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JP6508533B2 - 抵抗溶接機 - Google Patents
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JP6508533B2 - 抵抗溶接機 - Google Patents

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Description

本発明は、鋼板などの金属をスポット溶接する抵抗溶接機に係り、特に溶接電流の供給にコンデンサを用いた抵抗溶接機に関する。
抵抗溶接は、通電により母材の抵抗と接触抵抗による発熱を利用したものであり、自動車などの車両の製造ラインから一般産業で使われている各種装置の筐体接合などに広く使われている。抵抗溶接は、一般的には上下の電極で2枚の母材(鋼板などの被溶接材料で、”ワーク”とも呼ばれる)を挟持し、上下の電極間に溶接電流を供給することで2枚の母材を溶接するものである(例えば、特許文献1、特許文献2又は特許文献3を参照)。
抵抗溶接において溶接電流の立ち上がり部分は、通電時間が短いものの、それが全体に占める割合が多い場合には特に、溶接結果に与える影響が大ききため、重要である。例えば、通電時間が30msec(ミリ秒)で溶接電流の立ち上がり部分が10%の場合、溶接電流の立ち上がり部分は3msecとなる。このようになると、溶接品質への影響は大きくなり、ワーク表面の仕上がりや溶接強度のばらつきの要因となる。通電開始時は、母材の抵抗よりも接触抵抗による発熱の方が大きく、通電開始時の溶接電流の立ち上がりの速さと安定度は溶接結果に大きく影響する。接触抵抗は通電を開始して発熱すると共に急激に減少する。
ところで、大電流を安定に流すためには大容量の受電設備が必要となるが、小容量の受電設備で大電流が流せるようにするためにコンデンサを用いて、このコンデンサから溶接電流を供給するようにしたコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機が製品化されている(例えば、特許文献4又は特許文献5を参照)。コンデンサ内蔵式の抵抗溶接機を使用することで、小容量の受電設備でも電源の電圧降下の影響を受けることなく溶接電流を安定に速く立ち上げることができる。このように溶接電流を安定に速く立ち上げることができるコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機は、一般的な抵抗接機と比べて熱歪や焼け跡が比較的少ないと言われている。
特開2008−105041号公報 特開2009−291827号公報 特開2011−005544号公報 特開2011−212699号公報 特開2011−230177号公報
ところが、大電流を必要とする金属材を溶接しようとすると、新たに大容量の溶接機の導入と電力容量の大きい受電設備への変更、あるいはコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機の導入が必要となる。しかしながら、受電設備の電力容量を上げるには費用がかかる。また、新たに大容量の溶接機を導入すると、既存の溶接機と併せて2台の溶接機が共存することになり、それぞれを使い分ける必要があることから、余分な作業が強いられることになる。更に2台分の占有スペースが必要となることから、作業環境を悪化させてしまうことにもなる。また、従来のコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機は、溶接の開始から終了までに必要なエネルギーの全てをコンデンサに蓄積した電力で賄うようにしているため、大容量のコンデンサを搭載している。周知のように、コンデンサの単価は高く、コンデンサの容量を大きくすることで、抵抗溶接機自体の価格を押し上げてしまう。
本発明は、上述した従来の課題を解決するために、1台で大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の両方での使用が可能な抵抗溶接機を提供することを目的とする。
本発明の抵抗溶接機は、上下電極で被溶接物を挟持し、前記上下電極間に溶接電流を供給することで前記被溶接物を溶接する抵抗溶接機であって、交流電源を整流した直流電源で充電され、溶接電流を供給するコンデンサと、前記直流電源及び/又は前記コンデンサに蓄えられた電力で動作し、前記上下電極に溶接電流を流すインバータ回路と、前記直流電源側と前記インバータ回路側との間に直列に介挿される第1のスイッチと、前記コンデンサ側と前記インバータ回路側との間に直列に介挿される第2のスイッチと、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件と、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件に所定の条件を加えた溶接条件と、を含む複数の溶接条件を設定する溶接条件設定部と、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、前記第2のスイッチのみオンし、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件が設定された場合、前記第1のスイッチのみオンし、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記所定の条件が設定された場合、前記第2のスイッチをオンし、その後、前記所定の条件に応じて前記第1のスイッチもオンする溶接制御回路と、を備える。
上記構成によれば、1台の抵抗溶接機で、大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の両方で使用することができる。したがって、一般的な抵抗溶接機とコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機の2台の抵抗溶接機を使用する場合と比べて導入コストの削減が図れるとともに、作業効率の向上と作業環境における省スペース化が図れる。
