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JP6495072B2 - 味付乾燥昆布 - Google Patents
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Description

本発明は粉末調味料が表面に付着してなる味付乾燥昆布に関する。より詳細には、本発明は粉末調味料が潮解が抑制された状態で安定して原料味付乾燥昆布の表面に付着してなる味付乾燥昆布に関する。
昆布を醤油だけで炊き上げ、乾燥させて昆布の表面に塩を吹かせて製造されていたかつての乾燥塩昆布(「塩吹き昆布」とも称される)は硬くて塩辛い味だったが、現在では、醤油、味醂、及び砂糖などの調味料とともに炊き上げ、その後ほどよく乾燥させた乾燥昆布(以下、「原料味付乾燥昆布」と称する)の表面にグルタミン酸ナトリウムと食塩を混合した粉末調味料をまぶして、柔らかな歯当たりと適当な風味を有するように調製された乾燥塩昆布が主流となっている。乾燥塩昆布はあつあつのご飯、おにぎり及びお茶漬けだけではなく、漬物や炒め物などの様々な料理に合う旨味成分をたくさん含む副食のひとつである(非特許文献1及び2等参照)。
さらに近年の健康志向の高まりから、グルタミン酸ナトリウム等の化学調味料の使用を敬遠する傾向があり、乾燥塩昆布においても、表面に付着させる粉末調味料としてグルタミン酸ナトリウムに代わる調味料が求められている。
「第11章藻類製品『18.塩こんぶ(塩吹きこんぶ、乾燥塩こんぶ)』」水産加工品総論 株式会社光琳発行、昭和58年11月5日発行、第378−381頁 「大阪府 乾燥塩昆布(えびすめ)」水産名産総覧 株式会社光琳書院発行、昭和43年12月25日発行、第205−208頁
乾燥塩昆布を開発し製造するに際して、原料味付乾燥昆布の表面に付着させる粉末調味料として、製造後の乾燥塩昆布の味及び見た目の色がよいことに加えて、原料味付乾燥昆布に含まれる水分や外気の湿気を経時的に吸収して溶解することがない性質、つまり難潮解性を有することが求められる。また製造後の乾燥塩昆布の味及び見た目に影響することから、粉末調味料の付着率が良好であることも必要である。
本発明は、従来の乾燥塩昆布に使用されている粉末調味料に代わる粉末調味料を用いて、上記の課題を解決した乾燥塩昆布(本発明では、「味付乾燥昆布」と称する)を提供することを目的とする。具体的には、本発明は、第一に粉末調味料が潮解が抑制された状態で安定して原料味付乾燥昆布の表面に付着してなる味付乾燥昆布を提供することを目的とする。また本発明は、第二に粉末調味料が一定の付着率で安定して原料味付乾燥昆布の表面に付着してなる味付乾燥昆布を提供することを目的とする。さらに本発明は、味及び見た目が良好な味付乾燥昆布を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、日夜鋭意検討を重ねていたところ、粉末味噌と寒天とを混合した粉末混合物が、原料味付乾燥昆布の表面に付着させた場合に難潮解性を示し、水分含量14%以上の原料味付乾燥昆布にも潮解することなく、その表面に安定して付着させることができることを見出した。また当該粉末混合物は、原料味付乾燥昆布の表面に対する付着性が良好であり、さらに味及び見た目も良好であることを確認した。
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の実施態様を包含するものである。
(I)味付乾燥昆布
(I−1)原料味付乾燥昆布の表面に粉末味噌及び寒天を含有する粉末調味料が付着してなる味付乾燥昆布。
(I−2)上記粉末調味料中の粉末味噌と寒天との配合比が、粉末味噌:寒天=1:4〜9:1である(I−1)記載の味付乾燥昆布。
(I−3)原料味付乾燥昆布が、四角切り、短冊切り、繊切り、細切り、みじん切り、及び粗切りからなる群から選択される少なくとも1つの形状に裁断されてなるものである(I−1)または(I−2)に記載する味付乾燥昆布。
(I−4)グルタミン酸ナトリウム無添加であることを特徴とする(I−1)〜(I−3)のいずれかに記載する味付乾燥昆布。
(II)味付乾燥昆布の製造方法
