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JP6489691B2 - 押出成形用金型 - Google Patents
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JP6489691B2 - 押出成形用金型 - Google Patents

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Description

本発明は、長尺成形品を押出成形する際に用いられる押出成形用金型に関する。
従来より、超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリイミドなどの合成樹脂を連続して成形する方法として、例えば特許文献1〜3に書かれているようなラム押出成形がある。
上述したラム押出成形では、押出機と連結した金型内に形成された樹脂流路において、加熱領域で溶融した樹脂が冷却領域を通過する。その際、溶融樹脂は、表面固化領域(冷却領域上流側の領域であって樹脂の表面のみが固化した領域)、完全固化領域(冷却領域下流側の領域であって樹脂の内部まで固化した領域)を経て、順次固化して連続的な成形品が形成される。
特開平6−155553号公報 特開平10−193433号公報 特許第5087621号公報
ところで、上述のようにして形成される押出成形品のなかには、切削などの後加工によって所定の寸法及び外観性状を整えることが困難なものもある(例えば、T字状又はU字状の断面形状を有する異形押出成形品など)。この場合、押出成形によって形成された寸法及び外観性状がそのまま製品の寸法及び外観性状となるため、高度な寸法精度及び外観品質が必要になる。
上述のように良好な寸法精度及び外観品質を得るには、樹脂が冷却されて固化する際の収縮を小さくすることが重要であり、そうするためには、表面固化領域において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが必要となる。
この点につき、例えば、金型の樹脂通路を長くしたり、或いは成形条件(シリンダー温度、押出温度、金型温度、冷却水温度、冷却水水量等)を調整して樹脂流路と表面固化後の樹脂との間の摺動抵抗を大きくすることで、表面固化領域において内部樹脂を保圧することが考えらえる。しかしながら、金型の樹脂通路を長くすると金型が大きくなり、コスト面、設置スペースの観点において好ましくない。また、成形条件を調整することにより摺動抵抗を大きくしようとした場合、その制御が難しい。
本発明は、上記課題を解決するためのものであり、その目的は、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供することである。
(1)上記課題を解決するため、本発明のある局面に係る押出成形用金型は、上型及び下型を備え、前記上型及び前記下型が互いに型締めされた状態で押出機によって押し出された溶融樹脂が通過する樹脂通路が形成され、当該溶融樹脂が冷却されて前記樹脂通路の下流端に形成された樹脂通路出口から外部へ流出することにより長尺状樹脂部材が形成される押出成形用金型であって、前記上型及び前記下型は、前記押出機によって押し出された前記溶融樹脂が加熱される領域である加熱領域と、前記加熱領域を通過した後の前記溶融樹脂が冷却される冷却領域と、を含み、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分には、前記上型と前記下型との間に隙間が形成され、前記冷却領域において、前記上型を前記下型側へ押圧して前記隙間を狭くすることにより、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分の長手方向に垂直な通路断面を小さくする押圧部、を更に備えている。
この構成では、押出機によって押し出された溶融樹脂が樹脂通路を通過しつつ、該樹脂通路の下流側に設けられた冷却領域によって冷却されて固化されることにより、長尺状樹脂部材が形成される。このようにして形成された長尺状樹脂部材は、樹脂通路出口から順次流出され、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が生成される。
また、この構成では、樹脂通路の樹脂通路出口側の部分における上型と下型との間に隙間が形成されており、押圧部によって上型を下型側へ押圧することにより、冷却領域下流側における上記隙間を狭くすることができる。このようにして冷却領域下流側における隙間を狭くすると、冷却領域下流側(樹脂通路出口側)を通過する樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗が大きくなるため、冷却領域の上流側を通過する樹脂部材(表面が固化されて内部が溶融状態となっている樹脂部材)の内部樹脂圧が大きくなる。これにより、内部樹脂が冷却されて固化される際に大きく収縮してしまうことを抑制できる。
そして、この構成によれば、長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗を大きくするために樹脂通路を長くする必要がないため、金型の大型化及び高コスト化を抑制できる。更に、この構成によれば、押圧部による上型の押圧量を調整することにより、長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗を容易に調整することができる。
従って、この構成によれば、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
(2)好ましくは、前記上型及び前記下型のうちの一方には、他方との間に形成される前記隙間が前記長尺状樹脂部材の進行方向に沿って徐々に大きくなる傾斜面が形成され、前記押圧部は、前記上型を前記下型側へ押圧して、該上型における前記樹脂通路出口側の部分を撓ませる。
この構成では、上型及び下型のうちの一方に傾斜面を形成することにより、上型と下型との間の隙間を容易に形成することができる。また、この構成によれば、上型を下型側へ押圧して上型における樹脂通路出口側の部分を撓ませることにより、上型と下型との間の隙間を容易に調整できる。
(3)好ましくは、前記上型は、前記上型のうち下側の金型であって、前記下型との間で前記隙間を形成する上中型と、前記上型のうち上側の金型であって、前記上中型を保持する上外型と、を有し、前記押圧部は、前記上外型に形成されたネジ孔に螺合する押圧ボルトで構成され、先端部が前記上外型の下面から下方へ突出することにより、前記上中型を前記下型側へ押圧する。
