JP6499606B2 - 含硫黄環化化合物の製造方法 - Google Patents
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Description
しかし、フェノキサチイン環構造、チアントレン環構造等の含硫黄環化化合物は製造が困難であり、収率向上、或いは、穏和な条件下での製造について検討がなされている。
フェノキサチイン環構造、チアントレン環構造等を有する含硫黄環化化合物の製造方法としては、汎用の製造方法として、例えば、ATM(ataxia telangiectasia mutated)阻害作用を有する新規なモルホリン誘導体またはその塩が提案されており、例えば、スルフィン酸基をもつ芳香環を有する化合物に、酸を反応させて環構造を形成させる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1には、反応に用いられる酸としては、ポリリン酸およびイートン試薬が記載されている。
非特許文献1に記載の方法では、出発物質として二量体を用いることで不均化の抑制は、ある程度達成されるとは考えられるが、出発物質である二量体が有する置換基によっては、電子供与性基の影響を受けやすい等の理由から、非対称のチアントレン化合物を合成することは困難である。また、反応が、量論量以上のMoCl5の使用、あるいは基質によっては量論量以上のTiCl4の添加という強酸性条件下で行なわれ、反応に大量の金属を必要とするため、製造適性に問題がある。
非特許文献2に記載の方法は、反応は室温で可能ではあるが、塩基性条件下で長時間、例えば、16時間撹拌する等、反応に時間を要し、かつ反応の選択性が低いため、収率にばらつきがあるという問題がある。
非特許文献3に記載の方法では、NaHとジメチルホルムアミドの存在下、高温での反応を必要とし、製造適性に問題がある。また、反応効率の点から出発物質に制限があり、収率も中程度である点においても、改良の余地がある。
以上のように、各種検討がなされているが、いずれの製造方法も製造適性、収率、目的物質の構造の選択性等について改良の余地があり、目的とする有用な含硫黄環化化合物を簡易に高収率で製造する方法は未だ得られていないのが現状である。
<1> 下記一般式[2]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる工程を含む、下記一般式[1]で表される含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[2]中、A環はアリール環またはヘテロアリール環を表し、B環はアリール環またはヘテロアリール環を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
<2> 一般式[1]、および一般式[2]におけるnが0である<1>に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は、水素原子である。nは0〜2の整数を表す。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
<4> 一般式[3]および一般式[4]におけるnが0である<3>に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<5> 一般式[3]および一般式[4]におけるXが単結合、S、O、またはNRaを表し、Raは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す<3>または<4>請求項4に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<7> 酸反応工程において使用されるルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、一般式[2]または一般式[4]で表される化合物の総モル数に対し、0.001モル%〜1000モル%の範囲である<1>〜<6>のいずれか1つに記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<8> 酸反応工程において使用されるルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、一般式[2]または一般式[4]で表される化合物の総モル数に対し、10モル%〜500モル%の範囲である<1>〜<7>のいずれか1つに記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<10> 下記一般式[6]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、ハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[5]で表される含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[6]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は水素原子である。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。
<11> 酸反応工程において使用されるルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、一般式[6]で表される化合物の総モル数に対し、10モル%〜100モル%の範囲である<10>に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<12> 酸反応工程は、反応容器にルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を入れ、その後、反応容器にハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤を投入する工程を含む<1>〜<11>のいずれか1つに記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