(II−1)原料味付乾燥昆布と粉末味噌及び寒天を含有する粉末調味料とを混合し、原料味付乾燥昆布の表面に上記粉末調味料を付着させる工程を有する(I−1)に記載する味付乾燥昆布の製造方法。
(II−2)上記粉末調味料中の粉末味噌と寒天との配合比が、粉末味噌:寒天=1:4〜9:1である(II−1)記載の製造方法。
(II−3)原料味付乾燥昆布が、四角切り、短冊切り、繊切り、細切り、みじん切り、及び粗切りからなる群から選択される少なくとも1つの形状に裁断されてなるものである(II−1)または(II−2)に記載する製造方法。
(II−4)味付乾燥昆布がグルタミン酸ナトリウム無添加であることを特徴とする(II−1)〜(II−3)のいずれかに記載する製造方法。
粉末味噌及び寒天を含有する粉末調味料は、原料味付乾燥昆布の表面に付着させた場合に難潮解性を示し、水分含量14%以上の原料味付乾燥昆布にも潮解することなく、その表面に安定して付着させることができる。また当該粉末調味料は、原料味付乾燥昆布の表面に対する付着性が良好であり、さらに味及び見た目も良好である。
このため、当該粉末調味料が原料味付乾燥昆布の表面に付着してなる本発明の味付乾燥昆布は、水分含量14%以上と比較的多くてソフトな食感を有するものであっても、粉末調味料が潮解が抑制された状態で満遍なく、安定して表面に付着している。このため、保存によっても、良好な見栄えを有している。
本発明の味付乾燥昆布を、原料昆布から調製するフローを示す。ここで「原料昆布」〜「冷却(養生)」までの工程1〜6は、「原料昆布」から「原料味付乾燥昆布」を調製するまでのステップである。また「粉末調味料と混合」(工程7)は、原料味付乾燥昆布と粉末調味料を混合して原料味付乾燥昆布の表面に粉末調味料を付着させるステップである。
本発明の味付乾燥昆布は、原料味付乾燥昆布の表面に粉末味噌及び寒天を含有する粉末調味料が付着してなることを特徴とする。
以下、原料味付乾燥昆布、粉末調味料、及び味付乾燥昆布の製造方法について説明する。
(1)原料味付乾燥昆布
原料味付乾燥昆布は、本発明の味付乾燥昆布を製造する原料となる乾燥昆布である。詳細には、当該原料味付乾燥昆布は、(2)で説明する粉末調味料を表面に付着させる対象となる、味付け、乾燥、及び裁断などの加工処理が施された昆布である。
かかる原料味付乾燥昆布の調製に用いられる昆布(以下、これを「原料昆布」とも称する)は、可食性の昆布であればよく、産地、品種及び等級などによって特に制限されるものではない。例えば、真昆布、利尻昆布(利尻産、稚内産、天塩産)、日高昆布、及び羅臼昆布のいずれもが使用できる。これらは1種単独で使用しても、また2種以上を任意に組み合わせて使用することもできる。原料昆布は、下記の処理に供して原料味付乾燥昆布として調製する前に、予め表面などに付着している異物を除去しておくことが好ましい。
原料昆布は、制限されないものの、通常、乾燥した状態で、図1に示すように、希釈酢酸液処理(工程1)に供される。次いで、裁断処理(工程2)、調味炊き処理(工程3)、液切り処理(工程4)、乾燥処理(工程5)、及び冷却(養生)処理(工程6)により、原料味付乾燥昆布が調製される。
希釈酢酸液処理(工程1)は、乾燥昆布に希釈酢酸液(酢酸水溶液)を浸潤させることで乾燥昆布を柔らかくする工程である。当該処理方法及び条件は、乾燥昆布に希釈酢酸液を浸潤させて軟らかくする方法及び条件であればよく、例えば乾燥昆布を希釈酢酸液に浸漬する方法、または乾燥昆布に希釈酢酸液を振り掛けるか、若しくは噴霧する方法を挙げることができる。
使用する希釈酢酸液としては、醸造酢及び合成酢などの食酢を水で希釈したもの(食酢水溶液)を用いることができる。酢酸濃度は、上記目的を達成できるものであればよく、特に制限されないが、通常5〜6重量%濃度の範囲から選択される。
裁断処理(工程2)は、上記工程1で調製した原料昆布を所望の形状及び大きさに裁断する工程である。ここで裁断方法は、調製する味付乾燥昆布の形状及び大きさに応じて、適宜選択することができ、例えば四角切り、短冊切り、繊切り、細切り、みじん切り、または粗切りなどを挙げることができる。
