以下、本発明に係るクレーン機能を備えた油圧ショベルの実施の形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1において、クレーン機能を備えた油圧ショベル1は、自走可能なホイール式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回可能に搭載された上部旋回体3とからなる車体を有している。上部旋回体3の前部左側には、運転室を画成しオペレータが搭乗するキャブ3Aが設けられ、上部旋回体3の前部中央には、フロント装置4が俯仰動可能に設けられている。
フロント装置4は、上部旋回体3の前側に俯仰動可能に取付けられたブーム5と、ブーム5の先端側に回動可能に取付けられたアーム6と、アーム6の先端側に回動可能に取付けられたバケット7と、ブーム5を駆動するブームシリンダ8と、アーム6を駆動するアームシリンダ9と、バケット7を駆動するバケットシリンダ10とを含んで構成されている。
ここで、バケット7には、左,右方向に離間して2枚のブラケット7Aが設けられ、各ブラケット7A間には、アーム6の先端部が配置されている。バケット7は、これら各ブラケット7Aおよびアーム6に挿通された支持軸11を中心として、アーム6の先端部に回動可能に支持されている。
アーム6の先端側とバケットシリンダ10のロッド10Aの先端部との間には、左,右方向に離間して2本の連結リンク12が設けられている。各連結リンク12の一端側は、支持軸13を介してアーム6の先端側に回動可能に支持され、各連結リンク12の他端側は、連結軸14を介してバケットシリンダ10のロッド10Aの先端部に回動可能に連結されている。
次に、バケット7とバケットシリンダ10との間には、両者間を連結するバケットリンク15が設けられている。このバケットリンク15は、内部に後述するクレーン作業用のフック26が格納されたフック付きバケットリンクとして構成されている。
バケットリンク15の長さ方向の一端側は、連結軸14を介して連結リンク12と共にバケットシリンダ10のロッド10Aの先端部に回動可能に連結されている。バケットリンク15の長さ方向の他端側は、後述の連結軸20を用いてバケット7の各ブラケット7Aに回動可能に連結されている。ここで、バケットリンク15は、後述する左,右のシリンダ側ボス16,17と、左,右のバケット側ボス18,19と、左,右の連結板21,22と、閉塞板23と、開口部24とを備えた箱状をなし、例えば鋳造等の手段を用いて一体形成されている。
第1の連結部としての左シリンダ側ボス16および右シリンダ側ボス17は、それぞれ左,右方向に延びる円筒状に形成され、左,右方向に間隔をもって対向配置されている。左シリンダ側ボス16の内周側には、円筒状のブッシュ16Aが挿嵌され、右シリンダ側ボス17の内周側には、円筒状のブッシュ17Aが挿嵌され、これら各ブッシュ16A,17A内に連結軸14が挿通されている。左,右のシリンダ側ボス16,17間には、バケットシリンダ10のロッド10Aの先端部が配置され、左,右の連結リンク12によって各シリンダ側ボス16,17を挟込んだ状態で、これら各シリンダ側ボス16,17、バケットシリンダ10のロッド10A、各連結リンク12が、連結軸14によって回転可能に連結されている。
第2の連結部としての左バケット側ボス18および右バケット側ボス19は、それぞれ左,右方向に延びる円筒状に形成され、左,右方向に間隔をもって対向配置されている。左バケット側ボス18の内周側には、円筒状のブッシュ18Aが挿嵌され、右バケット側ボス19の内周側には、円筒状のブッシュ19Aが挿嵌され、これら各ブッシュ18A,19A内に連結軸20が挿通されている。左,右のバケット側ボス18,19間には、後述するフック用ボス27が配置され、バケット7に設けられた左,右のブラケット7Aによって各バケット側ボス18,19を挟込んだ状態で、これら各バケット側ボス18,19、フック用ボス27、バケット7の各ブラケット7Aが、連結軸20によって回転可能に連結されている。
左連結板21は、左シリンダ側ボス16と左バケット側ボス18との間を連結し、右連結板22は、右シリンダ側ボス17と右バケット側ボス19との間を連結している。これら左連結板21と右連結板22は、左,右方向で対をなしている。ここで、左連結板21と右連結板22とは、各シリンダ側ボス16,17および各バケット側ボス18,19の外径寸法と同等の幅寸法を有し、左,右方向で間隔をもって対面している。
閉塞板23は、左,右の連結板21,22の幅方向の一側の端面間を閉塞している。この閉塞板23は、四角形の平板状に形成され、左連結板21の幅方向の一側の端面と右連結板22の幅方向の一側の端面との間を左,右方向に延び、左連結板21と右連結板22との間を連結した状態で閉塞している。閉塞板23には、後述するフック保持機構31が設けられている。
開口部24は、左,右の連結板21,22の幅方向において閉塞板23とは反対側となる幅方向の他側の端面21A,22A間に設けられている。開口部24は、図2に示すように、バケットリンク15の左,右方向および長さ方向の中央部に配置された四角形の開口として形成され、後述するフック26が挿通されるものである。
フック格納空間25は、バケットリンク15を構成する左,右のシリンダ側ボス16,17、左,右のバケット側ボス18,19、左,右の連結板21,22等によって囲まれた空間として形成されている。フック格納空間25は、バケットリンク15内にフック26を格納するために設けられ、開口部24を通じてバケットリンク15の外部に連通している。
