JP6493082B2 - 遷移金属水酸化物の製造方法 - Google Patents
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Description
反応容器内で、反応溶液を撹拌しながら、金属塩を含む混合水溶液と、苛性アルカリ水溶液および/またはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給して反応させ、晶析した粒子を固液分離し、水洗し、乾燥することにより、遷移金属水酸化物を得る中和晶析工程において、
前記反応容器から遷移金属水酸化物を含む前記反応溶液を連続的にオーバーフローさせつつ、該反応容器内の溶媒を連続的に除去し、該反応容器内の遷移金属水酸化物スラリーを濃縮しながら、遷移金属水酸化物の晶析を継続し、かつ、
所定の粉体特性、すなわち、所定のD10、D50、およびD90の値、もしくは、所定の粒度分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/MV〕の値を有する粒子により構成される遷移金属水酸化物を、前記反応容器内の遷移金属水酸化物スラリーを濃縮することなく、前記反応溶液を連続的にオーバーフローさせることによって得る際に設定される、前記金属塩を含む混合水溶液と、前記苛性アルカリ水溶液および/またはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液の添加速度、および、前記遷移金属水酸化物スラリーの濃度を基準条件とした場合に、前記基準条件に対する、前記添加速度の倍率と、前記遷移金属水酸化物スラリー濃度の倍率の比:(原料添加速度の倍率)/(反応容器内の遷移金属水酸化物スラリー濃度の倍率)が、0.8〜1.2の範囲となるように、前記添加速度を設定し、かつ、前記反応容器内の溶媒を連続的に除去することを特徴とする。
まず、基準条件として、邪魔板を4枚取り付けた槽容積10Lのオーバーフロー式晶析反応槽に、工業用水5L、24%苛性ソーダ溶液を添加して、槽内pHを10.0にした。40℃に保持した反応槽内を直径10cmの3枚羽根プロペラ翼(傾斜角30度)を用いて800rpmの回転速度で攪拌しつつ、定量ポンプを用いて、ニッケルモル濃度1.0mol/Lの硫酸ニッケル水溶液(以下、原料溶液という)を40ml/minで供給し、併せて24%苛性ソーダ溶液を断続的に添加し、25℃でのpHが9.9〜10.1になるように制御した。原料溶液と24%苛性ソーダ溶液の合計添加流量の平均値は50ml/minであり、槽容積/合計添加流量(スラリー排出流量)で求めることができる平均粒子滞留時間は200minであった。
実施例1のニッケルをコバルトに変えたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化コバルト粒子の粒度分布を測定したところ、D10:5.8μm、D50:10.6μm、D90:17.3μmであった。本例により得られた水酸化コバルト粒子の粒度分布は、D10:5.6μm、D50:10.0μm、D90:16.8μmとなり、D10、D50、D90のいずれも前記基準条件に対する変化率が10%以下に収まっていた。
実施例1のニッケルをマンガンに変えたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化マンガン粒子の粒度分布を測定したところ、D10:4.3μm、D50:9.6μm、D90:16.0μmであった。本例により得られた水酸化マンガン粒子の粒度分布は、D10:3.9μm、D50:8.9μm、D90:15.0μmとなり、D10、D50、D90のいずれも前記基準条件に対する変化率が10%以下に収まっていた。
実施例1のニッケルを鉄に変えたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化鉄粒子の粒度分布を測定したところ、D10:2.8μm、D50:5.7μm、D90:9.9μmであった。本例により得られた水酸化鉄粒子の粒度分布は、D10:2.6μm、D50:5.4μm、D90:9.5μmとなり、D10、D50、D90のいずれも前記基準条件に対する変化率が10%以下に収まっていた。
実施例1のニッケルを亜鉛に変えたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化亜鉛粒子の粒度分布を測定したところ、D10:3.8μm、D50:8.4μm、D90:14.4μmであった。本例により得られた水酸化亜鉛粒子の粒度分布は、D10:3.6μm、D50:8.1μm、D90:13.9μmとなり、D10、D50、D90のいずれも基準条件に対する変化率が10%以下に収まっていた。
原料溶液の添加速度を120ml/min、原料溶液と24%苛性ソーダ溶液の合計添加流量の平均値を150ml/minとして、単位時間当たりの生産量を3倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内の水酸化ニッケルスラリー濃度が123g/Lとなるように濃縮を行った。その結果、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)は、1.15となった。これ以外は、実施例1と同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化ニッケルの粒度分布である、D10:3.9μm、D50:8.6μm、D90:15.9μmに対して、本例により得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布は、D10:3.4μm、D50:7.5μm、D90:13.6μmとなり、D10、D50、D90のいずれも基準条件に対する変化率が20%以下であった。
原料溶液の添加速度を160ml/min、原料溶液と24%苛性ソーダ溶液の合計添加流量の平均値を200ml/minとして、単位時間当たりの生産量を4倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内の水酸化ニッケルスラリー濃度が221g/Lとなるように濃縮を行った。その結果、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)は0.85となった。これ以外は、実施例1と同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布である、D10:3.9μm、D50:8.6μm、D90:15.9μmに対して、本例により得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布は、D10:4.5μm、D50:10.0μm、D90:18.9μmとなり、D10、D50、D90のいずれも基準条件に対する変化率が20%以下であった。
