JP6508078B2 - 導電性接着剤、導電性接着シート、および配線デバイス - Google Patents
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Description
前記配線板の少なくとも一方の面側に設けられた補強板と、
前記配線板と前記補強板とを接合する導電性接着剤層とからなる配線デバイスであって、
該導電性接着剤層が、前記導電性接着剤より形成されてなることを特徴とする配線デバイスに関する。
前記配線板が、さらに、前記補強板に接続されたグランド配線を備える前記配線デバイスに関する。
本発明において熱硬化性樹脂は、導電性接着剤の用途で使用可能であり、硬化後において優れた耐熱性を発現しうる熱硬化性樹脂である。そのため、熱硬化性樹脂(A)は、反応性官能基としてカルボキシル基を含むことが必要である。具体的には、熱硬化性樹脂としては、例えば、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、ポリアミド系樹脂およびフェノール系樹脂等にカルボキシル基を導入することで得られた樹脂等を用いることができる。これらの中でも、その硬化後の耐湿熱性と段差追従性との面から、ポリウレタン系熱硬化性樹脂が好ましい。特に、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびメタクリル系ポリウレタン樹脂は、接続信頼性、および耐湿熱性試験後の接着力に優れるために好ましい。
飽和または不飽和の低分子ジオール類としては、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチレンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ダイマージオール等が挙げられる。
一方、ジカルボン酸類としては、例えば、アジピン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等が挙げられる。
また、ジオールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3’−ジメチロールヘプタン、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル、2,2,8,10−テトラオキソスピロ〔5.5〕ウンデカン等が挙げられる。
また、ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールAやビスフェノールF、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドのようなアルキレンオキサイドを付加したビスフェノール類等が挙げられる。
これらのポリオール類の中でも、カルボキシル基を有しないポリオール化合物(b)としては、ポリエステルポリオールが好ましく、ポリエステルジオールがより好ましい。
前記芳香族ジイソシアネートとしては、例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等が挙げられる。
なお、アミノ基の当量は、反応停止剤としてアミン類(例えば、ジアルキルアミン類、ジアルカノールアミン類)を使用する場合、ポリアミノ化合物(e)が有するアミノ基と反応停止剤が有するアミノ基との合計当量とされる。
本発明において、エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物である。エポキシ樹脂の性状としては、液状および固形状を問わない。
エポキシ樹脂としては、例えば、グリジシルエーテル型エポキシ樹脂、グリジシルアミン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、環状脂肪族(脂環型)エポキシ樹脂等が好ましい。
これらの中でも、エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、トリス(グリシジルオキシフェニル)メタン、およびテトラキス(グリシジルオキシフェニル)エタンが好ましい。これらのエポキシ樹脂を用いることにより、導電性接着剤の湿熱経時後の抵抗値と接着力がより向上する。
本発明の導電性フィラー(B)は、銅を主成分とする導電性フィラーである。導電性フィラーは、導電性接着剤に導電性を付与する機能を有する。導電性フィラー(B)は、銅を主成分としていればよく、その他の元素との合金であってもよい。その他の合金元素としては、亜鉛、マンガン、鉄、鉛、リン、銀、ニッケル、シリカ、錫、アルミニウム、ベリリウム、チタンが挙げられる。
導電性フィラー(B)は、さらに、主成分である銅を核体とし、該核体の表面を導電性物質で被覆した被覆層を有する複合微粒子を使用することもできる。ここで核体となる銅は純粋な銅であってもよく、上記記載した元素との合金化した銅であってもよい。被覆層は、導電性を有する素材であればよく、導電性金属または導電性ポリマーが好ましい。導電性金属は、例えば、金、白金、銀、ニッケル、マンガン、およびインジウム等、ならびにその合金が挙げられる。また導電性ポリマーは、ポリアニリン、ポリアセチレン等が挙げられる。これらの中でも価格と導電性の面から銀が好ましい。