クレーン作業用のフック26は、フック格納空間25内に格納されている。フック26は、左,右のバケット側ボス18,19に連結軸20を用いて揺動可能に支持されている。フック26は、図1中に二点鎖線で示すように、バケットリンク15の外部に取出されることにより、ロープ等を介して吊荷(いずれも図示せず)を吊下げて運搬するクレーン作業に用いられる。一方、油圧ショベル1がバケット7を用いた掘削作業を行うときには、図3等に示すように、フック26はバケットリンク15のフック格納空間25内に格納される。ここで、フック26は、後述のフック用ボス27、継手部材28、鉤部材30等を含んで構成されている。
フック用ボス27は、バケットリンク15の各バケット側ボス18,19間に連結軸20を中心として回動可能に設けられている。フック用ボス27の内周側にはブッシュ27Aが挿嵌され、このブッシュ27A内に連結軸20が挿通されている(図2参照)。フック用ボス27の外周側には一対のブラケット27Bが設けられ、各ブラケット27Bは、一定の間隔をもって対面している。
継手部材28は、フック用ボス27の各ブラケット27Bに軸29を介して回動可能に取付けられている。この継手部材28は、軸受等(図示せず)を介して鉤部材30を回転可能に支持する円筒部28Aと、この円筒部28Aに一体形成され、フック用ボス27の各ブラケット27B間に配置された取付部28Bとを含んで構成されている。継手部材28の取付部28Bは、フック用ボス27の各ブラケット27Bに、軸29を中心として回動可能(揺動可能)に取付けられている。
鉤部材30は、継手部材28の円筒部28Aに軸受(図示せず)を介して回転自在に支持されている。鉤部材30は、略J字状に形成され、クレーン作業時に吊荷用のロープ等を引掛けるものである。このため、鉤部材30にはロープ抜止め具30Aが設けられ、鉤部材30に引掛けたロープが抜出すのを、ロープ抜止め具30Aによって抑える構成となっている。
従って、フック26は、連結軸20を中心として回動し、図6中の矢示A方向に移動することにより、バケットリンク15のフック格納空間25に対して出し入れされる。フック26は、フック格納空間25内に格納された状態で、後述するフック保持機構31によって保持される構成となっている。
フック保持機構31は、バケットリンク15のフック格納空間25内に設けられている。フック保持機構31は、油圧ショベル1がクレーン作業を行わないときに、フック26をフック格納空間25内に保持するものである。ここで、フック保持機構31は、後述する基板32と、一方のガイド部材33と、他方のガイド部材36と、ロック部材39とを含んで構成されている。
基板32は、バケットリンク15のフック格納空間25内に位置して閉塞板23に設けられている。基板32は、バケットリンク15の開口部24よりも面積が小さい四角形の平板状に形成され、複数のボルト32Aを用いて閉塞板23に着脱可能に取付けられている。閉塞板23とは反対側となる基板32の表面32B側には、一対のガイド部材としての一方のガイド部材33と、他方のガイド部材36とが設けられている。
一方のガイド部材33は、バケットリンク15の左,右方向の一方側に位置する右連結板22側に設けられている。一方のガイド部材33は、他方のガイド部材36との間でフック26の鉤部材30を左,右両側から挟むことにより、バケットリンク15に格納されるフック26をフック格納空間25へとガイドするものである。
ここで、図6等に示すように、一方のガイド部材33は、鋼板材等を用いて略長方形の平板状に形成され、バケットリンク15の各連結板21,22の長さ方向において一定の間隔をもって対面する2枚の一方のガイド板33Aを有している。各一方のガイド板33Aは、溶接等の手段を用いて基板32の表面32Bに固着され、基板32から突出する各一方のガイド板33Aの突出端は開口部24に向けて延在している。各一方のガイド板33Aは、連結板33Bによって連結され、基板32に対する取付強度が高められている。各一方のガイド板33Aの突出端側には、後述するロック部材支持軸34の両端部が取付けられると共に、後述するストッパピン35の両端部が取付けられている。
ロック部材支持軸34は、各一方のガイド板33Aの突出端側に設けられ、バケットリンク15の各連結板21,22の長さ方向に延在している。ロック部材支持軸34の両端部は、各一方のガイド板33Aにそれぞれ回転可能に挿通され、軸方向に抜止めされている。ロック部材支持軸34は、各一方のガイド板33A間で後述するロック部材39を回転可能に支持すると共に、後述するロック部材付勢ばね40が取付けられるものである。
ストッパピン35は、ロック部材支持軸34の近傍に位置して各一方のガイド板33Aの突出端側に設けられ、バケットリンク15の各連結板21,22の長さ方向に延在している。ストッパピン35の両端部は、各一方のガイド板33Aの突出端側にそれぞれ固定的に挿通されている。ストッパピン35は、ロック部材支持軸34を中心として回転するロック部材39が当接することにより、ロック部材39の可動範囲を規制すると共に、ロック部材付勢ばね40の一端40Aが掛止めされるものである。
他方のガイド部材36は、バケットリンク15の左,右方向の他方側に位置する左連結板21側に設けられ、一方のガイド部材33と、左,右方向で対向している。図6等に示すように、他方のガイド部材36は、バケットリンク15の閉塞板23から開口部24に向けて立上る断面逆L字型の立上り板36Aと、立上り板36Aを挟んで対面する2枚の四角形状の側板36B,36Cと、立上り板36Aに設けられた検出板通過孔としての長溝孔36Dとを含んで構成されている。
