現在、地中に埋設されている埋設管には、陶管、ヒューム管(鉄筋コンクリート管)、塩化ビニル管などの様々な種類の管体が用いられている。また、埋設管が繋ぎ合わされている場合には、その継手部に金属製のカラーが用いられることもある。
このため、例えば改築推進工法において、埋設管を上述のような先導体のカッターヘッドを用いて埋設管を粉砕して推進管に更新する際に、埋設管がヒューム管である場合や、埋設管の継手部に金属製のカラーが用いられている場合、更に、埋設管の周辺地盤が極めて硬い場合などでは、カッターヘッドによる破砕や掘削に時間を要し、推進速度が遅くなることがあった。また、カッターヘッドのみで破砕や掘削を行うと、カッターヘッドに摩耗や損傷が生じ易くなることから、カッターヘッドの交換回数が多くなったり、高価な超硬のカッターヘッドを使用する必要があったりするため、コストの増大を招くことがあった。
更に、カッターヘッドでヒューム管を破砕する場合、切断された鉄筋がカッターヘッドや、掘削土を搬送するスクリューなどに絡み付くことがあり、その場合、その絡み付いたものを取り除くために改築推進作業を中断しなければならず、作業効率を低下させるという問題もあった。
一方、改築推進工法において、例えば特許文献3のようにダウンザホールハンマー方式を利用してハンマーヘッド(掘削ビット)により埋設管の破砕等を行う場合、上述のようなカッターヘッドを用いる場合に比べると、ヒューム管等を容易に且つ短時間で破砕できるとともに、鉄筋が絡み付くなどの問題が生じることもない。
しかし、ハンマーヘッドによる埋設管の破砕や地盤の掘削を行う場合、通常は、先導体の先端面全面に大きなハンマーヘッドが露呈するように設けられるため、このような大きなハンマーヘッドに必要な打撃(衝撃力)を与えるためには、大型のエアハンマー装置を先導体の内部に設置する必要がある。また、大型のエアハンマー装置を設置する場合、そのエアハンマー装置に空気を送るエアコンプレッサー等の地上設備も大型化する必要がある。このため、工事費用の増大を招くとともに、エアハンマー装置及び地上設備による騒音が大きくなることや、場所によっては地上設備の設置領域が確保できないこと等の問題を生じさせることがあった。
また一般に、ダウンザホールハンマー方式では、ハンマーヘッドで破砕した破砕物や掘削した掘削土は、ハンマーヘッドの表面からハンマーヘッドの外周側縁部にかけて設けられた細い凹溝部を介して、ハンマーヘッドの後方に送られる。このため、破砕物や掘削土をハンマーヘッドから先導体内に送るための流路を大きく確保し難く、破砕物や掘削土を効率良く先導体内に取り込むことが難しかった。
なお、破砕物や掘削土を排出する手段として、例えば特許文献3のようにハンマーヘッド自体に破砕物や掘削土を先導体内に送るための排土孔を形成することもあるが、この場合、ハンマーヘッドの強度を適切に確保するには大きな排土孔を形成することが難しいため、上記の場合と同様に、破砕物や掘削土を先導体内に効率的に取り込むことが困難となる。
更に、上述のように大型のエアハンマー装置が先導体内に設置されると、エアハンマー装置によって先導体内の空間が大きく占有されるため、ハンマーヘッドから先導体内に取り込まれた破砕物や掘削土を後方に搬送するための流路の大きさ(口径)も制限される。従って、改築推進工法にてダウンザホールハンマー方式を利用する場合では、ハンマーヘッドで破砕した破砕物や掘削した掘削土を効率的に排出できないという問題があった。
その上、ダウンザホールハンマー方式のハンマーヘッドを用いて、例えば塩化ビニル管のような軟らかい材質からなる既設管を破砕する場合、既設管が細かく破砕されずに大きく割れてしまうため、その割れた大きな破片を排出できなくなることがある。更に、柔らかい既設管がハンマーヘッドによって曲げられてしまい、先導体の方向制御に影響を与えることもあった。
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであって、その具体的な目的は、既設管の種類や地盤の硬さに関わらず、既設管の破砕や既設管の周辺地盤の掘削を安定して効率的に行って推進管を推進敷設することが可能で、且つ、破砕した破砕物や掘削した掘削土を効率的に後方に搬送して排出することが可能な推進管敷設装置及び推進管敷設方法を提供すること、更に、その推進管敷設方法で敷設した推進管を利用して新たな管体を付設することによって既設管を更新する既設管更新方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明により提供される推進管敷設装置は、地中に埋設されている既設管を破砕するとともに前記既設管の周辺地盤を掘削して推進管を推進敷設する推進管敷設装置にあって、前記推進管に先行して配され、前記既設管の破砕と前記周辺地盤の掘削とを行う先導体と、前記先導体及び前記推進管を後方から推進する推進装置とを備える推進管敷設装置において、前記先導体は、円筒状の胴体部と、前記胴体部の先端に配される掘削面盤部と、前記胴体部内に設置されるエアハンマー装置とを有し、前記掘削面盤部に、前記エアハンマー装置から伝達される打撃振動により前記既設管の破砕と前記周辺地盤の掘削とを行うハンマーヘッド部が配されるとともに、前記ハンマーヘッド部とは別に前記既設管の破砕物及び掘削土を前記胴体部内に取り込んで排出する少なくとも1つの取込開口部が配され、前記掘削面盤部に、切削チップを溶融して固着することにより形成された表面に不規則な凹凸を有する正面カッター部が設けられ、前記不規則な凹凸を有する前記正面カッター部は、切削作用で前記既設管を破砕可能に形成され、前記掘削面盤部の外周縁部から前記胴体部の外周側面にかけて、屈曲状に連続して形成された外周カッタービット部が設けられてなることを最も主要な特徴とするものである。
