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JP6508066B2 - 給湯装置 - Google Patents
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JP6508066B2 - 給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒートポンプ式の給湯装置に関する。
この種の給湯装置に用いられる圧縮機としては、特許文献1に記載の圧縮機がある。特許文献1に記載の圧縮機は、スクロール式の圧縮機であり、圧縮機構部と、電動機部と、ハウジングとを備えている。圧縮機構部は、圧縮対象である冷媒を吸入し、圧縮して吐出する容積式圧縮機である。電動機部は、圧縮機構部を駆動する。ハウジングは、圧縮機構部及び電動機部を内部に収容している。
この圧縮機は、電動機部から圧縮機構部に回転動力を伝達する駆動軸を備えている。駆動軸の両端部は、軸受により回転可能に支持されている。軸受は、すべり軸受により構成されている。駆動軸の内部には、駆動軸の外面と軸受との間の摺動部位に潤滑油を供給するための油供給通路が形成されている。
特開2013−32729号公報
ところで、給湯装置では、その加熱能力を状況に応じて変化させることが考えられる。具体的には、圧縮機の駆動軸の回転速度を変化させると、ヒートポンプサイクルを循環する冷媒の流量が変化するため、給湯装置の加熱能力を変化させることが可能である。一方、圧縮機の駆動軸の回転速度を変化させると、圧縮機から吐出される冷媒の圧力が変化するため、圧縮機の上流側の低圧冷媒の圧力と下流側の高圧冷媒の圧力との差圧が変化する。このような圧縮機の高低差圧の変化は、軸受に作用する冷媒圧縮荷重を変化させる要因となる。駆動軸の回転速度及び冷媒圧縮荷重の変化により、駆動軸の外面と軸受との間に介在する潤滑油の油膜パラメータが低下すると、駆動軸と軸受とが金属接触し、それらが摩耗するおそれがある。なお、油膜パラメータとは、潤滑油の潤滑状態を数値化した指標である。
本発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、圧縮機の駆動軸と軸受との間の潤滑状態をより適切に維持することの可能な給湯装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、給湯装置(10)は、ヒートポンプサイクル(50)と、制御部(59)と、を備える。ヒートポンプサイクルは、低圧冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(51)、圧縮機から吐出される高圧冷媒を給湯用水と熱交換させる高圧側熱交換器(52)、高圧側熱交換器で冷却された冷媒を減圧及び膨張させる膨張部(53)、膨張部を通じて減圧及び膨張された冷媒を蒸発させることにより低圧冷媒を生成する低圧側熱交換器(54)を有する。制御部は、ヒートポンプサイクルを制御する。圧縮機は、低圧冷媒を圧縮して高圧冷媒を生成する圧縮機構部(510)と、圧縮機構部を駆動する電動機部(520)と、電動機部から圧縮機構部に回転動力を伝達する駆動軸(523)と、駆動軸を回転可能に支持する軸受(524,525)とを有する。高圧冷媒及び低圧冷媒の差圧に応じて軸受に作用する荷重を冷媒圧縮荷重とするとき、制御部は、ヒートポンプサイクルの加熱能力を切り替える際、加熱能力の切り替え態様に応じて、駆動軸の回転速度、及び冷媒圧縮荷重の調整順序を変更する。
この構成によれば、ヒートポンプサイクルの加熱能力を切り替える際、駆動軸と軸受との間に介在する潤滑油の油膜パラメータが下限値よりも小さくならないように駆動軸の回転速度及び冷媒圧縮荷重の調整順序を変更することにより、潤滑油の潤滑状態をより適切に維持することが可能となる。
なお、上記手段、及び特許請求の範囲に記載の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示す一例である。
本発明によれば、圧縮機の駆動軸と軸受との間の潤滑状態をより適切に維持することができる。
