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JP6507066B2 - デファレンシャル装置 - Google Patents
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Description

本発明は、自動車等に用いられるデファレンシャル装置に関する。
従来のデファレンシャル装置として、例えば図7に示す差動制限機構を備えたものがある。
図7のデファレンシャル装置は、特許文献1と同様な構造のものである。このデファレンシャル装置の差動制限機構は、デフケース101側に係合したアウタープレート103とサイドギヤ側に係合したインナープレート105とが交互に配置された摩擦クラッチ106で構成され、デフケース101の側壁101aとサイドギヤ107及びプレッシャーリング109との軸方向間に介設されている。
そして、デフケース101が回転入力を受けると、デフケース101に係合するプレッシャーリング109にドライブトルクが伝達され、カム面111を介して、ピニオンシャフト113にトルク伝達が行われる。このトルク伝達によって、ピニオンギヤ115、サイドギヤ107が一体に回転する。サイドギヤ107からは、左右のアクスルシャフトを介してトルク伝達が行われ、左右の車輪が回転駆動される。
前記カム面111が、ピニオンシャフト113に回転方向に当接すると、カム作用によって、プレッシャーリング109が摩擦クラッチ106側へ移動する。この移動によって、プレッシャーリング109と側壁101aとの間で、摩擦クラッチ106が締結される。
この場合、デフケース101からプレッシャーリング109へ伝達されるトルクの増大に応じて、カム面111のカム力が増大するため、摩擦クラッチ106がトルクに応じて締結力を強める。この摩擦クラッチ106の締結力によって、サイドギヤ107とデフケース101とが摩擦係合し、左右サイドギヤ間の差動制限が行われる。この差動制限力は、前記のように、トルクの増大に応じて増大する。
左右の車輪へは、トルク増大に応じた差動制限を行いながらトルク伝達が行われることになる。
ところで、FF用LSDの場合に、コースティングトルクのときLSD効果を無くすためワンウェイと呼ばれる構造が用いられている。この構造では、図8のように、プレッシャーリング109のドライブ側のカム面111aは回転方向に傾斜設定されているが、コースティング側の面111bは、回転方向に直交して傾斜せず、ピニオンシャフト113のコースティング側の面113aも回転方向に直交する平面となっている。
このため、LSD特性上の要求から面111bの左右一方に、仮に僅かな傾斜αを付けようとしてもピニオンシャフト113の回転方向に直交した面113aが存在するためプレッシャーリング109の傾斜した面111bの働きが円滑ではなく、傾斜αによる特性の成立が難しく、設計の自由度が制限されるという問題があった。
特開2005−098385号公報
解決しようとする問題点は、コースティングトルクのときLSD効果を無くすためワンウェイと呼ばれる構造では、設計の自由度が制限される点である。
本発明は、コースティングトルクのときLSD効果を無くすためワンウェイと呼ばれる構造でも、設計の自由度を確保することを可能とするため、回転自在に支持されドライブトルクの入出力を行うデフケースと、前記デフケース内に相対回転自在に支持され一対の軸が各別に結合される一対のサイドギヤと、前記デフケース内でピニオンシャフトに回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、前記デフケースと前記サイドギヤとに係合し前記サイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてドライブトルクを伝達可能にすると共にドライブトルクに応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材とを備えたデファレンシャル装置であって、前記押圧部材は、前記ピニオンシャフトを挟んで一対備えられ、前記一対の押圧部材は、コースティングトルクのときに前記ピニオンシャフトに当接するコースティング側の面を備え、前記コースティング側の面は、前記一対の押圧部材の一方側から他方側へ前記ピニオンシャフトの軸心よりもオーバーハングする第1の面と前記一対の押圧部材の他方側から一方側へ前記ピニオンシャフトの軸心よりもオーバーハングする第2の面とで構成されたことを特徴とする。
また本発明は、前記押圧部材は、前記ピニオンシャフトを挟んで一対備えられ、前記一対の押圧部材の一方は、コースティングトルクのときに前記ピニオンシャフトに当接するコースティング側の面を備え、前記コースティング側の面は、前記一対の押圧部材の一方側から他方側へ前記ピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングし、前記一対の押圧部材の他方は、前記ピニオンシャフトに対向する周方向に沿う面を備えたことを特徴とする。
