JP6496599B2 - 筋タンパク質合成シグナル活性化剤 - Google Patents
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Description
さらに、交通手段の発達や情報・通信技術の発展に伴う運動不足を原因とする筋量や筋力の低下は、運動機能の低下の原因となる。特に高齢者にとっては、加齢による筋萎縮と相俟って、その後の生活の質(QOL)に重大な影響をもたらすと考えられる。筋萎縮、又は筋量や筋力の低下に起因する日常動作中の転倒、及びそれに伴う骨折等は身体活動量の低下を引き起こす。そのため、筋萎縮、又は筋量や筋力の低下は、骨粗しょう症、寝たきり、肥満、代謝障害などの危険性を高める原因であると言われている。
筋萎縮、又は筋量や筋力の低下を防ぐ手段としては、適度な運動を実践する、あるいはリハビリテーションを実践する等がある。しかし、時間的又は物理的理由、モチベーションの維持の困難さ等から、運動の継続的実践は現実的には難しい。そのため、筋萎縮、又は筋量や筋力の低下を防ぐためのより効果的な方法が望まれている。
また本発明は、p70S6キナーゼのリン酸化を促進する、p70S6キナーゼのリン酸化促進剤の提供を課題とする。
また本発明は、筋量又は筋力を改善する、筋量改善剤又は筋力改善剤の提供を課題とする。
また本発明は、筋萎縮を抑制する、筋萎縮抑制剤の提供を課題とする。
また本発明は、筋タンパク質の合成シグナルを非治療的に活性化する、非治療的筋タンパク質合成シグナル活性化方法の提供を課題とする。
また本発明は、p70S6キナーゼのリン酸化を非治療的に促進する、非治療的p70S6キナーゼリン酸化促進方法の提供を課題とする。
また本発明は、筋量又は筋力を非治療的に改善する、非治療的筋量改善方法又は非治療的筋力改善方法の提供を課題とする。
さらに本発明は、筋萎縮を非治療的に抑制する、非治療的筋萎縮抑制方法の提供を課題とする。
本発明はこれらの知見に基づいて完成されたものである。
また、本発明は、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、を有効成分とする、S6Kのリン酸化促進剤に関する。
また、本発明は、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、を有効成分とする、筋量改善剤に関する。
また、本発明は、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、を有効成分とする、筋力改善剤に関する。
また、本発明は、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、を有効成分とする、筋萎縮抑制剤に関する。
さらに、本発明は、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、それぞれを有効量投与又は摂取させる、非治療的筋タンパク質合成シグナル活性化方法、非治療的S6Kのリン酸化促進方法、非治療的筋量改善方法、非治療的筋力改善方法、又は非治療的筋萎縮抑制方法に関する。
また本発明のS6Kのリン酸化促進剤は、S6Kのリン酸化を促進することができる。
また本発明の筋量改善剤又は筋力改善剤は、筋量又は筋力を改善することができる。
また本発明の筋萎縮抑制剤は、筋萎縮を抑制することができる。
また本発明の非治療的筋タンパク質合成シグナル活性化方法は、筋タンパク質の合成シグナルを非治療的に活性化することができる。
また本発明の非治療的S6Kリン酸化促進方法は、S6Kのリン酸化を非治療的に促進することができる。
また本発明の非治療的筋量改善方法又は非治療的筋力改善方法は、筋量又は筋力を非治療的に改善することができる。
さらに本発明の非治療的筋萎縮抑制方法は、筋萎縮を非治療的に抑制することができる。
また本明細書において「筋タンパク質合成シグナル活性化」とは、これら一連の過程を亢進することをいう。
また本明細書において、「筋力改善」とは、筋力の増加、及び筋力の減少の抑制を含む概念である。ここで「筋力増加」とは、各筋肉が発揮可能な張力が増加することをいう。そして、「筋力減少」とは、「筋力増加」とは逆の概念をいう。
また、本明細書において「改善」とは、疾患、症状若しくは状態の好転、疾患、症状若しくは状態の悪化の防止若しくは遅延、又は疾患、症状若しくは状態の進行の逆転、防止若しくは遅延をいう。
さらに本明細書において「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
本発明で用いるチロシン化合物は、市販品であってもよいし、常法に基づき製造することもできる。また、本発明で用いるチロシン化合物は、前記チロシン化合物のいずれか1種でもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明で用いるチロシン、及びチロシン化合物を構成する各種アミノ酸は、L-体、D-体、及びDL-体のいずれであってもよい。しかし、入手容易性の観点から、本発明で用いるチロシン、及びチロシン化合物を構成する各種アミノ酸はそれぞれL-体であることが好ましい。
本発明で用いるロイシン及びイソロイシンは、L-体、D-体、及びDL-体のいずれであってもよい。しかし、入手容易性の観点から、本発明で用いるロイシン及びイソロイシンはそれぞれL-体であることが好ましい。
ここで、運動愛好家やアスリートとは、身体運動又はスポーツに必要とされる強さ、敏捷性、持久力等の特徴を先天的又は後天的に有する人を指す。特にプロスポーツ選手、アマチュア選手でもスポーツクラブ等に所属し、競技会等への参加を目指す人を指す。
また、筋量や筋力の不足又は低下に悩むヒトとは、日常生活の場面で活動を継続することに困難を感じる人等を示す。
本発明において前記有効成分の有効量は、常法によりS6Kのリン酸化活性や筋線維の断面積を測定し、適宜決定することができる。また、前記有効成分の投与又は摂取は、全身投与でもよいし、局所投与でもよい。
<3>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤の総量中、前記有効成分のうち、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<1>又は<2>項に記載の筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤。