調味炊き処理(工程3)は上記工程2で裁断した原料昆布(裁断原料昆布)に味付けする工程である。また、その次の液切り処理(工程4)は上記工程3で調味炊きした原料昆布から余分な調味液を除去する工程である。調味炊きに使用される調味成分は、通常、食品の味付けに使用されるものであればよく、制限されないものの、例えば醤油、砂糖、酒、味醂、出汁、タンパク質加水分解物、塩、及び旨味調味料(例えば、グルタミン酸ナトリウム等のグルタミン酸塩、イノシン酸ナトリウム等のイノシン酸塩、及びグアニル酸ナトリウム等のグアニル酸塩)などを挙げることができる。これらは1種単独で使用してもよいが、通常は嗜好に合わせて2種以上を任意に組み合わせて用いられる。好ましくは旨味調味料以外の成分、特にグルタミン酸ナトリウムを始めとするグルタミン酸塩以外の成分である。調味炊き処理は、上記調味成分を含む調味液を用いて裁断原料昆布を加熱調理することで実施することができ、こうすることで裁断原料昆布に調味成分を煮含めて、味付けすることができる。加熱調理条件は、特に制限されず、80〜100℃の温度で1〜5時間を例示することができる。
乾燥処理(工程5)は、調味炊き処理後、液切りした裁断原料昆布を乾燥する工程である。また、その次の冷却(養生)処理(工程6)は、上記工程5で乾燥した昆布を冷却養生して、昆布内部の水分を表面に移行させて均一化する工程である。乾燥方法及びその条件、並びにその後の養生条件は、昆布内の水分含量が20重量%以下の範囲、好ましくは10〜17重量%の範囲、より好ましくは14〜17重量%の範囲になるような方法及び条件であればよく、特に制限されない。例えば、乾燥方法としては、自然乾燥(天日乾燥、陰干し)、熱風乾燥、及び低温乾燥などを例示することができる。好ましくは、自然乾燥よりも乾燥速度が早く、均一に乾燥する熱風乾燥である。熱風乾燥は、具体的には、例えば60〜80℃程度の温度の熱風を用いて行うことができる。また、冷却(養生)条件も、例えば室温で一晩静置する方法など、適宜設定することができる。
斯くして、水分含量が20重量%以下、好ましくは10〜17重量%、より好ましくは14〜17重量%の原料味付乾燥昆布を調製することができる。これを原料として、下記(3)で説明するように本発明の味付け乾燥昆布を調製することができる。
(2)粉末調味料
本発明で用いる粉末調味料は、粉末味噌と寒天を含有することを特徴とする粉末混合物である。
粉末味噌は、味噌そのもの又は味噌に他の可食性成分を混合したものを乾燥粉末化したものである。
原料として使用する味噌の種類は、特に制限されず、例えば米味噌、麦味噌、豆味噌、及びこれらの味噌を任意に組み合わせた合わせ味噌を挙げることができる。また、白味噌、及び赤味噌の別も特に制限されず、これらも広く原料として使用することができる。また原料として使用する味噌の塩分濃度も、特に制限されない。このため、塩分濃度10〜12重量%である通常の味噌を用いても、また塩分濃度5〜10重量%未満である減塩味噌を用いても、さらに塩分を添加しないで製造された無塩味噌を用いてもよい。好ましくは減塩味噌、及び無塩味噌であり、より好ましくは無塩味噌である。なお、減塩味噌または無塩味噌には、麹菌に加えてプロテアーゼ、アミラーゼ、セルラーゼ、又はペクチナーゼなどの食品加工用酵素を1種又は2種以上用いて、低濃度の食塩存在下、または食塩無添加の状態で発酵処理して調製される味噌が含まれる。
味噌に添加し得る可食性成分としては、本発明の効果を妨げない限り、特に制限されない。例えば、アミノ酸、ペプチド、ビタミン、ミネラル、無機栄養素、糖類、及び油脂などを例示することができる。
原料である味噌を乾燥粉末化する方法としては、制限されないものの、味噌を水に溶解若しくはペースト状にしたものを凍結乾燥(フリーズドライ)するか、または噴霧乾燥(スプレードライ)して、必要に応じて粉砕する方法;味噌中に油脂を分散させた後、ドラムドライヤーにより加熱乾燥する方法;生味噌を減圧下、せん断しながら必要に応じて加温条件下で乾燥する方法などを挙げることができる。好ましくは、味噌を水に溶解若しくはペースト状にしたものを凍結乾燥した後、必要に応じて所望の粒径になるように粉砕する方法である。
