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JP6501182B2 - 内燃機関 - Google Patents
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Description

本願発明は、補機の取り付け構造に特徴を有する内燃機関に関するもので、特に、キャブオーバ型車両の座席の下方に気筒を鉛直線に対して大きく傾斜させた姿勢で配置されるスラント型の車両用内燃機関を好適な対象にしている。
内燃機関はオルタネータ等の補機を備えており、これらの補機は、シリンダブロックの一端面の外側に配置され補機駆動ベルトで駆動される。補機の取り付け構造はその種類によって相違しており、オルタネータの場合は、補機駆動ベルトの張力調節のために、回転軸心方向から見た左右方向の一方の部位を中心にして回動させ得るように取り付けられている。
従って、オルタネータは外周面の外側に突出した2か所のボス部を有しており、一方のボス部は、シリンダブロックに設けた第1の支持部に回転可能にボルトで連結されて、他方のボス部は、シリンダブロックに設けた第2の支持部にボルトで固定されており、他方の支持部のボルト挿通穴を長穴とすることにより、姿勢を変更できるようになっている。
さて、座席の下方に機関本体を配置したキャブオーバー車が広く使用されており、小型キャブオーバー車の場合、機関本体を、気筒鉛直線に対して大きく傾斜させた姿勢にしていることが一般的である。すなわち、小型キャブオーバー車では、スラント型内燃機関が使用されている。
そして、キャブオーバー車にスラント型内燃機関を搭載した場合、オルタネータは座席に近接するようにして配置されるのが普通であるが、オルタネータのケーブル接続用コネクタの配置が問題になる。
すなわち、オルタネータは座席に近接しているので、オルタネータの上面にコネクタを配置することはできず、従って、コネクタは、回転軸線方向から見てシリンダブロックに遠い部位か近い部位に設けることになるが、シリンダブロックから遠い部位に設けると、機関の振動がコネクタに強く作用して接続不良を招来するおそれがあり、他方、シリンダブロックに近い側に設けると、コネクタがオルタネータにおける一方のボス部に干渉してしまう。
また、オルタネータは、上記の通り、その一端部を中心に回動するように取り付けることで補機駆動ベルトの張力調節を行っており、従って、ケーブル(ハーネス)は、オルタネータの回動を許容する長さにしておかねばならないが、コネクタをシリンダブロックから遠い部位に設けると、コネクタが回動支点から遠い箇所に位置することにより、オルタネータの回動を許容するためにはケーブルを長くせねばならず、このため、コストが嵩むのみならず、ケーブルの保持手段を講じる等の必要が生じて組み付けの作業性が悪化するのであった。
この点については、コネクタをシリンダブロックの側に配置しつつ、オルタネータの一方のボス部とコネクタとを軸線方向にずらしたらよいと云えるが、オルタネータの一方のボス部を軸線方向にずらすと、シリンダブロックの一方の支持部がシリンダブロックの端面からクランク軸線方向に突出してしまうことがあり、すると、シリンダブロックの鋳造性が悪化したり、端面の切削加工に多大の手間がかかったりする。
他方、特許文献1には、オルタネータの一方のボス部を、機関本体の一端面(クランク軸線方向に向いて端面)に固定したマウントブラケットに連結することが開示されており、この特許文献1のように、シリンダブロックとは別部材の補機ブラケットを使用すると、シリンダブロックの鋳造性や加工性の問題は解消できると云える。
実公平8−9378号公報
しかし、特許文献1のように機関本体の一端面にマウントブラケットを設けた構成では、マウントブラケットは補機駆動ベルトや他の部材と干渉しないように設計せねばならないため、設計が面倒であると共にスペースを有効利用できないという問題がある。また、機関本体の一端面はフロントカバーで構成されていることが普通であるが、フロントカバーは一般にアルミ製であって高い強度を確保するには相当に厚くせねばならないため、機関の重量が必要以上に増大してしまうという問題がある。
本願発明は、このような現状を改善しようとするものである。
本願発明の内燃機関は、
クランク軸の一端部を第1ジャーナルで回転自在に支持しているシリンダブロックと、
前記クランク軸のうち前記第1ジャーナルの外側に突出した端部に設けたクランクプーリと、