本発明の導電性接着剤は、このようなコストダウンが可能となる、導電性物質の被覆量が少ない場合にも、導電性接着剤の粘度安定性が良好であり、かつ、高温高湿環境下に長時間晒されても、導電性が良好であり、シールド特性や金属補強板への接着強度も優れる導電性シートとすることが可能となるものである。
導電性フィラーは、単独または2種類以上を併用してもよい。
上記方法以外にも、走査型電子顕微鏡による導電性フィラーの拡大画像(例えば、千〜一万倍)から、約10〜20個程度の粒子を選択し、その粒子の直径を測定することで平均粒子径を測定することもできる。導電性フィラーの長手方向の長さと短手方向の長さとが大きく異なる場合は、長手方向の長さを使用して、導電性フィラーの平均粒子径を算出する。さらに、導電性フィラーが球状以外の形状である場合、導電性フィラーの平均粒子サイズは、導電性フィラーの最大長さを使用して算出する。
本発明において、硬化剤は、導電性接着剤をシート状に形成して導電性接着剤層を得る際に、架橋反応により導電性接着剤層を半硬化状態とする機能を有するが、かかる機能を有さず、本硬化の際に架橋反応する機能を有していてもよい。硬化剤としては、例えば、イソシアネート系硬化剤、アミン系硬化剤、アジリジン系硬化剤、イミダゾール系硬化剤等が好ましい。熱硬化性樹脂及び後述するエポキシ樹脂、シランカップリング剤が不飽和結合を有する場合は、過酸化物系硬化剤、アゾ系硬化剤が好ましい。
導電性接着剤中への硬化剤の配合量は、熱硬化性樹脂(A)100重量部に対して、0.3〜20重量部であることが好ましく、1〜15重量部であることがより好ましい。熱硬化性樹脂(A)100重量部に対して、0.3〜20重量部の硬化剤を配合することで、半硬化後の導電性接着剤層を流動しにくくすることができるため、導電性接着剤層のブロッキングを抑制しやすくなる。
本発明において、シランカップリング剤は、シランカップリング剤のアルコキシシリル基が架橋反応することで、硬化後の塗膜の架橋密度が増し、導電性接着剤の耐湿熱性を向上することができる。その結果、耐湿熱性試験後においても抵抗値の上昇が抑制され、接着力が低下し難くなる。
シランカップリング剤としては、例えば、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、アミノ系シランカップリング剤、ビニル系シランカップリング剤、メタクリル系カップリング剤、チオール系カップリング剤、イソシアネート系シランカップリング剤等が好ましい。
特に好ましくは、シランカップリング剤が、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、またはアミノ系シランカップリング剤である場合、導電性接着剤の粘度安定性に優れたものとなる。
本発明の導電性接着剤は、さらに無機フィラーを含むことが好ましい。無機フィラーを含むことで、導電性接着剤の耐湿熱信頼性及び打ち抜き加工性がより向上する。
無機フィラーとしては、例えば、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、タルク、モンモロリナイト、カオリン、ベントナイト等の無機化合物が挙げられる。これらの中でも、無機フィラーとしては、シリカ表面のシラノール基とハロゲン化シランとを反応させることにより得られる疎水性シリカが好ましい。疎水性シリカを使用することにより、導電性接着剤の含水率を低減することができる。なお、本発明において、無機フィラーは、導電性フィラーと異なる。
本発明の導電性接着シートは、剥離性シートと、この剥離性シートの一方の面側に設けられた導電性接着剤層とを備えるシートである。導電性接着剤層は、例えば、導電性接着剤を剥離性シート上に塗工して形成され、好ましくは半硬化状態となっている。前記導電性接着シートの導電性接着剤層は、例えば、補強板(導電性補強板)と仮貼りした後に、高温加熱により本硬化することで、高い接続信頼性と耐湿熱性が得られる。
前記導電性接着剤層は、その表面に剥離性シートを貼り合わせることで、その取り扱いが容易になる。
本発明の配線デバイスは、信号配線を備える配線板と、前記配線板の少なくとも一方の面側に設けられた補強板と、前記配線板と前記補強板とを接合する本発明の導電性接着剤より形成されてなる導電性接着剤層とからなる。
かかる配線デバイスは、例えば、配線板と導電性補強板とを半硬化状態の導電性接着剤層を介して仮貼りして積層体を形成した後、この積層体を高温で加熱することで、導電性接着剤層を本硬化することにより接合層を形成して得ることができる。本硬化により優れた接着強度および耐熱性を有する接合層(導電性接着剤層の硬化物)が得られる。
なお、配線板は、絶縁性基板と、この絶縁性基板上に設けられた信号配線と、この信号配線を覆うように絶縁性基板上に設けられた絶縁性層とを備える。通常、配線デバイスでは、配線板の絶縁性層と補強板とが接合層により接合される。
なお、前記電気的な接続を取る方法としては、絶縁性層に貫通孔を形成し、当該貫通孔内に導電性接着剤を充填する方法、本硬化時の加熱圧着により導電性接着剤層を流動させて貫通孔内に充填する方法等が挙げられる。