原料溶液の添加速度を80ml/min、原料溶液と24%苛性ソーダ溶液の合計添加流量の平均値を100ml/minとして、単位時間当たりの生産量を2倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内の水酸化ニッケルスラリー濃度が72g/Lとなるように濃縮を行った。その結果、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)は1.31となった。これ以外は、実施例1と同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布である、D10:3.9μm、D50:8.6μm、D90:15.9μmに対して、本例により得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布は、D10:3.2μm、D50:6.4μm、D90:11.4μmとなり、D50、D90の基準条件に対する変化率が20%を超えていた。
原料溶液の添加速度を80ml/min、原料溶液と24%苛性ソーダ溶液の合計添加流量の平均値を100ml/minとして、単位時間当たりの生産量を2倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内の水酸化ニッケルスラリー濃度が134g/Lとなるように濃縮を行った。その結果、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)は0.70となった。これ以外は、実施例1と同様の試験を実施した。基準条件で得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布である、D10:3.9μm、D50:8.6μm、D90:15.9μmに対して、本例により得られた水酸化ニッケル粒子の粒度分布は、D10:5.1μm、D50:9.9μm、D90:19.6μmとなり、D10、D90の基準条件に対する変化率が20%を超えていた。
まず、基準条件として、邪魔板を4枚取り付けた槽容積200Lのオーバーフロー式晶析反応槽に、純水170L、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水を添加して、25℃での槽内pHを12.4、槽内アンモニア濃度を12g/Lに調整した。40℃に保持した反応槽内を直径25cmの6枚羽根フラットタービン翼を用いて280rpmの回転速度で攪拌しつつ、定量ポンプを用いて、ニッケルモル濃度1.4mol/L、コバルトモル濃度0.3mol/Lの硫酸ニッケルコバルト混合水溶液を580ml/min、アルミニウム濃度0.43mol/Lのアルミン酸ナトリウム水溶液を92ml/minで供給し、併せて25%苛性ソーダ溶液および25%アンモニア水を断続的に添加し、25℃でのpHが12.4、アンモニア濃度が12g/Lに維持されるように制御した。
実施例8の槽内pHを12.38とし、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液の添加速度を1160ml/min、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1920ml/minとして、単位時間当たりの生産量を2倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケル複合水酸化物スラリー濃度が174g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を1.15としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケル複合水酸化物の粒度分布である、D10:6.9μm、D50:11.8μm、D90:19.5μm、MV:、12.7μm、(D90−D10)/MV:0.99に対し、本例のニッケル複合水酸化物の粒度分布は、D10:7.3μm、D50:11.5μm、D90:18.8μm、MV:12.6μm、(D90−D10)/MV:0.91となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は8%であった。
実施例8の槽内pHを12.42とし、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液の添加速度を1740ml/min、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を2880ml/minとして、単位時間当たりの生産量を3倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケル複合水酸化物スラリー濃度が353g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を0.85としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケル複合水酸化物の粒度分布である、D10:6.9μm、D50:11.8μm、D90:19.5μm、MV:、12.7μm、(D90−D10)/MV:0.99に対し、本例のニッケル複合水酸化物の粒度分布は、D10:7.0μm、D50:12.2μm、D90:20.6μm、MV:12.9μm、(D90−D10)/MV:1.05となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は6%であった。