<4>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤における、少なくとも1種のチロシン化合物と、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸との含有量比がモル比換算で1:100〜100:1、好ましくは3:100〜100:3、より好ましくは1:10〜10:1、である、前記<1>〜<3>のいずれか1項に記載の筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤。
<5>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤における、前記有効成分の含有量の総量が、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載の筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤。
<6>前記チロシン化合物が、チロシン、チロシン含有ジペプチド、及びアルキル化チロシン(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基が置換したチロシン)からなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、より好ましくはチロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、である、前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載の筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤。
<8>筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤の製造のための、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の使用。
<9>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を、筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤として使用する方法。
<10>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、を適用する、筋タンパク質合成シグナル活性化方法、S6Kのリン酸化促進方法、筋量改善方法、筋力改善方法、又は筋萎縮抑制方法。
<11>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を筋量又は筋力の改善を望む運動愛好者やアスリート、不活動や加齢、疾病等による筋量や筋力の不足又は低下に悩むヒト、筋量又は筋力の低下や日常生活の支障の問題はないが体力、筋量又は筋力の維持や向上を所望するヒト、又は現状では筋量又は筋力の低下の問題はないが将来予想される加齢や不活動等による筋量又は筋力の低下を予防することを所望するヒトに適用する、前記<9>又は<10>項に記載の方法。
<12>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤の総量中、少なくとも1種のチロシン化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、50質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、である、前記<7>〜<11>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<13>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤の総量中、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<7>〜<12>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<14>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤における、少なくとも1種のチロシン化合物と、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸との含有量比がモル比換算で1:100〜100:1、好ましくは3:100〜100:3、より好ましくは1:10〜10:1、である、前記<7>〜<13>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<15>前記筋タンパク質合成シグナル活性化剤、S6Kのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤の総量中、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の含有量の総量が、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<7>〜<14>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<16>前記チロシン化合物が、チロシン、チロシン含有ジペプチド、及びアルキル化チロシン(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基が置換したチロシン)からなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、より好ましくはチロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、である、前記<7>〜<15>のいずれか1項に記載の使用又は方法。
<18>筋タンパク質合成シグナル活性化薬、S6Kのリン酸化促進薬、筋量改善薬、又は筋萎縮抑制薬の製造のための、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の使用。
<19>生体内脂肪酸の組成、高度不飽和脂肪酸の生成、又は高度不飽和脂肪酸合成遺伝子の発現筋タンパク質合成シグナルの活性化、S6Kのリン酸化の促進、筋量の改善、又は筋萎縮の抑制の非治療的な処置方法のために用いる、少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の使用。
