JP6511779B2 - R−t−b系焼結磁石 - Google Patents
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Description
[1] R2T14B結晶から成る粒子を主相とし、
前記主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有するR−T−B系焼結磁石であって、
表層部と中央部とを有し、
前記表層部に、前記中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とするR−T−B系焼結磁石。
本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、R2T14B結晶から成る粒子を主相とし、主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有する。更に、本発明に係るR−T−B系焼結磁石は、表層部と中央部とを有し、該表層部に、該中央部と比較して結晶粒(主相)の平均粒径が異なる領域を有することを特徴とする。
図1に示すのは、本発明の一実施形態に係るR−T−B系焼結磁石の外観(A)、IB−IB線に沿う断面(B)、およびIC部の組織を拡大したもの(C)をそれぞれ模式的に示す図である。
次に、本発明に係るR−T−B系焼結磁石の製造方法について、好ましい実施形態を説明する。
原料粉末は、公知の方法により作製することができる。本実施形態では、第1合金と第2合金との2合金を混合して原料粉末を作製するいわゆる2合金法の場合について説明するが、単独の合金を使用する1合金法でもよい。
粉砕工程は、粒径が数百μm〜数mm程度になるまで粉砕する粗粉砕工程と、粒径が数μm程度になるまで微粉砕する微粉砕工程との2段階で実施する場合を以下に記述するが、微粉砕工程のみで粉砕してもよい。
成形工程では、原料粉末(例えば、上記混合粉末)を目的の形状に成形する。本実施形態では、上記混合粉末を、金型内に充填して、磁場中で加圧する。これにより得られた成形体は、主相結晶が特定方向に配向しているので、より残留磁束密度の高いR−T−B系焼結磁石が得られる。
焼結工程は、成形体を真空または不活性ガス雰囲気中で焼結し、R−T−B系焼結磁石を得る工程である。焼結温度は、組成、粉砕方法、粒度と粒度分布の違い等、諸条件により調整する必要があるが、成形体に対して、例えば、真空中または不活性ガスの存在下、1000℃以上1200℃以下で1時間以上20時間以下で加熱する処理を行うことにより焼成する。これにより、高密度のR−T−B系焼結磁石が得られる。
時効処理工程は、成形体を焼結した後、R−T−B系焼結磁石を焼結温度より低温で熱処理する工程である。時効処理は、例えば、700℃以上900℃以下の温度で1時間から10時間、更に500℃から700℃の温度で0.1時間から10時間加熱する2段階加熱や、600℃付近の温度で0.1時間から10時間加熱する1段階加熱等、時効処理を施す回数に応じて適宜処理条件を調整する。このような時効処理によって、R−T−B系焼結磁石の磁気特性を向上させることができる。また、時効処理工程は後述する加工工程や粒界拡散工程の後に行ってもよい。あるいは、後述する粒界拡散工程により、時効処理工程を兼ねてもよい。
冷却工程では、R−T−B系焼結磁石に時効処理を施した後、R−T−B系焼結磁石をArガス雰囲気中で急冷する。これにより、本実施形態に係るR−T−B系焼結磁石を得ることができる。冷却速度は、特に限定されるものではなく、30℃/min以上とするのが好ましい。
必要に応じて、得られたR−T−B系焼結磁石所望の形状に加工する工程を有してもよい。加工方法は、例えば切断、研削などの形状加工や、バレル研磨などの面取り加工などが挙げられる。
加工されたR−T−B系焼結磁石の粒界に対して、更に重希土類元素を拡散させる工程を有してもよい。粒界拡散は、塗布または蒸着等により重希土類元素を含む化合物をR−T−B系焼結磁石の表面に付着させた後、熱処理を行うことや、重希土類元素の蒸気を含む雰囲気中でR−T−B系焼結磁石に対して熱処理を行うことにより、実施することができる。これにより、R−T−B系焼結磁石の保磁力を更に向上させることができる。なお、粒界拡散工程を行う場合には、前述の時効処理工程を兼ねることができる。この場合、製造工程を一部簡略化できるため、生産性の観点から好適である。粒界拡散工程の後に再度、加工工程を実施しても良い。