本発明で用いる粉末味噌の粒径は、制限されないものの、通常270メッシュオン〜12メッシュパスの範囲を挙げることができる。ここで270メッシュオンとは、目開き0.053mmの篩目を有する篩いを通過しないことを意味し、また12メッシュパスとは目開き1.4mmの篩目を有する篩いを通過することを意味する。つまり、本発明で用いる粉末味噌は0.053mmより大きく1.4mmより小さい粒径を有する。
なお、このような粉末味噌は、商業的に入手することができ、例えばこのような粉末味噌を販売している会社として井村屋シーズニング株式会社(例えば、粉末赤味噌M、KM、粉末白味噌KW、麦味噌パウダーB(S)等)、伊那食品工業株式会社(例えば、酵豆粉等の無塩味噌パウダー)、有限会社おたまやなどを例示することができる。
寒天は粉末状の寒天であればよく特に制限されない。粉末寒天の粒径も、特に制限されないものの、通常400メッシュオン〜60メッシュパスの範囲を挙げることができる。ここで400メッシュオンとは、目開き0.038mmの篩目を有する篩いを通過しないことを意味し、また60メッシュパスとは目開き0.25mmの篩目を有する篩いを通過することを意味する。つまり、本発明で用いる寒天は0.038mmより大きく0.25mmより小さい粒径を有する。かかる粉末寒天は、商業的に入手することができる。
本発明の粉末調味料中における粉末味噌と寒天の配合割合としては、制限されないものの、重量比として、粉末味噌:寒天=1:4〜9:1を挙げることができる。好ましくは原料味付乾燥昆布への付着率及び風味の点から4:1〜9:1である。
本発明の粉末調味料には、本発明の効果を損なわないことを限度として、他の成分を配合することができる。かかる他の成分としては、前述する旨味調味料、特にグルタミン酸塩以外の成分であることが好ましい。
(3)味付乾燥昆布の製造方法
本発明の味付乾燥昆布は、上記(1)で説明した原料味付乾燥昆布の表面に、上記(2)で説明した粉末調味料が付着してなるものである。
原料味付乾燥昆布に対する粉末調味料の割合としては、本発明の効果を奏することを限度として、特に制限されないものの、原料味付乾燥昆布100重量部に対して粉末調味料5〜15重量部を挙げることができる。
こうした本発明の味付乾燥昆布は、(1)の原料味付乾燥昆布と(2)の粉末調味料とを、両者の割合が好ましくは上記の範囲になるように混合することで調製することができる。混合方法は、特に制限されず、手動で混合する方法、ミキサーなどを用いて機械的に混合する方法など、特に制限されない。
(2)で説明する粉末調味料(または粉末味噌及び粉末寒天を含有する混合粉末)を用いることで、(1)の原料味付乾燥昆布の表面に満遍なく、粉末調味料を付着させることができる。また、(2)で説明する粉末調味料を用いることで、水分含量が20重量%以下、好ましくは10〜17重量%、より好ましくは14〜17重量%の原料味付乾燥昆布に対しても、その表面に粉末調味料を、潮解を回避しながら安定して付着させることができる。
以下、実施例及び試験例を用いて本発明を説明する。但し、これらの実施例及び試験例によって本発明は制限されるものではない。なお、以下の実施例及び試験例において、特に言及しない場合、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味するものとする。
試験例1 粉末調味料の検討(その1)
原料味付乾燥昆布の表面に付着させる粉末調味料として下記のものを用いて、難潮解性、付着率、外観(付着の均一性)、及び風味(味と臭い)を評価した。
[被験粉末調味料]
1.たん白加水分解物(A2F-NF:味の素(株)社製)
2.酵母エキス(ハイパーミースト:アサヒフードアンドヘルスケア(株)社製)
3.デキストリン(TK-16:松谷化学工業(株)社製)
4.デンプン(MKK100:松谷化学工業(株)社製)
5.乾燥酵母(ハイパーイースト:アサヒフードアンドヘルスケア(株)社製)
6.寒天(T-1:伊那食品工業(株)社製)
7.食塩(粒径150〜250μmのパウダー)
8.粉末味噌(酵豆粉(無塩):伊那食品工業(株)社製)
9.乳糖(HILMAR EXTRA FINE:正栄食品工業(株)社製)
(1)被験味付乾燥昆布の調製
