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JP6494694B2 - 検出装置 - Google Patents
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JP6494694B2 - 検出装置 - Google Patents

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自動車等の車体に搭載され、ドップラーシフトに基づいて自車速を検出する検出装置に関する。
側方監視用のレーダを備え、静止物体を識別し、その静止物体の方位、及び、相対速度に基づいて、自車速を検出する検出装置が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の検出装置は、車体の左右側方に設定された探索領域にレーダから電磁波を放射し、探索領域内の静止物体によって反射された反射波の周波数を計測する。更に、検出装置は、反射波の周波数のドップラーシフトに基づいて、車体に対する静止物体の相対速度を算出し、自車速を検出する。
特開2010−43960号公報
ドップラーシフトは、その物体の車体に対する相対速度ベクトルの、物体と車体とを結ぶ方向の成分、即ち、視線速度に依存する。物体が車体に対して前方にあるときに比べ、左右側方にあるとき、視線速度が小さくなるため、特許文献1の検出装置では、ドップラーシフトが小さくなり、検出される自車速の誤差が大きくなる。そのため、自車速を精度よく検出することが難しいという問題があった。
本発明は、以上の背景を鑑み、自車速をより正確に検出できる検出装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するために、車体(2)に搭載され、前記車体の前側に送信波を放射して、前記送信波の反射波を受信して物標を検出すると共に、自車速を推定する検出装置(1)であって、前記検出装置から前記車体の前方に延びる基準線(L)を含む第1基準面(S)において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第1角度幅(δ)の範囲(P)内にある第1物標(A〜I)を検出し、前記第1物標のうち、前記第1基準面において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第2角度幅(δ)の範囲(Q)内にある第2物標(A〜G)からの前記反射波のドップラーシフトに基づいて自車速を推定する検出装置が提供される。
この態様によれば、車体の前方に位置する物標を用いると、ドップラーシフトが大きくなり、自車速の誤差が小さくなるため、推定される自車速の精度が向上する。
また、上記の態様において、前記第1基準面が車幅方向に平行であるとよい。
この態様によれば、車体の走行面上にあるにある多くの物標を自車速の推定に使用できるため、自車速の精度が向上する。
また、上記の態様において、前記第1基準面が上下方向に平行であるとよい。
この態様によれば、車体の上下方向に位置する物標は地面に対して固定されていることが多いため、自車速の精度が向上する。
また、上記の態様において、複数の前記第2物標からの前記反射波の前記ドップラーシフトに基づいて、前記第2物標の前記検出装置に対する視線速度を算出し、前記第2物標それぞれに対して、前記視線速度を、前記第2物標と前記検出装置を通る直線と、前記検出装置を通り前方へ延びる直線とのなす角度の余弦で割った値を仮速度とし、前記仮速度の平均値と前記仮速度との差が所定の速度閾値以下の前記第2物標を第3物標(A〜E)として選択し、前記第3物標の前記仮速度に基づいて自車速を推定するとよい。
この態様によれば、地面に対して移動する物標を除外して自車速を推定できるため、自車速の精度が向上する。
また、上記の態様において、前記第2物標のそれぞれに対応する前記仮速度と、推定された前記自車速との差が所定の移動体速度閾値より大きい場合には、前記第2物標が地面に対して移動する移動体としてラベル付けし、移動体としてラベル付けられた第2物標を前記第3物標として選択しないようにするとよい。
この態様によれば、地面に対して移動する物標が確実に除外されるため、推定される自車速の精度が向上する。