実施例8の槽内pHを12.47とし、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液の添加速度を880ml/min、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1453ml/minとして、単位時間当たりの生産量を1.5倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケル複合水酸化物スラリー濃度が115g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を1.32としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケル複合水酸化物の粒度分布である、D10:6.9μm、D50:11.8μm、D90:19.5μm、MV:12.7μm、(D90−D10)/MV:0.99に対し、本例のニッケル複合水酸化物の粒度分布は、D10:7.4μm、D50:11.5μm、D90:18.4μm、MV:12.5μm、(D90−D10)/MV:0.88となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は11%であった。
実施例8の槽内pHを12.35とし、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液の添加速度を880ml/min、硫酸ニッケルコバルト混合水溶液、アルミン酸ナトリウム水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1453ml/minとして、単位時間当たりの生産量を1.5倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケル複合水酸化物スラリー濃度が214g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を0.71としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケル複合水酸化物の粒度分布である、D10:6.9μm、D50:11.8μm、D90:19.5μm、MV:12.7μm、(D90−D10)/MV:0.99に対し、本例のニッケル複合水酸化物の粒度分布はD10:6.4μm、D50:12.0μm、D90:20.6μm、MV:12.9μm、(D90−D10)/MV:1.10となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は11%であった。
まず、基準条件として、邪魔板を4枚取り付けた槽容積200Lのオーバーフロー式晶析反応槽に、純水170L、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水を添加して、25℃での槽内pHを12.4、槽内アンモニア濃度を12g/Lに調整した。40℃に保持した反応槽内を直径25cmの6枚羽根フラットタービン翼を用いて280rpmの回転速度で攪拌しつつ、定量ポンプを用いて、ニッケルモル濃度0.7mol/L、コバルトモル濃度0.7mol/L、マンガンモル濃度0.7mol/Lの硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液を580ml/minで供給し、併せて25%苛性ソーダ溶液および25%アンモニア水を断続的に添加し、25℃でのpHが12.4、アンモニア濃度が12g/Lに維持されるように制御した。反応中は槽内に窒素ガスを50L/minで吹き込み、槽内雰囲気を不活性雰囲気となるように制御した。
実施例11の槽内pHを12.38とし、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液の添加速度を1160ml/min、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1920ml/minとして、単位時間当たりの生産量を2倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物スラリー濃度が174g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を1.13としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布である、D10:5.2μm、D50:7.8μm、D90:11.8μm、MV:8.5μm、(D90−D10)/MV:0.78に対し、本例のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布は、D10:4.7μm、D50:6.8μm、D90:10.2μm、MV:7.7μm、(D90−D10)/MV:0.71となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は9%であった。
実施例11の槽内pHを12.42とし、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液の添加速度を1740ml/min、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を2880ml/minとして、単位時間当たりの生産量を3倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物スラリー濃度が353g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を0.83としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布である、D10:5.2μm、D50:7.8μm、D90:11.8μm、MV:8.5μm、(D90−D10)/MV:0.78に対し、本例のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布は、D10:5.4μm、D50:8.2μm、D90:12.5μm、MV:8.6μm、(D90−D10)/MV:0.83となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は6%であった。
実施例11の槽内pHを12.47とし、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液の添加速度を880ml/min、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1453ml/minとして、単位時間当たりの生産量を1.5倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物スラリー濃度が115g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を1.29としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布である、D10:5.2μm、D50:7.8μm、D90:11.8μm、MV:8.5μm、(D90−D10)/MV:0.78に対し、本例のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布は、D10:4.9μm、D50:7.2μm、D90:10.3μm、MV:7.9μm、(D90−D10)/MV:0.68となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は12%であった。