ここで、立上り板36Aは、バケットリンク15の閉塞板23から開口部24に向けて突出する縦板部36A1と、縦板部36A1の突出端からバケットリンク15の左連結板21に向けて延びる横板部36A2とを有している。各側板36B,36Cは、立上り板36Aのうちバケットリンク15の各連結板21,22の長さ方向における両側端に設けられ、各連結板21,22の長さ方向で一定の間隔をもって対面している。長溝孔36Dは、2枚の側板36B,36C間に位置して立上り板36Aの縦板部36A1に形成され、バケットリンク15の閉塞板23から開口部24に向けて延在している。各側板36B,36C間には、後述する検出板42が回動可能に設けられ、この検出板42が長溝孔36Dを通過する構成となっている。
ここで、図6に示すように、一方のガイド部材33と他方のガイド部材36との間には、フック26の移動方向(矢示A方向)に延びるガイド空間37が形成され、このガイド空間37内にフック26の鉤部材30を挿入することにより、一方のガイド部材33と他方のガイド部材36とが、鉤部材30を左,右両側から挟込んでガイドする構成となっている。
一方、バケットリンク15のフック格納空間25内には、他方のガイド部材36と、バケットリンク15を構成する左連結板21と、閉塞板23とによって区画されるセンサ収容室38が形成されている。このセンサ収容室38は、より具体的には、他方のガイド部材36を構成する立上り板36Aと2枚の側板36B,36Cとによって囲まれる空間として形成され、後述するフックセンサ45の検出部45B、検出板42等が配置されるものである。
ロック部材39は、ロック部材支持軸34を介して各一方のガイド板33A間に回動可能に支持されている。ロック部材39は、図6および図7に示すように、フック26をフック格納空間25内に格納したときに、フック26の鉤部材30に係合するフック係合部39Aと、フック26をフック格納空間25内に格納するときに、フック26の鉤部材30によって押圧される被押圧部39Bと、ストッパピン35に当接するストッパ部39Cと、フック26の鉤部材30からフック係合部39Aを離脱させるために作業者によって操作される操作部39Dとを有している。
ロック部材39は、ロック部材支持軸34を中心としてフック26の移動方向(図6中の矢示A方向)と直交する方向(左,右方向)に回動し、図6中に実線で示すフック保持位置と、二点鎖線で示すフック解放位置との間で回動変位する。ロック部材39は、フック保持位置においてフック係合部39Aを鉤部材30に係合させることにより、フック26を各ガイド部材33,36間でフック26を固定してフック格納空間25内に保持する。一方、ロック部材39は、操作部39Dを矢示B方向に回動させる操作によってフック解放位置に変位し、フック係合部39Aが鉤部材30から離脱することにより、フック26がフック格納空間25から取出されるのを許すものである。
ロック部材付勢ばね40は、ロック部材39を挟んでロック部材支持軸34の軸方向の両側にそれぞれ設けられている。各ロック部材付勢ばね40は、例えばねじりコイルばねによって形成され、ロック部材付勢ばね40の一端40Aは、ストッパピン35に掛止めされ、ロック部材付勢ばね40の他端40Bは、ロック部材39のうち被押圧部39Bとは左,右方向の反対側となる周縁部に掛止めされている。これにより、ロック部材付勢ばね40は、ロック部材39をフック保持位置に向けて常時付勢し、ロック部材39は、ストッパ部39Cがストッパピン35に当接した位置で安定する。
他方のガイド部材36を構成する2枚の側板36B,36C間には、検出板支持軸41が回転可能に設けられている。検出板支持軸41は、バケットリンク15を構成する各連結板21,22の長さ方向に延在し、検出板支持軸41の軸方向の両端は、各側板36B,36Cに回転可能に挿通されている。検出板支持軸41の軸方向の中間部には、後述する検出板42が固定されている。
検出部材としての検出板42は、検出板支持軸41に取付けられた状態で、他方のガイド部材36の各側板36B,36C間に形成されたセンサ収容室38内に設けられている。検出板42は、長溝孔36Dの溝幅よりも小さな板厚を有する平板状に形成され、各側板36B,36Cと対面している。検出板42のうち開口部24側(図6中の上側)は取付部42Aとなり、この取付部42Aは、検出板支持軸41の軸方向中間部に固定されている。従って、検出板42は、検出板支持軸41を中心として左,右方向に回動する。一方、検出板42のうち閉塞板23側(図6中の下側)は回動部42Bとなり、この回動部42Bは、他方のガイド部材36の立上り板36Aに形成された長溝孔36Dを通過することにより、図6に示す如く後述のフックセンサ45によって検出される検出位置と、図7に示す如くフックセンサ45の検出範囲から外れた非検出位置との間で変位する。
ここで、検出板42のうちガイド空間37側に位置する周縁部は、フック26がフック格納空間25に格納されるときに、フック26の鉤部材30によって押圧される被押圧部42Cとなっている。検出板42は、フック格納空間25にフック26が格納されたときには、このフック26によって被押圧部42Cが押圧されることにより検出位置(図6の位置)を保持し、フック格納空間25からフック26が取出されたときには、後述する検出板付勢ばね44によって非検出位置(図7の位置)を保持する。
検出板42の回動部42Bには、検出板支持軸41の近傍に位置してストッパピン43が設けられている。ストッパピン43は、長溝孔36Dの溝幅よりも大きい長さ寸法を有し、検出板支持軸41の軸方向と平行して延びている。ストッパピン43は、検出板42の回動部42Bが長溝孔36Dを通じて非検出位置に向けて変位したときに立上り板36Aに当接し、検出板42を非検出位置に保持するものである(図7参照)。
