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JP6497640B2 - キャリブレーション装置及びキャリブレーション方法 - Google Patents
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JP6497640B2 - キャリブレーション装置及びキャリブレーション方法 - Google Patents

キャリブレーション装置及びキャリブレーション方法 Download PDF

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Description

本開示は、直交変調器において送信変調波に生じるキャリアリークを補正するキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法に関する。
近年、無線LAN(Local Area Network)では、IEEE(The Institute of Electrical and Electronics Engineering, Inc.)802.11adの通信規格の標準化が進められている。IEEE802.11adでは、データ送信の変調方式として、例えば位相変調、直交振幅変調、又は直交周波数多重変調(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)が採用されている。このような変調方式を用いる場合には、ベースバンド信号をマイクロ波又はミリ波の変調信号に変換するため、直交変調器が使用される。
回路規模の増大を抑圧するためには、例えばミリ波の周波数帯域において直交変調することが望ましいが、ミリ波は高周波信号であるため送信装置の回路内部(例えば直交変調器)においてクロストークが生じ易く、直交変調後の高周波信号にキャリアリークが生じ易い。キャリアリークは受信装置の受信における不要成分であるため、受信信号の検出精度が劣化する。従って、送信装置が高周波信号を生成する場合には、直交変調器において高周波信号に生じるキャリアリークを抑圧(補正)する必要がある。
ここで、直交変調器において高周波信号に生じるキャリアリークを補正する先行技術として、例えば特許文献1,2が知られている。
特許文献1に示す送信装置は、信号を直交変調器に与え、直交変調器の出力を包絡線検波して包絡線振幅を得て、包絡線振幅の変動量が小さくする歪み補正信号を直交変調器に入力させ、キャリアリークを補正する。
特許文献2に示す無線通信装置は、直交変調が施された後の変調信号の送信電力の値毎に、送信電力の値と、送信電力を有する変調信号に含まれるキャリアリーク量が所定値以下となるI信号及びQ信号の直流成分の変化量とを対応付けた設定テーブルを有する。無線通信装置は、設定テーブルを用いて、直交変調が施される前のI信号及びQ信号の直流成分を、電力信号が示す送信電力に対応する変化量の分、調整する。
特開平8−213846号公報 特開2012−85100号公報
しかし、特許文献1の構成では、キャリアリークを補正する場合に送信信号の電力を補正することが考慮されていないので、送信信号として高周波信号(例えばミリ波)を用いると、キャリアリークが大きくなり、送信電力制御が乱れるため、所望の電力を得ることが困難となる場合がある。
また、特許文献2の設定テーブルは予め生成されているが、同様に送信信号として高周波信号(例えばミリ波)を用いると、キャリアリークにより送信電力が乱れるため、設定テーブル作成時に、送信電力が不正確となる場合がある。
本開示は、上述した従来の課題を解決するために、高周波信号の直交変調において生じるキャリアリークを抑圧し、所望の電力を有する高周波信号が得られるキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法を提供することを目的とする。
本開示は、キャリアリークの振幅以下の振幅を有する送信データを送信するためのキャリアリーク補正に用いる、所定の振幅を有する無変調信号を生成する無変調信号生成部と、第1の利得を用いて前記無変調信号を増幅し、増幅後の前記無変調信号を直交変調して第1の高周波信号に変換する直交変調部と、前記第1の高周波信号の第1の包絡線を検波する包絡線検波部と、前記包絡線検波部により検波された前記第1の包絡線の電力を基に、前記第1の利得を第2の利得に調整する利得調整部と、前記第1の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第1の補正値を探索する補正値探索部と、前記補正値探索部の探索により得られた前記第1の補正値を、前記無変調信号に加算する補正部と、を備え、前記直交変調部は、前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を、前記第2の利得を用いて増幅し、増幅後の前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を直交変調して第2の高周波信号に変換し、前記包絡線検波部は、前記第2の高周波信号の第2の包絡線を検波し、前記補正値探索部は、前記検波された第2の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第2の補正値を探索し、前記補正部は、前記第2の補正値を、前記無変調信号に加算する、キャリブレーション装置を提供する。
また、本開示は、キャリブレーション装置におけるキャリブレーション方法であって、キャリアリークの振幅以下の振幅を有する送信データを送信するためのキャリアリーク補正に用いる、所定の振幅を有する無変調信号を生成するステップと、第1の利得を用いて前記無変調信号を増幅するステップと、増幅された前記無変調信号を直交変調して第1の高周波信号に変換するステップと、前記第1の高周波信号の第1の包絡線を検波するステップと、検波された前記第1の包絡線の電力を基に、前記第1の利得を第2の利得に調整するステップと、前記第1の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第1の補正値を探索するステップと、前記探索により得られた前記第1の補正値を、前記無変調信号に加算するステップと、前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を、前記第2の利得を用いて増幅するステップと、増幅後の前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を直交変調して第2の高周波信号に変換するステップと、前記第2の高周波信号の第2の包絡線を検波するステップと、前記検波された第2の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第2の補正値を探索するステップと、前記第2の補正値を、前記無変調信号に加算するステップと、を有する、キャリブレーション方法を提供する。