<13> 添加剤は、塩素化剤、臭素化剤、およびヨウ素化剤から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤を含む<12>に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[2]中、A環はアリール環またはヘテロアリール環を表し、B環はアリール環またはヘテロアリール環を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
本実施形態の製造方法では、出発物質として、環構造を有する二量体化合物である一般式[2]、一般式[4]または一般式[6]で表される化合物を用いる。二量体化合物であるこれら化合物は、公知のスルフィン酸化合物等に比較して、環化反応の際の脱離能が高いため、高酸性または高塩基性化合物の存在、あるいは、高温度条件による反応促進を必要とせず、穏和な条件にて反応が進行すると考えられる。また、本実施形態の製造方法では、分子内反応、より詳細には、分子内Friedel−Crafts反応を適用しているため、環化が容易に進行し、出発物質としての二量体化合物における置換基の有無に拘らず反応が進行し易く、このことからも穏和な条件、例えば、穏和な温度条件にて、添加剤、反応促進剤等の添加量を過剰としなくても反応が進行すると考えられる。さらに、二量体化合物を用いるために、不均化に伴う副生成物の生成が抑制され、高収率が達成させるものと推定される。
さらに、出発物質としての二量体化合物の置換基の有無に拘らず反応が進行するため、目的とする含硫黄環化化合物の構造の選択の自由度が高いという利点をも有する。
なお、本発明は上記の推定機構に何ら制限されない。
以下、一般式[2]、一般式[4]または一般式[6]で表される化合物を「二量体化合物」と総称することがある。
本明細書において組成物等に含まれる各成分の量は、当該組成物中に、各成分に該当する物質が複数含まれる場合、特に断らない限り、当該複数の物質の合計量を意味する。
本明細書における「室温」とは、25℃である。
本明細書中における「化合物」との語は、当該化合物が許容される塩の状態である「化合物の塩」を包含する意味で用いられる。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
本明細書における「穏和な条件」とは、反応温度15℃〜40℃程度であること、および、環化反応を反応溶媒中で行なうことの少なくともいずれかを満たす条件を示す。
以下、本実施形態の製造方法について、詳細に説明する。
本実施形態の製造方法は、下記一般式[2]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる工程(以下、「酸反応工程」と称することがある)を含む。
本工程は、出発物質として下記一般式[2]で表される化合物を使用する。
A環またはB環におけるアリール環は、炭素系芳香環基である炭素環系アリール基であることが好ましい。アリール環としては、より具体的には、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、ジフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル等が挙げられる。
A環またはB環におけるヘテロアリール環は、アリール環に含まれるメチン、またはビニレンを1個以上、ヘテロ原子に置き換えた環を指す。ヘテロ原子としては、硫黄原子、酸素原子、窒素原子(−NH−の形態をとることがある)が挙げられる。
ヘテロアリール環としては、具体的には、例えば、6員のヘテロ環構造を有するヘテロアリール環としては、ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、キノリン環、キナゾリン環等が挙げられる。5員のヘテロ環構造を有するヘテロアリール環としては、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンゾチアゾール環、インドリン環、インダゾール環、トリアゾール環、チオフェン環、フラン環等が挙げられる。
[置換基群T]
アルキル基:好ましくは炭素数1〜20のアルキル基である。例えば、メチル、エチル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、1−エチルペンチル、ベンジル、2−エトキシエチル、1−カルボキシメチル、トリフルオロメチル等が挙げられる。アルキル基はシクロアルキル基であってもよく、シクロアルキル基は、好ましくは、炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、例えば、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、4−メチルシクロヘキシル等が挙げられる。
アルケニル基:好ましくは炭素数2〜20のアルケニル基である。例えば、ビニル、アリル、ブテニルまたはオレイル等が挙げられる。アルケニル基はシクロアルケニル基であってもよく、シクロアルケニル基は、好ましくは炭素数5〜20のシクロアルケニル基であり、例えば、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等が挙げられる。
アルキニル基:好ましくは炭素数2〜20のアルキニル基である。例えば、エチニル、ブチニル、フェニルエチニル等が挙げられる。
アリール基:好ましくは炭素数6〜26のアリール基であり、例えば、フェニル、1−ナフチル、4−メトキシフェニル、2−クロロフェニル、3−メチルフェニル、ジフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル等が挙げられる。