なお、「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を表すものとする。また、「Mn」は数平均分子量を、「Mw」は重量平均分子量を表す。
熱硬化性樹脂1gをメチルエチルケトン40mlに溶解し、京都電子工業社製自動滴定装置「AT−510」にビュレットとして同社製「APB−510−20B」を接続したものを使用した。滴定試薬としては0.1mol/Lのエタノール性KOH溶液を用いて電位差滴定を行い、樹脂1gあたりのKOHのmg数を算出した。
Tgの測定は、示差走査熱量測定(メトラー・トレド社製「DSC−1」)によって測定した。
重量平均分子量(Mw)は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)測定で求めたポリスチレン換算の数値である。測定条件は、以下のとおりである。
装置:Shodex GPC System−21(昭和電工社製)
カラム:1本のShodex KF−802(昭和電工社製)と、1本のShodex
KF−803L(昭和電工社製)と、1本のShodex KF−805L(昭和電工社製)とを直列に連結した連結カラム
溶媒:テトラヒドロフラン
流速:1.0mL/min
温度:40℃
試料濃度:0.2%
試料注入量:100μL
導電性フィラーの被覆層の被覆率の測定方法として、銅からなる核体に対し、被覆層を銀とした場合における、銀の被覆率を例に示す。
AXIS−HS(島津製作所社製/Kratos)、X線源:Dual(Mg)15kV,10mA Pass energy 80eV、Step:0.1 eV/Step、Speed:120秒/元素、Dell:300、積算回数:8の条件でAg3d:2とCu2P:1のピーク面積から銀と銅の質量濃度を求め、銀の質量濃度の割合を被覆率とした。
導電性フィラーの被覆層の被覆率は、X線光電子分光分析(ESCA)で測定した。核体に銅、被覆層に銀を使用した導電性フィラー測定を例に説明する。まず専用台座に両面粘着テープを貼り、導電性フィラーを均一に付着させ、余分をエアーで除去したものを測定試料とした。測定試料を下記条件で、3箇所場所を変えて測定した。
装置:AXIS−HS(島津製作所社製/Kratos)
試料チャンバー内真空度:1×10−8Torr以下
X線源:Dual(Mg)15kV,5mA Pass energy 80eV
Step:0.1 eV/Step
Speed:120秒/元素
Dell:300、積算回数:5
光電子取り出し角:試料表面に対して90度
結合エネルギー:C1s主ピークを284.6eVとしてシフト補正
Cu(2p)ピーク領域:926〜936eV
Ag(3d)ピーク領域:376〜362eV
上記ピーク領域に出現したピークをスムージング処理し、直線法にてベースラインを引き、銀と銅の原子濃度「Atomic Conc」を求め、下記式にて算出した3箇所の値の平均値を導電性フィラーの被覆率とした。
被覆率=[銀の原子濃度]/([銅の原子濃度]+[銀の原子濃度])×100
尚、被覆層をニッケルとした場合、ピーク領域はNi(2p):848〜870eVとした。
D50平均粒子径はレーザー回折・散乱法粒度分布測定装置LS13320(ベックマン・コールター社製)を使用し、トルネードドライパウダーサンプルモジュールにて、導電性フィラーを測定した。なお、屈折率の設定は1.6とした。
(熱硬化性樹脂1)
[合成例1:ポリカーボネート系ポリウレタンの合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、ポリカーボネート系ジオール「ダイセル社製、プラクセルCD220」194部、ジメチロールブタン酸7部、イソホロンジイソシアネート42部、及びトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン250部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン6部、ジ−n−ブチルアミン0.6部、2−プロノール113部、及びトルエン185部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液506部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=50000、Tgは3℃、酸価7mgKOH/gであるポリカーボネート系ポリウレタン樹脂の溶液を得た。これに、トルエン、2−プロパノールを加えて、固形分30%である熱硬化性樹脂1(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)溶液を得た。