本開示によれば、高周波信号の直交変調において生じるキャリアリークを抑圧し、所望の電力を有する高周波信号が得られる。
本実施形態の送信装置の内部構成を示す回路構成図 包絡線検波部の入出力特性の一例を示す図 包絡線検波部の検波特性毎の、無変調信号の振幅a=1とした誤差rと変動量wの測定値との関係の一例を示す図 無変調信号の振幅a=1とした無変調信号の一例を示す図 (A)キャリアリークが無い包絡線振幅vの説明図、(B)キャリアリークがある包絡線振幅vの説明図 (A)キャリアリークが無い包絡線振幅v及び変動量wの時間変化の一例を示す図、(B)キャリアリークがある包絡線振幅v及び変動量wの時間変化の一例を示す図 (A)第1回目の電力制御前の包絡線振幅vの説明図、(B)第1回目の電力制御後の包絡線振幅vの説明図、(C)第1回目のキャリアリーク補正後の包絡線振幅vの説明図 (A)第2回目の電力制御後の包絡線振幅vの説明図、(B)第2回目のキャリアリーク補正後の包絡線振幅vの説明図 本実施形態の送信装置の動作手順の一例を説明するフローチャート (A)(B)従来技術の課題の説明図
(本開示に係るキャリアリーク補正装置の各実施形態に至る経緯)
先ず、本開示に係るキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法の実施形態(以下、「本実施形態」という)の内容を説明する前に、本実施形態のキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法の内容に至る経緯について、図10(A)及び(B)を参照して説明する。図10(A)及び(B)は、従来技術の課題の説明図である。
上述したように、特許文献1では、キャリアリークを補正する場合に送信信号の電力を補正することが考慮されていない。このため、特許文献1の構成を用いて、キャリアリークを補正して送信信号の電力を補正しようとすると、特許文献1の送信装置は、直交変調器内に設けられた増幅器において送信電力を制御した後、キャリアリークを補正する。
ここで、送信信号として高周波信号(例えばミリ波)を用いると、高周波信号では大きなキャリアリークが発生するため、キャリアリークが高周波信号の電力制御を乱し、増幅後の電力が本来得たい電力ではなく不正確となる場合がある。
例えば図10(A)では、補正前のキャリアリークCLと、電力制御前の高周波信号BFGと、本来得たい所望の電力を有する高周波信号SGとが示されている。また、図10(B)では、補正後のキャリアリークCL’と、電力制御後の高周波信号AFGと、本来得たい所望の電力を有する高周波信号SGとが示されている。大きなキャリアリークCLは補正によって小さなキャリアリークCL’に抑圧されている。
しかし、特許文献1の送信装置が高周波信号の電力を所望の電力に制御(例えば増幅)しようとしても、キャリアリークが大きい場合には、電力制御においてキャリアリークが有する電力が高周波信号の電力に加算され、電力制御後の電力は、本来得たい所望の電力を有する高周波信号SGより小さい高周波信号AFGとなる(図10(B)参照)。
また、特許文献2に示す無線通信装置は、直交変調が施されたRF(Radio Frequency)帯において可変ゲインアンプを用いて高周波信号(例えばミリ波)の電力を制御する。このため、無線通信装置の消費電力が増大する。消費電力を低減するためには、直交変調器内に設けられる増幅器においてベースバンド信号の電力を増幅することが望ましいと考えられている。但し、直交変調部内の増幅器において利得を変更すると、増幅器に入力される差動信号間のばらつきに起因してキャリアリークが発生する。
このため、特許文献2でも、特許文献1と同様に、送信信号として高周波信号(例えばミリ波)を用いると、キャリアリークによって、設定テーブルの生成時点において設定テーブルの高周波信号の電力が不正確となる場合がある。
従って、特許文献1,2では、高周波信号(例えばミリ波)を用いると、製造ばらつき又は使用温度の範囲に応じてキャリアリークは変動するので、高周波信号を正常に送信することが困難となる場合があった。
そこで、以下の各実施形態では、高周波信号の直交変調において生じるキャリアリークを抑圧し、所望の電力を有する高周波信号が得られるキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法の例を説明する。
以下、本実施形態のキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法について、図面を参照して説明する。以下の各実施形態では、本開示に係るキャリブレーション装置の一例として、送信装置を例示して説明するが、送信装置の動作を規定したキャリブレーション方法として表現しても良い。なお、以下の各実施形態において、同一の構成には同一の符号を付し、同一の内容の説明は簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
図1は、本実施形態の送信装置1の内部構成を示す回路構成図である。図1に示す送信装置1は、補正シーケンス制御部10と、変調部11と、無変調信号発生部12と、等価低域信号選択部13と、補正値探索部14と、オフセット補正部15と、ローカル発振器16と、直交変調部17と、アンテナ19が接続された電力増幅部18と、包絡線検波部20と、電力測定部21と、電力調整部22と、振幅測定部26とを含む。また、送信装置1は、直流除去部23と、可変利得増幅器24と、帯域通過フィルタ部25とを更に含んでも良い。
補正シーケンス制御部10は、無変調信号発生部12、等価低域信号選択部13、補正値探索部14及び電力調整部22の各動作を制御する。例えば、補正シーケンス制御部10は、送信装置1においてキャリアリークを補正する場合(以下、「キャリアリーク補正」と略記する)では、所定の振幅a(例えばa=1。以下同様。)の無変調信号を生成するための制御信号を無変調信号発生部12に出力し、送信変調信号と無変調信号とのうち無変調信号を選択するための制御信号を等価低域信号選択部13に出力し、無変調信号を増幅するための利得を調整するための制御信号を電力調整部22に出力し、更に、オフセット補正値(xc,yc)を出力するための制御信号を補正値探索部14に出力する。
また、補正シーケンス制御部10は、送信装置1において送信変調信号を送信する、即ち、通常(regular)の送信データを送信する場合(以下、「通常のデータ送信」と略記する)では、送信変調信号と無変調信号とのうち送信変調信号を選択するための制御信号を等価低域信号選択部13に出力し、送信変調信号を増幅するための利得を調整するための制御信号を電力調整部22に出力し、更に、キャリアリーク補正における探索において得られたオフセット補正値(xc,yc)を出力するための制御信号を補正値探索部14に出力する。
