説明する。なお、理解の容易化のため、一部(ステップS1)において、リハビリ支援システム100以外の患者側の動作ステップを記載している。
まず、図5のステップS1において、患者(被験者)が麻痺手を開閉する運動想起を行う。そして、ステップS2において、脳機能計測装置1による脳機能計測(脳波計測)が行われる。具体的には、脳機能計測装置1が電極プローブ6を用いた脳機能計測を行い、得られた脳機能計測結果(脳波計測データ)を制御装置4に出力する。
次に、ステップS3において、制御装置4により、脳機能計測結果(脳波計測データ)が解析されるとともに、運動想起の有無が判断される。制御装置4は、運動想起があると判断した場合、ステップS4において、身体駆動装置3を駆動させてリハビリ運動(手の開閉)を実行するとともに、運動想起ができたことを表示装置2に表示させる。
一方、ステップS3において運動想起なしと判断した場合、制御装置4は、ステップS5に進み、運動想起ができていないことを表示装置2に表示させる。なお、運動想起ができていないことを表示する代わりに、たとえば表示装置2に何も表示させなくてもよい。
続いて、ステップS6では、脳機能計測装置1による脳機能計測(光計測)が行われる。具体的には、脳機能計測装置1が光プローブ5aおよび5bを用いた脳機能計測を行い、得られた脳機能計測結果(光計測データ)を制御装置4に出力する。
ステップS7では、制御装置4により、リハビリ訓練が終了したか否かが判断される。すなわち、上記ステップS1〜S6が予め設定された所定回数分(あるいは所定時間分)だけ反復されたか否かが判断される。リハビリ訓練が終了していない場合には、処理がステップS1に戻る。リハビリ訓練が終了した場合には、処理がステップS8に進む。
ステップS8では、制御装置4により、指標(側化指数LI)の算出および表示が行われる。すなわち、制御装置4は、ステップS6において取得した脳機能計測結果(光計測データ)に基づいて、上記式(1)により、側化指数LIを算出する。そして、制御装置4は、算出した側化指数LIを、記憶部42に格納された過去の指標(側化指数LI)とともに、図4に示したグラフ形式(グラフ51)で表示装置2に表示する。なお、この場合、リハビリ運動の回数分の計測データが得られているので、より細かい時間変化として1回毎の側化指数LIを表示してもよいし、たとえば得られた所定回数分の側化指数LIの平均値などを表示してもよい。また、制御装置4は、算出した側化指数LIの評価を示すメッセージをメッセージ部52に表示する。
以上のようにして、第1実施形態によるリハビリ支援システム100の動作が行われる。この動作がたとえば1日のリハビリテーションとして実施され、日々のリハビリテーション結果の蓄積により、図4に示すような長期間にわたるグラフ51が得られることになる。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて被験者の脳機能の回復度合いを示す指標(LI)を取得するとともに、取得した指標(LI)を表示装置2に表示する制御を行う制御装置4を設けることによって、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づく被験者の脳機能の回復度合いを示す指標(LI)をユーザ(被験者や医療従事者など)に提示することができる。これにより、ユーザは、脳機能の計測結果データ自体を理解するための専門的知見を有していない場合でも、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを指標(LI)により容易かつ客観的に把握することができる。また、医療従事者は、脳機能の変化が生じているかどうかを指標(LI)により容易に把握することができるので、この指標(LI)を、被験者の日々の調子やリハビリテーションの出来具合などのリハビリテーションの目安にすることができる。さらに、被験者(患者)は、麻痺した部位の動きなどの目に見える動作に変化(改善)が乏しい場合でも、指標(LI)によってリハビリテーションの効果があることが分かり、リハビリテーションへのモチベーション向上が期待できるとともに、その結果としてのリハビリテーション効果の向上も期待することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、脳機能計測装置1を、リハビリテーション中に被験者の脳活動を計測するように構成する。そして、定期的に、脳機能計測装置1の計測結果に基づいて指標(LI)を取得して表示させるように制御装置4を構成する。これにより、リハビリテーション毎の被験者の脳活動の計測結果に基づいて、定期的に脳機能の回復度合いを示す指標(LI)をユーザに提示することができるので、長期間にわたるリハビリテーションの経過に伴う脳機能の回復度合い(脳機能の変化)を継続的に把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、記憶部42に記憶された過去の指標(LI)とともに、今回取得した指標(LI)を表示するように制御装置4を構成する。