以下、図面を参照して種々の実施形態について詳細に説明する。なお、各図面において同一又は相当の部分に対しては同一の符号を附すこととする。
図1は、一実施形態に係るエッチング方法を示す流れ図である。図1に示す方法MTは、第1領域及び第2領域の双方にエッチングを行ってホール又はトレンチといったスペースを形成する方法である。この方法MTは、例えば、3次元構造を有するNANDフラッシュメモリの製造に用いることができるものである。
図2は、図1に示すエッチング方法が適用される被処理体を例示する断面図である。図2に示す被処理体(以下、「ウエハW」という)は、下地層UL、第1領域R1、第2領域R2、及び、マスクMSKを有している。下地層ULは、例えば、基板上に設けられた多結晶シリコン製の層であり得る。第1領域R1及び第2領域R2は、下地層UL上に設けられている。
第1領域R1は、多層膜から構成されている。多層膜は、シリコン酸化膜IL1及びシリコン窒化膜IL2が交互に設けられることによって構成されている。第1領域R1において、シリコン酸化膜IL1の厚さは、例えば、5nm〜50nmであり、シリコン窒化膜IL2の厚さは、例えば、10nm〜75nmである。一実施形態では、第1領域R1において、シリコン酸化膜IL1及びシリコン窒化膜IL2は、合計24層以上積層されていてもよい。
第2領域R2は、第1領域R1のシリコン酸化膜IL1の膜厚よりも大きい膜厚を有するシリコン酸化膜を含む領域である。一実施形態では、第2領域は、部分領域R21及び部分領域R22を含んでいる。第1領域R1の複数のシリコン窒化膜IL2のうち幾つかは、多層膜の積層方向に直交する方向において、部分領域R21の中まで延びている。図2に示すように、第1領域R1から部分領域R21内まで延びた複数のシリコン窒化膜IL2は、階段状を呈するように部分領域R21内において終端している。この部分領域R21のシリコン窒化膜IL2以外の部分は、シリコン酸化膜IL1から構成されている。また、部分領域R22は、単層のシリコン酸化膜IL1から構成されている。このように構成される第2領域R2の厚さは、第1領域R1の厚さと略同様である。
第1領域R1及び第2領域R2上には、マスクMSKが設けられている。マスクMSKには、第1領域R1及び第2領域R2にホール又はトレンチといったスペースを形成するための開口が形成されている。マスクMSKは、例えば、アモルファスカーボン製であり得る。或いは、マスクMSKは、有機ポリマーから構成されていてもよい。
方法MTでは、まず、図2に示したようなウエハWがプラズマ処理装置の処理容器内に準備される。図3は、図1に示す方法の実施に用いることが可能なプラズマ処理装置の一例を概略的に示す図である。
図3に示すプラズマ処理装置10は、容量結合型プラズマエッチング装置であり、略円筒状の処理容器12を備えている。処理容器12は、例えば、アルミニウムから形成されており、その内壁面には陽極酸化処理が施されている。この処理容器12は保安接地されている。処理容器12の側壁には、ウエハWの搬入及び搬出のための通路12gが設けられている。この通路12gはゲートバルブ54により開閉可能となっている。
処理容器12の底部上には、絶縁材料から構成された略円筒状の支持部14が設けられている。支持部14は、処理容器12内において、処理容器12の底部から鉛直方向に延在している。支持部14は、処理容器12内において載置台PDを支持している。
載置台PDは、下部電極16及び静電チャック18を有している。下部電極16は、一実施形態では、第1部材16a及び第2部材16bを含んでいる。第1部材16a及び第2部材16bは共に、略円盤形状を有しており、アルミニウムといった導体から構成されている。第2部材16bは、第1部材16a上に設けられており、第1部材16aに電気的に接続されている。
第1部材16aには、第1の高周波電源62が整合器66を介して接続されている。第1の高周波電源62は、プラズマ生成用の高周波を発生する電源であり、27〜100MHzの周波数、一例においては40MHzの高周波を発生する。整合器66は、第1の高周波電源62の出力インピーダンスと負荷側(下部電極16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。なお、第1の高周波電源62は、整合器66を介して、上部電極30に接続されていてもよい。
また、第1部材16aには、第2の高周波電源64が整合器68を介して接続されている。第2の高周波電源64は、ウエハWにイオンを引き込むための高周波、即ち高周波バイアスを発生する電源であり、400kHz〜13.56MHzの範囲内の周波数、一例においては3MHzの高周波バイアスを発生する。整合器68は、第2の高周波電源64の出力インピーダンスと負荷側(下部電極16側)の入力インピーダンスを整合させるための回路を有している。