この構成では、押圧部がボルト(押圧ボルト)で構成されるため、当該押圧ボルトの締め込み量を調整することで、長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗の調整を容易に行うことができる。
(4)好ましくは、前記上型は、固定側部位と、前記固定側部位とは別の部材として設けられた前記樹脂通路出口側の部位であって、前記固定側部位に対して上下方向に移動可能な可動側部位とを有し、前記押圧部は、前記可動側部位を押圧して該可動側部位を前記下型側へ移動させる。
この構成では、押圧部によって上型の可動側部位を押圧することにより、上型と下型との間の隙間を小さくして長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗を大きくすることができる。また、この構成では、固定側部位と可動側部位とが別体に形成されているため、例えばこれらが一体に形成されている場合のように上型を撓ませて前記隙間を小さくする必要がなくなるため、耐久性に優れた押出成形用金型を提供できる。
(5)更に好ましくは、前記押出成形用金型は、前記下型に固定され、先端部が前記下型の上面から上方へ突出して前記可動側部位の下面に当接する突出部を更に備えている。
この構成では、突出部の突出量によって上型と下型との間の隙間の幅を安定化できるため、長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗についても安定化できる。また、この構成によれば、当該押出成形用金型を分解し再度組み立てる場合であっても前記隙間の幅を再現しやすいため、ロット毎に寸法精度及び外観性状のばらつきが少ない長尺状樹脂部材を生成することができる。
(6)更に好ましくは、前記突出部は、前記先端部の前記上面に対する突出量を調整可能な調整ボルトである。
この構成では、突出部としてボルト(調整ボルト)が用いられるため、ボルトの締め込み量を調整することにより、下型の上面を基準とした突出部の突出量を容易に調整できる。これにより、長尺状樹脂部材と樹脂通路との間の摺動抵抗の調整を容易に行うことができる。
(7)好ましくは、前記樹脂通路の内周面には、硬質メッキが施されている。
この構成によれば、樹脂通路上流側の部分と長尺状樹脂部材との間の摺動抵抗を小さくできる。そうすると、樹脂通路下流側(樹脂通路における上型と下型との間に隙間が形成されている部分)の摺動抵抗を大きくすることで、樹脂通路における上流側の部分と下流側の部分との間の摺動抵抗の差を大きくすることができる。このように、樹脂通路上流側の部分と下流側の部分との間の摺動抵抗差を大きくすることで、長尺状樹脂部材の寸法調整範囲及び外観性状の調整範囲を広げることができる。
(8)好ましくは、前記押出成形用金型には、複数の前記樹脂通路が形成され、前記押出成形用金型は、複数の前記樹脂通路の配列方向に沿って並ぶ複数の前記押圧部を更に備えている。
この構成では、各押圧部の上型に対する押圧量を個別に調整することにより、複数の樹脂通路のそれぞれを進行する長尺状樹脂部材の摺動抵抗を微調整できる。これにより、各長尺状樹脂部材の寸法精度及び外観性状を個別に微調整することができる。
本発明によると、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
押出機と、押出成形用金型と、これらによって成形された長尺状樹脂部材とを側方から視た模式図である。 長尺状樹脂部材の断面斜視図である。 押出成形用金型を上方から視た図である。 図3のIV-IV線における断面図である。 図3のV-V線における断面図である。 図3のVI-VI線における断面図である。 図5の一部を拡大して示す図であって、押圧ボルトによる上中型の押圧を行う前の状態を示す図である。 図7に示す状態から、押圧ボルトによる上中型の押圧を行った後の状態を示す図である。 変形例に係る押出成形用金型を上方から視た図である。 図9に示す押出成形用金型を下方から視た図である。 図9のXI-XI線における断面図である。 図9のXII-XII線における断面図である。 図11のVIII部の拡大図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、変形例に係る押出成形用金型の上中型と下中型との間の部分を示す縦断面図である。 試験片の形状を模式的に示す断面斜視図である。
以下では、本発明の実施形態に係る押出成形用金型1について説明する。図1は、押出機50と、押出成形用金型1と、これらによって成形された長尺状樹脂部材55とを側方から視た模式図である。
なお、以下で説明する各図において、説明の便宜上、前と記載された矢印が指示する方向を前側、前方、又は手前側と称し、後と記載された矢印が指示する方向を後側、後方、又は奥側と称し、右と記載された矢印が指示する方向を右側と称し、左と記載された矢印が指示する方向を左側と称し、上と記載された矢印が指示する方向を上側又は上方と称し、下と記載された矢印が指示する方向を下側又は下方と称する。
押出成形用金型1では、押出機50のピストン51(ラムとも呼ばれる)によって順次、押し出されたペレット状の樹脂材料Mが、押出機50の可塑化シリンダー52及び押出成形用金型1の加熱領域HZによって加熱されて溶融されつつ、押出成形用金型1内に形成された樹脂通路18を通過する。樹脂通路18を通過する溶融樹脂は、押出成形用金型1の下流側に設けられた冷却領域CZによって冷却されて固化される。これにより、一続きの長尺状樹脂部材55が順次、形成される。この長尺状樹脂部材55は、樹脂通路18の樹脂通路出口19から順次排出された後、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が形成される。
[長尺状樹脂部材の形状]
図2は、長尺状樹脂部材55の断面斜視図である。本実施形態に係る押出成形用金型1では、前後方向に細長い長尺状樹脂部材55が形成される。長尺状樹脂部材55は、図2に示すように、長手方向に垂直な断面が略T字状となるように形成された、いわゆる異形押出成形品である。長尺状樹脂部材55は、下面56aが平坦状に形成された前後方向に延びる第1部分56と、該第1部分56の上面56bにおける左右方向中央部を前後方向に延びる第2部分57とを有し、これらが一体に形成されている。
[押出成形用金型の構成]
図3は、押出成形用金型1を上方から視た図である。また、図4は、図3のIV-IV線における断面図であり、図5は、図3のV-V線における断面図であり、図6は、図3のVI-VI線における断面図である。