また、上記の態様において、前記検出装置は更に、前記基準線を含み、前記第1基準面とは異なる第2基準面(S)において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第3角度幅(δ)の範囲内にある物標を検出し、前記第2基準面上において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第4角度幅(δ)の範囲内にある前記物標からの前記反射波の前記ドップラーシフトに基づいて自車速を推定するとよい。
この態様によれば、自車速の推定が車体の前方に位置する物標に基づくため、推定される自車速の精度が向上する。
以上の構成によれば、自車速をより正確に検出できる検出装置を提供することが可能となる。
本実施形態に係る検出装置が搭載された車両の模式図 本発明に係る検出装置を搭載した車両の走行時の斜視図 自車速推定処理のフローチャート (A)地面から見たときの車体及び静止した対象物の運動、(B)車体から見たときの車体及び静止した対象物の運動、及び、(C)車体から見たときの移動する対象物の運動の説明図 第2基準面における第1物標及び第2物標のそれぞれが含まれる領域の説明図 仮速度の誤差の角度θの依存性を示す図 誤差率δの角度θの依存性を示す図 別実施形態に係る自車速推定処理のフローチャート
以下、本発明に係る検出装置の実施形態を図1〜図8を参照して説明する。本発明に係る検出装置1は、車両2に搭載されるレーダであって、車体3の前方に電磁波を放射し、車体3の前方に位置する対象物から反射される反射波を受信して、反射波の信号に基づいて物標を識別し、車体3と物標との相対的な位置関係を把握するための装置である。検出装置1では、例えば視界が悪い雨天時等に、車体3の近傍に位置する物標を検出すると共に、物標と車体3との相対速度と自車速とを比較することで、物標が移動しているかを判別するために、自車速を推定する。
図1に示されるように、検出装置1は、車体3の前端に搭載され、車体の前方周辺に送信波を放射する送信装置5を備える。送信装置5は、入力信号に基づいて、送信波として、マイクロ波帯〜ミリ波帯(数百GHz〜数THz)の間の所定の周波数の所定の方向に電磁波を放射する送信アンテナと、所定の入力に応じて、送信アンテナから放射される電磁波の方向を車体3の前方に対して上下方向及び車幅方向に変える走査装置とを備えている。本実施形態では、送信装置5はフェイズドアレイアンテナを含み、送信アンテナは車体3の前方に向く面に格子状に配列され、走査装置はその送信アンテナから放射される電磁波の位相を制御する。電磁波の位相が制御されることで、送信アンテナから放射される電磁波の放射方向が変化する。
検出装置1は、更に、車体3の前端に搭載され、車体の前方周辺に存在する対象物からの反射波を受信する受信装置7を有する。受信装置7は、例えば、反射波を検出する受信アンテナであって、受信された信号を出力する。受信装置7は、検出可能距離R(〜数十m)以内にある対象物からの反射波を検知することができる。受信装置7は車体3の前端において、送信装置5に隣接した位置に搭載され、送信装置5と受信装置7との距離(〜数cm)は、検出可能距離Rに比べて十分小さい。そのため、以下では、送信装置5の位置と受信装置7の位置とは概ね同じであると見なすことができる。
検出装置1は、更に、送信装置5及び受信装置7に接続された制御装置10を備える。制御装置10は車体3の前部に搭載された中央演算処理装置(CPU)、メモリ、及び、送信装置5及び受信装置7との間で信号をやり取りするための所定の入出力インターフェースを備える。制御装置10は、送信装置5に信号を入力し、送信装置5から所定の強度であり、所定の周波数(送信周波数)の電磁波を、所定の方向に放射するように制御する。更に、制御装置10は、その放射方向にある対象物によって反射され、受信装置7によって受信された反射波の強度と周波数(受信周波数)を検出する。
制御装置10は、車体3の前方に電磁波を放射し、その反射波を検出して、自車速を推定する自車速推定処理を行う。以下では、図3に記載されたフローチャートを参照して、その自車速推定処理について説明する。
制御装置10は、ステップST1において、送信装置5に送信アンテナから所定の送信周波数の電磁波を放射させるとともに、その放射方向を車幅方向に掃引させる。車幅方向の掃引が完了すると、その放射方向を上下方向に少しずつ変化させ、再度、車幅方向に掃引させる。これを繰り返すことによって、電磁波の放射方向は、送信装置5(受信装置7)を通って車体3の前方(図1の黒矢印)に延びる直線である基準線Lを中心に、送信装置5を起点として、車幅方向に角度幅Φ、上下方向に角度幅Φの間を隈なく変化する。