特に、前記先導体の正面視において、前記ハンマーヘッド部の先端面は、前記先導体の先端面全体の面積に対して40%以下の面積を有することが好ましい。
このような本発明の推進管敷設装置において、前記ハンマーヘッド部は、前記先導体の正面視にて、前記胴体部の軸中心位置を含む掘削面中心領域と、前記胴体部の外径を越えて外側に張り出す突出領域とを含む連続した略矩形状又は略小判型形状の領域に配されていることが好ましい。
また、前記ハンマーヘッド部における前記先導体の回転方向の左右両側に、2つの前記取込開口部が互いに対称的な形状で配されていることが好ましい。
更に、本発明では、前記先導体の正面視にて、前記取込開口部の合計の開口面積が、前記掘削面盤部の全体の面積の1%以上15%以下に設定されていることが好ましい。
また、前記正面カッター部は、前記掘削面盤部の中央部から前記掘削面盤部の外周縁部に向けて放射状に連続して延びて配されていることが好ましい。
次に、本発明により提供される推進管敷設方法は、地表面に掘設された発進立坑と到達立坑の間にて、地中に埋設されている既設管を破砕するとともに前記既設管の周辺地盤を掘削して推進管を推進敷設する推進管敷設方法であって、前記発進立坑内に、上述した構成を有する本発明の推進管敷設装置を搬入して設置すること、前記既設管内に充填材を充填すること、前記推進管敷設装置の前記先導体を、前記発進立坑から前記到達立坑に向けて回転させながら前進させることにより、前記先導体の前記ハンマーヘッド部により、前記充填材が充填された前記既設管を破砕するとともに前記既設管の周辺地盤を掘削すること、及び、前記既設管の破砕物及び掘削土を、前記先導体の前記取込開口部を介して前記先導体の前記胴体部内に取り込んで排出することを含んでなることを最も主要な特徴とするものである。
また、本発明の推進管敷設方法は、地表から送水ホースを介して前記先導体内に水を送り、前記水を前記先導体から前記先導体の後方に敷設される前記推進管を介して前記発進立坑に向けて流すことにより、前記取込開口部から前記胴体部内に取り込まれた前記破砕物及び前記掘削土を排出することを含むことが好ましい。
次に、本発明により提供される既設管更新方法は、上述した本発明の推進管敷設方法により敷設した前記推進管をさや管として用い、前記さや管内に本管を挿入して敷設することにより、前記既設管を前記本管に更新することを最も主要な特徴とするものである。
また、本発明の既設管更新方法は、前記本管の挿入前に、前記さや管に対して前記本管を所定の位置で支持することが可能な複数のスペーサバンドを、前記本管の外周面に、前記本管の長さ方向に所定間隔で取り付けること、前記スペーサバンドが取着された前記本管を前記さや管内に挿入し、前記本管を複数の前記スペーサバンドで支持することにより、前記本管を前記さや管内で所定の勾配で敷設すること、及び、前記さや管と前記本管との間の空間部に中込材を充填し、前記さや管に対する前記本管の位置を固定することを含むことが好ましい。
本発明に係る推進管敷設装置は、推進管に先行して配される先導体と、その先導体を推進する推進装置とを備える。先導体は、円筒状の胴体部と、胴体部の先端に配される掘削面盤部と、胴体部の内側に設置されるエアハンマー装置とを有する。また、先導体の掘削面盤部の一部には、既設管の破砕と地盤の掘削とを同時に行うハンマーヘッド部が配されている。更に、掘削面盤部のハンマーヘッド部とは別の部分には、既設管の破砕物及び掘削土を先導体の胴体部内に取り込むための少なくとも1つの取込開口部が配されている。
このような本発明の推進管敷設装置によれば、ダウンザホールハンマー方式のハンマーヘッド部を用いて既設管の破砕等を行うため、既設管の種類や地盤の固さに関わらず、破砕及び掘削を容易に行うことができ、また、例えばカッターヘッドを用いる場合に比べて破砕等に要する時間を短縮できる。更に、ヒューム管を破砕する場合にも、鉄筋が絡み付くなどの問題が生じることもない。
また、本発明の先導体の掘削面盤部には、ハンマーヘッド部とは別に取込開口部が設けられている。このように取込開口部をハンマーヘッド部と違う部分に設けることにより、ハンマーヘッド部の強度を気にすることなく、大きな取込開口部を先導体の掘削面盤部に容易に設けることができるため、ハンマーヘッド部で破砕した破砕物や掘削した掘削土を、取込開口部を介して先導体の胴体部内に効率的に取り込んで安定して排出することができる。
このような本発明の推進管敷設装置において、ハンマーヘッド部は、先導体の正面視にて、胴体部の軸中心位置を含む掘削面中心領域と、胴体部の外径を越えて外側に張り出す突出領域とを含む連続した略矩形状又は略小判型形状の領域に配されている。このような掘削面盤部の領域にハンマーヘッド部が設けられている先導体を、推進装置によって先導体を回転させながら推進させることにより、ハンマーヘッド部が掘削面盤部の一部にしか設けられていなくても、円筒状の空間部を形成するように既設管の破砕と地盤の掘削とを円滑に且つ安定して行うことができる。
また本発明において、ハンマーヘッド部における先導体の回転方向の左右両側には、2つの取込開口部が互いに対称的な形状で配されている。これにより、推進装置によって先導体を回転させながら推進させる際に、先導体を正面視にて時計回り方向と反時計回り方向のどちらの方向に回転させても、掘削面盤部に設けた取込開口部を介して、破砕物や掘削土を先導体の胴体部内に安定して取り込むことができる。