前記クランクプーリに巻き掛けられた補機駆動ベルトと、
前記シリンダブロックの外面に固定された補機ブラケットに取り付けられていて前記補機駆動ベルトで駆動される間接支持式補機とを有しており、
前記補機ブラケットは、前記シリンダブロックの外周部でかつ前記第1ジャーナルの外側の部位に設けたブラケット支持部に固定されている」
という基本構成になっている。
そして、上記基本構成において、
「前記ブラケット支持部は、前記シリンダブロックのうち前記クランクプーリの側に向いた一端部において前記クランク軸線と直交しかつ気筒軸線と直交した方向に突出しており、
更に、前記シリンダブロックのうち前記クランクプーリの側に向いた一端面に、内側にへこんだ凹所が、前記ブラケット支持部まで広がるように形成されており、前記凹所に、前記第1ジャーナル又はその近傍部と前記ブラケット支持部とを繋ぐ補強リブが、前記クランク軸線と略直交しかつ気筒軸線と略直交した方向に延びるように一体に形成されている
という構成になっている。
本願発明では、補機ブラケットはシリンダブロックの外周部(側面)に設けているため、補機ブラケットが補機駆動ベルトや他の部材と干渉することはない。従って、他の部材の配置を変更することは不要であり、設計の手間を抑制できると共にスペースも有効利用できる。また、フロントカバーはシリンダブロックの一端面に重なるため、フロントカバーを設けている場合にも問題なく適用できる。
間接支持式補機がオルタネータである場合、コネクタをシリンダブロックと対向した面に配置しても、補機ブラケットはコネクタと干渉しない位置にずらして設定できるため、キャブオーバー車の内燃機関に好適である。
そして、シリンダブロックには、補機駆動ベルトの周回により、補機ブラケットを介して強い外力が作用するため、波及した外力によってブラケット支持部やその周辺部が僅かながら変形し、補機ブラケットの姿勢が変化することで、補機のプーリの回転にこじれが生じるおそれがないとも云えないが、本願発明では、補機ブラケットは、シリンダブロックにおいて厚肉で強度が高い第1ジャーナルの外周外側に配置されており、しかも、ブラケット支持部と第1ジャーナル又はその近傍部とが補強リブで繋がっているため、ブラケット支持部の高い剛性を確保して、補機ブラケットの高い支持強度を確保できる。その結果、補機の円滑な駆動を確保できる。
また、補強リブはシリンダブロックに一体に鋳造されるものであるため、加工の手間の問題は生じない。従って、本願発明によると、間接支持式補機の取り付けの融通性に優れるものでありながら、シリンダブロックの鋳造性・加工性・強度が損なわれることもない。このため、キャブオーバー車におけるオルタネータの取り付けに適用すると、特に好適である。
実施形態に係る内燃機関の全体の概略正面図である。 シリンダブロックの要部斜視図である。 (A)は補機ブラケットを取り付けた状態でのシリンダブロックの部分斜視図、(B)は補機ブラケットを取り付けていない状態でのブラケット支持部の斜視図である。 オルタネータを取り付けた状態での正面図である。 (A)は図4の VA-VA視図、(B)はクランクプーリを表示した状態での部分正面図である。
(1).内燃機関の概略
次に、本願発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、内燃機関の概略を図1に基づいて説明する。図1は内燃機関をクランク軸線方向から見た正面図であり、方向を示す文言については、図1の紙面と直交した方向(クランク軸線方向)を前後方向として定義している。上下方向は重力方向である。
本実施形態の内燃機関は、キャブオーバー車において座席Sの下方に配置されるスラント型であり、気筒軸線O1が水平面O2に対して30°程度の角度を成すように大きく傾斜している。内燃機関は、シリンダブロック1とその頂面に固定されたシリンダヘッド2とを備えており、シリンダブロック1の底面1cにはオイルパン3が固定されて、シリンダヘッド2の頂面にはシリンダヘッドカバー4が固定されている。オイルパン3は、2つの部材で構成されている。
図1では、シリンダブロック1の一端面とシリンダヘッド2の一端面とを露出した状態に表示しているが、実際には、シリンダブロック1の一端面1aとシリンダヘッド2の一端面とには、1枚のフロントカバー(チェーンカバー)が重ね固定されており、フロントカバーとシリンダブロック1及びシリンダヘッド2との間に形成された空間に、タイミングチェーン(図示せず)が配置されている。