制御装置10は、電磁波の放射方向の掃引と同時に、その放射方向と受信装置7で受信された反射波の強度の関係を取得し、車幅方向φ及び上下方向φについての強度マップを作成する。同時に、制御装置10は、受信装置7で受信された電磁波の信号をFFTに掛けることで、それぞれの方向における反射波の受信周波数を取得し、車幅方向φ及び上下方向φについての周波数マップを作成する。但し、本実施形態では、制御装置10は、反射波の信号をFFTに掛けたときに、強度が最大となる周波数を反射波の受信周波数としている。
制御装置10の物標の検出範囲である第1領域X(図1)は、受信装置7を中心とする半径が検出可能距離Rである球の内部であって、受信装置7を起点とし、基準線Lを中心として車幅方向及び上下方向にそれぞれ角度幅Φ及び角度幅Φの領域の内部となる。このように、送信波の放射方向が上下及び車幅方向に変化するため、放射方向の掃引が上下、又は車幅方向のいずれかのみの場合よりも、自車速を推定するための物標をより多く選択することができ、自車速の精度が向上する。
制御装置10は、作成された強度マップに基づいて、強度マップ上の反射波の強度が所定の強度閾値以上であり、且つ、その強度閾値以上であるφ及びφについての面積(立体角)が所定の立体角閾値以上となっている領域を探索し、その領域に対応する対象物を第1物標とする。その後、制御装置10は、周波数マップに基づいて、第1物標に対応する領域のそれぞれにおいて、検出される受信周波数を、その反射波の強度に対応する重みをつけて平均化し、第1物標からの反射波の受信周波数として記録する。
角度幅Φ及びΦは、第1物標が複数選択されるように、十分大きく設定される必要がある。車幅方向の角度幅Φは、少なくとも20度以上300度以下になるように設定され、40度以上300度以下の所定の値であることが好ましい。本実施形態では、角度幅Φは60度に設定されている。上下方向の角度幅Φは、少なくとも5度以上180度以下になるように設定され、5度以上100度以下の所定の値であることが好ましい。本実施形態では、角度幅Φは、40度となるように設定されている。
図2に示される場合には、破線で示される領域からの反射波の強度が大きく、それぞれの領域に対応する信号機A、電灯B、案内標識C、マンホールD、街路樹E、歩行者F、歩行者G、電灯H、街路樹Iがそれぞれ第1物標として検出される。一般に車両2が走行する走行面上には静止物が多いため、第1物標の中には静止物が多く含まれる。図2の場合では、A〜E、H、Iが静止物に該当する。第1物標の選択が完了すると、制御装置10は、ステップST2を実行する。
ステップST2において、制御装置10は、ステップST1で第1物標のそれぞれに対して、強度マップ上の第1物標の位置に基づいて、幾何学的に、基準線Lと、受信装置7と第1物標とを結ぶ直線とのなす角度θを算出する。より具体的には、本実施形態では、受信装置7と第1物標とを結ぶ直線は、受信装置7、及び、第1物標に対応する領域の重心の位置(強度マップ上の重心の位置)を結ぶ直線として定義されている。本実施形態では、車体3の進行方向は、車体3の前方(図1及び図2の矢印の方向)と等しい場合を想定している。
更に、制御装置10は、ステップST2において、まず、第1物標のそれぞれに対して、受信周波数を用いて、受信装置7に対する視線速度を求める。受信周波数は、第1物標が車体3(受信装置7)に対して移動しているとき、ドップラー効果によって、送信周波数とは異なる値にシフトする(ドップラーシフト)。受信周波数ν(Hz)、送信周波数ν(Hz)、シフト量Δν(Hz)、及び、受信装置7に対する第1物標の相対速度の速度ベクトルの、受信装置7と第1物標を結ぶ直線方向の成分、即ち、受信装置7に対する第1物標の視線速度(ラジアル速度)v(km/h)の関係は、光速c(=3.0×10m/s=1.1×10m/h)を用いて、以下の式(1)で表される。
Figure 0006494694
したがって、第1物標からのシフト量Δνを用い、視線速度vを求めることができる。次に、制御装置10は、第1物標のそれぞれに対して、第1物標の受信装置7に対する視線速度を第1物標に対応する角度θの余弦cosθで割った仮速度vを算出し、ステップST2を完了する。