また、上記構成において、前記直流電源の電圧を検出する第1の電圧センサと、前記コンデンサの両端間電圧であるコンデンサ電圧を検出する第2の電圧センサと、を備え、前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記第1の電圧センサで前記直流電源の電圧を測定するととともに、前記第2の電圧センサで前記コンデンサ電圧を測定し、前記コンデンサ電圧が前記直流電源の電圧より低くなったときに前記第1のスイッチもオンする。
上記構成によれば、溶接電流の立ち上がり部分に対応する期間に必要なエネルギーを主にコンデンサに蓄積した電力で賄うので、内蔵するコンデンサの低容量化が図れ、コンデンサにかかるコストを削減できる。
また、上記構成において、前記コンデンサ電圧の両端間電圧であるコンデンサ電圧を検出する第2の電圧センサを備え、前記所定の条件が、所定電圧であり、前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記所定電圧が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記第2の電圧センサで前記コンデンサ電圧を測定し、前記コンデンサ電圧が前記所定電圧より低くなったときに前記第1のスイッチもオンする。
上記構成によれば、溶接電流の立ち上がり部分の中のコンデンサの電力で賄う期間を所定電圧で調整するので、コンデンサの放電量を小さくすることができ、充電時間の短縮化及びコンデンサの長寿命化を図ることができる。
また、上記構成において、溶接電流を検出する電流センサを備え、前記所定の条件が、溶接条件の電流設定値未満の電流設定値と所定時間であり、前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記溶接条件の電流設定値未満の電流設定値と前記所定時間が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記電流センサで前記溶接電流を測定し、前記溶接電流が、前記溶接条件の電流設定値未満の電流設定値を超えたときから、その状態が前記所定時間を経過したときに前記第1のスイッチもオンする。
上記構成によれば、溶接電流の立ち上がり部分の中のコンデンサの電力で賄う期間を溶接電流と所定時間で調整するので、コンデンサの放電量を小さくすることができ、コンデンサの充電時間の短縮化及びコンデンサの長寿命化を図ることができる。更に、溶接電流の立ち上がり部分を直接溶接電流と所定時間で調整することから、電圧で調整する場合と比べて管理がしやすくなる。
本発明によれば、1台で大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の両方での使用が可能となる。
第1実施形態に係る抵抗溶接機の概略構成を示す図 第1実施形態に係る抵抗溶接機が有する降圧昇圧充電回路の概略構成を示す図 インバータ用溶接トランスの1次側に供給される電流を制御するための制御パルス、1次電流及び整流後の溶接電流を示す図 インバータ用溶接トランスの2次電圧と溶接電流の立ち上がり時間の違いを示す図 受電設備の容量と電圧降下の目安の一例を示す図 第2実施形態に係る抵抗溶接機の供給電源切替え動作を説明するためのフローチャート 第2実施形態に係る抵抗溶接機の溶接電流供給元の切り替えタイミングを示す図 第3実施形態に係る抵抗溶接機の供給電源切替え動作を説明するためのフローチャート 第4実施形態に係る抵抗溶接機の供給電源切替え動作を説明するためのフローチャート 第4実施形態に係る抵抗溶接機の溶接電流供給元の切り替えタイミングを示す図
ここで、本発明の実施形態を説明する前に、図1及び図3〜図5を用いて、本発明の実施形態を得るに至った経緯について説明する。但し、抵抗溶接機の構成については、図1に示す第1実施形態に係る抵抗溶接機1の概略構成を援用することとする。
図1において、抵抗溶接機1は、整流器2と、コンデンサ3と、降圧昇圧充電回路4と、電圧センサ(第1の電圧センサ)5と、電圧センサ(第2の電圧センサ)6と、切替回路7と、溶接制御回路8と、インバータ回路9と、インバータ用溶接トランス10と、溶接ガン11と、溶接条件設定部12と、を備える
コンデンサ3の仕様に充放電耐久性として繰り返し使用可能な充放電電圧差(充電電圧−放電電圧)が規定されていて、過度の放電はコンデンサ3の寿命を短くするため、溶接によるコンデンサ3の放電での電圧降下の制限が必要となる。通常、充放電電圧差は200V前後の値が規定されている。コンデンサ3の容量は、抵抗溶接機の最大電流、最大通電時間、インバータ用溶接トランス10の巻数比、コンデンサ3の充電電圧、溶接時のコンデンサ放電による電圧降下を元に計算し、ばらつきなどを考慮して決定される。例えば、最大電流:50KA、最大通電時間:30msec、インバータ用溶接トランス10の巻数比:50、コンデンサ3の充電電圧:DC600V、溶接電流供給によるコンデンサ放電の電圧降下:200V、その時のPWM制御のデューティが100%の場合の概算は次のようになる。この場合、コンデンサ容量の単位はFである。
抵抗溶接機本体の概算抵抗は、(600V−200V)/50/50KA=160μΩとなるので、コンデンサ3の容量は、(160μΩ×50KA×50KA)×30msec×2/(600V×600V−400V×400V)=0.12Fとなる。
図3は、インバータ用溶接トランス10の1次側に供給される電流を制御するための制御パルス、1次電流及び整流後の溶接電流を示す図である。図3(a)に示す制御パルスがインバータ用溶接トランス10の1次側に印加されることで、インバータ用溶接トランス10の1次側に図3(b)に示す1次電流が流れる。インバータ用溶接トランス10の2次側を流れる電流が整流器101,102で整流されて、図3(c)に示す溶接電流となって溶接ガン11へ流れる。
インバータ回路9でスイッチング波形の交流信号をインバータ用溶接トランス10に供給し、その交流信号をインバータ用溶接トランス10の2次側の整流器101,102で整流しているため、実際の溶接電流は極性の切り替わり部分でリップルが生ずるものの、図3(c)に示すような波形となる。
図4は、インバータ用溶接トランス10の2次電圧と溶接電流の立ち上がり時間の違いを示す図である。同図において、横軸は時間(msec)、縦軸は電流(KA)である。また、実線で示す曲線は2次電圧10Vのときの溶接電流の波形、1点鎖線で示す曲線は2次電圧11Vのときの溶接電流の波形である。なお、溶接電流の波形は一般的なLR回路(インダクタンスと抵抗)の波形と同様になる。また、図4では、溶接電流を滑らかな波形として描いているが、実際は図3(c)のように鋸歯状の波形となる。