第1実施形態の給湯装置の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態の圧縮機の断面構造を示す断面図である。 第1実施形態の給湯装置により実行される処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態の給湯装置により実行される処理の手順を示すフローチャートである。 第2実施形態のヒートポンプサイクルの電気的な構成を示すブロック図である。
以下、給湯装置の一実施形態について説明する。
図1に示されるように、本実施形態の給湯装置10は、ヒートポンプユニット20と、タンクユニット30と、操作部40とを備えている。給湯装置10は、例えば住宅の水道水から高温の給湯用水を生成してシャワーやカラン、浴槽等の給湯端末に出湯する装置である。
ヒートポンプユニット20は、ポンプ21と、ヒートポンプサイクル50とを備えている。
ヒートポンプサイクル50は、圧縮機51と、高圧側熱交換器52と、膨張弁53と、低圧側熱交換器54と、送風装置55とを備えている。
圧縮機51は、低圧側熱交換器54から供給される低圧冷媒を圧縮して吐出する機器である。圧縮機51で圧縮された高圧冷媒は高圧側熱交換器52に供給される。
高圧側熱交換器52は、冷媒流路52aと、給湯用水流路52bとを一体的に有している。冷媒流路52aには、圧縮機51から供給される高圧冷媒が流れている。給湯用水流路52bは、貯熱用回路22を介してタンクユニット30のタンク31の上部及び下部に接続されている。給湯用水流路52bには、タンク31の下部から貯熱用回路22を介して供給される給湯用水が流れている。高圧側熱交換器52は、圧縮機51から供給される高圧冷媒と、タンク31から供給される給湯用水との間で熱交換を行い、放熱作用により給湯用水を加熱して高温の湯を生成し、この高温の湯をタンク31の上部に供給する。
ポンプ21は、貯熱用回路22に設けられている。ポンプ21は、タンク31の下部に貯留される水を、高圧側熱交換器52を介してタンク31の上部に戻す温水循環機能を有している。
膨張弁53は、高圧側熱交換器52で冷却された冷媒を減圧及び膨張させることにより低圧冷媒を生成する。膨張弁53により生成された低圧冷媒は、低圧側熱交換器54に供給される。本実施形態では、膨張弁53が膨張部に相当する。
低圧側熱交換器54は、送風装置55から送風される空気から吸熱して、膨張弁53を通じて減圧及び膨張された冷媒を蒸発させることにより低圧冷媒を生成する。送風装置55から低圧側熱交換器54に送風される空気は、住宅外の空気である。以下、住宅外の空気を「外気」と略記する。低圧側熱交換器54により生成された低圧冷媒は、圧縮機51に供給される。
ヒートポンプサイクル50は、外気温センサ56と、圧力センサ57と、沸き上げ温度サーミスタ58と、ヒートポンプECU(Electronic Control Unit)59とを備えている。本実施形態では、ヒートポンプECU59が制御部に相当する。
外気温センサ56は、送風装置55から低圧側熱交換器54に供給される外気の温度を検出する。圧力センサ57は、圧縮機51から吐出される高圧冷媒の圧力を検出する。沸き上げ温度サーミスタ58は、高圧側熱交換器52からタンク31に供給される給湯用水の温度を検出する。各センサ56〜58の出力信号はヒートポンプECU59に取り込まれている。
ヒートポンプECU59は、各センサ56〜58の出力信号に基づいて外気の温度、高圧冷媒の圧力、及び高圧側熱交換器52からタンク31に供給される給湯用水の温度を検出する。ヒートポンプECU59は、タンクユニット30の貯湯ECU38と通信可能に接続されている。貯湯ECU38は、タンク31に供給される給湯用水の目標温度をヒートポンプECU59に送信する。ヒートポンプECU59は、沸き上げ温度サーミスタ58により検出される給湯用水の温度が、貯湯ECU38から送信される目標温度となるように圧縮機51、送風装置55、及びポンプ21等を制御する。
タンクユニット30は、タンク31と、給水管32,33と、給湯管34と、混合弁35とを備えている。
給水管32は、タンク31の下部に接続されている。給水管32は、タンク31の下部に水道水を供給する。
給湯管34は、タンク31の上部に貯留される高温の給湯用水を給湯端末に供給する。給湯管34には、給水管32のタンク31に至る手前部分から分岐した給水管33が合流している。給湯管34と給水管33との合流部分には混合弁35が設けられている。混合弁35は、その開度の変更により、タンク31の上部から給湯管34を通じて供給される温水と、給水管33を通じて供給される水との混合割合を変化させる。これにより、給湯端末に出湯される給湯用水の温度が調整可能となっている。