これにより、長期間にわたるリハビリテーションの経過に伴う時系列的な指標(LI)の変化を、ユーザに提示することができる。この結果、ユーザは、指標(LI)の変化に基づいてリハビリテーションの継続に伴う脳機能の回復傾向を把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、記憶部42に記憶された過去の指標(LI)と、今回取得した指標(LI)とを、時系列のグラフ形式(グラフ51)で表示するように制御装置4を構成する。これにより、ユーザが過去から現在に至る指標(LI)の変化を一見して容易に把握することができるので、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いの変化をより容易に把握することができる。また、被験者(患者)は、長期間にわたって継続的に実施されるリハビリテーションの成果を指標(LI)の時系列的な変化によって認識することができるので、リハビリテーションへのモチベーション向上が期待できる。
また、第1実施形態では、上記のように、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、被験者の脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標(LI)を用いる。第1実施形態で説明した脳機能障害に伴う片麻痺が生じた被験者がリハビリテーションによって回復していく場合の例では、発症初期では健常者とは異なる特有の脳活動(同側優位の脳活動)を呈する一方、回復に伴って健常者の脳活動(対側優位の脳活動)に近付いていくことが多い。そのため、脳機能障害に応じた脳機能の変化を示す指標(LI)を用いることによって、脳機能の回復度合いを健常者の指標(LI)との相違により客観的に把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、リハビリテーションは、脳障害に伴う部分麻痺患者の運動回復リハビリテーションであり、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標として、脳機能の左右差を示す側化指数LIを用いる。これにより、脳機能の左右差を示す側化指数LIによって同側および対側のどちらが優位に活動しているか(健常者の対側優位の脳機能からの相違)が分かるので、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを客観的に評価することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての数値データ(LI)と、数値データ(LI)の評価を示す表示(メッセージ部52)とを表示するように制御装置4を構成する。これにより、被験者の脳機能の回復度合いを示す数値データ(LI)に加えて、さらにその数値データの評価を示すメッセージ部52の表示によって、専門的知見に乏しいユーザでも更に容易に脳機能の回復度合いを把握することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、側化指数LIが脳機能の改善を示す場合に、被験者を褒めるまたは励ます文章を側化指数LIの評価を示すメッセージ部52に表示するように制御装置4を構成する。これにより、側化指数LIとともに患者(被験者)を褒めるまたは励ます文章を被験者に提示することによって、リハビリテーションへのモチベーションが高まり、その結果、リハビリテーション効果を向上させることが期待できる。なお、リハビリテーションにおいて患者を褒めるまたは励ますことによりリハビリテーション効果が向上したという報告が下記の文献においてなされている。
International Randomized Clinical Trial, Stroke Inpatient Rehabilitation With Reinforcement of Walking Speed(SIRROWS), Improves Outcomes: Neurorehabil Neural Repair. 2010 Mar−Apr;24(3):235−42
また、第1実施形態では、上記のように、脳機能計測装置1を、日々のリハビリテーション毎に被験者の脳活動を計測するように構成する。そして、1日のリハビリテーションの結果として、その日の脳機能計測装置1の計測結果に基づく指標(LI)を表示させるように制御装置4を構成する。これにより、ユーザは、日々のリハビリテーションの成果として指標(LI)を確認することができ、日々の脳機能の変化(リハビリテーションの奏功具合)をより客観的に把握することができる。
