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JP6504784B2 - 脱カフェイン抹茶、その製造方法、及び脱カフェイン処理装置 - Google Patents
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脱カフェイン抹茶、その製造方法、及び脱カフェイン処理装置 Download PDF

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Description

本発明は、抹茶本来の風味や色調の劣化が少ない脱カフェイン抹茶、その製造方法、及び、脱カフェイン処理装置に関する。
品質の良い抹茶は、旨みが強く、渋みや苦味が弱く、ほのかに甘い香りがし、鮮やかな緑色の色合いが保たれている。旨みが強いのは、抹茶にテアニンが多く含まれていることによる。抹茶には、カフェインも多く含まれている。
欧米では、カフェインの摂取を避けたい人々のために、脱カフェインコーヒーが製造されてきた。製造の際、脱カフェイン処理のために、有機溶媒抽出法、スイス式水抽出法、超臨界二酸化炭素抽出法等の方法がとられてきた。これらの方法を応用して、脱カフェイン抹茶を製造することが考えられる。
しかし、有機溶媒抽出法やスイス式水抽出法で用いる有機溶媒は、日本の食品衛生法で使用できるリストに含まれておらず、さらに、有機溶媒の臭いで抹茶のほのかな香りを損なってしまう。超臨界二酸化炭素抽出法では、色素成分まで抽出され除去されるため、抹茶が退色してしまう。
これに対して、有機溶媒抽出法、スイス式水抽出法、超臨界二酸化炭素抽出法によることなく、カフェインの含有量が低減された固形の茶を製造する方法が開発されている(特許文献1を参照)。特許文献1に記載の方法をとれば、原料として抹茶を準備し、原料を水やエタノールで抽出して加熱処理をし、原料から浸出したカフェインを水やエタノールとともに留去し、脱カフェイン抹茶を製造することができる。
特開2008−212024号公報
しかし、従来の方法で脱カフェイン抹茶を製造すると、抹茶本来の風味や色調を損なったものになってしまう問題があった。
そこで、本発明は、抹茶本来の風味や色調の劣化が少ない脱カフェイン抹茶、及び、その製造方法を提供することを目的とする。さらに、本発明は、前述の脱カフェイン抹茶の製造方法で用いる脱カフェイン処理装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係る脱カフェイン抹茶の製造方法は、碾茶の仕立て葉、抹茶及びこれらの混合物からなる群より選ばれた原料を準備する工程と、前記原料を冷水で抽出して、原料抽出液、及び、抽出途中原料又は原料残渣を得る抽出工程と、前記原料抽出液を多孔質重合樹脂と接触させてカフェインを吸着し、カフェイン低減液を得る脱カフェイン工程と、前記原料残渣と前記カフェイン低減液を凍結乾燥して、当該原料残渣の乾燥物と当該カフェイン低減液の乾燥物を得る乾燥工程と、を含むように構成されている。
また、前記冷水が、10℃以下であるように構成されている。
前記乾燥工程が、前記原料残渣と前記カフェイン低減液の混合物を凍結乾燥するように構成されている。
前記カフェイン低減液を前記抽出途中原料へ送り、当該抽出途中原料を当該カフェイン低減液で抽出して、前記原料抽出液を得る抽出継続工程と、前記抽出継続工程、及び、前記脱カフェイン工程を繰り返して、前記原料残渣と前記カフェイン低減液の混合物を得る液循環工程を含むように構成されている。
本発明に係る脱カフェイン抹茶は、前記脱カフェイン抹茶の製造方法により得られるように構成されている。
さらに、本発明に係る脱カフェイン処理装置は、碾茶の仕立て葉、抹茶及びこれらの混合物からなる群より選ばれた原料を、冷水又はカフェイン低減液で抽出し、原料抽出液、及び、抽出途中原料又は原料残渣を得る抽出槽と、前記原料抽出液と接触してカフェインを吸着し、前記カフェイン低減液を得る多孔質重合樹脂と、前記カフェイン低減液を前記抽出槽へ送る送液手段と、を備えるように構成されている。
また、前記抽出槽の下方に設けられた沈殿槽と、前記原料抽出液が前記多孔質重合樹脂に接触する前に通過するように設けられたフィルターと、を備えるように構成されている。
上記の構成からなる本発明に係る脱カフェイン抹茶の製造方法では、原料とした碾茶の仕立て葉や抹茶に含まれるカフェインが、冷水に浸出した後、多孔質重合樹脂に吸着して除かれる。このため、脱カフェイン抹茶は、原料由来のカフェインの含有量が低減されたものとなる。ここでの脱カフェインとは、カフェインの一部が除かれ、カフェインの含有量が低減した状態をいう。
また、本発明に係る脱カフェイン抹茶の製造方法では、原料を冷水で抽出し、原料残渣やカフェイン低減液を凍結乾燥するため、テアニンの分解や香り成分の減少を抑えることができる。そのうえ、原料残渣とカフェイン低減液の両方を用いて脱カフェイン抹茶を製造するため、脱カフェイン抹茶には、原料残渣の成分だけでなく、カフェイン低減液に移行してしまった成分が回収されている。このため、脱カフェイン抹茶は、原料由来のテアニンや香り成分が保たれたものとなる。
本発明に係る脱カフェイン抹茶の製造方法では、原料を冷水で抽出することで、色素成分の変質を抑えることができる。さらに、凍結乾燥により原料残渣やカフェイン低減液を乾燥するため、乾燥の間に色素成分が変質するのを免れることができる。このため、脱カフェイン抹茶は、鮮やかな緑色の色調を保ったものとなる。
よって、本発明によれば、抹茶本来の風味や色調の劣化が少ない脱カフェイン抹茶及びその製造方法が提供される。さらに、本発明によれば、脱カフェイン抹茶の製造方法で用いる脱カフェイン処理装置が提供される。
実施形態1に係る脱カフェイン抹茶の製造方法のフローチャート 実施形態2に係る脱カフェイン抹茶の製造方法のフローチャート 実施形態3に係る脱カフェイン抹茶の製造方法のフローチャート 実施形態3に係る脱カフェイン抹茶の製造方法で用いる、脱カフェイン処理装置の一の形態を表す、当該装置の断面端面図 実施形態4に係る脱カフェイン抹茶の製造方法で用いる、脱カフェイン処理装置の他の形態を表す、当該装置の断面端面図 実施形態5に係る脱カフェイン抹茶の製造方法で用いる、脱カフェイン処理装置のまた他の形態を表す、当該装置の断面端面図
[実施形態1]
図1に示す脱カフェイン抹茶の製造方法は、原料を準備する工程、抽出工程、脱カフェイン工程、及び、乾燥工程を含む。
原料を準備する工程では、脱カフェイン抹茶の原料として、碾茶の仕立て葉、抹茶、碾茶の仕立て葉と抹茶の混合物のいずれかを準備する。碾茶は、その加工の程度により、碾茶の荒茶となっている段階と、碾茶の仕立て葉となっている段階がある。碾茶の荒茶は、摘採の2〜3週前から遮光栽培された茶樹から茶葉を摘採し、摘採された生茶葉を蒸し、蒸し葉を揉まないで乾燥させたものである。碾茶の仕立て葉は、碾茶の荒茶を切断し、茎や葉脈を分離し、切断物のうちから葉肉の部分を選別したものである。碾茶の仕立て葉は、例えば、その一辺の寸法が3〜5mm程度である。