タンクユニット30は、タンクサーミスタ36と、湯温サーミスタ37と、貯湯ECU38とを備えている。
タンクサーミスタ36は、タンク31に複数個設けられている。タンクサーミスタ36は、タンク31内に貯留されている給湯用水の温度を検出する。湯温サーミスタ37は、混合弁35の出口側に設けられており、混合弁35により混合された給湯用水の温度、すなわち給湯端末に供給される給湯用水の温度を検出する。各サーミスタ36,37の出力信号は、貯湯ECU38に取り込まれている。
貯湯ECU38には、操作部40の出力信号も取り込まれている。操作部40は、住人により操作される。操作部40では、給湯用水の温度の設定や、浴槽の湯張り操作等、給湯装置10の各種操作を行うことができる。
貯湯ECU38は、タンクサーミスタ36の出力信号に基づいてタンク31の各種状態量を検出している。例えば貯湯ECU38は、タンクサーミスタ36の出力信号から得られるタンク31の温度情報に基づいて各水位レベルでのタンク31内の水温や湯量を検出している。また、貯湯ECU38は、タンク31の温度及び湯量を検出することにより、タンク31内に蓄えられている貯湯熱量を演算している。さらに、貯湯ECU38は、タンクサーミスタ36の出力信号から得られるタンク31の温度情報に基づいて、タンク31の上部の沸き上げ後の給湯用水とタンク31内の下部の沸き上げ前の給湯用水との境界位置を検出している。
貯湯ECU38は、タンクサーミスタ36の出力信号に基づいて得られるタンク31の各種状態量、湯温サーミスタ37の出力信号に基づいて得られる給湯用水の温度、及び操作部40の操作情報等に基づいてタンクユニット30及びヒートポンプユニット20の動作を制御する。例えば貯湯ECU38は、操作部40の操作情報に基づいて給湯用水の設定温度を取得し、湯温サーミスタ37により検出される給湯用水の温度が設定温度となるように混合弁35の開度を調整する。
また、貯湯ECU38は、住宅の電力管理システム60と通信可能に接続されている。電力管理システム60は、住宅の消費電力量や発電量を統括的に管理するシステムである。電力管理システム60は、例えば設定料金の安価な深夜時間帯に貯湯ECU38に対して沸き上げ運転を指示する。このとき、貯湯ECU38は、ヒートポンプECU59に沸き上げ運転を指示するとともに、ヒートポンプユニット20からタンク31に供給される給湯用水の目標温度をヒートポンプECU59に送信することにより、タンク31内の給湯用水を加熱する。なお、電力管理システム60は、深夜時間帯以外の時間帯においても、タンク31内の貯湯熱量が不足している場合には、貯湯ECU38に対して沸き上げ運転を指示する。
さらに、電力管理システム60は、住宅の消費電力に応じて、ヒートポンプユニット20の加熱能力を変更するように貯湯ECU38に対して指示する。例えば電力管理システム60は、住宅の消費電力が増大することにより電力不足が生じる可能性がある場合には、消費電力を低減するように貯湯ECU38に対して指示する場合がある。この場合、貯湯ECU38は、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を低下させる旨の加熱能力変更要求をヒートポンプECU59に対して行う。加熱能力変更要求には、加熱能力の要求値が含まれている。なお、加熱能力の単位は、「W」又は「J/S」である。ヒートポンプECU59は、貯湯ECU38から加熱能力変更要求があると、それに含まれる加熱能力の要求値と現在の加熱能力とを比較し、現在の加熱能力が要求値よりも大きいと判断すると、例えば圧縮機51の回転速度を低下させることにより、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を低下させる。
一方、電力管理システム60は、沸き上げ運転を貯湯ECU38に対して指示している際に、住宅の電力に余裕がある場合には、消費電力を増大させてもよい旨を貯湯ECU38に対して指示する場合がある。この場合、貯湯ECU38は、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を上昇させる旨の加熱能力変更要求をヒートポンプECU59に対して行う。ヒートポンプECU59は、貯湯ECU38から加熱能力変更要求があると、それに含まれる加熱能力の要求値と現在の加熱能力とを比較し、現在の加熱能力が要求値よりも小さいと判断すると、例えば圧縮機51の回転速度を上昇させることにより、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を上昇させる。
