JP6512880B2 - シールドノズルおよびシールド方法 - Google Patents
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Description
また、第2発明に係るシールドノズルは、厚板狭開先レーザ溶接に用いられるガスシールドノズルであって、レーザ光源と溶接部との間に、開先部における溶接部を覆うように配置され、レーザ光が通過するレーザ通路と、シールドガスを開先外部から溶接部に層流の状態で供給する層流発生部とを有し、前記層流発生部が、溶接部に対向する層流放出面を有し、前記層流放出面から開先底部までの距離をH、溶接送り速度をV w 、ガス流速をV g 、溶接完了部の酸化が抑制される温度まで冷却される時間をtとしたとき、前記層流放出面のレーザ通路の中心より溶接進行方向前方の長さL 1 および溶接進行方向後方の長さL 2 が次式を満たすことを特徴とする。
L 1 ≧H×V w /V g −式(1)
L 2 ≧V w ×t −式(2)
第4発明に係るシールドノズルは、第1〜3発明いずれかの構成において、前記層流発生部が、シールドガスの通過可能な多孔焼結体からなることを特徴とする。
V g ≧H×V w /L 1 −式(3)
V w ≦L 2 /t −式(4)
L2/Vw≧t −式(6)
請求項2および請求項5に記載された式(1)および式(3)は、式(5)を変形してL1またはVgを左辺に置いたものであり、式(2)および式(4)は、式(6)を変形してL2またはVwを左辺に置いたものである。
図2は、本発明の対象とする、厚板狭開先溶接の模式図である。図3において、1は母材の厚板であり、その溶接面には開先2が形成されている。本発明においては、厚板1表面側の開先2周辺の空間を開先部と呼ぶ。3はレーザ光であり、レーザ光源(図示せず)から射出され、開先2内部に集光される。4はシールドノズルであり、レーザ光源と溶接部との間に、開先部における溶接部を覆うように配置され、開先2内の溶接部にシールドガス5を供給する。ここで、本発明において、厚板とは板厚が50mmt以上である鋼板や鋼材をいい、板厚200mmt程度までの厚板であれば本発明の対象となり得る。また、本発明において、狭開先とはルート幅が5mm以下であり、かつ開先角度が片側4°以下である開先をいうものとする。
シールドノズル4は、シールドガス供給口6、ケース7、レーザ通路8、および層流発生部9を有し、層流発生部9は、溶接部に対向し、溶接部に向けてシールドガス5を放出する層流放出面10を有する。ガスボンベ等から供給されたシールドガス5は、シールドガス供給口6を通って密閉構造のケース7内に流入し、層流発生部9によって層流化され、層流放出面10から放出される。シールドガス供給口6の材質、形状、大きさ、位置等は特に限定されず、公知のノズルや導管を用いることができる。ケース7の材質、形状、位置等も特に限定されず、矩形や円形等の金属製フレームを用いることができる。
さらに、シールドノズル4は、レーザ通路8および/またはワイヤ通路11からレーザ光源側に離れた位置に、圧縮空気の噴射により開先部への外気の流入および/または開先部からのシールドガス5の漏出を防ぐ、エアノズル12を有していてもよい。エアノズル12は、レーザ通路8やワイヤ通路11の、レーザ光源に対向して開口している面上にエアカーテン(エアナイフ)を形成すべく、取り付け位置や噴出方向、形状や大きさ、取り付け個数を適宜調整することができる。例えば、レーザ通路8が貫通孔である場合にはレーザ通路8からレーザ光源側に離れた位置に、ワイヤ通路11が設けられている場合にはワイヤ通路11からレーザ光源側に離れた位置にエアノズル12を配置するとよく、レーザ通路8およびワイヤ通路11の両方がレーザ光源に対向して開口している場合には、複数のエアノズル12や広範囲に圧縮空気を噴射できるエアノズル12を設けると良い。なお、エアノズル12は、圧縮空気が層流発生部7から放出されたシールドガス5の流れに影響を及ぼさない程度に、レーザ通路8および/またはワイヤ通路11からレーザ光源側に離れた位置に設けられるべきである。
L1/Vw≧H/Vg −式(5)
層流発生部9の層流放出面10の寸法(形状)と溶接条件との関係が上記式(5)を満たさない場合、開先2内の溶接部にシールドガス5が供給される前、つまり十分なシールド雰囲気が形成される前にレーザ光3が照射されて溶接が開始されてしまうおそれがある。
Vg≧H×Vw/L1 −式(3)
溶接部後方の溶接完了部は、一般的に、高温状態にある方が酸化されやすく、ある温度以下になると酸化が抑制される。酸化が抑制される温度は母材の組成等により異なるが、300〜550℃程度であり、鉄では約500℃以下、チタンでは約350℃以下である。溶接完了部が、酸化が抑制される温度まで冷却されるのに要する時間tは、レーザ出力や溶接送り速度等によって決まり、例えば本発明の実験例においては、レーザ出力6kW、溶接送り速度5mm/secの場合、溶接完了部が500℃以下まで冷却されるには15secほどかかる。高温状態にある溶接完了部は、酸化が抑制される温度まで冷却されるまでシールドガス5のアフターフローを行っておくことが好ましく、すなわち、
L2/Vw≧t −式(6)
層流発生部9の層流放出面10の寸法(形状)と溶接条件との関係が上記式(6)を満たさない場合、高温状態の溶接完了部におけるシールド性が不十分になり、溶接完了部が酸化されてしまうおそれがある。
Vw≦L2/t −式(4)
図7および図8を参照して、第2発明に係るワイヤ通路11の有無による差異を示し、シールドノズル4がワイヤ通路11を有することの効果について説明する。図7および図8は、開先突合せ継手の積層溶接において、開先底部から上方へと積層が進み、厚板1表面付近の溶接を行う様子を示しており、溶接ワイヤ13をシールドノズル4の前方から45°の送給角度(溶接ワイヤ13と厚板1表面とのなす角)で送給する場合を示す。図7および図8は、それぞれ、シールドノズル4がワイヤ通路11を有さない場合、シールドノズル4がワイヤ通路11を有する場合のものである。