第2部材16bの内部には、冷媒流路24が形成されている。冷媒流路24には、処理容器12の外部に設けられたチラーユニットから配管26aを介して冷媒が供給され、冷媒流路24に供給された冷媒は配管26bを介してチラーユニットに戻される。このように循環される冷媒の温度を制御することにより、静電チャック18上に載置されたウエハWの温度が制御される。
静電チャック18は、第2部材16b上に設けられている。静電チャック18は、膜状の電極を一対の絶縁層又は絶縁シート間に配置した構造を有している。静電チャック18の電極には、直流電源22がスイッチを介して電気的に接続されている。この静電チャック18は、直流電源22からの直流電圧により生じたクーロン力等の静電力により、ウエハWを吸着し、当該ウエハWを保持する。この静電チャック18内には、ヒータといった加熱素子が設けられていてもよい。
静電チャック18の周囲、且つ、第2部材16b上には、フォーカスリングFRが設けられている。フォーカスリングFRは、エッチングの均一性を向上させるために配置されるものであり、例えば、石英から構成され得る。
また、下部電極16及び静電チャック18には、ガス供給ライン28が設けられている。ガス供給ライン28は、伝熱ガス供給機構からの伝熱ガス、例えばHeガスを、静電チャック18の上面とウエハWの裏面との間に供給するよう構成されている。
また、プラズマ処理装置10は、上部電極30を備えている。上部電極30は、載置台PDの上方において、当該載置台PDと対向配置されている。下部電極16と上部電極30とは、互いに略平行に設けられており、載置台PDと下部電極16との間には、ウエハWにプラズマ処理を行うための処理空間Sが画成されている。
上部電極30は、絶縁性遮蔽部材32を介して、処理容器12の上部に支持されている。この上部電極30は、天板34及び支持体36を含み得る。天板34は、処理空間Sに面しており、複数のガス吐出孔34aを提供している。この天板34は、ジュール熱の少ない低抵抗の導電体又は半導体から構成され得る。
支持体36は、天板34を着脱自在に支持するものであり、例えばアルミニウムといった導電性材料から構成される。この支持体36は、水冷構造を有し得る。支持体36の内部には、ガス拡散室36aが設けられている。このガス拡散室36aからは、ガス吐出孔34aに連通する複数のガス通流孔36bが下方に延びている。また、支持体36には、ガス拡散室36aに処理ガスを導くガス導入口36cが形成されており、このガス導入口36cにはガス供給管38が接続されている。
ガス供給管38には、バルブ群42及び流量制御器群44を介して、ガスソース群40が接続されている。ガスソース群40は、複数のガスソースを含んでいる。複数のガスソースは、フルオロカーボンガスのソース、ハイドロフルオロカーボンガスのソース、水素ガス(H2ガス)のソース、及び、窒素ガス(N2ガス)のソースを含んでいる。また、一実施形態では、複数のガスソースは、酸素ガス(O2ガス)のソース、三フッ化窒素ガス(NF3ガス)のソース、硫化カルボニルガス(COSガス)のソース、及び、炭化水素ガスのソースを更に含み得る。フルオロカーボンガスとしては、例えば、C4F6ガス、C4F8ガス、CF4ガスといった一以上のフルオロカーボンガスが用いられ得る。ハイドロフルオロカーボンガスとしては、例えば、CH2F2ガスが用いられ得る。また、炭化水素ガスとしては、例えば、CH4ガスが用いられる。なお、複数のガスソースは、Heガス、Neガス、Arガス、Krガスといった任意の希ガスのソース、三塩化ホウ素ガス(BCl3ガス)のソース、SF6ガスのソースを更に含んでいてもよい。
バルブ群42は複数のバルブを有している。また、流量制御器群44は、マスフローコントローラ(MFC)といった複数の流量制御器を有している。ガスソース群40の複数のガスソースはそれぞれ、流量制御器群44に含まれる対応の流量制御器及びバルブ群42に含まれる対応のバルブを介して、ガス供給管38に接続されている。プラズマ処理装置10では、複数のガスソースのうち選択されたガスソースからのガスが、ガス供給管38からガス拡散室36aに至り、ガス通流孔36b及びガス吐出孔34aを介して処理空間Sに吐出される。
また、プラズマ処理装置10は、直流電源部70を更に備えている。直流電源部70は、上部電極30に接続されている。直流電源部70は、負の直流電圧を発生し、当該直流電圧を上部電極30に与えることが可能である。
また、プラズマ処理装置10は、接地導体12aを更に備え得る。接地導体12aは、略円筒状をなしており、処理容器12の側壁から上部電極30の高さ位置よりも上方に延びるように設けられている。