(第2実施形態)
次に、図1、図2、図5および図6を参照して、本発明の第2実施形態による脳機能計測装置101について説明する。第2実施形態では、制御装置4により指標(LI)の算出を行い、算出した指標(LI)を表示装置2に表示させるようにリハビリ支援システム100を構成した上記第1実施形態とは異なり、単体で指標(LI)の算出および表示を行う脳機能計測装置の例について説明する。
図6に示すように、第2実施形態による脳機能計測装置101は、上記第1実施形態と同様、脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションに用いられる。脳機能計測装置101の装置構成(ハードウェア構成)は、図2に示した上記第1実施形態の脳機能計測装置1と同様である。すなわち、脳機能計測装置101は、被験者の脳活動を示す信号を検出する光プローブ5a、5bおよび電極プローブ6をそれぞれ複数備えている。また、脳機能計測装置101は、各プローブの検出信号を取得して被験者の脳活動を計測する計測部19(光出力部11、光検出部12、脳波検出部13および計測制御部14)と、表示部17とを備えている。なお、図6では、光出力部11、光検出部12、脳波検出部13および計測制御部14をまとめて計測部19として図示している。光プローブ5a、5bおよび電極プローブ6は、それぞれ、本発明の「検出端子部」の一例である。
第2実施形態では、脳機能計測装置101の本体制御部115は、脳機能計測装置101の計測動作制御を行うだけでなく、上記第1実施形態における制御装置4と同様の制御処理を実行するように構成されている。すなわち、本体制御部115は、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて被験者の脳機能の回復度合いを示す指標(側化指数LI)を算出するとともに、取得した指標(側化指数LI)を表示部17に表示する制御を行うように構成されている。また、第2実施形態では、本体制御部115が身体駆動装置3の制御も行う。本体制御部115は、本発明の「制御部」の一例である。なお、脳機能計測装置101が行う各処理(側化指数LIの算出や、表示部17への表示態様、および、リハビリテーション時の動作処理など)は、上記第1実施形態と同様であるので、説明を省略する。
主記憶部116は、脳機能計測を行うための計測制御用プログラムおよび計測データを記憶するほか、本体制御部115に上記第1実施形態における制御装置4(図1参照)と同様の制御処理を実行させるための解析・表示制御用プログラムを記憶している。また、主記憶部116は、本体制御部115が算出した指標(側化指数LI)を蓄積記憶するように構成されている。
このような構成により、第2実施形態の脳機能計測装置101は、図5に示したように、リハビリテーション中の脳機能計測の実施、運動想起の有無の判定、指標(側化指数LI)の算出および表示部17への表示を行う。
第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
第2実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第2実施形態では、上記のように、リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて指標(側化指数LI)を算出するとともに、算出した指標(側化指数LI)を表示部17に表示する制御を行う制御部115を設けることによって、上記第1実施形態によるリハビリ支援システム100と同様、ユーザが、脳機能の計測結果データ自体を理解するための専門的知見を有していない場合でも、リハビリテーションによる脳機能の回復度合いを指標により容易かつ客観的に把握することができる。また、脳機能計測装置1と、表示装置2と、制御装置4とを設けた上記第1実施形態と異なり、第2実施形態では、脳機能計測装置101単独で脳機能計測と、指標の算出および表示を行うことができるので、装置(システム)構成を簡素化することができる。
第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、リハビリ支援システム(脳機能計測装置)を脳卒中などの脳障害に伴う部分麻痺患者の運動機能回復リハビリテーションに利用する例について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明のリハビリ支援システム(脳機能計測装置)は、上記以外の他のリハビリテーションに用いてもよい。適用されるリハビリテーションは、脳機能障害による麻痺などの運動障害のリハビリテーションのほか、うつ病などの精神疾患に分類される脳機能障害のリハビリテーションに適用してもよい。