図3から図6を参照して、押出成形用金型1は、上型3及び下型4を有する金型本体部2と、複数の型締めボルト27と、複数の面圧調整ボルト28と、複数の押圧ボルト29(押圧部)と、を有している。
[上型の構成]
上型3は、図4から図6を参照して、上外型5及び上中型6を有している。
上外型5は、上型3における上側の部分として設けられている。上外型5は、図4及び図5を参照して、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された上外型本体部11と、該上外型本体部11における後側の部分からさらに後側に延びる延出部12とを有し、これらが一体に形成されている。延出部12は、後側から視た形状が、上側に膨らむ半円弧状に形成されている。延出部12は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、詳しくは後述する下型4に形成された延出部32とともに、押出機連結部20を構成する。
上外型本体部11の下側には、上中型6が嵌め込まれる凹部11aが形成されている。上中型6は、この凹部11aに嵌め込まれる。すなわち、上外型5及び上中型6は、入れ子構造となっている。
上外型本体部11には、複数の型締めボルト用ネジ孔13と、複数の面圧調整ボルト用ネジ孔14と、複数の押圧ボルト用ネジ孔15と、が形成されている。各ネジ孔13,14,15は、上外型本体部11を上下方向に貫通するネジ孔によって形成されている。なお、図3では、各ネジ孔13,14,15の図示は省略しているが、各ネジ孔13,14,15の位置は、詳しくは後述する各ボルト27,28,29の位置に対応している。具体的には、型締めボルト用ネジ孔13の位置は、型締めボルト27の位置に対応し、面圧調整ボルト用ネジ孔14の位置は、面圧調整ボルト28の位置に対応し、押圧ボルト用ネジ孔15の位置は、押圧ボルト29の位置に対応している。
型締めボルト用ネジ孔13(図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている)は、上外型本体部11における右端部分、中央部分、及び左端部分のそれぞれに、前後方向に等間隔となるように複数個(具体的には、右側部分及び左側部分にそれぞれ11個、中央部分に9個)、形成されている。また、型締めボルト用ネジ孔13は、上外型本体部11における延出部12付近の部分に2個、形成されている。すなわち、型締めボルト用ネジ孔13は、上外型本体部11に31個、形成されている。各型締めボルト用ネジ孔13の内周面には、型締めボルト27が螺合可能な雌ネジが形成されている。型締めボルト用ネジ孔13は、上外型本体部11全体に亘って概ね均一的に、すなわち、加熱領域HZ及び冷却領域CZの双方に亘って、形成されている。
面圧調整ボルト用ネジ孔14(図3における面圧調整ボルト28の位置に対応して形成されている)は、上外型本体部11の加熱領域HZに12個、形成されている。具体的には、面圧調整ボルト用ネジ孔14は、上外型本体部11の加熱領域HZにおける、右側寄りの部分、左右方向中央部分、及び左側寄りの部分のそれぞれに、前後方向に等間隔となるように複数個(具体的には、4個)、形成されている。各面圧調整ボルト用ネジ孔14の内周面には、面圧調整ボルト28が螺合可能な雌ネジが形成されている。
押圧ボルト用ネジ孔15(図3における押圧ボルト29の位置に対応して形成されている)は、上外型本体部11の冷却領域CZに4個、形成されている。具体的には、押圧ボルト用ネジ孔15は、上外型本体部11の冷却領域CZにおける、右側寄りの部分及び左側寄りの部分のそれぞれに、互いに間隔を空けて2つ、形成されている。各押圧ボルト用ネジ孔15の内周面には、押圧ボルト29が螺合可能な雌ネジが形成されている。
また、図4及び図5を参照して、上外型本体部11の冷却領域CZには、複数の(本実施形態の場合、3つの)冷却水管16が形成されている。各冷却水管16は、上外型本体部11の冷却領域CZを左右方向に貫通する貫通孔によって形成されている。冷却水管16には、冷却水が流れる。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZから順次、搬送される溶融樹脂を冷却して固化することができる。
上中型6は、図4及び図5を参照して、上外型5に形成された凹部11aに嵌め込まれる入れ子である。上中型6は、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された上中型本体部21によって構成されている。
上中型本体部21には、図4及び図5を参照して、複数の型締めボルト用貫通孔23と、複数の面圧調整ボルト用凹部24と、複数の押圧ボルト用凹部25と、が形成されている。
型締めボルト用貫通孔23(図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている)は、上中型本体部21に31個、形成されている。具体的には、各型締めボルト用貫通孔23は、上中型6が上外型5に嵌め込まれた状態において、上方から視て、各型締めボルト用ネジ孔13と重なる位置に形成されている。各型締めボルト用貫通孔23は、型締めボルト27が挿通可能な大きさに形成されている。
面圧調整ボルト用凹部24(図3における面圧調整ボルト28の位置に対応して形成されている)は、上中型本体部21の加熱領域HZに12個、形成されている。具体的には、各面圧調整ボルト用凹部24は、上中型6が上外型5に嵌め込まれた状態において、上方から視て、各面圧調整ボルト用ネジ孔14と重なる位置に形成されている。各面圧調整ボルト用凹部24は、図4及び図5に示すように、面圧調整ボルト28の下端部が挿通可能な大きさに形成されている。
押圧ボルト用凹部25(図3における押圧ボルト29の位置に対応して形成されている)は、上中型本体部21の冷却領域CZに4個、形成されている。具体的には、各押圧ボルト用凹部25は、上中型6が上外型5に嵌め込まれた状態において、上方から視て、各押圧ボルト用ネジ孔15と重なる位置に形成されている。各押圧ボルト用凹部25は、上中型本体部21の上面から下方へ凹む凹状に形成されている。各押圧ボルト用凹部25は、図5に示すように、押圧ボルト29の下端部が挿通可能な大きさに形成されている。
[下型の構成]
下型4は、図4から図6を参照して、下外型7及び下中型8を有している。