また、プラズマ処理装置10では、処理容器12の内壁に沿ってデポシールド46が着脱自在に設けられている。デポシールド46は、支持部14の外周にも設けられている。デポシールド46は、処理容器12にエッチング副生物(デポ)が付着することを防止するものであり、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。
処理容器12の底部側においては、支持部14と処理容器12の内壁との間に排気プレート48が設けられている。排気プレート48は、例えば、アルミニウム材にY2O3等のセラミックスを被覆することにより構成され得る。この排気プレート48には、多数の貫通孔が形成されている。排気プレート48の下方において処理容器12には、排気口12eが設けられている。排気口12eには、排気管52を介して排気装置50が接続されている。排気装置50は、圧力調整弁、及び、ターボ分子ポンプなどの真空ポンプを有しており、処理容器12内を所望の圧力に減圧することができる。
処理容器12の内壁には、導電性部材(GNDブロック)56が設けられている。導電性部材56は、高さ方向においてウエハWと略同じ高さに位置するように、処理容器12の内壁に取り付けられている。この導電性部材56は、グランドにDC的に接続されており、異常放電防止効果を発揮する。なお、導電性部材56はプラズマ生成領域に設けられていればよく、その設置位置は図3に示す位置に限られるものではない。
また、プラズマ処理装置10は、制御部Cntを更に備え得る。この制御部Cntは、プロセッサ、記憶部、入力装置、表示装置等を備えるコンピュータ装置であることができ、プラズマ処理装置10の各部を制御し得る。この制御部Cntでは、入力装置を用いて、オペレータがプラズマ処理装置10を管理するためにコマンドの入力操作等を行うことができ、また、表示装置により、プラズマ処理装置10の稼働状況を可視化して表示することができる。さらに、制御部Cntの記憶部には、プラズマ処理装置10で実行される各種処理をプロセッサにより制御するための制御プログラム、及び、処理条件に応じてプラズマ処理装置10の各部に処理を実行させるためのプログラム、即ち、処理レシピが格納される。一実施形態では、制御部Cntは、方法MTの実施のために作成された処理レシピに従い、プラズマ処理装置10の各部を制御する。
このプラズマ処理装置10では、ガスソース群40の複数のガスソースのうち選択されたガスソースからの処理ガスが処理空間Sに供給され、また、排気装置50によって処理空間Sの圧力が所定の圧力に設定される。また、第1の高周波電源62からの高周波が下部電極16に供給され、第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。これにより、処理空間Sにおいて処理ガスが励起される。そして、ラジカル、イオン等の活性種によってウエハWに対するエッチングといったプラズマ処理が行われる。
再び図1を参照して、方法MTの説明を続ける。以下、図1と共に、図4〜図7を参照する。図4は、図1に示す方法における幾つかのガス及び高周波のタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図4の縦軸は、第2の処理ガスの流量に対する水素ガス(H2ガス)の流量の割合、第1の処理ガスの流量に対する酸素ガス(O2ガス)の流量の割合、窒素ガス(N2ガス)の流量、第1の処理ガス中のフッ素含有ガスの流量を表している。また、図4の縦軸は、高周波の供給を表しており、高周波の供給が高いレベルであることは高周波が供給されていることを表しており、高周波の供給が低いレベルであることは、高周波が供給されていないことを表している。図5及び図6は、図1に示す方法の実行中の途中段階の被処理体の状態の一例を示す断面図である。また、図7は、図1に示す方法の実行後の被処理体の状態の一例を示す断面図である。以下の説明では、プラズマ処理装置10を用いる場合を例にとって、方法MTを説明する。
方法MTでは、上述したように、まず、プラズマ処理装置10の処理容器12内にウエハWが搬入される。ウエハWは、載置台PD上に載置されて、静電チャック18によって保持される。そして、方法MTでは、工程ST1及び工程ST2を各々が含む複数回のシーケンスSQが実行される。即ち、工程ST1及び工程ST2が交互に繰り返される。