図1に示すフローに従って、下記の工程に沿って試験対象の味付乾燥昆布(被験味付乾燥昆布)を調製した。
(a)選別した原料昆布に、希釈酢酸水溶液(酢酸濃度6重量%)を原料昆布に対し25重量%の割合で噴霧して軟らかくした後、切断機で幅2〜2.5mm、長さ3〜6cmとなるように裁断した。
(b)裁断した原料昆布を、調味液(たんぱく加水分解物、醤油、砂糖、昆布エキス、還元水あめ、水)が沸騰したステンレス製の釜の中に入れ、強火で1時間程度、中火で2時間程度、またとろ火で2時間程度加熱し、煮詰めた。
(c)炊きあがった味付昆布は網に上げて一晩調味液を切り、翌日乾燥機に入れ、昆布を撹拌しながら、70℃前後の熱風で乾燥させた。次いで、一晩冷却養生し、昆布内部の水分を表面に移行させて均一化し、内部の水分含量が17%になるように調整し、原料味付乾燥昆布とした。なお、原料味付乾燥昆布中の水分含量は、赤外線水分計(株式会社ケット科学研究所製)を用いて測定した。具体的には、試料(原料味付乾燥昆布)を赤外線照射により85℃で35分間加熱乾燥させ、含まれていた水分の蒸発による重量変化から試料中に含まれている水分量を求めた。
(d)調製した原料味付乾燥昆布30gに対して粉末調味料10gとなるように、袋の中に原料味付乾燥昆布と粉末調味料を入れて10秒間振盪して混合し、味付乾燥昆布(被験味付乾燥昆布)を調製した。
斯くして調製した9種類の被験味付乾燥昆布について、下記の試験を行った。
(2)被験味付乾燥昆布の試験方法
(2−1)潮解性評価
調製した9種類の被験味付乾燥昆布について、温度25℃、湿度60%の条件で放置した場合に、製造直後(粉末調味料を粉付けした直後)から1時間以内に潮解が起こっているか、目視で観察して、下記基準により評価した。
[難潮解性の評価基準]
○:潮解なし(粉付けした直後の見栄えから変化が起こらない)
×:潮解あり(粉末調味料が水分を吸収して湿った状態になる)。
(2−2)付着率の評価
上記(d)で調製した被験味付乾燥昆布について、穴径2mmのザルに入れて10秒間ふるうことで、表面に付着しなかった余分な粉末調味料を払い取り、重量を測定した。その測定重量と調製に使用した原料味付乾燥昆布の重量30gとの差から、原料味付乾燥昆布100重量部に付着した粉末調味料の量(重量部)を求め、これを付着率とした。また求めた付着率から、下記基準で付着率を評価した。
[付着率の評価基準]
◎:付着率10重量部以上
○:付着率5重量部以上10重量部未満
△:付着率1重量部以上5重量部未満
×:付着率1重量部未満。
(2−3)外観及び風味の評価
上記(d)で調製した被験味付乾燥昆布について、穴径2mmのザルに入れて10秒間ふるうことで、表面に付着しなかった余分な粉末調味料を払い取ることで余分な粉末調味料を払いとり、得られた被験味付乾燥昆布の外観を目視で評価し、また食することで風味を評価した。
[外観の評価基準]
○:原料味付乾燥昆布の表面に粉末調味料が満遍なく付着している
×:原料味付乾燥昆布の表面に粉末調味料がまだらに付着している
[風味の評価基準]
○:うま味が強くおいしいと感じられる
△:うま味はやや劣るが、風味上問題ない
×:風味が悪く、食べるのに抵抗がある。
(3)試験結果
結果を表1に示す。
なお、総合評価は、難潮解性、付着率、外観(見栄え)、及び風味の結果から下記の基準で行った。
[総合評価の基準]
◎:全ての項目が○以上である
○:全ての項目が○または△以上であって、△の数が1以下である
△:二つ以上の項目に△がある
×:一つ以上の項目に×がある。
Figure 0006495072
表1に示すように、検討した粉末調味料のうち、原料味付乾燥昆布との関係で難潮解性であった調味料はデンプン、乾燥酵母、寒天、食塩及び無塩粉末味噌であった。それらのうち、付着率が良好であったものは、乾燥酵母、寒天、食塩及び無塩粉末味噌であった。しかし、「乾燥酵母」は乾燥酵母臭がして風味がよくなかった。また「食塩」は塩味が強くすぎ、不適切であると判断された。
その結果、総合評価で○または◎がついたのは、寒天と無塩粉末味噌であった
試験例2 粉末調味料の検討(その2)
原料味付乾燥昆布の表面に付着させる粉末調味料として下記のものを用い、また原料味付乾燥昆布の水分含量を変えて(12.5〜16.6%)、難潮解性、付着率、外観、及び風味(味と臭い)を評価した。