内燃機関はクランク軸5を有しており、クランク軸5の一端部は、シリンダブロックに設けた第1ジャーナル6と第1クランクキャップ7とで回転自在に保持されている。クランク軸5の一端はシリンダブロック1の外側(フロントカバーの外側)に突出しており、この突出端部にクランクプーリ8が固定されており、このクランクプーリ8に巻き掛けた補機駆動ベルト9により、補機としてのオルタネータ10とエアコン用コンプレッサ11とが駆動される。従って、オルタネータ10とエアコン用コンプレッサ11とは、それぞれプーリ12,13を備えている。
エアコン用コンプレッサ11はクランクプーリ8の殆ど真横に配置されて、オルタネータ10は、エアコン用コンプレッサ11の上方でかつ少しクランクプーリ8に寄った側に配置されている。従って、補機駆動ベルト9は正面視で略三角形の形態を成して周回する。エアコン用コンプレッサ11は、シリンダブロック1に一体に突設したブラケット部(図示せず)に移動不能に固定されている。
オルタネータ10は、請求項に記載した間接支持式補機の一例である。このオルタネータ10は、回転軸心を挟んで左右に位置した第1及び2つのボス部(突出部)ト部15,16を有しており、シリンダブロック1に近い第1ボス部15は、シリンダブロック1の外周面のうち気筒軸線O1及びクランク軸線O3と平行な一側面1bに固定された第1補機ブラケット17に、第1ボルト18及びナット19(図5(A)参照)で連結されている。第1補機ブラケット17が、請求項に記載した補機ブラケットに該当する。
他方、第2ボス部16は、オイルパン3に固定された第2補機ブラケット20に、第2ボルト21及びナットで固定されている。この場合、オルタネータ10は第1ボルト18を中心にして回動させ得るようになっており、そこで、第2補機ブラケット20のボルト挿通穴22を、第1ボルト18を中心とした円弧形状に形成している。なお、第2補機ブラケット20は、シリンダブロック1の底面1cに固定してもよい。
(2).要部の詳細
次に、要部の詳細を、図2以下の図面を参照して説明する。シリンダブロック1は複数のクランクジャーナルを有しており、例えば3気筒の場合は4つのジャーナルを有する。図2では、第1〜第3のジャーナル6,23,24を表示している。
シリンダブロック1のうちフロントカバーが固定される側の一端面1aには、タイミングチェーンを配置したりオイルポンプを配置したりするために、凹所25が形成されている。従って、凹所25の外周は壁で構成されている。また、第1ジャーナル6も、凹所25の底面から突出して厚肉になっている。凹所25の内部には、概ね気筒軸線O1の方向に長いインナー縦リブ27が形成されており、インナー縦リブ27には、フロントカバーの固定等のための円形のインナーボス28が繋がっている。
例えば図2に示すように、第1補機ブラケット17が固定されるブラケット支持部29は、シリンダブロック1の一側面1bのうち底面1c寄りの箇所に設けられていて、クランク軸線O3及び気筒軸線O1と直交した方向に突出しており、凹所25もブラケット支持部29の箇所まで広がっている。図3のとおり、ブラケット支持部29は大まかには板状の外観を呈していて、気筒軸線O1の方向に延びた頂面には、2つのタップ穴30が空いている。また、シリンダブロック1の一端面1bと反対側の面には、クランク軸線O3と直交した方向に延びるアウター補強リブ31を設けている。
図3(A)に示すように、第1補機ブラケット17は、ブラケット支持部29に重なってボルト32で固定される座17aと、オルタネータ10における一対の第1ボス15の間に挟まれる筒部17bとを有している。筒部1bはクランク軸5と平行な姿勢になっている。
また、図5(A)に明示するように、筒部17bは、その全体がシリンダブロック1の一端面1aから突出している。このように、ブラケット支持部29をシリンダブロック1の一端面1aの側(ヤロントカバーの側)に大きく突出させることにより、オルタネータ10の第1ボス部15もフロントカバーの側にずらすことができる。これにより、ケーブル33を接続するためのコネクタ34は、第1ボス部15やブラケット支持部29との干渉を回避した状態で、シリンダブロック1に向いた部位に配置することができる。
そして、オルタネータ10は回動支点から遠くなるほど振動が大きくなるため、仮にコネクタ32を第2ボス部18の側に設けると、振動によって接続不良が発生しやすくなるが、本実施形態では、コネクタ34はシリンダブロック1に近い側に配置されているため、振動を抑制して接続不良を防止することができる。