アルコキシ基:好ましくは炭素数1〜20のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、ベンジルオキシ等が挙げられる。アルコキシ基は、シクロアルキルオキシ基であってもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキルオキシ基であり、例えば、シクロプロピルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ、4−メチルシクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
アルケニルオキシ基:好ましくは炭素数2〜20のアルケニルオキシ基であり、例えば、ビニルオキシ、アリルオキシ等が挙げられる。
アルキニルオキシ基:好ましくは炭素数2〜20のアルキニルオキシ基であり、例えば、2−プロピニルオキシ、4−ブチニルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシ基:好ましくは炭素数6〜26のアリールオキシ基であり、例えば、フェノキシ、1−ナフチルオキシ、3−メチルフェノキシ、4−メトキシフェノキシ等が挙げられる。
ヘテロ環オキシ基:例えば、イミダゾリルオキシ、ベンゾイミダゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、ベンゾチアゾリルオキシ、トリアジニルオキシ、プリニルオキシ等が挙げられる。
アリールオキシカルボニル基:好ましくは炭素数6〜20のアリール構造を含むアリールオキシカルボニル基であり、例えば、フェニルオキシカルボニル、ナフチルオキシカルボニル等が挙げられる。
アミノ基(好ましくは炭素数0〜20のアミノ基)、アルキルアミノ基(シクロアルキルアミノ基を含む)、アルケニルアミノ基(シクロアルケニルアミノ基を含む)、アルキニルアミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基が挙げられ、より具体的には、例えば、アミノ、N,N−ジメチルアミノ、N,N−ジエチルアミノ、N−エチルアミノ、N−アリルアミノ、N−(2−プロピニル)アミノ、N−シクロヘキシルアミノ、N−シクロヘキセニルアミノ、アニリノ、ピリジルアミノ、イミダゾリルアミノ、ベンゾイミダゾリルアミノ、チアゾリルアミノ、ベンゾチアゾリルアミノ、トリアジニルアミノ等が挙げられる。
スルファモイル基:好ましくは炭素数0〜20のスルファモイル基であり、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールのスルファモイル基が好ましく、例えば、N,N−ジメチルスルファモイル、N−シクロヘキシルスルファモイルまたはN−フェニルスルファモイル等が挙げられる。
アシルオキシ基:好ましくは炭素数1〜20のアシルオキシ基であり、例えば、アセチルオキシ、シクロヘキシルカルボニルオキシ、ベンゾイルオキシ等が挙げられる。
カルバモイル基:好ましくは炭素数1〜20のカルバモイル基であり、アルキル、シクロアルキルもしくはアリールのカルバモイル基が好ましく、例えば、N,N−ジメチルカルバモイル、N−シクロヘキシルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等が挙げられる。
アシルアミノ基:好ましくは炭素数1〜20のアシルアミノ基であり、例えば、アセチルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ、ベンゾイルアミノ等が挙げられる。
アルキルチオ基:好ましくは炭素数1〜20のアルキルチオ基であり、例えば、メチルチオ、エチルチオ、イソプロピルチオ、ペンチルチオ、ベンジルチオ等が挙げられる。アルキルチオ基は、シクロアルキルチオ基、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキルチオ基を含み、シクロアルキルチオ基としては、例えば、シクロプロピルチオ、シクロペンチルチオ、シクロヘキシルチオ、4−メチルシクロヘキシルチオ等が挙げられる。
アリールチオ基:好ましくは炭素数6〜26のアリールチオ基であり、例えば、フェニルチオ、1−ナフチルチオ、3−メチルフェニルチオ、4−メトキシフェニルチオ等が挙げられる。
アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基:好ましくは炭素数1〜20で、例えば、メチルスルホニル、エチルスルホニル、シクロヘキシルスルホニル、ベンゼンスルホニル等が挙げられる。
シリルオキシ基:好ましくは炭素数1〜20のアルキル、アリール、アルコキシまたはアリールオキシが置換したシリルオキシ基が好ましく、例えば、トリエチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシ、ジエチルベンジルシリルオキシ、ジメチルフェニルシリルオキシ等が挙げられる。
その他の置換基としては、ヒドロキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子)等が挙げられる。
一般式[2]中、Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。Ra、RbおよびRcの少なくともいずれかが1価の置換基を表す場合の1価の置換基としては、既述の置換基群Tに記載された置換基を挙げることができる。
なかでも、反応性が良好である点から、Xは、単結合、S、O、またはNRaであることが好ましく、NRaとしては、NH、N(CH3)、N(Ph)等が好ましく、単結合、S、またはOであることがより好ましい。なお、Phはフェニル基を示す。以下、同様に、フェニル基を、Phと記載することがある。
酸反応工程により、下記一般式[1]で表される含硫黄環化化合物を得ることができる。
本発明の製造方法によれば、従来法よりも穏和な条件で、高収率、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、条件を選択することにより、90%以上の高収率で目的とする含硫黄環化化合物が製造できる。