溶接電流の波形の傾きは、通電開始直後は急であるが、最大電流に近づくに従い緩やかになる。このため、最大電流付近で使用する場合、電流の立ち上がりは非常に遅くなる。しかし、例えば最大電流に対して15%程度低いところで使用する場合は電流をより速く立ち上げることが可能になる。図4は、最大電流に対する余裕を5%(最大電流:52.6KA)と14%(最大電流:57.9KA)で比較した例であり、50KAに達する電流の立ち上がり時間は、最大電流に対する余裕が14%のときは4.2msec、最大電流に対する余裕が5%のときは6.3msecとなる。最大電流の比率が1.1倍であるが、立ち上がり時間の比率は1.5倍となる。最大電流が大きいほど電流の立ち上がりは速くなり、最大電流を大きくするためにはコンデンサ3の充電電圧を高くすればよいことが分かる。つまり、電流の立上げ時のコンデンサ3の充電電圧の余裕は重要である。
また、溶接電流の立ち上がりを速くするためには、通電によるコンデンサ3の充電電圧(放電電圧)の降下度合いも重要であり、電流が立ち上がるまでは、定常状態の電流を流すに必要な電圧に対してコンデンサ3の充電電圧を十分に高くしなければならない。通電で充電電圧(放電電圧)の降下が無視できるほどコンデンサ3の容量を十分確保していればよいが、コンデンサ3は高価で必要最小限とする。
インバータ回路9で、PWM制御(Pulse Width Modulation)する場合、制御周波数で極性が切り替わる。上述したように、インバータ用溶接トランス10の2次側の整流後の波形(溶接電流波形)は一般的なLR回路の波形と概略同じ波形となることから、極性の切り替わり部分で溶接電流が降下する部分が発生し、その分、溶接電流の立ち上がり時間が遅くなる。極性の切り替わり時間は、インバータ用溶接トランス10及び1次ケーブル97,98のインダクタンスによる電圧降下が関係し、インバータ用溶接トランス10に印加する電圧に逆比例し、電圧を高くすれば短くできる。
コンデンサを内蔵していない一般的な抵抗溶接機の場合、受電設備は抵抗溶接機の定格容量を目安に選定するが、受電設備を抵抗溶接機の最大出力容量で選定すると過大となり、維持費が割高になる。これに対し、連続定格で選定すると最大出力の時の電圧降下が大きくなり過ぎて、必要とする電源電圧を確保できなくなる。図5は、受電設備の容量と電圧降下の目安の一例を示す図である。同図では、受電設備の容量(50KVA,75KVA,…,400KVA,500KVA)の違いに対する抵抗溶接機の出力容量(KVA)と電圧降下(%)の関係を示している。受電設備に対する抵抗溶接機の出力容量が大きくなると電圧降下が大きくなる。受電設備は、抵抗溶接機の最大出力容量の時の電圧降下を考慮し、必要となる電源電圧を確保できる容量のものを選定する。
受電設備は、瞬時出力においては連続定格を超えて使用できるので、受電設備の容量とコンデンサ容量を整合し、中容量の充電設備を準備し、中容量のコンデンサ容量で溶接電流が立ち上がり安定となるまでの溶接電流を供給するようにすると、コンデンサの充電時間も短くでき効率のよい溶接機とすることができる。
コンデンサを内蔵していない抵抗溶接機では、溶接トランスの巻数比:50、16KA、500msecを例とした場合、最大出力容量は16KA×(√2×AC400V)/50=181KVAとなる。ここで、許容使用率を7%とすると、連続容量は181KVA×√7%=48KVA、定格容量は181KVA×√(7%/50%)=68KVAとなる。75KVAの受電設備を使用して16KAの電流を流す場合、目安として約13%の電圧降下となる。
一方、コンデンサ内蔵式の抵抗溶接機では、溶接トランスの巻数比:50、50KA、30msec、通電開始時のコンデンサ電圧VcをDC600V、通電終了時のコンデンサ電圧VcをDC400Vとした場合、最大出力容量は50KA×DC400V/50=400KVAで、この出力を前記の75KVAの受電設備で供給する場合、目安として約27%の電圧降下となり、電源電圧AC400Vの場合、AC400V×√2×(100%−27%)=413Vとなる。したがって、必要とする電源電圧を確保することができ、定常状態の電流を維持できる。しかしながら、この電圧では電流の立ち上がりは遅くなり、さらに電源電圧変動も発生するので電流を安定に立ち上げることはできない。溶接電流の立ち上がりは電圧に比例して速くなる。
インバータ用溶接トランス10内の整流器101,102の順方向電圧による降下分があるものの、2次電圧は概算で、インバータ用溶接トランス10の1次側電圧/インバータ用溶接トランス10の巻数比となる。上述したように、最大電流:50KA、最大通電時間:30mseの大電流・短時間溶接の場合、0.12F程度の容量のコンデンサ3が用いられるが、この容量のコンデンサ3では一般的な抵抗溶接機で使用する溶接条件(アメリカ抵抗溶接製造者協会:RWMA)の電流や通電時間には対応することができない。例えば、16KA、500msecの場合を例として、上記と同様に必要となるコンデンサ容量を求めてみると、(160μΩ×16KA×16KA)×500msec×2/(600V×600V−400V×400V)=0.2Fとなり、0.12Fのコンデンサ容量では明らかに不足している。コンデンサ容量を大きくすれば対応可能となるが、16KA、500msec以上の溶接条件での使用もあり、現実的でない。
従来のコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機は大容量のコンデンサを用いているため、大電流の溶接電流を短時間流すことはできるが、大容量のコンデンサは単価が高く、溶接機自体の価格を押し上げてしまう。また、大容量のコンデンサを用いても、一般的な溶接条件(中電流で長時間)で使用する溶接機では容量が小さくて使用することはできない。つまり、大容量のコンデンサと言っても溶接電流を長時間流すことはできないからである。そのため、大電流・短時間溶接と一般的な長時間の溶接の両方を必要とする場合、一般的な抵抗溶接機とコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機の2台の抵抗溶接機が必要となる。