次に、圧縮機51の構造について説明する。
図2に示されるように、圧縮機51は、圧縮機構部510と、電動機部520と、ハウジング530と、油分離器540とを有している。圧縮機構部510は、圧縮対象である冷媒を吸入し、圧縮して吐出する。電動機部520は、圧縮機構部510を駆動する。ハウジング530は、圧縮機構部510及び電動機部520を収容する。油分離器540は、ハウジング530の外部に配置されており、圧縮機構部510にて圧縮された高圧冷媒から潤滑油を分離する。圧縮機51は、圧縮機構部510の容積の変化により冷媒を圧縮する容積式圧縮機である。
圧縮機51は電動機部520から圧縮機構部510へ回転動力を伝達する駆動軸523を有している。圧縮機51は、駆動軸523が鉛直方向に延びるとともに、圧縮機構部510と電動機部520とが鉛直方向に並べて配置された、いわゆる縦置きタイプの構成を有している。
ハウジング530には、吸入ポート531、及び図示しない冷媒流出口が形成されている。吸入ポート531は、低圧側熱交換器54から供給される低圧冷媒を圧縮機構部510に流入する。冷媒流出口は、圧縮機構部510から吐出された高圧冷媒を油分離器540側へ流出させる。
電動機部520は、固定子をなすコイルステータ521と、回転子をなすロータ522とを有している。ロータ522の軸中心穴には駆動軸523が圧入されて固定されている。これにより、コイルステータ521への電力供給により回転磁界が生成されると、ロータ522および駆動軸523が一体となって回転する。
駆動軸523は略円筒状に形成されており、その両端部は第1軸受524、及び第2軸受525に回転可能に支持されている。第1軸受524及び第2軸受525は、すべり
軸受である。駆動軸523の内部には、駆動軸523の外面と軸受524,525との摺動部位に潤滑油を供給するための油供給通路523aが形成されている。第1軸受524の外周は、ハウジング530に固定されている。第1軸受524は、駆動軸523の下端部を支持している。第2軸受525は、介在部材526を介してハウジング530に固定されて、駆動軸523の上端側を支持している。
圧縮機構部510は、それぞれ渦巻き状に形成された歯部を有する可動スクロール511と、固定スクロール512とからなるスクロール型の圧縮機構である。可動スクロール511は、ハウジング530の鉛直方向下方側に配置されている。固定スクロール512は、可動スクロール511の鉛直方向下方側に配置されている。固定スクロール512の外周は、ハウジング530に固定されている。
駆動軸523の下端部には、駆動軸523の回転中心に対して偏心した偏心部523bが形成されている。偏心部523bは、可動スクロール511の鉛直方向上方側の面に形成された円筒状のボス部513に挿入されている。この圧縮機51では、駆動軸523が回転すると、可動スクロール511は、偏心部523b周りに自転することなく、駆動軸523の回転中心を公転中心として公転運動(揺動運動)する。
可動スクロール511には、固定スクロール512側に向かって突出する渦巻き状の歯部511aが形成されている。固定スクロール512には、可動スクロール511側に向かって突出するとともに、可動スクロール511の歯部511aに噛み合う渦巻き状の歯部512aが形成されている。両スクロール511,512の歯部511a,512a同士が噛み合って複数箇所で接触することにより、回転軸方向から見たときに三日月形状に形成される圧縮室515が複数個形成されている。図2では図示の明確化のため、複数個の圧縮室515のうちの1つの圧縮室のみに符号を付しており、他の圧縮室については符号を省略している。圧縮室515は、可動スクロール511が公転運動することにより外周側から中心側へ容積を減少させながら移動する。吸入ポート531は、最外周側に位置付けられる圧縮室515に連通している。