一例として、うつ病については、前頭前野(図3のFp1、Fp2、F7、F3、Fz、F4およびF8周辺)を活動させる課題に対して、健常者では左右のうち優位側の脳領域が活動するのに対して、うつ病患者では劣位側または両側の脳領域での活動が見られ、全体としては活動レベル(脳活動変化)が健常者よりも小さいなどの特有の傾向が見られる。そのため、この前頭前野における側化指数LIを、脳機能の回復度合いを示す指標として活用することが可能であると考えられる。
また、上記第1および第2実施形態では、脳機能の回復度合いを示す指標として側化指数LIを用いた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、側化指数LI以外の指標を用いてもよい。たとえば、脳活動変化(NIRS信号)が所定の閾値よりも大きい領域の面積(計測チャンネル数)を、指標として用いてもよい。すなわち、脳卒中などにより片麻痺が生じた場合、上記の通り、発症直後からしばらくの間は、健常者では運動に関与しないような広い範囲で同側(左側)の脳活動が活発化する一方、リハビリテーションによる運動機能の回復(脳機能の回復)に伴って、脳領域の活動範囲が徐々に狭くなり活動領域が限定されていく。そのため、脳活動変化が所定の閾値を超えるような活動を示す脳領域の範囲(面積)が減少していくことによって、脳機能の回復度合いを判断することが可能となる。このように、脳機能障害を有する被験者(患者)の脳活動が健常者とは異なる特有のパターンを呈することに基づいて脳機能の回復度合いを判断することができるので、そのような脳機能障害を有する被験者(患者)に特有のパターンを表す情報(脳機能の計測結果の分布や解析結果)であれば、指標として用いることが可能であると考えられる。
また、上記第1および第2実施形態では、身体駆動装置を用いる構成の例について説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、身体駆動装置を用いなくともよい。
また、上記第1および第2実施形態では、光プローブ5aおよび5bを用いた脳機能計測結果(光計測データ)に基づいて側化指数LIを算出した例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、電極プローブ6を用いた脳機能計測結果(脳波計測データ)から側化指数LIを算出してもよい。なお、運動想起の判定のための脳機能計測を光計測によって行ってもよい。そのため、本発明では、脳機能計測装置は、光計測または脳波計測のいずれか一方のみを行う構成であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、1日のリハビリテーションの結果として、その日の脳機能計測結果に基づく側化指数LIを表示する例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、1回のリハビリ運動毎に側化指数LIを表示してもよいし、1週間や1月などの所定期間ごとに定期的に側化指数LIを表示してもよい。また、定期的な表示に代えて、ユーザから側化指数LIを表示させる旨の操作入力を受け付けた場合に側化指数LIを表示させてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、図5に示したフローチャートにおいて、毎回の運動(運動想起)毎に側化指数LIを算出するための脳機能計測(光計測)(ステップS6参照)を行う例について説明したが、本発明はこれに限られない。たとえば、所定回数分の運動の最後の1回のときにのみ、脳機能計測(光計測)を行うようにしてもよい。また、訓練終了後(ステップS7とS8との間)に脳機能計測(光計測)を行ってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、図4の表示態様例で示したように、側化指数LIを過去の値とともに時系列のグラフ51に表示する例を説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、表示態様は、グラフ形式ではなく、側化指数LIを単に数値だけで表示するものであってもよいし、表形式での表示であってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、図4の表示態様例で示したように、側化指数LIとともに、側化指数LIの評価を示すメッセージ部52を表示する例を説明したが、本発明はこれに限られない。側化指数LIの評価を示すメッセージを表示しなくともよい。
また、上記第1および第2実施形態では、図4の表示態様例で示したように、側化指数LIが脳機能の改善を示す場合に、被験者を褒めるまたは励ます文章をメッセージ部52に表示させる例を説明したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被験者を褒めるまたは励ます文章を表示させなくともよい。