原料の抹茶は、碾茶の仕立て葉を挽臼で粉砕して得られる粉末であり、まだ脱カフェイン処理をされていないものである。抹茶を準備する際に用いられる挽臼としては、電動石臼が挙げられるが、テアニンや香り成分の熱変性を抑えるため、手挽き用石臼が好ましい。また、原料の抹茶は、碾茶の仕立て葉を挽臼で粉砕した後、更に篩機にかけて夾雑物を除かれたものが好ましい。原料の抹茶の粒径は、例えば、1〜20μm程度である。
原料として碾茶の仕立て葉と抹茶の混合物を準備する場合、碾茶の仕立て葉と抹茶の混合比に、特に制限はない。
図1に示す製造方法の抽出工程は、詳細には、第一の抽出工程、第二の抽出工程、第三の抽出工程の順で行なわれる。抽出工程では、原料をろ過袋に入れ、袋ごと原料を冷水に浸して、原料を冷水で抽出する。
抽出に用いる冷水は、蒸留水、イオン交換水、水道水、天然水等であり、その水温は15℃以下である。水温が15℃以下であっても、30分以上かけて原料を冷水に浸ければ、原料に含まれるカフェインの大半が冷水に浸出する。
しかし、原料に接する冷水が凝固して氷になった場合、カフェインの浸出が進まなくなってしまう。水温が15℃より高い場合、抽出の際に原料や原料抽出液の色調が劣化しやすくなってしまうため、脱カフェイン抹茶が色調の劣化したものになるおそれがある。また、15℃より高い場合、原料等に雑菌が繁殖しやすくなってしまう。
冷水の水温は、好ましくは、10℃以下である。10℃以下であると、抽出の際に原料や原料抽出液の色調の劣化が極めて遅くなるため、脱カフェイン抹茶が色調の劣化を特に抑えられたものとなる。また、10℃以下であると、原料等に雑菌が繁殖するのを抑えることができる。
冷水の水温は、更に好ましくは、5℃以下である。5℃以下であると、抽出の際に原料や原料抽出液の色調の劣化が更に極めて遅くなる。例えば、原料を5℃以下の冷水で抽出する際に72時間もかけても、脱カフェイン処理をしてない抹茶と見分けがつかないほど、色調の劣化が抑えられた脱カフェイン抹茶を製造することができる。また、5℃以下であると、原料等に雑菌が繁殖するのを更に抑えることができる。
ろ過袋は、冷水が袋を通過することができ、袋の中に入れた原料が流出するのを抑えることができれば、その形状、材質、構成は特に限定されない。準備した原料に抹茶が含まれない場合、ろ過袋としては、例えば、ナイロン製、ポリエステル製、木綿製等の食品用のろ過布で構成された袋や、フランネル等の布で構成された袋や、ろ紙、コーヒーを淹れる際に用いるペーパーフィルター、パルプフィルター等のろ過用の紙で構成された袋が挙げられる。
準備した原料に抹茶が含まれる場合には、原料に抹茶が含まれない場合と比べて、特に目の細かい布や紙で構成されたろ過袋を用いるのが良い。このようなろ過袋として、例えば、フランネルで構成されたろ過袋や、ろ紙、コーヒーを淹れる際に用いるペーパーフィルター、パルプフィルター等のろ過用の紙で構成されたろ過袋を挙げることができる。ろ過袋は、特に目の細かい布や紙を複数重ねた構造であっても良い。目の細かい布や紙で構成されたろ過袋を用いると、抽出の際に原料の抹茶がろ過袋から流出してしまうのを防ぐことができる。抹茶の流出を防げば、後の脱カフェイン工程で、流出してしまった抹茶により多孔質重合樹脂が目詰まりするのを免れることができる。
第一の抽出工程では、第一の抽出槽に冷水を溜め、袋ごと原料を冷水に浸して、原料を冷水で抽出する。一定時間経過後、袋ごと原料を冷水から取り出して、原料を水切りする。冷水から取り出した後の原料には、冷水に浸出しきれなかったカフェインが残されている。このため、冷水から取り出し水切りした原料を、抽出途中原料として取り扱う。
第二の抽出工程では、第二の抽出槽に冷水を溜め、袋ごと抽出途中原料を冷水に浸して、抽出途中原料を冷水で抽出する。一定時間経過後、袋ごと抽出途中原料を冷水から取り出して、抽出途中原料を水切りする。冷水から取り出した後の抽出途中原料には、冷水に浸出しきれなかったカフェインが残されている。このため、第二の抽出工程で冷水から取り出して水切りした抽出途中原料も、抽出途中原料として取り扱う。
第三の抽出工程では、第三の抽出槽に冷水を溜め、第二の抽出工程を済ませた抽出途中原料を袋ごと冷水に浸して、抽出途中原料を冷水で抽出する。一定時間経過後、袋ごと抽出途中原料を冷水から取り出して、抽出途中原料を水切りする。第三の抽出工程では、抽出途中原料から更にカフェインが浸出したため、抽出途中原料は、抽出前の原料と比べてカフェインの含有量が充分に低減されたものとなる。このため、第三の抽出工程で冷水から取り出して水切りした抽出途中原料を、原料残渣として取り扱う。
第一の抽出工程、第二の抽出工程、第三の抽出工程の各々の工程を終えた後に、第一の抽出槽、第二の抽出槽、第三の抽出槽には、原料又は抽出途中原料から浸出したカフェイン等の成分を含んだ冷水が残される。これらの冷水を混合し、得られた混合液を原料抽出液として取り扱う。図1に示す製造方法の抽出工程では、第一の抽出工程、第二の抽出工程、第三の抽出工程を通じて、原料残渣と原料抽出液が得られる。
抽出の際、原料1重量部に対して、冷水を合計で15重量部以上、45重量部以下用いるのが好ましい。合計で15重量部未満では、冷水が少量であるため、原料に含まれるカフェインが充分に浸出しない。合計で45重量部より多いと、原料抽出液が大量に得られるため、後の乾燥工程で手間やコストが増してしまう。
抽出工程では、例えば、原料1重量部に対して、第一の抽出工程、第二の抽出工程、第三の抽出工程で各々冷水10重量を用いることで、冷水を合計で30重量部用いる。カフェインの抽出効率は、原料又は抽出途中原料に含まれるカフェインの濃度と、冷水に含まれるカフェインの濃度との差に依存する。冷水30重量部を用いて一回で抽出するよりも、第一の抽出工程、第二の抽出工程、第三の抽出工程の各々で冷水10重量部を用いて三回で抽出した方が、カフェインを全く含まない冷水で抽出される機会が三回あるため、カフェインの抽出効率が良い。
図1に示す製造方法の抽出工程では、第一の抽出工程、第二の抽出工程、及び、第三の抽出工程の三段階の工程を行なうが、抽出工程は三段階の工程に限定されない。抽出工程は、更に多段階の工程、例えば、第四の抽出工程、第五の抽出工程を含んでも良い。
抽出の際、必要に応じて、抽出槽に氷や冷水を注ぎ足しても良い。抽出時間の長さは、原料に含まれるカフェインを充分に抽出するために、抽出工程の全体を通じて、抽出時間の合計が30分以上、72時間以下となるようにする。30分未満では、抽出時間が短すぎるため、原料に含まれるカフェインを充分に浸出するのは難しい。72時間より長いと、原料等に雑菌が繁殖するおそれが生じる。