変調部11は、所定の変調方式(例えばBPSK(Binary Phase Shift Keying)、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、QAM(Quadrature Amplitude Modulation))を用いて送信データを変調し、送信変調信号(等価低域信号)を等価低域信号選択部13に出力する。なお、変調部11は、送信データに、例えば、プリアンブル、ヘッダ、誤り訂正符号を付加してパケット化する。
無変調信号生成部の一例としての無変調信号発生部12は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号により指定された振幅aを用いて、余弦波と正弦波とを示す無変調信号(等価低域信号)を生成して等価低域信号選択部13に出力する。
等価低域信号選択部13は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、通常のデータ送信では、変調部11により生成された送信変調信号(等価低域信号)を選択してオフセット補正部15に出力する。また、等価低域信号選択部13は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、キャリアリーク補正には、無変調信号発生部12により生成された無変調信号(等価低域信号)を選択してオフセット補正部15に出力する。
補正値探索部14は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、振幅測定部26により測定された包絡線の振幅(以下、「包絡線振幅」と略記する)の変動量w(後述参照)の最小値を与えるオフセット補正値を探索し、探索により得られたオフセット補正値(xc,yc)をオフセット補正部15に出力する。xcはオフセット補正値の同相成分を示し、ycはオフセット補正値の直交成分を示す。
具体的には、補正値探索部14は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、通常のデータ送信では、キャリアリーク補正における探索により得られた固定値のオフセット補正値をオフセット補正部15に出力する。また、補正値探索部14は、キャリアリーク補正時に、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、オフセット補正値の初期値、又は補正値探索部14の探索により得られたオフセット補正値をオフセット補正部15に出力する。
補正部の一例としてのオフセット補正部15は、加算器151と加算器152とを有する。加算器151は、等価低域信号選択部13により選択された信号の同相成分と、補正値探索部14により出力されたオフセット補正値の同相成分xcとを加算して直交変調部17に出力する。加算器152は、等価低域信号選択部13により選択された信号の直交成分と、補正値探索部14により出力されたオフセット補正値の直交成分ycとを加算して直交変調部17に出力する。
ローカル発振器16は、例えばマイクロ波帯又はミリ波帯の搬送波信号を生成して直交変調部17の移相部173に出力する。
直交変調部17は、可変利得増幅器171,172と、移相部173と、乗算器174,175と、加算器176とを有し、オフセット補正部15により出力された等価低域信号(送信変調信号又は無変調信号)を、電力調整部22により調整された可変の利得を用いて増幅する。また、直交変調部17は、増幅後の等価低域信号(送信変調信号又は無変調信号)と、ローカル発振器16により出力された搬送波信号とを用いて直交変調し、搬送波信号を高周波信号に変換する。直交変調部17は、高周波信号を電力増幅部18に出力する。
ここで、直交変調部17では、オフセット補正部15により出力された等価低域信号の同相成分には、キャリアリークを示すオフセットxoが加算される。同様に、オフセット補正部15により出力された等価低域信号の直交成分には、キャリアリークを示すオフセットyoが加算される(図1参照)。
可変利得増幅器171は、オフセット補正部15により出力された等価低域信号の同相成分xにオフセットxoが加算された信号(x+xo)を、電力調整部22により調整された利得Avを用いて増幅する。利得Avは、例えば可変利得増幅器171の利得の初期値である。
可変利得増幅器172は、オフセット補正部15により出力された等価低域信号の直交成分yにオフセットyoが加算された信号(y+yo)を、電力調整部22により調整された利得Avを用いて増幅する。利得Avは、例えば可変利得増幅器172の利得の初期値である。
移相部173は、ローカル発振器16により生成された搬送波信号に対して、同相(0°)の搬送波信号と直交(90°)の搬送波信号とを生成する。移相部173は、同相の搬送波信号を乗算器174に出力し、直交の搬送波信号を乗算器175に出力する。
乗算器174は、可変利得増幅器171の出力信号(同相成分)と同相(0°)の搬送波信号とを乗算して高周波信号の同相成分を加算器176に出力する。乗算器175は、可変利得増幅器172の出力信号(直交成分)と直交(90°)の搬送波信号とを乗算して高周波信号の直交成分を加算器176に出力する。加算器176は、乗算器174の出力と乗算器175の出力とを加算して高周波信号を生成し、高周波信号を電力増幅部18に出力する。
なお、直交変調部17の乗算器174,175は、通常のデータ送信に用いる搬送波周波数と同一の周波数のローカル信号を変調すると説明したが、例えば通常のデータ送信に用いる搬送波周波数と異なる周波数のローカル信号を変調し、直交変調部17の出力を別途設けた周波数変換部により、通常のデータ送信に用いる搬送波周波数に周波数変換しても良い。
電力増幅部18は、直交変調部17により出力された高周波信号の電力を増幅し、アンテナ19に供給する。アンテナ19は、電力増幅部18により増幅された高周波信号を放射する。
包絡線検波部20には、電力増幅部18により出力された高周波信号の一部、又は直交変調部17により出力された高周波信号が入力される。なお、図示は省略するが、例えば電力増幅部18を多段構成とし、電力増幅部18の中間段の信号の一部が包絡線検波部20に入力されても良い。
包絡線検波部20は、電力増幅部18により出力された高周波信号の包絡線を検波し、包絡線検波の出力としての包絡線振幅を検出して電力測定部21及び振幅測定部26に出力する。なお、包絡線検波部20と振幅測定部26との間には、直流除去部23、可変利得増幅器24及び帯域通過フィルタ部25のうちいずれか又は2つ以上が設けられても良い(点線参照)。
電力測定部21は、高周波信号の電力を所望の電力(図10(A)に示す符号SG参照)に制御するために、包絡線検波部20により出力された包絡線振幅の信号の電力(出力電力P)を測定して電力調整部22に出力する。