検出板付勢ばね44は、検出板42を挟んで検出板支持軸41の軸方向の両側にそれぞれ設けられている。各検出板付勢ばね44は、例えばねじりコイルばねによって形成され、検出板付勢ばね44の一端44Aは、立上り板36Aの横板部36A2に掛止めされ、検出板付勢ばね44の他端44Bは、検出板42のうち被押圧部42Cとは左,右方向の反対側となる周縁部に掛止めされている。これにより、検出板付勢ばね44は、検出板42を非検出位置に向けて常時付勢し、検出板42は、ストッパピン43が立上り板36Aに当接した非検出位置で安定する。
フックセンサ45は、閉塞板23の近傍に位置して他方のガイド部材36の側板36Bに取付けられている。フックセンサ45は、雄ねじ部45Aと検出部45Bとを有する近接スイッチにより構成されている。雄ねじ部45Aは、側板36Bに挿通された状態で2個のナット45Cを用いて側板36Bに固定されている。フックセンサ45の検出部45Bは、フック26と隔絶した状態で、他方のガイド部材36の各側板36B,36C間に形成されたセンサ収容室38内に配置されている。ここで、フックセンサ45の雄ねじ部45Aと各ナット45Cとは、フックセンサ45が、検出板42を検出するときの距離を調整する検出距離調整機構を構成している。即ち、フックセンサ45の雄ねじ部45Aに対する各ナット45Cの螺入量を調整することにより、検出部45Bが側板36Bからセンサ収容室38内に突出する寸法が変化する。これにより、フックセンサ45の検出部45Bが、検出板42を検出するときの距離を適宜に調整することができる構成となっている。
図6に示すように、フック26がフック格納空間25に格納されて検出板42が検出位置に変位したときには、フックセンサ45の検出部45Bが、検出板42の回動部42Bに近接(対面)することにより、この検出板42を検出する。このため、フックセンサ45と検出板42との間の検出距離が安定し、フックセンサ45の検出精度を高精度に確保することができる構成となっている。一方、図7に示すように、フック26がフック格納空間25から取出されて検出板42が非検出位置に変位したときには、検出板42の回動部42Bがフックセンサ45の検出部45Bから離間することにより、検出板42が検出されなくなる。このように、フックセンサ45は、センサ収容室38内に収容された検出部45Bが検出位置に変位した検出板42を検出することにより、この検出板42によって、フック26が格納空間25内に格納されたことを間接的に検出し、フック26がフック格納空間25に格納されているか否かに応じた検出信号を、後述するコントローラ57に出力する。
この場合、フックセンサ45の検出部45Bは、他方のガイド部材36と、バケットリンク15の左連結板21と、閉塞板23とによって囲まれ、土砂等の外的障害物に対して保護されたセンサ収容室38内に配置されている。これにより、油圧ショベル1が、バケットリンク15のフック格納空間25内にフック26を保持した状態で、バケット7を用いて土砂等の掘削作業を行ったとしても、土砂等(外的障害物)がフックセンサ45の検出部45Bに衝突するのを抑え、検出部45Bを保護することができる構成となっている。
センサカバー46は、他方のガイド部材36を構成する側板36Bのうちセンサ収容室38とは反対側の面に設けられている。センサカバー46は、図5等に示すように、逆L字型に折曲げられた板体からなり、側板36Bに溶接等の手段を用いて固着されている。センサカバー46は、側板36Bに取付けられたフックセンサ45のうち、センサ収容室38からはみ出した部位(取付部45A)を覆うことにより、バケット7を用いた掘削作業時に、土砂等がフックセンサ45の取付部45Aに衝突するのを抑え、フックセンサ45を保護するものである。
次に、バケットシリンダ10を制御する油圧系統について図8を参照して説明する。
バケットシリンダ10は、油圧ポンプ47およびタンク48からなる油圧源に、主管路49、50を介して接続されている。主管路49,50の途中には、例えば6ポート3位置の油圧パイロット式の方向制御弁51が設けられている。方向制御弁51は油圧パイロット部51A,51Bを有し、各油圧パイロット部51A,51Bにパイロット圧が供給されないときには、方向制御弁51は、中立位置(a)を保持し、油圧ポンプ47から吐出した圧油をタンク48に排出する。油圧パイロット部51Aにパイロット圧が供給されたときには、方向制御弁51は切換位置(b)に切換えられ、油圧ポンプ47からの圧油をバケットシリンダ10のロッド側油室10Bに供給すると共に、バケットシリンダ10のボトム側油室10C内の圧油をタンク48に排出することにより、バケットシリンダ10を縮小させる。油圧パイロット部51Bにパイロット圧が供給されたときには、方向制御弁51は切換位置(c)に切換えられ、油圧ポンプ47からの圧油をバケットシリンダ10のボトム側油室10Cに供給すると共に、バケットシリンダ10のロッド側油室10B内の圧油をタンク48に排出することにより、バケットシリンダ10を伸長させる。
パイロット操作弁52は、油圧ショベル1のキャブ3A内に配置され、オペレータによって操作されるものである。パイロット操作弁52と方向制御弁51の油圧パイロット部51Aとの間は、パイロット管路53を介して接続され、パイロット操作弁52と方向制御弁51の油圧パイロット部51Bとの間は、パイロット管路54を介して接続されている。これらパイロット管路53,54の途中には、3ポート2位置の電磁弁55,56がそれぞれ設けられている。