準備した原料が抹茶である場合、原料が碾茶の仕立て葉である場合より、抽出工程でカフェインの抽出効率が良い。抹茶の方が、碾茶の仕立て葉よりも、単位重量あたりの表面積が広いためである。準備した原料が抹茶である場合、原料が碾茶の仕立て葉である場合と比べて、カフェインの含有量が更に低減された脱カフェイン抹茶を製造可能である。
脱カフェイン工程では、原料抽出液を多孔質重合樹脂と接触させる。これにより、原料抽出液に含まれるカフェインが、多孔質重合樹脂に吸着する。多孔質重合樹脂と接触後の原料抽出液は、カフェインの含有量を低減されたカフェイン低減液となる。
準備した原料に抹茶が含まれない場合、原料抽出液を多孔質重合樹脂と接触させる方法は、特に限定されない。例えば、多孔質重合樹脂を充填したカラムを準備して、そのカラム内に原料抽出液を流して通過させる方法が挙げられる。この際、カラム内を通過する原料抽出液の流速は、原料抽出液に含まれるカフェインが多孔質重合樹脂と効率よく吸着するように、適宜設定される。
準備した原料に抹茶が含まれる場合、ろ過袋から抹茶が流出してしまったときに、抹茶が接触しないように多孔質重合樹脂を保護するのが望ましい。このため、準備した原料に抹茶が含まれる場合、フィルターに原料抽出液を通し、フィルターを通過した原料抽出液を多孔質重合樹脂と接触させるようにするのが好ましい。流出してしまった抹茶や、碾茶の仕立て葉由来の微小な繊維質が原料抽出液に含まれていても、フィルターにこし取られるため、多孔質重合樹脂が目詰まりするのを免れることができる。
多孔質重合樹脂を保護するためのフィルターとしては、ろ紙、コーヒーを淹れる際に用いるペーパーフィルター、パルプフィルター等のろ過用の紙製のフィルター、フランネル等の目の細かい布製のフィルター、合成樹脂製フィルター、ガラス繊維製フィルター等が挙げられる。例えば、抹茶は、ろ紙やペーパーフィルターを通過できずこし取られるため、ろ紙やペーパーフィルターと同程度のろ過密度のフィルターを用いれば、多孔質重合樹脂が目詰まりするのを免れることができる。
多孔質重合樹脂を保護するためのフィルターは、更に好ましくは、ろ紙、コーヒーを淹れる際に用いるペーパーフィルター、パルプフィルター等のろ過用の紙製のフィルター、フランネル等の目の細かい布製のフィルターである。これらのフィルターは、安価で容易に入手可能であるため、予備を大量に準備できる。このため、こし取った抹茶でフィルターが目詰まりしても、すぐに予備のフィルターと交換して脱カフェイン工程を再開することができる。
多孔質重合樹脂は、主にカフェインを吸着するが、テアニンを吸着しにくい材質のものを利用する。多孔質重合樹脂を構成する重合樹脂としては、スチレン系又はアクリル系の架橋重合体、スチレンとジビニルベンゼンの共重合体、メタアクリル酸エステル系樹脂、メタアクリル酸とジオールの重縮合ポリマー等を挙げることができる。多孔質重合樹脂の構造としては、ミクロポアとマクロポアを有するポーラス型、ハイポーラス型、MR(macro-reticular)型が挙げられる。多孔質重合樹脂として具体的には、例えば、ダイヤイオンHPシリーズ、セパビーズSPシリーズ(以上、三菱化学株式会社製)、アンバーライトXAD−4、アンバーライトFPX66、アンバーライトXAD−1180N等のアンバーライトXADシリーズ(以上、ダウ・ケミカル社製)等の合成吸着剤を利用することができる。
多孔質重合樹脂は、カフェインを選択的に吸着し、テアニンに限らず原料抽出液に含まれるカフェイン以外の成分を吸着しにくい材質のものを利用するのが、更に好ましい。このような多孔質重合樹脂として具体的には、例えば、アンバーライトFPX66(ダウ・ケミカル社製)等の合成吸着剤を挙げることができる。カフェインを選択的に吸着し、カフェイン以外の成分を吸着しにくい多孔質重合樹脂を用いると、カフェイン以外の原料から浸出してしまった成分が除かれないため、抹茶本来の風味や色調の劣化が特に少ない脱カフェイン抹茶を製造することが可能となる。
脱カフェイン工程を繰り返し行ない多孔質重合樹脂がそれ以上の量のカフェインを吸着できなくなった場合、多孔質重合樹脂をエタノール水溶液等のアルコール水溶液で洗浄する。洗浄すると、多孔質重合樹脂からカフェイン等の成分が除かれるため、多孔質重合樹脂を再生することができる。なお、洗浄により得られるカフェインは、食品添加物等として用いることができる。
前述の抽出工程や脱カフェイン工程は、抽出槽や多孔質重合樹脂を、0℃より高く15℃以下の冷蔵室内に設けて行なうのが望ましい。冷却装置を用いて冷却するよりも、冷蔵室内で抽出工程や脱カフェイン工程を行なう方が、温度管理が容易である。原料や原料抽出液の色調の劣化を極めて抑えるためには、冷蔵室の室温は、より好ましくは0℃より高く10℃以下であり、更により好ましくは0℃より高く5℃以下である。
乾燥工程では、凍結乾燥機を用いて、原料残渣とカフェイン低減液の各々を別々に凍結乾燥して水分を除く。凍結乾燥により、原料残渣からは原料残渣の乾燥物が得られ、カフェイン低減液からはカフェイン低減液の乾燥物が得られる。
準備した原料に碾茶の仕立て葉が含まれていた場合、乾燥工程の後、挽臼を用いて、原料残渣の乾燥物を粉砕して原料残渣の乾燥粉末を得る粉砕工程を行なう。乾燥工程で用いる挽臼としては、電動石臼が挙げられるが、テアニンや香り成分の熱変性を抑えるため、より好ましくは手挽き用石臼が挙げられる。準備した原料が抹茶のみであった場合、乾燥工程で得られた原料残渣の乾燥物は、既に乾燥粉末になっているため、粉砕工程を省略可能である。粉砕工程の後、攪拌機、へら等を用いて、原料残渣の乾燥粉末とカフェイン低減液の乾燥物を混合する混合工程を行なう。混合工程で得られた粉末を、脱カフェイン抹茶として取り扱う。
脱カフェイン抹茶の製造方法としては、原料をエタノールで抽出する方法も考えられる。しかし、凍結乾燥をしても、原料残渣に浸透したエタノールを完全に除くのは難しいため、脱カフェイン抹茶がエタノールを微量に含んだものになってしまう。この場合、脱カフェイン抹茶を用いて抹茶を点てると、湯で温められたエタノールが気化するため、エタノールの臭いで抹茶のほのかな香りを損なってしまう。
脱カフェイン抹茶の製造方法としては、原料を熱水や酸性の温水で抽出して、原料や原料抽出液のカフェインの含有量を低減させる方法も考えられる。しかし、原料を熱水や酸性の温水で抽出すると、テアニンが分解したり、色素成分が変質したりしてしまう。成分の変質を抑えるために熱水や温水にアスコルビン酸を添加する方法も考えられるが、添加量が多いと抹茶本来の風味を損なってしまう。