下外型7は、下型4における下側の部分として設けられている。下外型7は、図4及び図5を参照して、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された下外型本体部31と、該下外型本体部31における後側の部分からさらに後側に延びる延出部32とを有し、これらが一体に形成されている。延出部32は、後側から視た形状が、下側に膨らむ半円弧状に形成されている。延出部32は、上述したように、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上外型5に形成された延出部12とともに、押出機連結部20を構成する。図4を参照して、押出機連結部20の内側には、押出機50によって押し出された溶融樹脂が通過する押出機側樹脂通路20aが形成されている。
下外型本体部31の上側には、下中型8が嵌め込まれる凹部31aが形成されている。下中型8は、この凹部31aに嵌め込まれる。すなわち、下外型7及び下中型8は、上外型5及び上中型6と同様、入れ子構造となっている。
下外型本体部31には、図4を参照して、複数の型締めボルト用ネジ孔33が形成されている。型締めボルト用ネジ孔33は、下外型本体部31を上下方向に貫通するネジ孔によって形成されている。
型締めボルト用ネジ孔33(図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている)は、下外型本体部31に31個、形成されている。具体的には、各型締めボルト用ネジ孔33は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上述した各型締めボルト用ネジ孔13及び各型締めボルト用貫通孔23と重なる位置に形成されている。各型締めボルト用ネジ孔33の内周面には、型締めボルト用ネジ孔13の場合と同様、型締めボルト27が螺合可能な雌ネジが形成されている。
また、下外型本体部31の冷却領域CZには、複数の(本実施形態の場合、3つの)冷却水管36が形成されている。各冷却水管36は、下外型本体部31の冷却領域CZを左右方向に貫通する貫通孔によって形成されている。冷却水管36には、冷却水が流れる。これにより、押出成形用金型1の加熱領域HZから順次、搬送される溶融樹脂を冷却して固化することができる。
下中型8は、図4及び図5を参照して、下外型7に形成された凹部31aに嵌め込まれる入れ子である。下中型8は、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された下中型本体部41によって構成されている。
下中型本体部41には、図4を参照して、複数の型締めボルト用貫通孔43(図3における型締めボルト27の位置に対応して形成されている)が形成されている。型締めボルト用貫通孔43は、下中型本体部41に31個、形成されている。具体的には、各型締めボルト用貫通孔43は、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態において、上述した各型締めボルト用ネジ孔13及び各型締めボルト用貫通孔23と重なる位置に形成されている。各型締めボルト用貫通孔43は、型締めボルト用貫通孔23の場合と同様、型締めボルト27が挿通可能な大きさに形成されている。
図7は、図5の一部(冷却領域CZ付近)を拡大して示す図である。図7を参照して、下中型8の上面には、傾斜面47が形成されている。なお、図7では、図面を見やすくするために、便宜上、傾斜角度が大きくなるように傾斜面47を図示している。
傾斜面47は、下中型8の上面のうち冷却領域CZ側の部分に形成されている。傾斜面47は、冷却領域CZにおける上流側(後側)から下流側(前側)へ向かって斜め下方に向かって緩やかに傾斜している。これにより、冷却領域CZにおける上型3と下型4との間、より詳しくは上中型6と下中型8との間には、隙間Gが形成される。この隙間Gは、冷却領域CZにおける上流側(後側)から下流側(前側)へ向かうにつれて徐々に大きくなる。
[各ボルトの構成]
型締めボルト27は、押出成形用金型1の型締めを行うためのボルトである。押出成形用金型1では、下型4に上型3が重ねられ、各型締めボルト用ネジ孔13,33及び型締めボルト用貫通孔23,43が上下方向に重なった状態で、型締めボルト27が、図4に示すように、型締めボルト用ネジ孔13,33に跨るように螺合される。
面圧調整ボルト28は、押出成形用金型1の加熱領域HZにおける上中型6と下中型8との間のPL面(金型分割面)の面圧を調整するためのボルトである。具体的には、面圧調整ボルト28は、下型4に上型3が重ねられ、面圧調整ボルト用ネジ孔14及び面圧調整ボルト用凹部24が上下方向に重なった状態で、該面圧調整ボルト28の先端部が面圧調整ボルト用凹部24を押圧するように、面圧調整ボルト用ネジ孔14に螺合される。このとき、面圧調整ボルト28の締め込み度合を調整することにより、上中型6と下中型8との間のPL面の面圧を調整することができる。
図8は、図7に示す状態から、押圧ボルト29による上中型6の押圧を行った後の状態を示す図である。押圧ボルト29は、図7及び図8を参照して、上中型6を下方へ押圧して撓ませることにより、隙間Gの幅を調整するためのものである。具体的には、押圧ボルト29は、下型4に上型3が重ねられ、押圧ボルト用ネジ孔15及び押圧ボルト用凹部25が上下方向に重なった状態で、該押圧ボルト29の先端部が押圧ボルト用凹部25を押圧するように、押圧ボルト用ネジ孔15に螺合される。このとき、押圧ボルト29の締め込み度合を調整して、上中型6を下方へ押圧して撓ませることにより(図8参照)、隙間Gの幅を調整することができる。なお、このように隙間Gの幅を調整する理由については、長尺状樹脂部材55の成形過程とともに、以下で詳しく説明する。
[樹脂通路の構成]
押出成形用金型1のPL面(具体的には上型3の下面及び下型4の上面)には、樹脂通路18が形成されている。樹脂通路18は、上外型5及び下外型7のそれぞれに形成された溝状の部分により構成された上流側樹脂通路18a(図4参照)と、上中型6に形成された溝状の部分と下中型8の上面とにより構成された下流側樹脂通路18b(図5及び図6参照)と、を有している。
上流側樹脂通路18aは、上述した押出機側樹脂通路20aと、押出機側樹脂通路20aの下流端から分岐する4つの分岐路(図示省略)とを有している。
下流側樹脂通路18bは、図6を参照して、上型3及び下型4が互いに型締めされた状態における上中型6及び下中型8に4つ、形成されている。各下流側樹脂通路18bの上流端は、上流側樹脂通路18aの各分岐路の下流端に連通している。これにより、押出機50から押し出された溶融樹脂が押出機側樹脂通路20aを流れた後、各分岐路に分岐し、当該各分岐路を流れた溶融樹脂が、各分岐路の下流端と連通する各下流側樹脂通路18bを流れることとなる。