工程ST1では、処理容器12内において第1の処理ガスのプラズマが生成され、工程ST2では、処理容器12内において第2の処理ガスのプラズマが生成される。方法MTでは、かかる工程ST1と工程ST2とが連続して実行される。即ち、工程ST1で利用される第1の処理ガスと工程ST2で利用される第2の処理ガスとが処理容器12内において混合している状態が形成される期間においても、プラズマが生成される。一実施形態では、工程ST1の実行期間及び工程ST2の実行期間にわたって連続的にプラズマが生成される。具体的には、図4に示すように、プラズマの生成のための高周波が連続的に使用される。より具体的には、プラズマ処理装置10を用いる実施形態では、工程ST1の実行期間及び工程ST2の実行期間にわたって、下部電極LEに第1の高周波電源62からの高周波が連続的に供給される。
工程ST1で使用される第1の処理ガスは、フルオロカーボンガス、及び、ハイドロフルオロカーボンガスを含む。一例では、第1の処理ガスは、フルオロカーボンガスとして、C4F6ガス、C4F8ガス、CF4ガスといった一以上のフルオロカーボンガスを含み得る。また、第1の処理ガスは、ハイドロフルオロカーボンガスとして、CH2F2ガスを含み得る。
図4に示すように、各回の工程ST1の実行期間P1は期間P1a(図4では、時刻t1〜時刻t2、時刻t7〜時刻t8、及び、時刻t13〜時刻t14)、期間P1b(図4では、時刻t2〜時刻t3、及び、時刻t8〜時刻t9)、及び、期間P1c(図4では、時刻t3〜時刻t4、及び、時刻t9〜時刻t10)を含んでいる。期間P1aは、工程ST1の開始時を含む期間である。期間P1bは期間P1aに続く期間である。期間P1cは期間P1bに続く期間であり、工程ST1の終了時を含む期間である。期間P1a、期間P1b、及び、期間P1cは、予め定められた時間長を有する。また、一実施形態では、期間P1bの時間長は、期間P1a及び期間P1cの時間長よりも長い時間長に設定される。
工程ST1の期間P1bでは、第1の処理ガスに酸素ガス(O2ガス)が更に含められる。一方、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a(図4では、時刻t7〜時刻t8、及び、時刻t13〜時刻t14)、及び、工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1c(図4では、時刻t3〜時刻t4、及び時刻t9〜時刻t10)では、第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合が、期間P1bにおける第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合よりも低い割合に設定される。
一実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cでは、酸素ガスの流量が、期間P1bにおける酸素ガスの流量よりも少ない流量又はゼロに設定される。この実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスに窒素ガスが含められてもよい。
別の実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a、及び、工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおける酸素ガスの流量は、期間P1bにおける酸素ガスの流量と実質的に同一の流量であってもよい。この実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスに窒素ガスが含められる。これにより、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合が相対的に低い割合に設定される。
また、一実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスにフッ素含有ガスが添加される。フッ素含有ガスは、例えば、NF3ガス、CF4ガス、及びSF6ガスのうち一つ以上のガスである。なお、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて添加されるフッ素含有ガスと、第1の処理ガスに含まれるフルオロカーボンガスとが同種の場合には、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、当該フルオロカーボンガスの流量が増加される。
工程ST1では、第1の処理ガスが処理容器12内に供給される。また、工程ST1では、期間P1a、期間P1b、期間P1cのそれぞれにおいて、処理容器12内に供給される第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合が、上述したように、調整される。また、工程ST1では、排気装置50によって処理空間Sの圧力が所定の圧力に設定される。また、工程ST1では、第1の高周波電源62からの高周波及び第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。