[合成例2:ポリエステル系ポリウレタンの合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、ポリエステル系ジオール「クラレ株式会社製、P−2011」195部、ジメチロールブタン酸7部、イソホロンジイソシアネート40部、及びトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン250部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン6部、ジ−n−ブチルアミン0.6部、2−プロノール113部、及びトルエン185部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液506部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=43,000、Tgは−5℃、酸価10mgKOH/gであるポリウレタン系熱硬化性樹脂の溶液を得た。これに、トルエン、2−プロパノールを加えて、固形分30%である熱硬化性樹脂2(ポリエステル系ポリウレタン樹脂)溶液を得た。
[合成例3:ポリエーテル系ポリウレタンの合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、ポリエーテル系ジオール「保土ヶ谷工業株式会社製、PTG−2000sn」196部、ジメチロールブタン酸6部、イソホロンジイソシアネート41部、及びトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン250部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン6部、ジ−n−ブチルアミン0.6部、2−プロノール113部、及びトルエン185部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液506部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=70000、Tgは−10℃、酸価15mgKOH/gであるポリエーテル系ポリウレタン樹脂の溶液を得た。これに、トルエン、2−プロパノールを加えて、固形分30%である熱硬化性樹脂3(ポリエーテル系ポリウレタン樹脂)溶液を得た。
[合成例4:ビニル系ポリウレタンの合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、ポリブタジエン系ジオール「日本宗達株式会社製、G−2000」196部、ジメチロールブタン酸6部、イソホロンジイソシアネート41部、及びトルエン70部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン250部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン6部、ジ−n−ブチルアミン0.6部、2−プロノール113部、及びトルエン185部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液506部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=30000、Tgは5℃、酸価13mgKOH/gであるポリブタジエン系ポリウレタン樹脂の溶液を得た。これに、トルエン、2−プロパノールを加えて、固形分30%である熱硬化性樹脂4(ポリブタジエン系ポリウレタン樹脂)溶液を得た。
[合成例5:ポリエステルの合成]
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管及び還流脱水装置を備えたフラスコに、テレフタル酸ジメチル184.4部、ネオペンチルグリコール94.8部、エチレングリコール94.2部、2−メチル−1,3−プロパンジオール54.7部及び酢酸亜鉛0.035部を仕込んだ。原料を加熱溶融して撹拌できるようになったら撹拌を開始して、留出するメタノールを常圧下で反応系外に除きながら170℃から220℃まで3時間かけて徐々に昇温し、220℃で1時間保持した。内温を一旦170℃まで冷却し、アジピン酸92.6部、イソフタル酸65.8部、及び1,4−シクロヘキサンジカルボン酸113.6部を加え、留出する水を常圧下で反応系外に除きながら240℃まで3時間かけて昇温し、さらに240℃で保持して、生成物の酸価が15mgKOH/gになるまで反応を続けた。次に、装置を真空減圧装置に替えて、テトラブチルチタネート0.06部を加え、240℃の温度で2トールの減圧下で6時間反応を続けた後、ポリフッ化エチレン樹脂製の容器に取り出した。この樹脂の数平均分子量は18000、ガラス転移温度は27℃であった。続いて、得られたポリエステル樹脂100部に対して、トルエン100部を加えて溶解した。次いでそれぞれのフラスコにエチレングリコールビストリメリテート二無水物を5部添加し、100℃の温度で5時間反応させ、Mw=50000、酸価19mgKOH/gであるポリエステル樹脂の溶液を得た。これにトルエンを加え希釈して、固形分が30%である熱硬化性樹脂5(カルボキシル基を有するポリエステル樹脂)溶液を得た。
[合成例6:ポリアミドの合成]
攪拌機及び還流脱水装置を備えたフラスコに、ジカルボン酸成分としてダイマー酸100重量部、ジアミン成分としてブタンジアミン7.62重量部、ピペラジン7.44重量部を仕込んだ。内温25℃から115℃/時間の割合で230℃にまで昇温し、その温度で6時間反応を継続したのち冷却を行い、熱硬化性樹脂6(ポリアミド樹脂)を得た。なお、ポリアミド樹脂の酸価は4(mgKOH/g)、重量平均分子量は66000であった。