なお、一般式[1]で表される含硫黄環化化合物は、その塩の形態を含む。塩としては、塩酸塩、硫酸塩などが挙げられる。
一般式[1]中、A環、B環、n、およびXは、一般式[2]で説明したA環、B環、n、およびXとそれぞれ同義であり好ましい態様も同様である。
一般式[4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は、水素原子である。nは0〜2の整数を表す。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
即ち、一般式[4]で表される化合物は、一般式[2]で表される化合物におけるA環およびB環の双方がアリール環である化合物である。一般式[4]で表される化合物を出発物質として用いることで、それぞれ置換基を有していてもよいチアントレン化合物、フェノキサチイン化合物、チオフェン環を有する化合物等の代表的な含硫黄環化化合物である一般式[3]で表される含硫黄環化化合物を簡易に製造することができる。
本実施形態における酸反応工程は、一般式[4]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる工程であり、酸反応工程を経て一般式[3]で表される含硫黄環化化合物を製造することができる。
まず、出発物質である一般式[4]で表される化合物について説明する。
一般式[4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9の少なくともいずれかが1価の置換基を表す場合の1価の置換基としては、一般式[2]にて説明した置換基群Tに記載の置換基が、同様に挙げられる。
なかでも、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9における1価の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等がより好ましく、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、ヘテロ環基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子であることがさらに好ましい。
それぞれの置換基のより具体的な例は、置換基群Tにおいて挙げたとおりである。
R1〜R9におけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
R1〜R9におけるアリール基としては、炭素数6〜26のアリール基が好ましく、フェニル基、またはナフチル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
R1〜R9におけるヘテロ環基としては、炭素数2〜20のヘテロ環基が好ましく、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましく、フラン環、またはチオフェン環がさらに好ましい。
R1〜R9におけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、塩素原子、または臭素原子がより好ましく、臭素原子がさらに好ましい。
R5、およびR9の少なくとも一方は、水素原子であり、R5、およびR9の双方が水素原子であってもよい。R5、およびR9の一方が水素原子である場合、反応性の点からは、R5およびR9のいずれが水素原子であってもよい。
一般式[4]中、Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。Ra、RbおよびRcの少なくともいずれか1つが1価の置換基を表す場合の1価の置換基としては、既述の置換基群Tに記載された置換基を挙げることができる。
なかでも、反応性が良好である点から、Xは、単結合、S、O、またはNRaであることが好ましい。NRaにおけるRaは。水素原子、アルキル基、またはアリール基であることが好ましく、なかでも、NRaとしては、NH、N(CH3)、N(Ph)等が好ましい。Xは、単結合、S、またはOであることがより好ましい。
なお、既述の如く、本実施形態の製造方法では、分子内Friedel−Crafts反応を適用しているため、出発物質における置換基の位置、種類等による影響を受け難く、環化反応が容易に進行する。したがって、任意の位置に置換基を有する含硫黄環化化合物を穏和な条件下で容易に合成できることも、本実施形態の製造方法の特徴のひとつである。
以下に、一般式[4]で表される化合物の合成について、具体例を挙げて説明する。
合成された化合物の構造は、核磁気共鳴分光法(NMR)の吸収スペクトルにて分析を行なった。本明細書における1H−NMRスペクトルは、内部基準としてテトラメチルシランを用い、Bruker AV400N(Bruker社)を用いて測定し、全δ値をppmで示した。
1H−NMR((CD3)2SO)δ値:8.53(1H,d,J=2.7Hz),8.01(1H,dd,J=8.8,2.7Hz),7.89(1H,dd,J=7.8,1.5Hz),7.71(1H,dd,J=7.5,1.8Hz),7.56−7.46(2H,m),6.69(1H,d,J=8.8Hz)
その後、分液を行い、2−((2−ブロモフェニル)チオ)−5−ニトロベンゼン−1−スルホニルクロリドを含む有機相を得た。得られた有機相を窒素雰囲気にさらし、室温にてトリフェニルホスフィン(187g)のトルエン溶液(280mL)を滴下しながら撹拌した。滴下終了後、30分撹拌を続けた後に、水(140mL)を滴下した。室温にて30分撹拌後、ろ過し、得られたろ物をメタノール(MeOH、以下同様。)で洗浄し、固体の1,2−ビス(2−((2−ブロモフェニル)チオ)−5−ニトロフェニル)ジスルファン(75g)を得た。得られた化合物の構造を、既述の方法と同様にしてNMRの吸収スペクトルにて分析した。
