JP6489766B2 - 微粒子の担体 - Google Patents
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Description
また、触媒を固定した担体をさらに金属基材に固定する方法が採用されている。
特許文献3には、金属担体と多孔質皮膜からなるメタノール改質触媒又はCO酸化除去触媒のための触媒担体の発明が開示されている。前記多孔質皮膜は、ジルコニウム化合物を使用し、ゾル・ゲル法を適用して形成することが記載されている。
これらの発明では、いずれも金属基材と担体の組み合わせが必要である。
電気化学的エッチング処理を使用したときはエッチング液が必要となるほか、いずれの方法も処理装置が大型化する。
表層部に多孔構造を有する金属成形体からなる微粒子の担体であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものである、微粒子の担体を提供する。
また本発明は、
表層部に多孔構造を有する金属成形体からなる微粒子の担体であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、
さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものである、微粒子の担体を提供する。
金属成形体の形状は特に制限されるものではなく、用途に応じて選択されるものであり、平板、波板、円柱、楕円柱、多角柱、筒(断面が円形、楕円形、多角形、不定形など)、箔、ワイヤ、それらの表面に凹凸を有しているものなどの所望形状にすることができるほか、それらを組み合わせた平面構造(例えば、格子構造)、立体構造(例えば、立体格子構造、ハニカム構造)などにすることができる。
金属成形体として前記筒を使用するときは、外表面と内表面の一方または両方の表層部に多孔構造を形成することができる。
金属成形体として、図1に示すような平板の金属成形体10を使用したときは、面12〜面17の内の一部面(1つの面から5つの面)に多孔構造が形成されていてもよいし、6面全てに多孔構造が形成されていてもよく、さらに1つの面の一部または複数の面の一部に多孔構造が形成されていてもよい。
触媒としては、触媒活性を有する公知の金属、合金、金属化合物などを使用することができる。
これらの触媒としては、白金系金属、白金系金属の化合物、パラジウム、ロジウム、インジウム、銀、レニウム、錫、セリウム、ジルコニウム、金、金合金、マンガン、鉄、亜鉛、銅、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、コバルト合金、ルテニウム等の金属、前記金属の酸化物、炭酸塩などの無機化合物を挙げることができる。
図2は、金属成形体10の表面(例えば、図1の面12)に多数の線(図面では3本の線61〜63を示している。各線の間隔は50μm程度)が形成されて粗面化された状態を示している。なお、「金属成形体の表層部」は、表面から粗面化により形成された開放孔(幹孔または枝孔)の深さ程度までの部分であり、50〜500μm程度の深さ範囲である。
粗面化された表面を含む金属成形体10の表層部は、図3、図4に示すように、表面12側に開口部31のある開放孔30を有している。
開放孔30は、厚さ方向に形成された開口部31を有する幹孔32と、幹孔32の内壁面から幹孔32とは異なる方向に形成された枝孔33からなる。枝孔33は、1本または複数本形成されていてもよい。
なお、金属成形体10の多孔構造は、開放孔30の一部が幹孔32のみからなり、枝孔33がないものでもよい。
内部空間40は、トンネル接続路50により開放孔30と接続されている。
なお、多数の開放孔30が一つになって溝状の開放空間45が形成されていてもよい。
本発明の微粒子の担体に微粒子を固定する方法としては、触媒金属イオンを含有する水溶液に前記担体を浸漬する周知の含浸法(例えば、特開2012−55856号公報の実施例1)などを適用することができ、浸漬するときに加圧する方法を適用することもできる。
本発明の微粒子の担体は、金属成形体の表面を粗面化する(即ち、粗面化して多孔構造を形成する)ことで製造することができる。
粗面化工程(多孔構造の形成工程)は、金属成形体の表面に対して、連続波レーザーを使用して2000mm/sec以上の照射速度でレーザー光を連続照射する。
この工程では、金属成形体の表面に対して高い照射速度でレーザー光を連続照射することで、ごく短時間で粗面にすることができる。
連続波レーザーの照射速度が前記範囲であると、加工速度を高めることができる(即ち、加工時間を短縮することができる)。
(A)レーザー光の照射速度が5000〜20000mm/sec
(B)金属成形体表面の面積が100mm2
要件(A)、(B)であるときの加工時間を上記範囲内にするとき、処理対象となる表面の全面を粗面化することができる。
(I)図5、図6に示すように、金属成形体の表面(例えば長方形とする)の一辺(短辺または長辺)側から反対側の辺に向かって1本の直線または曲線が形成されるように連続照射し、これを繰り返して複数本の直線または曲線を形成する方法。