利得調整部の一例としての電力調整部22は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、電力測定部21の出力電力Pが、包絡線検波部20が正しく検波可能な電力範囲(図2参照)に含まれるように、可変利得増幅器171,172の利得Avを調整する。以下、第n回目の電力調整部22における調整後に得られた利得をAvnとする。nは1以上の整数である。
振幅測定部26は、包絡線検波部20、直流除去部23、可変利得増幅器24及び帯域通過フィルタ部25のうちいずれかにより出力された包絡線振幅の時間的な変動量wを測定して補正値探索部14に出力する。直流除去部23は、キャリアリークにより発生する包絡線振幅の直流成分を除去する。可変利得増幅器24は、キャリアリークにより発生する包絡線振幅の変動量wを増幅する。信号抽出部の一例としての帯域通過フィルタ部25は、キャリアリークにより発生する包絡線振幅の変動量wの周波数成分を抽出し、包絡線振幅の変動量wの周波数成分以外の不要成分を除去する。
これにより、振幅測定部26には、包絡線検波部20により検波された包絡線振幅のうち不要成分が除去され、包絡線振幅の変動量wが増幅され、包絡線振幅の変動量の周波数成分が入力されるので、振幅測定部26は、包絡線振幅vの変動量wを高精度に測定できる。なお、帯域通過フィルタ部25は、例えばアナログ素子を用いたフィルタ、FIR(Finite Impulse Response)フィルタ、IIR(Infinite Impulse Response)フィルタ、又はFFT(Fast Fourier Transform)を用いて構成可能である。
図2は、包絡線検波部20の入出力特性の一例を示す図である。図2の横軸は包絡線検波部20の入力電力[dBm]であり、図2の縦軸は包絡線検波部20の出力電圧[V]である。図2では、包絡線検波部20が正しく検波可能な電力範囲は、0〜7[dBm]程度である。送信装置1は、キャリアリークを補正するためには、包絡線検波部20が正しく検波できる必要があるので、包絡線検波部20が正しく高周波信号の電力を検波できるように、直交変調が施される無変調信号の電力を制御し、即ち、可変利得増幅器171,172の利得を調整する。
以下、本実施形態の送信装置1における第1回目の高周波信号の電力制御に関する動作について、より詳細に説明する。
無変調信号発生部12は、数式(1)に示される余弦波信号xと、数式(2)により示される正弦波信号yとを生成して等価低域信号選択部13に出力する。数式(1),(2)において、aは無変調信号の振幅を示し、ωは角周波数を示し、tは時刻を示す。ωは送信変調信号の周波数範囲内に選ばれるのが好ましい。
例えばIEEE802.11adでは、周波数範囲はミリ波の中心周波数±1GHz程度であるため、1GHz以下となるように、110MHz×2π、220MHz×2πとなる。図4は、無変調信号の振幅a=1とした場合の無変調信号の一例を示す図である。
Figure 0006497640
Figure 0006497640
オフセット補正部15は、数式(1)により示される余弦波信号xにオフセット補正値の同相成分xcを加算し、数式(2)により示される正弦波信号yにオフセットycを加算することで、数式(3),(4)により示される無変調信号x1,y1を直交変調部17に出力する。なお、高周波信号の制御の開始時点では適正なオフセット量が不明であるため、オフセット補正部15は、例えば予め決められた初期値を加算する。オフセット補正部15の補正値(xc,yc)の初期値を(0,0)としているが、初期値は(0,0)に限定されない。
Figure 0006497640
Figure 0006497640
直交変調部17は、無変調信号x1,y1を用いて搬送波信号を直交変調するが、直交変調においてキャリアリークを示すオフセットx0,y0の影響を受ける。即ち、直交変調では、無変調信号x1にはキャリアリークを示すオフセットx0が加算され、無変調信号y1にはキャリアリークを示すオフセットy0が加算される。直交変調部17の出力としてのミリ波帯の高周波信号sは、オフセット補正値(xc,yc)の初期値が(0,0)である場合には、数式(5)により示される。なお、数式(5)において、Avは可変利得増幅器171,172の利得の初期値であり、jは虚数単位である。
Figure 0006497640
包絡線検波部20は、数式(5)により示される高周波信号sの包絡線振幅vに基づく値として、例えば包絡線振幅vに比例する値又は包絡線振幅vの二乗値に比例する値を出力する。包絡線振幅vは、数式(6)により示される。
Figure 0006497640
数式(6)において、r,θは、直交座標(xo,yo)を極座標において表した場合の半径,角度を示す。誤差rは、数式(7)により示される。
Figure 0006497640
ここで、包絡線振幅について、図4、図5(A)及び(B)を参照して説明する。図4、図5(A)は、キャリアリークが無い包絡線振幅vの説明図である。図5(B)は、キャリアリークがある包絡線振幅vの説明図である。包絡線振幅vは、図5(A)又は(B)に示す直交座標系の原点、即ち、等価低域信号の原点から、図5(A)又は(B)に示す円上の位置までの距離を示す。
キャリアリークが無い場合には、図4に示す余弦波信号x,正弦波信号yが、直交座標系の横軸,縦軸に表れるため、等価低域信号は、図5(A)に示す原点Oを中心とした円として表される。従って、包絡線振幅vは一定となる(v=Av×a)。
一方、キャリアリークがある場合には、等価低域信号は、図5(B)に示す直交座標系の座標O’(Av(xo+xc),Av(yo+yc))を中心とした円として表される。即ち、キャリアリークがある場合には、等価低域信号を示す円の中心点O’が直交座標系の原点Oから、誤差rに応じて外れる。従って、包絡線振幅vは、時刻t、即ち位相ωtが進むにつれて周期的に変化する。数式(6)のうち、包絡線振幅vの時間的な変動が生じる項は2Av×arcos(ωt−θ)の成分である。
電力測定部21は、包絡線検波部20により検波された包絡線の信号の電力を測定する。例えば、包絡線検波部20が包絡線振幅の二乗を出力する場合には、電力測定部21の出力電力Pは、数式(8)により示される。
Figure 0006497640
図6(A)は、キャリアリークが無い包絡線振幅v及び変動量wの時間変化の一例を示す図である。図6(B)は、キャリアリークが有る包絡線振幅v及び変動量wの時間変化の一例を示す図である。数式(8)より、電力測定部21では時間変動項2Av×arcos(ωt−θ)は考慮されないので、電力は平均値(中心値)として示される。図6(A)及び(B)では、キャリアリークの有無に応じて、出力電力Pは次のようになる。なお、図6(A)及び(B)では、キャリアリークの有無に応じた出力電力Pの違いを説明するため、キャリアリークの有無に拘わらず、Av×a=1×1=1とする。