電磁弁55は、電磁パイロット部55Aに後述するコントローラ57からの信号が出力されていないときには、パイロット管路53を連通させる連通位置(d)を保持し、コントローラ57からの信号が出力されたときには、パイロット管路53を遮断する遮断位置(e)に切換えられる。一方、電磁弁56は、電磁パイロット部56Aにコントローラ57からの信号が出力されていないときには、パイロット管路54を連通させる連通位置(f)を保持し、コントローラ57からの信号が出力されたときには、パイロット管路54を遮断する遮断位置(g)に切換えられる。従って、コントローラ57から電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56Aに信号が出力されたときには、電磁弁55,56が遮断位置(e),(g)に切換えられることにより、パイロット操作弁52を操作してもバケットシリンダ10は作動しない状態を保持する。
次に、フックセンサ45からの検出信号等に基づいて油圧ショベル1の作業モードを切換えるコントローラ57について図8を参照して説明する。
コントローラ57は、油圧ショベル1に搭載され、フックセンサ45からの検出信号、後述する手動選択スイッチ59等からの信号に基づいて、油圧ショベル1を、フック26を用いたクレーン作業(吊荷作業)を行うときのクレーン作業モードと、バケット7を用いた掘削作業モードとに切換えるものである。
コントローラ57の入力側には、フックセンサ45、キースイッチ58、手動選択スイッチ59等が接続されている。キースイッチ58は、キャブ3A内に配置され、油圧ショベル1のエンジン60を始動するときにオペレータによって操作される。手動選択スイッチ59は、キャブ3A内に配置され、例えばフックセンサ45からの検出信号に拘わらず、オペレータがクレーン作業モードと掘削作業モードとを任意に選択するために操作される。
コントローラ57の出力側には、エンジン60、モニタ画面61、電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56A等が接続されている。コントローラ57は、フックセンサ45、キースイッチ58、手動選択スイッチ59等から入力される信号に基づいて、油圧ショベル1を、クレーン作業モードと掘削作業モードとに切換える制御を行う。
本実施の形態では、フック26が格納空間25から取出された取出し位置(図7の位置)にあるときには、フックセンサ45はコントローラ57にON信号を出力し、フック26が格納空間25に格納された格納位置(図6の位置)にあるときには、フックセンサ45はコントローラ57にOFF信号を出力する。また、フックセンサ45の故障、フックセンサ45に接続されたハーネスの断線等によりフックセンサ45が不調になった場合には、フックセンサ45はコントローラ57にOFF信号を出力する。この場合、フック26が取出し位置にある状態でフックセンサ45が不調となったときには、フックセンサ45はコントローラ57にOFF信号を出力するが、コントローラ57は、後述する図9の制御処理によってクレーン作業モードを保持する構成となっている。また、フック26が取出し位置にあるとき(クレーン作業時)には、誤って手動選択スイッチ59が掘削作業モード側に切換えられたとしても、コントローラ57は、図9の制御処理によってクレーン作業モードを保持する構成となっている。
コントローラ57がクレーン作業モードを実行するときには、コントローラ57は、例えば上部旋回体3の旋回時にフック26によって吊下げた吊荷が荷振れするのを抑えるために、エンジン60の回転数を制限(低下)する。また、コントローラ57は、電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56Aに信号を出力することにより、パイロット操作弁52の操作に関わらずバケットシリンダ10の伸縮動作を禁止する。さらに、コントローラ57は、ブーム5およびアーム6の回動角を個別に検出する角度センサ、フック26に吊下げられた吊荷の重量を検出する荷重センサ(いずれも図示せず)から入力される検出信号等に基づいて、例えばフロント装置4の姿勢に応じた吊荷の定格荷重や車体の安定度を演算し、この演算結果をモニタ画面61に表示させる。
一方、コントローラ57が掘削作業モードを実行するときには、コントローラ57は、電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56Aに対する信号の出力を停止し、パイロット操作弁52の操作に応じたバケットシリンダ10が伸縮動作を許す。また、コントローラ57は、エンジン60の回転数に対する制限を解除すると共に、モニタ画面61に、クレーン作業時とは異なる表示、例えば燃料計、エンジン冷却水の水温計等の表示を行う。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、クレーン作業を行うために、バケットリンク15からフック26を取出す作業について説明する。
この場合、フック26は、図3ないし図6に示す格納位置にあり、フック26の鉤部材30は、図6に示すように、フック保持機構31を構成する一方のガイド部材33と他方のガイド部材36との間に配置されている。鉤部材30の内周側には、フック保持位置に保持されたロック部材39のフック係合部39Aが係合している。一方、検出板42は、被押圧部42Cがフック26の鉤部材30に押圧されることにより、検出板付勢ばね44に抗して検出位置を保持している。従って、フックセンサ45は、検出板42によってフック26が格納位置にあることを検出し、コントローラ57にOFF信号を出力する。このとき、フックセンサ45の雄ねじ部45Aに対する各ナット45Cの螺入量を調整することにより、フックセンサ45の検出部45Bが、検出板42を検出するときの距離を適宜に調整することができる。