これに対して、前述の抽出工程を行なうと、原料に含まれるカフェインが、冷水に浸出して、原料抽出液へ移行する。さらに、前述の脱カフェイン工程を行なうと、原料抽出液へ移行したカフェインは、多孔質重合樹脂に吸着する。このため、原料抽出液は、カフェインの含有量を選択的に低減されたカフェイン低減液となる。原料残渣とカフェイン低減液の両方を用いて製造される脱カフェイン抹茶は、食品衛生法を満たす基準で製造されており、原料由来のカフェインの含有量を低減されたものとなる。
また、抽出工程で原料を冷水で抽出し、乾燥工程で原料残渣やカフェイン低減液を凍結乾燥するため、テアニンの分解や香り成分の減少が抑えられる。そのうえ、原料残渣だけでなくカフェイン低減液も用いて脱カフェイン抹茶を製造するため、脱カフェイン抹茶には、原料残渣の成分だけでなく、カフェイン低減液に移行してしまったテアニンや香り成分、カリウム等の成分が回収されている。脱カフェイン抹茶は、原料由来のテアニンや香り成分等を保ったものとなる。
原料の碾茶の仕立て葉や抹茶が水に接すると、原料や原料抽出液の色調が、緑色から赤色へ向けて劣化する現象がある。この現象は、抽出工程で原料を冷水で抽出したことにより抑えられた。そのうえ、乾燥工程で凍結乾燥により原料残渣やカフェイン低減液を乾燥するため、乾燥の間に色素成分が変質するのを免れる。脱カフェイン抹茶は、鮮やかな緑色の色調を保ったものとなる。
よって、図1に示す製造方法により、抹茶本来の風味や色調の劣化が少ない脱カフェイン抹茶を製造することができる。
まだ脱カフェイン処理されてない抹茶のテアニンの含有量と比べて、脱カフェイン抹茶のテアニンの含有量が70%以上保持されていると、各々の抹茶に湯を加えて抹茶を点てて飲み比べても、脱カフェイン抹茶で旨み成分が減少していると認識するのは難しい。例えば、抽出工程で原料を15℃の冷水で30分かけて抽出した場合、図1の製造方法により得られる脱カフェイン抹茶は、テアニンの含有量の80%以上が保持されたものとなり、旨み成分が減少していると認識するのは難しい。
また、抽出工程で原料を15℃の冷水で30分かけて抽出した場合、図1の製造方法により得られる脱カフェイン抹茶は、脱カフェイン処理をされてない抹茶と比べて、カフェインの含有量が40%未満に低減され、目視では色合いの違いを認識しにくいものとなる。この脱カフェイン抹茶は、注意を払わなければ、抹茶本来の風味や色合いが劣化していると認識するのは難しい。
抽出工程で原料を10℃以下の冷水で5時間かけて抽出した場合、図1の製造方法により得られる脱カフェイン抹茶は、脱カフェイン処理をされてない抹茶と比べて、カフェインの含有量が20%未満に低減され、目視では色合いの違いを認識するのは極めて難しく、テアニンの含有量が80%以上保持されたものとなる。この脱カフェイン抹茶は、注意を払っていても、抹茶本来の風味や色合いが劣化していると認識するのは困難である。
[実施形態2]
図2に示す脱カフェイン抹茶の製造方法について、前述の図1に示す製造方法と異なる構成及び作用効果のみを説明する。図1に示す製造方法と比べて、図2に示す製造方法は、脱カフェイン工程を行なった後、混合工程、乾燥工程、粉砕工程の順に行なう。
図2に示す製造方法の混合工程では、原料残渣とカフェイン低減液を混合して、原料残渣とカフェイン低減液の混合物を得る。混合の際、原料残渣の量に対してカフェイン低減液の量の方が多いため、混合物は、カフェイン低減液中に原料残渣が浸された状態のものとなる。
乾燥工程では、凍結乾燥機を用いて、原料残渣とカフェイン低減液の混合物を凍結乾燥して水分を除き、原料残渣とカフェイン低減液の混合乾燥物を得る。凍結乾燥後に得られる混合乾燥物は、原料残渣の乾燥物の表面に、原料から浸出した成分の乾燥粉末が付着した状態のものである。準備した原料が抹茶のみである場合、粉砕工程を省略可能であり、乾燥工程で得られる混合乾燥物を脱カフェイン抹茶として取り扱っても良い。
準備した原料に碾茶の仕立て葉が含まれる場合、粉砕工程では、挽臼を用いて、原料残渣とカフェイン低減液の混合乾燥物を粉砕する。図1に示す製造方法の粉砕工程と比べて、図2に示す製造方法の粉砕工程では、カフェイン低減液の乾燥物も粉砕されて原料残渣の乾燥粉末に混ざる点が異なる。挽臼で粉砕して得られた粉末を、脱カフェイン抹茶として取り扱う。
図2に示す製造方法の混合工程では、原料残渣にカフェイン低減液の一部が浸透して一体となる。図2に示す製造方法の乾燥工程では、原料残渣に浸透しなかったカフェイン低減液が、凍結乾燥の際に原料残渣の乾燥物に付着して一体となる。このため、準備した原料が抹茶のみであり、乾燥工程で得られた混合乾燥物を脱カフェイン抹茶として取り扱った場合、脱カフェイン抹茶は、原料残渣の成分と原料から浸出した成分とが一体となったものとなる。
また、準備した原料に碾茶の仕立て葉が含まれる場合、図2に示す製造方法の粉砕工程では、一体となった混合乾燥物を粉砕するため、粉砕後に得られた脱カフェイン抹茶は、原料残渣の成分と原料から浸出した成分とが均一に混合されたものとなる。
よって、図2に示す製造方法をとれば、準備した原料が抹茶のみである場合も、原料に碾茶の仕立て葉が含まれる場合も、風味にムラの少ない脱カフェイン抹茶を容易に製造することができる。
[実施形態3]
図4に示す脱カフェイン処理装置1aを用いる図3に示す製造方法について、前述の図2に示す製造方法と異なる構成及び作用効果のみを説明する。図4に示す脱カフェイン処理装置1aは、図3に示す製造方法のうちの抽出工程、脱カフェイン工程、抽出継続工程、及び、液循環工程を行なうために用いる。
以下、図4に示す脱カフェイン処理装置1aと図3に示す製造方法の構成及び作用効果を説明する。図4に示す脱カフェイン処理装置1aは、主に抽出槽11a、多孔質重合樹脂31、及び、送液手段41を備える。
図4に示す抽出槽11aは、上面が開口しており、内底面にろ過板14が設けられている。原料2をろ過袋13に入れて、ろ過袋13ごと原料2を、ろ過板14の上面全体を覆うように置き、抽出槽11a内に冷水3を入れると、原料2を冷水3で抽出することができる。
冷水3は、ろ過袋13と原料2を通過し、更にろ過板14を通過したときには、原料2から浸出したカフェイン等の成分を含んだ原料抽出液5となっている。また、原料2は、冷水3で抽出されてカフェインの含有量を低減させるが、更にカフェインを浸出する余地が残されている。冷水3で抽出された原料2を、抽出途中原料4として取り扱う。このため、抽出槽11aでは、原料2を冷水3で抽出して、原料抽出液5及び抽出途中原料4を得る抽出工程を行なうことができる。
脱カフェイン処理装置1aで用いるろ過袋13は、好ましくは、その袋13内に原料2を入れてろ過板14上に置いたときに、ろ過板14の上面を全て覆うことができる寸法である。あるいは、ろ過袋13は、ろ過板14の上面に複数の袋を置いたときに、ろ過板14の上面を全て覆うことができる寸法であっても良い。図4に示すように、中に原料2を入れたろ過袋13を、抽出層11a内に複数積み重ねても良い。