本発明は、上記構成であるから、ピニオンシャフトのコースティング側の面を円弧状に形成することができ、押圧部材のコースティング側の面の僅かな傾斜設定等にも的確に応ずることができ、設計の自由度を確保することができる。
デファレンシャル装置の断面図である。(実施例1) プレッシャーリングの正面図である。(実施例1) プレッシャーリングとピニオンシャフトとの係合を示す要部展開図である。(実施例1) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例2) プレッシャーリングとピニオンシャフトとの係合を示す要部断面図である。(実施例2) デファレンシャル装置の断面図である。(実施例3) デファレンシャル装置の要部断面図である。(従来例) プレッシャーリングとピニオンシャフトとの係合を示す要部展開図である。(従来例)
コースティングトルクのときLSD効果を無くすためワンウェイと呼ばれる構造でも、設計の自由度を確保することを可能にするという目的を、一対のプレッシャーリングは、コースティングトルクのときにピニオンシャフトに当接するコースティング側の面を備え、コースティング側の面は、一方のプレッシャーリング側から他方のプレッシャーリング側へピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングする第1の面と他方のプレッシャーリング側から一方のプレッシャーリング側へピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングする第2の面とで構成されたことで実現した。
一方のプレッシャーリングはコースティング側の面を備え、このコースティング側の面は、一方のプレッシャーリング側から他方のプレッシャーリング側へピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングし、他方のプレッシャーリングは、ピニオンシャフトの軸方向外面に対向する回転方向に沿う面を備えてもよい。
図1は、本発明の実施例に係るデファレンシャル装置の断面図である。なお、以下の説明において、軸方向とは、デフケースの回転軸芯の方向、回転方向とは、デフケースの回転方向を意味する。
図1のように、デファレンシャル装置1は、デフケース3と、一対のサイドギヤ5、7と、ピニオンギヤ9とを備えている。
前記デフケース3は、本体部11と蓋体部13とにより構成されている。
前記本体部11は、本体周壁部14の一側に本体フランジ部15を一体に備え、他側に本体端壁部17を一体に備えている。本体周壁部14には、窓16が形成され、本体端壁部17には、ボス部19が一体に突設され、ボス部19の外周面が軸受支持部19aとなっている。
本体端壁部17の内面には、締結受け面17a及び突面17bが設けられ、締結受け面17aに対し突面17bが軸方向内方に相対的に突出している。また、本体端壁部17の内面には、突面17bの内周に回転支持用の凹部17cが周回状に形成されている。
蓋体部13は、蓋体周壁部21の一側に蓋体フランジ部23を一体に備え、他側に蓋体端壁部25を一体に備えている。蓋体端壁部25には、ボス部27が一体に突設され、ボス部27の外周面が軸受支持部27aとなっている。
蓋体端壁部25の内面には、締結受け面25a及び突面25bが設けられ、締結受け面25aに対し突面25bが軸方向内方に突出している。また、蓋体端壁部25の内面には、突面25bの内周に回転支持用の凹部25cが周回状に形成されている。
本体フランジ部15に蓋体フランジ部23が合わされ、ボルトにより締結固定され、本体部11に蓋体部13が取り付けられ、デフケース3が構成されている。本体フランジ部15及び蓋体フランジ部23からなるフランジ部には、ドライブピニオンギヤからトルク入力を受けるリングギヤが締結固定される。
本体端壁部17の外周部には、外側の径が細くなった段付き穴29が設けられ、蓋体端壁部25の外周部には、閉塞穴31が設けられている。この段付き穴29、閉塞穴31は、デフケース3の回転周方向に所定間隔で複数設けられている。
段付き穴29、閉塞穴31に連続するように本体周壁部14及び蓋体周壁部21の内周面に、断面が半円状のピン挿通溝33が設けられている。
前記サイドギヤ5、7は、周回状のギヤ本体部35、37の正面側にギヤ部39、41を備え、かさ歯車となっている。ギヤ部39、41の背面には、回転嵌合用の凸部39a、41aが周回状に形成されている。サイドギヤ5、7の凸部39a、41aは、デフケース3の凹部17c、25cに回転自在に支持されている。