<20>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を医薬組成物の形態で適用する、前記<19>項記載の使用。
<21>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を内服組成物の形態で適用する、前記<20>項記載の使用。
<22>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を食品、飲料、又は飼料の形態で適用する、前記<19>項記載の使用。
<23>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸を筋量又は筋力の改善を望む運動愛好者やアスリート、不活動や加齢、疾病等による筋量や筋力の不足又は低下に悩むヒト、筋量又は筋力の低下や日常生活の支障の問題はないが体力、筋量又は筋力の維持や向上を所望するヒト、又は現状では筋量又は筋力の低下の問題はないが将来予想される加齢や不活動等による筋量又は筋力の低下を予防することを所望するヒトに適用する、前記<18>〜<22>のいずれか1項に記載の使用。
<24>少なくとも1種のチロシン化合物の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、50質量%以下、好ましくは10質量%以下、より好ましくは2.5質量%以下、である、前記<18>〜<23>のいずれか1項に記載の使用。
<25>ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の含有量が、0.001質量%以上、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<18>〜<24>のいずれか1項に記載の使用。
<26>少なくとも1種のチロシン化合物と、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸との含有量比がモル比換算で1:100〜100:1、好ましくは3:100〜100:3、より好ましくは1:10〜10:1、である、前記<18>〜<25>のいずれか1項に記載の使用。
<27>少なくとも1種のチロシン化合物、並びにロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の含有量の総量が、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは10質量%以上、であり、80質量%以下、好ましくは60質量%以下、より好ましくは40質量%以下、である、前記<18>〜<26>のいずれか1項に記載の使用。
<28>前記チロシン化合物が、チロシン、チロシン含有ジペプチド、及びアルキル化チロシン(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基が置換したチロシン)からなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、より好ましくはチロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、である、前記<17>〜<27>のいずれか1項に記載のアミノ酸又は使用。
<30>少なくとも1種のチロシン化合物の有効量が、1日あたり、体重1kgあたり、10mg以上、好ましくは100mg以上、であり、10,000mg以下、好ましくは1,000mg以下、である、前記<29>項に記載の方法。
<31>ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の有効量が、1日あたり、体重1kgあたり、10mg以上、好ましくは100mg以上、であり、3,000mg以下、好ましくは1,000mg以下、である、前記<29>又は<30>項に記載の方法。
<32>少なくとも1種のチロシン化合物と、ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の有効量比がモル比換算で、1:100〜100:1、好ましくは3:100〜100:3、より好ましくは1:10〜10:1、である、前記<29>〜<31>のいずれか1項に記載の方法。
<33>前記チロシン化合物が、チロシン、チロシン含有ジペプチド、及びアルキル化チロシン(好ましくは、炭素数1〜3のアルキル基が置換したチロシン)からなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、より好ましくはチロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、である、前記<29>〜<32>のいずれか1項に記載の方法。
マウス筋芽細胞由来のC2C12細胞をDMEM培地(10% FBS)にて培養を行った。培養したC2C12細胞を96wellプレートに6×104cells/wellとなるように播種し、一晩CO2インキュベーター内で培養を行った。翌日、培地をHBSS Bufferに交換し、約4時間、CO2インキュベーター内で培養を行った。
終濃度が表1〜13に示す濃度となるように各種アミノ酸をHBSS Bufferに溶解し、サンプルを調製した。この調製したサンプルを前記細胞と15分間反応させた。その後Bufferを除去し、35μLのLysis Buffer(CelLyticTM MT Cell Lysis Reagent、SIGMA社製)を添加し、10分間室温で振盪させ細胞を溶解した。
翌日、プレートリーダー(商品名:Enspire、PerkinElmer社製)にて励起され生じる発光を測定し、S6Kのリン酸化活性(S6Kのリンカードメイン(Thr389)のリン酸化活性)を評価した。その結果を表1〜13に示す。なお、S6Kのリン酸化活性は、各種アミノ酸を含有するHBSS Bufferに代えて、アミノ酸を含有しないBSS Bufferを用いた以外は同様にしてC2C12細胞を培養した場合(コントロール)のS6Kのリン酸化活性を1とし、コントロールに対するS6Kのリン酸化活性を活性化倍率として示した。
表1及び2に示すように、ロイシンを添加した場合S6Kのリン酸化が有意に亢進されたのに対し(試験例1−12)、ロイシン以外のアミノ酸を添加した場合S6Kのリン酸化は認められなかった。特に、イソロイシン及びチロシンをそれぞれ単独で添加した場合、S6Kのリン酸化の亢進は認められなかった(試験例1−13、1−17)。