4つの下流側樹脂通路18bは、互いに左右方向に間隔を開けて、前後方向に延びるように形成されている。各下流側樹脂通路18bは、その断面形状が、該下流側樹脂通路18bを通過しながら固化される長尺状樹脂部材55の断面が図2に示す略T字状となるような形状に形成されている。図6を参照して、押出成形用金型1の右側に並ぶ2つの下流側樹脂通路18b,18bの上方には、前後方向に並ぶ2つの押圧ボルト29a,29aが対応して配置され、押出成形用金型1の左側に並ぶ2つの下流側樹脂通路18b,18bの上方には、前後方向に並ぶ2つの押圧ボルト29b,29bが対応して配置されている。
また、樹脂通路18の内周面の表面は、平滑となるように(すなわち、凹凸が比較的小さくなるように)形成されている。そして、樹脂通路18の内周面には、硬質メッキ18cが施されている。これにより、樹脂通路18の内周面と、該樹脂通路18を通過する樹脂との間の摺動抵抗を小さくすることができる。
[長尺状樹脂部材の成形過程]
図1から図8を参照して、本実施形態に係る押出成形用金型1では、型締めボルト27による上型3及び下型4の型締め、面圧調整ボルト28による上中型6と下中型8との間の面圧調整、押圧ボルト29による隙間Gの調整、その他の成形条件(金型温度等)が適切に設定された後、押出機50による樹脂材料Mの押し出しが行われる。ピストン51によって押し出された樹脂材料Mは、加熱されて溶融されつつ、上流側樹脂通路18a(すなわち、押出機側樹脂通路20a及び分岐路)を通過し、各分岐路の下流端から各下流側樹脂通路18bへ流れ込む。
各下流側樹脂通路18bへ流れ込んだ溶融樹脂は、加熱領域HZに設けられた加熱機構(図示省略)で加熱されつつ、冷却領域CZへ流れ込む。冷却領域CZにおける上流側の部分(表面固化領域)では、溶融樹脂が、冷却水管16,36を流れる冷却水によって冷却されることにより、下流側樹脂通路18bを流れる溶融樹脂の表面部分が固化される。そして、冷却領域CZにおける下流側の部分(完全固化領域)では、樹脂の内部についても固化される。これにより、樹脂の表面及び内部が固化された状態の長尺状樹脂部材55が生成される。このように生成された長尺状樹脂部材55は、樹脂通路出口19から金型外部へ順次、排出される。
[隙間Gの調整について]
ところで、本実施形態に係る押出成形用金型1で生成される長尺状樹脂部材55は、いわゆる異形押出成形品であり、丸棒状或いは板状の押出成形品と比べて形状が複雑であるため、押出成形後の後加工が非常に困難である。すなわち、異形押出成形品では、押出成形された寸法及び外観性状が、そのまま製品の寸法及び外観性状となる。
上述のように良好な寸法精度及び外観品質を得るには、溶融樹脂が冷却されて固化する際の収縮を小さくすることが重要であり、そうするためには、表面固化領域(樹脂通路18における冷却領域CZの上流側の部分)において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが必要となる。
この点につき、本実施形態に係る押出成形用金型1では、押圧ボルト29の締め込み量を調整することにより、隙間Gの幅を調整することができる。図7に示す状態において押圧ボルト29を締め込むと、図8に示すように、上中型6における冷却領域Z側の部分(樹脂通路出口側の部分)が下方へ撓み、隙間Gが狭くなる。そうなると、下流側樹脂通路18bにおける冷却領域CZの上流側の部分の流路が狭くなり、下流側樹脂通路18bにおける表面固化領域の部分と長尺状樹脂部材55との間の摺動抵抗が大きくなる。これにより、表面固化領域において内部樹脂圧が大きくなるように保圧することが可能となる。このように、押圧ボルト29の締め込み量を調整して隙間Gの幅を調整することで、所望の寸法精度及び外観性状を有する長尺状樹脂部材55を生成することができる。
[効果]
以上説明したように、上記実施形態に係る押出成形用金型1では、押出機50によって押し出された溶融樹脂が樹脂通路18を通過しつつ、該樹脂通路18の下流側に設けられた冷却領域CZによって冷却されて固化されることにより、長尺状樹脂部材55が形成される。このようにして形成された長尺状樹脂部材55は、樹脂通路出口19から順次流出され、所望の長さに切断されることにより、押出成形品が生成される。
また、押出成形用金型1では、樹脂通路18の樹脂通路出口19側の部分における、上中型6と下中型8との間に隙間Gが形成されており、押圧ボルト29によって上中型6を下中型8側へ押圧することにより、冷却領域CZの下流側における上記隙間Gを狭くすることができる。このようにして冷却領域CZの下流側における隙間Gを狭くすると、冷却領域CZの下流側(樹脂通路出口19側)を通過する樹脂部材と樹脂通路18との間の摺動抵抗が大きくなるため、冷却領域CZの上流側を通過する樹脂部材(表面が固化されて内部が溶融状態となっている樹脂部材)の内部樹脂圧が大きくなる。そうすると、内部樹脂が冷却されて固化される際に大きく収縮してしまうことを抑制できる。
そして、押出成形用金型1によれば、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を大きくするために樹脂通路を長くする必要がないため、金型の大型化及び高コスト化を抑制できる。更に、この構成によれば、押圧ボルト29による上型3の押圧量を調整することにより、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を容易に調整することができる。
従って、押出成形用金型1では、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
また、押出成形用金型1では、上型3及び下型4のうちの一方(本実施形態の場合、下型4の下中型8)に傾斜面47を形成することにより、上型3と下型4との間の隙間Gを容易に形成することができる。また、この構成によれば、上中型6を下中型8側へ押圧して上中型6における樹脂通路出口19側の部分を撓ませることにより、上中型6と下中型8との間の隙間を容易に調整できる。
また、押出成形用金型1では、上中型6を下中型8側へ押圧するための押圧部がボルト(押圧ボルト29)で構成されるため、当該押圧ボルト29の締め込み量を調整することで、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗の調整を容易に行うことができる。