サイドギヤ5、7のギヤ本体部35、37の外周には、係合部が設けられている。係合部は、ギヤ本体部35、37からギヤ部39、41に渡って設けられている。係合部は、摩擦クラッチ49、51に軸方向に突き当たる当て部をギヤ部39、41の外周部に備えている。
なお、サイドギヤ5、7には、前記デフケース3のボス部19、27を貫通する一対の軸であるアクスルシャフトがスプライン結合される。
前記ピニオンギヤ9は、4個備えられた4ピニオンタイプであり、ピニオンシャフト47に回転自在に支持されている。各ピニオンギヤ9は、前記各サイドギヤ5、7に噛み合っている。この噛合いによりデフケース3及び各サイドギヤ5、7間のトルク伝達を可能にすると共に、各サイドギヤ5、7間の相対回転を許容する。
前記各サイドギヤ5、7と前記デフケース3との間には、摩擦部材として多板の摩擦クラッチ49、51が締結受け面17a、25aの軸方向に隣接して配置されている。この摩擦クラッチ49、51は、サイドギヤ5、7間の差動回転をその締結力に応じて制限する。
摩擦クラッチ49、51のインナープレート49a、51aは、前記サイドギヤ5、7の係合部に回転方向に係合し、回転軸芯に沿った方向へ移動可能となっている。摩擦クラッチ49、51のアウタープレート49b、51bは、ピン53に回転方向に係合し、デフケース3の回転軸芯に沿った方向へ移動可能となっている。摩擦クラッチ49、51は、ピン53に係合することによってデフケース3に係合した構成となっている。
ピン53は、一端部が段付き穴29に嵌合固定され、他端部が閉塞穴31に嵌合固定されている。ピン53の中間部は半円状のピン挿通溝33に嵌合している。
前記摩擦クラッチ49、51に軸方向に隣接して、押圧部材としてのプレッシャーリング55、57が設けられ、締結受け面17a、25aとの間で摩擦クラッチ49、51が締結可能となっている。
摩擦部材としては、多板の摩擦クラッチ49、51に限らず、プレッシャーリング55、57の移動により締結できる形態であれば、コーンクラッチ等で構成することもできる。
[プレッシャーリング及びピニオンシャフト]
図2は、プレッシャーリングの正面図、図3は、プレッシャーリングとピニオンシャフトとの係合を示す要部展開図である。
図1〜図3のように、プレッシャーリング55、57には、軸方向の溝55a、57aが外面に形成され、この溝55a、57aにおいてプレッシャーリング55、57は、前記ピン53に回転方向に係合し、回転軸芯に沿った方向へ移動可能となっている。プレッシャーリング55、57は、ピン53に係合することによって、デフケース3に係合した構成となっている。
各プレッシャーリング55、57には、カム面59、61が設けられている。カム面59、61は、例えば直線的な傾斜面で形成され、ピニオンシャフト47の外周面に係合する構成となっている。
プレッシャーリング55、57には、球面部63、65が設けられ、ピニオンギヤ9の背面を支持している。前記プレッシャーリング55、57の対向面67、69は、前記窓16内へ軸方向に若干突出している。窓16内で前記ピン53にコイルスプリング71が支持されている。
コイルスプリング71は、前記プレッシャーリング55、57の対向面67、69に弾接している。コイルスプリング71の付勢力によって、プレッシャーリング55、57を介し摩擦クラッチ49、51にプリロードを付与している。
前記ピニオンシャフト47は、一体のスパイダー状ではなく、二本のシャフト部材73、75の十字の組み合わせにより構成されている。但し、ピニオンシャフト47は、一体のスパイダー状に形成することもできる。
シャフト部材73、75の形状は同一であり、長さ方向の中央にかみ合わせ用の合わせ凹部73a、75aが形成されている。
二本のシャフト部材73、75の断面形状は、断面円形形状に二面取りにより平面部73d、75dが形成された形状であり、デフケース回転方向の両側に円弧状部73c、75cが形成されている。
二本のシャフト部材73、75が合わせ凹部73a、75aでかみ合わせるように結合され、十字のピニオンシャフト47が構成される。
二本のシャフト部材73、75の端部は、円弧状部73c、75cがそれぞれプレッシャーリング55、57のカム面59、61に当接する。
プレッシャーリング55、57は、ピニオンシャフト47を挟んで備えられ、一対となっている。この一対のプレッシャーリング55、57は、コースティングトルクのときにピニオンシャフト47の円弧状部73c、75cに当接するコースティング側の面を備えている。
コースティング側の面は、回転方向に傾斜せず、直交して第1の面77、第2の面79として形成され、デフケース3の回転軸方向に沿っている。第1の面77、第2の面79は、回転方向で逆向きに形成され、回転方向で交互に配置されている。第1の面77、第2の面79は、双方又は片方を特性設定のために多少の傾斜面、傾斜した湾曲面等で形成することもできる。第1の面77、第2の面79の双方に形成する多少の傾斜面、傾斜した湾曲面等は、双方異なる設定にすることもできる。