更に本発明では、先導体の正面視にて、掘削面盤部に設けた全ての取込開口部の合計の開口面積が、掘削面盤部の全体の面積の1%以上15%以下に、好ましくは3%以上13%以下に、より好ましくは6%以上10%以下に設定される。取込開口部の合計の開口面積が掘削面盤部の全体の面積の1%以上に設定されることにより、取込開口部からの破砕物や掘削土の取り込みを円滑に行うことができる。また、取込開口部の合計の開口面積が掘削面盤部の全体の面積の15%以下に設定されることにより、掘削面盤部の強度を安定して確保できる。
また、本発明における先導体の掘削面盤部には、切削チップを溶融して固着することにより形成され、表面に不規則な凹凸を有する正面カッター部が設けられている。特にこの場合、正面カッター部は、掘削面盤部の中央部から掘削面盤部の外周縁部に向けて放射状に連続して延びて配されている。このように、ハンマーヘッド部とは別に、正面カッター部が掘削面盤部に放射状に連設けられていることにより、既設管の破砕と地盤の掘削とをより効率的に行うことができる。
更に、本発明における先導体には、掘削面盤部の外周縁部から胴体部の外周側面にかけて、屈曲状に連続して形成された外周カッタービット部が設けられている。これにより、既設周辺の地盤をより効果的に掘削しながら、推進装置によって先導体をより円滑に推進させることができる。
次に、本発明に係る推進管敷設方法では、先ず、地表面に掘設された発進立坑内に、上述した構成を有する本発明の推進管敷設装置を搬入して設置するとともに、既設管内に充填材を充填して固まらせる。この場合、推進管敷設装置の設置と充填材の充填とは、どちらを先に行っても良く、その順番は限定されない。
充填材が固まった後、推進管敷設装置の推進装置によって、先導体を、発進立坑から到達立坑に向けて、回転させながら既設管に沿って前進させる。これにより、先導体のハンマーヘッド部により、既設管の種類や地盤の硬さに関わらず、充填材が充填された既設管を破砕するとともに既設管の周辺地盤を掘削でき、更に、その破砕及び掘削により形成される円筒状の空間部に推進管を推進させて敷設することができる。特にこの場合、例えば既設管が塩化ビニル管のような軟らかい材質からなるものであっても、既設管には充填材が充填されて固まっているため、既設管が細かく安定して破砕できるとともに、既設管がハンマーヘッドによって曲げられることを防ぎ、先導体を既設管に沿って安定して前進させることができる。更に本発明では、既設管の破砕物や掘削土を、掘削面盤部に設けた取込開口部を介して先導体の胴体部内に効率的に取り込んで安定して排出することができる。
このような本発明の推進管敷設方法において、先導体を回転させながら推進させて既設管の破砕と地盤の掘削とを行う際に、地表から送水ホースを介して先導体内に水を送り、水を先導体から後方の発進立坑に向けて流すことが行われる。これにより、掘削面盤部に設けた取込開口部を介して先導体の胴体部内に取り込まれた破砕物及び掘削土を、先導体から後方の発進立坑に向けて搬送して容易に排出することができる。
次に、本発明により提供される既設管更新方法では、上述した本発明の推進管敷設方法により敷設した推進管をさや管として用いて、そのさや管内に本管を挿入して敷設する。これにより、本管を安定して敷設して、既設管の更新を円滑に行うことができる。
またこの場合、本管の挿入前に、さや管に対して本管を所定の位置で支持することが可能なように調整された複数のスペーサバンドを、本管の外周面に所定の間隔で取り付けて、そのスペーサバンドが取着された本管をさや管内に挿入する。これにより、さや管内に挿入された本管が、複数のスペーサバンドによって、さや管に対して所定の位置で支持されるため、本管をさや管内で所定の勾配で安定して敷設することができる。更にその後、さや管と本管との間の空間部に中込材を充填し、さや管に対する本管の位置を固定する。以上のような工程を行うことによって、地中に埋設された既設管に代えて、本管を、所定の方向に所定の勾配を有するように地中に安定して埋設することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
例えば以下の実施形態では、推進管として鋼製の管体を用い、本管として、硬質の塩化ビニル製の管体を用いる場合について説明するが、本発明において推進管や本管の材質は特に限定されるものではない。
本実施形態では、既設の下水道管として硬質の塩化ビニル製管体が埋設されており、その下水道管(既設管)を破砕して、新たに硬質の塩化ビニル製管体を本管として埋設することによって下水道管を更新する場合について説明する。
下水道管の更新工事を行う場合、始めに、更新工事を行う区間(更新区間)を挟むようにして、図6等に示すような発進立坑1と到達立坑2とを地表から掘削する。この場合、掘削される発進立坑1及び到達立坑2内に表れる下水道管(既設管3)の一部を破壊して除去し、更に、更新区間の上流側と下流側とを図示しない迂回ホースで接続して、ポンプなどを用いて、更新区間の上流側から流れてくる排水を、迂回ホースを介して地表に迂回させて下流側に送る。なお、既に掘削されている立坑がある場合には、その立坑を発進立坑1や到達立坑2として利用することが可能である。
下水道管の更新工事を行うにあたって、発進立坑1や到達立坑2の周辺に種々の設備が設置される。例えば図1に示したように、発進立坑1内への装置等の搬入の際に用いられるクレーン付きトラック11や、掘削等により排出される土砂等を運搬するダンプトラック12などが準備される。また、油圧を発生させて推進装置50に供給する油圧ユニット13、推進装置50に電力を供給する発電機14、滑材を供給する滑材プラント15、後述するエアハンマー装置34に給油を行うラインオイラー16、エアハンマー装置34に高圧の空気を供給するコンプレッサー17、及び、破砕物などの排出を行うために送水ホース18を介して先導体30に水を供給する送水ポンプ19などが発進立坑1の周辺に設置される。