工程ST1では、第1の処理ガスが励起され、生成されたイオン及び/又はラジカル等の活性種により、図5に示すように、マスクMSKから露出されている部分において第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる。また、工程ST1では、第1の処理ガスから、炭素を含有する堆積物、例えば、フルオロカーボン及び/又は炭化水素といった堆積物がウエハW上に形成される、生成された堆積物は、少なくとも期間P1bにおいて生成される酸素の活性種によって適度に除去される。したがって、このような堆積物によるマスクMSKの開口の閉塞が抑制される。
工程ST2で使用される第2の処理ガスは、ハイドロフルオロカーボンガス及び窒素ガス(N2ガス)を含む。第2の処理ガスのハイドロフルオロカーボンガスとしては、例えば、CH2F2ガスが用いられる。また、一実施形態では、第2の処理ガスは、三フッ化窒素ガス(NF3ガス)、硫化カルボニルガス(COSガス)、及び、炭化水素ガスのうち少なくとも一つを更に含み得る。
図4に示すように、各回の工程ST2の実行期間P2は期間P2a(図4では、時刻t4〜時刻t5、及び、時刻t10〜時刻t11)、期間P2b(図4では、時刻t5〜時刻t6、及び、時刻t11〜時刻t12)、及び、期間P2c(図4では、時刻t6〜時刻t7、及び、時刻t12〜時刻t13)を含んでいる。期間P2aは、工程ST2の開始時を含む期間である。期間P2bは期間P2aに続く期間である。期間P2cは期間P2bに続く期間であり、工程ST2の終了時を含む期間である。期間P2a、期間P2b、及び期間P2cは、予め定められた時間長を有する。また、一実施形態では、期間P2bの時間長は、期間P2a及び期間P2cの時間長よりも長い時間長に設定される。
工程ST2の期間P2bでは、第2の処理ガスに水素ガス(H2ガス)が更に含められる。一方、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cでは、第2の処理ガスの流量に対する水素ガスの流量の割合が、期間P2bにおける第2の処理ガスの流量に対する水素ガスの流量の割合よりも低い割合に設定される。
一実施形態では、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cでは、水素ガスの流量が、期間P2bにおける水素ガスの流量よりも少ない流量又はゼロに設定される。この実施形態では、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cにおいて、第1の処理ガスに窒素ガスが含められてもよい。
別の実施形態では、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cにおける水素ガスの流量は、期間P2bにおける水素ガスの流量と実質的に同一の流量であってもよい。この実施形態では、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cにおいて、第2の処理ガスに窒素ガスが含められる。これにより、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cにおいて、第2の処理ガスの流量に対する水素ガスの流量の割合が相対的に低い割合に設定される。
工程ST2では、第2の処理ガスが処理容器12内に供給される。また、工程ST2では、期間P2a、期間P2b、期間P2cのそれぞれにおいて、処理容器12内に供給される第2の処理ガスの全流量中の水素ガスの流量の割合が、上述したように、調整される。また、工程ST2では、排気装置50によって処理空間Sの圧力が所定の圧力に設定される。また、工程ST2では、第1の高周波電源62からの高周波及び第2の高周波電源64からの高周波バイアスが下部電極16に供給される。
この工程ST2では、第2の処理ガスが励起される。第2の処理ガス中のハイドロフルオロカーボンは、フッ素、水素、炭素、及び、炭化水素等に解離する。ハイドロフルオロカーボンの解離によって生成されるフッ素は、期間P2bにおいて水素ガスの解離によって生成される水素と結合する。したがって、工程ST2では、エッチングに寄与するフッ素の量が低減される。また、ハイドロフルオロカーボンの解離によって生成される炭素及び/又は炭化水素は、エッチングによって形成されたスペースを画成する側壁面SW及びマスクMSKの表面MSに付着して、図6に示すように、堆積物DPを形成する。これにより、側壁面SWが保護される。また、マスクMSKによって提供される開口の幅が調整される。なお、マスクMSKの表面MSには、側壁面SWよりも多くの炭素及び/又は炭化水素が付着するが、マスクMSKの表面MSに付着した炭素及び/又は炭化水素は、窒素の活性種によって減少される。したがって、マスクMSKの開口の閉塞が抑制される。