原料抽出液5は、ろ過板14の下方を流下して、配管33に至る。配管33には多孔質重合樹脂31が設けられているため、原料抽出液5は、多孔質重合樹脂31と接触する。原料抽出液5と接触した多孔質重合樹脂31は、原料抽出液5に含まれるカフェインを主に吸着する。原料抽出液5は、カフェインの含有量を低減されたカフェイン低減液6となる。このため、多孔質重合樹脂31では、原料抽出液5を多孔質重合樹脂31と接触させてカフェインを吸着し、カフェイン低減液6を得る脱カフェイン工程を行なうことができる。
多孔質重合樹脂31と接触して得られたカフェイン低減液6は、送液ポンプ42に至る。送液ポンプ42は、配管43を介して、抽出槽11aの開口した上面の上方に設けられたシャワー部44にカフェイン低減液6を送液する。シャワー部44に送液されたカフェイン低減液6は、シャワー部44から貯留槽11a内へ放出される。このため、送液ポンプ42、配管43及びシャワー部44を組み合わせた構成は、カフェイン低減液6を多孔質重合樹脂31から抽出槽11aへ送る送液手段41として機能する。
抽出槽11a内に放出されたカフェイン低減液6は、ろ過袋13と抽出途中原料4を通過し更にろ過板14を通過したときに、抽出途中原料4から浸出したカフェイン等の成分を含んだ原料抽出液5となっている。また、抽出途中原料4は、カフェイン低減液6で抽出されてカフェインの含有量を低減させるが、更にカフェインを抽出する余地が残されている。カフェイン低減液6で抽出された後の抽出途中原料4も、抽出途中原料4として取り扱う。このため、送液手段41と抽出槽11aにより、カフェイン低減液6を多孔質重合樹脂31から抽出途中原料4へ送り、抽出途中原料4をカフェイン低減液6で抽出して、原料抽出液5を得る抽出継続工程を行なうことができる。
抽出継続工程で得られた原料抽出液5は、ろ過板14の下方を流下し、配管33を介して多孔質重合樹脂31に至る。このため、多孔質重合樹脂31で脱カフェイン工程が再び行なわれる。脱カフェイン工程で得られたカフェイン低減液6は、送液手段41により抽出槽11a内へ送られるため、抽出継続工程により再び原料抽出液5となる。このように抽出継続工程と脱カフェイン工程を繰り返し行なうと、抽出途中原料4に含まれるカフェインの含有量を充分に低減させることができる。また、抽出されたカフェイン等の成分と入れ替わる形で、カフェイン低減液6が抽出途中原料4内に浸透する。
抽出継続工程と脱カフェイン工程を繰り返し行なった後、抽出槽11aからろ過袋13ごと取り出し水切りしていない抽出途中原料4を、原料残渣とカフェイン低減液6の混合物として取り扱う。また、抽出槽11a、多孔質重合樹脂31及び送液手段41により、抽出継続工程、及び、脱カフェイン工程を繰り返して、原料残渣とカフェイン低減液の混合物を得る液循環工程を行なうことができる。
液循環工程で得られた原料残渣とカフェイン低減液6の混合物は、ろ過袋13から取り出され、凍結乾燥機で凍結乾燥される。凍結乾燥機により、原料残渣とカフェイン低減液6の混合物を凍結乾燥して、原料残渣の乾燥物とカフェイン低減液6の乾燥物の混合物を得る乾燥工程を行なうことができる。次いで、挽臼により、原料残渣の乾燥物とカフェイン低減液6の乾燥物の混合物を粉砕して、脱カフェイン抹茶を得る粉砕工程を行なうことができる。
脱カフェイン処理装置1aを用いて図3に示す製造方法を行なうと、抽出途中原料4に含まれるカフェインが、繰り返し浸出し、原料抽出液5へ移行したカフェインが、多孔質重合樹脂31により繰り返し除かれる。このため、長時間にわたり液循環工程を行なうと、カフェイン低減液6のカフェイン含有量が徐々に低減される。液循環工程では、抽出途中原料4に含まれるカフェインの濃度と、カフェイン低減液6に含まれるカフェインの濃度の差に依存して、抽出途中原料4からカフェインが効率よく浸出し続ける。
よって、脱カフェイン処理装置1aを用いて図3に示す製造方法を行なった場合は、前述の図1,2に示す製造方法を行なった場合よりも、更にカフェインの抽出効率が良い。このため、例えば、抽出工程、脱カフェイン工程、抽出継続工程及び液循環工程を合計3時間かけて行なうと、カフェインの含有量が80%以上低減された脱カフェイン抹茶を製造することができる。また、カフェインの抽出効率が良いため、冷水3が少量で済み、カフェイン低減液6も少量となり、乾燥工程で凍結乾燥の処理時間を短縮してコストを低減することができる。
さらに、脱カフェイン処理装置1aを用いて図3に示す製造方法を行なうと、原料2や抽出途中原料4に含まれるテアニンやカテキン類等の成分も浸出して、原料抽出液5へ移行する。原料抽出液5のカフェインの含有量は、脱カフェイン工程により低減されるが、テアニン等の含有量は低減されない。液循環工程により、原料抽出液5やカフェイン低減液6は、テアニン等の含有量を累積的に増す。
カフェイン低減液6は、テアニン等の成分を含んだ状態で抽出途中原料4に浸透するため、抽出槽11aから取り出した後の原料残渣とカフェイン低減液6の混合物は、原料2から浸出してしまったテアニン等の成分を保持したものとなる。この混合物を用いて製造される脱カフェイン抹茶は、原料2由来の成分が保持されたものとなる。また、脱カフェイン処理装置1aを用いて図3に示す製造方法を行なうと、混合工程を行なわなくとも原料残渣とカフェイン低減液6の混合物を得ることができるため、混合工程を省くことができる。
液循環工程を終えたときに、脱カフェイン処理装置1a内には、原料抽出液5や、カフェイン低減液6がある。ここで、新たに未抽出の原料2を準備して、続けて図3に示す製造方法を行なうと、脱カフェイン処理装置1a内にある原料抽出液5やカフェイン低減液6を活用することができる。
脱カフェイン処理装置1a内にある原料抽出液5やカフェイン低減液6を活用しつつ、新たに準備した原料2を抽出槽11aに入れて液循環工程を行なう作業を繰り返すと、原料抽出液5やカフェイン低減液6に含まれるテアニン等の濃度が累積的に増す。やがては、原料抽出液5やカフェイン低減液6に含まれるテアニン等の濃度が、原料2や抽出途中原料4に含まれるテアニン等の濃度と平衡に達する。これにより、液循環工程で、原料残渣とテアニン等を高濃度で含むカフェイン低減液6の混合物を得ることができるため、製造される脱カフェイン抹茶は、原料2由来のテアニンや香り成分等がそのまま保持されたものとなる。
原料抽出液5やカフェイン低減液6を活用しつつ、新たに準備した原料2を抽出槽11aに入れて液循環工程を行なう作業を繰り返す場合、冷水3、原料抽出液5及びカフェイン低減液6を5℃以下に保つのが好ましい。5℃以下に保つと、碾茶由来のテアニンの分解や色素成分の変質を抑えつつ雑菌の繁殖を抑えることができる。このため、残された原料抽出液5やカフェイン低減液6を長時間にわたり繰り返し活用することができ、脱カフェイン抹茶を量産しやすくなる。