1H−NMR((CD3)2SO)δ値:8.38(1H,d,J=2.4Hz),8.12(1H,dd,J=8.6,2.4Hz),7.85(1H,dd,J=7.6,1.6Hz),7.48−7.36(3H,m),7.21(1H,d,J=8.6Hz)
2−2.1,2−ビス(2−(2−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル)ジスルファンは、J.Fluorine.Chem..2001,112,287−295.に記載の方法を参照して合成することができる。
1H−NMR((CD3)2SO)δ値:8.57(1H,d,J=2.7Hz),8.11(1H,dd,J=9.1,2.7Hz),7.84(1H,dd,J=7.6,1.6Hz),7.57−7.52(1H,m),7.40−7.32(2H,m),6.78(1H,d,J=9.0Hz)
具体例に示した一般式[4]で表される化合物であるジスルフィド体も上記と同様の手法にて合成することができる。
一般式[3]中、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、およびR8bが1価の置換基を表す場合の1価の置換基としては、既述の置換基群Tで例示した置換基を同様に挙げることができる。
なかでも、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、およびR8bにおける1価の置換基としては、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、アシル基、アシルオキシ基、シリルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等が好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アシル基、アシルオキシ基、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子等がより好ましく、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、またはハロゲン原子であることがさらに好ましい。
それぞれの置換基のより具体的な例は、置換基群Tにおいて挙げたとおりである。
R1b〜R8bにおけるアルキル基としては、炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、炭素数1〜10のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキル基がさらに好ましい。
R1b〜R8bにおけるアリール基としては、炭素数6〜26のアリール基が好ましく、フェニル基、またはナフチル基がより好ましく、フェニル基がさらに好ましい。
R1b〜R8bにおけるヘテロ環基としては、炭素数2〜20のヘテロ環基が好ましく、少なくとも1つの酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有する5員環または6員環のヘテロ環基がより好ましく、フラン環、またはチオフェン環がさらに好ましい。
R1b〜R8bにおけるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子が好ましく、塩素原子、または臭素原子がより好ましく、臭素原子がさらに好ましい。
なお、一般式[3]で表される含硫黄環化化合物は、その塩の形態を含む。塩としては、塩酸塩、硫酸塩などが挙げられる。
一般式[3]で表される化合物については、後記する。
上記実施形態によっても、一般式[3]で表される含硫黄環化化合物を、従来法よりも穏和な条件で、高収率、例えば、70%以上、好ましくは80%以上、条件を選択することにより、90%以上の高収率で目的とする含硫黄環化化合物が製造することができる。
本実施形態の製造方法は、下記一般式[6]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[5]で表される含硫黄環化化合物の製造方法である。
なお、本実施形態の製造方法は、下記一般式[6]で表される化合物と、ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、ハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[5]で表される含硫黄環化化合物の製造方法であることが好ましい。
添加剤については、以下に詳述する。
酸反応工程において、添加剤を用いることで、添加剤による反応促進効果に起因して、酸の使用量を低減させたり、収率をより向上させたりすることができる。
一般式[6]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は水素原子である。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。
一般式[6]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9は、それぞれ一般式[4]中のR1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9と同義であり、好ましい態様も同様である。
一般式[5]および一般式[6]におけるXは、既述の一般式[3]および一般式[4]におけるXと同義であり、好ましい例も同様である。
一般式[5]で表される化合物については、後記する。一般式[6]で表される化合物の例示化合物は既述のとおりである。
<ルイス酸およびブレンステッド酸からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸>
本実施形態の製造方法にて、酸反応工程に使用できるルイス酸は、電子対を受け取ることができる物質であり、反応の進行に悪影響を与えない酸であれば、いずれの物質を使用してもよい。