具体的には、キャリアリークが無い図6(A)では、電力測定部21の出力電力Pは1.0となる。キャリアリークが有る図6(B)では、電力測定部21の出力電力Pは約2.0である。このため、図6(A)及び(B)を比較すると、同一の振幅a,利得Avであるが、数式(8)におけるキャリアリークの影響(具体的には誤差rの二乗成分(r))により、約2倍、つまり約3dBの電力の違いが見られる。
電力調整部22は、電力測定部21の出力電力Pが、包絡線検波部20が検波可能な電力範囲に含まれるように、可変利得増幅器171,172の利得Avを調整する。しかし、数式(8)のr成分、つまりキャリアリークを示すxo,yoが高周波信号(例えばミリ波)では大きいため、図5(B)のように、電力制御が乱され、高周波信号の電力が不正確になる。このため、補正シーケンス制御部10は、高周波信号の電力制御の後に、キャリアリーク補正を指示する。
なお、送信装置1は、オフセット補正値(xc,yc)の初期値を用いてキャリアリークが有する電力を含む高周波信号の電力が、包絡線検波部20の検波可能な電力範囲に含まれる場合には、高周波信号の電力制御を省略しても良い。これにより、送信装置1は、高周波信号の電力制御の実行回数を低減でき、キャリアリーク補正に必要な動作を簡易化できる。
次に、本実施形態の送信装置1における第1回目のキャリアリーク補正に関する動作について、より詳細に説明する。
無変調信号発生部12は、数式(1)に示される余弦波信号xと、数式(2)により示される正弦波信号yとを生成して等価低域信号選択部13に出力する。
オフセット補正部15は、数式(1)により示される余弦波信号xにオフセット補正値の同相成分xcを加算し、数式(2)により示される正弦波信号yにオフセットycを加算することで、数式(3),(4)により示される無変調信号x1,y1を直交変調部17に出力する。
直交変調部17は、無変調信号x1,y1を用いて搬送波信号を直交変調するが、直交変調においてキャリアリークを表すオフセットxo(Av1),yo(Av1)の影響を受ける。xo(Av1),yo(Av1)は、利得Av1である場合に可変利得増幅器171,172において発生するキャリアリークを示す。
即ち、直交変調部17では、無変調信号x1にはキャリアリークを示すオフセットxo(Av1)が加算され、無変調信号y1にはキャリアリークを示すオフセットyo(Av1)が加算される。直交変調部17の出力としてのミリ波帯の高周波信号sは、数式(11)により示される。なお、jは虚数単位である。
Figure 0006497640
本実施形態の送信装置1におけるキャリアリーク補正の目標は、測定が困難なオフセットxo,yoを打ち消すための補正係数としてのオフセット補正値の同相成分xc(=−xo),yc(=−yo)を求めることである。
包絡線検波部20は、数式(9)により示される高周波信号sの包絡線振幅vに基づく値として、例えば包絡線振幅vに比例する値又は包絡線振幅vの二乗値に比例する値を出力する。包絡線振幅vは、数式(10)により示される。
Figure 0006497640
数式(10)において、r,θは、直交座標(xo(Av1)+xc,yo(Av1)+yc)を極座標において表した場合の半径,角度を示す。誤差rは、数式(11)により示される。
Figure 0006497640
キャリアリーク補正に関して、オフセット補正値の同相成分xc,直交成分ycの値の探索により、包絡線振幅vの時間的な変動が無くなることは、数式(11)により示される誤差r=0となることを意味する。数式(11)より、誤差r=0となるオフセット補正値の同相成分xc1,直交成分yc1は、(xo(Av1)+xc1,yo(Av1)+yc1)=(0,0)を意味し、xc1=−xo(Av1),yc1=−yo(Av1)が達成できたことになる。
また、図5(A)においても、包絡線振幅vの変動量wがなくなることは、等価低域信号を示す円(図5(A)又は図5(B)参照)の中心が直交座標系の原点となること、即ち、(xo(Av1)+xc1,yo(Av1)+yc1)=(0,0)となることを示す。
振幅測定部26は、包絡線検波部20により検波された包絡線振幅の時間的な変動量wを測定する。例えば、振幅測定部26は、包絡線検波部20により包絡線振幅vのn乗が出力され、最大値と最小値との差(peak to peak)を測定する場合には、数式(12)により示される変動量wを出力する。
Figure 0006497640
図6(A)又は(B)において、説明を簡単にするために、数式(12)における整数nは2とすると、キャリアリークが無い場合には、包絡線振幅vが一定値となるため、変動量w=0となる(図6(A)参照)。一方、キャリアリークがある場合には、包絡線振幅vが周期的に変動する(図6(B)参照)。包絡線振幅vの変動周期は、図4に示す無変調信号の周期と同じであり、図6(B)に示す変動量wは、約4.0である。
数式(12)における無変調信号の振幅aは補正シーケンス制御部10により定められた定数であり、誤差rは数式(11)により示され、数式(11)におけるxo(Av1),yo(Av1)は定数(但し、未知数)なので、数式(12)により示される包絡線振幅vの変動量wは、xc,ycの関数となる(数式(13)参照)。
Figure 0006497640
補正値探索部14は、数式(13)により示される変動量wが最小値、理想的にはゼロになるように、オフセット補正値の同相成分xc,ycを設定する。具体的には、補正値探索部14は、オフセット補正値の初期値(xc,yc)=(0,0)から始め、変動量wがより小さくなるようにオフセット補正値(xc,yc)を少しずつ変化させ、変動量wを最小値まで収束させることで、オフセット補正値(xc,yc)の探索を終了する。
なお、オフセット補正値(xc,yc)の初期値は、(0,0)以外の任意の値でも良い。また、補正値探索部14は、複数種類の初期値を用いて、探索の結果として変動量wを最小値まで収束させ、探索により得られたオフセット補正値を初期値として選択しても良い。
補正値探索部14におけるオフセット補正値(xc,yc)の探索方法は、例えば次の方法が挙げられる。
具体的には、補正値探索部14は、オフセット補正値(xc,yc)の現在値を(xnow,ynow)、αをxnow,ynowと比較して微小な定数とし、(xc,yc)を(xnow+α,ynow),(xnow−α,ynow),(xnow,ynow+α),(xnow,ynow−α)の4通りに変化させて変動量wを測定する。補正値探索部14は、変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xc,yc)を新たな現在値として選択する。