併用するロイシンとチロシンの濃度を0.5mM、2mM又は10mMに代えた場合の結果を表6に示す。表6に示すように、添加するアミノ酸濃度の上昇に伴いS6Kのリン酸化の活性化倍率も上昇した。すなわち、S6Kのリン酸化活性に対する、併用するロイシンとチロシンの濃度依存性も認められた(試験例3−10〜3−12)。さらに、チロシンに代えて同じ芳香族アミノ酸であるフェニルアラニンを用いた場合(試験例3−13〜3−15)と比較したところ、ロイシンとチロシンを併用した場合の活性化倍率は有意に上昇した。
各種アミノ酸に代えて、表14〜15に示す各種チロシン化合物を用いた以外は、試験例1と同様にしてS6Kのリン酸化活性を測定した。その結果を下記表に示す。
Tyr-Ala:チロシルアラニン
Ala-Tyr:アラニルチロシン
Leu-Tyr:ロイシルチロシン
Tyr-Leu:チロシルロイシン
Tyr-Tyr:チロシルチロシン
Met-Tyr:メチル化チロシン
SDラット(6週齢、雄、日本クレア社より入手)に標準飼料(CE-2、日本クレア社製)を与えて環境馴化させた。その後、体重を基準に5群(対照群、ロイシン(5mmol/kg体重:L)投与群、ロイシン(10mmol/kg体重:H)投与群、ロイシン(5mmol/kg体重:L)+アラニルチロシン(5mmol/kg体重:L)投与群、ロイシン(10mmol/kg体重:H)+アラニルチロシン(5mmol/kg体重:L)投与群)に分け、各群のラットに対して18時間の絶食を行った。
絶食後、水(対照群)、水に溶解したロイシン及び/又はアラニルチロシンを胃ゾンデにより上記に示す量を経口投与し、自由飲水かつ絶食下で30分間飼育を継続した。
SDS-PAGE終了後、ゲル中のタンパク質をPVDF membrane(BIO-RAD社製)に転写し(100V、1時間)、1% fatty acid free BSA(Wako社製)/T-TBSを用いてブロッキングを行った(3時間、室温)。Blocking終了後、S6Kのリン酸化/非リン酸化認識抗体(Cell signaling社製)を1次抗体希釈液(Can get signal;Solution1、TOYOBO社製)にて1,000倍希釈した溶液中で、前記membraneを緩やかに振盪しながら4℃で一晩インキュベートした。その後、T-TBSにて洗浄し(5分、3回)、anti-Rabbit IgG antibody(Cell signaling社製)を2次抗体希釈液(Can get signal;Solution2、TOYOBO社製)にて2,000倍希釈した溶液中で、前記membraneを緩やかに振盪しながら室温で1時間インキュベートした。その後、T-TBSにて洗浄し(5分、3回)、ECL Prime Western Blotting Detection System(GE Helthcare社製)で処理後、リン酸化度を算出した。ここでリン酸化度は、化学発光装置(ChemiDoc XRS、Bio-Rad社製)を用いてS6Kのリン酸化/非リン酸化タンパク質のバンドを検出し、デンシトメーターにてそれぞれのバンドを定量し、非リン酸化タンパク質に対するリン酸化タンパク質の割合を求め、リン酸化度とした。
その結果を表16に示す。
Claims (11)
- チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分とする、筋タンパク質合成シグナル活性化剤(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分とする、p70S6キナーゼのリン酸化促進剤(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分とする、筋量改善剤(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分とする、筋力改善剤(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分とする、筋萎縮抑制剤(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の筋タンパク質合成シグナル活性化剤、p70S6キナーゼのリン酸化促進剤、筋量改善剤、筋力改善剤、又は筋萎縮抑制剤を有効量投与又は摂取させる、非治療的筋タンパク質合成シグナル活性化方法、非治療的p70S6キナーゼのリン酸化促進方法、非治療的筋量改善方法、非治療的筋力改善方法、又は非治療的筋萎縮抑制方法。
- チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分として含有する、筋タンパク質合成シグナル活性化用飲食品組成物(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分として含有する、p70S6キナーゼのリン酸化促進用飲食品組成物(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分として含有する、筋量改善用飲食品組成物(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分として含有する、筋力改善用飲食品組成物(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。 - チロシン、アラニルチロシン、チロシルアラニン、ロイシルチロシン、チロシルロイシン、チロシルチロシン、及びメチル化チロシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のチロシン化合物、並びに
ロイシン及びイソロイシンからなる群より選ばれる少なくとも1種のアミノ酸、
を有効成分として含有する、筋萎縮抑制用飲食品組成物(但し、チロシンを含むアミノ酸組成物を有効成分とする持久力向上剤、疲労防止剤又は疲労回復剤、及び該持久力向上剤、該疲労防止剤、又は該疲労回復剤を含有する飲食品又は栄養補助用飲食品、並びにアミノ酸組成物であって、組成物全量に対しスレオニンを2〜15モル%、プロリンを4〜30モル%、グリシンを7〜20モル%、バリンを4〜8モル%、イソロイシンを3〜9モル%、ロイシンを2〜12モル%、チロシンを1〜9モル%、フェニルアラニンを0.5〜5モル%、リジンを5〜11モル%で含有し、かつそれぞれを5モル%以下のメチオニン、トリプトファン、ヒステジン、アルギニンを含むことを特徴とする組成物、及び該組成物を含む筋力持続性組成物を除く)。
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