このような従来のコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機に対して、本実施形態に係る抵抗溶接機1は、受電設備とコンデンサ内蔵タイプのコンデンサ容量の関係を考慮し、直流電源側とインバータ回路側との間に直列に介挿される第1のスイッチ71と、コンデンサ側とインバータ回路側との間に直列に介挿される第2のスイッチ72と、溶接ガン11の上下電極11a,11b間に大電流を短時間供給する溶接条件の場合、第2のスイッチ72のみオンし、溶接ガン11の上下電極11a,11b間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の場合、第1のスイッチ71のみオンする溶接制御回路8と、を有し、1台で大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件の両方の溶接条件での使用を可能としたものである。以下、図1、図2、図6〜図10を参照して、本実施形態に係る抵抗溶接機1を詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1において、整流器2は、一般的な抵抗溶接機で用いられている受電設備200からの三相の交流電源を整流し直流電源に変換する。コンデンサ3は、溶接電流を供給する。降圧昇圧充電回路4は、三相の交流電源を整流した直流電源でコンデンサ3の充電を行う。降圧昇圧充電回路4は、溶接制御回路8により制御される。なお、以後、三相の交流電源を整流して得られた直流電源の電圧を”直流電源電圧Vpdc”と呼ぶ。また、直流電源電圧Vpdcの供給元を“直流電源側”と呼ぶ。また、コンデンサ3の両端間電圧を”コンデンサ電圧Vc”と呼ぶ。また、コンデンサ電圧Vcの供給元を”コンデンサ側”と呼ぶ。
溶接制御回路8は、降圧昇圧充電回路4を制御してコンデンサ3への充電を前回の通電終了から今回の通電開始までの間に行うが、この間、溶接制御回路8は、コンデンサ3を直流電源電圧Vpdc以下まで降圧制御で充電し、直流電源電圧Vpdc以上は昇圧制御で充電する。例えば、整流前に交流電源電圧がAC400Vの場合、交流電源を整流した約566V(400×√2)の直流電源電圧Vpdcまでは降圧制御で充電し、566V以上は昇圧制御で600Vまで充電する。なお、コンデンサ電圧が566Vに近づくと充電電流が低下するので、早めに昇圧制御に切り替える。
コンデンサ3の充電電圧は、通電の経過ともに徐々に降下するが、電流が立ち上がって定常状態となり、定常状態の電流を通電の最後まで維持するためには、定常状態の溶接電流を流すに必要な最低電圧を確保する必要がある。
図2は、降圧昇圧充電回路4の概略構成を示す図である。同図に示すように、降圧昇圧充電回路4は、リアクトル31、電流センサ32、降圧制御用スイッチ33、整流素子34、昇圧制御用スイッチ35及び整流素子36を備える。溶接制御回路8は、降圧制御時には、昇圧制御用スイッチ35をオフにした状態で、降圧制御用スイッチ33をオン・オフする。降圧制御用スイッチ33がオンすることでリアクトル31に電流が流れてリアクトル31にエネルギーが蓄えられると同時にコンデンサ3が充電される。溶接制御回路8は、リアクトル31にエネルギーが蓄えられた後、降圧制御用スイッチ33をオフする。これにより、リアクトル31に蓄えられたエネルギーによってダイオード34を通した電流が流れて降圧制御用スイッチ33のオフ期間もコンデンサ3が充電される。溶接制御回路8は、直流電源電圧Vpdcを検出する電圧センサ5の検出値及びコンデンサ3の両端間電圧であるコンデンサ電圧Vcを検出する電圧センサ6の検出値を監視して、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdcになるまでコンデンサ3の充電を行うが、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdcに近づくと充電電流が低下するので、電流センサ32の検出値を監視して早めに昇圧制御に切り替える。
溶接制御回路8は、昇圧制御時には、降圧制御用スイッチ33をオンにした状態で、昇圧制御用スイッチ35をオン・オフする。昇圧制御用スイッチ35がオンすることでリアクトル31に電流が流れ、リアクトル31にエネルギーが蓄えられる。溶接制御回路8は、リアクトル31にエネルギーが蓄えられた後、昇圧制御用スイッチ35をオフする。これにより、リアクトル31に蓄えられたエネルギーによってダイオード36を通した電流が流れ、コンデンサ3が充電される。コンデンサ3が充電されてコンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc以上になってもコンデンサ3から逆流しないようにダイオード36にて阻止される。
図1に戻り、切替回路7は、溶接ガン11の上下電極11a,11b間への溶接電流の供給を直流電源側又はコンデンサ側に切り替える。即ち、切替回路7は、第1,第2のスイッチ71,72を備えており、第1のスイッチ71は、直流電源側とインバータ回路側との間に直列に介挿され、第2のスイッチ71は、コンデンサ側とインバータ回路側との間に直列に介挿される。第1,第2のスイッチ71,72は、溶接制御回路8の制御により個別にオン/オフする。
溶接制御回路8は、例えばマイコンを用いて構成される。該マイコンは溶接制御用のプログラムを保持し、このプログラムに従って動作する。溶接制御回路8は、コンデンサ3に対する充電制御、切替回路7に対する切り替え制御及びインバータ回路9に対する制御を行う。溶接制御回路8には溶接条件設定部12が接続される。溶接条件設定部12では大電流を短時間供給する溶接条件と、それ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)等が設定される。溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で大電流を短時供給する溶接条件以外の溶接条件が設定された場合、切替回路7の第1のスイッチ71のみをオンする。これにより、直流電源側から溶接電流が供給される。また、溶接制御回路8は、大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、切替回路7の第2のスイッチ72のみをオンする。これにより、コンデンサ3から溶接電流が供給される。
溶接条件設定部12における設定は、例えば鋼板のような中電流を長時間供給することで溶接が完了する金属材料に対しては、中電流を長時間供給する溶接条件が設定される。これに対し、アルミニウムのような大電流を短時間供給することで溶接が完了する金属材料に対しては、大電流を短時間供給する溶接条件が設定される。