補正値探索部14は、定数αを用いてオフセット補正値を4通りに変化させる動作を繰り返し、オフセット補正値(xc,yc)=(xnow,ynow)における変動量wがオフセット補正値(xc,yc)を4通りに変化させ、変動量wが最小値まで収束した場合に、オフセット補正値(xc1,yc1)として探索を終了する。
また、オフセット補正値(xc,yc)の探索方法として、次の方法も挙げられる。
具体的には、補正値探索部14は、同様に微小な定数αを用いて、オフセット補正値(xc,yc)を(xnow+α,ynow),(xnow−α,ynow)の2通りに変化させて変動量wを測定する。補正値探索部14は、変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xc,yc)を新たな現在値として選択する。
補正値探索部14は、定数αを用いてオフセット補正値をx方向に2通りに変化させる動作を繰り返し、オフセット補正値(xc,yc)=(xnow,ynow)における変動量wがオフセット補正値(xc,yc)を2通りに変化させ、変動量wが最小値まで収束した場合に、x方向のオフセット補正値の同相成分xc1として探索を終了する。
次に、補正値探索部14は、オフセット補正値(xc,yc)を(xnow,ynow+α)、(xnow,ynow−α)の2通りに変化させて変動量wを測定する。補正値探索部14は、変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xc,yc)を新たに現在値として選択する。
補正値探索部14は、定数αを用いてオフセット補正値をx方向に2通りに変化させる動作を繰り返し、オフセット補正値(xc,yc)=(xnow,ynow)における変動量wがオフセット補正値(xc,yc)を2通りに変化させ、変動量wが最小値まで収束した場合に、y方向のオフセット補正値yc1として探索を終了する。
なお、補正値探索部14は、オフセット補正値の同相成分xcのx方向の探索、及びオフセット補正値の直交成分ycのy方向の探索を1回ずつ実行した場合に探索を終了しても良いし、更に複数回、同様な処理を繰り返しても良い。以上により、変動量wが最小となるオフセット補正値(xc1,yc1)が得られる。
図3は、包絡線検波部の検波特性毎の、無変調信号の振幅a=1とした誤差rと変動量wの測定値との関係の一例を示す図である。即ち、図3では、数式(11)により示される誤差rと、振幅測定部26により測定された包絡線振幅vの変動量wの測定値との関係が示されている。
図3では、包絡線検波部20の検波特性として、例えば2乗特性、1乗特性及び1/2乗特性が示されている。例えば、回路の非線形性を用いて比較的小さな信号の振幅を検出する場合には、2乗特性を用いることが多く、オン又はオフの動作を切り換える整流器を用いる場合には1乗特性を用いることが多い。また、回路の種類に拘わらず、出力電圧は電源電圧の制約を受けるので、入力が大きいと出力は飽和する。飽和を表すための一例として、1/2乗特性を示す。振幅測定部26は、包絡線振幅vの変動量wの最大値と最小値の差(peak to peak)を測定して出力する。
図3では、無変調信号の振幅aは1であり、数式(7)により示される誤差rは0から1の範囲としている。また図3では、包絡線検波部20の検波特性がどの特性であっても、誤差rの増減に対応して変動量wは単調に増減する。従って、変動量wが小さくなる方向に誤差rを変化させることで、誤差rを最小値(理想的にはゼロ)にできる。
また、マイクロ波又はミリ波のように高い周波数では、直交変調部17においてクロストークが生じ易く、集積回路の製造バラツキによってはキャリアリークが変調波の振幅を越える場合もある。
以上により、第1回目の高周波信号の電力制御とキャリアリーク補正とが終了するが、初期の大きなキャリアリークの影響により、第1回目の高周波信号の電力制御が乱れ、電力が不正確となり、所望の電力を有する高周波信号SGを得られない場合がある。このため、補正シーケンス制御部10は、第2回目の高周波信号の電力制御を指示する。
次に、本実施形態の送信装置1における第2回目の高周波信号の電力制御に関する動作について説明する。なお、第2回目の高周波信号の電力制御に関する説明では、第1回目の高周波信号の電力制御に関する説明と同一の内容については簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
第2回目の高周波信号の電力制御では、第1回目のキャリアリーク補正において補正値探索部14の探索により得られたオフセット補正値(xc1,yc1)がオフセット補正部15において加算される。また、第2回目の高周波信号の電力制御の動作は、第1回目の高周波信号の電力制御と同様であるため、詳細な説明は割愛する。
電力調整部22は、電力測定部21の出力電力Pが、所望の電力(例えば、図10(A)に示す符号SG参照)となり、且つ、包絡線検波部20が正しく検波可能な電力範囲に含まれるように、可変利得増幅器171,172の利得Avを再度調整する電力制御を行う。第2回目の高周波信号の電力制御において調整された可変利得増幅器171,172の利得をAv2とする。
図7(A)は、第1回目の電力制御前の包絡線振幅vの説明図である。図7(B)は、第1回目の電力制御後の包絡線振幅vの説明図である。図7(C)は、第1回目のキャリアリーク補正後の包絡線振幅vの説明図である。図8(A)は、第2回目の電力制御後の包絡線振幅vの説明図である。図8(B)は、第2回目のキャリアリーク補正後の包絡線振幅vの説明図である。
可変利得増幅器171,172の利得AvがAv1からAv2に変化すると、キャリアリークを示すxo,yoの値も(xo(Av1),yo(Av1))から(xo(Av2),yo(Av2))に変化し、第1回目の調整によって得られたオフセット補正値(xc1,yc1)では、キャリアリークの抑制が不十分となり、再度キャリアリークが発生する。
しかし、第1回目のキャリアリーク補正において補正値探索部14の探索により得られたオフセット補正値(xc1,yc1)がオフセット補正部15において加算されるので、第2回目の高周波信号の電力制御後のキャリアリークを示す(xo(Av2)+xc1,yo(Av2)+yc1)は、初期のキャリアリークを示す(xo(Av1)+xc,yo(Av1)+yc)に比べて小さい。
例えば、図8(A)に示す第2回目の高周波信号の電力制御後では、図7(B)に示す第1回目の高周波信号の電力制御後に比べて、原点Oからの距離を示す包絡線振幅vが大きいため、所望の電力により近いことが分かる。
これにより、送信装置1は、第2回目の高周波信号の電力制御では、数式(8)に示す出力電力Pのrの項、つまりキャリアリークを示すxo,yoを小さくなり、電力制御が乱されて電力が不正確となる確率を軽減でき、高精度に電力制御できる。