第1の面77は、一対のプレッシャーリング55、57の一方であるプレッシャーリング55に備えられている。この第1の面77は、プレッシャーリング55側からプレッシャーリング57側へピニオンシャフト47の軸心を越えてオーバーハングするように設定されている。
第2の面79は、一対のプレッシャーリング55、57の他方であるプレッシャーリング57に備えられている。この第2の面79は、プレッシャーリング57側からプレッシャーリング55側へピニオンシャフト47の軸心を越えてオーバーハングするように設定されている。
第1の面77、第2の面79に隣接して第3、第4の面81、83がデフケース3の回転軸方向に沿って形成されている。この第3、第4の面81、83は、ピニオンシャフト47の円弧状部73c、75cに当接するものではない。
プレッシャーリング55、57には、ピニオンシャフト47の平面部73d、75dに当接する平坦な当接面85、87が形成されている。
この当接面85,87がピニオンシャフト47の平面部73d、75dに当接した状態で、前記第1、第2の面77、79の前記オーバーハングは、ピニオンシャフト47の軸心(デフケース3の左右中央)よりも他方へ突出していることを意味する。
このオーバーハングの程度は、プレッシャーリング55、57にカム作用が働き摩擦クラッチ49、51を締結するために移動するときにも第1、第2の面77、79が円弧状部73c、75cに対する当接を維持できるように設定している。
[作用]
デファレンシャル装置1は、デフケース3の軸受支持部19a、27aがトルク伝達装置のハウジングにべアリングを介して回転自在に支持され、本体フランジ部15及び蓋体フランジ部23からなるフランジ部に取り付けられたリングギヤが、ドライブピニオンギヤに噛合っている。
ドライブピニオンギヤからリングギヤを介し、ドライブトルクが入力されると、デフケース3が回転する。デフケース3の回転によって、ピン53に係合するプレッシャーリング55、57にドライブトルクが伝達され、カム面59、61を介して、ピニオンシャフト47にトルク伝達が行われる。このトルク伝達によって、ピニオンギヤ9、サイドギヤ5、7がデフケース3共に一体に回転する。サイドギヤ5、7からは、左右のアクスルシャフトを介してトルク伝達が行われ、左右の車輪が回転駆動される。
前記カム面59、61が、ピニオンシャフト47の円弧状部73c、75cに回転方向に当接すると、カム作用によって、プレッシャーリング55、57が摩擦クラッチ49、51側へ移動する。この移動によって、プレッシャーリング55、57と締結受け面17a、25aとの間で摩擦クラッチ49、51が締結される。
この場合、デフケース3からプレッシャーリング55、57へ伝達されるトルクの増大に応じて、カム面59、61のカム力が増大するため、摩擦クラッチ49、51がトルクに応じて締結力を強める。この摩擦クラッチ49、51の締結力によって、サイドギヤ5、7とデフケース3とが摩擦係合し、サイドギヤ5、7間の差動制限が行われる。この差動制限力は、前記のように、トルクの増大に応じて増大する。
左右の車輪へは、トルク増大に応じた差動制限を行いながらトルク伝達が行われることになる。
また、コイルスプリング71の付勢力によって、プレッシャーリング55、57を介し、摩擦クラッチ49、51にプリロードが与えられているため、当初から差動制限力を得ながらトルク伝達を行うことができる。
左右の車輪の差動回転時には、ピニオンギヤ9がピニオンシャフト47を中心に自転することになり、サイドギヤ5、7間の差動回転を許容することができ、該差動回転を摩擦クラッチ49、51のプリロード及びトルクに応じた摩擦力によって制限することができる。
同時にサイドギヤ5、7がピニオンギヤ9との間の噛合い反力で軸方向に移動すると当て部43b、45bが摩擦クラッチ49、51を軸方向に押圧する。この押圧により、サイドギヤ5、7のスラスト力が摩擦クラッチ49、51に働き、締結受け面17a、25aとの間で摩擦クラッチ49、51がさらに締結される。
従って、コーナリング走行時等にサイドギヤ5、7がプレッシャーリング55、57と共に走行に応じて摩擦クラッチ49、51を締結し差動制限力を得ることができ、安定したコーナリング走行等を可能とする。
左右の車輪側から車軸を介してサイドギヤ5、7にコースティングトルクが入力されると、摩擦クラッチ49、51を介してプレッシャーリング55、57が連動する。
このプレッシャーリング55、57の連動によりコースティング側の第1の面77がピニオンシャフト47の円弧状部73cに当接し、第2の面79がピニオンシャフト47の円弧状部75cに当接する。
この第1、第2の面77、79は、いずれもデフケース3の回転方向に直交しているため、プレッシャーリング55、57にカム作用は働かず、コースティングトルクのときLSD効果を無くしたワンウェイにすることができる。