固定スクロール512の中心部には、圧縮室515で圧縮された冷媒が吐出される吐出孔512bが形成されている。吐出孔512bの下方側には、吐出孔512bと連通する吐出室512cが形成されている。この吐出室512cには、吐出室512c側から圧縮室515側への冷媒の逆流を防止する逆止弁をなす図示しないリードバルブと、リードバルブの最大開度を規制するストッパ516が配置されている。
ハウジング530の内部には、冷媒を吐出室512cから、ハウジング530に形成された冷媒流出口へ導く冷媒通路(図示せず)が形成されている。この冷媒流出口には油分離器540の冷媒流入口541が接続されている。油分離器540は、その内部に形成された空間で圧縮機構部510にて昇圧された冷媒を旋回させ、遠心力の作用によって気相冷媒と潤滑油とを分離する。
油分離器540にて分離された高圧気相冷媒は、油分離器540の上方側に形成された吐出ポート542から高圧側熱交換器52へ流出する。一方、油分離器540にて分離された潤滑油は、油分離器540の下方側の部位に蓄えられ、油通路517を介してハウジング530内の圧縮機構部510や駆動軸523と軸受524,525との摺動部等へ供給される。
ところで、このような圧縮機51では、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を変化させるべく駆動軸523の回転速度を変化させると、圧縮機51から吐出される高圧冷媒の圧力が変化する。したがって、圧縮機51の上流側の低圧冷媒の圧力と下流側の高圧冷媒の圧力との差圧が変化する。このような圧縮機51の差圧の変化は、軸受524,525に作用する冷媒圧縮荷重を変化させる要因となる。駆動軸523の回転速度及び冷媒圧縮荷重の変化により、駆動軸523の外面と軸受524,525との間に介在する潤滑油の油膜パラメータが低下すると、駆動軸523と軸受524,525とが金属接触し、それらが摩耗するおそれがある。
そこで、本実施形態では、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を切り替える際、加熱能力の切り替え態様に応じて、圧縮機51の駆動軸523の回転速度、及び冷媒圧縮荷重の調整順序を変更するようにしている。以下では、その内容について詳述する。なお、以下では、便宜上、圧縮機51の駆動軸523の回転速度を「圧縮機51の回転速度」とも称する。
まず、潤滑油の油膜パラメータΛ、圧縮機51の駆動軸523の回転速度V、冷媒圧縮荷重F、及び潤滑油の粘度μの間には、以下の式f1の関係が成立する。
Λ∝V×μ/F (f1)
ここで、駆動軸523の回転速度Vと比較すると冷媒圧縮荷重Fは小さい値である。
式f1から明らかなように、潤滑油の粘度μが一定値であると仮定した場合、冷媒圧縮荷重F及び圧縮機51の回転速度Vを共に低下させる際に、圧縮機51の回転速度Vを先に低下させると、油膜パラメータΛが低下することになる。これに対し、冷媒圧縮荷重Fを先に低下させれば、油膜パラメータΛが低下することはない。よって、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を低下させる場合には、冷媒圧縮荷重Fを低下させた後に圧縮機51の回転速度Vを低下させれば、油膜パラメータΛが、駆動軸523と軸受524,525との間に介在する潤滑油の潤滑状態を維持することのできる油膜パラメータの下限値よりも小さくなることを抑制できる。
一方、冷媒圧縮荷重F及び圧縮機51の回転速度Vを共に上昇させる場合、冷媒圧縮荷重Fを先に上昇させると、油膜パラメータΛが一時的に低下する。これに対し、圧縮機51の回転速度Vを先に上昇させると、油膜パラメータΛが低下することはない。よって、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を上昇させる場合には、圧縮機51の回転速度Vを上昇させた後に、冷媒圧縮荷重Fを上昇させれば、油膜パラメータΛが下限値よりも小さくなることを抑制できる。
次に、以上の原理に基づいてヒートポンプECU59により実行される加熱能力の変更手順について説明する。