(II)金属成形体の表面の一辺側から反対側の辺に向かって連続的に直線または曲線が形成されるように連続照射し、今度は逆方向に間隔をおいての直線または曲線が形成されるように連続照射することを繰り返す方法。
(III)金属成形体の表面の一辺側から反対側の辺に向かって連続照射し、今度は直交する方向に対して連続照射する方法。
(IV)接合面に対してランダムに連続照射する方法。
同じ連続照射条件であれば、1本の直線または1本の曲線を形成するための照射回数(繰り返し回数)が増加するほど金属成形体の表面に対する粗面化の程度が大きくなる。
このときの間隔は、レーザー光のビーム径(スポット径)よりも大きくなるようにする。
また、このときの直線または曲線の本数は、金属成形体10の面12の面積(粗面化対照となる一部または全部の面積)に応じて調整することができる。
そして、これらの複数本の直線または複数本の曲線を1群として、これを複数群形成することができる。
このときの各群の間隔は0.01〜1mmの範囲(図6に示すb2の間隔)で等間隔になるようにすることができる。
なお、図5、図6に示す連続照射方法に代えて、図7に示すように、連続照射開始から連続照射終了までの間、中断することなく連続照射する方法も実施することができる。
出力は4〜4000Wが好ましく、50〜1000Wがより好ましく、100〜500Wがさらに好ましい。
波長は300〜1200nmが好ましく、500〜1200nmがより好ましい。
ビーム径(スポット径)は5〜200μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、5〜50μmがさらに好ましい。
焦点位置は−10〜+10mmが好ましく、−6〜+6mmがより好ましい。
金属成形体の表面は、平面でも曲面でもよいし、平面と曲面の両方を有しているものでもよい。
このとき、粗面化され、多孔構造が形成された金属成形体の表層部が図3、図4に示すような状態になることを説明する。
図2に示すとおり、レーザー光(例えば、スポット径11μm)を連続照射して多数の線(図面では3本の線61〜63を示している。各線の間隔は50μm程度。)を形成することで粗面化する。1本の直線への照射回数は1〜10回が好ましい。
このようにレーザー光を連続照射したときに図3、図4で示されるような開放孔30、内部空間40、開放空間45などが形成される詳細は不明であるが、所定速度以上でレーザー光を連続照射したとき、金属成形体10の表面12に一旦は孔や溝が形成されるが、溶融した金属が盛り上がって蓋をしたり、堰き止めたりする結果、開放孔30、内部空間40、開放空間45が形成されるものと考えられる。
また、同様に開放孔30の枝孔33やトンネル接続路50が形成される詳細も不明であるが、一旦形成された孔や溝の底部付近に滞留した熱によって、孔や溝の側壁部分が溶融する結果、幹孔32の内壁面が溶融して枝孔33が形成され、さらに枝孔33が延ばされてトンネル接続路50が形成されるものと考えられる。
なお、連続波レーザーに代えてパルスレーザーを使用したときには、金属成形体の接合面には開放孔が形成されるが、前記開放孔同士を接続するトンネル接続路、開口部を有していない内部空間は形成されない。
本発明の微粒子の担体は、微粒子状の触媒を固定することで各種反応に使用することができる。例えば、二酸化チタンなどの光触媒を固定することで気体中の反応に使用することができるほか、担体の耐熱性が高いことを利用して、必要な触媒を固定したものを化学プラントの排煙からNOxを除去する脱硝処理やSOxを除去する脱硫処理用として使用することができる。
実施例および比較例は、図1に示す金属成形体10(アルミニウム:A5052)の面12の一部面(40mm2の広さ範囲)に対して、表1に示す条件でレーザー光を連続照射した。
実施例1〜5、比較例1〜3は図5に示すようにレーザー光を連続照射し、実施例6は図6に示すようにレーザー光を連続照射した。
図9は、実施例2の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図10は、実施例3の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図11は、実施例4の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図12は、実施例5の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図13は、実施例6の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。面12が粗面化され、小さな凹部が形成された状態が確認できた。
図14は、比較例2の連続波レーザーによる連続照射後における金属成形体10の面12のSEM写真(100倍、500倍である)。照射速度が1000mm/secであることから、面12の粗面化が十分になされていなかった。
工業的規模で大量生産することを考慮すれば、加工時間の短縮ができる(即ち、製造に要するエネルギーも低減できる)実施例1の製造方法の工業的価値は非常に大きなものである。
実施例1と実施例2、3との対比から確認できるとおり、実施例2、3のようにレーザー照射の繰り返し回数を増加させた場合であっても、比較例1〜3と比べると加工時間を短縮することができた。