また、押出成形用金型1によれば、樹脂通路18に施された硬質メッキ18cにより、樹脂通路18における上流側の部分と長尺状樹脂部材55との間の摺動抵抗を小さくできる。そうすると、樹脂通路18における下流側(樹脂通路18における上型3と下型4との間に隙間Gが形成されている部分)の摺動抵抗を大きくすることで、樹脂通路18における上流側の部分と下流側の部分との間の摺動抵抗の差を大きくすることができる。このように、樹脂通路18における上流側の部分と下流側の部分との間の摺動抵抗差を大きくすることで、長尺状樹脂部材55の寸法調整範囲及び外観性状の調整範囲を広げることができる。
また、押出成形用金型1では、各押圧ボルト29の上中型6に対する押圧量を個別に調整することにより、複数の樹脂通路18のそれぞれを進行する長尺状樹脂部材55の摺動抵抗を微調整できる。これにより、各長尺状樹脂部材55の寸法精度及び外観性状を個別に微調整することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することができる。例えば、次のような変形例を実施してもよい。
(1)図9は、変形例に係る押出成形用金型1aを上方から視た図である。また、図10は、図9に示す押出成形用金型1aを下方から視た図である。また、図11は、図9のXI-XI線における断面図である。また、図12は、図9のXII-XII線における断面図である。また、図13は、図11のVIII部の拡大図である。
上述した実施形態では、上中型6を撓ませて長尺状樹脂部材55が通過する樹脂通路18の流路断面を狭くすることにより、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を調整し、長尺状樹脂部材55の寸法精度及び外観性状を調整したが、これに限らない。本変形例に係る押出成形用金型1aでは、上中型6aを2つに分割し、一方を固定側上中型6b(固定側部位)、他方を可動側上中型6c(可動側部位)とし、可動側上中型6cを固定側上中型6bに対して上下動可能な構成としている。そして、可動側上中型6cを固定側上中型6bに上下動させることで樹脂通路18の流路断面を調整し、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を調整している。以下では、上述した実施形態に係る押出成形用金型1と構成及び動作が異なる箇所について説明し、その他の箇所については、説明を省略する。
本変形例に係る押出成形用金型1aは、上型3a及び下型4aを有する金型本体部2aを備えており、上型3aは上外型5及び上中型6aを、下型4aは下外型7a及び下中型8aを、それぞれ有している。押出成形用金型1aは、上述した実施形態に係る押出成形用金型1と比べて、上中型6a、下外型7a、及び下中型8aの構成が異なっている。また、押出成形用金型1aは、調整ボルト30(突出部)を備えている。
下中型8aは、上述した実施形態に係る下中型8と同じように、下外型7aに形成された凹部31aに嵌め込まれる入れ子であって、前後方向に長く且つ上下方向に所定の厚みを有するブロック状に形成された下中型本体部41aによって構成されている。下中型8aには、上述した実施形態に係る下中型8と同様、複数の型締めボルト用貫通孔43が形成されている。
また、下中型8aには、調整ボルト用ネジ孔48が形成されている。調整ボルト用ネジ孔48は、図10に示す調整ボルト30の位置に対応して、下中型本体部41aの冷却領域CZに12個、形成されている。具体的には、調整ボルト用ネジ孔48は、下中型本体部41aの冷却領域CZにおける、右側寄りの部分、左右方向中央部分よりもやや右側の部分、左右方向中央部分よりもやや左側の部分、左側寄りの部分、のそれぞれに、前後方向に等間隔となるように複数個(具体的には、3個)、形成されている。各調整ボルト用ネジ孔48の内周面には、調整ボルト30が螺合可能な雌ネジが形成されている。
調整ボルト30は、上述した調整ボルト用ネジ孔48に下側から挿入されて螺合される。具体的には、調整ボルト30は、下外型7aの下方から、下外型7aに形成された調整ボルト挿入用貫通孔37を介して調整ボルト用ネジ孔48に挿入され、該調整ボルト用ネジ孔48に螺合される。このとき、調整ボルト30は、図13を参照して、その先端部が下中型8aの上面から上方へ突出するように、調整ボルト用ネジ孔48に螺合される。このときの調整ボルト30の突出量dは、調整ボルト30の締め込み量を調整することにより、調整することができる。
上中型6aは、図11を参照して、固定側上中型6b及び可動側上中型6cを有している。
固定側上中型6bは、上中型6aにおける加熱領域HZ側の金型である。固定側上中型6bは、面圧調整ボルト28によって下方へ押圧された状態で、その下面が下中型8の上面と密着している。これにより、固定側上中型6bは、下中型8に対して固定された状態となっている。
可動側上中型6cは、固定側上中型6bとは別体に設けられた金型であって、上中型6aにおける冷却領域CZ側の金型である。可動側上中型6cは、その下面が、下中型8aに固定された複数の調整ボルト30の先端部によって支持される。
また、可動側上中型6cは、押圧ボルト29によって下方へ押圧される。すなわち、可動側上中型6cは、下中型8aに固定された複数の調整ボルト30の先端部と、上外型5に固定された複数の押圧ボルト29の先端部とで挟まれた状態で保持される。この状態において、可動側上中型6cと下中型8aとの間には、隙間Gが形成される。この隙間Gは、前後方向に亘って概ね同じ幅である。また、この隙間Gの幅は、調整ボルト30の突出量dによって決定される。
[隙間Gの調整について]
本変形例に係る押出成形用金型1aでは、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を調整するための隙間Gの調整は、以下のようにして行われる。具体的には、隙間Gの調整は、図13を参照して、調整ボルト30の突出量dを調整することにより行うことができる。
また、本変形例に係る押出成形用金型1aでは、押圧ボルト29の締め込み量を調整することにより、可動側上中型6cと下中型8aとの間の挟み込みによる圧力を調整することができる。よって、当該挟み込みによる圧力を調整することにより、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を微調整できる。
[効果]
以上説明したように、本変形例に係る押出成形用金型1aでは、可動側上中型6cを固定側上中型6bに対して上下方向に移動させて隙間Gを調整することにより、上記実施形態の場合と同様、所望の寸法精度及び外観性状を有する押出成形品を比較的容易に形成可能な押出成形用金型であって、コスト面及び設置スペースの観点において優れた押出成形用金型を提供できる。