ステップST2で求められる仮速度vについて、図4(A)〜(C)を参照して説明する。まず、第1物標が地面に対して静止し、車体3が速さv(速度ベクトルV)で地面に対して前方に移動している場合(図4(A))を考える。図4(B)に示されるように、基準線Lと、受信装置7と第1物標とを結ぶ直線とのなす角度θであり、車体3から見て、第1物標は後方に速さv(速度ベクトル−V)で移動する。したがって、受信装置7から見たときの第1物標の視線速度はvcosθとなり、ステップST2で求められる仮速度vは実際の自車速vに等しくなる。
しかし、図4(C)に示されるように、車体3が図4(C)の速さv(速度ベクトルV)で地面に対して移動し、第1物標が速度ベクトルWで地面に対して移動している場合には、車体3から見たときの第1物標の速度ベクトルは、速度ベクトルWと速度ベクトルVの差である速度ベクトルU(=W−V)で表される。したがって、受信装置7に対する第1物標の視線速度はvcosθとは異なり、ステップST2で求められる仮速度vは実際の自車速vとは異なる。本発明では、以下のステップ、具体的には、ステップST3〜ST5において、制御装置10は、複数の第1物標の中から静止したものを選択する統計処理を行うことによって、自車速を推定する。
制御装置10は、ステップST3において、第1物標の中から、対応する角度θの絶対値が角度閾値θth以下の領域Zにある第1物標を、第2物標として抽出する。領域Zは、受信装置7から前方に延びる直線を軸線とし、受信装置7を頂点とし、頂角が2θthである円錐の内部の領域Zに対応する。また、角度閾値θthは、角度幅Φ及びΦの1/2よりも小さくなるように設定されている(θth<Φ/2、且つ、θth<Φ/2)。本実施形態では、角度閾値として15度が用いられている。
図1には、基準線Lを含む車幅方向に平行な第1基準面Sが実線として図示されている。第1物標は、第1基準面Sにおいて、受信装置7の位置を起点として、基準線Lについて対称に、角度幅が第1角度幅δとなる領域Pの内部にある。一方、第2物標は、第1基準面S上において、受信装置7の位置を起点として、基準線Lについて対称に、角度幅が第2角度幅δとなる領域Qの内部にある。第1角度幅δはΦに等しく、第2角度幅δは2θthに等しいため、第2角度幅δは第1角度幅δよりも小さい。したがって、ステップST3において、制御装置10は、第1基準面Sにある第1物標から、角度θが小さい物標を多く含むように第2物標を選択し、第2物標の群を構成している。
また、図5に示されるように、基準線Lを含む上下方向に平行となる第2基準面Sにおいては、第1物標は、受信装置7の位置を起点として、基準線Lについて対称に、角度幅が第3角度幅δとなる領域の内部にあり、第2物標は、受信装置7の位置を起点として、基準線Lについて対称に、角度幅が第4角度幅δとなる領域の内部にある。第3角度幅δはΦに等しく、第4角度幅δは2θthに等しいため、第4角度幅δは第3角度幅δよりも小さい。よって、ステップST3において、制御装置10は、第2基準面Sにある第1物標から、角度θが小さい物標を多く含むように第2物標を選択し、第2物標の群を構成している。
本実施形態では、図1及び図5に示されるように、車幅方向及び水平方向に限らず、基準線Lを含む任意の方向の基準面においても、第1物標、及び、第2物標は、それぞれ受信装置7の位置を起点とし、基準線Lについて対称に、角度幅が所定の値となる領域内に位置し、第2物標の領域を規定する角度幅は第1物標に比べて小さい。そのため、第1物標から、角度θが小さい物標をより含むように第2物標が選択されている。
図2に示されるような場合を考えると、ステップST3において、車体3の左側方に位置する電灯Hや、右前方に位置する街路樹Iは第2物標として抽出されないが、車体3の前方に位置する信号機A、電灯B、案内標識C、マンホールD、街路樹E、歩行者F、Gが第2物標として抽出される。その後、制御装置10は、ステップST4を実行する。
制御装置10は、ステップST4において、第2物標の仮速度vの平均値vを求めた後、第2物標の中から、その平均値vと対応する仮速度vとの差の絶対値が所定の速度閾値vth以下である第2物標を、第3物標として選択する。
ステップST4は、第2物標から静止物を抽出することを目的としている。第2物標は、図2においては、信号機A、電灯B、案内標識C、マンホールD、街路樹E、歩行者F、Gであり、その多く(図2のA〜E)は地面に対して静止している。そのため、第2物標に含まれる静止物の割合は移動物の割合に比べて十分大きく、第2物標の仮速度vの平均値vは、概ね自車速に等しくなる。一方、図2の歩行者F、Gのように、地面に対して静止しない第2物標の仮速度vは平均値vとは大きく異なる。したがって、ステップST4において、制御装置10は、第2物標の群から、その仮速度vと平均値vとの差の絶対値が速度閾値vth以下である第2物標(図2のA〜E)を第3物標として選択することで、第2物標から静止物を第3物標として抽出することが可能となる。第3物標を選択後、制御装置10は、ステップST5を実行する。