この場合、本実施形態では、後述するように小型のエアハンマー装置34が先導体30内に設置されるため、エアハンマー装置34にオイルや圧縮空気を供給するラインオイラー16やコンプレッサー17を小型化でき、設備の設置領域のコンパクト化を図ることが可能となるとともに、発生する騒音も従来よりも抑えることが可能となる。
また本実施形態では、上述した設備の他に、モルタルなどの充填材を混合するミキサー21(図7等を参照)や、混合した充填材の注入を行うグラウトポンプ22(図7等を参照)などが発進立坑1の周辺に設置される。更に、本実施形態の発進立坑1内には、先導体30の後述するターゲット32にレーザを照射して先導体30の位置を計測するレーザートランシット23や、先導体30から水で流される破砕物や掘削土を一時的に貯留する図示しない釜場などが設置される。
本実施形態において、破砕掘削推進工程に用いる推進管敷設装置は、破砕及び掘削を行う先導体30と、その先導体30を推進する推進装置50とを備える。
本実施形態の先導体30は、図2及び図3に示すように、円筒状の胴体部31と、胴体部31の先端に配される掘削面盤部41とを有する。また、先導体30の胴体部31内には、先端面が掘削面盤部41に露出するハンマーヘッド部33と、ハンマーヘッド部33に打撃振動(衝撃力)を与えるエアハンマー装置34と、胴体部31にエアハンマー装置34を支持し固定する2つの支持固定部35と、エアハンマー装置34が後方に下がることを防ぐストッパー部36と、コンプレッサー17からの圧縮空気(高圧空気)をエアハンマー装置34に導入するエアホース37と、送水ホース18に接続されて胴体部31内に排出用の水を案内する案内ホース38と、案内ホース38を固定するホース固定部39と、先導体30の位置や方向を計測するためにレーザが照射されるターゲット32とが配されている。
先導体30の掘削面盤部41には、ハンマーヘッド部33の先端部が露呈して配されている。また、掘削面盤部41には、ハンマーヘッド部33の両側に配される2つの取込開口部42と、掘削面盤部41の中央部から外周縁部に向けて放射状に配される複数の正面カッター部43とが形成されている。更に、掘削面盤部41の外周縁部には、胴体部31の外周側面にかけて屈曲状に連続して形成される外周カッタービット部44が設けられている。
このような本実施形態の先導体30において、ハンマーヘッド部33の先端部は、前方に露呈する平坦な先端面と、その先端面に突設される複数の半球状のハンマービッド33aとを有する。この場合、ハンマービッド33aは、サイズが大きな第1ハンマービッドと、サイズが小さな第2ハンマービッドとを有しており、第1ハンマービッドが、ハンマーヘッド部33の先端面の外周に沿って配され、第2ハンマービッドが、第1ハンマービッドよりも内側の領域に配されている。なお、本発明において、ハンマービッドの配置や大きさなどは特に限定されず、任意に変更することができる。
本実施形態のハンマーヘッド部33の先端面は、先導体30の正面視(図3)において、先導体30の掘削面盤部41の一部分に配置されており、略円弧状の上辺及び下辺と、互いに平行に配される直線状の左右側辺とを備えた略小判型形状(又は略矩形状)を有する。
この場合、ハンマーヘッド部33の略小判型形状の先端面は、先導体30の先端面全体に対して、先導体30の回転における軸中心位置(胴体部31の軸中心位置)を含む掘削面中心領域(回転中心領域)と、胴体部31の外径を越えて外側に張り出す突出領域とを含むように形成されている。これにより、先導体30が回転しながら前進して破砕掘削作業を行うときに、ハンマーヘッド部33(略小判型形状の先端面)で、先導体30の胴体部31が挿入される領域よりも広い円形状の面積を破砕及び掘削することが可能となる。
この場合、先導体30の正面視において、ハンマーヘッド部33の先端面は、破砕掘削作業を効率的に行うとともに、発生する破砕物及び掘削土を効率的に排出できるようにするために、先導体30の先端面全体の面積に対して、15%以上40%以下の面積、特に20%以上30%以下の面積を有して配されることが好ましい。
このハンマーヘッド部33に打撃振動を与えるエアハンマー装置34は、従来から用いられる一般的なエアハンマー装置と同様に、コンプレッサー17からの圧縮空気の供給により、エアハンマー装置34内に設けた図示しないシリンダーのハンマーピストンを往復運動させ、そのハンマーピストンの往復運動により、ハンマーヘッド部33を打撃して衝撃力を付与する構造を有するものの、比較的小さなサイズで形成されている。
このように小さなエアハンマー装置34が設置されることにより、先導体30の胴体部31内の空間に余裕を持たせることが可能となり、それによって、掘削面盤部41の取込開口部42から先導体30の胴体部31内に取り込まれた破砕物及び掘削土を、案内ホース38から流出する水を用いて、後方に向けて円滑に且つ効率的に搬送して排出することが可能となる。
左右の取込開口部42は、掘削面盤部41を前方から後方に貫通するように形成されている。2つの取込開口部42は、先導体30の正面視において、これらの間にハンマーヘッド部33を挟むようにして、対称的な形状を有しており、掘削面盤部41が図3において時計方向に回転しても、或いは反時計方向に回転しても、ハンマーヘッド部33等で破砕及び掘削した破砕物及び掘削土を、取込開口部42を介して先導体30の胴体部31内に効率的に取り込むことができる。