実施例および比較例は、図1に示す金属成形体10(アルミニウム:A5052)の面12の一部(90mm2の広さ範囲)に対して、表2に示す条件でレーザー光を連続照射した。
その後、実施例1〜6、比較例1〜3と同様に実施して、微粒子の担体を得た。
実施例および比較例は、図1に示す金属成形体10(アルミニウム:A5052)の面12の一部面(40mm2の広さ範囲)に対して、表3に示す条件でレーザーを連続照射した。
実施例10〜14、比較例8、9は図5に示すようにレーザー光を連続照射し、実施例15は図6に示すようにレーザー光を連続照射し、比較例7は図7に示すようにレーザー光を連続照射した。
次に、処理後の金属成形体を使用して、下記の方法で圧縮成形して、実施例および比較例の複合成形体を得た。
金属成形体10を粗面化処理した面12が上になるように型枠内(テフロン製)に配置し、面12上に樹脂ペレットを加えた。その後、型枠を鉄板で挟みこみ、下記条件で圧縮して、金属成形体10を含む複合成形体を得た。
樹脂ペレット:PA66樹脂(2015B,宇部興産(株)製)
温度:285℃
圧力:1MPa(予熱時)、10MPa
時間:2分間(予熱時)、3分間
成形機:東洋精機製作所製圧縮機(mini test press-10)
開口部を有していない内部空間の有無を確認した。以下にその方法を示す。
複合成形体の金属成形体10の面12を含む接合部において、レーザー照射方向に対して垂直方向(図2のA-A、B-B、C-C方向)にランダムに3箇所切断し、それぞれの表層部の断面部を走査型電子顕微鏡(SEM)で無作為に3点観察した。
SEM観察写真(500倍)において内部空間の有無を確認できた場合、その個数を数えた。なお、内部空間の最大径が10μm以下のものは除外した。
内部空間の個数(9箇所での平均値)を示した(表3)。
また、内部空間を微小部X線分析(EDX)で分析し、樹脂が内部空間まで侵入していることを確認した。
SEM:日立ハイテクノロジーズ社製 S-3400N
EDX分析装置:アメテック(旧エダックス・ジャパン)社製 Apollo XP
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体である。
図15からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
本発明の微粒子の担体は、金属成形体の多孔構造内部に入り込んだ樹脂のようにして、微粒子を固定することができる。
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体である。
図16からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
本発明の微粒子の担体は、金属成形体の多孔構造内部に入り込んだ樹脂のようにして、微粒子を固定することができる。
図17からは厚さ方向に形成された複数の孔と、複数の独立した空間が確認でき、それらは全て黒く見えることから、樹脂が侵入していることが確認できる。
厚さ方向に形成された孔は、開放孔30の幹孔32に相当する孔と認められる。
独立した空間は、幹孔32の内壁面から幹孔32の形成方向とは異なる方向に延ばされた枝孔33の断面であるか、内部空間40であると認められる。
そして、内部空間40であるとすると、内部に樹脂が侵入していることから、開放孔30とトンネル接続路50で接続されているものと考えられる。
本発明の微粒子の担体は、金属成形体の多孔構造内部に入り込んだ樹脂のようにして、微粒子を固定することができる。
相対的に白く見える部分が金属成形体10であり、相対的に黒く見える部分が樹脂成形体である。
金属成形体10には、多数の開放孔30が形成されていることが確認できる。
本発明の微粒子の担体は、金属成形体の多孔構造内部に入り込んだ樹脂のようにして、微粒子を固定することができる。
12〜17 面
30 開放孔
31 開口部
32 幹孔
33 枝孔
40 内部空間
45 開放空間
50 トンネル接続路
Claims (3)
- 表層部に多孔構造を有する金属成形体からなる微粒子の担体であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔を有しているものであり、
前記金属成形体の表層部の深さが、表面から50〜500μmの深さ範囲である、微粒子の担体。 - 表層部に多孔構造を有する金属成形体からなる微粒子の担体であって、
前記金属成形体の表層部の多孔構造が、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有する幹孔と、幹孔の内壁面から幹孔とは異なる方向に形成された枝孔からなる開放孔と、厚さ方向に形成された、表面側に開口部を有していない内部空間を有しており、
さらに前記開放孔と前記内部空間を接続するトンネル接続路を有しているものであり、
前記金属成形体の表層部の深さが、表面から50〜500μmの深さ範囲である、微粒子の担体。 - 前記微粒子が触媒微粒子である、請求項1または2記載の微粒子の担体。
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