ヒートポンプECU59は、貯湯ECU38から加熱能力変更要求があった際、図3に示される処理を実行する。図3に示されるように、ヒートポンプECU59は、まず、ステップS10の処理として、加熱能力の要求値Q2よりも現在の加熱能力Q1の方が大きいか否かを判断する。ヒートポンプECU59は、ステップS10の処理で肯定判断した場合、すなわち現在の加熱能力Q1が加熱能力の要求値Q2よりも大きい場合には、まず、ステップS11の処理として、冷媒圧縮荷重Fを現在の荷重よりも低下させる。具体的には、ヒートポンプECU59は、膨張弁53の開度を現在の開度よりも大きくすることにより冷媒圧縮荷重Fを低下させる。その後、ヒートポンプECU59は、ステップS12の処理として、圧縮機51の回転速度Vを現在の回転速度よりも低下させる。
ヒートポンプECU59は、ステップS10の処理で否定判断した場合、すなわち、現在の加熱能力Q1が加熱能力の要求値Q2以下である場合には、まず、ステップS13の処理として、圧縮機51の回転速度Vを現在の回転速度よりも上昇させる。その後、ヒートポンプECU59は、ステップS14の処理として、冷媒圧縮荷重Fを現在の荷重よりも上昇させる。具体的には、ヒートポンプECU59は、膨張弁53の開度を現在の開度よりも大きくすることにより冷媒圧縮荷重Fを上昇させる。
以上説明した本実施形態の給湯装置10によれば、以下の(1)及び(2)に示される作用及び効果を得ることができる。
(1)ヒートポンプECU59は、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を切り替える際、加熱能力の切り替え態様に応じて、圧縮機51の回転速度V、及び冷媒圧縮荷重Fの調整順序を変更する。具体的には、ヒートポンプECU59は、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を現在の加熱能力Q1よりも低下させる場合には、冷媒圧縮荷重Fを低下させた後に圧縮機51の回転速度Vを低下させる。また、ヒートポンプECU59は、ヒートポンプサイクル50の加熱能力を現在の加熱能力Q1よりも上昇させる場合には、圧縮機51の回転速度Vを上昇させた後に冷媒圧縮荷重Fを上昇させる。これにより、駆動軸523と軸受524,525との間に介在する潤滑油の油膜パラメータが下限値よりも小さくなることを抑制できるため、より適切に潤滑油の潤滑状態を維持することができる。
(2)ヒートポンプECU59は、膨張弁53の開度を調整することにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを調整する。具体的には、ヒートポンプECU59は、膨張弁53の開度を現在の開度よりも大きくすることにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを現在の荷重よりも低下させる。また、ヒートポンプECU59は、膨張弁53の開度を現在の開度よりも小さくすることにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを現在の荷重よりも上昇させる。これにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを容易に調整することができる。
<第2実施形態>
次に、給湯装置10の第2実施形態について説明する。以下、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態のヒートポンプECU59は、図3に示される処理に代えて、図4に示される処理を実行する。すなわち、ヒートポンプECU59は、まず、ステップS20の処理として、駆動軸523と軸受524,525との間に介在する潤滑油の油膜パラメータΛを上記の式f1に基づいて演算する。
具体的には、図5に示されるように、ヒートポンプECU59は、温度取得部590と、第1圧力取得部591と、第2圧力取得部592とを備えている。
温度取得部590は、潤滑油の温度を取得する部分である。本実施形態の温度取得部590は、外気温センサ56の検出温度を潤滑油の温度として用いている。
第1圧力取得部591は、圧縮機51の高圧冷媒の圧力を取得する部分である。本実施形態の第1圧力取得部は、圧力センサ57の検出圧力を圧縮機51の高圧冷媒の圧力として用いている。
第2圧力取得部592は、圧縮機51の低圧冷媒の圧力を取得する部分である。具体的には、第2圧力取得部592は、圧縮機51の低圧冷媒の圧力と外気の温度との関係を示すマップや演算式を有している。第2圧力取得部592は、これらのマップや演算式等を用いて、外気温センサ56により検出される温度から圧縮機51の低圧冷媒の圧力を推定する。