左右の各取込開口部42は、ハンマーヘッド部33の左右側片部と平行に配されるヘッド側直線部と、ヘッド側直線部の一端から延び、胴体部31の円筒状の外周に沿うように配される円弧部とを有する花びらのような形状に形成されている。
この場合、先導体30の正面視における2つの取込開口部42の合計の開口面積は、破砕物及び掘削土の効率的な取り込みと掘削面盤部41の強度を考慮して、掘削面盤部41の全体の面積の1%以上15%以下の割合、好ましくは3%以上13%以下の割合、より好ましくは6%以上10%以下の割合となるように設定される。例えば本実施形態の場合、2つの取込開口部42の合計の開口面積は、掘削面盤部41の全体の面積の9%程度となるように設定されている。
また本実施形態の先導体30には、既設管3の破砕と地盤の掘削を行う手段として、ハンマーヘッド部33の他に、上述のように、複数の正面カッター部43と、複数の外周カッタービット部44とが設けられている。各正面カッター部43は、掘削面盤部41の中央部から放射状に連続して延びる直線状の形態でそれぞれ独立して形成されている。
この場合、各正面カッター部43は、複数の切削チップを溶融して固着することにより形成され、表面に不規則な凹凸を連続的に備える。これらの正面カッター部43は、先導体30が前進しながら正面視で時計方向又は反時計方向に回転することにより、切削作用で正面カッター部43が接触する既設管3、既設管3内に充填される後述の充填材、及び既設管3の周辺地盤を細かく破壊することができる。
先導体30に設ける外周カッタービット部44は、カッタービットが掘削面盤部41の外周縁部から胴体部31の外周側面にかけて屈曲状に連続して取り付けられることによって形成されている。これらの外周カッタービット部44も、先導体30が前進しながら正面視で時計方向又は反時計方向に回転することにより、外周カッタービット部44が接触する地盤を切削作用で掘削することができる。
上述のような先導体30に推進力を与える推進装置50は、発進立坑1内に設置され、先導体30又は推進管4を支持しながら当該先導体30又は推進管4を押圧することによって、先導体30等をその軸方向に沿って推進させる装置であり、従来から一般的に用いられる推進装置と同様の構造を有する。
簡単に説明すると、本実施形態の推進装置50は、図4に示したように、発進立坑1の底面に固定されるスライドベース51と、スライドベース51上に前後方向にスライド可能に配されるとともに先導体30又は推進管4を支持固定する装置本体52と、装置本体52を進退可能で先導体30及び推進管4の推進力を与える油圧シリンダー53と、先導体30及び推進管4の回転力を与える油圧モーター54とを有する。
また、この推進装置50には、各種操作を行うために操作レバー55や図示しない操作スイッチなどが設けられている。装置本体52は、図示しない軸受によって回転可能に支持される回転部52aを有しており、この回転部52aには、油圧モーター54の回転が伝達される。油圧シリンダー53と油圧モーター54とには、地表に設置した油圧ユニット13の油圧が供給される。
次に、上述した先導体30及び推進装置50を備える推進管敷設装置を用いて、発進立坑1と到達立坑2との間に埋設されている既設管3(下水道管)を破砕するとともに推進管4を順番に推進敷設し、その後、推進管4内に新たな本管5を挿入して固定することによって、既設管3を本管5に更新する方法について、図面を参照しながら説明する。
ここで、図5は、既設管3の更新工事における工程フロー図である。
既設管3の更新工事を行う場合、先ず、図6に示すように、予め掘削された発進立坑1内に、クレーン等を用いて、推進管敷設装置の推進装置50を搬入し、所定の位置に設置して固定する。
次に、更新区間全体の既設管3の内部に、充填材としてモルタル62を充填する充填工程を行う。この充填工程では、先ず、既設管3の発進立坑1側の管路端部に図示しない第1閉塞部材を取り付けて当該管路端部を閉塞するとともに、既設管3の到達立坑2側の管路端部も第2閉塞部材を取り付けることにより閉塞する。この場合、第1閉鎖部材と第2閉鎖部材とには、既設管3内の空気を抜くためのエアー抜き管61が取り付けられる。また、第1閉鎖部材には、モルタル62の注入口が設けられて、グラウトポンプ22の注入ホース22aが接続される。
既設管3の両端部に第1及び第2閉塞部材をそれぞれ取り付けた後、地表に設置したミキサー21にてセメントなどの原料と水とを混合して練り上げることによりモルタル62を作製し、その作製したモルタル62をグラウトポンプ22で圧送することにより、注入ホース22aから既設管3の内部にモルタル62を注入して充填する。
このとき、例えば第2閉鎖部材に取り付けたエアー抜き管61を観察し、このエアー抜き管61からモルタル62が吹き出すことにより、既設管3内にモルタル62が充填されたことを確認することができる。なお本発明において、既設管3の内部に充填する充填材はモルタル62に限定されず、その他の材料を用いることが可能である。また、モルタル62の注入条件などは適宜設定される。
このように既設管3内にモルタル62を充填することにより、塩化ビニル製の既設管3が補強されて、後述するようにハンマーヘッド部33及び正面カッター部43で既設管3を破砕する際に、既設管3が地中で大きく曲げられることを防いで、既設管3を細かく安定して破砕することが可能となる。モルタル62の充填が確認された後、グラウトポンプ22を停止させて注入作業を終了させる。なお、本発明において、推進装置50の搬入・設置工程とモルタル62の充填工程とはどちらが先に行われても良い。