[実施例の効果]
本発明実施例のプレッシャーリング55、57は、ピニオンシャフト47を挟んで一対備えられ、一対のプレッシャーリング55、57は、コースティングトルクのときにピニオンシャフト47に当接するコースティング側の面を備え、コースティング側の面は、一方のプレッシャーリング55側から他方のプレッシャーリング57側へピニオンシャフト47の軸心を越えてオーバーハングする第1の面77と他方のプレッシャーリング57側から一方のプレッシャーリング55側へピニオンシャフト47の軸心を越えてオーバーハングする第2の面79とで構成されている。
このため、コースティングトルクのときLSD効果を無くしたワンウェイにすることができる。
また、シャフト部材73、75の基本断面を円形とし、第1、第2の面77、79に当接する面を円弧状部73c、75cにすることができる。
このため、LSD特性上の要求から第1、第2の面77、79を僅かに傾斜させても円弧状部73c、75cに対し第1、第2の面77、79が滑らかにガイドされ付勢される。また、第1、第2の面77、79の傾斜角度を逆にマイナスに設定してコースティングトルクのときにプレッシャーリング55、57を相互対向側に付勢し、プレッシャーリング55、57をピニオンシャフト47側に位置決めるようにすることもできる。
シャフト部材73、75が第1、第2の面77、79に当接する面を円弧状部73c、75cにすることができるため、シャフト部材73、75の強度を維持させることができ、且つフラットな面を形成する加工も必要なく、コスト的にも有利になる。
なお、ドライブトルクの入出力は、上記の逆、つまり、サイドギヤ5、7側から入力し、デフケース3側から出力する形態にすることもできる。
図4は、デファレンシャル装置の断面図、図5は、プレッシャーリングとピニオンシャフトとの係合を示す要部断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図4、図5のように、本実施例のデファレンシャル装置1Aは、コースティング側の面89が、一対のプレッシャーリング55A、57Aの一方、例えばプレッシャーリング57Aに備えら、他方のプレッシャーリング55Aには、備えられていない。
コースティング側の面89は、プレッシャーリング57Aからプレッシャーリング55Aへピニオンシャフト47Aの軸心を越えてオーバーハングするように設定されている。
一対のプレッシャーリング55A、57Aの他方、例えばプレッシャーリング55Aは、ピニオンシャフト47Aの軸方向外面に対向する回転方向に沿う面91を備えている。
なお、面89をプレッシャーリング55Aに備え、面91をプレッシャーリング57Aに備える形態にすることもできる。面89は、特性設定のために多少の傾斜面、傾斜した湾曲面等で形成することもできる。面89の傾斜角度をマイナスに設定し、コースティングトルク時にプレッシャーリング55Aをピニオンシャフト47A側に付勢させるように構成することもできる。
カム面61Aは、プレッシャーリング57Aにのみ設けられ、コースティング側の面89と同一のオーバーハング量でプレッシャーリング55A側に突出している。プレッシャーリング57Aには、プレッシャーリング55Aの面91に対向する回転方向に沿う平坦な面93を備え、面91に平行に対向している。
本実施例のピニオンシャフト47Aのシャフト部材73、75は、二面幅が形成されず、円形断面となっている。
従って、ドライブトルクによりカム面59Aが、ピニオンシャフト47Aの円弧状部73c、75cに回転方向に当接すると、カム作用によって、プレッシャーリング57Aが摩擦クラッチ51側へ移動し、締結受け面17aとの間で締結する。この締結による反力がピニオンシャフト47Aを介してプレッシャーリング55Aにも伝達され、プレッシャーリング55Aが軸方向へ移動して締結受け面17aとの間で摩擦クラッチ49が締結される。
左右の車輪側から車軸を介してサイドギヤ5、7にコースティングトルクが入力されると、摩擦クラッチ49、51を介してプレッシャーリング55A、57Aが連動する。
このプレッシャーリング55A、57Aの連動によりコースティング側の面89がピニオンシャフト47Aの円弧状部73c、75cに当接する。
このコースティング側の面89は、実施例1と同様にデフケース3の回転方向に直交しているため、プレッシャーリング55A、57Aにカム作用は働かず、コースティングトルクのときトルクに応じたLSD効果を無くしたワンウェイにすることができる。
こうして本実施例でも、実施例1と同様な作用効果を奏することができる。
また、本実施例では、プレッシャーリング55Aにカム面及びコースティング側の面を形成しないのでプレッシャーリング55Aの形状を単純化でき、製造を容易に行わせ、安価に製造することができる。