インバータ回路9は、インバータ制御回路91と、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)を使用した4つのスイッチ92〜95と、例えばCT(Current Transformer)を使用した電流センサ96と、を備える。インバータ制御回路91は、溶接制御回路8から出力されるタイミング信号と電流センサ96で検出された1次電流に基づいてスイッチ92〜95のそれぞれをオン・オフ制御し、溶接電流を制御する。溶接電流の大きさは、スイッチ92〜95のそれぞれをオン・オフのデューティを調整することで変化する。即ち、デューティ調整することで図3の(a)に示すWの幅が変化し、溶接電流の大きさが変化する。
このように、第1実施形態に係る抵抗溶接機1は、直流電源側とインバータ回路側との間に直列に介挿される第1のスイッチ71と、コンデンサ側とインバータ回路側との間に直列に介挿される第2のスイッチ72と、溶接ガン11の上下電極11a,11b間に大電流を短時間供給する溶接条件の場合、第2のスイッチ72のみオンし、溶接ガン11の上下電極11a,11b間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件の場合、第1のスイッチ71のみオンする溶接制御回路8と、を有するので、1台の抵抗溶接機で、大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の両方で使用することができる。したがって、一般的な抵抗溶接機とコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機の2台の抵抗溶接機を使用する場合と比べて導入コストの削減が図れるとともに、作業効率の向上と作業環境における省スペース化が図れる。
なお、上記第1実施形態に係る抵抗溶接機1において、使用する電源容量を小さくしたい場合で、一般的な溶接条件でもコンデンサ3から十分電流を供給できる場合には、コンデンサ側からの供給を選択できるようにしてもよい。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aは、上述した第1実施形態に係る抵抗溶接機1と一部動作が異なるものの、同様の構成を採るので、図1を援用することとする。
上述した第1実施形態に係る抵抗溶接機1は、大電流を短時間供給する溶接時には、溶接開始から終了までに必要なエネルギーをコンデンサ3に蓄積した電力で賄うようにしたが、第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aは、溶接電流の立ち上がり部分に対応する期間に必要なエネルギーを主にコンデンサ3に蓄積した電力で賄うようにして、コンデンサの低容量化を図ったものである。
溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で中電流を長時間供給する溶接条件が設定された場合、切替回路7のスイッチ71のみをオンし、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える。
溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、切替回路7の第2のスイッチ72をオンする。これにより、溶接電流がコンデンサ側から供給される。溶接制御回路8は、切替回路7の第2のスイッチ72をオンにした後、電圧センサ5で直流電源電圧Vpdcを測定するとともに、電圧センサ6でコンデンサ電圧Vcを測定する。溶接制御回路8は、直流電源電圧Vpdcとコンデンサ電圧Vcを比較し、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc以上であって、溶接が終了していないと判断すると、直流電源電圧Vpdc及びコンデンサ電圧Vcの測定及び比較を継続する。溶接制御回路8は、溶接が継続している状態でコンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc未満になったと判断すると、切替回路7の第1のスイッチ71もオンする。この場合、切替回路7の第1のスイッチ71もオンすると直流電源側から溶接電流が流れ始めるが、電圧降下で直流電源電圧Vpdcが僅かに低くなるため、コンデンサ側から並行して溶接電流が供給される。最終的には直流電源電圧Vpdcに切り替わる。
このように、溶接電流の立ち上がり部分のみコンデンサ3から電力を賄うことで、コンデンサ3の低容量化を図ることができる。例えば、最大電流50KA、通電時間30msec、電流の立ち上がり時間6msec、インバータ用溶接トランス10の巻数比を50、コンデンサ3の充放電電圧差を50Vとする場合、概算で((50KA/50)×6msec/2)/50V=0.06Fとなり、前記の0.12Fに比べ50%の値となる。
図6は、第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aの供給電源切替え動作を説明するためのフローチャートである。同図において、溶接制御回路8は、まず切替回路7の第2のスイッチ72のみオンし、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替える(ステップS1)。溶接制御回路8は、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替えた後、インバータ回路9を動作させて溶接を開始する(即ち、通電を開始する、ステップS2)。溶接制御回路8は、溶接開始後、電圧センサ6でコンデンサ電圧Vcを測定するとともに、電圧センサ5で直流電源電圧Vpdcを測定する(ステップS3)。溶接制御回路8は、測定したコンデンサ電圧Vcと直流電源電圧Vpdcを比較し、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc未満かどうか判定する(ステップS4)。溶接制御回路8は、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc未満であると判断すると(即ち、ステップS4で「Yes」と判断すると)、切替回路7の第1のスイッチ71もオンし、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える(ステップS5)。