本実施形態に使用できるルイス酸としては、例えば、BF3・OEt2、AlBr3、AlCl3、ZnI2、MgCl2、TiCl4、TiCl3(OiPr)、TiCl2(OiPr)2、TiCl(OiPr)3、Ti(OiPr)4、SnCl4、SnCl3、EtAlCl2、FeCl3、ZnCl2、TMSOTf、FeBr3、BBr3、Sc(OTf)2、Zn(OTf)2、La(OTf)3、Yb(OTf)3、Hf(OTf)4、BeCl2、CdCl2、GaCl3、SbCl5等が挙げられる。
なかでも、BF3・OEt2、AlBr3、AlCl3、ZnI2、TiCl4、TiCl3(OiPr)、SnCl4、SnCl3、EtAlCl2、FeCl3、ZnCl2、FeBr3、BBr3、Sc(OTf)2、Zn(OTf)2等が好ましく、AlBr3、AlCl3、ZnI2、TiCl4、SnCl4、FeCl3等がより好ましく、アルミニウム化合物およびチタン化合物から選ばれる少なくとも1種であるAlCl3、TiCl4等がさらに好ましい。
なお、既述の化合物において、Etはエチル基の、iPrはイソプロピル基の、TMSはトリメチルシリル基の、それぞれ略称である。
ブレンステッド酸は、無機もしくは有機のブレンステッド酸のいずれでも構わない。本実施形態の製造方法における酸反応工程に使用できるブレンステッド酸としては、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、燐酸、フッ化水素酸、ホウ酸、ポリ燐酸、蟻酸、酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、10−カンファースルホン酸、Eaton試薬等が挙げられる。
なかでも、硫酸、燐酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、Eaton試薬等が好ましく、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、Eaton試薬等がより好ましく、トリフルオロメタンスルホン酸がさらに好ましい。
酸反応工程に用いられる酸は、1種のみでもよく、2種以上を併用してもよい。
酸を2種以上併用する場合、ルイス酸同士を2種以上併用してもよく、ブレンステッド酸を2種以上併用してもよく、ルイス酸とブレンステッド酸とをそれぞれ1種以上併用してもよい。
2種のみを併用する場合、ルイス酸同士を2種以上併用するか、ブレンステッド酸を2種以上併用することが好ましい。より好ましくは、ルイス酸を1種のみ用いる態様、およびブレンステッド酸を1種のみ用いる態様である。
なお、後述する反応を促進する添加剤を併用する場合には、酸の含有量はより少ない量でも反応が効率よく進行するため、例えば、酸の含有量を出発物質の総モル数の1モル%〜100モル%の範囲とすることもできる。
一般式[2]、一般式[4]又は一般式[6]で表される化合物(二量体化合物)と酸との反応は反応溶媒中で行なわれる。
反応溶媒は、反応の進行に悪影響のない溶媒であり、二量体化合物であるジスルフィド体およびその酸化体が必要な濃度で溶解可能であれば、どのような溶媒を使用してもよい。
反応性、化合物の溶解性の観点から、好ましいのはハロゲン系溶媒であり、例えば、塩化メチレン(ジクロロメタン:CH2CI2)、クロロホルム(トリクロロメタン:CHCI3)、二塩化エタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、モノクロロベンゼン(Cl−Ph)、ジクロロベンゼンが挙げられる。
なかでも、塩化メチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、およびジクロロベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、塩化メチレン、またはクロロベンゼンがより好ましい。
溶媒は、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、特に制限はないが、反応液を十分に撹拌することができるという観点からは、二量体化合物の全質量に対して、5倍〜30倍量であることが好ましく、6倍〜10倍量であることがより好ましい。
溶媒二量体化合物を溶解させた後、反応容器中に酸を投入して反応させることが好ましい。
反応は、窒素雰囲気下等の不活性ガス雰囲気下で行なわれることが好ましい。
本工程では、特段の加熱、例えば、50℃以上といった加熱を行なわなくても、反応が速やかに進行する。
反応時間は、10時間以下でよく、30分間〜8時間が好ましく、1時間〜2時間がより好ましい。後述する添加剤を用いることで、より短時間で、かつ、高収率で目的とする化合物を得ることができる。
酸反応工程では、反応を促進させる目的で添加剤を使用することができる。
添加剤としては、ハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。
添加剤として用いうるハロゲン化剤は、例えば、塩素、塩化チオニル、塩化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸、オキサリルクロリド、トリクロロメタンスルホニルクロリド、ジクロロアミン、シアヌルクロリド、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、ベンジルトリメチルアンモニウムトリブロミド、ボロントリブロミド、臭素、三臭化リン、ブロモトリクロロメタン、N−ブロモスクシンイミド、ジブロモイソシアヌル酸、トリブロモイソシアヌル酸、5,5−ジブロモメルドラム酸、N−ブロモサッカリン、N−ブロモフタルイミド、ブロモジメチルスルホニウムブロミド、2−ブロモ−2−シアノ−N,N−ジメチルアセトアミド、N−ブロモアセトアミド、ピリジニウムブロミドパーブロミド、1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムトリブロミド、1,2−ジブロモ−1,1,2,2−テトラクロロエタン、2,4,4,6−テトラブロモ−2,5−シクロヘキサジエノン、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ヨウ素、1,3−ジヨード−5,5−ジメチルヒダントイン、N−ヨードサッカリン、トリメチルシリルヨーダイド等が挙げられる。