既設管3内に充填したモルタル62(充填材)が乾燥して固まった後、第1及び第2閉塞部材を取り外す。続いて、図8に示すように、発進立坑1内に、クレーン等を用いて推進管敷設装置の先導体30を搬入し、その先導体30を発進立坑1内に設置した推進装置50に据え付ける工程を行う。更に、発進立坑1における既設管3の周辺部にドーナツ状のゴムリングを有する坑口63を取り付ける。この坑口63を取り付けることにより、発進立坑1内に土砂、滑材、及び圧縮空気が流入することが防止される。
坑口63を取り付けた後、先導体30を推進させることにより既設管3の破砕と地盤の掘削とを行う破砕掘削推進工程を行う。この破砕掘削推進工程では、推進装置50を稼働させて、推進装置50に据え付けられた先導体30を胴体部31の周方向に回転させるとともに所定の速度で前進させる。また、先導体30内に設置したエアハンマー装置34を作動させて、ダウンザホールハンマー方式により先導体30の掘削面盤部41に設けたハンマーヘッド部33に打撃振動を与える。更に、地表に設置した送水ポンプ19から送水ホース18及び案内ホース38を介して先導体30に水を供給する。
これにより、ハンマーヘッド部33と、先導体30に設けた正面カッター部43及び外周カッタービット部44とにより、既設管3と既設管3内に充填したモルタル62とを破砕すると同時に、既設管3周辺の地盤を掘削する。このとき、既設管3内にモルタル62が充填されているため、上述したように既設管3を細かく均一に且つ安定して破砕することができる。また、小さなハンマーヘッド部33だけでなく、正面カッター部43及び外周カッタービット部44を用いているため、破砕及び掘削を効率的に行うことができる。
特に本実施形態のハンマーヘッド部33は、上述のように先導体30の掘削面盤部41における掘削面中心領域と突出領域とを含む略小判型形状の領域に配されているため、先導体30が回転することにより、円形の切羽面(掘削面)の全面にハンマーヘッド部33の衝撃力を加えながら、破砕及び掘削をすることができる。
また、ハンマーヘッド部33が、先導体30の正面視で先導体30の胴体部31の外径を越える突出領域を有することにより、先導体30で掘り進める円形の切羽面の面積を、先導体30の胴体部31における円形横断面の面積や、先導体30に続く推進管4における円形横断面の面積よりも大きく確保できる。このため、推進装置50で先導体30及び推進管4を推進させるときに地盤との間で生じる摩擦抵抗を小さくし、先導体30及び推進管4の推進に必要な推進装置50の推進力を低減できる。
更に、本実施形態の先導体30の掘削面盤部41には、ハンマーヘッド部33の左右両側に取込開口部42が設けられているため、ハンマーヘッド部33、正面カッター部43及び外周カッタービット部44で破砕された破砕物と掘削された掘削土とを、2つの取込開口部42から先導体30の胴体部31内に効率的に取り込むことができ、それによって、先導体30の掘削面盤部41による破砕及び掘削の効率を高めることができる。
また、2つの取込開口部42から先導体30の胴体部31内に取り込まれた破砕物と掘削土は、送水ポンプ19から送水ホース18及び案内ホース38を介して先導体30に供給される水によって、発進立坑1に向けて流され、発進立坑1に設置した釜場に排出される。更に釜場に排出された破砕物や掘削土は、釜場内で分別され、その後、地表に搬出されてそれぞれ適切に処理される。
推進装置50によって先導体30を所定の距離で推進させた後、その先導体30に続く鋼製の推進管4を、推進装置50に据え付けるとともに先導体30の後端に接続し、その推進管4を、推進装置50によって、先導体30のときと同様に回転させながら前進させる。これによって、図9に示すように、先導体30の掘削面盤部41による破砕及び掘削を進めながら、推進管4を地中に埋設するように推進させることができる。以降、推進管4の据え付け工程と、先導体30及び推進管4の回転及び前進による破砕及び掘削工程を繰り返して行うことにより、発進立坑1から到達立坑2に向けて推進管4を順次推進させて埋設することができる。
また本実施形態では、上述のように先導体30の掘削面盤部41による破砕及び掘削と、推進管4の埋設とを進めるとともに、滑材の注入作業や、先導体30の位置の計測作業が繰り返して行われる。滑材の注入作業は、先導体30又は推進管4に穿設した図示しない注入孔に、滑材注入ホースを接続し、先導体30及び推進管4の周辺地盤に注入孔から滑材を注入することにより行われる。
この滑材の注入作業を行うことにより、推進管4の外周面とその周辺地盤との間の摩擦抵抗を低減して、推進管4をより効率的に推進させることができる。また、推進管4の外周面を周辺地盤によって傷付き難くすることができるとともに、推進管4の周辺地盤の緩みを防止することができる。
また、発進立坑1に設置したレーザートランシット23から、先導体30に設けたターゲット32にレーザを照射して先導体30の位置を繰り返して計測することにより、先導体30の向きや前進方向を把握して、先導体30の方向制御を安定して行うことができる。それにより、先導体30による破砕及び掘削を、所定の向きや所定の勾配で直線的にまっすぐ行うことが可能となるため、複数の推進管4をまっすぐに接続して地中に敷設することができる。
そして、先導体30が到達立坑2に到達して抜け出ることにより、更新区間の既設管3が全て破砕されて除去されるとともに、その更新区間の全体に推進管4が真っ直ぐに敷設される。先導体30が到達立坑2に到達して推進装置50を停止させた後、到達立坑2から先導体30を回収して撤去する。このとき、到達立坑2の大きさに応じて、先導体30をクレーン等でそのまま持ち上げて回収しても良いし、先導体30を分解して回収しても良い。