制御装置10は、ステップST5において、第3物標(図2のA〜E)のそれぞれに対応する仮速度の平均値vavを算出し、その仮速度の平均値vavを自車速として推定する。その後、制御装置10は、自車速推定処理を完了する。ステップST4において、第3物標は、第2物標から地面に対して概ね静止した物標を選択しているため、推定される自車速(仮速度の平均値vav)は実際の自車速にほぼ等しくなる。このように、地面に対する速度が小さい物標をより多く含む第3物標を用いて自車速を推定するため、推定される自車速の精度が向上する。
次に、このように構成した検出装置1の効果について説明する。角度θの測定には測定誤差Δθがある。ステップST2で求められる仮速度vは、視線速度を角度θの余弦cosθで割ることによって算出されるため、仮速度vにも誤差Δvが生じる。図6には、車体3が60km/hで走行し、角度θの測定誤差Δθが1度であるときに角度θの位置にある静止した物標に対して求められる仮速度の誤差Δvが一点鎖線で、Δθが3度であるときに角度θの位置にある静止した物標に対して求められる仮速度の誤差Δvが実線で示されている。仮速度の誤差Δvは、以下の式で表される。
Figure 0006494694
図6によれば、角度θが小さいほど、仮速度vの誤差Δvが小さくなることが確認できる。誤差Δvが小さくなると推定される自車速の誤差も小さくなるため、推定される自車速の誤差を小さくするには、角度θが小さい物標のドップラーシフトを用いるとよい。本発明では、ステップST3において、第1物標から、受信装置7の前方に位置し、角度θの小さい物標をより多く含む第2物標の群を構成し、その第2物標の群から第3物標を抽出して、自車速を推定しているため、推定される自車速の精度が向上する。
また、制御装置10は、ステップST3において、第1物標から第2物標を選択するときに、第1物標のそれぞれに対応する角度θが角度閾値θth以下であるかを判定している。したがって、第1物標から受信装置7の前方に位置し、角度θの小さい物標をより多く含むように選択する過程(ステップST3)が簡素である。
角度閾値θthは角度θの測定誤差Δθと、自車速に求められる精度とに基づいて定められる。角度θの測定誤差Δθが3度であり、自車速が60km/hであり、推定される自車速に要求される精度が3.5km/h以下であるときには、図6の破線に基づいて、角度閾値θthは0度以上45度以下の値に設定される。推定される自車速に要求される精度は少なくとも6.0km/h以下であり、1.0km/h以下であることが好ましい。例えば、本実施形態では、測定誤差Δθが3度で、自車速が60km/hで、自車速に要求される精度は1.0km/h以下であるため、図6の一点鎖線に示されるように、角度閾値θthは15度に設定されている。このように図6を参照することで、角度θの測定誤差Δθに基づいて、自車速に要求される精度を満たすように角度閾値θthの上限値を定めることができる。
また、真の(実際の)自車速と、角度θの測定に測定誤差Δθがある場合に求められる自車速との差の、真の自車速に対する比δ(誤差率)に基づいて、角度閾値θthを求めてもよい。真の自車速がuであるときには、角度θの位置にある静止した物標の視線速度はucosθとなる。求められる自車速は、測定誤差Δθによって物標が角度θ+Δθの位置にある測定されると、ucosθ/(cos(θ+Δθ))と表される。従って、δは、
Figure 0006494694
となる。測定誤差Δθが2度であるときに、誤差率δを5%以下とする場合は、図7に基づいて、角度閾値θthは45度以下に設定される。誤差率δは、少なくとも10%以下であり、0.02%以下であることが好ましい。
また、自車速に求められる誤差が一定になるように、他の手段(例えば、車輪の回転速度等)によって推定された自車速や所定時間前に推定された自車速に基づいて、角度閾値θthを変更するように設定してもよい。例えば、自車速の誤差が常に2.0km/h以下となるように、他の手段によって推定された自車速が10km/hであるときには角度閾値θthを68度以下に設定し、他の手段によって推定された自車速が40km/hであるときには、角度閾値θthを45度以下に設定してもよい。