ここで、図7は、抵抗溶接機1Aの溶接電流供給元の切り替えタイミングを示す図である。同図において、横軸が通電時間(msec)、縦軸が電圧(V)である。同図に示すように、通電開始時から約9msecでコンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdcと同一になり、その直後に直流電源電圧Vpdc未満となる。コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc未満となった時点から溶接電流が直流電源側から供給されることになる。
図6に戻り、溶接制御回路8は、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替えた後、溶接が終了したかどうか判定し(ステップS6)、溶接が終了してないと判断すると(即ち、ステップS6で「No」と判断すると)、溶接が終了するまでこの判定を繰り返す。溶接制御回路8は、ステップS6の判定で、溶接が終了したと判断すると(即ち、「Yes」と判断すると)、本処理を終える。
一方、溶接制御回路8は、ステップS4の判定において、コンデンサ電圧Vcが直流電源電圧Vpdc以上であると判断すると(即ち、「No」と判断すると)、溶接が終了したかどうか判定し(ステップS7)、溶接が終了してないと判断すると(即ち、ステップS7で「No」と判断すると)、ステップS3の処理に戻り、コンデンサ電圧Vc及び直流電源電圧Vpdcの測定を継続する。これに対し、溶接制御回路8は、ステップS7の判定で、溶接が終了したと判断すると(即ち、「Yes」と判断すると)、本処理を終える。
このように、第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aは、溶接電流の立ち上がり部分に対応する期間に必要なエネルギーを主にコンデンサ3に蓄積した電力で賄うので、コンデンサ3の低容量化が図れ、コンデンサ3にかかるコストを削減できる。
(第3実施形態)
第3実施形態に係る抵抗溶接機1Bは、上述した第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aと一部動作が異なるものの同様の構成を採る。
上述した第2実施形態に係る抵抗溶接機1Aは、溶接電流の立ち上がり部分に対応する期間に必要なエネルギーを主にコンデンサ3に蓄積した電力で賄うようにしたが、第3実施形態に係る抵抗溶接機1Bは、溶接電流の立ち上がり部分の中のコンデンサ3の電力で賄う期間を予め設定した電圧(以後、“電圧設定値Vpar”と呼ぶ)で調整するようにしたものである。電圧設定値Vparの設定は溶接条件設定部12で行われる。
溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で中電流を長時間供給する溶接条件が設定された場合、切替回路7の第1のスイッチ71のみをオンし、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える。また、溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、切替回路7の第2のスイッチ72のみをオンし、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替える。溶接制御回路8は、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替えた後、電圧センサ6でコンデンサ電圧Vcを測定する。そして、測定したコンデンサ電圧Vcを電圧設定値Vparと比較し、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vpar以上であって、溶接が終了していなければ、コンデンサ電圧Vcの測定及び電圧設定値Vparとの比較を継続する。溶接制御回路8は、溶接が継続している状態で、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vpar未満になったと判断すると、切替回路7の第1のスイッチ71もオンする。これにより、溶接電流が直流電源側から供給される。
図8は、第3実施形態に係る抵抗溶接機1Bの供給電源切替え動作を説明するためのフローチャートである。同図において、溶接制御回路8は、まず切替回路7の第2のスイッチ72のみをオンし、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替える(ステップS10)。溶接制御回路8は、溶接電流の供給をコンデンサ側へ切り替えた後、インバータ回路9を動作させて溶接を開始する(即ち、通電を開始する、ステップS11)。次いで、溶接制御回路8は、電圧センサ6でコンデンサ電圧Vcを測定する(ステップS12)。そして、測定したコンデンサ電圧Vcと電圧設定値Vparを比較し、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vpar未満かどうか判定する(ステップS13)。
溶接制御回路8は、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vpar未満であると判断すると(即ち、ステップS13で「Yes」と判断すると)、切替回路7の第1のスイッチ71もオンし、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える(ステップS14)。その後、溶接制御回路8は、溶接が終了したかどうか判定し(ステップS15)、溶接が終了してないと判断すると(即ち、ステップS15で「No」と判断すると)、溶接が終了するまでこの判定を繰り返す。溶接制御回路8は、ステップS15の判定で、溶接が終了したと判断すると(即ち、「Yes」と判断すると)、本処理を終える。
一方、溶接制御回路8は、ステップS13の判定において、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vpar以上であると判断すると(即ち、ステップS13で「No」と判断すると)、溶接が終了したかどうか判定する(ステップS16)。溶接制御回路8は、溶接が終了してないと判断すると(即ち、ステップS16で「No」と判断すると)、ステップS12の処理に戻り、コンデンサ電圧Vcの測定を継続する。溶接制御回路8は、ステップS16の判定で、溶接が終了したと判断すると(即ち、「Yes」と判断すると)、本処理を終える。