また、コネクタ34はオルタネータ10の回動支点に近い箇所に設けているため、オルタネータ10の回動を許容するためにケーブル33の長さを長く設定しておく必要はないのであり、従って、コストを抑制できると共に、ケーブル33の支持手段を簡素化したり、ケーブル33の支持を不要にしたりして、組み付けの作業性も向上できるのである。
例えば図2,4に明示するように、シリンダブロック1の凹所25の内面(底面)のうちブラケット支持部29の近傍部には、ブラケット支持部29と第1ジャーナル6とを繋ぐ第1補強リブ35と、第1ジャーナル6とインナーボス28とを繋ぐ第2補強リブ36とが一体に形成されている。両補強リブ35,36は、クランク軸線及び気筒軸心O1と略直交した方向に長く延びる姿勢であり、ブラケット支持部29との連接部は膨大部35a,36aになっている。
シリンダブロック1のブラケット支持部29には、補機駆動ベルト9の周回によって第1補機ブラケット17を介して押圧力やねじれ力等の外力が作用する。このため、ブラケット支持部29に作用した外力によってシリンダブロックが僅かながら変形して、その変形が第1ジャーナル6に及んだり、第1補機ブラケット17の姿勢が変化したりするおそれがある懸念されるが、本実施形態では、補強リブ35,36によってブラケット支持部29は高い剛性が確保されているため、ブラケット支持部29は、薄型であっても外力によって変形することはない。
つまり、シリンダブロック1において、第1ジャーナル6の箇所はもともと強度に優れているため、ブラケット支持部29は、いわば、補強リブ35,36を介して第1ジャーナル6で突っ張った状態に保持されているのであり、このため、第1補機ブラケット17の筒部17bがシリンダブロック1の外側に大きくはみ出ていて第1補機ブラケット17にモーメントがかかり易い状態であっても、ブラケット支持部29の変形を的確に阻止して、第1補機ブラケット17を安定した姿勢に保持できる。
その結果、変形が第1ジャーナル6に波及してクランク軸5のスムースな回転が阻害されることを防止できると共に、第1補機ブラケット17の姿勢変化によってオルタネータ10のスムースな駆動が阻害されることも防止できる。また、ブラケット支持部29を過剰に圧肉化する必要はないため、重量増大も抑制できる。
上記の実施形態では、ブラケット支持部29は2本の補強リブ35,36で補強されたが、補強リブの本数は任意に設定できる。図示の補強リブ35,36に代えて、又はいずれかに代えて、インナー縦リブ27とブラケット支持部29とを繋ぐ補強リブを設けてもよい。
本願発明は、実際に内燃機関に適用できる。従って、産業上利用できる。
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
5 クランク軸
6 第1ジャーナル
8 クランクプーリ
9 補機駆動ベルト
10 間接支持式補機の一例としてのオルタネータ
15 第1ボス部
17 第1補機ブラケット(請求項の補機ブラケット)
25 凹所
27 インナー縦リブ
28 インナーボス
29 ブラケット支持部
33 ケーブル
34 ケーブル接続用のコネクタ
35,36 補強リブ

Claims (1)

  1. クランク軸の一端部を第1ジャーナルで回転自在に支持しているシリンダブロックと、
    前記クランク軸のうち前記第1ジャーナルの外側に突出した端部に設けたクランクプーリと、
    前記クランクプーリに巻き掛けられた補機駆動ベルトと、
    前記シリンダブロックの外面に固定された補機ブラケットに取り付けられていて前記補機駆動ベルトで駆動される間接支持式補機とを有しており、
    前記補機ブラケットは、前記シリンダブロックの外周部でかつ前記第1ジャーナルの外側の部位に設けたブラケット支持部に固定されている構成であって、
    前記ブラケット支持部は、前記シリンダブロックのうち前記クランクプーリの側に向いた一端部において前記クランク軸線と直交しかつ気筒軸線と直交した方向に突出しており、
    更に、前記シリンダブロックのうち前記クランクプーリの側に向いた一端面に、内側にへこんだ凹所が、前記ブラケット支持部まで広がるように形成されており、前記凹所に、前記第1ジャーナル又はその近傍部と前記ブラケット支持部とを繋ぐ補強リブが、前記クランク軸線と略直交しかつ気筒軸線と略直交した方向に延びるように一体に形成されている、
    内燃機関。
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