添加剤として用いうるシアノ化剤としては、例えば、アセトンシアノヒドリン、ベンジルチオシアネイト等が挙げられる。
ハロゲン化剤としては、例えば、塩素、塩化スルフリル、トリクロロイソシアヌル酸、N−クロロスクシンイミド、N−クロロフタルイミド、臭素、N−ブロモスクシンイミド、N−ブロモフタルイミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ヨウ素がより好ましく、塩化スルフリルが特に好ましい。
添加剤は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
添加剤の含有量は、特に制限はないが、添加剤の効果を十分に発揮するという観点からは、一般式[2]で表される化合物等の二量体化合物に対し、10モル%〜300モル%であることが好ましく、20モル%〜200モル%であることがより好ましい。
添加剤の使用に際しては、予め反応容器中にルイス酸およびブレンステッド酸から選ばれる少なくとも1種の酸を入れ、その後、添加剤を投入することが好ましい。
二量体化合物と酸との反応に際しては、先に反応容器中に酸を投入した後、添加剤を投入することで、反応中の急激な温度上昇を抑制することができる。
以下の実施例において、溶離液における混合比は、容量比である。たとえば、「酢酸エチル/ヘキサン= 1:1→酢酸エチル/ヘキサン4:1」は、50質量%酢酸エチル/50質量%ヘキサンの溶離液を最終的に80質量%酢酸エチル/20質量%ヘキサンの溶離液へ変化させたことを意味する。
実施例における1H−NMRスペクトルは、内部基準としてテトラメチルシランを用い、Bruker AV400N(Bruker社)を用いて測定し、全δ値をppmで示した。
高速液体クロマトグラフ質量分析は、AQUITY UPLC H−ClassSystem(Waters社)を用いて測定した。以下、UPLC−MSと略す。
1,2−ビス(−((2−ブロモフェニル)チオ)−5−ニトロフェニル)ジスルファン0.2gに溶媒1.8mL入れ、窒素雰囲気下、下記表1に示す酸を添加して室温にて撹拌した。なお、酸に加え、表1に示す添加剤としてのハロゲン化剤を用いた場合がある。添加剤を使用する場合には、まず酸を反応容器中に投入し、酸の投入後に、添加剤を反応容器中に投入した。
反応液にテトラヒドロフランを入れ完溶させたのちに、反応混合物をUPLC−MSで分析したところ、1−ブロモ−7−ニトロチアントレンの生成が確認された。さらに、内部標準(4−プロピルビフェニル)との比較から反応率を算出した。結果を表1に併記した。
また、実施例1〜2より、特に反応促進用の添加剤を用いなくても、目的とする含硫黄環化化合物の高収率な製造を達成できることがわかる。さらに、例えば、実施例1と実施例5及び実施例9との対比より、添加剤の使用により、添加剤を使用しない製造方法に比較し、さらに収率が向上することがわかる。
1,2−ビス(2−((2−ブロモフェニル)チオ)−5−ニトロフェニル)ジスルファン20.0gに溶媒である塩化メチレン180mL,塩化アルミニウム2.05gを加え、窒素雰囲気下にて室温で1時間撹拌した。その後、塩化スルフリル2.7mLを加え、室温で1時間撹拌した。氷水に反応液をさらし、メタノールを加え、濾過し、固体の1−ブロモ−7−ニトロチアントレン17.8g(収率85%)を得た。得られた化合物の分析結果を以下に示す。
1H−NMR((CD3)2SO)δ値:8.40−8.38(1H,m),8.19−8.16(1H,m),7.91−7.89(1H,m),7.76−7.73(1H,m),7.64−7.62(1H,m),7.35−7.31(1H,m)
1,2−ビス(2−(2−ブロモフェノキシ)−5−ニトロフェニル)ジスルファン0.1gに塩化メチレン1.0mL,塩化アルミニウム10.2mgを加え、窒素雰囲気下にて室温で1時間撹拌した。その後、塩化スルフリル14μLを加え、室温で1時間撹拌した。反応液にテトラヒドロフランを入れ完溶させたのちに反応混合物をUPLC−MSで分析したところ、1−ブロモ−7−ニトロフェノキサチインの生成を確認し、内部標準(4−プロピルビフェニル)との比較から反応率92.2%を算出した。
スキームおよび、得られた化合物の分析結果を以下に示す。
以下に、公知文献に記載された含硫黄環化化合物の合成スキーム、および文献に記載された収率を、当該文献名と共に記載する。化合物に併記された( )内の数値は収率を表す。
比較例1:国際公開2015/30057号に記載の合成方法の一態様
なお、下記合成方法におけるMeはメチル基を示す。
なお、下記合成方法におけるEtはエチル基を示す。
なお、下記合成方法におけるMeはメチル基を、TMSはトリメチルシリル基を、Tfはトリフルオロメチルスルホニルを、それぞれ示す。
なお比較例における収率の最大値は、比較例2に記載の製造方法による73%ではあるが、比較例2では原料との関連で特定の位置に置換基を有する含硫黄環化化合物しか合成できないことが確認された。
このことから、実施例の製造方法によれば、室温にて、2時間〜7時間という穏和な条件にて、目的とする含硫黄環化化合物が高収率で得られることが確認された。添加剤を用いた場合には、室温にて、さらに短時間、例えば1時間〜2時間で、目的とする含硫黄環化化合物が高収率で得られることが確認された。
Claims (13)
- 下記一般式[2]で表される化合物と、アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[1]で表される含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[1]中、A環はアリール環またはヘテロアリール環を表し、B環はアリール環またはヘテロアリール環を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