この状態で、ロック部材39の操作部39Dを矢示B方向に操作し、ロック部材39を図6中の二点鎖線で示すフック解放位置に回動変位させる。これにより、ロック部材39のフック係合部39Aが、フック26の鉤部材30から離脱するので、図7に示すように、フック26を、一方のガイド部材33と他方のガイド部材36との間から矢示A方向に抜取ることができる。これにより、フック26は、連結軸20を中心として、バケットリンク15のフック格納空間25から離脱し、図1中に二点鎖線で示される位置へと移動する。
このとき、検出板42は、フック26との係合が解除されることにより、検出板付勢ばね44によって図6の検出位置から図7の非検出位置へと回動し、ストッパピン43が他方のガイド部材36の立上り板36Aに当接することにより非検出位置を保持する。従って、フックセンサ45は、検出板42によってフック26が取出し位置に変位したことを検出し、コントローラ57にON信号を出力する。
このようにして、バケットリンク15から取出されたフック26に対し、ロープ等を用いて吊荷(いずれも図示せず)を吊下げることにより、例えば上部旋回体3を旋回させつつブーム5、アーム6を俯仰動させることにより、吊荷を所望の場所へと搬送するクレーン作業を行うことができる。
次に、バケット7を用いた掘削作業を行うため、フック26をバケットリンク15のフック格納空間25に格納する場合には、フック26を把持し、連結軸20を中心としてフック格納空間25に向けて回動させる。そして、図7に示すように、フック保持機構31を構成する各ガイド部材33,36間に形成されたガイド空間37内に、フック26の鉤部材30を挿入する。
このとき、ロック部材39は、ロック部材付勢ばね40によってフック保持位置を保持し、検出板42は、検出板付勢ばね44によって非検出位置を保持している。これに対し、フック26の鉤部材30が、ロック部材39の被押圧部39Bを押圧することにより、ロック部材39は、ロック部材付勢ばね40に抗していったんフック解放位置へと回動する。そして、鉤部材30の外周がロック部材39のフック係合部39Aを乗越えると、ロック部材39は、ロック部材付勢ばね40によって自動的にフック保持位置に復帰する。
一方、フック26の鉤部材30が、検出板42の被押圧部42Cを押圧することにより、検出板42は、検出板付勢ばね44に抗して検出位置へと回動し、この検出位置を保持する。これにより、フックセンサ45は、検出板42によってフック26が格納位置にあることを検出し、コントローラ57にOFF信号を出力する。
このようにして、フック26をバケットリンク15のフック格納空間25に格納した状態で、ブーム5、アーム6を俯仰動させつつ、バケットシリンダ10によってバケット7を回動させることにより、土砂等の掘削作業を行うことができる。
この場合、本実施の形態では、フック保持機構31を構成する他方のガイド部材36と、バケットリンク15の各連結板21,22のうち他方のガイド部材36と対面する左連結板21と、バケットリンク15の閉塞板23とにより、フック格納空間25の内部を区画するセンサ収容室38を形成し、センサ収容室38内には、フック26と隔絶した状態でフックセンサ45の検出部45Bを設けると共に、フック26を格納位置に格納したときにフック26によって押圧されることにより検出位置に変位し、この検出位置に変位した状態がフックセンサ45によって検出される検出板42を設ける構成としている。
これにより、バケットリンク15のフック格納空間25にフック26を格納した状態でバケット7を用いた掘削作業を行うことにより、バケットリンク15のフック格納空間25内に土砂等が侵入したとしても、この土砂等がセンサ収容室38内に収容されたフックセンサ45の検出部45Bに衝突するのを抑えることができる。この結果、フックセンサ45の破損を防止し、フックセンサ45を保護することができるので、フックセンサ45の交換に要する時間やコストを低減することができる。
しかも、フックセンサ45は、センサ収容室38内に配置された検出板42が検出位置と非検出位置との間で変位するのを検出することにより、フック26が格納位置に格納されたか否かを間接的に検出することができる。この結果、フックセンサ45と検出板42との間の検出距離が安定するので、フックセンサ45の検出精度を高精度に確保することができる。さらに、フックセンサ45の検出部45Bを覆うカバーを別個に設ける必要がないので、フック保持機構31をコンパクトに形成することができる。
また、本実施の形態では、他方のガイド部材36は、バケットリンク15の閉塞板23から開口部24に向けて立上る立上り板36Aと、立上り板36Aの側端面に設けられた各側板36B,36Cと、各側板36B,36Cに設けられ検出板42を回動可能に支持する検出板支持軸41と、立上り板36Aに設けられ検出板42が検出板支持軸41を中心として回動するときに検出板42が通過する長溝孔36Dとを含んで構成され、検出板42は、格納位置に格納されたフック26に押圧されることによりセンサ収容室38内でフックセンサ45によって検出される検出位置と、フック26が格納位置から離脱したときに長溝孔36Dを通じてセンサ収容室38の外部に突出しフックセンサ45による検出範囲から外れた非検出位置との間で変位する構成としている。
これにより、フック26を格納位置に格納すると、検出板42がフック26に押圧され、検出板支持軸41を中心として検出位置へと回動変位するので、検出位置に変位した検出板42がフックセンサ45によって検出されることにより、フック26が格納位置に格納されたことを間接的に検出することができる。一方、検出板42が非検出位置に変位してフックセンサ45による検出範囲から外れることにより、フック26が格納位置から離脱したことを間接的に検出することができる。