ヒートポンプECU59は、潤滑油の粘度と潤滑油の温度との関係を示すマップや演算式等を有している。ヒートポンプECU59は、温度取得部590により検出される潤滑油の温度からマップ及び演算式等に基づいて潤滑油の粘度μを演算する。
ヒートポンプECU59は、第1圧力取得部591により取得した高圧冷媒の圧力と、第2圧力取得部592により取得した低圧冷媒の圧力との差圧に基づいて冷媒圧縮荷重Fを演算する。
ヒートポンプECU59は、現在の圧縮機51の回転速度V、潤滑油の粘度μ、及び冷媒圧縮荷重Fから「V×μ/F」を演算し、その演算値に所定の比例定数を乗算することにより潤滑油の油膜パラメータΛを求める。
図4に示されるように、ヒートポンプECU59は、ステップS20の処理に続くステップS21の処理として、油膜パラメータΛの演算値と油膜パラメータの下限値Λminとの差分値ΔΛ(=Λ−Λmin)を演算する。次に、ヒートポンプECU59は、ステップS22の処理として、差分値ΔΛに基づいて、冷媒圧縮荷重Fの調整量、及び圧縮機51の回転速度Vの調整量を設定する。
例えば、ヒートポンプECU59は、差分値ΔΛが所定値よりも大きい場合には、潤滑油の潤滑状態に余裕があると判断し、冷媒圧縮荷重Fの調整量及び圧縮機51の回転速度Vの調整量を通常値に設定する。なお、所定値は、潤滑油の潤滑状態に余裕があるか否かを判断することができるように予め実験等により設定されている。
一方、ヒートポンプECU59は、差分値ΔΛが所定値未満である場合には、潤滑油の潤滑状態に余裕がないと判断し、冷媒圧縮荷重Fの調整量及び圧縮機51の回転速度Vの調整量を通常値よりも小さい値に設定する。
ヒートポンプECU59は、ステップS21に続いて、ステップS10〜S14の処理を実行する。ヒートポンプECU59は、ステップS11〜S14の処理を実行する際、ステップS21において設定された冷媒圧縮荷重Fの調整量、及び圧縮機51の回転速度Vの調整量に基づいて冷媒圧縮荷重F及び圧縮機51の回転速度Vを変更する。
以上説明した本実施形態の給湯装置10によれば、以下の(3)に示される作用及び効果を得ることができる。
(3)ヒートポンプECU59は、油膜パラメータΛの演算値に基づいて冷媒圧縮荷重F及び圧縮機51の回転速度Vを調整する。これにより、冷媒圧縮荷重F及び圧縮機51の回転速度Vを、実際の油膜パラメータΛに応じてより適切に変更することができるため、潤滑油の潤滑状態を更に適切に維持することができる。
<他の実施形態>
なお、各実施形態は、以下の形態にて実施することもできる。
・第2実施形態の温度取得部590は、潤滑油の温度を直接検出するセンサの出力信号に基づいて潤滑油の温度を取得するものであってもよい。
・第2実施形態の第2圧力取得部592は、圧縮機51の低圧冷媒の圧力を直接検出するセンサの出力信号に基づいて圧縮機51の低圧冷媒の圧力を取得するものであってもよい。
・圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを変更する方法は適宜変更可能である。例えば、ヒートポンプECU59は、送風装置55のファンの回転速度を変更することにより圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを変更してもよい。具体的には、ヒートポンプECU59は、送風装置55のファンの回転速度を現在の回転速度よりも上昇させることにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを低下させる。また、ヒートポンプECU59は、送風装置55のファンの回転速度を現在の回転速度よりも低下させることにより、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを上昇させる。
・各実施形態の構成は、膨張弁53に代えてエジェクタが用いられているヒートポンプサイクル50にも採用することができる。エジェクタは、圧縮機51で高圧に圧縮された後に高圧側熱交換器52により凝縮された冷媒を減圧させるノズルと、低圧側熱交換器54から流出した低圧の冷媒を吸引する吸引部と、ノズルからの噴出冷媒と吸引部で吸引した冷媒とを混合して昇圧するディフューザとを備えている。このようなヒートポンプサイクル50では、エジェクタの開度の調整により、圧縮機51の冷媒圧縮荷重Fを変更することが可能である。