このように、第3実施形態に係る抵抗溶接機1Bは、溶接電流の立ち上がり部分の中のコンデンサ3の電力で賄う期間を電圧設定値Vparで調整するので、コンデンサ3の放電量を小さくすることができ、コンデンサ3の充電時間の短縮化及びコンデンサ3の長寿命化を図ることができる。
なお、インバータ回路9には、スイッチングサージ吸収用のコンデンサが内蔵されている場合があり、このような場合において、コンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vparより低くなった後に電源の供給元の切り替えを行うと、直流電源側よりサージ吸収用コンデンサに過大電流が流れることが考えられる。しかしながら、受電設備及び配線のインダクタンス分により電圧降下が発生し、さらに溶接電流の供給による電圧降下が発生するため、過電流が流れることはない。但し、電圧降下した電圧がコンデンサ電圧Vcより大幅に高い場合には過電流が流れるため、切り替え時の電圧差は少ない方がよく、コンデンサ3の充放電電圧差を、150V程度を目安とする。例えば、電源電圧AC400V、コンデンサ3の充電電圧600Vの場合、(600V−150V)/√2=約320V、AC400Vに対して20%の電圧降下を目安とする。
また、コンデンサ容量は余裕をみて確保するので、電流が立ち上がる前にコンデンサ充放電電圧差が前記の過電流が流れない目安とする150V以上となることはないが、コンデンサ充放電電圧差が電圧設定値Vparを超えたら異常停止する監視機能を設けてもよい。
また、溶接電流が定常状態になったことをコンデンサ電圧Vcが電圧設定値Vparより低くなったことで判断するようにしてもよいし、溶接電流が電流設定値に到達したことで判断してもよいし、更には溶接電流が電流設定値に到達した後、所定時間が経過して、より安定になったことで判断してもよい。溶接電流の電流設定値への到達は、該電流設定値に対する許容範囲を設けることで判定すればよい。その許容範囲の一例としては−2%である(溶接電流で判定する例については以下で説明する)。
(第4実施形態)
第4実施形態に係る抵抗溶接機1Cは、上述した第1実施形態に係る抵抗溶接機1と一部動作が異なるものの同様の構成を採るので、図1を援用することとする。
第4実施形態に係る抵抗溶接機1Cは、溶接電流Imが溶接条件の電流設定値に到達した時に溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える。溶接電流Imの電流設定値への到達は、溶接条件の電流設定値の例えば98%の値を電流設定値Iparとし、この電流設定値Iparを溶接電流Imが超えている時間が設定時間(所定時間)Tsetを経過したときに到達したと判断して、溶接電流Imの供給をコンデンサ側から直流電源側に切り替える。溶接電流Imの検出にはインバータ回路9の電流センサ96が用いられる。
電流設定値Ipar及び設定時間Tsetそれぞれの設定は、溶接条件設定部12で行われる。溶接制御回路8は、溶接条件設定部12で電流設定値Ipar及び設定時間Tsetが設定されると、これらの値を保存する。
図9は、第4実施形態に係る抵抗溶接機1Cによる供給電源の切り替え動作を説明するためのフローチャートである。同図において、溶接制御回路8は、まず切替回路7の第2のスイッチ72をオンし、溶接電流の供給をコンデンサ側に切り替える(ステップS20)。次いで、溶接制御回路8は、インバータ回路9を動作させて溶接を開始する(即ち、通電を開始する、ステップS21)。溶接制御回路8は、溶接開始と同時に溶接電流Imを測定する(ステップS22)。即ち、溶接制御回路8は、インバータ回路9の電流センサ96で測定された溶接電流Imを取得する。溶接制御回路8は、取得した溶接電流Imと電流設定値Iparを比較し、溶接電流Imが電流設定値Iparを超えているかどうか判定する(ステップS23)。
溶接制御回路8は、溶接電流Imが電流設定値Ipar未満であると判断した場合(即ち、ステップS23で「No」と判断した場合)、溶接が終了したかどうか判定する(ステップS24)。溶接制御回路8は、ステップS24の判定で溶接が終了してないと判断すると(即ち、「No」と判断すると)、溶接電流Imが電流設定値Iparを超えるか又は溶接が終了するまでステップS22〜ステップS24の処理を繰り返す。溶接制御回路8は、溶接電流Imが電流設定値Ipar未満の状態で、溶接が終了したと判断した場合(即ち、ステップS24で「Yes」と判断した場合)、本処理を終える。
一方、溶接制御回路8は、溶接電流Imが電流設定値Iparを超えたと判断した場合(即ち、ステップS23で「Yes」と判断した場合)、溶接電流Imが電流設定値Iparを超えたときからの経過時間の計測を開始する(ステップS25)。そして、溶接制御回路8は、溶接電流Imが電流設定値Iparを超えたときからの経過時間が設定時間Tsetを経過したかどうか判定し(ステップS26)、設定時間Tsetを経過していないと判断した場合(即ち、ステップS26で「No」と判断した場合)、溶接が終了したかどうか判定する(ステップS27)。溶接制御回路8は、溶接が終了してないと判断した場合(即ち、ステップS27で「No」と判断した場合)、設定時間Tsetを経過するか又は溶接が終了するまで本処理を繰り返す。溶接制御回路8は、設定時間Tsetを経過してない状態で溶接が終了したと判断した場合(即ち、ステップS27で「Yes」と判断した場合)、本処理を終える。
これに対し、溶接制御回路8は、経過時間が設定時間Tsetを経過したと判断した場合(即ち、ステップS26で「Yes」と判断した場合)、切替回路7の第1のスイッチ71もオンし、溶接電流の供給を直流電源側へ切り替える(ステップS28)。
ここで、図10は、抵抗溶接機1Cの溶接電流供給元の切り替えタイミングを示す図である。同図において、横軸が通電時間(msec)、縦軸が電流(KA)である。同図に示すように、通電開始時から約8msecで溶接電流Imが電流設定値Ipar(電流設定値の98%)に達しており、このときから設定時間Tsetを経過した時点で直流電源側への切り替えが行われる。