また、先導体30の撤去工程を行うとともに、先導体30に水を送るために用いた送水ホース18や、滑材を供給するために用いた滑材注入ホースを発進立坑1側から回収して撤去する。
更に、水によっては排出できずに、敷設した推進管4内に残存している破砕物や掘削土を取り除くために、図11に示すように、到達立坑2側から排土機(スクレーバー)64を導入して発進立坑1に向けて移動させる。これによって、推進管4内に残存する破砕物や掘削土をきれいに除去して排出することができる。その後、発進立坑1に到達した排土機64を回収するとともに、破砕物や掘削土を分別して適切に処理する。また同時に、発進立坑1内に設置されている推進装置50をクレーン等で持ち上げて撤去する。
推進装置50を撤去して推進管4の敷設状態等を確認した後、その敷設した推進管4を、本管5に対するさや管として用いて、さや管内に複数の本管5を挿入して敷設する工程に移行する。
本実施形態において、本管5には、推進管(さや管)4よりも口径が小さく、図14に示すような形状を備える硬質の塩化ビニル管が採用される。この本管5は、一定の内径を有する本管本体部5aと、内径を長手方向に沿って漸増させる拡幅部5bと、拡幅部5bから延出し、本管本体部5aの外径と同じ大きさの内径を有する接続部5cとを有する。この本管5の接続部5cに、後続する本管5の本管本体部5aを挿入することにより、複数の本管5を連続して繋げることができる。
このような本管5を推進管(さや管)4に挿入する前に、本管5の本管本体部5aに、本管5を推進管4内の所定の位置で保持することを可能にする鋼製のスペーサバンド(支持固定バンド)6が取り付けられる。このスペーサバンド6は、図15に示すように、本管5の外周面に接触して本管5を保持する円環状の帯板部6aと、帯板部6aの切れ目部から外側に舌片状に延設される一対の取付片部6bと、一対の取付片部6bを締め付ける締め付けボルト6cと、帯板部6aから径方向に沿うように外側に向けて延設され、さや管の内周面に接触する4本の脚部6dとを有する。
このような形態を有する複数のスペーサバンド6を、直線的に繋げられる本管5の外周面に、本管5の長手方向に所定間隔(例えば2m間隔)で取り付けるとともに、各スペーサバンド6の脚部6dの長さを、当該スペーサバンド6の設置個所に応じて加工調整することにより、直線的に繋げられる複数の本管5を、さや管4に対して所定の勾配で支持して敷設することができる。
さや管4内に複数の本管5を挿入して敷設する場合、先ず、さや管4内に挿入する本管5の本管本体部5aに、1つ又は複数のスペーサバンド6を取り付ける工程を行う。続いて、スペーサバンド6が取り付けられた本管5を、図12に示すように、発進立坑1内に搬入し、推進管4(さや管)の発進立坑1側の端部から挿入する。このようなスペーサバンド6が取り付けられた本管5の挿入工程を、1本ずつ行いながら複数の本管5を接続することにより、本管5を発進立坑1から到達立坑2まで連通するように敷設する。
本管5を推進管4内に挿入して敷設した後、図13に示すように、本管5と推進管4との間に、長手方向に沿ってドーナツ状の断面形状で延びる空間部に、中込材としてモルタル65を充填する充填工程を行う。
この中込材の充填工程では、上述した充填材の充填工程の場合と同様に、先ず、発進立坑1側の管路端部に図示しない第1閉塞部材を取り付けて閉塞するとともに、到達立坑2側の管路端部も第2閉塞部材を取り付けることにより閉塞する。また、第1閉鎖部材と第2閉鎖部材とには、空気を抜くための図示しないエアー抜き管が取り付けるとともに、第1閉鎖部材に、モルタル65の図示しない注入口が設けられて、グラウトポンプ22の注入ホース22aが接続される。
第1及び第2閉塞部材を取り付けた後、地表に設置したミキサー21でセメントなどの原料と水とを混合して練り上げることによりモルタル65を作製し、その作製したモルタル65をグラウトポンプ22で圧送することにより、注入ホース22aから、本管5と推進管4との間の空間部にモルタル65を注入して充填する。なお本発明において、中込材はモルタル65に限定されず、その他の材料を用いることが可能である。また、モルタル65の注入条件などは適宜設定される。
このように本管5と推進管4との間の空間部にモルタル65を充填することにより、推進管4内に所定の勾配で支持されている本管5を固定でき、それによって、本管5の傾斜勾配を安定して維持することができる。また、推進管4が補強されるため、推進管4が周辺地盤から応力を受けて折れ曲がることを防止できる。
中込材(モルタル65)の充填終了後、設置した機材等を搬出するとともに清掃を行うことにより、本管5の敷設工程が終了する。上述のようにして推進管4内に本管5を挿入して敷設することにより、本管5の敷設作業を容易に且つ安定して行うことができるとともに、本管5を、所定の方向に所定の勾配で安定して敷設することができる。
図5に示したフローに従って以上のような工程を行うことにより、地中に埋設されていた既設管3を本管5に取り替えて、下水道管を新しい本管5に円滑に更新することができる。特に本実施形態では、既設管3が塩化ビニル製であっても、図2及び図3に示したハンマーヘッド部33等を有する先導体30を用いるとともに、既設管3内に充填材を充填した後に先導体30による破砕及び掘削を行うため、既設管3を細かく安定して破砕することができる。
また、先導体30により破砕した破砕物や掘削した掘削土を、先導体30の掘削面盤部41に設けた2つの取込開口部42を介して先導体30の胴体部31内に効率的に取り込んで安定して排出することができる。このため、先導体30を従来よりも速い速度で既設管3に沿って前進させることが可能となり、工事期間の短縮や、それに伴うコストダウンを図ることができる。