・貯湯ECU38及びヒートポンプECU59が提供する手段及び/又は機能は、実体的な記憶装置に記憶されたソフトウェア及びそれを実行するコンピュータ、ソフトウェアのみ、ハードウェアのみ、あるいはそれらの組み合わせにより提供することができる。例えば貯湯ECU38及びヒートポンプECU59がハードウェアである電子回路により提供される場合、それは多数の論理回路を含むデジタル回路、またはアナログ回路により提供することができる。
・本発明は上記の具体例に限定されるものではない。すなわち、上記の具体例に、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、前述した各具体例が備える各要素及びその配置や条件等は、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10:給湯装置
50:ヒートポンプサイクル
51:圧縮機
52:高圧側熱交換器
53:膨張弁(膨張部)
54:低圧側熱交換器
55:送風装置
59:ヒートポンプECU(制御部)
510:圧縮機構部
520:電動機部
523:駆動軸
524,525:軸受
590:温度取得部
591:第1圧力取得部
592:第2圧力取得部

Claims (6)

  1. 低圧冷媒を圧縮して吐出する圧縮機(51)、前記圧縮機から吐出される高圧冷媒を給湯用水と熱交換させる高圧側熱交換器(52)、前記高圧側熱交換器で冷却された冷媒を減圧及び膨張させる膨張部(53)、前記膨張部を通じて減圧及び膨張された冷媒を蒸発させることにより前記低圧冷媒を生成する低圧側熱交換器(54)を有するヒートポンプサイクル(50)と、
    前記ヒートポンプサイクルを制御する制御部(59)と、を備え、
    前記圧縮機は、前記低圧冷媒を圧縮して前記高圧冷媒を生成する圧縮機構部(510)と、前記圧縮機構部を駆動する電動機部(520)と、前記電動機部から前記圧縮機構部に回転動力を伝達する駆動軸(523)と、前記駆動軸を回転可能に支持する軸受(524,525)と、を有し、
    前記高圧冷媒及び前記低圧冷媒の差圧に応じて前記軸受に作用する荷重を冷媒圧縮荷重とするとき、
    前記制御部は、前記ヒートポンプサイクルの加熱能力を切り替える際、前記加熱能力の切り替え態様に応じて、前記駆動軸の回転速度、及び前記冷媒圧縮荷重の調整順序を変更する給湯装置。
  2. 前記制御部は、前記ヒートポンプサイクルの加熱能力を現在の加熱能力よりも低下させる場合には、前記冷媒圧縮荷重を低下させた後に前記駆動軸の回転速度を低下させる
    請求項1に記載の給湯装置。
  3. 前記制御部は、前記ヒートポンプサイクルの加熱能力を現在の加熱能力よりも上昇させる場合には、前記駆動軸の回転速度を上昇させた後に前記冷媒圧縮荷重を上昇させる
    請求項1に記載の給湯装置。
  4. 前記制御部は、
    前記高圧冷媒の圧力を取得する第1圧力取得部(591)と、
    前記低圧冷媒の圧力を取得する第2圧力取得部(592)と、
    前記駆動軸と前記軸受との間に介在する潤滑油の温度を取得する温度取得部(590)と、を有し、
    前記高圧冷媒の圧力及び前記低圧冷媒の圧力に基づいて前記冷媒圧縮荷重を演算し、
    前記潤滑油の温度に基づいて前記潤滑油の粘度を演算し、
    前記駆動軸の回転速度、前記冷媒圧縮荷重、及び前記潤滑油の粘度に基づいて前記潤滑油の油膜パラメータを演算し、
    前記油膜パラメータに基づいて前記駆動軸の回転速度、及び前記冷媒圧縮荷重を調整する
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の給湯装置。
  5. 前記制御部は、前記膨張部の開度を調整することにより、前記冷媒圧縮荷重を調整する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の給湯装置。
  6. 前記低圧側熱交換器に空気を送風する送風装置(55)を更に備え、
    前記制御部は、前記送風装置のファンの回転速度を調整することにより、前記冷媒圧縮荷重を調整する
    請求項1〜4のいずれか一項に記載の給湯装置。
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