また、押出成形用金型1aでは、押圧ボルト29によって可動側上中型6cを押圧することにより、上型3aと下型4aとの間の隙間Gを小さくして長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗を大きくすることができる。また、押出成形用金型1aでは、固定側上中型6bと可動側上中型6cとが別体に形成されているため、例えばこれらが一体に形成されている場合のように上型を撓ませて隙間を小さくする必要がなくなるため、耐久性に優れた押出成形用金型を提供できる。
また、押出成形用金型1aでは、調整ボルト30の突出量dによって上型3aと下型4aとの間の隙間Gの幅を安定化できるため、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗についても安定化できる。また、押出成形用金型1aによれば、当該押出成形用金型1aを分解し再度組み立てる場合であっても隙間Gの幅を再現しやすいため、ロット毎に寸法精度及び外観性状のばらつきが少ない長尺状樹脂部材55を生成することができる。
また、押出成形用金型1aでは、先端部が下中型8の上面から上方へ突出して可動側上中型6cの下面に当接する突出部としてボルト(調整ボルト30)が用いられるため、ボルト30の締め込み量を調整することにより、下中型8の上面を基準とした調整ボルト30の突出量dを容易に調整できる。これにより、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗の調整を容易に行うことができる。
なお、本変形例では、隙間Gの幅が前後方向に亘って概ね同じである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば一例として、前後方向に離れて位置する押圧ボルト29、又は調整ボルト30の締め込み量を互いに対して異なる値とすることで、隙間Gの幅を前後方向において異なる値とすることもできる。
(2)上述した実施形態では、図6を参照して、左右方向において、2つの樹脂通路18に1つの押圧ボルト29を対応させたが、これに限らない。例えば、金型のスペース的な制約の問題がなければ、左右方向において、各樹脂通路に1つの押圧ボルトを対応させてもよい。これにより、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗をより細かく微調整することができる。
(3)図9から図13を用いて説明した変形例では、図12を参照して、左右方向において、2つの樹脂通路18に1つの押圧ボルト29を対応させたが、これに限らない。例えば、金型のスペース的な制約の問題がなければ、左右方向において、各樹脂通路に1つの押圧ボルトを対応させてもよい。これにより、上述した場合と同様、長尺状樹脂部材55と樹脂通路18との間の摺動抵抗をより細かく微調整することができる。
(4)図9から図13を用いて説明した変形例では、図12を参照して、1つの可動側上中型6cに4つの下流側樹脂通路18bを形成する例を挙げて説明したが、これに限らない。具体的には、例えば一例として、前後方向に細長い複数の可動側上中型を左右方向に並列に設け、これら複数の可動側上中型のそれぞれに下流側樹脂通路を形成し、各可動側上中型に対して1つの押圧ボルト及び1つの調整ボルトを設けてもよい。こうすると、可動側上中型を下流側樹脂通路毎に独立して可動することができるため、下流側樹脂通路毎に摺動抵抗を最適化することができる。
(5)上述した実施形態では、本実施形態に係る押出成形用金型1を異形押出成形品に適用する例を挙げて説明したが、これに限らず、異形押出成形品以外の押出成形品(例えば、丸棒、或いは板状の成形品)に適用することもできる。
(6)図14(A)〜(C)は、それぞれ、変形例に係る押出成形用金型の上中型と下中型との間の部分を示す縦断面図である。上述した実施形態では、下中型8の傾斜面47を、該下中型8の前後方向中央部分から該下中型8の前側の端部に亘って徐々に傾斜するように形成したが、これに限らない。具体的には、図14(A)に示すように、傾斜面47aを、該下中型8の前後方向中央部分から、当該部分よりもやや前側の部分に亘って徐々に傾斜するように形成してもよい。或いは、上型と下型との間に隙間を形成するために、上記実施形態のような傾斜面を形成せずとも、例えば、図14(B)に示すようなR状の部分47b、図14(C)に示すような段差状の部分47cを形成してもよい。
(7)上述した実施形態では、傾斜面47を下中型8に形成する例を挙げて説明したが、これに限らず、上中型6に形成してもよい。
(8)上述した実施形態では、上中型6を撓ませるための押圧部を押圧ボルト29で構成したが、これに限らず、上中型6を下方へ撓ませることができる構成であれば、どのような構成であってもよい。例えば一例として、互いに厚みが異なる複数種類のスペーサを準備し、これらの中から適切な厚みを有するスペーサを選択して上外型と上中型との間に挟み込みことにより、上中型の下方への撓み量を調整してもよい。
(9)上述した実施形態では、入れ子構造を有する上型及び下型を有する押出成形用金型を例に挙げて説明したが、これに限らず、本発明は、それぞれが一体に形成された上型及び下型を有する押出成形用金型に適用することもできる。
本実施例では、上述した実施形態に係る押出成形用金型1を用いて、上中型6を所定量下方へ撓ませた状態で成形した押出成形品の寸法精度及び外観性状を評価した。当該押出成形品の比較例として、押出成形用金型1において上中型6を撓ませずに成形した押出成形品を用いた。実施例では、上中型6を撓ませた状態での樹脂通路出口19側の隙間Gが0.4mmとなるように、押圧ボルト29の締め込み量を調整した。一方、比較例では、上中型6を撓ませず、樹脂通路出口19側の隙間Gが1.0mmとなるように、押圧ボルト29の締め込み量を調整した。
[試験片の作成方法]
押出成形品の原料となる樹脂として、粉末状の超高分子量ポリエチレン(UHMW−PE)を使用した。また、押出機50の可塑化シリンダー52の温度を約170℃、金型1の加熱領域HZにおける温度を約150℃とした。このような条件下で、溶融した樹脂を金型1内の樹脂通路18を通過させ、冷却水によって冷却して固化させることで所定形状の長尺状樹脂部材55を約300m成形(異形成形)した。このように成形した長尺状樹脂部材55から長さ1mの部位をランダムに7箇所から採取して試験片60とした(図15参照)。
[寸法精度の試験方法]