なお、上述した実施形態では、図2及び図3に示した先導体30を用いて既設管3の更新工事を行う場合について説明しているが、本発明では、図3に示した掘削面盤部41を有する先導体30の代わりに、図16〜図19に示したような掘削面盤部41a〜41dを有する先導体を用いて既設管3の更新工事を行うことも可能である。
例えば図16に示した第1変形例に係る先導体の掘削面盤部41aには、ハンマーヘッド部33と、2つの取込開口部42aと、正面カッター部43aと、複数の外周カッタービット部44aとが設けられている。この場合、ハンマーヘッド部33は、上述したハンマーヘッド部33と実質的に同様に形成されている。
第1変形例の取込開口部42aは、掘削面盤部41aを前方から後方に貫通するように形成されている。また、2つの取込開口部42aは、ハンマーヘッド部33を挟んで対称的な形状を有する。この場合、各取込開口部42aは、前述した実施形態の取込開口部42と形状が少し異なって形成されており、第1変形例の取込開口部42aは、先導体の正面視において、略扇状を呈する形状に形成されている。更に、左右の取込開口部42aの合計の開口面積は、掘削面盤部41aの全体の面積の6.4%の割合となるように設定されている。
第1変形例の正面カッター部43aは、切削チップを溶融して固着することにより形成されており、表面に不規則な凹凸を連続的に備える。また、この正面カッター部43aは、ハンマーヘッド部33に隣接して配されるカッター中央部と、そのカッター中央部から放射状に連続して延びる4本のカッター直線部とを有しており、正面カッター部43aの全体が一体的に形成されている。
第1変形例の外周カッタービット部44aは、カッタービットが掘削面盤部41aの外周縁部から胴体部の外周側面にかけて屈曲状に連続して取り付けられることによって形成されている。この第1変形例において、各外周カッタービット部44aは、前述した実施形態の外周カッタービット部44よりも外部に露呈する面積を大きくして設けられている。
図16に示した掘削面盤部41aを有する第1変形例の先導体を用いて、既設管を破砕するとともに既設管の周辺地盤を掘削する場合も、前述の実施形態の場合と同様に、ハンマーヘッド部33、正面カッター部43a及び外周カッタービット部44aにより、破砕及び掘削を効率的に行うことができる。また、先導体で掘り進める円形の切羽面の面積を、先導体の胴体部及び推進管の円形横断面の面積よりも大きくし、先導体及び推進管と周辺地盤との間に生じる摩擦抵抗を小さくすることができる。更に、先導体の掘削面盤部41aに2つの取込開口部42aが設けられているため、破砕物や掘削土を、取込開口部42aを介して先導体の胴体部内に効率的に取り込むことができ、それによって、先導体の掘削面盤部41aによる破砕及び掘削の効率を高めることができる。
次に、図17に示した第2変形例に係る先導体の掘削面盤部41bには、ハンマーヘッド部33と、2つの取込開口部42bと、正面カッター部43aと、複数の外周カッタービット部44aとが設けられている。この場合、第2変形例で設ける取込開口部42bの大きさが、上述した第1変形例の取込開口部42aとは異なるものの、ハンマーヘッド部33、正面カッター部43a、及び外周カッタービット部44aは、第1変形例の場合と同様に形成されている。
この第2変形例において、2つの取込開口部42bは、ハンマーヘッド部33を挟んで対称的な略扇状の形状を有する。また、左右の取込開口部42bの合計の開口面積が、掘削面盤部41bの全体の面積の14.7%の割合となるように、2つの取込開口部42bは、前述の実施形態や第1変形例の場合よりも大きく形成されている。
このような2つの取込開口部42bが設けられた掘削面盤部41bを有する先導体は、既設管を破砕しながら既設管の周辺地盤を掘削する際に、より大量の破砕物や掘削土を、取込開口部42bを介して先導体の胴体部内に効率的に取り込むことができる。このため、この第2変形例に係る先導体は、比較的軟らかい地盤の掘削を行う場合に好適に使用される。
次に、図18に第3変形例に係る先導体の掘削面盤部41cを示し、図19に第4変形例に係る先導体の掘削面盤部41dを示す。
第3変形例に係る掘削面盤部41cと、第4変形例に係る掘削面盤部41dとには、それぞれ、ハンマーヘッド部33と、2つの取込開口部42c,42dと、正面カッター部43aと、複数の外周カッタービット部44aとが設けられている。この場合、第3変形例及び第4変形例で設ける取込開口部42c,42dの大きさが、それぞれ、上述した第1変形例の取込開口部42aよりも小さくされているものの、ハンマーヘッド部33、正面カッター部43a、及び外周カッタービット部44aは、第1変形例の場合と同様に形成されている。
第3変形例においては、2つの取込開口部42cが、ハンマーヘッド部33を挟んで対称的な円弧状の形状を有する。また、左右の取込開口部42cは、これらの合計の開口面積が掘削面盤部41cの全体の面積の3.1%の割合となるように形成されている。一方、第4変形例において、2つの取込開口部42dは、ハンマーヘッド部33を挟んで対称的な形状を有するとともに、これらの合計の開口面積が掘削面盤部41dの全体の面積の1.6%の割合となるように形成されている。
これらの第3変形例及び第4変形例に係る掘削面盤部41c,41dを有する各先導体は、取込開口部42c,42dの大きさが、前述の実施形態や第1変形例の場合よりも小さいため、掘削面盤部41c,41dの強度を安定して確保することができる。従って、第3変形例及び第4変形例に係る先導体は、比較的硬い地盤の掘削を行う場合に好適に使用される。