実施例11の槽内pHを12.35とし、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液の添加速度を880ml/min、硫酸ニッケルコバルトマンガン混合水溶液、25%苛性ソーダ溶液、25%アンモニア水の合計添加流量の平均値を1453ml/minとして、単位時間当たりの生産量を1.5倍に増加させ、さらに湿式サイクロンによって反応槽内のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物スラリー濃度が214g/Lとなるように濃縮を行って、(原料添加速度の倍率)/(反応容器内のスラリー濃度の倍率)を0.69としたこと以外は同様の試験を実施した。基準条件で得られたニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布である、D10:5.2μm、D50:7.8μm、D90:11.8μm、MV:8.5μm、(D90−D10)/MV:0.78に対し、本例のニッケルコバルトマンガン複合水酸化物の粒度分布は、D10:4.9μm、D50:8.4μm、D90:12.6μm、MV:8.7μm、(D90−D10)/MV:0.89となり、基準条件に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率は13%であった。
2 撹拌翼
3 反応溶液
4 原料投入口
5 オーバーフロー口
6 排液口
7 ポンプ
8 固液分離装置
9 溶媒(排液)
10 濃縮スラリー
Claims (8)
- 第7族〜第11族の遷移金属あるいは亜鉛を含む遷移金属水酸化物の製造方法であって、
反応容器内で、反応溶液を撹拌しながら、金属塩を含む混合水溶液と、苛性アルカリ水溶液および/またはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液とを供給して反応させ、晶析した粒子を固液分離し、水洗し、乾燥することにより、遷移金属水酸化物を得る中和晶析工程において、
前記反応容器から遷移金属水酸化物を含む前記反応溶液を連続的にオーバーフローさせつつ、前記反応溶液の一部を抜き出して、固液分離して、濃縮スラリーを前記反応容器に戻すことにより、該反応容器内の溶媒を連続的に除去し、該反応容器内の遷移金属水酸化物スラリーを濃縮しながら、前記遷移金属水酸化物の晶析を継続し、かつ、
所定のD10、D50、およびD90の値を有する粒子、あるいは、所定の粒度分布の広がりを示す指標である〔(D90−D10)/MV〕の値を有する粒子により構成される遷移金属水酸化物を、前記反応容器内の遷移金属水酸化物スラリーを濃縮することなく、前記反応溶液を連続的にオーバーフローさせることによって得る際に設定される、前記金属塩を含む混合水溶液と、前記苛性アルカリ水溶液および/またはアンモニウムイオン供給体を含む水溶液の添加速度、および、前記遷移金属水酸化物スラリーの濃度を基準条件とした場合に、
前記基準条件に対する、前記添加速度の倍率と、前記遷移金属水酸化物スラリー濃度の倍率の比が、0.8〜1.2の範囲となるように、前記添加速度を設定し、かつ、前記反応容器内の溶媒を連続的に除去して、前記基準条件で得られる粒子に対するD10、D50、およびD90の値の変化率を20%以下とする、あるいは、前記基準条件で得られる粒子に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率を10%以下とする、
ことを特徴とする遷移金属水酸化物の製造方法。 - 前記基準条件に対する、前記添加速度の倍率と、前記遷移金属水酸化物スラリー濃度の倍率の比を、0.9〜1.1の範囲として、前記基準条件で得られる粒子に対するD10、D50、およびD90の値の変化率を10%以下とする、あるいは、前記基準条件で得られる粒子に対する〔(D90−D10)/MV〕の変化率を5%以下とする、請求項1に記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
- 前記反応溶液の一部を抜き出して、固液分離して、濃縮スラリーを前記反応容器に戻すことにより、前記反応容器内の溶媒を連続的に除去するための手段として、湿式サイクロンを用いる、請求項1または2に記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
- 前記遷移金属として、Ni、Co、Mn、Fe、およびZnより選択される少なくとも1種を用いる、請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
- 前記遷移金属水酸化物が、一般式:Ni1−x−yCoxAly(OH)2+α(0≦x≦0.3、0.005≦y≦0.15、0≦α≦0.5)で表される、ニッケル複合水酸化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
- 前記遷移金属水酸化物が、一般式:NixCoyMnzMt(OH)2+α(x+y+z+t=1、0.1≦x≦0.7、0.1≦y≦0.5、0.1≦z≦0.8、0≦t≦0.02、0≦α≦0.5、Mは、Ti、V、Cr、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、およびWから選択される1種以上の添加元素)で表される、ニッケルコバルトマンガン複合水酸化物である、請求項1〜3のいずれかに記載の遷移金属複合酸化物の製造方法。
- 前記苛性アルカリ水溶液として、水酸化ナトリウム水溶液を用いる、請求項1〜6のいずれかに記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
- 前記アンモニウムイオン供給体を含む水溶液として、アンモニア水を用いる、請求項1〜7のいずれかに記載の遷移金属水酸化物の製造方法。
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