図15は、試験片60の形状を模式的に示す断面斜視図である。本試験では、7箇所から採取した各試験片60の長さ方向(前後方向)の中央付近の断面において、d1〜d5の位置の寸法をマイクロメーターで測定し、7本の試験片60の平均値および標準偏差を算出した。寸法が狙い値に近く、標準偏差(=ばらつき)が小さいほど、樹脂の収縮が少なく、寸法精度が良好と判定した。
[外観性状の試験方法]
7箇所から採取した各試験片60の突出部61の上面61aと、各試験片60の下面62とで発生した試験片1mあたりのヒケ63の個数を目視で数え、試験片7本の平均値を算出した。試験片70の単位長さあたりのヒケ63の数が少ないほど外観性状が良好と判定した。
[寸法精度の試験結果]
表1は、比較例に係る各試験片60の寸法データを纏めた表である。また、表2は、実施例に係る各試験片60の寸法データを纏めた表である。
Figure 0006489691
Figure 0006489691
金型1を撓ませずに成形した比較例では、7本の試験片のd1〜d5の各寸法が狙い値から大きくはずれ、寸法のばらつきも大きかった。一方、金型1を撓ませて成形した実施例では、寸法が狙い値にかなり近く、寸法のばらつきも小さいことが確認できた。
[外観性状の試験結果]
表3は、比較例に係る各試験片60のヒケ63の数を纏めた表である。また、表4は、実施例に係る各試験片60のヒケ63の数を纏めた表である。
Figure 0006489691
Figure 0006489691
金型1を撓ませずに成形した比較例では、発生したヒケ63の個数が多く、製品の外観性状として許容できるものではなかった。一方、金型1を撓ませて成形した実施例では、発生したヒケ63の個数が少なく、製品の外観性状として許容できる製品が得られた。
以上から、金型1を撓ませて金型1の冷却領域CZの下流側における樹脂通路18を狭くすることで、樹脂と金型との摺動抵抗が大きくなり、押出成形品(長尺状樹脂部材55)の寸法精度及び外観性状が大幅に向上することが確認できた。
本発明は、長尺成形品を押出成形する際に用いられる押出成形用金型に広く適用できる。
1,1a 押出成形用金型
3,3a 上型
4,4a 下型
18 樹脂通路
19 樹脂通路出口
29 押圧ボルト(押圧部)
50 押出機
55 長尺状樹脂部材
CZ 冷却領域
HZ 加熱領域
G 隙間

Claims (6)

  1. 上型及び下型を備え、前記上型及び前記下型が互いに型締めされた状態で押出機によって押し出された溶融樹脂が通過する樹脂通路が形成され、当該溶融樹脂が冷却されて前記樹脂通路の下流端に形成された樹脂通路出口から外部へ流出することにより長尺状樹脂部材が形成される押出成形用金型であって、
    前記上型及び前記下型は、前記押出機によって押し出された前記溶融樹脂が加熱される領域である加熱領域と、前記加熱領域を通過した後の前記溶融樹脂が冷却される冷却領域と、を含み、
    前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分には、前記上型と前記下型との間に隙間が形成され、
    前記冷却領域において、前記上型を前記下型側へ押圧して前記隙間を狭くすることにより、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分の長手方向に垂直な通路断面を小さくする押圧部、を更に備え
    前記上型及び前記下型のうちの一方には、他方との間に形成される前記隙間が前記長尺状樹脂部材の進行方向に沿って徐々に大きくなる傾斜面が形成され、
    前記押圧部は、前記上型を前記下型側へ押圧して、該上型における前記樹脂通路出口側の部分を撓ませることを特徴とする、押出成形用金型。
  2. 請求項1に記載の押出成形用金型において、
    前記上型は、
    前記上型のうち下側の金型であって、前記下型との間で前記隙間を形成する上中型と、
    前記上型のうち上側の金型であって、前記上中型を保持する上外型と、
    を有し、
    前記押圧部は、前記上外型に形成されたネジ孔に螺合する押圧ボルトで構成され、先端部が前記上外型の下面から下方へ突出することにより、前記上中型を前記下型側へ押圧することを特徴とする、押出成形用金型。
  3. 上型及び下型を備え、前記上型及び前記下型が互いに型締めされた状態で押出機によって押し出された溶融樹脂が通過する樹脂通路が形成され、当該溶融樹脂が冷却されて前記樹脂通路の下流端に形成された樹脂通路出口から外部へ流出することにより長尺状樹脂部材が形成される押出成形用金型であって、
    前記上型及び前記下型は、前記押出機によって押し出された前記溶融樹脂が加熱される領域である加熱領域と、前記加熱領域を通過した後の前記溶融樹脂が冷却される冷却領域と、を含み、
    前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分には、前記上型と前記下型との間に隙間が形成され、
    前記冷却領域において、前記上型を前記下型側へ押圧して前記隙間を狭くすることにより、前記樹脂通路における前記樹脂通路出口側の部分の長手方向に垂直な通路断面を小さくする押圧部、を更に備え
    前記上型は、
    固定側部位と、
    前記固定側部位とは別の部材として設けられた前記樹脂通路出口側の部位であって、前記固定側部位に対して上下方向に移動可能な可動側部位とを有し、
    前記押圧部は、前記可動側部位を押圧して該可動側部位を前記下型側へ移動させるように構成され、
    前記押出成形用金型は、前記下型に固定され、先端部が前記下型の上面から上方へ突出して前記可動側部位の下面に当接する突出部を更に備えていることを特徴とする、押出成形用金型。
  4. 請求項に記載の押出成形用金型において、
    前記突出部は、前記先端部の前記上面に対する突出量を調整可能な調整ボルトであることを特徴とする、押出成形用金型。
  5. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の押出成形用金型において、
    前記樹脂通路の内周面には、硬質メッキが施されていることを特徴とする、押出成形用金型。
  6. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載の押出成形用金型において、
    複数の前記樹脂通路が形成され、
    複数の前記樹脂通路の配列方向に沿って並ぶ複数の前記押圧部を更に備えていることを特徴とする、押出成形用金型。
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