また、第2の処理ガスが三フッ化窒素ガスを含んでいる場合には、当該三フッ化窒素の解離によって生じるフッ素は第1領域R1及び第2領域R2をエッチングするが、当該フッ素の量は水素との結合により減少するので、工程ST2において第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる量は工程ST1において第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる量よりも少ない。また、三フッ化窒素の解離によって生じる窒素は、マスクMSKのエッチング量、及び、当該マスクMSK上に堆積する炭化水素の調整に寄与する。
また、第2の処理ガスが硫化カルボニルガスを含んでいる場合には、硫化カルボニルの解離によって生成される硫黄(S)を含有する生成物は、マスクMSK上に堆積して当該マスクMSKを保護し、マスクMSKの開口幅の調整に寄与する。また、第2の処理ガスが炭化水素ガスを含んでいる場合には、当該炭化水素ガスは、側壁面SWの保護のための炭化水素源として寄与する。
方法MTでは、このような工程ST1及び工程ST2を含むシーケンスSQの実行の後に、工程STJにおいて停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、シーケンスSQの実行回数が所定回数に達しているときに、満たされるものと判定される。工程STJにおいて停止条件が満たされないと判定される場合には、シーケンスSQが工程ST1から再び実行される。一方、工程STJにおいて停止条件が満たされると判定される場合には、方法MTは終了する。このように、方法MTでは、複数回のシーケンスSQが実行されることにより、図7に示すように、スペースが下地層ULの表面に達するまで第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる。
上述したように、方法MTでは、工程ST1において第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる。そして、エッチングによって形成された側壁面SWに、工程ST2において堆積物DPが形成される。このように、方法MTでは、第1領域R1及び第2領域R2のエッチングと、側壁面SWの保護のための堆積物DPの形成とが交互に行われるので、側壁面SWの横方向(膜厚方向に直交する方向)の削れが抑制される。特に、堆積物DPによる側壁面SWの保護は、工程ST1のエッチングにおいて横方向に削られ易い第2領域R2において効果を発揮する。したがって、方法MTによれば、エッチングによって形成される側壁面SWの垂直性を向上させることが可能となる。
なお、一実施形態の方法MTでは、シーケンスSQにおける工程ST1の実行時間長が、シーケンスSQにおける工程ST2の実行時間長よりも長い時間長に設定されていてもよい。工程ST1は、上述したように第1領域R1及び第2領域R2をエッチングするために利用される。一方、工程ST2は、上述したように、主として側壁面SWの保護のために利用され、工程ST2のエッチングに対する寄与は比較的少ない。したがって、工程ST1の実行時間長を工程ST2の実行時間長よりも長い時間長に設定することにより、第1領域R1及び第2領域R2のエッチングのスループットが高くなる。
また、方法MTでは、ガスの置換のためにプラズマを生成しない期間を設けることなく、工程ST1と工程ST2とが連続して実行されるので、スループットが向上される。さらに、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cでは、第2の処理ガスの流量に対する水素ガスの流量の割合が、低い割合に設定される。これにより、第1の処理ガスに混入する水素ガスの量が低減される。その結果、第1の処理ガスから生成されるフッ素の量の低下が抑制される。また、マスクMSK上の堆積物となり得る炭化水素及びフッ素含有炭化水素の過剰な生成が抑制される。したがって、マスクMSKの開口の縮小及び/又はマスクMSKの閉塞が抑制される。故に、工程ST1と工程ST2とを連続して実行しても、第1領域R1及び第2領域R2に形成されるスペースを画成する側壁面SWの垂直性の低下が抑制される。
上述したように、一実施形態では、工程ST1の実行期間P1の直後の期間P2a及び工程ST1の実行期間P1の直前の期間P2cにおいて、第2の処理ガスに窒素ガスが更に含められる。この実施形態では、マスクMSK上の堆積物の量が窒素の活性種によって減少される。