[被験粉末調味料]
1.粉末味噌(酵豆粉(無塩))
2.粉末味噌:寒天(T-1)=4:1(重量比)の粉体混合物。
(1)被験味付乾燥昆布の調製
試験例1(1)に記載する方法に従って試験対象の味付乾燥昆布(被験味付乾燥昆布)を調製した。但し、(c)工程で乾燥時間及びその後の養生時間を調整して、原料味付乾燥昆布の水分含量が12.5%、13.8%、15%、及び16.6%となるように調製した。
(2)被験味付乾燥昆布の試験方法
上記で調製した8種類(4種類の原料味付乾燥昆布×2種類の粉末調味料)の被験味付乾燥昆布について、それぞれ温度37℃、相対湿度60%の恒温恒湿条件で1週間保存した後、試験例1の方法に従って、難潮解性、付着率、外観、及び風味(味と臭い)を評価した。なお、総合評価も試験例1に記載する基準に従って行った。
(3)試験結果
結果を表2に示す。
Figure 0006495072
表2に示すように、原料味付乾燥昆布の水分含量が14%以上である場合、粉末味噌だけを粉末調味料として使用すると、製造後37℃、1週間保存後に潮解が見られたのに対し、粉末味噌に寒天を混ぜることで、潮解を抑制できることがわかった。つまり、粉末調味料として粉末味噌と寒天との粉末混合物を用いることで、少なくとも水分含量が16.6%以下の原料味付乾燥昆布の表面に潮解することなく安定して粉末調味料を付着させることができることが確認できた。
試験例3 粉末調味料の検討(その3)
原料味付乾燥昆布(水分含量17%)の表面に付着させる粉末調味料として下記の粉体混合物を用いて、難潮解性、付着率、及び風味(味と臭い)を評価した。なお、粉末調味料に使用する各成分は試験例1で使用したものと同じである。
[被験粉末調味料]
1.粉末味噌:寒天=9:1(重量比)の粉体混合物
2.粉末味噌:寒天=4:1(重量比)の粉体混合物
3.粉末味噌:寒天=2:1(重量比)の粉体混合物
4.粉末味噌:寒天=1:1(重量比)の粉体混合物
5.粉末味噌:寒天=1:2(重量比)の粉体混合物
6.粉末味噌:寒天=1:4(重量比)の粉体混合物
7.たん白加水分解物:寒天=1:1(重量比)の粉体混合物
8.酵母エキス:寒天=1:1(重量比)の粉体混合物
9.粉末味噌:乳糖=1:1(重量比)の粉体混合物。
(1)被験味付乾燥昆布の調製
上記被験粉末調味料を用いて、試験例1(1)に記載する方法に従って試験対象の味付乾燥昆布(被験味付乾燥昆布)を調製した。但し、(c)工程で乾燥時間及びその後の養生時間を調整して、原料味付乾燥昆布の水分含量が17%となるように調製した。
(2)被験味付乾燥昆布の試験方法
上記で調製した12種類の被験味付乾燥昆布について、1週間保存した後(温度37℃、相対湿度60%の恒温恒湿条件下で保存)に、試験例1の方法に従って、難潮解性、歩留まり(付着率)、及び風味(味と臭い)を評価した。なお、総合評価も試験例1に記載する基準に従って行った。
結果を表3に示す。
Figure 0006495072
表3に示すように、粉末味噌及び寒天を含有する本発明の粉末調味料は、水分含量17%の原料味付乾燥昆布に対して用いても、難潮解性であり、経時的安定性(保存安定性)にも優れていた。

Claims (4)

  1. 水分含量が17重量%以下の原料味付乾燥昆布の表面に粉末味噌及び寒天を粉末味噌:寒天=1:4〜9:1の重量比で含有する粉末調味料が付着してなる味付乾燥昆布。
  2. 原料味付乾燥昆布が、四角切り、短冊切り、繊切り、みじん切り、及び粗切りからなる群から選択される少なくとも1つの形状に裁断されてなるものである請求項1に記載する味付乾燥昆布。
  3. グルタミン酸ナトリウム無添加であることを特徴とする請求項1または2に記載する味付乾燥昆布。
  4. 水分含量が17重量%以下の原料味付乾燥昆布と、粉末味噌及び寒天を粉末味噌:寒天=1:4〜9:1の重量比で含有する粉末調味料とを混合し、原料味付乾燥昆布の表面に上記粉末調味料を付着させる工程を有する請求項1〜のいずれかに記載する味付乾燥昆布の製造方法。
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