(その他の樹脂1)
[合成例7:カルボン酸レス−ポリエステル系ポリウレタンの合成]
攪拌機、温度計、還流冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた反応容器に、アジピン酸と3−メチル−1,5−ペンタンジオール及び1,6−ヘキサンカーボネートジオールとから得られるMn=981であるジオール432部、イソホロンジイソシアネート137部、及びトルエン40部を仕込み、窒素雰囲気下90℃で3時間反応させた。これに、トルエン300部を加えて、末端にイソシアネート基を有するウレタンプレポリマーの溶液を得た。次に、イソホロンジアミン25部、ジ−n−ブチルアミン3部、2−プロパノール342部、及びトルエン576部を混合したものに、得られたウレタンプレポリマーの溶液818部を添加し、70℃で3時間反応させ、Mw=100000、酸価0mgKOH/gであるポリエステル系ウレタン樹脂の溶液を得た。これに、トルエン144部、2−プロパノール72部を加えて、固形分30%であるその他の樹脂1(ポリエステル系ウレタン樹脂)溶液を得た。
実施例において用いた導電性フィラーを下記に記す。
エポキシ樹脂1:エポキシ当量190g/eqのビスフェノールAタイプエポキシ(「アデカレジンEP−4100」、ADEKA社製)
エポキシ樹脂2:エポキシ当量150g/eqの3官能反応型エポキシ(「ED−505」、ADEKA社製)
硬化剤1:トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート
硬化剤2:クメンハイドロパーオキサイド
エポキシ系シランカップリング剤:3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
アミン系シランカップリング剤:n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
ビニル系シランカップリング剤:ビニルトリエトキシシラン
メタクリル系シランカップリング剤:3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン
チオール系シランカップリング剤:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
無機フィラー1:平均粒子径1.2μmの市販疎水性シリカ
無機フィラー2:平均粒子径3.8μmの市販超微粒子タルク
熱硬化性樹脂1(ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂)(固形分)100部と、エポキシ樹脂2を30部と、導電性フィラー5を350部と、硬化剤1を2部と、エポキシ系シランカップリング剤を3部と、を容器に仕込み、不揮発分濃度が45重量%になるようトルエン:イソプロピルアルコール(重量比2:1)の混合溶剤を加えディスパーで10分攪拌することで導電性接着剤を得た。
この導電性接着剤を乾燥厚みが60μmになるようにドクターブレードを使用して剥離性シートに塗工し、100℃で2分間乾燥することで導電性接着シートを得た。
各成分およびその配合量(重量部)を表3〜5に示すように変更した以外は、実施例1と同様にして、導電性接着剤および導電性接着シートを作成した。
なお、表3〜5に示す樹脂の配合量は固形分重量である。
導電性接着シートは、導電性接着剤を塗工して形成するが、導電性接着剤の粘度安定化が不十分である場合、塗工中に導電性接着剤が急激に増粘し均一な膜厚の導電性接着シートを得ることができない。
作製直後の導電性接着剤を140mlマヨビンに仕込み、「VISCOMERER TVB−10M」東機産業社製で6rpmにおける初期粘度を測定した。その後、上記マヨビンを室温25度の恒温環境にてミックスローターで攪拌しながら24時間放置した。24時間後の導電性接着剤の粘度を経時粘度として、初期と同じ条件で粘度を測定した。下記式にて増粘率を算出した。
増粘率(%)=経時粘度/初期粘度×100
評価基準は以下の通りである。
◎:増粘率が110%未満。良好な結果である。
○:増粘率が110%以上、130%未満。実用上問題ない。
△:増粘率が130%以上、150%未満。実用上問題ない。
×:増粘率が150%以上。実用不可
金属補強板が電磁波シールド性を発現するためには金属補強板が導電性接着剤層を介してグランド回路に接続し導通パスが確保されていることが重要である。グランド回路上に設置されたカバーレイ層のスルーホールから導電性接着剤層が充填され接着することで導通が確保されるが、スルーホールへの埋め込み性と接着性が十分でないと、電磁波シールド性、つまり初期の接続信頼性が悪化してしまう。
幅15mm・長さ20mmの導電性接着シートと、幅20mm・長さ20mmのSUS板(厚さ0.2mmの市販のSUS304板の表面に厚さ2μmのニッケル層を形成したもの)を重ねて、ロールラミネーターで90℃、3Kgf/cm2、1M/minの条件で貼り付けて試料を得た。