[実施形態4]
図5に示す脱カフェイン処理装置1bを用いる図3に示す脱カフェイン抹茶の製造方法について、前述の図4に示す脱カフェイン処理装置1aを用いる製造方法と異なる構成及び作用効果のみを説明する。図5に示す脱カフェイン処理装置1bは、図4に示す脱カフェイン処理装置1aと比べて、沈殿槽21及びフィルター32を備える。
図5に示すように、沈殿槽21は、抽出槽11bの下方に設けられる。また、抽出槽11bは、ろ過板14の下方に、鉛直方向に延びた管状の足部15を備える。足部15は、沈殿槽21の天井板を貫通しており、沈殿槽21内の中ほどまで延びている。沈殿槽21の内壁面の上端部付近の部分は、配管33と連通している。配管33は、多孔質重合樹脂31に通じており、配管33のうちで沈殿槽21と多孔重合樹脂31の間の部分には、フィルター32が設けられている。
脱カフェイン処理装置1bを用いて、図3に示す製造方法を行なうと、抽出槽11bで抽出工程が行なわれ、原料抽出液5がろ過板14から足部15を介して流下し、沈殿槽21内に至る。沈殿槽21内には、一定量の原料抽出液5が溜められている。ろ過袋13から原料2が流出してしまった場合、原料抽出液5に抹茶や碾茶の破片等の不溶物が混入するが、不溶物のうちで比重の大きいものは、沈殿槽21の内底面に堆積して沈殿物22となる。沈殿槽21の内底面と連通する配管25のバルブ24を開くと、沈殿槽21内から沈殿物22を排出することができる。
また、原料抽出液5に比重の小さい夾雑物が混入している場合、夾雑物は、沈殿槽21内に溜められた原料抽出液5の水面付近で、浮遊物23となる。沈殿槽21の内壁面の上端部には越流せき28が設けられており、原料抽出液5が沈殿槽21内に過剰に溜められたときに、浮遊物23が越流せき28内に流入する。ここで、越流せき28内と連通する配管27のバルブ26を開くと、沈殿槽21内から浮遊物23を排出することができる。
沈殿槽21内に溜められた原料抽出液5は、配管33内を流れて多孔質重合樹脂31に接触するが、多孔質重合樹脂21に接触する前にフィルター32を通過する。配管33内を流れる原料抽出液5には、碾茶の仕立て葉由来の微細な繊維質が含まれているが、微細な繊維質は、原料抽出液5がフィルター32を通過する際、こし取られる。ろ過袋13から流出してしまった抹茶が配管33内に流込する場合があっても、抹茶もフィルター32でこし取られる。フィルター32により、微細な繊維質や抹茶が多孔質重合樹脂31に接触するのは阻まれる。
脱カフェイン処理装置1bを用いると、原料抽出液5に含まれる不溶物等は、多孔質重合樹脂31に達する前に沈殿槽21やフィルター32により阻まれる。このため、不溶物等により多孔質重合樹脂31が目詰まりする頻度を低くすることができる。また、図1に示す製造方法で多孔質重合樹脂を保護するためにフィルターを用いる場合と比べて、脱カフェイン処理装置1bは沈殿槽21を備えるため、フィルター32が目詰まりする頻度を低くすることができる。脱カフェイン処理装置1bは、多孔質重合樹脂31の洗浄やフィルター32交換をする頻度を低く抑えることができるため、長時間にわたり連続で稼動でき、脱カフェイン抹茶を更に量産することができる。
[実施形態5]
図6に示す脱カフェイン処理装置1cを用いる図3に示す製造方法について、前述の図4に示す脱カフェイン処理装置1aを用いる製造方法と異なる構成及び作用効果のみを説明する。図6に示す脱カフェイン処理装置1cは、前述の図4に示す脱カフェイン処理装置1aと比べて、抽出槽11c内に、ろ過用容器12を備える。
ろ過用容器12は、抽出の際に原料2又は抽出途中原料4をろ過するための容器であり、その容器12内に原料2を入れた状態で抽出槽11cのろ過板14上に置いたり、その容器12内に原料残渣とカフェイン低減液6の混合物を入れた状態で抽出槽11cから取り外したりすることができる。ろ過用容器12は、ろ過用容器12をろ過板14上に置いたときに、ろ過板14の上面と、抽出槽11cの内壁面のうちでろ過板14の上方にある部分が覆われるような寸法である。
準備した原料に抹茶が含まれない場合、ろ過用容器12としては、枠部材の枠の間にろ過用の網部材を取り付けた構成のものや、枠部材の枠の間に食品用のろ過布を取り付けた構成のものが挙げられる。準備した原料に抹茶が含まれる場合、ろ過用容器12としては、枠部材の枠の間に、フランネル等の目の細かい布や、ろ紙、コーヒーを淹れる際に用いるペーパーフィルター、パルプフィルター等のろ過用の紙を取り付けた構成のものが挙げられる。この場合、ろ過用容器12に取り付けられる布や紙は、複数の布や紙を重ねた構造のものであっても良い。ろ過用容器12は、その移送を容易にするため、取っ手が備えられたものが好ましい。
前述の図4に示す脱カフェイン処理装置1aのろ過袋13と比べて、図6に示す脱カフェイン処理装置1cのろ過用容器12の方が、寸法が大きく大量の原料2をその容器12内に入れることができる。ろ過用容器12を備えると、原料2や原料残渣等の移送の手間を少なくすることができる。また、脱カフェイン処理装置1cを用いて液循環工程等を行なっている最中に、ろ過用容器12の開口部分から抽出途中原料4の一部を取り出したり、追加の原料2をカフェイン低減液6に浸けたりする等、抽出処理の途中で必要に応じて原料2や抽出途中原料4の量を調節することができる。
[原料残渣等の粉末の色調劣化について試験方法]
原料として碾茶の仕立て葉100gと、冷水として5℃の蒸留水1Lを準備した。原料をフランネル製のろ過袋に詰め、冷水をビーカーに注ぎ、5℃の冷蔵室内で原料を袋ごと冷水に浸けて抽出した。抽出の間、ビーカーに蓋をした。
抽出開始から30分経過時に、袋ごと原料を冷水から取り出し水切りし、抽出途中原料を得た。抽出途中原料のうち約5gを採取し、採取しなかった残りの抽出途中原料を、袋ごと同じ冷水に浸けて再び抽出した。同様にして、抽出開始時から5時間、20時間、28時間、44時間、及び52時間経過時に、抽出途中原料を約5gずつ採取しつつ抽出を続けた。68時間経過時に、袋ごと抽出途中原料を冷水から取り出し水切りし、原料残渣を得た。原料残渣のうち約5gを採取した。
採取した各々の抽出途中原料と原料残渣を、凍結乾燥機(東京理化機械製、FDU−810)で凍結乾燥して水分を除き、電動石臼(パナソニック株式会社製、EU−6820P)で粉砕して、各々の抽出途中原料又は原料残渣の乾燥粉末を得た。また、比較のために、原料として新たに碾茶の仕立て葉5gを準備し、抽出処理を行なわないままの原料を凍結乾燥して粉砕し、碾茶の乾燥粉末を調製した。
各々の乾燥粉末1重量部に対して蒸留水5重量部を加えて粉末を湿らせ、色彩色差計(日本電色工業株式会社製:ZE−2000)でJIS Z 8729に準拠して、湿らせた粉末の色調を測定し、Lab表色系のうちで緑色度の指標となるa値を記録した。