1、101 脳機能計測装置
2 表示装置
4 制御装置
5a、5b 光プローブ(検出端子部)
6 電極プローブ(検出端子部)
17 表示部
19 計測部
42 記憶部
51 グラフ
52 メッセージ部
100 リハビリテーション支援システム
115 本体制御部(制御部)

Claims (8)

  1. 脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションを支援するシステムであって、
    表示装置と、
    リハビリテーションにおける被験者の脳活動を計測する脳機能計測装置と、
    リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて、被験者の脳機能の
    回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパタ
    ーンを表す情報を取得するとともに、
    取得した前記指標を前記表示装置に表示する制御を行う制御装置とを備え、
    前記被験者の脳機能の回復度合いを示す前記指標とは、脳機能障害者と健常者とにおい
    て、脳機能が活性化するパターンが異なる領域における脳機能の左右差を示す側化指数、
    または、脳機能障害者と健常者とにおいて、脳機能が活性化するパターンが異なる領域に
    おける脳活動変化が所定の閾値を超える脳領域の面積であることを特徴とする、
    リハビリテーション支援システム。
  2. 前記脳機能計測装置は、リハビリテーション中またはリハビリテーション後に被験者の
    脳活動を計測するように構成され、
    前記制御装置は、定期的に、前記脳機能計測装置の計測結果に基づいて前記指標を取得
    して表示させるように構成されている、請求項1に記載のリハビリテーション支援システ
    ム。
  3. 取得した前記指標を記憶する記憶部をさらに備え、
    前記制御装置は、前記記憶部に記憶された過去の前記指標とともに、今回取得した前記
    指標を前記表示装置に表示するように構成されている、請求項1に記載のリハビリテーシ
    ョン支援システム。
  4. 前記制御装置は、前記記憶部に記憶された過去の前記指標と、今回取得した前記指標と
    を、経過時間および脳機能の回復度合いを示す前記指標を各軸とする時系列のグラフ形式
    で前記表示装置に表示するように構成されている、請求項3に記載のリハビリテーション
    支援システム。
  5. 前記制御装置は、前記被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての数値データと、
    前記数値データの評価を示す表示とを、前記表示装置に表示するように構成されている、
    請求項1に記載のリハビリテーション支援システム。
  6. 前記制御装置は、前記被験者の脳機能の回復度合いを示す指標としての数値データが脳
    機能の改善を示す場合に、被験者を褒めるまたは励ます文章を前記数値データの評価を示
    す表示として表示するように構成されている、請求項6に記載のリハビリテーション支援
    システム。
  7. 前記脳機能計測装置は、日々のリハビリテーション毎に被験者の脳活動を計測するよう
    に構成され、
    前記制御装置は、1日のリハビリテーションの結果として、その日の前記脳機能計測装
    置の計測結果に基づいて前記指標を取得して表示させるように構成されている、請求項2
    に記載のリハビリテーション支援システム。
  8. 脳機能障害を伴う被験者のリハビリテーションに用いられる脳機能計測装置であって、
    被験者の脳活動を示す信号を検出する検出端子部と、
    前記検出端子部の検出信号を取得して被験者の脳活動を計測する計測部と、
    表示部と、
    リハビリテーションにおける被験者の脳活動の計測結果に基づいて、被験者の脳機能の
    回復度合いを示す指標として、脳機能障害を有する被験者に特有の健常者とは異なるパタ
    ーンを表す情報を取得するとともに、
    取得した前記指標を前記表示部に表示する制御を行う制御部とを備え、
    前記被験者の脳機能の回復度合いを示す前記指標とは、脳機能障害者と健常者とにおい
    て、脳機能が活性化するパターンが異なる領域における脳機能の左右差を示す側化指数、
    または、脳機能障害者と健常者とにおいて、脳機能が活性化するパターンが異なる領域に
    おける脳活動変化が所定の閾値を超える脳領域の面積であることを特徴とする、
    脳機能計測装置。
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