図1(1)の平面図を示して説明すると試料から剥離性フィルムを剥がし、露出した面を別に作製したフレキシブルプリント配線板(厚み25μmのポリイミドフィルム11上に、互いに電気的に接続されていない厚み18μmの銅箔回路12A、および銅箔回路12Bが形成されており、銅箔回路12A上に、接着剤付きの、厚み37.5μm、直径1.2mmのスルーホール14を有するカバーフィルム13が積層された配線板)にロールラミネーターで90℃、3Kgf/cm2、1M/minの条件で貼り付けた。
そして、これらを170℃、2MPa、5分の条件で圧着をした後、160℃の電気オーブンで60分間加熱を行なうことで測定試料を得た。
次いで、図1(4)の平面図に示す12A−12B間の接続信頼性を、抵抗値測定器とBSPプローブを用いて接続抵抗値を測定することにより評価した。なお、図1(2)は、図1(1)のD−D’断面図、図1(3)は図1(1)のC−C’断面図である。同様に図1(5)は、図1(4)のD−D’断面図、図1(6)は図1(4)のC−C’断面図である。
評価基準は以下の通りである。
◎:接続抵抗値が20mΩ/□未満。良好な結果である。
○:接続抵抗値が20mΩ/□以上、100mΩ/□未満。実用上問題ない。
△:接続抵抗値が100mΩ/□以上、300mΩ/□未満。実用上問題ない。
×:接続抵抗値が300mΩ/□以上。実用不可
図1(1)のカバーフィルム13の厚みを60μmに変えた以外は、接続抵抗値(段差37.5μm)と同様の方法、評価基準で接続信頼性を評価した。
FPCが組み込まれた電子部品は多様な環境下で使用される。耐湿熱経時後の接続信頼性が十分でないと、たとえば高温多湿な環境で長時間使用された際に、電磁波シールド性が悪化し、貼り付けた信号回路の周波数特性が悪化してしまう。
接続信頼性(段差37.5μm)の試験で作成した測定試料を85℃85%のオーブンに500時間投入した。その後、図1(4)の平面図に示す12A−12B間の接続信頼性(湿熱経時後の接続信頼性)を、抵抗値測定器とBSPプローブを用いて抵抗値を測定することにより耐湿熱経時後の接続信頼性を評価した。
評価基準は以下の通りである。
◎:接続抵抗値が20mΩ/□未満。良好な結果である。
○:接続抵抗値が20mΩ/□以上、100mΩ/□未満。実用上問題ない。
△:接続抵抗値が100mΩ/□以上、300mΩ/□未満。実用上問題ない。
×:接続抵抗値が300mΩ/□以上。実用不可
導電性接着シートを幅25mm×長さ100mmの大きさに切断した後、剥離性シートを剥がして導電性接着剤層を得た。この導電性接着剤層を、厚さ40μmの銅張積層板(「エスパーフレックス」、住友金属鉱山社製)のポリイミド面と、厚さ200μmのステンレス板(SUS304)との間に挟んで積層体を形成した。その後、得られた積層体を170℃、2MPa、5分の条件で圧着した後、160℃の電気オーブンで60分間加熱した。これにより、「銅張積層板/導電性接着剤層の硬化物/SUS板」の積層体を得た。この積層体を85℃85%のオーブンに500時間投入した後、23℃、相対湿度50%の雰囲気下、引っ張り速度50mm/minでTピール剥離試験を行い、その接着強度(N/cm)を測定した。
◎:接着強度が10N/cm以上。良好な結果である。
○:接着強度が10N/cm未満、7N/cm以上。実用上問題ない。
△:接着強度が7N/cm未満、4N/cm以上。実用上問題ない。
×:接着強度が4N/cm未満。実用不可。
実施例及び比較例で得られた導電性接着シートと、SUS板(厚さ0.2mmの市販のSUS304板の表面に厚さ2μmのニッケル層を形成したもの)を重ねて、ロールラミネーターで90℃、3Kgf/cm2、1M/minの条件で貼り付けて試料を得た。
この試料を10mm×30mmのサイズに100ピース抜き加工機にて型抜きし、不良品が何ピースあるかを下記の通り評価した。なお、不良品とは、型抜きの形に加工された後に、部分的に抜けていないもの、SUS板と導電性接着剤層が剥がれたもの、および導電性接着剤層を打ち抜いた端部の形状が歪であるもののことである。
◎・・・10%未満
○・・・10%以上15%未満
△・・・15%以上25%未満
×・・・25%以上
12A、12B 銅箔回路
13 カバーフィルム
14 スルーホール
15a 金属補強板
15b 導電性接着剤層
Claims (9)
- カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)、エポキシ樹脂、銅を主成分とする導電性フィラー(B)、硬化剤、およびシランカップリング剤を含有し、
前記カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)は、酸価1mgKOH/g以上のポリウレタン系熱硬化性樹脂であり、
前記ポリウレタン系熱硬化性樹脂が、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびポリブタジエン系ポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかであって、カルボキシル基を有するジオール化合物(a)と、カルボキシル基を有しないポリオール化合物(b)と、有機ジイソシアネート(c)とを反応させて得られるものであり、