一般式[2]中、A環はアリール環またはヘテロアリール環を表し、B環はアリール環またはヘテロアリール環を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。 - 前記一般式[1]、および前記一般式[2]におけるnが0である請求項1に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 下記一般式[4]で表される化合物と、アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[3]で表される含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[3]中、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、およびR8bはそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。nは0〜2の整数を表す。Xは、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。
一般式[4]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は、水素原子である。nは0〜2の整数を表す。Xは、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に水素原子または1価の置換基を表す。 - 前記一般式[3]および前記一般式[4]におけるnが、0である請求項3に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記一般式[3]および前記一般式[4]におけるXが、S、O、またはNRaを表し、Raは、水素原子、アルキル基またはアリール基を表す請求項3または請求項4に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記酸反応工程において使用される前記アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、前記一般式[2]または前記一般式[4]で表される化合物の総モル数に対し、0.001モル%〜1000モル%の範囲である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記酸反応工程において使用される前記アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、前記一般式[2]または前記一般式[4]で表される化合物の総モル数に対し、10モル%〜500モル%の範囲である請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記一般式[2]または前記一般式[4]で表される化合物と前記アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸との反応は、塩化メチレン、クロロホルム、クロロベンゼン、およびジクロロベンゼンからなる群より選択される少なくとも1種の溶媒中で実施される請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記酸反応工程において、さらに、ハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤を反応させる反応工程を含む、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 下記一般式[6]で表される化合物と、アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸と、ハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤と、を反応させる酸反応工程を含む、下記一般式[5]で表される含硫黄環化化合物の製造方法。
一般式[5]中、R1b、R2b、R3b、R4b、R5b、R6b、R7b、およびR8bはそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。
一般式[6]中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、およびR9はそれぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表し、R5、およびR9の少なくとも一方は水素原子である。Xは、単結合、S、S(O)、SO2、O、NRa、またはC(Rb)(Rc)を表し、Ra、RbおよびRcは、それぞれ独立に、水素原子または1価の置換基を表す。 - 前記酸反応工程において使用される前記アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸の使用量は、前記一般式[6]で表される化合物の総モル数に対し、10モル%〜100モル%の範囲である請求項10に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記酸反応工程は、反応容器に前記アルミニウム化合物、チタン化合物及びスルホン酸化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種の酸を入れ、その後、前記反応容器にハロゲン化剤およびシアノ化剤から選ばれる添加剤を投入する工程を含む請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
- 前記添加剤は、塩素化剤、臭素化剤、およびヨウ素化剤から選ばれる少なくとも1種のハロゲン化剤を含む請求項9〜請求項12のいずれか1項に記載の含硫黄環化化合物の製造方法。
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