次に、本実施形態の送信装置1における第2回目のキャリアリーク補正に関する動作について説明する。なお、第2回目のキャリアリーク補正に関する説明では、第1回目のキャリアリーク補正に関する説明と同一の内容については簡略化又は省略し、異なる内容について説明する。
第2回目のキャリアリーク補正では、補正シーケンス制御部10は、可変利得増幅器171,172の利得AvがAv1からAv2に変化することに起因して発生するキャリアリーク差分を示す(xo(Av2)−xo(Av1),yo(Av2)−yo(Av1))の補正を電力調整部22に指示する。第2回目のキャリアリーク補正の動作は第1回目のキャリアリーク補正の動作と同様であるため、詳細な説明は割愛する。
第2回目のキャリアリーク補正において補正されるキャリアリーク差分を示す(xo(Av2)−xo(Av1),yo(Av2)−yo(Av1))は、第1回目のキャリアリーク補正において補正されるキャリアリークを示す(xo(Av1),yo(Av1))に比べて小さい。
このため、第2回目のキャリアリーク補正では、包絡線検波部20により検波された包絡線の信号は、直流除去部23、可変利得増幅器24及び帯域通過フィルタ部25のうちいずれか又は2つ以上を経由して振幅測定部26に入力されても良い。なお、第2回目のキャリアリーク補正に限らず、第1回目のキャリアリーク補正でも、包絡線検波部20により検波された包絡線の信号は、直流除去部23、可変利得増幅器24及び帯域通過フィルタ部25のうちいずれか又は2つ以上を経由して振幅測定部26に入力されても良い。
これにより、振幅測定部26は、包絡線検波部20により検波された包絡線振幅vの変動量wを高精度に測定できる。なお、包絡線検波部20により検波された包絡線の信号が可変利得増幅器24に入力される場合には、可変利得増幅器24は、第2回目のキャリアリーク補正では、例えば補正シーケンス制御部10の指示に応じて、包絡線振幅vの変動量wを検出し易くするために、第1回目のキャリアリーク補正時の利得に比べて大きな利得を設定する。
例えば、図8(B)に示す第2回目のキャリアリーク補正後では、図7(C)に示す第1回目のキャリアリーク補正後に比べて、原点Oからの距離を示す包絡線振幅vが大きいため、所望の電力により近い値が得られ、更に、可変利得増幅器171,172の利得がAv1からAv2に変更されてもキャリアリークが適正に補正(キャリブレーション)されていることが分かる。
次に、本実施形態の送信装置1における高周波信号の電力制御及びキャリアリーク補正の動作手順について、図9を参照して説明する。図9は、本実施形態の送信装置の動作手順の一例を説明するフローチャートである。図9に示すフローチャートでは、送信装置1がステップS1に示す電力制御とステップS2に示すキャリアリーク補正とを規定回数、行うことが示されている。
図9において、補正シーケンス制御部10は、オフセット補正値(xc,yc)の初期値を出力するための制御信号を補正値探索部14に出力する(S11)。補正シーケンス制御部10は、振幅aを所定の振幅(例えば通常のデータ送信に用いる通常値(a=1))の無変調信号を生成するための制御信号を無変調信号発生部12に出力する(S12)。補正シーケンス制御部10は、無変調信号発生部12により生成された無変調信号を選択するための制御信号を等価低域信号選択部13に出力する。
無変調信号発生部12は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、振幅aを有する無変調信号を生成して等価低域信号選択部13に出力する。等価低域信号選択部13は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、無変調信号発生部12により生成された無変調信号を選択してオフセット補正部15に出力する(S13)。
補正シーケンス制御部10は、所望の電力(図10(A)に示す符号SG参照)が得られるように、無変調信号を増幅するための利得を調整するための制御信号を電力調整部22に出力する。電力調整部22は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、電力測定部21の出力電力Pが、包絡線検波部20が正しく検波可能な電力範囲(図2参照)に含まれるように、可変利得増幅器171,172の利得Avを調整する(S14)。
ステップS14の後、補正シーケンス制御部10は、包絡線振幅vの変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xcn,ycn)の探索処理、及び探索処理により得られたオフセット補正値(xcn,ycn)を出力するための制御信号を補正値探索部14に出力する(S21)。
ステップS21の後、補正値探索部14は、補正シーケンス制御部10により生成された制御信号に応じて、振幅測定部26の出力(包絡線振幅vの変動量w)を用いて、変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xcn,ycn)を探索する。なお、補正値探索部14におけるオフセット補正値(xcn,ycn)の探索方法の詳細については上述したので、説明は割愛する。
ステップS1に示す電力制御とステップS2に示すキャリアリーク補正とが規定回数行われた場合には(S3、YES)、図9に示す送信装置1の動作は終了する。一方、ステップS1に示す電力制御とステップS2に示すキャリアリーク補正とが規定回数行われていない場合には(S3、NO)、送信装置1の動作はステップS14に戻り、ステップS1に示す電力制御とステップS2に示すキャリアリーク補正とが規定回数n回行われるまで繰り返される(nは1以上の整数)。
以上により、本実施形態の送信装置1は、送信データを変調して送信する前に、通常値(例えばa=1)の振幅を有する無変調信号を用い、無変調信号を基に生成された高周波信号の包絡線の信号の電力が所望の電力となるように直交変調部17内の可変利得増幅器171,172の利得を調整する。
また、送信装置1は、無変調信号を基に生成された高周波信号の包絡線振幅vの変動量wの最小値を与えるオフセット補正値(xcn,ycn)を探索し、更に、高周波信号の電力制御とキャリアリーク補正とを規定回数(例えば、2回)行う。
これにより、送信装置1は、直交変調部17において生じるキャリアリークを抑圧でき、更に、キャリアリークの影響に起因して発生する不正確な高周波信号の電力を所望の電力に制御できる。
また、送信装置1は、キャリアリークの補正後に送信データを変調して送信する場合に、キャリアリーク補正における探索により得られたオフセット補正値(xcn,ycn)を用いて、送信データの変調信号にオフセット補正値(xcn,ycn)を加算する。従って、送信装置1は、高周波信号の電力として所望の電力が得られ、且つ、送信データの変調信号を直交変調しても、キャリアリークが抑圧された高周波信号を生成でき、受信装置における受信信号の検出精度の劣化を抑制できる。