図6は、デファレンシャル装置の断面図である。なお、基本的な構成は実施例1と同様であり、同一構成部分には同符号を付して説明し、重複した説明は省略する。
図6のように、本実施例のデファレンシャル装置1Bは、ピン53Bの一端部が段付き穴31Bに嵌合し、このピン53Bがデフケース3Bの窓16Bまでの長さに短く設定されている。ピン53Bの他端部の端面53Baは、窓16Bの内壁に突き当てられている。
摩擦クラッチ49のアウタープレート49bは、ピンに係合するのではなく、デフケース3Bの一側内面に形成されたインナースプラインに係合している。
本実施例のプレッシャーリング55,57及びピニオンシャフト47の関係は、実施例1と同一に構成されている。但し、この関係は、実施例2のように構成することもできる。
従って、本実施例でも、実施例1、2と同様な作用効果を得ることができる。
また、本実施例では、デフケース3Bの回転軸方向で右側にピン53Bが至らないことでデフケース3Bの肩部3Baの肉をハッチングの部分で落とすことができ、この部分でデフケース3Bの外径を小さくすることができる。
フロントエンジン・フロントドライブ(FF)車の場合、走行方向前方へ向いて右側で部品配置スペースが小さくなる。従って、肩部3Baの肉を落としたデファレンシャル装置1Bをフロントデファレンシャル装置とすることで、FF車のリミットスリップデフ(LSD)として好適に用いることができる。
1、1A、1B デファレンシャル装置
3、3B デフケース
5、7 サイドギヤ
9 ピニオンギヤ
47、47A ピニオンシャフト
49、49A、51、51A 摩擦クラッチ(摩擦部材)
55、55A、57、57A プレッシャーリング(押圧部材)
77 第1の面(コースティング側の面)
79 第2の面(コースティング側の面)
89 コースティング側の面
91 回転方向に沿う面

Claims (2)

  1. 回転自在に支持されドライブトルクの入出力を行うデフケースと、
    前記デフケース内に相対回転自在に支持され一対の軸が各別に結合される一対のサイドギヤと、
    前記デフケース内でピニオンシャフトに回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、
    前記デフケースと前記サイドギヤとに係合し前記サイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、
    前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記ドライブトルクに応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材とを備えたデファレンシャル装置であって、
    前記押圧部材は、前記ピニオンシャフトを挟んで一対備えられ、
    前記一対の押圧部材は、コースティングトルクのときに前記ピニオンシャフトに当接するコースティング側の面を備え、
    前記コースティング側の面は、前記一対の押圧部材の一方側から他方側へ前記ピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングする第1の面と前記一対の押圧部材の他方側から一方側へ前記ピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングする第2の面とで構成された、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
  2. 回転自在に支持されドライブトルクの入出力を行うデフケースと、
    前記デフケース内に相対回転自在に支持され一対の軸が各別に結合される一対のサイドギヤと、
    前記デフケース内でピニオンシャフトに回転自在に支持され前記各サイドギヤに噛合うピニオンギヤと、
    前記デフケースと前記サイドギヤとに係合し前記サイドギヤの差動回転を締結力に応じて制限するための摩擦部材と、
    前記デフケース及びピニオンシャフトに係合し前記デフケースの回転を前記ピニオンギヤの公転としてトルク伝達を可能にすると共に前記ドライブトルクに応じて移動し前記摩擦部材に締結力を与える押圧部材とを備えたデファレンシャル装置であって、
    前記押圧部材は、前記ピニオンシャフトを挟んで一対備えられ、
    前記一対の押圧部材の一方は、コースティングトルクのときに前記ピニオンシャフトに当接するコースティング側の面を備え、
    前記コースティング側の面は、前記一対の押圧部材の一方側から他方側へ前記ピニオンシャフトの軸心を越えてオーバーハングし、
    前記一対の押圧部材の他方は、前記ピニオンシャフトの軸方向外面に対向する回転方向に沿う面を備えた、
    ことを特徴とするデファレンシャル装置。
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