[実験例1]
本例は、図9に示すごとく、本発明に係るシールドノズルおよびシールド方法を用いた例である。
グラフに示すように、溶接部前方から後方まで広範囲にかけて酸素濃度0%が維持され、広範囲での高いシールド性が示された。
[対比例1]
従来例として、太径パイプを3本連結してなる太径パイプ製シールドノズル15を開先2外部に配置した場合について、図10に示す。シールドノズル以外の溶接条件や測定内容は実験例1と同様とした。また、グラフには、シールドガス5の流量を30L/min(=5.0×105mm3/sec)に変更した場合の酸素濃度を併せて示す。
[対比例2]
従来例として、細径パイプを10本連結してなる細径パイプ製シールドノズル16を開先2内に挿入した場合について、図11に示す。シールドノズル以外の溶接条件や測定内容は実験例1と同様とした。また、グラフには、シールドガス5の流量を30L/min(=5.0×105mm3/sec)に変更した場合の酸素濃度を併せて示す。
[実験例2〜4]
実験例2〜4は、図12にある通り、本発明においてシールドノズル4にワイヤ通路11が形成されていない場合を示すためのものである。また、ワイヤ通路11が形成されていない場合においての、エアノズル12の有無による、開先2底部の酸素濃度の違いを示す。実験例1の溶接条件において、溶接ワイヤ13の送給角度が45°である場合を想定し、層流発生部9の層流放出面10が厚板1表面と平行に、その50mm上方に位置するように配置した。
[実験例5〜7]
実験例5〜7は、図13にある通り、本発明におけるエアノズル12の効果を示すためのものである。実験例1の溶接条件において、エアノズル12を用いることによる効果を見やすくするため、シールドノズル4を母材表面の20mm上方に配置して、シールドガス5の供給および酸素濃度の測定を行った。
2 開先
3 レーザ光
4 シールドノズル
5 シールドガス
6 シールドガス供給口
7 ケース
8 レーザ通路
9 層流発生部
10 層流放出面
11 ワイヤ通路
12 エアノズル
13 溶接ワイヤ
14 溶融ビード
15 太径パイプ製シールドノズル
16 細径パイプ製シールドノズル
Claims (5)
- 厚板狭開先レーザ溶接に用いられるガスシールドノズルであって、レーザ光源と溶接部との間に、開先部における溶接部を覆うように配置され、レーザ光が通過するレーザ通路と、シールドガスを開先外部から溶接部に層流の状態で供給する層流発生部と、を有し、前記レーザ通路のレーザ光源側に、圧縮空気の噴射により開先部への外気の流入および/または開先部からのシールドガスの漏出を防ぐエアノズルを有することを特徴とするシールドノズル。
- 厚板狭開先レーザ溶接に用いられるガスシールドノズルであって、レーザ光源と溶接部との間に、開先部における溶接部を覆うように配置され、レーザ光が通過するレーザ通路と、シールドガスを開先外部から溶接部に層流の状態で供給する層流発生部とを有し、前記層流発生部が、溶接部に対向する層流放出面を有し、前記層流放出面から開先底部までの距離をH、溶接送り速度をV w 、ガス流速をV g 、溶接完了部の酸化が抑制される温度まで冷却される時間をtとしたとき、前記層流放出面のレーザ通路の中心より溶接進行方向前方の長さL 1 および溶接進行方向後方の長さL 2 が次式を満たすことを特徴とするシールドノズル。
L 1 ≧H×V w /V g −式(1)
L 2 ≧V w ×t −式(2) - 溶接部に溶接ワイヤを供給する際に溶接ワイヤを挿通させることができるワイヤ通路をさらに有する、請求項1または2記載のシールドノズル。
- 前記層流発生部が、シールドガスの通過可能な多孔焼結体からなることを特徴とする、請求項1〜3いずれかに記載のシールドノズル。
- 厚板狭開先レーザ溶接に用いられるガスシールド方法であって、レーザ光が通過するレーザ通路を有するとともにシールドガスを放出することができるシールドノズルを、レーザ光源と溶接部との間に、開先部における溶接部を覆うように配置し、前記シールドノズルを用いて、シールドガスを開先外部から溶接部に層流の状態で供給し、前記シールドノズルとして、溶接部に対向する層流放出面を有するシールドノズルを用い、前記層流放出面のレーザ通路の中心より溶接進行方向前方の長さをL 1 、溶接進行方向後方の長さをL 2 、前記層流放出面から開先底部までの距離をH、溶接完了部の酸化が抑制される温度まで冷却される時間をtとしたとき、溶接送り速度V w およびガス流速V g について次式の条件設定を行うことを特徴とするシールド方法。
V g ≧H×V w /L 1 −式(3)
V w ≦L 2 /t −式(4)
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| JP2015051550A JP6512880B2 (ja) | 2015-03-16 | 2015-03-16 | シールドノズルおよびシールド方法 |
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| JP2015051550A JP6512880B2 (ja) | 2015-03-16 | 2015-03-16 | シールドノズルおよびシールド方法 |
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| JP2016168621A JP2016168621A (ja) | 2016-09-23 |
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