また、本実施形態の送信装置1は、例えば製造バラツキ又は使用温度範囲に応じて、直交変調部17において生じるキャリアリークが大きい場合でも、キャリアリークを十分に抑圧できるので、変動精度が高い変調信号を送信でき、通信品質の劣化を抑制できる。
以上、図面を参照して各種の実施形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
上述した本開示では、送信装置1を、例えばハードウェア資源を用いて構成する場合を例示して説明したが、送信装置1の一部の構成については、ハードウェア資源と協働するソフトウェアを用いて構成しても良い。
また、上述した本実施形態の送信装置1の各部(構成要素)は、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。LSIは個別に1チップ化されても良いし、一部又は全ての構成要素を含むように1チップ化されても良い。ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法にはLSIに限らず、専用回路又は汎用プロセッサを用いて実現しても良い。LSIの製造後に、プログラム可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)、又はLSI内部の回路セルの接続、設定が再構成可能なリコンフィグラブル・プロセッサを用いても良い。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、その技術を用いて受信装置100の各部を集積化しても良い。バイオ技術の適用等が可能性としてありえる。
本開示は、高周波信号の直交変調において生じるキャリアリークを抑圧し、所望の電力を有する高周波信号が得られるキャリブレーション装置及びキャリブレーション方法として有用である。
1 送信装置
10 補正シーケンス制御部
11 変調部
12 無変調信号発生部
13 等価低域信号選択部
14 補正値探索部
15 オフセット補正部
16 ローカル発振器
17 直交変調器
18 電力増幅部
19 アンテナ
20 包絡線検波部
21 電力測定部
22 電力調整部
23 直流除去部
24、171、172 可変利得増幅器
25 帯域通過フィルタ部
26 振幅測定部
173 移相部
174、175 乗算器
151、152、176 加算器

Claims (7)

  1. キャリアリークの振幅以下の振幅を有する送信データを送信するためのキャリアリーク補正に用いる、所定の振幅を有する無変調信号を生成する無変調信号生成部と、
    第1の利得を用いて前記無変調信号を増幅し、増幅後の前記無変調信号を直交変調して第1の高周波信号に変換する直交変調部と、
    前記第1の高周波信号の第1の包絡線を検波する包絡線検波部と、
    前記包絡線検波部により検波された前記第1の包絡線の電力を基に、前記第1の利得を第2の利得に調整する利得調整部と、
    前記第1の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第1の補正値を探索する補正値探索部と、
    前記補正値探索部の探索により得られた前記第1の補正値を、前記無変調信号に加算する補正部と、を備え、
    前記直交変調部は、前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を、前記第2の利得を用いて増幅し、増幅後の前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を直交変調して第2の高周波信号に変換し、
    前記包絡線検波部は、前記第2の高周波信号の第2の包絡線を検波し、
    前記補正値探索部は、前記検波された第2の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第2の補正値を探索し、
    前記補正部は、前記第2の補正値を、前記無変調信号に加算する、
    キャリブレーション装置。
  2. 請求項1に記載のキャリブレーション装置であって、
    前記第1の包絡線及び前記第2の包絡線の電力を測定する電力測定部を、備え、
    前記利得調整部は、前記第1の包絡線の電力が、所定の範囲内である場合、前記第2の利得の値を前記第1の利得と同じ値に調整する、
    キャリブレーション装置。
  3. 請求項1に記載のキャリブレーション装置であって、
    前記第1の包絡線又は前記第2の包絡線の振幅の変動量を測定する振幅測定部、を更に備える、
    キャリブレーション装置。
  4. 請求項1に記載のキャリブレーション装置であって、
    前記第1の包絡線又は前記第2の包絡線の信号の直流成分を除去する直流除去部、を更に備える、
    キャリブレーション装置。
  5. 請求項1に記載のキャリブレーション装置であって、
    前記第1の包絡線又は前記第2の包絡線の信号の振幅を増幅する第2の増幅部、を更に備える、
    キャリブレーション装置。
  6. 請求項1に記載のキャリブレーション装置であって、
    前記第1の包絡線又は前記第2の包絡線の信号の周波数成分を抽出する信号抽出部、を更に備える、
    キャリブレーション装置。
  7. キャリブレーション装置におけるキャリブレーション方法であって、
    キャリアリークの振幅以下の振幅を有する送信データを送信するためのキャリアリーク補正に用いる、所定の振幅を有する無変調信号を生成するステップと、
    第1の利得を用いて前記無変調信号を増幅するステップと、
    増幅された前記無変調信号を直交変調して第1の高周波信号に変換するステップと、
    前記第1の高周波信号の第1の包絡線を検波するステップと、
    検波された前記第1の包絡線の電力を基に、前記第1の利得を第2の利得に調整するステップと、
    前記第1の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第1の補正値を探索するステップと、
    前記探索により得られた前記第1の補正値を、前記無変調信号に加算するステップと、
    前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を、前記第2の利得を用いて増幅するステップと、
    増幅後の前記第1の補正値が加算された前記無変調信号を直交変調して第2の高周波信号に変換するステップと、
    前記第2の高周波信号の第2の包絡線を検波するステップと、
    前記検波された第2の包絡線の振幅の変動量の最小値を与える第2の補正値を探索するステップと、
    前記第2の補正値を、前記無変調信号に加算するステップと、を有する、
    キャリブレーション方法。
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