[原料残渣等の粉末の色調劣化について試験結果と考察]
試験結果を、表1に示す。なお、a値は、マイナスの値が大きいと緑色の色調が強いことを示し、プラスの値が大きいと赤色の色調が強いことを示す。
Figure 0006504784
表1に示すように、抽出処理を行なわなかった原料の粉末のa値は、−12.0であった。これに対して、原料を5℃の冷水で抽出した抽出途中原料の粉末のa値は、30分経過時の−11.0から時間の経過と共に増したが、68時間経過時の原料残渣の粉末で−9.7に留まっていた。原料の碾茶の仕立て葉を5℃の冷水で抽出すると、原料の色調が緑色から赤色へ劣化する速さが、極めて遅くなることが示された。また、碾茶の仕立て葉を5℃の冷水で68時間抽出して抹茶を製造しても、抹茶本来の色調の劣化が少ない抹茶を製造できることが示された。なお、原料として抹茶を用いた場合も、同様の実験結果となった。
[脱カフェイン抹茶の色調劣化についての試験方法]
原料として碾茶の仕立て葉5gと、冷水として4℃の蒸留水150mlを準備した。原料をフランネル製のろ過袋に詰め、冷水をビーカーに注ぎ、4℃の冷蔵室内で原料を袋ごと冷水に浸けて抽出した。抽出開始から72時間経過時に、袋ごと原料を冷水から取り出して水切りし、原料残渣を得た。ビーカーに残された冷水を、原料抽出液とした。
多孔質重合樹脂(ダウ・ケミカル社製、アンバーライトFPX66)を充填したカラム内に原料抽出液を通して、原料抽出液を多孔質重合樹脂と接触させてカフェインを吸着し、カフェイン低減液を得た。前述の凍結乾燥機で、原料残渣とカフェイン低減液を各々別々に凍結乾燥して水分を除いて、各々の乾燥物を得た。前述の電動石臼で、原料残渣の乾燥物を粉砕して、原料残渣の乾燥粉末を得た。カフェイン低減液の乾燥物と原料残渣の乾燥粉末を、ほぼ均一となるように薬さじで混合して、実施例1の脱カフェイン抹茶の試料を得た。
また、抽出時間が30分である他は、実施例1と同じ条件で実施例2の脱カフェイン抹茶の試料を製造した。さらに、実施例1と同じ原料を準備し、この原料をそのまま電動石臼で粉砕して、比較例1の抹茶の試料を得た。
実施例1,2及び比較例1の試料について、前述の方法でa値を測定した。また、実施例1,2及び比較例1の試料を高速液体クロマトグラフィーにかけ、標品にて作成した検量線を用いて、各々の試料のカフェインの含有量とテアニンの含有量を算出した。さらに、比較例1の試料の各成分の含有量を保持率100%と仮定して、実施例1,2の試料の各成分の含有量からカフェインの保持率とテアニンの保持率を算出した。
試験結果を、表2に示す。
Figure 0006504784
表2に示すように、比較例1のa値−12.0であったのに対し、実施例1のa値は−9.4であり、実施例2のa値は−11.1であった。比較例1のa値と実施例1,2のa値の差は小さいため、実施例1,2は抹茶メーカーの品質管理基準を満たすほどに色調の劣化が少ない。特に実施例1の結果から、72時間もかけて抽出しても、原料を4℃の冷水で抽出し、原料抽出液を4℃に保てば、色調の劣化が少ない脱カフェイン抹茶を製造できることが示された。
比較例1のカフェインの含有量3.1重量%であったのに対して、実施例1のカフェインの含有量は0.4重量%であり、実施例2のカフェインの含有量は1.2重量%であった。実施例1の結果から、72時間かけて抽出すれば、カフェインの保持率が12.9%となり、カフェインの含有量を充分に低減させることができると示された。実施例2の結果から、抽出時間30分であっても、原料に含有されるカフェインの大半を冷水に浸出させて、保持率38.7%になるまでカフェインの含有量を低減可能であることが示された。
比較例1のテアニンの含有量2.0重量%に対して、実施例1,2では1.8重量%であった。実施例1,2の試験結果から、原料を4℃の冷水で抽出し、原料残渣とカフェイン低減液を凍結乾燥して得た各々の乾燥物を混合すると、原料由来のテアニンの約90%を保持した脱カフェイン抹茶を製造できることが示された。
[脱カフェイン抹茶の色調、及び、点てた抹茶の色合い、風味の試験方法]
冷水として約0℃の蒸留水を準備し、0℃の冷蔵室内で5時間かけて原料を冷水で抽出し、0℃の冷蔵室内で原料抽出液を多孔質重合樹脂に接触させてカフェインを吸着した他は、実施例1と同じ条件で実施例3の脱カフェイン抹茶を製造した。製造の際に、冷水、原料抽出液及びカフェイン低減液が凝固した様子は、見られなかった。
実施例3のa値を、前述の方法で測定した。また、前述の比較例1の抹茶の試料を製造した。実施例3及び比較例1の試料を用いて抹茶を点て、10名のパネラーにより、点てた抹茶の色合いを目視で比較した。その後、10名のパネラーにより、点てた抹茶を飲み比べて、風味を比較した。
[脱カフェイン抹茶の色調、及び、点てた抹茶の色合い、風味の試験結果と考察]
実施例1及び比較例1の色調について、試験結果を表3に示す。
Figure 0006504784
表3に示すように、比較例1のa値−12.0に対して、実施例3では−11.2であった。また、実施例3と比較例1は、違いを目視で見分けるのは困難なほど、色調がほとんど同じであった。
実施例3を用いて点てた抹茶と、比較例1を用いて点てた抹茶とでは、色合いがほとんど同じであるため、パネラーは10名とも目視では見分けがつかないと評価した。一方、実施例3を用いて点てた抹茶と、比較例1を用いて点てた抹茶を飲み比べたところ、3名のパネラーは風味の違いを認識できないと評価したが、7名のパネラーは実施例3を用いて点てた抹茶の方がまろやかで好ましい風味であると評価した。
3名のパネラーが風味の違いを認識できないと評価したのは、原料を約0℃の冷水で抽出し凍結乾燥したことで、テアニンが70%以上保持され、更に香り成分も保持されたことによると考えられる。7名のパネラーが実施例3を用いて点てた抹茶の方がまろやかな風味であると評価したのは、苦味を呈するカフェインの含有量が、実施例3を用いて点てた抹茶で低減されたため、テアニンによる旨みが引き立ったことによると考えられる。あるいは、実施例3の脱カフェイン抹茶を製造する際に、多孔質重合樹脂により渋みを呈するカテキン類の含有量が低減したため、テアニンによる旨みが引き立った可能性も考えられる。
本発明に係る脱カフェイン抹茶は、抹茶本来の風味や色調の劣化が少なく、カフェインの含有量が充分に低減されたものであり、抹茶を点てたり食品原料として用いたりすることができる。本発明に係る脱カフェイン抹茶は、カフェインの摂取を避けたい人々に限らず、脱カフェイン処理されてない抹茶と同様の色合いと風味を提供して人々を楽しませることができる。さらに、本発明に係る脱カフェイン抹茶の製造方法により、前述の脱カフェイン抹茶を得ることができる。また、本発明に係る脱カフェイン処理装置は、前述の製造方法を実施する際に用いると、前述の脱カフェイン抹茶を効率よく量産することができる。