角度閾値θthが0に近づくと、推定される自車速の誤差は小さくなる。しかし、角度閾値θthが0に近づくと、送信波が車体3の前方にのみ放射される。よって、検出される物標の数が減少し、自車速が推定し難くなる。そのため、基準線Lに対して角度閾値θthの角度をなす方向に放射された送信波が車両2の走行する車線の外や標識・信号に到達し、受信装置7によって反射波が検出されることが好ましい。角度閾値θthは、車線の幅、標識や信号の高さ、及び、受信装置7の検出可能距離Rによって定まる所定の下限値以上に設定され、その下限値は少なくとも5度以上、好ましくは10度以上に設定されるとよい。
以上で具体的な実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。上記実施形態では、図1に示されるように、送信装置5から放射される電磁波の方向を車体3の前方に対して上下方向及び車幅方向に変えるように構成されていたが、必ずしも、車幅方向及び上下方向に変更する必要はなく、例えば、車幅方向又は上下方向のいずれか一方のみに変更するように構成されていてもよい。
放射方向を車幅方向にのみ変更する場合は、上下方向に放射方向を変える必要がないため、自車速推定処理が簡素になる。更に、車体3の走行面上に位置する多くの物標を検出することができ、自車速の推定をより多くの物標に基づいて行うことができるため、自車速の誤差を抑えることができる。また、放射方向を車幅方向に変更する場合でも、車体3に送信アンテナ及び受信アンテナを複数(例えば、車体3の前後左右端部にそれぞれ1つずつ)配置し、それらを組み合わせることによって、放射方向を車体3に対して車幅方向により広く掃引できるように構成してもよい。
放射方向を上下方向のみに変更する場合は、車体3の前上下方向に存在する標識やマンホール等の地面に対して静止した物標を検出することができるため、自車速の誤差を抑えることができる。
上記実施形態では、ステップST4において、仮速度vの平均値vを用いて第3物標として選択していたが、平均値には限定されず、最頻値、及び、中央値等を含む代表値のいずれであってもよい。例えば、ステップST4において、第2物標から、仮速度vと仮速度vの最頻値との差が速度閾値vth以下の第2物標を第3物標として選択するように構成してもよい。
ステップST5において、制御装置10は、第3物標から求められる仮速度の平均値vavを自車速として推定していたが、必ずしも平均値には限定されず、例えば、第3物標から求められる仮速度の最頻値や中央値等の代表値を自車速として推定してもよい。また、制御装置10は、ステップST4において、第2物標の群から複数の第2物標を選択することによって第3物標を構成していたが、仮速度vとその平均値vとの差の絶対値が速度閾値vth以下である第2物標を1つ選択して、第3物標としてもよい。このとき、制御装置10は、その1つの第3物標の仮速度を自車速として推定する。
上記実施形態では、車体3の進行方向が、車体の前方(図1及び図2の矢印の方向)と等しい場合を想定し、受信装置7から車体3の前方に延びる基準線Lと、受信装置7と対象物とを結ぶ直線とのなす角度θに基づいて自車速を推定していたが、受信装置7から車体3の走行方向に延びる直線と、受信装置7と対象物とを結ぶ直線とのなす角度に基づいて自車速を推定してもよい。このとき、検出装置1は、更に、車体3の前方に対する車輪の方向を検出する操舵角センサを有し、操舵角センサによって検出された操舵角に基づいて、車体3の走行方向を求めるとよい。
図8に示されるように、上記実施形態のステップST1〜ST5に加え、自車速推定処理が、ステップST5の後に、第2物標の仮速度vとステップST4において推定された自車速との差が所定の移動体速度閾値より大きいときに、第2物標を移動体としてラベル付けするステップST6を含んでいてもよい。このとき、ステップST4において、移動体ではない第2物標に対応する仮速度vの平均値vを求めた後、移動体ではない第2物標のうち、仮速度vと平均値vとの差の絶対値が速度閾値vth以下である第2物標を第3物標として選択するように構成するとよい。このように移動体をラベル付けすることで、移動体が第3物体から排除され易くなり、推定される自車速の精度が向上する。更に、車体3の姿勢を制御する車体制御装置において、ラベルの情報に基づいた処理、例えば、衝突回避等の車体3の制御を行うことが可能となり、車両2の安全性が向上する。更に、地面に対して静止する対象物がより容易に、且つ、より高速に選択され、自車速推定処理がより簡素になる。