また、上述したように、一実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合が、期間P1cにおける第1の処理ガスの流量に対する酸素ガスの流量の割合より低い割合に設定される。この実施形態では、期間P1a及び期間P1cの時間長を調整することにより、マスクMSK上の堆積物の量を調整し、マスクMSKの開口の幅を調整することが可能となる。
また、上述したように、一実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスに窒素ガスが更に含められてもよい。この実施形態では、マスクMSK上の堆積物の量が窒素の活性種によって減少される。
また、上述したように、一実施形態では、工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a及び工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスにフッ素含有ガスが更に含められてもよい。この実施形態によれば、マスクMSK上の堆積物の量を調整することができ、且つ、エッチングレートを向上させることが可能となる。また、第1領域R1及び第2領域R2に形成される開口の幅を調整することが可能となる。
なお、各シーケンスSQにおける工程ST1及び工程ST2の実行順序は図1に示す実行順序に限定されるものではない。即ち、各シーケンスSQにおいて、最初に工程ST2が実行され、次いで、工程ST1が実行されてもよい。
また、全てのシーケンスSQの期間P1a及び期間P1cにおいて、第1の処理ガス中の酸素ガスの流量の割合が低い割合に設定される必要はない。即ち、複数回のシーケンスSQのうち一部のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a、及び、複数回のシーケンスSQのうち一部のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガス中の酸素ガスの流量の割合が低い割合に設定されてもよい。例えば、複数回のシーケンスSQのうち実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス、又は、実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a、及び、実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス又は実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガス中の酸素ガスの流量の割合が低い割合に設定されてもよい。同様に、実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス又は実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a、及び、実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス又は実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて、第1の処理ガスに窒素ガスが更に含められてもよい。また、同様に、実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス又は実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直後の期間P1a、実行順で前半に含まれる一以上のシーケンス又は実行順で後半に含まれる一以上のシーケンスの工程ST2の実行期間P2の直前の期間P1cにおいて第1の処理ガスにフッ素含有ガスが更に含められてもよい。
また、図4に示した例では、工程ST1の実行期間と工程ST2の実行期間とにわたってプラズマが連続的に生成されている。即ち、工程ST1の実行期間と工程ST2の実行期間とにわたって、プラズマの生成のために高周波が連続的に使用されている。しかしながら、工程ST1の実行期間及び工程ST2の実行期間の各々において、プラズマが間欠的に生成されてもよい。即ち、工程ST1の実行期間及び工程ST2の実行期間の各々において、プラズマが生成される期間と実質的にプラズマが生成されない期間とが交互に繰り返されてもよい。例えば、工程ST1の実行期間及び工程ST2の実行期間の各々において、プラズマ生成用の高周波として、パルス変調された高周波が利用されてもよい。また、パルス変調された高周波に同期又は位相反転して、高周波バイアスがパルス変調されてもよい。