以上の工程により得られたR−T−B系焼結磁石は、めっきや樹脂被膜や酸化処理、化成処理などの表面処理を施してもよい。これにより、耐食性を更に向上させることができる。
表1に示す原料合金を、ストリップキャスティング法により準備した。なお、表1では、bal.は、各合金の全体組成を100質量%とした場合の残りを示す。また、Bは、ICP法で、それ以外の元素は蛍光X線法で測定された。
比較例1では、水素粉砕処理(粗粉砕)で脱水素を行う際の保持温度を600℃とした以外は、実施例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルB)。
実施例2では、焼成時の昇温速度を15〜20℃/分としたこと、及び脱WAX処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルC)。
実施例3では、焼成前の成形体を酸素濃度1000ppmの雰囲気下に20分保持した以外は、比較例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルD)。
実施例4では、成形時の金型に用いる潤滑剤として、乾式の潤滑剤であるステアリン酸亜鉛に代えて、湿式の潤滑剤であるオレイン酸アミド溶液(メタノールに対して7質量%でオレイン酸アミドを溶解させた溶液)を用い、オレイン酸アミド溶液を金型側面に多めに塗布した以外は、比較例1と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルE)。
比較例2では、金型側面に対するオレイン酸アミド溶液の塗布量を少なめとした以外は、実施例4と同様の方法により、R−T−B系焼結磁石を得た(サンプルF)。なお、比較例2で作製された成形体の重量は、544g(n=20の平均値)であり、未潤滑または乾式の潤滑剤を用いて成形した成形体の重量と変わらなかった。
サンプルA〜Fについて、組織の評価を行った。組織評価の詳細は次の通りである。
それぞれのサンプルについて、図3(A)および(B)に示すように、表層部(観測点I)および中央部(観測点II)の組織をそれぞれ採取する。採取したそれぞれの組織について、走査型電子顕微鏡(SEM)により断面観察を行った。結果を図4(A)〜(F)に示す。なお、図4(A)〜(F)は、それぞれサンプルA〜Fに対応し、左側が表層部、右側が中心部の組織に対応する。
サンプルA〜Fについて、着磁性の評価を行った。着磁性評価の詳細は次の通りである。
電磁石の磁極間にサンプルを挟み閉磁路を成形し、表3に示す磁場を印加する。その後、磁場をゼロに戻す。その後、サンプルを電磁石から取り出し、フラックスメーターとサーチコイルを用いて総フラックスを測定する。このような作業を低磁場側から実施しデータを取得する。これらとパルス着磁4000kA/m印加時の総フラックスを100%とした場合と比較することで、各印加磁場における相対的な着磁率を算出した。結果を表3に示す。
次に、サンプルA、B、D、EおよびFについて、耐食性の評価を行った。耐食性評価の詳細は次の通りである。
プレッシャークッカー試験(Pressure Cooker. Test;PCT)試験機を用いて120℃、2atm、100%RHの条件下で腐食させ、R−T−B系焼結磁石の表面の腐食物を除去し、腐食による重量変化を測定した。結果を、表4に示す。なお、評価結果としては、重量変化が3mg/cm2を超えた時間とした。また、重量変化は100hまでは20h単位、100〜1000hは100h単位で測定した。
2…表面
3…表層部
4…中央部
7…粒子(主相)
8…二粒子界面(粒界)
9…三重点(粒界)
11…第1の領域
12…第2の領域
Claims (2)
- R2T14B結晶から成る粒子を主相とし、
前記主相よりもRの含有量が多いRリッチ相を有するR−T−B系焼結磁石であって、
表層部と中央部とを有し、
前記表層部に、前記中央部と比較して結晶粒の平均粒径が異なる領域を有し、
前記平均粒径が異なる領域が、前記中央部よりも結晶粒の平均粒径が小さい第1の領域から成り、
前記中央部における結晶粒の平均粒径をφ c 、前記第1の領域における結晶粒の平均粒径をφ 1 としてφ 1 ≦0.9φ c を満たすことを特徴とするR−T−B系焼結磁石。 - 前記第1の領域を有する前記表層部の厚みが8mm以下であり、前記表層部の厚みは前記表層部に直交する方向の厚みであることを特徴とする請求項1に記載のR−T−B系焼結磁石。
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