しかも、フックセンサ45を、フック保持機構31を構成する他方のガイド部材36に設けたので、フック保持機構31とフックセンサ45とを、一つのユニットとして形成することができる。この結果、バケットリンク15とはサイズが異なる他のバケットリンクに対しても、ユニット化されたフック保持機構31とフックセンサ45とを容易に取付けることができる。
また、本実施の形態では、他方のガイド部材36の側板36Bに、フックセンサ45のうちセンサ収容室38からはみ出した部位(取付部45A)を覆うセンサカバー46を設ける構成としている。これにより、センサ収容室38からはみ出したフックセンサ45の取付部45Aを、センサカバー46によって土砂等から保護することができる。
次に、本実施の形態では、フック26が格納位置にあるか否かに応じてフックセンサ45から出力される検出信号、手動選択スイッチ59から出力される信号等に基づいて、コントローラ57がクレーン作業モードと掘削作業モードとを切換えるようになっており、以下、コントローラ57が実行する制御処理を、図9を参照して説明する。
まず、フック26が取出し位置にあり、手動選択スイッチ59によってクレーン作業モードが選択されている場合について述べる。コントローラ57による制御処理がスタートすると、ステップ1において、キャブ3A内に配置されたキースイッチ58が、エンジン60を始動するためにON操作されたか否かを判定する。ステップ1で「NO」と判定している間はこの判定を繰返し、ステップ1で「YES」と判定したときにはステップ2に進む。ステップ2では、初期設定として制御フラグを「0」に設定し、ステップ3に進む。
ステップ3では、フックセンサ45から出力される検出信号がON信号で、かつ制御フラグが「0」であるか否かを判定する。この場合、フック26が格納空間25から取出された取出し位置(図7の位置)にあるときには、フックセンサ45はON信号を出力する。また、ステップ2では制御フラグが「0」に設定されている。従って、フック26が取出し位置にあるときには、ステップ4に進んで制御フラグを「1」に設定し、ステップ5に進む。
ステップ5では、クレーン作業モードに応じた制御を行う。例えばコントローラ57は、電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56Aに信号を出力し、これら電磁弁55,56を遮断位置(e),(g)に切換える。これにより、パイロット操作弁52を操作してもバケットシリンダ10は作動せず、バケット7は、例えば図1に示す姿勢に固定される。また、コントローラ57は、上部旋回体3の旋回時にフック26によって吊下げた吊荷が荷振れするのを抑えるために、エンジン60の回転数を制限する。
さらに、コントローラ57は、ブーム5およびアーム6の回動角を個別に検出する角度センサ、フック26に吊下げられた吊荷の重量を検出する荷重センサ(いずれも図示せず)から入力される検出信号等に基づいて、例えばフロント装置4の姿勢に応じた吊荷の定格荷重や車体の安定度を演算し、この演算結果をモニタ画面61に表示させる。従って、オペレータは、モニタ画面61を目視することにより、クレーン作業の作業状態を監視することができ、クレーン作業を安全に行うことができる。
ステップ5を実行した後には、ステップ6に進み、キースイッチ58がOFF操作されたか否かを判定する。ステップ6で「YES」と判定したときには、キースイッチ58がOFF操作されてエンジン60が停止するので、制御処理を終了する。一方、ステップ6で「NO」と判定したときには、ステップ3に進む。この場合、ステップ4で制御フラグが「1」に設定されているので、ステップ3では「NO」と判定され、ステップ7に進む。
ステップ7では、キャブ3A内に配置された手動選択スイッチ59が、クレーン作業モードを選択しているか否かを判定する。ステップ7で「YES」、即ち、手動選択スイッチ59によってクレーン作業モードが選択されていると判定したときには、ステップ5に進んでクレーン作業モードを保持する。このように、フック26が取出し位置にあり、手動選択スイッチ59によってクレーン作業モードが選択されているときには、上述のステップ5、6、3、7を繰返すことにより、クレーン作業モードを保持することができる。
次に、フック26が格納位置にあるか、フックセンサ45が不調である場合に、手動選択スイッチ59によって掘削作業モードが選択された場合について述べる。この場合には、ステップ1、2、3に進んだ後、ステップ3で「NO」と判定し、ステップ7に進む。
この場合、キャブ3A内に配置された手動選択スイッチ59によって掘削作業モードが選択されているので、ステップ7では「NO」と判定し、制御フラグを「0」に設定した後、ステップ9に進む。
ステップ9では、掘削作業モードに応じた制御を行う。例えばコントローラ57は、電磁弁55,56の電磁パイロット部55A,56Aに対する信号の出力を停止し、これら電磁弁55,56を連通位置(d),(f)に切換える。これにより、パイロット操作弁52の操作に応じてバケットシリンダ10が伸縮し、バケット7を用いて土砂を掘削することができる。また、コントローラ57は、エンジン60の回転数に対する制限を解除すると共に、モニタ画面61に、例えば燃料計、エンジン冷却水の水温計等のクレーン作業時とは異なる表示内容を表示する。
ステップ9を実行した後には、ステップ6に進み、ステップ6で「NO」と判定したときには、ステップ3に進む。この場合、フックセンサ45からOFF信号が出力されているので、ステップ3では「NO」と判定され、ステップ7に進む。従って、手動選択スイッチ59によって掘削作業モードが選択されているときには、上述のステップ9、6、3、7、8を繰返すことにより、掘削作業モードを保持することができる。