前記カルボキシル基を有するジオール化合物(a)は、ジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、およびジヒドロキシ安息香酸の少なくともいずれかであり、
導電性フィラー(B)が、銅からなる核体と、銀からなる被覆層とを具備するとともに、少なくとも次のいずれかを満たし;
前記核体100質量部に対し、前記被覆層が5質量部以上である;又は
被覆率が90%以上である、
前記熱硬化性樹脂(A)100質量部に対して、1〜15質量部のシランカップリング剤が配合されている、
ことを特徴とする導電性接着剤。 - カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)、エポキシ樹脂、銅を主成分とする導電性フィラー(B)、硬化剤、およびシランカップリング剤を含有し、
前記カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)は、酸価1mgKOH/g以上のポリウレタン系熱硬化性樹脂であり、
前記ポリウレタン系熱硬化性樹脂が、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびポリブタジエン系ポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかであって、カルボキシル基を有するジオール化合物(a)と、カルボキシル基を有しないポリオール化合物(b)と、有機ジイソシアネート(c)とを反応させて得られるものであり、
前記カルボキシル基を有するジオール化合物(a)は、ジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、およびジヒドロキシ安息香酸の少なくともいずれかであり、
導電性フィラー(B)が、銅からなる核体と、銅とは異なる導電性物質からなる被覆層とを具備するとともに、少なくとも次のいずれかを満たし;
前記核体100質量部に対し、前記被覆層が5質量部以上である;又は
被覆率が90%以上である、
シランカップリング剤が、ビニル系シランカップリング剤、エポキシ系シランカップリング剤、およびアミノ系シランカップリング剤からなる群より選ばれる少なくともいずれかであり、
前記熱硬化性樹脂(A)100質量部に対して、1〜3質量部のシランカップリング剤が配合されている、
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 前記導電性物質が銀である、
請求項2記載の導電性接着剤。 - カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)、エポキシ樹脂、銅を主成分とする導電性フィラー(B)、硬化剤、およびシランカップリング剤を含有し、
前記カルボキシル基を有する熱硬化性樹脂(A)は、酸価1mgKOH/g以上のポリウレタン系熱硬化性樹脂であり、
前記ポリウレタン系熱硬化性樹脂が、ポリカーボネート系ポリウレタン樹脂、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂、およびポリブタジエン系ポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくともいずれかであって、カルボキシル基を有するジオール化合物(a)と、カルボキシル基を有しないポリオール化合物(b)と、有機ジイソシアネート(c)とを反応させて得られるものであり、
前記カルボキシル基を有するジオール化合物(a)は、ジメチロールアルカン酸、ジヒドロキシコハク酸、およびジヒドロキシ安息香酸の少なくともいずれかであり、
前記エポキシ樹脂は1分子中に3個以上のエポキシ基を有する化合物であり、
導電性フィラー(B)が、銅からなる核体と、銅とは異なる導電性物質からなる被覆層とを具備し、
前記熱硬化性樹脂(A)100質量部に対して、3〜10質量部のシランカップリング剤が配合されている、
ことを特徴とする導電性接着剤。 - 前記導電性物質が銀であるとともに、少なくとも次のいずれかを満たす;
前記核体100質量部に対し、前記被覆層が3質量部以上である;又は
被覆率が84%以上である、
請求項4記載の導電性接着剤。 - 導電性フィラー(B)の前記核体100重量部に対し、前記被覆層が40重量部以下であることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項記載の導電性接着剤。
- 剥離性シート上に、請求項1〜6いずれか1項記載の導電性接着剤より形成されてなる導電性接着剤層を備えることを特徴とする導電性接着シート。
- 信号配線を備える配線板と、
前記配線板の少なくとも一方の面側に設けられた補強板と、
前記配線板と前記補強板とを接合する導電性接着剤層とからなる配線デバイスであって、
該導電性接着剤層が、請求項1〜6いずれか1項記載の導電性接着剤より形成されてなることを特徴とする配線デバイス。 - 前記補強板が、導電性を有しており、
前記配線板が、さらに、前記補強板に接続されたグランド配線を備える請求項8に記載の配線デバイス。
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