また、制御装置10のメモリに地図上の静止物の位置を記録しておき、ステップST4において、制御装置10は地図上の静止物の位置を取得して、第2物標が静止物であるかを判別し、第2物標が静止物である場合には、第3物標として選択してもよい。このように、地図を参照して、第2物標から静止物である第3物標を選択することによって、自車速の推定が、車体3に対してより前方に位置する静止物からの反射波のドップラーシフトに基づいて行うことができるため、精度が向上する。
上記実施形態では、送信装置5から指向性の有する電磁波を発生する例を記載したが、受信装置7に複数の受信装置7を設け、制御装置10は、ステップST1において、その受信装置7で測定された反射波の位相差を測定することによって、反射波の方向を検出して強度マップを構成してもよい。また、送信波・受信波としては、電磁波には限定されず、例えば、超音波を用いてもよい。
上記実施形態では、制御装置10が強度マップと周波数マップとを同時に作成するとしたが、制御装置10は強度マップのみを作成し、強度マップに基づいて第1物標を選択した後、第1物標に対応する反射波の周波数を検出してもよい。但し、強度マップと周波数マップを同時に作成すると、強度マップを作成した後、送信装置5の方向を変える必要がないため、自車速推定処理がより簡素になる。
1 :検出装置
3 :車体
10 :制御装置
L :基準線
P,Q:領域
,S:第1基準面,第2基準面
δ〜δ:第1角度幅〜第4角度幅
A〜I:第1物標
A〜G:第2物標
A〜E:第3物標

Claims (6)

  1. 車体に搭載され、前記車体の前側に送信波を放射して、前記送信波の反射波を受信して物標を検出すると共に、自車速を推定する検出装置であって、
    前記検出装置から前記車体の前方に延びる基準線を含む第1基準面において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第1角度幅の範囲内にある第1物標を検出し、
    前記第1物標のうち、前記第1基準面において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第2角度幅の範囲内にある第2物標からの前記反射波のドップラーシフトに基づいて前記自車速を推定することを特徴とする検出装置。
  2. 前記第1基準面が車幅方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  3. 前記第1基準面が上下方向に平行であることを特徴とする請求項1に記載の検出装置。
  4. 複数の前記第2物標からの前記反射波の前記ドップラーシフトに基づいて、前記第2物標の前記検出装置に対する視線速度を算出し、
    前記第2物標それぞれに対して、前記視線速度を、前記第2物標と前記検出装置を通る直線と、前記検出装置を通り前方へ延びる直線とのなす角度の余弦で割った値を仮速度とし、
    前記仮速度の平均値と前記仮速度との差が所定の速度閾値以下の前記第2物標を第3物標として選択し、
    前記第3物標の前記仮速度に基づいて前記自車速を推定することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1つの項に記載の検出装置。
  5. 前記第2物標のそれぞれに対応する前記仮速度と、推定された前記自車速との差が所定の移動体速度閾値より大きい場合には、前記第2物標が地面に対して移動する移動体としてラベル付けし、
    移動体としてラベル付けられた前記第2物標を前記第3物標として選択しないことを特徴とする請求項4に記載の検出装置。
  6. 前記検出装置は更に、前記基準線を含み、前記第1基準面とは異なる第2基準面において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第3角度幅の範囲内にある前記物標を検出し、
    前記第2基準面において、前記検出装置を起点として、前記基準線について対称に、第4角度幅の範囲内にある前記物標からの前記反射波の前記ドップラーシフトに基づいて前記自車速を推定することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1つの項に記載の検出装置。
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