1 脱カフェイン処理装置
2 原料
3 冷水
4 抽出途中原料
5 原料抽出液
6 カフェイン低減液
11 抽出槽
31 多孔質重合樹脂
41 送液手段

Claims (7)

  1. 碾茶の仕立て葉、抹茶及びこれらの混合物からなる群より選ばれた原料に由来する脱カフェイン抹茶の製造方法であって、
    前記原料を準備する工程と、
    前記原料を30分以上にわたり冷水に浸けて抽出することにより、前記冷水が当該原料から抽出されたカフェインを含む成分を含有して成る原料抽出液、及び当該原料がそのカフェインの含有量を低減された原料残渣を得る抽出工程と、
    前記原料抽出液を、カフェインは吸着しやすいがテアニンは吸着しにくい多孔質重合樹脂と接触させて前記多孔質重合樹脂にカフェインを吸着させることにより、当該原料抽出液がそのカフェインの含有量を低減されたカフェイン低減液を得る脱カフェイン工程と、
    前記原料残渣および前記カフェイン低減液の混合物を凍結乾燥させるか、又は当該原料残渣および当該カフェイン低減液をそれぞれ凍結乾燥させてから混合することにより、当該原料残渣の凍結乾燥物および当該カフェイン低減液の凍結乾燥物の混合物を得る乾燥工程と、
    を含み、
    前記抽出工程から前記乾燥工程までの間を通じて、前記原料が浸かっている前記冷水、前記原料抽出液、前記カフェイン低減液、及び前記原料残渣での各々の温度を実質的に15℃以下に保つことを特徴とする脱カフェイン抹茶の製造方法。
  2. 碾茶の仕立て葉、抹茶及びこれらの混合物からなる群より選ばれた原料に由来する脱カフェイン抹茶の製造方法であって、
    前記原料を準備する工程と、
    前記原料を冷水に浸けて抽出することにより、前記冷水が当該原料から抽出されたカフェインを含む成分を含有して成る原料抽出液、及び当該原料がそのカフェインの含有量を低減された抽出途中原料を得る抽出工程と、
    前記原料抽出液を、カフェインは吸着しやすいがテアニンは吸着しにくい多孔質重合樹脂と接触させて前記多孔質重合樹脂にカフェインを吸着させることにより、当該原料抽出液がそのカフェインの含有量を低減されたカフェイン低減液を得る脱カフェイン工程と、
    前記抽出途中原料と前記多孔質重合樹脂の間で前記カフェイン低減液を循環させて、循環させられている当該カフェイン低減液に当該抽出途中原料を浸けて抽出を継続させること及び循環させられている当該カフェイン低減液を当該多孔質重合樹脂に接触させることを繰り返すことにより、当該抽出途中原料がそのカフェインの含有量を低減された原料残渣を得る液循環工程と、
    前記原料残渣および前記カフェイン低減液の混合物を凍結乾燥させるか、又は当該原料残渣および当該カフェイン低減液をそれぞれ凍結乾燥させてから混合することにより、当該原料残渣の凍結乾燥物および当該カフェイン低減液の凍結乾燥物の混合物を得る乾燥工程と、
    を含み、
    前記抽出工程において前記冷水に前記原料が浸かっている時間の長さ、および、前記液循環工程において循環させられている前記カフェイン低減液に前記抽出途中原料が浸かっている時間の長さが、合計で30分以上であり、
    前記抽出工程から前記乾燥工程までの間を通じて、前記原料が浸かっている前記冷水、前記抽出途中原料、前記原料抽出液、前記カフェイン低減液、及び前記原料残渣での各々の温度を実質的に15℃以下に保つことを特徴とする脱カフェイン抹茶の製造方法。
  3. 前記多孔質重合樹脂が、アンバーライト(登録商標)FPX66である請求項1又は請求項2に記載された脱カフェイン抹茶の製造方法。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載された製造方法により得られる脱カフェイン抹茶。
  5. 碾茶の仕立て葉、抹茶及びこれらの混合物からなる群より選ばれた原料が収容されてカフェインを抽出される抽出槽、を備える脱カフェイン処理装置であって、
    前記抽出槽では、収容された前記原料が冷水に浸けられて抽出されることにより、前記冷水が当該原料から抽出されたカフェインを含む成分を含有して成る原料抽出液、及び当該原料がそのカフェインの含有量を低減された抽出途中原料られて、前記原料抽出液は当該抽出槽から導出され、
    さらに、前記抽出槽から導出された前記原料抽出液と接触するように設けられた、カフェインは吸着しやすいがテアニンは吸着しにくい多孔質重合樹脂と、
    前記多孔質重合樹脂と接触してカフェインを吸着されたことにより前記原料抽出液がそのカフェインの含有量を低減されたカフェイン低減液を前記抽出槽に収容された前記抽出途中原料に送って当該抽出途中原料と当該多孔質重合樹脂の間で循環させる送液手段と、
    を備え
    前記送液手段により循環させられている前記カフェイン低減液に前記抽出途中原料が浸けられて抽出が継続されること及び当該送液手段により循環させられている当該カフェイン低減液と前記多孔質重合樹脂を接触させることが繰り返されることにより、当該抽出途中原料がそのカフェインの含有量を低減された原料残渣が得られ、
    前記冷水に前記原料が浸かっている時間の長さ、及び前記送液手段により循環させられている前記カフェイン低減液に前記抽出途中原料が浸かっている時間の長さが、合計で30分以上となるように使用され、並びに、当該冷水に当該原料を浸けてから前記原料残渣を得るまでの間を通じて、当該原料が浸かっている当該冷水、当該抽出途中原料、前記原料抽出液、当該カフェイン低減液、及び前記原料残渣での各々の温度を実質的に15℃以下に保つように使用されることを特徴とする脱カフェイン処理装置。
  6. さらに、前記原料抽出液、又は前記送液手段により循環させられている前記カフェイン低減液が、前記抽出槽から導出されて前記多孔質重合樹脂に至る間に一時的に溜められる沈殿槽と、
    前記原料抽出液、又は前記送液手段により循環させられている前記カフェイン低減液、前記沈殿槽に一時的に溜められてから前記多孔質重合樹脂に至るまでの間に通過するように設けられたフィルターと、
    を備える請求項に記載された脱カフェイン処理装置。
  7. さらに、前記原料残渣と前記カフェイン低減液の混合物を凍結乾燥させるか、又は後で凍結乾燥物を混合させるために当該原料残渣と当該カフェイン低減液をそれぞれ凍結乾燥させる凍結乾燥機を備え、
    前記原料残渣および前記カフェイン低減液を各々得てから凍結乾燥させるまで間を通じて、当該原料残渣および当該カフェイン低減液での各々の温度を実質的に15℃以下に保つように使用される請求項5又は請求項6に記載された脱カフェイン処理装置。
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