図9に戻り、溶接制御回路8は、溶接電流の供給を直流電源側に切り替えた後、溶接が終了したかどうか判定し(ステップS29)、溶接が終了してないと判断した場合(即ち、ステップS29で「No」と判断した場合)、溶接が終了するまで本処理を繰り返す。これに対し、溶接が終了したと判断した場合(即ち、ステップS29で「Yes」と判断した場合)、本処理を終える。
このように、第4実施形態に係る抵抗溶接機1Cは、溶接電流Imの立ち上がり部分の中のコンデンサ3の電力で賄う期間を溶接電流と所定の経過時間で調整するので、コンデンサ3の放電量を小さくすることができ、コンデンサ3の充電時間の短縮化及びコンデンサ3の長寿命化を図ることができる。更に、溶接電流の立ち上がり部分を直接溶接電流Imと所定の経過時間で調整できるので、電圧で調整する場合と比べて管理しやすくなる。
なお、仮に溶接電流Imが立ち上がって定常状態に達してなくても電流の立ち上がりは早くなり安定するので溶接性を十分確保できる。逆に、溶接電流Imが定常状態になった後もコンデンサ3から溶接電流Imを供給すると、無駄な電流供給でコンデンサ3を放電することになり、コンデンサ3の充電時間も長くなる。
また、コンデンサ3の充電時間は、コンデンサ3の充電量(放電で降下した電圧×コンデンサ容量)、充電電流で決まる。コンデンサ3から供給する溶接電流を少なくし、充電電流を大きくすれば充電時間を短縮できる。コンデンサを内蔵した抵抗溶接機の場合、小容量の充電設備での充電を想定しているが、本発明は大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)での使用を供用するため、コンデンサ容量と受電設備の容量の整合を行い、コンデンサ3からの溶接電流は電流の立ち上がり部分と定常状態になるまでを主とするので、コンデンサ3の充電量は小さくなり、受電設備は一般的な溶接電流が流せる程度確保するので、充電電流も大きくでき、通常のコンデンサ内蔵式の抵抗溶接機に比べ充電時間を大幅に短縮できる。
また、本発明を特定の実施形態を参照して説明したが、本発明の精神と範囲を逸脱することなく様々な変更や修正を加えることができることは当業者にとって明らかである。
本発明は、1台で大電流を短時間供給する溶接条件とそれ以外の溶接条件(例えば中電流を長時間供給する溶接条件)の両方での使用ができるといった効果を有し、抵抗溶接機への適用が可能である。
1,1A,1B,1C 抵抗溶接機
2 整流器
3 コンデンサ
4 降圧昇圧充電回路
5,6 電圧センサ
7 切替回路
8 溶接制御回路
9 インバータ回路
10 インバータ用溶接トランス
11 溶接ガン
11a,11b 上下電極
31 リアクトル
32,96 電流センサ
33 降圧制御用スイッチ
34,36 整流素子
35 昇圧制御用スイッチ
71 第1のスイッチ
72 第2のスイッチ
92〜95 スイッチ
91 インバータ制御回路
97,98 1次ケーブル
101,102 整流器
200 受電設備

Claims (4)

  1. 上下電極で被溶接物を挟持し、前記上下電極間に溶接電流を供給することで前記被溶接物を溶接する抵抗溶接機であって、
    交流電源を整流した直流電源で充電され、溶接電流を供給するコンデンサと、
    前記直流電源及び/又は前記コンデンサに蓄えられた電力で動作し、前記上下電極に溶接電流を流すインバータ回路と、
    前記直流電源側と前記インバータ回路側との間に直列に介挿される第1のスイッチと、
    前記コンデンサ側と前記インバータ回路側との間に直列に介挿される第2のスイッチと、
    前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件と、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件に所定の条件を加えた溶接条件と、を含む複数の溶接条件を設定する溶接条件設定部と、
    前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、前記第2のスイッチのみオンし、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件以外の溶接条件が設定された場合、前記第1のスイッチのみオンし、前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記所定の条件が設定された場合、前記第2のスイッチをオンし、その後、前記所定の条件に応じて前記第1のスイッチもオンする溶接制御回路と、
    を備える抵抗溶接機。
  2. 前記直流電源の電圧を検出する第1の電圧センサと、
    前記コンデンサの両端間電圧であるコンデンサ電圧を検出する第2の電圧センサと、を備え、
    前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記第1の電圧センサで前記直流電源の電圧を測定するととともに、前記第2の電圧センサで前記コンデンサ電圧を測定し、前記コンデンサ電圧が前記直流電源の電圧より低くなったときに前記第1のスイッチもオンする、
    請求項1に記載の抵抗溶接機。
  3. 前記コンデンサ電圧の両端間電圧であるコンデンサ電圧を検出する第2の電圧センサを備え、
    前記所定の条件が、所定電圧であり、
    前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記所定電圧が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記第2の電圧センサで前記コンデンサ電圧を測定し、前記コンデンサ電圧が前記所定電圧より低くなったときに前記第1のスイッチもオンする、
    請求項1に記載の抵抗溶接機。
  4. 溶接電流を検出する電流センサを備え、
    前記所定の条件が、溶接条件の電流設定値未満の電流設定値と所定時間であり、
    前記溶接制御回路は、前記溶接条件設定部で前記上下電極間に大電流を短時間供給する溶接条件と前記溶接条件の電流設定値未満の電流設定値と前記所定時間が設定された場合、前記第2のスイッチをオンした後、前記電流センサで前記溶接電流を測定し、前記溶接電流が、前記溶接条件の電流設定値未満の電流設定値を超えたときから、その状態が前記所定時間を経過したときに前記第1のスイッチもオンする、
    請求項1に記載の抵抗溶接機。
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