ここで、クレーン作業モードを実行しているときに、フックセンサ45が不調となった場合には、フックセンサ45からOFF信号が出力される。この場合には、ステップ3で「NO」と判定されてステップ7に進むので、手動選択スイッチ59によってクレーン作業モードが選択されている限り、上述のステップ5、6、3、7を繰返す。従って、クレーン作業中にフックセンサ45が不調になった場合でも、クレーン作業モードを保持することにより、安定したクレーン作業を継続することができる。
次に、クレーン作業モードを実行しているときに、誤って手動選択スイッチ59が掘削作業モードに切換えられた場合には、コントローラ57は、ステップ7において「NO」と判定し、ステップ8、9、6を経由してステップ3に進む。この場合には、ステップ8で制御フラグが「0」に設定されているので、ステップ3では「YES」と判定し、ステップ4、5、6を経由してステップ3に進む。この場合には、ステップ4で制御フラグが「1」に設定されているので、ステップ3では「NO」と判定し、再びステップ7、8、9、6を経由してステップ3に進む。
このように、クレーン作業モードを実行しているときに、誤って手動選択スイッチ59が掘削作業モードに切換えられた場合には、コントローラ57は、上述したステップ5、6、3、7、8、9、6、3、4を繰返す。そして、ステップ5、6、3、7、8、9、6、3、4を繰返す間に、手動選択スイッチ59をクレーン作業モードに切換える(復帰させる)ことにより、クレーン作業モードを保持することができる。このように、油圧ショベル1のクレーン作業時に、誤って手動選択スイッチ59が掘削作業モードに切換えられたとしても、油圧ショベル1が急に掘削作業モードに切換わるのを抑え、クレーン作業モードを保持することができる。この結果、クレーン作業中の油圧ショベル1の安定性を保持することができる。
かくして、本実施の形態によれば、コントローラ57は、クレーン作業モードを実行しているときに、フックセンサ45が不調になった場合でも、クレーン作業モードを保持する構成としている。これにより、フックセンサ45が不調であっても、作業モードが急に切換えられることがなく、クレーン作業時における油圧ショベル1の安定性を確保することができる。また、フック26がバケットリンク15のフック格納空間25に格納され、手動選択スイッチ59により掘削作業モードが選択されている場合(クレーン作業モードを解除した場合)には、コントローラ57が自動的にクレーン作業モードから掘削作業モードに切換えることにより、バケット7を用いた掘削作業を行うことができる。従って、油圧ショベル1がクレーン作業モードのままで休車状態となる事態を回避し、バケット7を用いた掘削作業等を行うことができるので、油圧ショベル1を有効に活用することができる。
また、コントローラ57は、フック26が取出し位置にあるときは、手動選択スイッチ59によって掘削作業モードが選択された場合でも、クレーン作業モードを保持する構成としている。これにより、フック26が取出し位置にある状態で、オペレータが誤って手動選択スイッチ59を掘削作業モードに切換えてしまった場合でも、油圧ショベル1はクレーン作業状態を保持することができる。この結果、掘削作業モードで吊荷を吊下げることにより、油圧ショベル1の車体が不安定化する事態を防止することができ、油圧ショベル1を用いた作業の安全性を高めることができる。
さらに、フック26に吊荷のロープを引掛ける作業者(玉掛け作業者)が、フック格納空間25からフック26を取出すことにより、玉掛け作業者側から自動的にクレーン作業モードに切換えることができる。従って、玉掛け作業者がフック26を取出したことを、キャブ3A内のオペレータに報知することなく、迅速にクレーン作業モードに切換えることができるので、クレーン作業の作業性を高めることができる。
さらに、本実施の形態では、掘削作業モードとクレーン作業モードとを手動で切換えるための手動選択スイッチ59を設け、コントローラ57は、フックセンサ45が不調のときにも、手動選択スイッチ59によりクレーン作業モードが選択されたときは、クレーン作業モードに切換える構成としている。これにより、フックセンサ45が不調の場合であっても、手動選択スイッチ59によってクレーン作業モードと掘削作業モードとを選択することにより、オペレータの判断のもとで、クレーン作業または掘削作業を任意に実行することができる。
なお、上述した実施の形態では、他方のガイド部材36を構成する立上り板36Aのうちバケットリンク15の各連結板21,22の長さ方向における両側端に、側板36B,36Cを対面させて設け、これら各側板36B,36Cと立上り板36Aとによってセンサ収容室38を取囲む構成を例示している。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば立上り板36Aの一方の側端に側板36Bを設け、これら立上り板36A、側板36Bによってセンサ収容室を取囲む構成としてもよい。
また、上述した実施の形態では、左,右のシリンダ側ボス16,17、左,右のバケット側ボス18,19、左,右の連結板21,22、閉塞板23が、鋳造により一体形成された箱状のバケットリンク15を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えば左,右のシリンダ側ボス、左,右のバケット側ボス、左,右の連結板、閉塞板を、それぞれ別部材として形成し、これらを溶接等の手段を用いて箱状に形成したバケットリンクにも適用することができる。