以下、別の実施形態に係るエッチング方法について説明する。図8は、別の実施形態に係るエッチング方法を示す流れ図である。また、図9は、図8に示す方法に関するタイミングチャートの一例を示す図である。なお、図9において、横軸は時間を表しており、縦軸は、第1の処理ガスの流量、不活性ガスの流量、及び、第2の処理ガスの流量を表している。また、図9において、縦軸は、高周波の供給を表しており、高周波の供給が高いレベルであることは高周波が供給されていることを表しており、高周波の供給が低いレベルであることは、高周波が供給されていないことを表している。以下、図8に示す方法MT2に関して、方法MTと異なる点を説明する。
方法MT2では、工程ST1及び工程ST2を各々が含む複数回のシーケンスSQ2が実行される。工程ST1では処理容器12内において第1の処理ガスのプラズマが生成される。第1の処理ガスは、方法MTの工程ST1で用いられる第1の処理ガスと同様に、フルオロカーボンガス、及び、ハイドロフルオロカーボンガスを含む。また、第1の処理ガスは、酸素ガスを更に含み得る。
工程ST2では、処理容器12内において第2の処理ガスのプラズマが生成される。第2の処理ガスは、方法MTの工程ST2で用いられる第2の処理ガスと同様に、ハイドロフルオロカーボンガス及び窒素ガス(N2ガス)を含む。また、第2の処理ガスは、水素ガスを更に含む。
方法MT2では、複数回のシーケンスSQ2の各々が、工程STiを更に含んでいる。工程STiは、工程ST1と工程ST2との間において実行される。工程STiは、実行期間P1における工程ST1の実行後、実行期間P2における工程ST2の実行前の実行期間Piにおいて、実行される。工程STiでは、処理容器12内において不活性ガスのプラズマが生成される。不活性ガスは、ヘリウムガスを含む。また、不活性ガスは窒素ガスを更に含み得る。なお、工程ST2の実行後、次のシーケンスSQ2の工程ST1の実行前の期間において、工程STiが更に実行されてもよい。
方法MT2では、各回のシーケンスSQ2の実行の後に、工程STJ2において停止条件が満たされるか否かが判定される。停止条件は、シーケンスSQ2の実行回数が所定回数に達しているときに、満たされるものと判定される。工程STJ2において停止条件が満たされないと判定される場合には、シーケンスSQ2が工程ST1から再び実行される。一方、工程STJ2において停止条件が満たされると判定される場合には、方法MT2は終了する。
複数回のシーケンスSQ2の各々においては、工程ST1、工程STi、及び、工程ST2が連続的に実行される。また、一実施形態では、工程ST1の実行期間P1、工程STiの実行期間Pi、及び、工程ST2の実行期間P2にわたって、プラズマが連続的に生成される。即ち、複数回のシーケンスSQ2にわたって、プラズマを生成するための高周波が連続的に使用される。なお、工程ST1の実行期間P1及び工程ST2の実行期間P2の各々において、プラズマが間欠的に生成されてもよい。
この方法MT2においても、方法MT1と同様に、工程ST1の実行により、第1領域R1及び第2領域R2がエッチングされる。そして、エッチングによって形成された側壁面SWに、工程ST2において堆積物DPが形成される。したがって、方法MT2によれば、エッチングによって形成される側壁面SWの垂直性を向上させることが可能となる。
また、方法MT2では、工程ST1と工程ST2の間に、ガスの置換のためにプラズマを生成しない期間を設けることなく、不活性ガスのプラズマを生成する期間Piを設けることにより、第1の処理ガスと第2の処理ガスが混合した状態でのプラズマの生成が防止される。これにより、マスクMSK上への過剰な堆積物の生成が抑制される。したがって、方法MT2によれば、マスクMSKの開口の縮小及び/又はマスクの閉塞が抑制され、且つ、エッチングによって形成された側壁面、特に第2領域R2のエッチングによって形成された側壁面の垂直性が向上される。
また、工程STiで使用される不活性ガスに含まれる希ガスは、ヘリウムガスであり、その原子量は、他の希ガス原子の原子量よりも小さい。したがって、工程STiにおいて生成されるイオンによってマスクMSKが削られることが抑制される。また、一実施形態では、工程STiで使用される不活性ガスに窒素ガスが含められる。これにより、マスクMSK上の堆積物の量が窒素の活性種によって減少される。したがって、マスクMSKの開口の縮小及び/又はマスクの閉塞が抑制される。
以上、種々の実施形態について説明してきたが、上述した実施形態に限定されることなく種々の変形態様を構成可能である。例えば、方法MT及び方法MT2は、誘導結合型のプラズマ処理装置、又は、マイクロ波といった表面波を用いるプラズマ処理装置といった任意のプラズマ処理装置を用いて実施されてもよい。